本開示のいくつかの態様は、特定の癌の処置を向上させるのに有用であり、且つインビボ、エキソビボ、及びインビトロでの過剰増殖性細胞の除去に有用な戦略及び方法を提供する。本開示のいくつかの態様は、特定の抗癌剤による癌の処置が、標的細胞(例えば、過剰増殖性細胞)又は標的組織(例えば、腫瘍組織)の生存及び/又は増殖を促進し、従って抗癌治療の効果を弱める、標的細胞又は組織の変化をもたらし得るという認識に基づいている。
例えば、本開示のいくつかの態様は、特定の抗癌剤が、例えば標的細胞の免疫回避を調節する遺伝子を含む、腫瘍内の細胞における生存及び/又は増殖を改善する遺伝子を発現するそのような細胞の数又は割合を増加させるという認識に基づいている。本開示のいくつかの態様は、腫瘍細胞の免疫回避を調節する遺伝子が、特定の抗癌剤による処置後に特定の癌で発現又は上方制御されるという認識に基づいている。
本開示のいくつかの態様は、抗癌剤による処置後、免疫チェックポイントタンパク質を発現する癌を有する対象を識別するための方法;免疫チェックポイントタンパク質が発現又は上方制御されている癌を有する対象に基づいて、処置、例えば抗癌剤と免疫チェックポイント阻害剤との組み合わせによる処置のために対象を選択するための方法;抗癌剤による処置後に、例えば、抗癌剤と免疫チェックポイント阻害剤との組み合わせを対象に投与することによって、免疫チェックポイントタンパク質を発現する癌を有する対象を処置する方法を提供する。
本開示はまた、対象における免疫チェックポイントタンパク質の発現を検出することを含む方法を提供する。本開示のいくつかの態様は、特定の抗癌剤による処置時、例えばEZH2阻害剤による処置後、特定の免疫チェックポイントタンパク質(例えば、PD−L1)が一部の対象で発現又は上方制御されるという認識に基づいている。本開示のさらなる態様は、エピジェネティックモジュレーター、例えばEZH2阻害剤を利用する処置様式又は戦略を、免疫チェックポイント阻害剤を利用するものと組み合わせることにより、特定の疾患、例えば特定の増殖性疾患を処置するための有利な併用療法アプローチが得られるという認識に基づいている。
本開示のいくつかの態様は、癌を有する対象における免疫チェックポイントタンパク質の発現を検出することを含む方法に関する。いくつかの実施形態では、対象には、有効量のzesteホモログ2(EZH2)阻害剤のエンハンサーが既に投与されている。適切な免疫チェックポイントタンパク質及びそれらの検出方法が本明細書に開示されており、さらなる適切な免疫チェックポイントタンパク質及び検出方法は、本開示に基づいて平均的な当業者には明らかであろう。本開示はこの態様に限定されない。
本開示のいくつかの態様は、免疫チェックポイントタンパク質を発現する癌を有する対象に有効量のEZH2阻害剤及び有効量の免疫チェックポイント阻害剤を投与することを含む方法に関する。
いくつかの実施形態では、本開示の方法は、対象にEZH2阻害剤(例えば、第1のEZH2阻害剤)が投与された後に、対象における免疫チェックポイントタンパク質の発現レベルを検出すること、及び発現レベルを参照レベルと比較することを含む。いくつかの実施形態では、参照レベルは、EZH2阻害剤の投与前に対象で観察された免疫チェックポイントタンパク質の発現レベルである。
いくつかの実施形態では、本開示の方法は、(a)対象において免疫チェックポイントタンパク質発現が検出された場合、又は(b)EZH2阻害剤(例えば、第1のEZH2阻害剤)の投与後に対象で検出された免疫チェックポイントタンパク質の発現レベルが参照レベルよりも高い場合、免疫チェックポイント阻害剤を対象に投与することをさらに含む。
いくつかの実施形態では、本開示の方法は、対象における免疫チェックポイントタンパク質の存在が検出された場合、免疫チェックポイント阻害剤による処置の候補として対象を選択することをさらに含む。
いくつかの実施形態では、本開示の方法は、有効量のEZH2阻害剤(例えば、第2のEZH2阻害剤)を対象に投与することをさらに含む。さらなる実施形態では、本開示の方法は、対象における免疫チェックポイントタンパク質発現の検出後にEZH2阻害剤を投与することを含む。
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイントタンパク質の発現の検出前に対象に既に投与されたEZH2阻害剤(例えば、第1のEZH2阻害剤)と、処置のために選択された対象に投与されるEZH2阻害剤(例えば第2のEZH2阻害剤)とは同じである。いくつかの実施形態では、免疫チェックポイントタンパク質の発現の検出前に対象に既に投与されたEZH2阻害剤(例えば、第1のEZH2阻害剤)と、処置のために選択された対象に投与されるEZH2阻害剤(例えば、第2のEZH2阻害剤)とは互いに異なる。
いくつかの実施形態では、対象の癌における免疫チェックポイントタンパク質の発現は、有効量のEZH2阻害剤の投与後に検出されている。さらに別の実施形態では、対象は、EZH2阻害剤(例えば、第1のEZH2阻害剤)を投与されており、癌における免疫チェックポイントタンパク質の発現は、EZH2阻害剤の投与前よりもEZH2阻害剤の投与後の方が高かった。
いくつかの実施形態では、本開示の方法は、対象の癌においてT細胞マーカーを検出することを含む。さらなる態様では、対象は、T細胞マーカーに対して陽性の癌を有する。さらに別の実施形態では、対象は、EZH2阻害剤(例えば、第1のEZH2阻害剤)の投与後にT細胞マーカーに対して陽性の癌を有する。いくつかの実施形態では、T細胞マーカーはCD4を含む。いくつかの実施形態では、T細胞マーカーはCD8を含む。適切なT細胞マーカー及びそれらの検出方法が本明細書に開示されており、さらなる適切なT細胞マーカー及び検出方法は、本開示に基づいて当業者には明らかであろう。本開示はこの態様に限定されない。
本開示のいくつかの実施形態では、免疫チェックポイントタンパク質は、プログラム細胞死リガンド1(PD−L1)である。
本開示のいくつかの態様は、免疫チェックポイントタンパク質が発現又は上方制御されている癌を有する対象の癌を処置するための方法を提供し、この方法は、対象に:(a)治療有効量のEZH2阻害剤、及び(b)治療有効量の免疫チェックポイント阻害剤投与することを含む。
本開示のいくつかの態様は、治療有効量の免疫チェックポイント阻害剤との同時投与による、免疫チェックポイントタンパク質が発現又は上方制御されている癌を有する対象の癌の処置に使用するための治療有効量のEZH2阻害剤に関する。
本開示のいくつかの態様は、治療有効量の免疫チェックポイント阻害剤との同時投与による、免疫チェックポイントタンパク質が発現又は上方制御されている癌を有する対象の癌の処置のための薬剤として使用するための治療有効量のEZH2阻害剤に関する。
本開示のいくつかの態様は、治療有効量の免疫チェックポイント阻害剤との同時投与による、免疫チェックポイントタンパク質が発現又は上方制御されている癌を有する対象の癌の処置のための薬剤の製造における治療有効量のEZH2阻害剤の使用に関する。
本開示のいくつかの態様は、免疫チェックポイントタンパク質が発現又は上方制御されている癌を有する対象の癌の処置における治療有効量の免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせて使用するための治療有効量のEZH2阻害剤に関する。
本開示のいくつかの態様は、免疫チェックポイントタンパク質が発現又は上方制御されている癌を有する対象の癌の処置における治療有効量の免疫チェックポイント阻害剤との併用療法のための薬剤としての治療有効量のEZH2阻害剤の使用に関する。
本開示のいくつかの態様は、免疫チェックポイントタンパク質が発現又は上方制御されている癌を有する対象の癌の処置における治療有効量の免疫チェックポイント阻害剤との併用療法での治療有効量のEZH2阻害剤の使用に関する。
本開示のいくつかの態様は、免疫チェックポイントタンパク質が発現又は上方制御されている癌を有する対象の癌の処置における治療有効量の免疫チェックポイント阻害剤との併用療法のための薬剤の製造での治療有効量のEZH2阻害剤の使用に関する。
本開示のいくつかの態様は、治療有効量のEZH2阻害剤との同時投与による、免疫チェックポイントタンパク質が発現又は上方制御されている癌を有する対象の癌の処置に使用するための治療有効量の免疫チェックポイント阻害剤に関する。
本開示のいくつかの態様は、治療有効量のEZH2阻害剤との同時投与による、免疫チェックポイントタンパク質が発現又は上方制御されている癌を有する対象の癌の処置のための薬剤として使用するための治療有効量の免疫チェックポイント阻害剤に関する。
本開示のいくつかの態様は、治療有効量のEZH2阻害剤との同時投与による、免疫チェックポイントタンパク質が発現又は上方制御されている癌を有する対象の癌の処置のための薬剤の製造における治療有効量の免疫チェックポイント阻害剤の使用に関する。
本開示のいくつかの態様は、免疫チェックポイントタンパク質が発現又は上方制御されている癌を有する対象の癌の処置における治療有効量のEZH2阻害剤と組み合わせて使用するための治療有効量の免疫チェックポイント阻害剤に関する。
本開示のいくつかの態様は、免疫チェックポイントタンパク質が発現又は上方制御されている癌を有する対象の癌の処置における治療有効量のEZH2阻害剤との併用療法のための薬剤としての治療有効量の免疫チェックポイント阻害剤の使用に関する。
