以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態を説明する。以下の図面においては、説明の簡潔化のために、同じ作用を奏する部材、部位には同じ符号を付し、重複する説明は省略または簡略化することがある。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は、必ずしも実際の寸法関係を正確に反映していない場合がある。
また、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事項は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書及び図面によって開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。加えて、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
図1は、本発明の実施形態に係るカニの加工装置100の構成を模式的に示す斜視図である。本実施形態のカニ加工装置100は、カニ400を搬送する搬送装置50と、カニの甲羅を除去する甲羅除去装置を含む脱甲機10とから構成されている。また、本実施形態のカニの加工装置100では、搬送装置50の進行方向(101)に沿って脱甲機10に入る箇所、及び/又は、脱甲機10から出る箇所に、カニ400の脚を伸ばすカニ脚伸ばし部材13が設けられている。本実施形態の構成では、脱甲機10に入る箇所と脱甲機10から出る箇所の両方にカニ脚伸ばし部材13を設けているが、いずれか一方でも効果はある。また、本実施形態の構成では、脱甲機10には、甲羅除去装置とともに、カニのエラを除去するエラ除去装置と、カニを半分に切断するカニ切断装置とが設けられている。
本実施形態の搬送装置50は、ベルトコンベアである。本実施形態のベルトコンベア50は、カニ400が載置されるベルト部51(51a、51b、51c)と、ベルト部51を駆動する動力源(モータ)52と、動力伝達部材(チェーン)53と、駆動ローラ56と従動ローラ54とから構成されている。また、ベルトコンベア50は、フレーム55によって支持されており、フレーム55で支持されたベルト部51がモータ52の動力によって回転できるように構成されている。フレーム55は、金属(例えば、ステンレス)から構成されている。
ベルトコンベア50のベルト部51は、モータ52の動力によって進行方向(矢印101、102、105、106)に向かって進行する。ベルト部51にカニ400を載置したときは、カニ400は、ベルトコンベア50によって進行方向に向かって搬送されることになる。
また、本実施形態のベルトコンベア50のベルト部51は、進行方向(矢印101)に沿って左側に位置する第1ベルト部51aと、右側に位置する第2ベルト部51bと、第1ベルト部51aおよび第2ベルト部51bの間に配置された中央ベルト部51cとから構成されている。また、中央ベルト部51cの表面は、第1ベルト部51aおよび第2ベルト部51bの表面よりも低くなっている。ここで、第1ベルト部51aおよび第2ベルト部51bの表面には、カニ400の脚の部位が配置され、そして、中央ベルト部51cの表面には、カニ400の甲羅を含む部位が配置される。
本実施形態の構成例では、中央ベルト部51cの幅は、第1ベルト部51aの幅(および第2ベルト部51bの幅)よりも狭くなっている。さらに、本実施形態では、中央ベルト部51cの幅(第1ベルト部51aと第2ベルト部51bとの間に位置する領域の幅)、および/または、中央ベルト部51cの高さ((第1ベルト部51aおよび第2ベルト部51bの高さ基準による中央ベルト部51cの深さ)を、カニ400のサイズ(大小)によって変更できるような構成にすることができる。例えば、カニ400のサイズが400g未満のときは10cm幅で、カニ400のサイズが400g以上のときは12cm幅のような設定にすることができる。
また、本実施形態では、中央ベルト部51は、脱甲機10内の甲羅除去装置の手前で折り返して循環するように構成されている。すなわち、中央ベルト部51cは、脱甲機10の領域におけるローラ59aで巻き取られて進行方向を変え、従動ローラ54の方に向かい、そして、従動ローラ54とローラ59aとの間で循環する。中央ベルト部51が脱甲機10の付近手前で折り返すことにより、脱甲機10内では、第1ベルト部51aおよび第2ベルト部51bが進行するので、中央ベルト部51が位置していた領域は空洞の状態(空間がある状態)で進むことになる。なお、中央ベルト部51は、脱甲機10の向こう側(出口側)でも同様の構成を有している。また、ローラ59aとローラ59bとの間にはチェーン(動力伝達部材)59cが掛かっている。
脱甲機10は、フレーム10a(例えば、ステンレスのような金属製部材)を備えている。フレーム10aの接地部には、ストッパ10bが設けられている。本実施形態の脱甲機10のフレーム10aの上部には、制御盤(コントローラボックス)14が配置されているが、制御盤(コントローラボックス)14は他の場所に配置しても構わない。制御盤14は、脱甲機10および搬送装置50の動作を制御する制御装置である。制御盤14には、ボタン14aが設けられており、このボタン14aを押すことで制御盤(制御装置)14を動作することができる。制御盤14は、外側の筐体と、筐体内の配線盤・制御部(例えば、半導体集積回路および電子部品から構成された回路基板)とから構成されており、脱甲機10および搬送装置50における所定の部品に電気的に接続されている。また、脱甲機10のフレーム10aの上部には、駆動モータ12(12a、12b、12c)が配置されているが、駆動モータ12は他の場所に配置しても構わない。なお、制御盤14による制御・通信は、無線によって行ったり、遠隔操作を行うようにしても構わない。
脱甲機10の手前側(入口側)から奥側(出口側)にかけて、ベルトコンベア50(第1ベルト部51aおよび第2ベルト部51b)で搬送されるカニ400の脚を保持する可動ベルト装置16が配置されている。可動ベルト装置16は、付勢部材(例えばスプリング)によって下方に(ベルトコンベア50の表面側に)押し付ける機能を有している。本実施形態の可動ベルト装置16は、左側に1つのベルト部16aが配置され、右側に1つのベルト部16bが配置されている。可動ベルト装置16では、複数のローラ18が備え付けられており、そのローラ18と協働してベルト部16は循環して進行方向に駆動する。なお、本実施形態の構成例では、可動ベルト装置16において、左右に各1本ずつ、すなわち左側に1つ(単数)のベルト部16aを配置したが、右側に2本またはそれ以上(複数)のベルト部16a、16bを配置するようにしてもよい。
脱甲機10の内部には、ベルトコンベア50で搬送されてきたカニの甲羅を除去する甲羅除去装置(20)が配置されている。また、脱甲機10の内部には、甲羅が除去されたカニのエラを除去するエラ除去装置(30)が配置されている。そして、エラが除去されたカニを半分に切断するカニ切断装置(40)が設けられている。そして、脱甲機10の入口から順に(進行方向に沿って)、甲羅除去装置(20)、エラ除去装置(30)、カニ切断装置(40)が配置されている。なお、甲羅除去装置(20)、エラ除去装置(30)、カニ切断装置(40)の詳細については後述する。
図2(a)から図2(c)は、本実施形態の加工装置100によって、カニ400が加工されていく様子を示している。
図2(a)に示したカニ400aは、搬送装置(ベルトコンベア)50に載せられる前の状態を示している。図1に示した作業者300(300aまたは300b)がカニ400の脚401を広げて(矢印402)、カニ400の甲羅406を裏向きにして(腹403を上向きにして)、甲羅406が中央ベルト部51cの表面に接触するようにするとともに、カニ400の脚401が第1ベルト部51aおよび第2ベルト部51bの表面(または上方)に配置する。中央ベルト部51cの表面は低くなるように構成(設計)されているので、中央ベルト部51cの部位の凹みに甲羅406を配置し、脚401を第1ベルト部51aおよび第2ベルト部51bに配置することが容易である。ここで、カニ400の口(又はクチバシ)405(あるいは、目が位置する前方部位)が進行方向の前方に位置するように配置する。また、腹403を上向きにした状態で、所謂ふんどし部(ヘタ部)403aは、進行方向の後方に位置するように配置する。
