JP2020200726A - コンクリート床版、コンクリート床版の形成方法及びコンクリート床版の補修方法 - Google Patents
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Description
このコンクリート床版は、プレキャストコンクリートからなる複数のパネルを桁上に配列したものであり、橋梁の一径間毎に3つのパネルからなる緊張定着用パネル群が設けられている。緊張定着用パネル群は、2つの定着パネルとこれらの間に配置される1つの連結パネルで構成され、複数の緊張定着用パネル群の間には複数の通常パネルが配列されている。緊張材は接続具によって接続され、順次に緊張力が導入されているが、一連の通常パネルとこれらの両側で隣接する2つの定着パネルとに連続するプレストレスを導入して、これらの両端に定着具が装着されている。したがって、連結パネルを撤去しても、その両側にある定着パネルと通常パネルのプレストレスは維持される。これにより、2つの緊張定着用パネル群の連結パネルを撤去し、2つの連結パネルとこれらの間にある一連の通常パネル及びこれに隣接する定着パネルとを撤去して、取り替えることができるものとなっている。
プレキャストコンクリートからなるパネルの一部に損傷が生じ、これを取り替えようとするときに、少なくとも2つの定着パネルと2つの連結パネルと、2つの定着パネルの間にある一連の通常パネルとを取り替えなければならない。このため、取り替えるパネルの数を最小限に抑えて補修の費用を低減しようとする要請に、充分に対応できるものではない。また、コンクリート床版を設置するときに、定着パネルにはキャップケーブルの定着用ブロックをあらかじめ設けておく必要がある。キャップケーブルはパネルの取り替え後に緊張定着用パネル群にプレストレスを導入するために用いられるものであり、コンクリート床版の設置時には使用しない定着用ブロックを設けておくことになる。
一方、第1の緊張材の他端は、第1のプレキャスト版群に定着されるものであってもよいし、他のプレキャスト版にプレストレスを導入する他の緊張材と、接続具を介して接続されたものであってもよい。また、第1のプレキャスト版群に、第2のプレキャスト版群と左右対称の構成で1又は複数のプレキャスト版群を連続するように形成することもできる。
なお、本発明のコンクリート床版の形成方法は、第2のプレキャスト版群に第3のプレキャスト版群、第4のプレキャスト版群以下を順次に連続して形成する場合にも適用することができるものである。
図1は、本発明のコンクリート床版を有する橋梁の構成を示す概略斜視図である。また、図2は、本発明のコンクリート床版を有する橋梁の一例を示す概略断面図、及び本発明のコンクリート床版の拡大断面図である。
この橋梁は、道路橋として用いられるものであり、橋台又は橋脚2に支持された橋桁1の上にプレキャスト版10を配列し、これらを連結するとともに橋桁1に固定してコンクリート床版3としたものである。そして、それぞれのプレキャスト版10には橋桁1の軸線方向に複数のダクト13が設けられており、これらに挿通した緊張材を緊張及び定着することによってコンクリート床版3には橋桁1の軸線方向のプレストレスが導入されている。
なお、それぞれのプレキャスト版群に含まれるプレキャスト版の数は、本実施例では3つとしているが、この数に限定されるものではなく適宜に設計することができるものである。
上記2組のくさび51,52と2つのくさび保持部材53,54とは、接続しようとする第1の緊張材31と第2の緊張材32とのそれぞれの端部に装着され、それぞれの緊張材を強固に把持するものである。連結部材55は双方の緊張材31,32の端部に装着された2つのくさび保持部材53,54にねじり合わされ、2つのくさび保持部材53,54を連結する。また、上記ナット56は、図2(b)に示されるように、軸線回りに回転して第2のプレキャスト版群22側に突き出した状態とすることができるものであり、第2のプレキャスト版群22に固定されている支圧板57に当接されている。
橋桁1の上に、第1のプレキャスト版群21を構成する所定数のプレキャスト版21aを配列し、それぞれのプレキャスト版の間には無収縮モルタルを充填してプレキャスト版が連続するコンクリート版とする。そして、図3(a)に示すように、ダクト13内に挿通された第1の緊張材31に緊張力を導入し、配列されたプレキャスト版に両端部を定着具11によって定着する。つづいて第2のプレキャスト版群22を構成するプレキャスト版22aを配列する。このとき配列するプレキャスト版22aは、図3(b)に示すように第1のプレキャスト版群21の端面から所定の間隔をおいて仮置きする。この間隔は接続具12による緊張材31,32の接続作業が可能な大きさとする。仮置きされた第2のプレキャスト版群22に設けられたダクト内には、第2の緊張材32を挿通し、接続具12を介して一端を第1の緊張材31の定着された端部と接続する。