本開示のいくつかの態様は、免疫チェックポイントタンパク質が発現又は上方制御されている癌を有する対象の癌の処置における治療有効量のEZH2阻害剤との併用療法での治療有効量の免疫チェックポイント阻害剤の使用に関する。
本開示のいくつかの態様は、免疫チェックポイントタンパク質が発現又は上方制御されている癌を有する対象の癌の処置における治療有効量のEZH2阻害剤との併用療法のための薬剤の製造での治療有効量の免疫チェックポイント阻害剤の使用に関する。
特定の実施形態では、対象はPD−L1を発現する癌を有する。特定の実施形態では、対象の癌におけるPD−L1の発現は、有効量のEZH2阻害剤(例えば、第1のEZH2阻害剤)の投与後に検出されている。特定の実施形態では、対象はEZH2阻害剤(例えば、第1のEZH2阻害剤)を投与されており、癌におけるPD−L1の発現は、EZH2阻害剤の投与前よりもEZH2阻害剤の投与後の方が高い。
本開示のいくつかの態様は、免疫チェックポイント阻害剤が既に投与されている対象に、例えば対象が診断された増殖性疾患の進行中の処置戦略の一部として、EZH2阻害剤を投与することを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、EZH2阻害剤は、対象の増殖性疾患が、EZH2阻害剤による処置又はEZH2阻害剤と免疫チェックポイント阻害剤との組み合わせに感受性であるという認識に基づいて、免疫チェックポイント阻害剤が既に投与されている対象に投与される。
本開示のいくつかの態様は、EZH2阻害剤が既に投与されている対象に、例えば対象が診断された増殖性疾患の進行中の処置戦略の一部として、免疫チェックポイント阻害剤を投与することを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、対象の増殖性疾患が、免疫チェックポイント阻害剤による処置又はEZH2阻害剤と免疫チェックポイント阻害剤との組み合わせに感受性であるという認識に基づいて、EZH2阻害剤が既に投与されている対象に投与される。特定の実施形態では、対象は、例えば参照レベルと比較して又は処置前の発現レベルと比較して、抗癌剤による処置後に免疫チェックポイントタンパク質の発現が上方制御されている癌を有する。特定の実施形態では、対象は、PD−L1を発現する癌を有する。特定の実施形態では、対象の癌におけるPD−L1の発現は、対象にEZH2阻害剤(例えば、第1のEZH2阻害剤)が投与された後に検出される。特定の実施形態では、癌におけるPD−L1の発現は、EZH2阻害剤の投与前よりもEZH2阻害剤の投与後の方が高い。
本開示のいくつかの態様は、対象の疾患がEZH2阻害剤と免疫チェックポイント阻害剤による併用処置に対して感受性があるという認識に基づいて、それを必要とする対象、例えば増殖性疾患(例えば対象がEZH2阻害剤を投与された後に、PD−L1などの免疫チェックポイントタンパク質が上方制御されている癌)を有するか又はそれと診断された対象に、(a)治療有効量のEZH2阻害剤及び(b)治療有効量の免疫チェックポイント阻害剤を投与する方法を提供する。いくつかの実施形態では、対象の疾患は、EZH2阻害剤単独及び/又は免疫チェックポイント阻害剤単独による処置に対して感受性ではない。
本開示のいくつかの態様は、(a)EZH2阻害剤及び(b)免疫チェックポイント阻害剤を対象に投与することによって対象の疾患、例えば増殖性疾患を処置する方法を提供し、この疾患は、EZH2阻害剤を単独で又は免疫チェックポイント阻害剤を単独で投与することによって、有効に処置することができない、又は臨床的に望ましい終点に到達することができない。いくつかの実施形態では、この方法は、EZH2阻害剤の単独投与又は免疫チェックポイント阻害剤の単独投与での最小有効量よりも低い用量でEZH2阻害剤及び/又は免疫チェックポイント阻害剤を対象に投与することを含む。
本開示のいくつかの態様は、治療有効量の免疫チェックポイント阻害剤との同時投与による、対象の疾患、例えば増殖性疾患の処置における使用のための治療有効量のEZH2阻害剤に関し、EZH2阻害剤を単独で投与すること又は免疫チェックポイント阻害剤を単独で投与することでは、この疾患を効果的に処置できない又は臨床的に望ましいエンドポイントに到達できない。
本開示のいくつかの態様は、治療有効量の免疫チェックポイント阻害剤との同時投与による、対象の疾患、例えば増殖性疾患の処置のための薬剤として使用するための治療有効量のEZH2阻害剤に関し、EZH2阻害剤を単独で投与すること又は免疫チェックポイント阻害剤を単独で投与することでは、この疾患を効果的に処置できない又は臨床的に望ましいエンドポイントに到達できない。
本開示のいくつかの態様は、治療有効量の免疫チェックポイント阻害剤との同時投与による、対象の疾患、例えば増殖性疾患の処置のための薬剤の製造における治療有効量のEZH2阻害剤の使用に関し、EZH2阻害剤を単独で投与すること又は免疫チェックポイント阻害剤を単独で投与することでは、この疾患を効果的に処置できない又は臨床的に望ましいエンドポイントに到達できない。
本開示のいくつかの態様は、対象の疾患、例えば増殖性疾患の処置における治療有効量の免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせて使用するための治療有効量のEZH2阻害剤に関し、EZH2阻害剤を単独で投与すること又は免疫チェックポイント阻害剤を単独で投与することでは、この疾患を効果的に処置できない又は臨床的に望ましいエンドポイントに到達できない。
本開示のいくつかの態様は、対象の疾患、例えば増殖性疾患の処置における治療有効量の免疫チェックポイント阻害剤との併用療法のための薬剤としての治療有効量のEZH2阻害剤の使用に関し、EZH2阻害剤を単独で投与すること又は免疫チェックポイント阻害剤を単独で投与することでは、この疾患を効果的に処置できない又は臨床的に望ましいエンドポイントに到達できない。
本開示のいくつかの態様は、対象の疾患、例えば増殖性疾患の処置における治療有効量の免疫チェックポイント阻害剤との併用療法での治療有効量のEZH2阻害剤の使用に関し、EZH2阻害剤を単独で投与すること又は免疫チェックポイント阻害剤を単独で投与することでは、この疾患を効果的に処置できない又は臨床的に望ましいエンドポイントに到達できない。
本開示のいくつかの態様は、対象の疾患、例えば増殖性疾患の処置における治療有効量の免疫チェックポイント阻害剤との併用療法のための薬剤の製造での治療有効量のEZH2阻害剤の使用に関し、EZH2阻害剤を単独で投与すること又は免疫チェックポイント阻害剤を単独で投与することでは、この疾患を効果的に処置できない又は臨床的に望ましいエンドポイントに到達できない。
本開示のいくつかの態様は、治療有効量のEZH2阻害剤との同時投与による、対象の疾患、例えば増殖性疾患の処置に使用するための治療有効量の免疫チェックポイント阻害剤に関し、EZH2阻害剤を単独で投与すること又は免疫チェックポイント阻害剤を単独で投与することでは、この疾患を効果的に処置できない又は臨床的に望ましいエンドポイントに到達できない。
本開示のいくつかの態様は、治療有効量のEZH2阻害剤との同時投与による、対象の疾患、例えば増殖性疾患の処置のための薬剤として使用するための治療有効量の免疫チェックポイント阻害剤に関し、EZH2阻害剤を単独で投与すること又は免疫チェックポイント阻害剤を単独で投与することでは、この疾患を効果的に処置できない又は臨床的に望ましいエンドポイントに到達できない。
本開示のいくつかの態様は、治療有効量のEZH2阻害剤との同時投与による、対象の疾患、例えば増殖性疾患の処置のための薬剤の製造での治療有効量の免疫チェックポイント阻害剤の使用に関し、EZH2阻害剤を単独で投与すること又は免疫チェックポイント阻害剤を単独で投与することでは、この疾患を効果的に処置できない又は臨床的に望ましいエンドポイントに到達できない。
本開示のいくつかの態様は、対象の疾患、例えば増殖性疾患の処置における治療有効量のEZH2阻害剤と組み合わせて使用するための治療有効量の免疫チェックポイント阻害剤に関し、EZH2阻害剤を単独で投与すること又は免疫チェックポイント阻害剤を単独で投与することでは、この疾患を効果的に処置できない又は臨床的に望ましいエンドポイントに到達できない。
本開示のいくつかの態様は、対象の疾患、例えば増殖性疾患の処置における治療有効量のEZH2阻害剤との併用療法のための薬剤としての治療有効量の免疫チェックポイント阻害剤の使用に関し、EZH2阻害剤を単独で投与すること又は免疫チェックポイント阻害剤を単独で投与することでは、この疾患を効果的に処置できない又は臨床的に望ましいエンドポイントに到達できない。
本開示のいくつかの態様は、対象の疾患、例えば増殖性疾患の処置における治療有効量のEZH2阻害剤との併用療法での治療有効量の免疫チェックポイント阻害剤の使用に関し、EZH2阻害剤を単独で投与すること又は免疫チェックポイント阻害剤を単独で投与することでは、この疾患を効果的に処置できない又は臨床的に望ましいエンドポイントに到達できない。
本開示のいくつかの態様は、対象の疾患、例えば増殖性疾患の処置における治療有効量のEZH2阻害剤との併用療法のための薬剤の製造での治療有効量の免疫チェックポイント阻害剤の使用に関し、EZH2阻害剤を単独で投与すること又は免疫チェックポイント阻害剤を単独で投与することでは、この疾患を効果的に処置できない又は臨床的に望ましいエンドポイントに到達できない。