次に、図2(b)に示したカニ400bは、本実施形態の甲羅除去装置によって甲羅406が取り除かれた状態を示している。カニ400bは、甲羅406が取れて内部(カニ身)407が露出しているが、カニ身407にはエラ409(エラ自体は、図示せず)が付いている。エラ409は食べることができないので、エラを除去する必要がある。そして、本実施形態のエラ除去装置でエラを取り除くことができる。
そして、図2(c)に示したカニ400cは、エラが除去されたカニ400cであって、本実施形態のカニ切断装置で半分に切断した様子を示している。この状態のものは、甲羅もエラもとれたきれいなカニ身となっており、すなわち、製品としてのカニ加工品(肩肉と脚が付いたカニ身、または、セクション)である。
再び図1を参照する。図1に示した構成例では、本実施形態のカニ加工装置100の前段(上流)に、加工処理したいカニ400aを供給するカニ供給機60が配置されている。カニ供給機60は、例えば、搬送装置(ベルトコンベア、または、ローラコンベア、チェーンコンベアなど)であったり、カニが収容されたボックス(籠など)である。カニ供給機60からのカニ400aは、作業員300aによって搬送装置(ベルトコンベア)50の上に配置される。なお、作業員300aではなく、機械(またはロボット)によって自動化でカニ400aを供給するようにしてもよい。また、カニ供給機60によるカニの供給工程の前段階として、海水、水道水(又は井戸水)などの洗浄水によってカニを洗浄することを行うことが好ましい。この洗浄水として、20℃〜50℃の温水を用いると、生きている動くカニが仮死状態となり、そして、脚の筋肉が伸びて、装置(カニ供給機、搬送装置50など)に並べることが容易となる。
次に、作業員300bによって、カニ400aの脚401を広げられた状態でベルトコンベア50の上に配置されて、脱甲機10の方に進行していく(矢印101)。続いて、カニ400aは、脱甲機10の内部に入っていき(矢印102)、可動ベルト装置16(16a、16b)によってカニの脚401が固定された状態で脱甲機10内を進行していく。
脱甲機10内では、最初に、本実施形態の甲羅除去装置によって甲羅406が外される。外された甲羅406は、その中に入っていたミソ(カニ味噌)とともに、下方に落下する(矢印86参照)。除去した甲羅406は、回収容器(カゴなど)で受け止めてもよいが、図示した構成では、搬送機(スライダー(例えば、金属製の傾斜板)、または、ローラーコンベア・ベルトコンベアなど)81によって移動させ(矢印88)、回収機(回収容器)82で回収するようにしている(矢印88b)。この搬送機81・回収機82を含む回収装置を用いると、脱甲機10の下に、甲羅406(ミソを含む)がたまらないので、効率良く作業することができる(そして、清潔である)。また、甲羅406の中のミソは、美味しい食材であってこれも製品となるので、回収機82で回収しておくと後処理(後加工)が便利である。加えて、甲羅406自体は、食材ではないものの、甲羅を容器として使用する場合もあるので、効率良く回収しておくと便利である。
次に、脱甲機10内で、本実施形態のエラ除去装置によってエラ(409)が除去される。そして、エラ(409)とともに、付着しているカニ味噌の残りも除去される。エラ除去装置は、水(圧力をかけた水、すなわち、高圧水)を用いてエラの除去を行う。そのため、エラ除去装置には、圧力水ポンプ(不図示)が接続されている。圧力水ポンプには、工場内の水道管からのホースから水が導入され、そして、圧力水ホースによって、脱甲機10内のエラ除去装置に水(圧力水)を供給する。ホースは直接連結する他、連結部を介してエラ除去装置に連結してもよい。本実施形態の構成例では、複数(2台)の移動式の圧力水ポンプを使用している。
エラ除去装置によって除去されたエラ(409)や付着していたカニ味噌は、エラ除去装置から噴射した水とともに、下方に落下する(矢印87参照)。除去したエラ(409)は、回収容器(カゴなど)で受け止めてもよいが、図示した構成では、搬送機(スライダー(例えば、金属製の傾斜板)、または、ローラーコンベア・ベルトコンベアなど)83によって移動させ(矢印89)、回収機(回収容器)84で回収するようにしている(矢印89b)。このようにして回収すると、脱甲機10の下に、エラや水がたまらないので、効率良く作業することができるとともに清潔である。
次に、脱甲機10内で、本実施形態のカニ切断装置によってカニ(カニ身)を半分に切断する。カニの切断は、回転する刃(回転ノコギリ)またはシャープな刃で行うことができるが、その他の切断機構(例えば、ギロチンカッター、ウォーターカッターなど)によって切断を行ってもよい。なお、ここでの半分は、図2(c)に示すように、カニ400cの右側カニ身と、左側カニ身を分離することであり、重さや体積を正確に半分にすることを意味していない。
その後、脱甲機10からカニ400c(半身になったカニ身)が搬送される(矢印105、106参照)。このカニ400c(製品となったカニ身)は、そのまま回収箱(例えば、カゴ)に回収してもよいし、図示した例のように、例えば、搬送装置(ベルトコンベア、または、ローラコンベア、チェーンコンベアなど)62を用いて、さらに別の場所に搬送してもよい(矢印107参照)。別の場所に搬送すると、脱甲機10(カニ加工装置100)の作業効率を向上させることができる。
ここで、脱甲機10を含めたカニ加工装置100、圧力水ポンプ、搬送機81または83によって構築されるシステム(場合によっては、搬送装置60または62を含める)を、カニ身製造システム200と称してもよい。なお、図1に示した駆動モータ12a、12b、12cは、それぞれ、甲羅除去装置を動作するモータ、カニ切断装置を動作するモータ、可動ベルト装置16を動作するモータである。
次に、図3から図10を参照しながら、本実施形態のカニ加工装置100の構造をさらに示す。図3は、カニ400を搬送装置50の上に配置した状態を示している図(図面代用写真)である。図示したカニ400は、ズワイガニである。図3に示した状態でカニ400を、図1に示したように搬送装置(ベルトコンベア)50で移動(矢印101)させて、脱甲機10に進入させるときに、カニ脚401の位置が悪いと、循環ベルト部(16a、16b)にカニ脚401が引っ掛かってしまうおそれがある。そのようなカニ脚401の引っ掛かりによって、カニ加工装置100(脱甲機10)の動作が停止してしまう可能性がある。そのような動作の停止が多発すると、カニ加工のスループットの低下を招くため好ましくない。
図4は、本実施形態のカニの加工装置100に設けられているカニ脚伸ばし部材13を示している。本実施形態のカニ脚伸ばし部材13は、脱甲機10から出る箇所に設けられている。本実施形態のカニ脚伸ばし部材13は、J字型の形状を有する部材である。このカニ脚伸ばし部材13は、図1に示すように、脱甲機10に入る箇所に設けることができる。
図示したカニ脚伸ばし部材13は、搬送装置(ベルトコンベア)50の上方において、一対で配置されている。具体的には、第1ベルト部51aの上方に、第1のJ字部材13aが設けられており、第2ベルト部51bの上方に、第2のJ字部材13bが設けられている。J字部材13(13a、13b)は、後方側(カニ400が出る側)の隙間が広くなっている。なお、J字部材13(13a、13b)が、脱甲機10の入る箇所に取り付けられているときは、後方側(脱甲機10の側)へ向かって隙間が狭くなるようになっている。つまりは、J字部材13(13a、13b)は、脱甲機10の外側にむけて、隙間が広くなるようになっており、脱甲機10の側の方にむけて隙間が狭くなるように構成されている。言い換えると、J字部材13(13a、13b)の先端部は高さが高くなるように湾曲しており、その高くなって隙間が広くなった先端部でカニ脚401(高さにバラツキのあるカニ脚401)を出したり(または、引き入れたりして)、そして、隙間を狭くすることでカニ脚401を揃えることができる。このようなカニ脚伸ばし部材(J字部材)13によって、カニ脚401を一律に低い配列させることができ、その結果、可動ベルト装置16のベルト部16a又は16bに引っ掛からないようにすることができる。または、カニ脚401の先端が、第1ベルト部51a、第2ベルト部51b、中央ベルト部51cの隙間に引っ掛からないようにすることができる。