このような工程を、第2のプレキャスト版群22と隣り合う第3のプレキャスト版群23について行い、さらに第4のプレキャスト版24群以下について繰り返してコンクリート床版3を形成することができる。
図5(a)に示すように、第1のプレキャスト版群21、第2のプレキャスト版群22及び第3のプレキャスト版群23が連続するコンクリート床版3の第2のプレキャスト版群22に損傷が生じ、これを取り替えることによって補修するものとする。
取り替える第2のプレキャスト版群22は、図5(b)に示すように撤去するとともに、第2のプレキャスト版群22を貫通するように配置されていた第2の緊張材32を撤去する。このとき第1の緊張材31との接続および第3の緊張材33との接続を解除しても、第3の緊張材33は接続具19及び支圧板58を介して第3のプレキャスト版群23に定着される。また、第1の緊張材31も定着具11を介して第1のプレキャスト版群21に定着されている。したがって、第2のプレキャスト版群22と隣接する第1のプレキャスト版群21及び第3のプレキャスト版群23のプレストレスは維持される。
定着用ブロック68は、図8(a)に示すように新たなプレキャスト版群28を構成する両端のプレキャスト版に設けるものであってもよいし、図8(b)に示すように新たなプレキャスト版群26の隣接する2つのプレキャスト版、又は離れた位置にある2つのプレキャスト版に設けるものであってもよく、2つの新設緊張材37a,37b,38a,38bの一部が重複するように配置するものであれば適宜の位置に定着用ブロック68を設けることができる。
この方法は、図9(a)に示すように新たなプレキャスト版群25を橋桁1の上に配列し、残存させたプレキャスト版群21,23と間隙をおいて離隔している状態で新たなプレキャスト版群25にプレストレスを導入する。ここで用いる新設緊張材36は、橋桁1の軸線方向に配置し、新たなプレキャスト版群25のすべてのプレキャスト版を連結するととともに、両端を新たなプレキャスト版群25に定着するものである。そして、図9(b)に示すように残存させたプレキャスト版群21,23と新たなプレキャスト版群25との間隙に無収縮モルタル69を充填して硬化させる。無収縮モルタル69の硬化後、新設緊張材36のすべて又は一部の緊張力を解放する。
このコンクリート床版は、図2に示すものと同様に第1のプレキャスト版群及び第2のプレキャスト版群以下の複数のプレキャスト版で構成されており、それぞれのプレキャスト版群に配置された緊張材によってプレストレスが導入されている。これらの緊張材の定着に使用される定着具11は、図2に示すコンクリート床版3で用いられるものと同じものであり、くさび41と、くさび保持部材42と、ナット43と、を有するものであり、図10に示すように第1のプレキャスト版群21にプレストレスを導入する第1の緊張材31は、支圧板44を介して上記定着具11によって定着される。この第1の緊張材31の定着端に第2の緊張材32を接続するために用いられる接続具70は、2つの緊張材31,32にそれぞれ装着することができる2組のくさび71,72と、2つのくさび保持部材73,74と、2つのくさび保持部材73,74の外周面に形成された雄ネジにねじり合わされ、双方のくさび保持部材73,74を連結することができる連結部材75と、を有するものである。くさび71,72とくさび保持部材73,74とは図2(b)に示す接続具12と同じものを用いることができる。なお、図10に示す接続具70で用いられている連結部材75の円筒形状となった外周面には雄ネジが形成されていない。
図3に示す方法と同様に、第1のプレキャスト版群21を橋桁1上に配置し、第1の緊張材31の緊張及び定着を行って第1のプレキャスト版群21にプレストレスを導入する。その後、図11(a)に示すように、第2のプレキャスト版群22を第1のプレキャスト版群21と間隙をおいて仮置きし、この間隙内で第1の緊張材31の定着端に接続具70を介して第2の緊張材32の一端を接続する。この工程は、図3に示す方法と同様に行うことができる。ただし、この方法では、接続具70の第2の緊張材32に装着されたくさび保持部材74の端面に支圧板76を当接させておく。この支圧板76はくさび保持部材74に接着剤で接着しておくものであってもよい。
このような工程を第3のプレキャスト版群以下について繰り返し、橋桁上に任意の範囲で連続するコンクリート床版を形成することができる。
また、このように形成されたコンクリート床版は、図5から図9までに示す工程と同様の工程によって補修することができるものとなる。