いくつかの実施形態では、両方の阻害剤をこのような最小用量未満で投与することは、より高い用量での薬剤の投与に関連した副作用を回避するのに有用であり、しかも臨床的に望ましい結果が達成される。
本開示のいくつかの態様は、疾患の処置における同時使用、個別使用、又は連続使用のための組み合わせ製剤として治療有効量のEZH2阻害剤及び治療有効量の免疫チェックポイント阻害剤を含む製品に関する。
本開示のいくつかの態様は、(a)治療有効量のEZH2阻害剤を含む医薬組成物、及び(b)治療有効量の免疫チェックポイント阻害剤を含む医薬組成物を含むキットに関する。
本開示のいくつかの態様は、治療有効量のEZH2阻害剤と治療有効量の免疫チェックポイント阻害剤との相乗的組成物に関し、EZH2阻害剤と免疫チェックポイント阻害剤は互いに対象の体内で(例えば、対象の体内のみで)接触する。
本開示のいくつかの態様は、EZH2阻害剤と免疫チェックポイント阻害剤を互いにある部位で(例えば、対象の体内で)接触させることにより、治療有効量のEZH2阻害剤と治療有効量の免疫チェックポイント阻害剤との相乗的組成物を調製する方法に関する。
本開示のいくつかの態様は、(a)治療有効量のEZH2阻害剤と(b)治療有効量の免疫チェックポイント阻害剤の組み合わせ及びこれらを含む組成物を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示のEZH2阻害剤は、式(Ig):
の化合物又はその薬学的に許容される塩を含み、
式中、R2、R4、及びR12はそれぞれ、独立にC1〜6アルキルであり;
R6は、C6〜C10アリール又は5員若しくは6員ヘテロアリールであり、これらはそれぞれ、任意選択的に1つ以上の−Q2−T2で置換され、ここで、Q2は、ハロ、シアノ、ヒドロキシル、又はC1〜C6アルコキシで任意選択的に置換された結合リンカー又はC1〜C3アルキルリンカーであり、且つT2は、H、ハロ、シアノ、−ORa、−NRaRb、−(NRaRbRc)+A−、−C(O)Ra、−C(O)ORa、−C(O)NRaRb、−NRbC(O)Ra、−NRbC(O)ORa、−S(O)2Ra、−S(O)2NRaRb、又はRS2であり、ここで、Ra、Rb、及びRcはそれぞれ、独立にH又はRS3であり、A−は、薬学的に許容される陽イオンであり、RS2及びRS3はそれぞれ、独立にC1〜C6アルキル、C3〜C8シクロアルキル、C6〜C10アリール、4〜12員ヘテロシクロアルキル、又は5員若しくは6員ヘテロアリールである、又はRa及びRbは、これらが結合するN原子と共に、0又は1つのさらなるヘテロ原子を有する4〜12員ヘテロシクロアルキル環を形成し、且つRS2、RS3、並びにRa及びRbによって形成される4〜12員ヘテロシクロアルキル環はそれぞれ、任意選択的に1つ以上の−Q3−T3で置換され、ここで、Q3は、任意選択的にハロ、シアノ、ヒドロキシル、又はC1〜C6アルコキシでそれぞれ置換された結合リンカー又はC1〜C3アルキルリンカーであり、且つT3は、ハロ、シアノ、C1〜C6アルキル、C3〜C8シクロアルキル、C6〜C10アリール、4〜12員ヘテロシクロアルキル、5員又は6員ヘテロアリール、ORd、COORd、−S(O)2Rd、−NRdRe、及びC(O)NRdReからなる群から選択され、Rd及びReはそれぞれ、独立にH又はC1〜C6アルキルである、又はQ3−T3はオキソである;又は任意の2つの隣接する−Q2−T2は、これらが結合する原子と共に5員環又は6員環を形成し、この環は、任意選択的に、N、O、及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含み、且つ任意選択的に、ハロ、ヒドロキシル、COOH、C(O)O−C1〜C6アルキル、シアノ、C1〜C6アルコキシル、アミノ、モノ−C1〜C6アルキルアミノ、ジ−C1〜C6アルキルアミノ、C3〜C8シクロアルキル、C6〜C10アリール、4〜12員ヘテロシクロアルキル、及び5員又は6員ヘテロアリールからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換され;
R7は−Q4−T4であり、ここで、Q4は、結合リンカー、C1〜C4アルキルリンカー、又はC2〜C4アルケニルリンカーであり、各リンカーは、任意選択的にハロ、シアノ、ヒドロキシル、又はC1〜C6アルコキシで置換され、且つT4は、H、ハロ、シアノ、NRfRg、−ORf、−C(O)Rf、−C(O)ORf、−C(O)NRfRg、−C(O)NRfORg、−NRfC(O)Rg、−S(O)2Rf、又はRS4であり、ここで、Rf及びRgはそれぞれ、独立にH又はRS5であり、RS4及びRS5はそれぞれ、独立にC1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C6〜C10アリール、4〜12員ヘテロシクロアルキル、又は5員若しくは6員ヘテロアリールであり、且つRS4及びRS5はそれぞれ、任意選択的に1つ以上の−Q5−T5で置換され、ここで、Q5は、結合リンカー、C(O)リンカー、C(O)NRkリンカー、NRkC(O)リンカー、S(O)2リンカー、又はC1〜C3アルキルリンカーであり、Rkは、H又はC1〜C6アルキルであり、且つT5は、H、ハロ、C1〜C6アルキル、ヒドロキシル、シアノ、C1〜C6アルコキシル、アミノ、モノ−C1〜C6アルキルアミノ、ジ−C1〜C6アルキルアミノ、C3〜C8シクロアルキル、C6〜C10アリール、4〜12員ヘテロシクロアルキル、5員又は6員ヘテロアリール、又はS(O)qRqであり、ここで、qは、0、1、又は2であり、且つRqは、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C6〜C10アリール、4〜12員ヘテロシクロアルキル、又は5員若しくは6員ヘテロアリールであり、且つT5は、任意選択的に、T5がH、ハロ、ヒドロキシル、又はシアノである場合を除いて、ハロ、C1〜C6アルキル、ヒドロキシル、シアノ、C1〜C6アルコキシル、アミノ、モノ−C1〜C6アルキルアミノ、ジ−C1〜C6アルキルアミノ、C3〜C8シクロアルキル、C6〜C10アリール、4〜12員ヘテロシクロアルキル、及び5員又は6員ヘテロアリールからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換される;又はQ5−T5はオキソであり;且つ
R8は、H、ハロ、ヒドロキシル、COOH、シアノ、RS6、ORS6、又はCOORS6であり、ここで、RS6は、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、4〜12員ヘテロシクロアルキル、アミノ、モノ−C1〜C6アルキルアミノ、又はジ−C1〜C6アルキルアミノであり、且つRS6は、任意選択的に、ハロ、ヒドロキシル、COOH、C(O)O−C1〜C6アルキル、シアノ、C1〜C6アルコキシル、アミノ、モノ−C1〜C6アルキルアミノ、及びジ−C1〜C6アルキルアミノからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換される;又はR7及びR8は、これらが結合しているN原子と共に、0〜2個のさらなるヘテロ原子を有する4〜11員ヘテロシクロアルキル環を形成し、且つR7及びR8によって形成される4〜11員ヘテロシクロアルキル環は、任意選択的に1つ以上の−Q6−T6で置換され、ここで、Q6は、結合リンカー、C(O)リンカー、C(O)NRmリンカー、NRmC(O)リンカー、S(O)2リンカー、又はC1〜C3アルキルリンカーであり、Rmは、H又はC1〜C6アルキルであり、且つT6は、H、ハロ、C1〜C6アルキル、ヒドロキシル、シアノ、C1〜C6アルコキシル、アミノ、モノC1〜C6アルキルアミノ、ジ−C1〜C6アルキルアミノ、C3〜C8シクロアルキル、C6〜C10アリール、4〜12員ヘテロシクロアルキル、5員若しくは6員ヘテロアリール、又はS(O)PRPであり、ここで、pは、0、1、又は2であり、且つRpは、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C6〜C10アリール、4〜12員ヘテロシクロアルキル、又は5員若しくは6員ヘテロアリールであり、且つT6は、任意選択的に、T6が、H、ハロ、ヒドロキシル、又はシアノである場合を除いて、ハロ、C1〜C6アルキル、ヒドロキシル、シアノ、C1〜C6アルコキシル、アミノ、モノ−C1〜C6アルキルアミノ、ジ−C1〜C6アルキルアミノ、C3〜C8シクロアルキル、C6〜C10アリール、4〜12員ヘテロシクロアルキル、及び5員又は6員ヘテロアリールからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換される;又はQ6−T6はオキソである。