本実施形態の構成では、J字部材13(13a、13b)は、連結部材13cによって脱甲機10のフレーム部に接続されている。また、J字部材13(13a、13b)と連結部13cとは一体に構成にされている。図示した構成例では、連結部13cの一部が接合部13(ネジ、ビス、接着剤、磁石など)によって、脱甲機10のフレーム部に固定されている。本実施形態の構成では、J字部材13(13a、13b)は、金属部材(例えば、ステンレス、アルミニウムなど)から構成されているが、他の材料から構成してもよい。また、図示した例では、J字部材13を左右1つずつ(13a、13b)設けたが、左右複数設けても構わない。また、本実施形態では、J字部材13(13a、13b)と連結部13cとを一体の構成にしたが、別々の部材を接続してもよい。加えて、J字部材13(13a、13b)を脱甲機10のフレーム部に接続したが、それ以外のところに固定しても構わない。また、J字部材13の「J字」とは幾何学的なJの形状を意味するだけでなく、前方の隙間が広くて、後方に行くにしたがって隙間が狭くなるようなものを意味しており、カニ脚401を揃えるような働きを持つようなものを意図している。そのような役割を持つようなものであれば、カニ脚伸ばし部材13は、三角形(略三角形)のような部材のものであってもよい、言い換えると、一方の隙間が広くて他方に行くにしたがって隙間が狭くなるような形状の部材である。図4に示した構成例では、J字部材は逆向き(広い側が脱甲機10の方に向いた形)であっても構わない。加えて、カニ脚伸ばし部材は、J字部材に限らず、湾曲部が両側に付いた逆T字型(錨のような形状)であってもよい。つまりは、カニ脚伸ばし部材(例えば、金属部材)は、一部(最下点のところ)が狭くなるようにして、カニの脚が揃えることができるような形状(例えば、円弧形状、楕円の一部の形状など)を有していたらよい。
図4はまた、可動ベルト装置16の出口(排出口)の様子も示している。なお、可動ベルト装置16の入口(進入口)の様子もほぼ同様である。可動ベルト装置16は、カニ脚401を上から挟む左右一対の循環ベルト部(16a、16b)を備えている。したがって、カニ脚401は、上からの循環ベルト部(16a、16b)と、下からの第1ベルト部51aおよび第2ベルト部51bによって挟まれる。そして、カニ脚401が挟まれた状態で、可動ベルト装置16および搬送装置50(51a、51b)により、脱甲機10の内部に進んでいき、そして、脱甲機10の出口まで運んでいく。なお、図4には、脱甲されたカニ400を半分に切断するカニ切断装置(回転刃)40を示している。回転刃40は、シャフト41によって支持されており、シャフト41に接続されたモータの回転に伴って回転刃40は回転して、それによってカニ400は切断される。
また、本実施形態の構成において、循環ベルト部(16a、16b)は、軸ローラ18sの外周に巻かれている。また、軸ローラ18sの中心には、シャフト19が貫通している。また、可動ベルト装置16には、ローラ18sおよびシャフト19とともに、ベルト部16a及び16bを下に押し付ける付勢部材(不図示)が配置されている。付勢部材は、スプリング(付勢手段)と、スプリングを固定支持するフレームとから構成されている。付勢部材(スプリング)によってベルト部16a及び16bが下に押し付けられることで、左右ベルト部51a及び51bとでカニの脚401を挟むことができる。そして、上述したように、カニ脚401を挟んで保持した状態で、カニ400を進行方向に搬送することができる。
さらに説明すると、脱甲されたカニ400の脚401が折れ曲がっていると、カニ脚401の先端が、循環ベルト部(16a、16b)と軸ローラ18sとの間に入り込んで、脱甲機10が停まってしまう可能性がある。また、
カニ脚401が折れ曲がったり重なったりして、カニ脚の厚さが2倍以上の状態で、循環ベルト部(16a、16b)と軸ローラ18sとの間をくぐろうとすると、その際にも、脱甲機10が停まってしまう可能性がある。本実施形態のカニ脚伸ばし部材(J字部材)13によれば、そのようなカニ脚401の引っ掛かりを抑制することができる。これは、脱甲機10に進入するカニ脚401にも同様にいえて、カニ脚伸ばし部材(J字部材)13を脱甲機10が入るところに設けることで、カニ脚401の引っ掛かりを抑制することができる。循環ベルト部(16a、16b)と軸ローラ18sとの間でのカニ脚401の引っ掛かりを抑制するために、J字部材13は、図示したように、軸ローラ18sの周囲(この例では、軸ローラ18sの位置の外側(左側または右側))に配置することが好ましい。
さらに、カニ脚伸ばし部材として、カニ脚401を伸ばす回転式ブラシを使用することができる。図5は、本実施形態の回転式ブラシ15の構成を示している。図5に示した回転式ブラシ15は、搬送装置50の進行方向に沿って脱甲機10に進入する箇所(循環ベルト部(16a、16b)の前方)に設けられている。図5に示した構成例では、回転式ブラシ15によって、カニ脚401を伸ばすことができる。したがって、カニ脚401を揃えることができることにより、カニ脚401を一律に低い配列させることができ、その結果、可動ベルト装置16のベルト部16a又は16bに引っ掛からないようにすることができる。
本実施形態の構成例では、回転式ブラシ15は、脱甲機10に進入する箇所ではあるが、図1に示したJ字部材13の前方(上流)に配置している。したがって、本実施形態のカニ脚伸ばし部材として、J字部材13と、回転式ブラシ15との両方を用いてもよい。また、カニ加工の条件にあわせて、カニ脚伸ばし部材として、J字部材13だけを使用したり、または、回転式ブラシ15だけを使用してもよい。なお、本実施形態の構成では、回転式ブラシ(脚伸ばしブラシ)15があると有効(効果的)であるが、回転式ブラシ15がなくても上手く脚伸ばしを行うことができることが確認されている。
図5に示した例の回転式ブラシ15は、一対のブラシ部(15a、15b)を備えている。具体的には、回転式ブラシ15は、第1ブラシ部15aおよび第2ブラシ部15bを有している。第1ブラシ部15aは、第1ベルト部51aの上方に位置している。そして、第2ブラシ部15bは、第1ベルト部51bの上方に位置している。第1ブラシ部15aおよび第2ブラシ部15bは、カニ脚401を外向きに伸ばすように回転可能である。図5に示した状態において装置動作中は、上流から下流にみたときに、第1ブラシ部15aは時計回りに回転し、そして、第2ブラシ部15bは反時計回りに回転する。そのように第1ブラシ部15aおよび第2ブラシ部15bが回転することにより、搬送装置50によって流れてくるカニ400の脚401を伸ばすことができ、その結果、循環ベルト部(16a、16b)での引っ掛かりを抑制することができる。
本実施形態の構成では、回転式ブラシ15は、一対のブラシ部(15a、15b)を回転させる機構を備えている。具体的には、一対のブラシ部(15a、15b)は、ブラシ軸15cに設けられており、そして、ブラシ軸15cは、ギア15eおよびギア15fを介して、回転ロッド15dに接続されている。回転ロッド15dが回転すると、ブラシ軸15cは所定方向に回転し、それにより、一対のブラシ部(15a、15b)は所定方向に回転する。さらに説明すると、一対のブラシ部(15a、15b)は所定方向(それぞれ、時計回り、反時計回り)に回転するように、ギア(15e、15f)は構成されている。