図12(a)に示すコンクリート床版では、接続具80が、2つの緊張材31,32にそれぞれ装着することができる2組のくさび81,82と、2つのくさび保持部材83,84と、2つのくさび保持部材を連結する連結部材85と、第2の緊張材32に装着されたくさび保持部材84の外周面にねじり合わされるナット86と、を有するものである。くさび81,82は図2(b)に示す接続具と同様にそれぞれ緊張材31,32に装着され、くさび保持部材83,84の内周面で保持されて緊張材31,32を把持することができるものである。くさび保持部材83,84は、図2(b)に示す接続具13で用いられるものと同様にくさび81,82を保持するものであるが、第1の緊張材31に装着されるくさび保持部材83は外周面に雄ネジは形成されていない。一方、第2の緊張材32に装着されるくさび保持部材84は、外周面に雄ネジが形成され、連結部材85及びナット86とねじり合わせることができるものとなっている。この第2の緊張材32に装着されるくさび保持部材84は、第1の緊張材31に装着されるくさび保持部材83より軸線方向に長くなっており、連結部材85とナット86とをねじり合わせるとともに、ナット86を回転して軸線方向に移動させることができる長さを有するものである。
上記接続具90の2組のくさび91,92及び2つのくさび保持部材93,94は、図12(a)に示す接続具80と同様に第1の緊張材31及び第2の緊張材32の端部に装着され、連結部材95によって同様に連結される。そして、第2の緊張材32に緊張力が導入されるときには、第2の緊張材32に装着されたくさび保持部材94に支圧板96が当接され、この支圧板96はプレキャスト版22aと離隔したものとされる。そして、第2の緊張材32に緊張力を導入した後に注入されたグラウト材97によってプレキャスト版に固定されるものである。
例えば、定着具、接続具、支圧板等については上記のものに限定されものではなく、他の形態のものを使用することができる。また、緊張材も鋼より線に限定されるものではなく、鋼棒、多数の高強度繊維を束ねて結束したFRP緊張材等を用いることもできる。
また、第1のプレキャスト版群以下のそれぞれのプレキャスト版群は、上記実施の形態では3つのプレキャスト版を含むものであるが、3つに限定されるものではなく任意に設定することができる。そして、それぞれのプレキャスト版群は、すべてが同数のプレキャスト版で構成される必要はなく、適宜に異なる数のプレキャスト版で構成されるものであってもよい。
また、本発明のコンクリート床版を支持する橋桁は、図1に示すような鋼のI形断面の桁を用いるものに限定されず、鋼トラスやコンクリート桁等を用いるものであってもよく、コンクリートのプレキャスト版が用いられる床版について適用することができる。
11:定着具, 12:接続具, 13:ダクト, 14:ダクトの拡径部, 15:無収縮モルタル, 16:定着具, 17:開口, 18:グラウト材, 19:接続具, 20:アンカー部材,
21:第1のプレキャスト版群, 22:第2のプレキャスト版群, 23:第3のプレキャスト版群, 24:第4のプレキャスト版群, 26,27,28:新たなプレキャスト版群, 29:第1のプレキャスト版群に隣接する他のプレキャスト版群,
31:第1の緊張材, 32:第2の緊張材, 33:第3の緊張材, 36,37,38,39:新設緊張材,
41:くさび, 42:くさび保持部材, 43:ナット, 44:支圧板,
51,52:くさび, 53,54:くさび保持部材, 55:連結部材, 56:ナット, 57:支圧板, 58:支圧板,
61,62:無収縮モルタル, 63:ダクト, 64:切り欠き部, 65,66:コンクリート, 67:グラウト材, 68:定着用ブロック, 69:無収縮モルタル,
70:接続具, 71,72:くさび, 73,74:くさび保持部材, 75:連結部材, 76:支圧板, 77:グラウト材, 78:グラウト注入管,
80:接続具, 81,82:くさび, 83,84:くさび保持部材, 85:連結部材, 86:ナット, 87:支圧板,
90:接続具, 91,92:くさび, 93,94:くさび保持部材, 95:連結部材, 96:支圧板, 97:グラウト材
Claims (7)
- 橋桁の上に複数のプレキャスト版を配列し、前記橋桁の軸線方向にプレストレスを導入して複数の前記プレキャスト版を接合したコンクリート床版であって、
前記橋桁の軸線方向に配列された所定数のプレキャスト版からなる第1のプレキャスト版群に、第1の緊張材によってプレストレスが導入され、
第1のプレキャスト版群に隣接して第2のプレキャスト版群が配列され、
第1の緊張材の第1のプレキャスト版群に定着された一端に、第2のプレキャスト版群を貫通する第2の緊張材の一端が、接続具を介して接続され、
第2の緊張材は、緊張力が導入された状態で他端が第2のプレキャスト版群に定着されており、