式(Ig)の特定の実施形態では、R6は、C6〜C10アリール又は5員若しくは6員ヘテロアリールであり、これらはそれぞれ、任意選択的に、独立に1つ以上の−Q2−T2で置換され、ここで、Q2は、結合リンカー又はC1〜C3アルキルリンカーであり、且つT2は、H、ハロ、シアノ、−ORa、−NRaRb、−(NRaRbRc)+A−、−C(O)NRaRb、−NRbC(O)Ra、−S(O)2Ra、又はRS2であり、ここで、Ra、Rbはそれぞれ、独立にH又はRS3であり、RS2及びRS3はそれぞれ、独立にC1〜C6アルキルである、又はRa及びRbは、これらが結合するN原子と共に、0又は1つのさらなるヘテロ原子を有する4〜7員ヘテロシクロアルキル環を形成し、且つRS2、RS3、並びにRa及びRbによって形成される4〜7員ヘテロシクロアルキル環はそれぞれ、任意選択的に、独立に1つ以上の−Q3−T3で置換され、ここで、Q3は、結合リンカー又はC1〜C3アルキルリンカーであり、且つT3は、ハロ、C1〜C6アルキル、4〜7員ヘテロシクロアルキル、ORd、−S(O)2Rd、及びNRdReからなる群から選択され、Rd及びReはそれぞれ、独立にH又はC1〜C6アルキルである、又はQ3−T3はオキソである;又は任意の2つの隣接するQ2−T2は、これらが結合する原子と共に5員環又は6員環を形成し、この環は、任意選択的に、N、O、及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む。
いくつかの実施形態では、本開示のEZH2阻害剤は、式(II):
の化合物又はその薬学的に許容される塩を含むことができ、
式中、Q2は、結合リンカー又はメチルリンカーであり、T2は、H、ハロ、−ORa、−NRaRb、−(NRaRbRc)+A−、又はS(O)2NRaRbであり、R7は、ピペリジニル、テトラヒドロピラン、シクロペンチル、又はシクロヘキシルであり、それぞれは、任意選択的に1つの−Q5−T5で置換され、且つR8はエチルである。
いくつかの実施形態では、本開示のEZH2阻害剤は、式(IIa):
の化合物又はその薬学的に許容される塩を含むことができ、
式中、Ra及びRbはそれぞれ、独立にH又はRS3であり、RS3は、C1〜C6アルキル、C3〜C8シクロアルキル、C6〜C10アリール、4〜12員ヘテロシクロアルキル、又は5員若しくは6員ヘテロアリールである、又はRa及びRbは、これらが結合するN原子と共に、0又は1つのさらなるヘテロ原子を有する4〜12員ヘテロシクロアルキル環を形成し、且つRS3、及びRa及びRbによって形成された4〜12員ヘテロシクロアルキル環はそれぞれ、任意選択的に1つ以上の−Q3−T3で置換され、ここで、Q3は、任意選択的にハロ、シアノ、ヒドロキシル、又はC1〜C6アルコキシでそれぞれ置換された結合リンカー又はC1〜C3アルキルリンカーであり、且つT3は、ハロ、シアノ、C1〜C6アルキル、C3〜C8シクロアルキル、C6〜C10アリール、4〜12員ヘテロシクロアルキル、5員又は6員ヘテロアリール、ORd、COORd、−S(O)2Rd、−NRdRe、及びC(O)NRdReからなる群から選択され、Rd及びReはそれぞれ、独立にH又はC1〜C6アルキルである、又はQ3−T3はオキソであり;
R7は−Q4−T4であり、ここで、Q4は、結合リンカー、C1〜C4アルキルリンカー、又はC2〜C4アルケニルリンカーであり、各リンカーは、任意選択的にハロ、シアノ、ヒドロキシル、又はC1〜C6アルコキシで置換され、且つT4は、H、ハロ、シアノ、NRfRg、−ORf、−C(O)Rf、−C(O)ORf、−C(O)NRfRg、−C(O)NRfORg、−NRfC(O)Rg、−S(O)2Rf、又はRS4であり、ここで、Rf及びRgはそれぞれ、独立にH又はRS5であり、RS4及びRS5はそれぞれ、独立にC1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C6〜C10アリール、4〜7員ヘテロシクロアルキル、又は5員若しくは6員ヘテロアリールであり、且つRS4及びRS5はそれぞれ、任意選択的に1つ以上の−Q5−T5で置換され、ここで、Q5は、結合リンカー、C(O)リンカー、C(O)NRkリンカー、NRkC(O)リンカー、S(O)2リンカー、又はC1〜C3アルキルリンカーであり、Rkは、H又はC1〜C6アルキルであり、且つT5は、H、ハロ、C1〜C6アルキル、ヒドロキシル、シアノ、C1〜C6アルコキシル、アミノ、モノ−C1〜C6アルキルアミノ、ジ−C1〜C6アルキルアミノ、C3〜C8シクロアルキル、C6〜C10アリール、4〜7員ヘテロシクロアルキル、5員又は6員ヘテロアリール、又はS(O)qRqであり、ここで、qは、0、1、又は2であり、且つRqは、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C6〜C10アリール、4〜7員ヘテロシクロアルキル、又は5員若しくは6員ヘテロアリールであり、且つT5は、任意選択的に、T5がH、ハロ、ヒドロキシル、又はシアノである場合を除いて、ハロ、C1〜C6アルキル、ヒドロキシル、シアノ、C1〜C6アルコキシル、アミノ、モノ−C1〜C6アルキルアミノ、ジ−C1〜C6アルキルアミノ、C3〜C8シクロアルキル、C6〜C10アリール、4〜7員ヘテロシクロアルキル、及び5員又は6員ヘテロアリールからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換される;又はQ5−T5はオキソであり;R7がHでないことが条件であり;且つ
R8は、H、ハロ、ヒドロキシル、COOH、シアノ、RS6、ORS6、又はCOORS6であり、ここで、RS6は、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、アミノ、モノ−C1〜C6アルキルアミノ、又はジ−C1〜C6アルキルアミノであり、且つRS6は、任意選択的に、ハロ、ヒドロキシル、COOH、C(O)O−C1〜C6アルキル、シアノ、C1〜C6アルコキシル、アミノ、モノ−C1〜C6アルキルアミノ、及びジ−C1〜C6アルキルアミノからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換される;又はR7及びR8は、これらが結合しているN原子と共に、0〜2個のさらなるヘテロ原子を有する4〜11員ヘテロシクロアルキル環を形成し、且つ、任意選択的に1つ以上の−Q6−T6で置換され、ここで、Q6は、結合リンカー、C(O)リンカー、C(O)NRmリンカー、NRmC(O)リンカー、S(O)2リンカー、又はC1〜C3アルキルリンカーであり、Rmは、H又はC1〜C6アルキルであり、且つT6は、H、ハロ、C1〜C6アルキル、ヒドロキシル、シアノ、C1〜C6アルコキシル、アミノ、モノC1〜C6アルキルアミノ、ジ−C1〜C6アルキルアミノ、C3〜C8シクロアルキル、C6〜C10アリール、4〜7員ヘテロシクロアルキル、5員若しくは6員ヘテロアリール、又はS(O)PRPであり、ここで、pは、0、1、又は2であり、且つRpは、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C6〜C10アリール、4〜7員ヘテロシクロアルキル、又は5員若しくは6員ヘテロアリールであり、且つT6は、任意選択的に、T6が、H、ハロ、ヒドロキシル、又はシアノである場合を除いて、ハロ、C1〜C6アルキル、ヒドロキシル、シアノ、C1〜C6アルコキシル、アミノ、モノ−C1〜C6アルキルアミノ、ジ−C1〜C6アルキルアミノ、C3〜C8シクロアルキル、C6〜C10アリール、4〜7員ヘテロシクロアルキル、及び5員又は6員ヘテロアリールからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換される;又はQ6−T6はオキソである。
式(IIa)の実施形態では、Ra及びRbは、これらが結合するN原子と共に、N原子に対して0又は1つのさらなるヘテロ原子を有する4〜7員ヘテロシクロアルキル環を形成し、この環は、任意選択的に1つ以上の−Q3−T3で置換され、ここで、ヘテロシクロアルキルは、アゼチジニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、オキサゾリジニル、イソキサゾリジニル、トリアゾリジニル、ピペリジニル、1,2,3,6−テトラヒドロピリジニル、ピペラジニル、又はモルホリニルである。
式(IIa)の特定の実施形態では、R7は、C3〜C8シクロアルキル又は4〜7員ヘテロシクロアルキルであり、それぞれが、任意選択的に1つ以上の−Q5−T5で置換される。
式(IIa)の特定の実施形態では、R7は、ピペリジニル、テトラヒドロピラン、テトラヒドロ−2H−チオピラニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ピロリジニル、又はシクロヘプチルであり、それぞれが、任意選択的に1つ以上の−Q5−T5で置換される。
式(IIa)の特定の実施形態では、R8は、H又はC1〜C6アルキルであり、C1〜C6アルキルは、任意選択的に、ハロ、ヒドロキシル、COOH、C(O)O−C1〜C6アルキル、シアノ、C1〜C6アルコキシル、アミノ、モノ−C1〜C6アルキルアミノ、及びジ−C1〜C6アルキルアミノからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換される。
いくつかの実施形態では、本開示のEZH2阻害剤は、この化合物は、
、及びそれらの薬学的に許容される塩から選択されることを含む。
いくつかの実施形態では、本開示のEZH2阻害剤は、
(タゼメトスタット、EPZ−6438)又はその薬学的に許容される塩を含む。
いくつかの実施形態では、EZH2阻害剤はタゼメトスタットである。いくつかの実施形態では、EZH2阻害剤は、タゼメトスタットの臭化水素酸塩である。いくつかの実施形態では、EZH2阻害剤は、タゼメトスタットの塩酸塩である。