なお、図5に示した構成例では、回転ロッド15d、ギア(15e、15f)、ブラシ軸15cを含む回転機構によって、一対のブラシ部(15a、15b)を回転させるようにしたが、それに限らず、他の機構を採用してもよい。例えば、ブラシ軸15cに駆動装置(モータ)を接続して、ブラシ軸15cを所定方向に回転できるように構成し、そして、回転ロッド15d、ギア(15e、15f)を用いないようにすることができる。あるいは、それ以外の構成を採用してもよい。加えて、図5に示した例では、ブラシ部(15a、15b)を左右1本ずつ配列されたが、それぞれ複数本配列させるようにしても構わない。例えば、ブラシ部(15a、15bのそれぞれを、上流から下流に向けて縦方向に複数本(2本)並べても構わない。
図6は、搬送装置50上に載置されたカニ400の脚401を、回転式ブラシ15で伸ばす様子を示している。図6に示すように、回転式ブラシ15の第1ブラシ部15aおよび第2ブラシ部15bがそれぞれ、カニ脚401を外側に向けて伸ばすように回転することにより、カニ脚401が伸びる。それにより、脱甲機10に入る時の引っ掛かりを抑制することができ、その結果、カニ加工のスループット低下を防ぐことができる。
図7は、本実施形態の搬送装置50および脱甲機10を含むカニ加工装置100を模式的に示す側面図である。図8は、カニの加工装置100の搬送装置50を模式的に示す断面図であり、上流側から見たものを示している。
図7に示すように、本実施形態の搬送装置50は、ベルト部51(51a、51b)と、駆動ローラ56および従動ローラ54とを備えている。具体的には、駆動ローラ56および従動ローラ54の外周に、ベルト部51(51a、51b)が巻き付けられて、循環駆動している。なお、駆動ローラ56および従動ローラ54は入れ替えても構わない。
本実施形態の構成では、図8に示すように、第1ベルト部51aを支持する第1ベルト支持部(例えば、第1ベルト下部フレーム)151aと、第2ベルト部51bを支持する第2ベルト支持部151b(例えば、第2ベルト下部フレーム)とを、水平方向に可動な構造(矢印152a、152b参照)にしている。第1ベルト支持部151aおよび第2ベルト支持部151bを横方向(水平方向)に移動させる構造は、モータによるものでも、手動によるもの(例えば、ハンドルを回すことで、それに連動したネジ構造(ジャッキや万力のような構造)の力を利用して水平移動させる機構のもの)でもよい。また、第1ベルト支持部151aおよび第2ベルト支持部151bは、駆動ローラ56および従動ローラ54によって構築することもできる。
本実施形態の構成では、カニ400の寸法にあわせて、第1ベルト部51aおよび第2ベルト部51bの間の領域(幅)を変更可能な構成となっている。したがって、カニ400の甲羅406(又は腹403)のサイズにあわせて、第1ベルト部51aおよび第2ベルト部51bの間(150)の幅(または、中央ベルト部51cが位置する隙間領域150を適切に調節することにより、カニ甲羅406をきちんと隙間領域150に嵌めることができる。それにより、カニ脚401が適切な位置に配置されるようになる。したがって、カニ脚401が例えば二本になって厚くなることで、循環ベルト部(16a、16b)での引っ掛かりを軽減することができる。特にカニ脚401が伸びてなくて折れ曲がって二本になって厚くなってしまうことを抑制することができ、それにより、引っ掛かりを軽減することができる。すなわち、隙間領域150を適切に調節することで、搬送装置50によって流れてくるカニ400の脚401を適切な位置にすることができ、その結果、循環ベルト部(16a、16b)での引っ掛かりを抑制することができる。加えて、カニ甲羅406が、第1ベルト部51aの側(または、第2ベルト部51bの側)にずれてカニ400を左右対称にカットすることができなくなることも防止することができる。言い換えると、本実施形態の構成によれば、カニ甲羅406を中央に位置づけて、カニ400を左右対称にカットすることができるという効果がある。
なお、本実施形態の構成例では、ベルト部(51a、51b)が横ずれしないように、ベルト部(51a、51b)の裏面51rに凸部51tを形成している。また、ベルト支持部(151a、151b)には凹部151dが形成されていて、凹部151dと凸部51tとが互いに嵌合させた状態で、ベルト部(51a、51b)を進行方向に移動させることにより、移動中にベルト部(51a、51b)がズレないような構成にしている。この凹部151dは、駆動ローラ56及び/又は従動ローラ54に設けることもできる。
また、図9に示すような構成にしてもよい。図9に示した構成では、第1ベルト支持部151aおよび第1ベルト支持部151bを可動式にせず(すなわち、固定式)、その表面の少なくとも一部に、幅変更部材(L字部材)153を配置する。幅変更部材(L字部材)153は、ベルト支持部(151a、151b)の上面に延びる平面部材153aと、その平面部材から下方(直角)に延びる鉛直部材153bとから構成されている。この構成例では、L字部材(進行方向に延びるL字柱:長さ、例えば2〜5メートル)57を、水平方向(横方向、矢印53a)にスライドさせること(矢印153h参照)により、カニ400の甲羅406を嵌め込む隙間領域150を適切な幅にすることができる。特に、ベルト支持部(151a、151b)を水平方向に移動させる機構を採用しなくても、図9に示した構成を用いると、簡便に、カニ甲羅406を嵌め込む隙間領域150を調節することができて便利である。また、水平方向に移動可能なベルト支持部(151a、151b)を用いたときも、だいたいの位置をベルト支持部(151a、151b)で設定して、次いで、微調整として、幅変更部材(L字部材)153による領域150の調整を行っても構わない。なお、この幅変更部材(L字部材)153は、カニを装置に載せる部分(特に、搬送装置50)から、カニ甲羅406を剥がす部分(後述する甲羅除去装置20)まで延ばしておくことが好ましい。また、この幅変更部材(L字部材)153は、搬送装置50の部分の長さ(脱甲機10までの長さ)まで延ばすようにしてもよいし、カニをカットする部分(カニ切断装置40)まで延ばすようにしてもよい。
図9に示した構成例では、幅変更部材(L字部材)153の水平部(水平に延びる平面板部)153aは、ベルト部(51a、51b)と、ベルト支持部(151a、151b)との間に挟まれて配置される。そして、幅変更部材(L字部材)153の鉛直部(鉛直に延びる平面板部)153bは、ベルト支持部(151a、151b)の下方を突き抜けるまで延びている。また、ベルト支持部(151a、151b)の下面には、固定具(例えば、金属突起構造体など)58が設けられている。そして、幅変更部材(L字部材)153の鉛直部153bは、その固定具58と、L字部材153の鉛直部153bとは、間隔調整部材(例えば、ネジ構造部材(ボルトなど))によって接続されている。間隔調整部材(ボルトなど)57を調整することにより、L字部材153の位置を変更することができる。その結果、幅変更部材(L字部材)153の水平部153aを水平方向(横方向、矢印153h)にスライドさせることで、カニ400の甲羅406を嵌め込む隙間領域150を適切な幅にすることができる。
また、図9に示した構造では、隙間領域150において中央ベルト支持部151cが設けられている。そして、中央ベルト支持部151cの上面に、中央ベルト部51cが配置されている。また、各ベルト支持部(151a、15b、151c)には凹部が形成されており、そして、ベルト部(51a、51b、51c)の裏面には凸部が形成されている。当該凹部と凸部とが互いに嵌合させた状態で、ベルト部(51a、51b、51c)を進行方向に移動させることにより、移動中にベルト部(51a、51b、51c)がズレないような構成にしている。
図9に示した構造において、カニ400をセットすると、適切な幅に調節された隙間領域150(中央ベルト部51cの上)にカニ甲羅406が収まるとともに、カニ脚401が第1・第2ベルト部(51a・51b)の上面にきれいに配置される。したがって、搬送装置50によって搬送されるカニ400の脚401を適切な位置(重なりのない低い位置)にすることができ、その結果、循環ベルト部(16a、16b)での引っ掛かり(及び/又は、カニ400のセンターの左右ブレ)を抑制することができる。