前記接続具は、第2の緊張材から第1の緊張材に連続して緊張力が導入された状態で、第2のプレキャスト版群の第1のプレキャスト版群と隣接するプレキャスト版に固定された支圧板に当接されていることを特徴とするコンクリート床版。 - 前記接続具は、第1の緊張材と第2の緊張材との間で緊張力を伝達する本体部と、該本体部の外周面に設けられた雄ネジにねじり合わされるナットとを有するものであり、
前記ナットが前記支圧板に当接されていることを特徴とする請求項1に記載のコンクリリート床版。 - 前記接続具が当接された支圧板が、該支圧板と第2のプレキャスト版群を構成するプレキャスト版との間に充填されて硬化した充填材によって固定されていることを特徴とする請求項1に記載のコンクリート床版。
- 橋桁の軸線方向に所定数のプレキャスト版からなる第1のプレキャスト版群を配列し、前記橋桁の軸線方向に配置した第1の緊張材を緊張してプレストレスを導入する工程と、
第1のプレキャスト版群と隣接する位置に所定数のプレキャスト版からなる第2のプレキャスト版群を配列する工程と、
第2のプレキャスト版群に形成されたダクト内に第2の緊張材を挿通し、第1のプレキャスト版群に定着された第1の緊張材の一端に、第2の緊張材の一端を、接続具を介して接続する工程と、
第2の緊張材の他端を把持し、第2の緊張材を緊張して第2のプレキャスト版群に第1のプレキャスト版群と連続するプレストレスを導入する工程と、
前記接続具は、第1の緊張材と第2の緊張材との間で緊張力を伝達する本体部と、該本体部の外周面に設けられた雄ネジにねじり合わされるナットとを有するものを用い、第2の緊張材に緊張力を導入した後に、前記ナットを回転して第2のプレキャスト版群に固定されている支圧板に該ナットを当接される工程と、を含むことを特徴とするコンクリート床版の形成方法 - 橋桁の軸線方向に所定数のプレキャスト版からなる第1のプレキャスト版群を配列し、前記橋桁の軸線方向に配置した第1の緊張材を緊張してプレストレスを導入する工程と、
第1のプレキャスト版群と隣接する位置に所定数のプレキャスト版からなる第2のプレキャスト版群を配列する工程と、
第2のプレキャスト版群に形成されたダクト内に第2の緊張材を挿通し、第1のプレキャスト版群に定着された第1の緊張材の一端に、第2の緊張材の一端を、接続具を介して接続する工程と、
第2の緊張材の他端を把持し、第2の緊張材を緊張して第2のプレキャスト版群に第1のプレキャスト版群と連続するプレストレスを導入する工程と、
第2の緊張材側から前記接続具に当接された支圧板と第2のプレキャスト版群に含まれるプレキャスト版との間に充填材を充填して硬化させ、前記支圧板を第2のプレキャスト版群に含まれるプレキャスト版に固定する工程と、を含むことを特徴とするコンクリート床版の形成方法。 - 第2のプレキャスト版群を配列する工程と、第2の緊張材を第1の緊張材と接続する工程は、
第2のプレキャスト版群を、第1のプレキャスト版群と間隔を開けて仮置し、
第2のプレキャスト版群に形成されたダクト内に第2の緊張材を挿通し、第1のプレキャスト版群と第2のプレキャスト版群との間で第2の緊張材の一端を第1の緊張材と接続具を介して接続し、
第2のプレキャスト版群を第1のプレキャスト版群に向かって前記橋桁の軸線方向に移動し、第2のプレキャスト版群に形成されたダクトの拡径部に前記接続具を収容するとともに、第2のプレキャスト版群を第1のプレキャスト版群と隣接する位置に配置するものであることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のコンクリート床版の形成方法。 - 請求項1から請求項3までのいずれかに記載のコンクリート床版の、第2の緊張材の他端に第3の緊張材の一端が、前記接続具と同じ構成を有する第2の接続具を介して接続され、第3の緊張材によって第2のプレキャスト版群と連続してプレストレスが導入された第3のプレキャスト版群を有するコンクリート床版の第2のプレキャスト版群を補修するコンクリート床版の補修方法であって、
第2のプレキャスト版群を撤去するとともに第2の緊張材の一端及び他端を前記接続具及び前記第2の接続具から取り外し、
第2のプレキャスト版群を撤去した位置に新たなプレキャスト版群を配置するか、又は第2のプレキャスト版群を撤去した位置にコンクリートを打設して新たなコンクリート版を形成するとともに、第1の緊張材及び第3の緊張材の第2の緊張材との接続を解消した端部に、それぞれ新たな緊張材を接続する工程と、
前記新たな緊張材を緊張して新たなコンクリート版に、第1のプレキャスト版群および第3のプレキャスト版群と連続するプレストレスを導入することを特徴とするコンクリート床版の補修方法。
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