いくつかの実施形態では、本開示の免疫チェックポイント阻害剤は、CTLA4阻害剤である。いくつかの実施形態では、本開示の免疫チェックポイント阻害剤は、CTLA4を標的とする、これに結合する、又はこれを阻害する。本開示の例示的な適切なCTLA4阻害剤は、イピリムマブ、チシリムマブ、AGEN−1884、又はこれらの組み合わせを含む。
いくつかの実施形態では、本開示の免疫チェックポイント阻害剤は、PD−1阻害剤である。いくつかの実施形態では、本開示の免疫チェックポイント阻害剤は、PD−1及び/又はPD−L1を標的とする、これに結合する、又はこれを阻害する。例示的な適切なPD−1及び/又はPD−L1阻害剤としては、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、アテゾリズマブ、デュルバルマブ、アベルマブ、BMS−936559、AMP−224、MEDI−0680、TSR−042、BGB−108、STI−1014、KY−1003、ALN−PDL、BGB−A317、KD−033、REGN−2810、PDR−001、SHR−1210、MGD−013、PF−06801591、CX−072、又はこれらの組み合わせが挙げられる。特定の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、アテゾリズマブを含む。特定の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、ニボルマブを含む。特定の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、ペンブロリズマブを含む。
いくつかの実施形態では、本開示の免疫チェックポイント阻害剤は、LAG3阻害剤である。いくつかの実施形態では、本開示の免疫チェックポイント阻害剤は、LAG3を標的とする、これに結合する、又はこれを阻害する。例示的な適切なLAG3阻害剤としては、IMP−731、LAG−525、BMS−986016、GSK−2831781、又はこれらの組み合わせが挙げられる。
いくつかの実施形態では、本開示の免疫チェックポイント阻害剤は、B7−H3阻害剤である。いくつかの実施形態では、本開示の免疫チェックポイント阻害剤は、B7−H3を標的とする、これに結合する、又はこれを阻害する。例示的な適切なB7−H3阻害剤としては、エノブリツズマブ(Enoblituzumab)、1241−8H9、DS−5573、又はこれらの組み合わせが挙げられる。
いくつかの実施形態では、本開示の免疫チェックポイント阻害剤は、Tim3阻害剤である。いくつかの実施形態では、本開示の免疫チェックポイント阻害剤は、Tim3を標的とする、これに結合する、又はこれを阻害する。例示的な適切なTim3阻害剤としては、MBG−453が挙げられる。
当業者は、本明細書で提供される例示的な免疫チェックポイント阻害剤が非限定的な例であり、本開示の範囲を限定することを意味するものではないことを理解されよう。さらなる適切な免疫チェックポイント阻害剤は、本開示及び当技術分野における一般的な知識に基づき当業者には明らかであろう。この開示は、これに関して限定されるものではない。
いくつかの実施形態では、EZH2阻害剤は、小分子薬物、例えばタゼメトスタット又はその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、ペプチド、又はタンパク質、例えばモノクローナル抗体、例えば、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、アテゾリズマブ、デュルバルマブ、又はアベルマブである。小分子薬物及び治療用ペプチド又はタンパク質の異なる生物学的利用能及び薬物動態に基づき、EZH2阻害剤及び免疫チェックポイント阻害剤は、いくつかの実施形態では、異なる経路を介して、且つ/又は異なる投与計画に従って投与される。
例えば、いくつかの実施形態では、EZH2阻害剤は、毎日(例えば、1日1回、1日2回、及び1日3回など)投与される小分子薬物(例えば、タゼメトスタット又はタゼメトスタット塩)であり、免疫チェックポイント阻害剤は、より長い時間間隔(例えば、2日に1回、3日に1回、1週間に1回、2週間に1回、3週間に1回、及び1か月に1回など)で投与されるモノクローナル抗体(例えば、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、アテゾリズマブ、デュルバルマブ、又はアベルマブ)である。
本開示の方法の特定の実施形態では、EZH2阻害剤及び免疫チェックポイント阻害剤は連続的に投与される。例えば、EZH2阻害剤は、免疫チェックポイント阻害剤の前に投与してもよい。あるいは、免疫チェックポイント阻害剤は、EZH2阻害剤の前に投与してもよい。いくつかの実施形態では、EZH2阻害剤及び免疫チェックポイント阻害剤は、時間的に近接して投与される、例えば、一方が、他方の投与前又は投与後の1日以内、12時間以内、6時間以内、3時間以内、2時間以内、1時間以内、30分以内、15分以内、又は10分以内に投与される。本開示の方法の特定の実施形態では、EZH2阻害剤及び免疫チェックポイント阻害剤は同時に投与される。いくつかの実施形態では、EZH2阻害剤及び免疫チェックポイント阻害剤の投与計画が重複する。いくつかの実施形態では、EZH2阻害剤及び免疫チェックポイント阻害剤の処置期間は同じであり、例えば、約4週間、約5週間、約6週間、約7週間、約8週間、約10週間、約12週間、約14週間、約16週間、約18週間、又は約20週間である。いくつかの実施形態では、EZH2阻害剤の処置期間は、免疫チェックポイント阻害剤の治療期間よりも長い、又はその逆である。
本明細書で提供される医薬品、例えばEZH2阻害剤又は免疫チェックポイント阻害剤の治療有効量は、一般に、同定された疾患又は状態の処置、改善、又は予防に有効である、又は臨床的に望ましい効果、例えば検出可能な治療効果又は阻害効果を示す薬剤の量である。いくつかの実施形態では、有効量は、医薬品、例えば本明細書で提供されるEZH2阻害剤又は免疫チェックポイント阻害剤の単位体重当たり(例えば、医薬品が投与される対象の体重1kg当たり)の重量として提供される。いくつかの実施形態では、有効量は1日当たりの投与量として提供される。当業者であれば、本明細書で提供されるEZH2阻害剤及び/又は免疫チェックポイント阻害剤を、1日1回以外の頻度、例えば1日2回、1日3回、1週間に1回、2週間に1回、3週間に1回、1か月に1回などで投与してもよいこと、並びに有効1日用量を、1日に2回以上の用量が投与される場合は累積的に、患者が1日に投与される用量を計算することによって、又は全投与量を投与期間の日数(例えば、用量が2日に1回に投与される場合は2、用量が3日に1回に投与する場合は3など)で除算することによって決定することができる。
例えば、いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるEZH2阻害剤及び/又は免疫チェックポイント阻害剤の治療有効量は、1μg(EZH2阻害剤)/kg(対象の体重)〜1000mg/kg(両端の値を含む)である。いくつかの実施形態では、EZH2阻害剤の治療有効量は、1μg/kg〜1mg/kg、1μg/kg〜10mg/kg、1μg/kg〜25mg/kg、1μg/kg〜50mg/kg、1μg/kg〜100mg/kg、1μg/kg〜250mg/kg、100μg/kg〜50mg/kg、100μg/kg〜500mg/kg、100μg/kg〜1mg/kg、100μg/kg〜10mg/kg、100μg/kg〜25mg/kg、100μg/kg〜50mg/kg、100μg/kg〜100mg/kg、100μg/kg〜250mg/kg、1000μg/kg〜5mg/kg、1000μg/kg〜10mg/kg、1000μg/kg〜15mg/kg、1000μg/kg〜20mg/kg、1000μg/kg〜25mg/kg、1000μg/kg〜50mg/kg、1000μg/kg〜100mg/kg、1000μg/kg〜250mg/kg、1000μg/kg〜500mg/kg、1000μg/kg〜1000mg/kg、2500μg/kg〜5mg/kg、2500μg/kg〜10mg/kg、2500μg/kg〜15mg/kg、2500μg/kg〜20mg/kg、2500μg/kg〜25mg/kg、2500μg/kg〜50mg/kg、2500μg/kg〜100mg/kg、2500μg/kg〜250mg/kg、2500μg/kg〜500mg/kg、2500μg/kg〜1000mg/kg、3000μg/kg〜5mg/kg、5000μg/kg〜10mg/kg、5000μg/kg〜15mg/kg、5000μg/kg〜20mg/kg、10000μg/kg〜25mg/kg、10000μg/kg〜50mg/kg、10000μg/kg〜100mg/kg、10000μg/kg〜250mg/kg、100000μg/kg〜500mg/kg、5μg/kg〜500mg/kg、10μg/kg〜500mg/kg、50μg/kg〜500mg/kg、100μg/kg〜500mg/kg、250μg/kg〜500mg/kg、500μg/kg〜500mg/kg、1000μg/kg〜500mg/kg、5μg/kg〜100mg/kg、10μg/kg〜100mg/kg、50μg/kg〜100mg/kg、100μg/kg〜100mg/kg、250μg/kg〜100mg/kg、500μg/kg〜100mg/kg、1000μg/kg〜100mg/kg、5μg/kg〜10mg/kg、10μg/kg〜10mg/kg、50μg/kg〜10mg/kg、100μg/kg〜10mg/kg、250μg/kg〜10mg/kg、500μg/kg〜10mg/kg、750μg/kg〜10mg/kg、1000μg/kg〜10mg/kg、5μg/kg〜1mg/kg、10μg/kg〜1mg/kg、50μg/kg〜1mg/kg、100μg/kg〜1mg/kg、250μg/kg〜1mg/kg、500μg/kg〜1mg/kg、750μg/kg〜1mg/kg、及び750μg/kg〜1.5mg/kg(両端の値を含む)である。