さらに、本実施形態の構成において、第1ベルト部51aおよび第2ベルト部51bの間に位置する隙間領域(150)の深さも調整できるような構成にしてもよい。具体的には、図9に示した構造において、中央ベルト支持部151cの高さを調整可能(上下可変)な構造にすることができる。具体的には、中央ベルト支持部151cを固定する取付部材(例えば、取付ネジ、ボルト・ナット)で、中央ベルト支持部151cの固定箇所(高さ位置)を変更できるような構造にすればよい。または、中央ベルト支持部151cをモータで上下可変調整できるような構造にしても構わない。このような上下可変の隙間領域(150)を構築することにより、大きいサイズのカニ400(厚い甲羅406)のときは隙間領域(150)を深く、一方、小さいサイズのカニ400(薄い甲羅406)の時は隙間領域(150)を浅くすることができる。このように深さ方向にも対応できることによって、カニ脚401の引っ掛かり防止をより効果的に行うことができる。そして、より正確な甲羅406の除去(及び/又は、ヘタ取り等)を行うことにも寄与することができる。
図10は、搬送装置50の内部構造における駆動ローラ56の表面を示している。駆動ローラ56は、プラスチック製の駆動コアである。駆動ローラ56の上面には、ローラ溝56dが形成されている。また、ベルト部51の裏面51rには凸部51tが形成されており、そして、駆動ローラ56で巻き取る際において、ベルト部51の凸部51tとローラ溝56dとは互いに嵌合する。本実施形態の構成においては、ローラ溝56dの幅は、ベルト部51の凸部51tの幅よりも広くしている。具体的には、ベルト部51の振動幅(ブレ幅)を含めた凸部51tの幅(すなわち、物理的な凸部51tの幅よりも余裕のある幅)よりも、ローラ溝56dの幅を広くしている。ローラ溝56dを幅広にすることにより、第1・第2ベルト部(51a・51b)の位置を変更したとき(図8の矢印152a、152b参照)でも対応しやすいようにしている。
また、本実施形態では、水平方向(矢印155参照)に支持フレーム154を移動できるような構成にしている。具体的には、支持フレーム154の突起部154aに横長の穴156を形成し、その横長の穴156に固定具(例えば、ボルト・ナット)157をはめ込む。支持フレーム154を水平方向(矢印155)に移動させたいときは、固定具157を一度緩めて、そして支持フレーム153を移動させ、次いで、所定の位置で固定具157を締結して、移動後の支持フレーム153を固定する。このような構造(154a、156、157)を採用することにより、隙間領域(図8参照)150の幅を調整することが容易になる。
本実施形態のカニ加工装置100では、搬送装置50の進行方向(101)に沿って脱甲機10に進入する箇所において、カニ400の脚401を伸ばすカニ脚伸ばし部材(13、15)が設けられている。したがって、カニ脚401が脱甲機10の一部(16)に引っ掛かってしまってカニ400が脱甲機置10の内部に入らないようなことを解消することができる。その結果、搬送装置50(51a、51b)および脱甲機10(16a、16b)の連動によって連続的に甲羅406を除去する加工(脱甲工程)のスループットの低下を防止することができる。本実施形態の構成では、カニ400が脱甲機10に進入する箇所は、循環ローラ部(16a、16b)の上流側に位置する領域である。
また、本実施形態の搬送装置50における第1ベルト部51aおよび第2ベルト部51bは、両者(51a、51b)の間に位置する隙間領域(150)の幅を変更可能な構成を有している。したがって、適切に調整された隙間領域(150)にカニ甲羅406を入れることができる。それゆえに、カニ脚401が例えば二本になって厚くなること等で生じる引っ掛かりを軽減することができる。言い換えると、循環ベルト部(16a、16b)での引っ掛かりを軽減することができる。すなわち、本実施形態の構成によれば、隙間領域150を適切に調節することで、搬送装置50によって流れてくるカニ400の脚401を適切な位置にすることができ、その結果、循環ベルト部(16a、16b)での引っ掛かりを抑制することができる。
次に、図11から図19を参照しながら、脱甲機10における脱甲機構および脱甲工程について説明する。本実施形態の脱甲機10は、上述したようなカニ脚401を保持する可動ベルト装置16と、カニ甲羅406を外す甲羅除去装置20(歯車21、22)を備えている。
図11は、甲羅除去装置20を構成する甲羅除去歯車(21、22)の動作を模式的に示している。甲羅除去歯車(21、22)は、上歯車21と下歯車22とから構成されている。本実施形態の構成において、上歯車21は、搬送装置50による進行方向103に沿って逆方向に回転する歯車(上歯)である。一方、下歯車22は、搬送装置50による進行方向103に沿って逆方向に回転する歯車(下歯、下刃)である。上歯車21の外周面には、複数の溝21bが形成されている。そして、下歯車22の先端部には、カニ甲羅106を取り外すフック部23が形成されている。
さらに説明すると、上歯車21は、進行方向(矢印103)に対して逆らう方向に回転している(矢印21r、紙面では反時計方向回転)。一方、下刃22は、進行方向(矢印103)に対して逆らう向きに回転している(矢印23r、紙面では時計方向回転)。カニ400aが進行してきて(矢印103)、上歯車21と下刃22との間に挟まると、下刃22のフック部23bがカニ400aの口405(所謂くちばし)に引っかかり、そのままフック部23bが回転して下に移動すると、カニ400aの甲羅406がきれいに外れる。外れた甲羅406は、そのまま下の空間に落ちていく。以後、カニ400aが進行してくるたびにこの動作を繰り返して、甲羅除去歯車21・22による甲羅除去装置20の動作を実行する。
本実施形態の構成において、上歯車21は、動作中において、カニ腹403を押さえるとともに、カニ腹403のふんどし部(ヘタ)403aを取り除く機能を有している。そして、下歯車22のフック部23は、カニ口405に接触し次いでカニ甲羅406を取り除く機能を有している。上歯車21は、進行方向103に沿って逆方向に回転(矢印21r)していることにより、ふんどし部403aを除去することができる。上歯車21によってふんどし部403aを除去することにより、下歯車22がカニ甲羅406をきれいに取り除くことが容易になる。なお、上歯車21を、進行方向103に沿って順方向に回転させるようにしても、(カニ腹403のふんどし部403aは除去できないものの)カニ腹403を押さえる機能を果たすことができ、それにより、下歯車22によって甲羅406を取り除くことができる。ただし、同一工程で、上歯車21でふんどし部403aを除去するとともに、下歯車22で甲羅406を取り除くようにする方が好ましい。
また、本実施形態の構成において、上歯車21および下歯車22の位置(取付位置、固定位置)を上下方向に可変できるようにしてもよい。具体的には、標準位置で上歯車21の先端部が、第1ベルト部51aおよび第2ベルト部51bの上面と同じなるようにし、標準位置で下歯車22の先端部が第1ベルト部51aおよび第2ベルト部51bの上面よりも下に位置するようにしている。そして、本実施形態の構成では、上歯車21および下歯車22のそれぞれを、標準位置から±10mm上下方向に可変できる構成にしている。そのような上下可変を行うには、例えば、シャフト(21s、22s)の上下方向の位置を変更できるような構成を用いたらよい(一例として、装置10の本体部への固定位置の変更を行ったらよい)。上歯車21および下歯車22のそれぞれの位置を可変できるような構成にすることにより、カニ400のサイズに応じて調整することができ、その結果、カニ加工(脱甲工程など)を良好に行うことができる。