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるEZH2阻害剤及び/又は免疫チェックポイント阻害剤の治療有効量は、1μg(EZH2阻害剤)/kg(対象の体重)/日〜1000mg/kg/日(両端の値を含む)である。いくつかの実施形態では、EZH2阻害剤の治療有効量は、1μg/kg/日〜1mg/kg/日、1μg/kg/日〜10mg/kg/日、1μg/kg/日〜25mg/kg/日、1μg/kg/日〜50mg/kg/日、1μg/kg/日〜100mg/kg/日、1μg/kg/日〜250mg/kg/日、100μg/kg/日〜50mg/kg/日、100μg/kg/日〜500mg/kg/日、100μg/kg/日〜1mg/kg/日、100μg/kg/日〜10mg/kg/日、100μg/kg/日〜25mg/kg/日、100μg/kg/日〜50mg/kg/日、100μg/kg/日〜100mg/kg/日、100μg/kg/日〜250mg/kg/日、1000μg/kg/日〜5mg/kg/日、1000μg/kg/日〜10mg/kg/日、1000μg/kg/日〜15mg/kg/日、1000μg/kg/日〜20mg/kg/日、1000μg/kg/日〜25mg/kg/日、1000μg/kg/日〜50mg/kg/日、1000μg/kg/日〜100mg/kg/日、1000μg/kg/日〜250mg/kg/日、1000μg/kg/日〜500mg/kg/日、1000μg/kg/日〜1000mg/kg/日、2500μg/kg/日〜5mg/kg/日、2500μg/kg/日〜10mg/kg/日、2500μg/kg/日〜15mg/kg/日、2500μg/kg/日〜20mg/kg/日、2500μg/kg/日〜25mg/kg/日、2500μg/kg/日〜50mg/kg/日、2500μg/kg/日〜100mg/kg/日、2500μg/kg/日〜250mg/kg/日、2500μg/kg/日〜500mg/kg/日、2500μg/kg/日〜1000mg/kg/日、3000μg/kg/日〜5mg/kg/日、5000μg/kg/日〜10mg/kg/日、5000μg/kg/日〜15mg/kg/日、5000μg/kg/日〜20mg/kg/日、10000μg/kg/日〜25mg/kg/日、10000μg/kg/日〜50mg/kg/日、10000μg/kg/日〜100mg/kg/日、10000μg/kg/日〜250mg/kg/日、100000μg/kg/日〜500mg/kg/日、5μg/kg/日〜500mg/kg/日、10μg/kg/日〜500mg/kg/日、50μg/kg/日〜500mg/kg/日、100μg/kg/日〜500mg/kg/日、250μg/kg/日〜500mg/kg/日、500μg/kg/日〜500mg/kg/日、1000μg/kg/日〜500mg/kg/日、5μg/kg/日〜100mg/kg/日、10μg/kg/日〜100mg/kg/日、50μg/kg/日〜100mg/kg/日、100μg/kg/日〜100mg/kg/日、250μg/kg/日〜100mg/kg/日、500μg/kg/日〜100mg/kg/日、1000μg/kg/日〜100mg/kg/日、5μg/kg/日〜10mg/kg/日、10μg/kg/日〜10mg/kg/日、50μg/kg/日〜10mg/kg/日、100μg/kg/日〜10mg/kg/日、250μg/kg/日〜10mg/kg/日、500μg/kg/日〜10mg/kg/日、750μg/kg/日〜10mg/kg/日、1000μg/kg/日〜10mg/kg/日、5μg/kg/日〜1mg/kg/日、10μg/kg/日〜1mg/kg/日、50μg/kg/日〜1mg/kg/日、100μg/kg/日〜1mg/kg/日、250μg/kg/日〜1mg/kg/日、500μg/kg/日〜1mg/kg/日、750μg/kg/日〜1mg/kg/日、及び750μg/kg/日〜1.5mg/kg/日(両端の値を含む)である。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるEZH2阻害剤及び/又は免疫チェックポイント阻害剤の有効量は、約1μg/kg、約2μg/kg、約2.5μg/kg、約5μg/kg、約10μg/kg、約20μg/kg、約25μg/kg、約50μg/kg、約100μg/kg、約200μg/kg、約250μg/kg、約500μg/kg、約1mg/kg、約2mg/kg、約2.5mg/kg、約5mg/kg、約10mg/kg、約20mg/kg、約25mg/kg、約50mg/kg、約100mg/kg、約200mg/kg、約250mg/kg、約500mg/kg、又は約1000mg/kgである。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるEZH2阻害剤及び/又は免疫チェックポイント阻害剤の有効量は、約1μg/kg/日、約2μg/kg/日、約2.5μg/kg/日、約5μg/kg/日、約10μg/kg/日、約20μg/kg/日、約25μg/kg/日、約50μg/kg/日、約100μg/kg/日、約200μg/kg/日、約250μg/kg/日、約500μg/kg/日、約1mg/kg/日、約2mg/kg/日、約2.5mg/kg/日、約5mg/kg/日、約10mg/kg/日、約20mg/kg/日、約25mg/kg/日、約50mg/kg/日、約100mg/kg/日、約200mg/kg/日、約250mg/kg/日、約500mg/kg/日、又は約1000mg/kg/日である。本開示は、本明細書で提供される任意の投与量、投与量の組み合わせ、投与経路、及び投与間隔での、本明細書で提供されるEZH2阻害剤及び免疫チェックポイント阻害剤の任意の組み合わせを使用する方法及び処置戦略を包含する。例えば、いくつかの実施形態では、EZH2阻害剤(例えば、タゼメトスタット)は、約10mg/kg/日の用量で1日2回投与され、免疫チェックポイント阻害剤(例えば、モノクローナル抗体、例えば、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、アテゾリズマブ、デュルバルマブ、又はアベルマブ)は、500μg/kg/日〜1mg/kg/日の投与量で3週間に1回投与される。
いくつかの実施形態では、EZH2阻害剤及び/又は免疫チェックポイント阻害剤は、固体又は液体製剤、例えば、丸薬、錠剤、溶液、又は懸濁液で投与される。いくつかの実施形態では、EZH2阻害剤及び/又は免疫チェックポイント阻害剤の治療有効量、例えば本明細書で提供される有効量は、1μL〜500mL(両端の値を含む)の製剤量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、EZH2阻害剤及び/又は免疫チェックポイント阻害剤の治療有効量、例えば本明細書で提供される有効量は、1mL〜500mL、1mL〜200mL、1mL〜20mL、1mL〜10mL、1mL〜5mL、0.5mL〜5mL、0.5mL〜2mL、0.1mL〜1mL、又は0.1mL〜0.5mL(両端の値を含む)の製剤容量で投与される。EZH2阻害剤と免疫チェックポイント阻害剤が別個の製剤で対象に投与されるいくつかの実施形態では、このような量の任意の組み合わせを使用することができる。例えば、EZH2阻害剤は、100mLの懸濁液で経口投与することができ、チェックポイント阻害剤は、1mLの液剤の注射によって投与することができる。
特定の実施形態では、EZH2阻害剤及び/又は免疫チェックポイント阻害剤は全身投与される。いくつかの実施形態では、EZH2阻害剤及び/又は免疫チェックポイント阻害剤は、経口経路又は非経口経路を介して投与される。いくつかの実施形態では、EZH2阻害剤及び免疫チェックポイント阻害剤は、異なる経路を介して投与され、例えば、一方は経口投与され、他方は非経口投与される。特定の実施形態では、EZH2阻害剤は、例えば、経口投与用のカプセル、錠剤、懸濁液、又は溶液として製剤化されて経口投与される。特定の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、非経口経路を介して投与される。いくつかの実施形態では、EZH2阻害剤は、経口投与用に固体又は液体として、例えば、丸薬、錠剤、溶液又は懸濁液として製剤化することができ、免疫チェックポイント阻害剤は、非経口投与用に、例えば静脈内注射のための液体、例えば溶液又は懸濁液として製剤化される。
本開示の方法の特定の実施形態では、EZH2阻害剤は、800mgの用量で1日2回投与され、免疫チェックポイント阻害剤は、1200mgの用量で3週間に1回投与される。特定の態様では、EZH2阻害剤は小分子薬物であり、免疫チェックポイント阻害剤はモノクローナル抗体である。特定の態様では、EZH2阻害剤は経口投与される。特定の態様では、EZH2阻害剤は経口投与され、免疫チェックポイント阻害剤は非経口投与される。特定の態様では、免疫チェックポイント阻害剤はPD−L1阻害剤を含む。特定の態様では、免疫チェックポイント阻害剤はアテゾリズマブを含む。特定の態様では、免疫チェックポイント阻害剤はニボルマブを含む。特定の態様では、免疫チェックポイント阻害剤はペンブロリズマブを含む。
本明細書で提供される有効量、製剤量、及び投与経路は、本開示の範囲内のいくつかの実施形態の非限定的な例であることを理解されたい。さらなる適切な量及び投与経路は、この開示及び当技術分野での一般的な知識に基づき当業者には明らかであろう。本開示はこの点に限定されるものではない。いくつかの実施形態では、EZH2阻害剤及び免疫チェックポイント阻害剤が投与される対象は、増殖性疾患を有するか、又は増殖性疾患と診断されている。いくつかの実施形態では、増殖性疾患は、悪性増殖性疾患、例えば癌である。いくつかの実施形態では、本開示の方法によって、又は本開示の組成物、戦略、処置様式、方法、組み合わせ、及び組成物で処置することができる癌は、幹細胞又は前駆細胞を含むか、又はこれらに由来する。
いくつかの実施形態では、対象にEZH2阻害剤が投与された後の組織生検は、参照レベルと比較して免疫チェックポイントタンパク質(例えば、PD−L1)の発現の増加を示す。いくつかの実施形態では、参照レベルは、EZH2阻害剤の投与前に採取された組織生検で観察された免疫チェックポイントタンパク質の発現レベルである。いくつかの実施形態では、免疫チェックポイントタンパク質の発現は、参照レベルと比較して5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、100%、150%、200%、250%、300%、350%、400%、450%、500%、600%、700%、800%、900%、又は1000%増加する。いくつかの実施形態では、EZH2阻害剤が投与された対象は、EZH2阻害剤の投与前に免疫チェックポイント阻害剤が投与されていない。いくつかの実施形態では、EZH2阻害剤を投与された対象は、EZH2阻害剤の投与前に免疫チェックポイント阻害剤が投与されている。
いくつかの実施形態では、本開示の方法によって、又は本開示の組成物、戦略、処置様式、方法、組み合わせ、及び組成物で処置することができる癌は、免疫細胞を含むか、又はこれに由来する。いくつかの実施形態では、癌は、軟組織肉腫、例えば類上皮肉腫、又は軟組織の明細胞肉腫の形態である。
いくつかの実施形態では、本開示の方法によって、又は本開示の組成物、戦略、処置様式、方法、組み合わせ、及び組成物で処置することができる癌は、副腎皮質癌、AIDS関連癌、AIDS関連リンパ腫、肛門癌、肛門直腸癌、肛門管癌、虫垂癌、小児小脳星状細胞腫、小児大脳星状細胞腫、基底細胞癌、皮膚癌(非メラノーマ性)、胆道癌、肝外胆管癌、肝内胆管癌、膀胱癌(bladder cancer、urinary bladder cancer)、骨及び関節癌、骨肉腫及び悪性線維性組織球腫、脳癌、脳腫瘍、脳幹神経膠腫、小脳星状細胞腫、大脳星細胞腫/悪性神経膠腫、上衣腫、髄芽腫、テント上原始神経外胚葉性腫瘍、視覚路及び視床下部神経膠腫、乳癌、気管支腺腫/カルチノイド、カルチノイド腫瘍、胃腸、神経系癌、神経系リンパ腫、中枢神経系癌、中枢神経系リンパ腫、子宮頸癌、小児癌、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性骨髄増殖性障害、結腸癌、結腸直腸癌、皮膚T細胞リンパ腫、リンパ系腫瘍、菌状息肉腫、セザリー症候群、子宮内膜癌、食道癌、頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外胚細胞腫瘍、肝外胆管癌、眼癌(eye cancer)、眼内黒色腫、網膜芽細胞腫、胆嚢癌、胃癌(gastric(stomach)cancer)、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍(GIST)、胚細胞腫瘍、卵巣胚細胞腫瘍、妊娠性絨毛性腫瘍神経膠腫、頭頸部癌、肝細胞(肝臓)癌、ホジキンリンパ腫、下咽頭癌、眼内黒色腫、眼癌(ocular cancer)、島細胞腫瘍(膵内分泌部)、カポジ肉腫、腎臓癌、腎癌、腎臓癌、喉頭癌、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、有毛細胞白血病、口唇及び口腔癌、肝癌、肺癌、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、AIDS関連リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、原発性中枢神経系リンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症、メラノーマ、眼内(眼)メラノーマ、メルケル細胞癌、悪性中皮腫、中皮腫、転移性頸部扁平上皮癌、口癌、舌癌、多発性内分泌腫瘍症候群、菌状息肉腫、骨髄異形成症候群、骨髄異形成/骨髄増殖性疾患、慢性骨髄性白血病、急性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、慢性骨髄増殖性障害、上咽頭癌、神経芽細胞腫、口腔癌(oral cancer、oral cavity cancer)、中咽頭癌、卵巣癌、卵巣明細胞腺癌、卵巣類内膜腺癌、漿液性卵巣腺癌、膵管腺癌、膵内分泌腫瘍、上皮性卵巣癌、卵巣低悪性度腫瘍、膵癌、島細胞膵癌、副鼻腔及び鼻腔癌、副甲状腺癌、陰茎癌、咽頭癌、褐色細胞腫、松果体芽腫及びテント上原始神経外胚葉性腫瘍、下垂体腫瘍、形質細胞腫瘍/多発性骨髄腫、胸膜肺芽腫、前立腺癌、直腸癌、腎盂及び尿管移行上皮癌、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺癌、ユーイング肉腫ファミリー腫瘍、カポジ肉腫、軟部組織肉腫、滑膜肉腫、子宮癌、子宮肉腫、皮膚癌(非メラノーマ性)、皮膚癌(メラノーマ)、メルケル皮膚癌、小腸癌、軟部組織肉腫、扁平上皮癌、胃癌(stomach(gastric)cancer)、テント上原始神経外胚葉性腫瘍、精巣癌、咽喉癌、胸腺腫、胸腺腫及び胸腺癌、甲状腺癌、腎盂及び尿管並びに他の泌尿器の移行上皮癌、妊娠性絨毛性腫瘍、尿道癌、子宮内膜子宮癌、子宮肉腫、子宮体部癌、腟癌、外陰癌、又はウィルムス腫瘍、悪性ラブドイド腫瘍、星状細胞腫、非定型奇形腫様ラブドイド腫瘍、脈絡叢癌、脈絡叢乳頭腫、上衣細胞腫、グリア芽腫、髄膜腫、神経性腫瘍、乏突起星細胞腫、乏突起膠腫、癌肉腫、脊索腫、性腺外胚細胞腫瘍、腎外ラブドイド腫瘍、神経鞘腫、皮膚扁平上皮細胞癌、軟骨肉腫、軟組織の明細胞肉腫、ユーイング肉腫、類上皮肉腫、腎髄質癌、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、及び不特定の(NOS)肉腫を含むか、又はこれらに由来する。
いくつかの実施形態では、癌はINI1陰性腫瘍である。INI1(SNF5、SMARCB1、又はBAF47とも呼ばれる)は、EZH2とは反対に作用するクロマチンリモデリング因子であるSWI/SNF調節複合体の重要な構成要素である。INI1陰性腫瘍は、SWI/SNF機能を変化させ、異常な発癌性のEZH2活性をもたらす。この活性は、タゼメトスタットなどのEZH2の小分子阻害剤の標的となり得る。INI1陰性腫瘍は、一般に侵攻性であり、現在の処置は十分に役立たない。例えば、よく研究されているINI1陰性腫瘍であるMRTの現在の処置は、外科手術、化学療法、放射線療法からなり、有効性が限定され、処置に関連する著しい罹患率を伴う。INI1陰性腫瘍の非限定的な例としては、腎ラブドイド腫瘍(RTK)、非定型奇形腫様/ラブドイド腫瘍(ATRT)、類上皮悪性末梢神経鞘腫瘍、筋上皮癌、及び腎髄質癌が挙げられる。
いくつかの実施形態では、本開示の戦略、処置様式、方法、組み合わせ、及び組成物で処置することができる癌は充実性腫瘍を含む。いくつかの実施形態では、本開示の戦略、処置様式、方法、組み合わせ、及び組成物で処置することができる癌は、上皮起源の細胞を含むか、又はこれに由来する。いくつかの実施形態では、本開示の戦略、処置様式、方法、組み合わせ、及び組成物で処置することができる癌は原発腫瘍である。いくつかの実施形態では、本開示の戦略、処置様式、方法、組み合わせ、及び組成物で処置することができる癌は二次性腫瘍である。いくつかの実施形態では、癌は転移性である。
本開示の方法の特定の実施形態では、EZH2阻害剤及び免疫チェックポイント阻害剤が投与される対象は癌と診断されている。いくつかの実施形態では、対象は成人である。いくつかの実施形態では、対象は小児対象である。いくつかの実施形態では、対象はヒトである。
特定の実施形態では、対象は成人であり、タゼメトスタットの治療有効量は約100mg〜約1600mgである。特定の実施形態では、対象は成人であり、タゼメトスタットの治療有効量は、約100mg、約200mg、約400mg、約800mg、又は約1600mgである。特定の実施形態では、対象は成人であり、タゼメトスタットの治療有効量は約800mg、例えば400mgの用量で1日2回、1日に800mg経口投与される。