なお、甲羅除去歯車(21、22)の回転数(及び/又は、歯数)は、カニの大きさや種類、搬送速度にあわせて適宜好適なものを採用すればよい。本実施形態では、上歯21の回転数と、下歯22の回転数とを同じ回転(または同じような回転)の設定にしている。ただし、上歯21および下歯22を動作させるモータの制御によって、上歯21および下歯22のそれぞれの回転数を可変することができる。上歯21および下歯22のそれぞれの回転数の可変構造は、上歯21および下歯22をそれぞれ別のモータで駆動させるか、または、インバータ制御によって実現することができる。上歯21および下歯22の歯数は、一例として、上歯21の歯数を16枚にして、下歯22の歯数を8枚にすることができる。また、他の例では、上歯21の歯数を10〜30枚にして、下歯22の歯数を4枚のような構成にすることもできる。
図12は、上歯車21と下歯車(下刃)22の組み合わせの構造を示す斜視図である。
上歯車21は、中心にシャフト21sを有する回転円盤の形状をしており、カニ400の腹403(甲羅406の反対面)を押さえる機能を有している。そして、図11の矢印21rに示した回転方向に上歯車21を回すと、カニ腹403の後ろ側にあるふんどし部(ヘタ)403aを除去することができる。甲羅除去歯車には、カニ400の腹403を押さえるとともに、ふんどし部403aを除去しやすいように凹凸(溝21b、突起21a)が形成されており、歯車形状になっている。なお、凹凸ないし溝の形状は、カニ腹403を押さえることができて、ふんどし部403aを除去できるのであれば、図12に示した形状・構造のものに限らず、適宜好適なものを採用することができる。
下歯車(下刃)22は、シャフト22sから延びた複数の延長部(羽部)23aと、その延長部(羽部)23aの先端に形成されたフック部23bとから構成されている。本実施形態のフック部23bは、C字の開口部が外側に位置したような構造(クワガタの角のような形状)をしており、このフック部23bが、カニ400の口405(カニの腹403の前方部位)に当たって回転すると、カニ400の甲羅406がきれいに除去することができるようになっている。
図13および図14は、それぞれ、本実施形態の上歯車21の一例の構造を示す側面図および斜視図である。図示した上歯車21は、溝21bと、溝21bの間に位置する外周部(相対的に突起部)21aとから構成されている。さらに、上歯車21には、外周部(突起部)21aの側面部に、幅拡張部21wが設けられており、この例では、両側に幅拡張部21wが形成されている。この幅拡張部21wが設けられていることにより、カニ腹403を押さえる機能およびふんどし部403aを除去する機能を増大させることができる。
図15は、下歯車(下刃)22のフック部23の一例を示す部分拡大図である。フック部23は、先端部23bの中央に開口23sが形成された一対の突起部23tを備えている。図15に示したようなフック部23の形状は、甲羅406をうまく除去できる適切なものであり、カニ甲羅406の中にあるカニ味噌もうまく取ることができるので好ましい。具体的には、フック部23の形状を適切なもの(例えば、図15などのもの)にすることにより、甲羅406の中にカニ味噌が残った状態で回収でき、それにより、ミソの回収を行いやすいという技術的利点がある。
図16は、下歯車(下刃)22の構造の一例を示す図である。図16に示した下歯車22は、フック部23の先端部23bにプレート部23pが形成された構成をしている。このようなプレート部23pを設けた構成でも、カニ甲羅406がきれいに除去することができる。図17に示した下歯車22は、フック部23の先端部23bの開口23sが深く形成された構造を有している。このような構造の下歯車22であってもよい。下歯車22の歯(23a、23b)の数は、4枚、6枚、8枚などを採用することができる。下歯車22の構造、歯の数などは、使用する条件(例えば、カニの種類・寸法、スループット条件、カニ味噌の取れ具合)などにあわせて適宜好適なものを採用することができる。
図18は、上歯車21によってカニ400のふんどし部403aを除去している様子を示している。ここで、カニ400の脚401は、可動ベルト部装置16の循環ベルト部16a・16bと、搬送装置50のベルト部51によって挟まれた状態で、前方に進行している。可動ベルト部装置16には、付勢部材(スプリング)17が設けられており、その付勢部材17によって、循環ベルト部16a・16bをベルト部51の方に押し付けている。
図19は、下歯車(下刃)22によってカニ400の甲羅406を取り除く様子を示している。下歯車22は矢印方向(23r)に回転しており、下歯車22の先端部23bが、カニ400の口(くちばし)405に接触した後そのまま回転することにより、甲羅406が取り外され、そして、甲羅406は下部の搬送コンベアにて叩き落とされる。その後、甲羅406が外されたカニ400は、カニ身(407)となる。
次に、脱甲されたカニ400(カニ身407)に対して、エラ(409)の除去を行う。本実施形態では、図20に示すように、甲羅を除去したカニ400(407)に対して、斜めの角度で高圧水を噴射することによって、カニ400のエラ409を除去する。
図20は、本実施形態のエラ除去装置30の構造を示す図である。そして、図20は、本実施形態のエラ除去装置30における噴射装置(ノズル)34がカニ400bに圧力水を噴射する様子を模式的に示している。
カニ400bは、(甲羅が取れた状態で)腹403が上向きにされており、エラ409は下面の一部に(カニ身の表面に)付いている。本実施形態では、噴射装置34を下斜めから上向きに向くようにして、噴射口(ノズル口)33からの噴射水39(エラ除去用の媒体)が斜めの角度(θ)で進むようにしている。噴射口33からの噴射水39は、噴射装置の配置ボックス35の空間35sを通って、カニ400bの所定部位(エラ409が位置する部位)に当たるように調整されている。なお、噴射水39の噴射向き(噴射角度θ)を斜めにしたのは、水平方向や垂直方向で水(圧力水)を噴射するよりも、エラ409がきれいに取れることが、本願発明者の実験によってわかったからである。
本実施形態の構成例において、斜めの角度(噴射角度θ)は、噴射口33の中心線33cを基準にして水平線(L)に対して、例えば、5°から45°(一例では10°から35°、好適例では30°±5°)であるが、エラ409がきれいにとれるのであれば、特に角度に制限はなく、適宜好適な角度を採用することができる。また、本実施形態の噴射装置34の噴射口33の孔径は、例えば、0.5mm〜3mm(一例では、1mm±0.2mm)であるが、この数値(寸法)に制限されず、適宜好適なものを採用することができる。図示した例では、噴射口33(噴射装置34)を4つ、左右一対に並べているが、他の構成例・数を採用することも可能である。圧力水(噴射水)39の圧力(プランジャー式の高圧吐き出し圧力)は、例えば、20kgf/cm2から80kgf/cm2(一例では、30kgf/cm2から50kgf/cm2)であるが、これに必ずしも限定されるものではなく、エラ409がきれいに取れる条件で実行することができる。噴射水39の吐き出し量は、20リットル/分以上に設定することができる。圧力水39の圧力は、可変にすることも可能であるが、一定圧力の噴射でもよい。
さらに、本実施形態の構成例では、斜めの角度(噴射角度θ)は固定したものにしているが、可変になるように(ノズル34が首振りするように)しても構わない。本実施形態の噴射装置(ノズル)34は、上下に首振り調整にすることができる構成になっている。また、本実施形態の噴射装置(ノズル)34は、左右に首振りにしたり、上下や左右の噴射角度を変更できる構成にしてもよい。そのような可変・首振りの噴射装置(ノズル)34により、カニ400のサイズや種類に対応することが容易となる。
また、本実施形態の構成では、搬送装置(50、16)でカニ400を移動させながら、エラ409の除去を実行しているが、一度、カニ400の搬送をとめてエラ409の除去することも可能である。ただし、連続して搬送させながらエラ取り工程を実行する方が、スループットは良く、また他の工程(甲羅除去工程など)の流れスムーズになる。
次に、エラ409が除去されたカニ400は、そのまま奥に(進行方向に沿って出口側に)移動して、カニ切断装置の回転刃によって半分にされる。さらに説明すると、エラ409が除去されたカニ400は、脱甲機10内で、本実施形態のカニ切断装置によってカニ(カニ身)を半分に切断される。カニの切断は、回転する刃(回転ノコギリ)で行うことができるが、その他の切断機構(例えば、ギロチンカッター、ウォーターカッターなど)によって切断を行ってもよい。本実施形態の構成では、カニ切断装置の回転刃は、その固定位置(取付位置)を標準の取付位置から、上下方向に可変できるように構成されている。このように回転刃の取付位置を上下方向に改変できるようにすることにより、カニ400のサイズに応じて調整することができ、その結果、カニ加工(カニ切断工程)を良好に行うことができる。回転刃の取付位置の変更は、例えば、回転刃の軸を、装置10の本体部への取付する位置を変えること等によって行うことができる。なお、半分のカニ身にする必要がなければ、このカニ切断装置40を設けなくても構わないが、この段階で一連の動作で(一つの加工装置100または脱甲機10で)半分にしておく方が便利がよい。
カニ切断装置で切断された後は、図1に示すようにカニ400cはベルトコンベア50の上を搬送されていく。このカニ400cは、甲羅もなく、エラもきれいに取れているので、カニ加工品(カニ身製品、カニセクション。図2(c)参照)として使用することができる。
本実施形態のカニ加工装置100の概要をブロック図として示すと、図21に示すようになる。まず、カニ400は、ベルトコンベア50で搬送されて(矢印101、102)、脱甲機10の内部に入る。脱甲機10内には、甲羅除去装置(甲羅除去機)20(上下歯車21・22)、エラ除去装置(エラ除去機)30、カニ切断装置(カニ切断機)40が配置されており、これらの加工機械装置の処理を順番に受ける。本実施形態の構成では、カニ400が脱甲機10の内部に入る際に、カニ脚伸ばし部材(13、15)によりカニ脚401を適切に伸ばすことができるので、カニ脚401が脱甲機10にスムーズに入ることができる。すなわち、カニ脚401が引っ掛かってしまうことを防止することができる。
甲羅除去装置20(上下歯車21・22)による脱甲処理の後は、甲羅・カニミソ回収機81(82)で、甲羅とカニミソの収集処理を実行することができる。本実施形態の甲羅・カニミソ回収機81(82)は、搬送機(コンベア)81と回収容器82とから構成されているが、他の構成(例えば、搬送機なしのもの、回収容器82を工夫したもの等)にしても構わない。エラ除去装置30には、圧力ポンプ(不図示)が接続されている。工場内では移動式の圧力ポンプ(水の加圧ポンプ)の使用が好ましいが、設備として固定された圧力水ポンプ装置からホースを使ってエラ除去機30に水を供給しても構わない。
その後、加工されたカニ身(甲羅なし・エラなしのカニ身、カニセクション)が脱甲機10から出されて(矢印105、106)、ベルトコンベア50で搬送して収集される。続いて、その収集されたカニ(カニセクション)は、ボイル工程などの次工程へ移される。途中、カニ(カニセクション)のサイズなどの選別をすることもある。さらに説明すると、自動脱甲されたカニは、左右対称に均一に並んで状態で、接続されたベルトコンベアにて次工程のサイズ選別が行われたり、ボイルコンテナに効率良く投入される。一方、手で脱甲した場合、左右不均一にバラバラになった状態でコンベアにて移動するので、作業性が悪いという問題がある。
また、本実施形態のカニ加工方法(カニ身の製造方法)をフローチャートにすると、図22に示す通りである。
まず、カニ400の甲羅406を下向きに(腹403を上向き)コンベア50の上に置く(工程S100)。次に、コンベア50を動かして、カニ400を脱甲機10の方に搬送する(工程S110)。そして、脱甲機10に入る直前で、カニ400の脚401を伸ばして整列させる(工程S120)。
その後、脱甲機10内でカニ400の甲羅406を外し(工程S200)、次いで、カニ400のエラ409を除去する(工程S300)。甲羅406の除去率は100%であり、ヘタ409の除去率も良好(ほぼ100%)である。最後に、甲羅・エラを除去したカニ400を半分に切断する(工程S400)。そして、このようにして加工されたカニセクション(半分のカニ身)を回収する(S500)。なお、カニ400の甲羅406を外す工程(S200)において、カニのミソ(および甲羅406)を回収することができる。
本実施形態において、コンベア50の搬送速度は、連続動作で、カニ一匹当たり0.8秒〜1.0秒で加工品が出てくる条件に設定しているが、条件によっては、この数値を変更してもよく、例えばこれよりも遅くしても構わない。また、コンベア50のベルト部(51a、51b)の速度は、インバータで制御してもよい。なお、この処理速度は、一匹0.7kgのカニであれば、2.5トン/1時間の生産性に値し、1日(10時間)稼働であれば25トンの処理に値する。カニ400の寸法(幅)は、例えば、9cm〜13cmであるが、これを外れる寸法のものについては、それにあうように装置を改変することができる。本実施形態のカニ加工方法で好適なカニ400は、ズワイガニ、または、紅ズワイガニであるが、これ以外のカニ(例えば、タラバガニ)に適用することも可能である。なお、作業員の手で脱甲・エラ取り作業を行う場合は、1時間で2.5トンを処理するには、少なくとも8から15人の作業員が必要である。また、本実施形態のカニ加工方法は、製品の良品度合い(カニ身きれいさ、バラツキの少なさ)、および、カニ加工工場の清潔度合い(作業時のきれいさ)ともに、作業員の手で作業するときと比較して優れている。特に、エラの除去部分が白くてきれいに加工することができる。エラ残りは苦情になりやすく、その部分がきれいに加工できることは利点が大きい。
本実施形態のカニ加工装置100(脱甲機10)には、カニを搬送する搬送装置50と、甲羅除去装置20と、エラ除去装置30と、カニ切断装置40とが設けられている。そして、エラ除去装置30は、圧力水39をカニ400に噴射する噴射装置34を備えているので、甲羅406を除去したカニ400に付いているエラ409を圧力水39できれいに除去することができる。特に斜めの角度(θ)で噴射(吐出)した場合、エラ409をきれいに除去することができる。これは、エラ取り用のローラで除去する場合よりもきれいに処理することができる。したがって、本実施形態のカニ加工装置100によれば、搬送装置50でカニ400を搬送することで、甲羅除去(S200)およびエラ除去(S300)を自動に実行することができるので、カニ身を低コストおよび清潔に製造することができる。
また、本実施形態の手法を用いれば、自動化による経費削減(人件費削減)を達成することができる。そして、自動化による品質の劣化(エラ残りなど)を抑制することができ、手作業と比較して、カニ身の品質向上とともに品質の均一化にも貢献する。加えて、スピード面でも向上する。人手では、1匹カニを処理するのに6秒近くかかるが、本実施形態の自動脱甲機10によれば、1秒以下で1匹を処理することができ、エラ409もほぼパーフェクトに取り除くことができる。1台に必要な人員では、エキスパート(熟練者)で2名いればよい。本実施形態のカニ加工装置100(自動脱甲機10)おける加工処理速度は、0.6秒〜0.8秒/1匹である。この処理スピードであれば、カニ400の投入スピードはいくら速くても大丈夫であるので、投入スピードで加工処理速度が決まることが多い。
また、甲羅406も、ほとんどダメージなく取り外すことができるので、甲羅406の再利用をすることができる。さらには、甲羅406の中にミソが残った状態で回収できるので、ミソの回収も行いやすい。したがって、本実施形態の手法によれば。除去した甲羅を回収するとともに、甲羅の中のカニミソを回収して製品化することを容易にすることができる。なお、手作業で脱甲する場合、甲羅406とエラ409が混ざってしまうため、甲羅406とミソの回収の中においてエラ409が異物として多く残ってしまう。本実施形態の自動脱甲によれば、甲羅を剥がしてから、エラ取りを行うので、工程が別れており、エラの混入が少ないという利点がある。加えて、エラ取り機構30(高圧水噴射装置34)を取り付ける場合でも、10cm程度の幅があれば配置できるので、装置の小型化に寄与することができる。さらに、脱甲後のカニセクションの肩部にカニミソが残存することがあるが、カニ身(肩部とか)のカニミソ付着は不良品の扱いになることがあるところ、手での脱甲よりも、本実施形態の自動脱甲の方が(水圧を利用する手法の方が)きれいにカニミソを取り除くことができる。
なお、高圧水を噴射することにより、残余カニミソを除去することができることが多いが、完全に除去できないときもある。その場合には、甲羅406の除去の後、カニ400の肩(407)に中圧水(上述した高圧水よりも低い圧力の水)を噴射することにより、カニにまだ付着している残余ミソも洗い流すことできる。この場合、中圧水を噴射する装置(ノズル)を、装置(脱甲機10)に取り付けておけばよい。
また、本実施形態のカニ加工装置100(脱甲機10)の一例を、図23および図24に示す。
図23は、本実施形態のカニ加工装置100を後方(出口側)から見た図である。図23に示したカニ加工装置100では、脱甲機10の出口側にも、カニ脚伸ばし部材(J字部材)13を配置している。また、図示した構成では、循環ベルト部(16a、16b)の間に、カニ切断装置(回転刃)40が配置されている。回転刃40は、シャフト41によって支持されている。シャフト41に接続されたモータの回転に伴って回転刃40は回転して、それによってカニ400を切断(すわなち、脱甲されてエラも除去されたカニが半分に切断)することができる。
図23に示した構成例では、脱甲機10において上部水圧防御板71および側部水圧防御板72が設けられている。上部水圧防御板71および側部水圧防御板72は、噴射装置(ノズル)34を含むエラ除去装置30の周囲に設けられている。上部水圧防御板71は、循環ベルト部(16a、16b)の上方に設けられている。上部水圧防御板71は、後方側(または、前方)にスライドして移動させることができる。側部水圧防御板72は、噴射装置(ノズル)34が配置される位置であって、循環ベルト部(16a、16b)の外側に設けられている。これらの上部水圧防御板71および側部水圧防御板72によって、噴射装置34から噴射される高圧水から、周囲を防御することができる。上部水圧防御板71および側部水圧防御板72は、金属(例えば、ステンレスなど)から構成されている。なお、防御板(71、72)は、板状のものが好ましいが、圧力水を防御できるのであれば、それ以外の構造の部材(高圧水防御部材)であっても構わない。
噴射装置34から高圧水を噴射すると、内部に水が散乱してしまって、上下左右が汚れてしまう。図23に示した構成によれば、循環ベルト部(16a、16b)の外側(上と左右)に水はね防止用の防御部材(水圧防御板)を配置しているので、そのような水の問題を解消することができる。
また、図23に示した循環ベルト部(16a、16b)では、ベルト表面において凹凸(ローレット加工)が形成されている。この凹凸によって、カニ400が滑りにくくなり、加工がしやすくなる。ベルトの厚みは例えば約5mmであって、凹凸における凸部の高さは、例えば約1mmである。ベルトの材質は、例えば、ゴム、テフロン(商品名)、ポリウレタン合成樹脂などを使用することができる。ゴム製のベルトを使用した場合において傷などで劣化するときは、ポリウレタン合成樹脂製のベルト(厚さ3〜5mm)を用いるとよい。
さらに、循環ベルト部(16a、16b)では、ベルト裏面において凹凸(凸部)が形成されている。そして、そのベルトを回転駆動する軸ローラ18sの表面に凹部を形成しておく。具体的には、循環ベルト部(16a、16b)ベルト裏面の凸部と、軸ローラ18sの表面に凹部とが互いに対応する(嵌合する)ような形状にしておく。このような凸部・凹部を用いると、凸部と凹部とがあわさって、移動するベルトの左右のズレ防止を行うことができる。さらには、ズレないことに加えて、循環ベルト部(16a、16b)におけるスプリング付きの押え金具と連動させると、カニ脚401の凹凸を柔軟に受け止めることができる。
図24に示した本実施形態のカニ加工装置100では、脱甲機10の側面(左右)に位置する側部水圧防御板72の外側に扉75を設けている。図示した扉75は、スライド式の扉であり、矢印79の方向に移動させることができ、そのように移動させると、脱甲機10の内部をみることができる。また、扉75は取り外しも可能である。図24に示した構成によれば、側部水圧防御板72とともに、噴射装置34から高圧水による水はねを防止することができるとともに、内部点検を簡単に行うことができるので便利である。図示した例では、複数枚(ここでは、3枚)のスライド式扉部材のから、扉75が構成されている。扉75は、左右の両サイドに設けられている。なお、扉75は、スライド式に限らず、内部の点検が容易であれば、開閉式やシャッター式などの他の構造のものであっても構わない。また、側部水圧防御板72なしで、扉75単独で高圧水による水はねを防止することが出来る場合は、そのような構成にしても構わない。
さらに、図24に示した構成では、制御盤(電装盤)14が、脱甲機10の本体フレーム10aの上部(最上部、または、天板)に設けられている。このように制御盤14を上部に置くことにより、制御盤14を脱甲機10の横に置くときと比較して、制御盤14を含めた装置全体(100)をコンパクトにすることができるとともに、制御盤14の水濡れ防止にもなるとともに、工場設置などにおいて見かけもよくなる。また、制御盤14のスイッチの位置(高さ)を作業者の目の高さ(または、手で作業しやすい位置)に対応させることにより、コンパクトであるに加えて、作業性が向上する。加えて、制御盤14とともに、主要モータやそれに付随するギアなどの機器類も、脱甲機10の本体フレーム10aの上部(天板など)に設けることにより、装置全体(100)をコンパクトにすることができるとともに、機器類の水濡れ防止にもなるとともに、見かけもよくなる。
図25は、扉75を外した様子を示している。扉75を外すことで内部の様子がよく分かり、点検もしやすい。図25に示した構成では、脱甲機10の側面に側部水圧防御板72が露出している。また、エラ除去装置30における連結部31が露出している。連結部31は、圧力水ポンプから延びたホース(圧力水ホース)が接続される部位である。連結器31には、水配管32が接続されており、この水配管32は、脱甲機10内のエラを取る箇所まで延びている。具体的には、水配管32は、図20に示した噴射装置34に接続される。
本実施形態のカニ加工装置100は、カニの脱甲(甲羅の除去)とエラの除去を自動的に行うことができるとともに、種々の特徴を有することで(特に、引っ掛かり防止の機構により)、より高性能で使い勝手がよいものとなっている。具体的には、カニ400のサイズや種類(特に甲羅の大きさ)にあわせて搬送装置50の位置(幅、深さ)を調整することができるので、脱甲機10によって甲羅をとることができるとともに、カニ伸ばし部材(13、15)があるので、カニ400の脚401の引っ掛かりを防止して、脱甲機10の可動ベルト装置16や搬送装置50が止まることを抑制することができる。
以上、本発明を好適な実施形態により説明してきたが、こうした記述は限定事項ではなく、勿論、種々の改変が可能である。例えば、本実施形態のカニ加工装置100において、搬送装置50としてベルトコンベアを主として説明したが、本実施形態の動作を実行できるのであれば他の搬送装置を採用することも可能である。また、本実施形態におけるカニ脚伸ばし部材(13,15)と、搬送装置(ベルトコンベア)50の幅調整の機構は、両方用いることが好ましいが、必ずしも両方を用いることを要請するものでもない。また、カニ脚伸ばし部材(13)は、脱甲機10の入口と出口の両方に設けることが好ましいが、一方だけ(例えば、入口だけ、または、出口だけ)に設けても効果がある。上述したように、脱甲機10の入口と出口の両方にJ字部材13を設けて、脱甲機10の入口にさらに回転式ブラシ15を設けることも可能であるし、その方が好ましいが、設備の費用や要求される条件にあわせて適宜好適なものを採用することができる。そして、上述した実施形態の各要素は、互いに矛盾するものでない限り、適宜組み合わせることができ、限定的解釈されるべきものではない点を付言しておく。