特定の実施形態では、対象は小児であり、タゼメトスタットは、230mg/m2〜600mg/m2(両端の値を含む)の用量で1日2回(BID)投与することができる。特定の実施形態では、対象は小児であり、タゼメトスタットは、230mg/m2〜305mg/m2(両端の値を含む)の用量で1日2回(BID)投与される。特定の実施形態では、対象は小児であり、タゼメトスタットは、240mg/m2の用量で1日2回(BID)投与される。特定の実施形態では、対象は小児であり、タゼメトスタットは、300mg/m2の用量で1日2回(BID)投与される。特定の実施形態では、対象は小児であり、タゼメトスタットは、成人対象への1日2回1600mgの投与後に、定常状態(AUCss)における曲線下面積(AUC)の約60%の用量で投与される。特定の実施形態では、対象は小児であり、タゼメトスタットは、1日当たり約600mg/m2の用量で投与される。特定の実施形態では、対象は小児であり、タゼメトスタットは、1日当たり少なくとも600mg/m2の用量で投与される。特定の実施形態では、対象は小児であり、タゼメトスタットは、成人対象への1日2回800mgの投与後に、定常状態(AUCss)における曲線下面積(AUC)の約80%の用量で投与される。特定の実施形態では、対象は小児であり、タゼメトスタットは、約390mg/m2の用量で1日2回(BID)投与される。特定の実施形態では、対象は小児であり、タゼメトスタットは、少なくとも390mg/m2の用量で1日2回(BID)投与される。特定の実施形態では、対象は小児であり、タゼメトスタットは、300mg/m2〜600mg/m2の用量で1日2回(BID)投与される。
いくつかの実施形態、例えば対象が小児であるいくつかの実施形態では、EZH2阻害剤は、経口懸濁液として製剤化してもよい。
特定の実施形態では、本開示は、軟組織肉腫(又は任意の他の形態の癌)を有する対象に、1日2回800mgの経口用量のタゼメトスタットと3週間ごとの60分にわたる静脈内注入としての1200mgの用量のアテゾリズマブ(TECENTRIQ(商標))との組み合わせを投与する方法を提供する(アテゾリズマブについての追加の情報としてその内容が本明細書に組み入れられる、accessdata.fda.gov/drugsatfda_docs/label/2016/761034s000lbl.pdfを参照)。
特定の実施形態では、本開示は、類上皮肉腫(又は任意の他の形態の癌)を有する対象に、1日2回800mgの経口用量のタゼメトスタットと3週間ごとの60分にわたる静脈内注入としての1200mgの用量のアテゾリズマブ(TECENTRIQ(商標))との組み合わせを投与する方法を提供する。
特定の実施形態では、本開示は、局所進行又は転移性尿路上皮癌(又は任意の他の形態の癌)を有する対象に、1日2回800mgの経口用量のタゼメトスタットと3週間ごとの60分にわたる静脈内注入としての1200mgの用量のアテゾリズマブ(TECENTRIQ(商標))との組み合わせを投与する方法を提供する。
特定の実施形態では、本開示は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)(又は任意の他の形態の癌)を有する対象に、1日2回800mgの経口用量のタゼメトスタットと3週間ごとの60分にわたる静脈内注入としての1200mgの用量のアテゾリズマブ(TECENTRIQ(商標))との組み合わせを投与する方法を提供する。
特定の実施形態では、本開示は、非ホジキンリンパ腫(又は任意の他の形態の癌)を有する対象に、1日2回800mgの経口用量のタゼメトスタットと3週間ごとの60分にわたる静脈内注入としての1200mgの用量のアテゾリズマブ(TECENTRIQ(商標))との組み合わせを投与する方法を提供する。
特定の実施形態では、本開示は、軟組織肉腫(又は任意の他の形態の癌)を有する対象に、1日2回800mgの経口用量のタゼメトスタットと2週間ごとの60分にわたる静脈内注入としての3mg/kgの用量のニボルマブ(OPTIVO(商標))との組み合わせを投与する方法を提供する(ニボルマブについての追加の情報としてその内容が本明細書に組み入れられる、accessdata.fda.gov/drugsatfda_docs/label/2014/125554lbl.pdfを参照)。
特定の実施形態では、本開示は、類上皮肉腫(又は任意の他の形態の癌)を有する対象に、1日2回800mgの経口用量のタゼメトスタットと2週間ごとの60分にわたる静脈内注入としての3mg/kgの用量のニボルマブ(OPTIVO(商標))との組み合わせを投与する方法を提供する。
特定の実施形態では、本開示は、メラノーマ(又は任意の他の形態の癌)を有する対象に、1日2回800mgの経口用量のタゼメトスタットと2週間ごとの60分にわたる静脈内注入としての3mg/kgの用量のニボルマブ(OPTIVO(商標))との組み合わせを投与する方法を提供する。
特定の実施形態では、本開示は、メラノーマ(又は任意の他の形態の癌)及びBRAF V600突然変異を有する対象に、1日2回800mgの経口用量のタゼメトスタットと2週間ごとの60分にわたる静脈内注入としての3mg/kgの用量のニボルマブ(OPTIVO(商標))との組み合わせ、及び任意選択によるBRAF阻害剤を投与する方法を提供する。
特定の実施形態では、本開示は、軟組織肉腫(又は任意の他の形態の癌)を有する対象に、1日2回800mgの経口用量のタゼメトスタットと3週間ごとの30分にわたる静脈内注入としての2mg/kgの用量ペンブロリズマブ(KEYTRUDA(商標))との組み合わせを投与する方法を提供する(ペンブロリズマブについての追加の情報としてその内容が本明細書に組み入れられる、accessdata.fda.gov/drugsatfda_docs/label/2014/125514lbl.pdfを参照)。
特定の実施形態では、本開示は、類上皮肉腫(又は任意の他の形態の癌)を有する対象に、1日2回800mgの経口用量のタゼメトスタットと3週間ごとの30分にわたる静脈内注入としての2mg/kgの用量ペンブロリズマブ(KEYTRUDA(商標))との組み合わせを投与する方法を提供する。
特定の実施形態では、本開示は、メラノーマ及びイピリムマブ処置後の疾患進行(又は任意の他の形態の癌)を有する対象に、1日2回800mgの経口用量のタゼメトスタットと3週間ごとの30分にわたる静脈内注入としての2mg/kgの用量ペンブロリズマブ(KEYTRUDA(商標))との組み合わせを投与する方法を提供する。
特定の実施形態では、この開示は、切除不能又は転移性メラノーマ(又は任意の他の形態の癌)を有し、イピリムマブ投与後に疾患が進行し、BRAF V600変異を有する対象に、1日2回800mg/kgの経口用量のタゼメトスタットと、3週間に1回の30分にわたる静脈内注入としての2mg/kgの用量のペンブロリズマブ(KEYTRUDA(商標))と、任意選択によるBRAF阻害剤との組み合わせを投与する方法を提供する。
特段の記載がない限り、本明細書で使用される全ての科学技術用語は、本開示が属する技術分野の一般的な技術者によって一般に理解される意味と同じ意味を有する。本明細書において、単数形には、文脈上複数形ではないとの明確な指示がない限り、複数形も含まれる。本明細書に記載された全ての刊行物、特許出願、特許、及び他の参考文献は、参照により組み込まれる。本明細書で引用される参考文献は、特許請求される発明の先行技術であると認められるものではない。矛盾する場合、定義を含む本明細書が優先する。さらに、材料、方法、及び実施例は、単なる例示であり、限定を意図するものではない。
本発明の他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
特許又は出願ファイルは、カラーで作成された少なくとも1つの図面を含む。カラーの図面を含むこの特許又は特許出願公開のコピーは、請求及び必要な料金の支払いに応じて特許庁によって提供されるであろう。
本開示のいくつかの態様は、癌を有する対象における免疫チェックポイントタンパク質の発現を検出することを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、対象には、有効量の抗癌剤、例えば、zesteホモログ2(EZH2)阻害剤のエンハンサーが既に投与されている。本開示のいくつかの態様は、免疫チェックポイントタンパク質を発現する癌、例えば、抗癌剤による処置後に免疫チェックポイントタンパク質の発現及び/又は上方制御を示す癌を有する対象に、有効量のEZH2阻害剤及び有効量の免疫チェックポイント阻害剤を投与することを含む方法に関する。
EZH2
EZH2は、ヒストンH3のリシン27(H3−K27)のモノメチル化からトリメチル化を触媒するPRC2複合体の触媒サブユニットであるヒストンメチルトランスフェラーゼである。ヒストンH3−K27のトリメチル化は、ヒストン修飾部位の近位にある特定の遺伝子の転写を抑制するための機序である。このトリメチル化は、前立腺癌などの癌における発現変化の癌マーカーであることが知られている(例えば、米国特許出願公開第2003/0175736号明細書を参照されたく、その内容全体を参照により本明細書に援用する)。他の研究が、調節異常を起こしたEZH2の発現と、転写抑制と、腫瘍性転化との間の機能連関の証拠を示した。Varambally et al.(2002)Nature 419(6907):624−9 Kleer et al.(2003)Proc Natl Acad Sci USA 100(20):11606−11;内容全体を参照により本明細書に援用する。
ヒトEZH2核酸及びポリペプチドは、以前に記述されている。例えば、Chen et al.(1996)Genomics 38:30−7[746アミノ酸];Swiss−Prot受託番号Q15910[746アミノ酸];GenBank受託番号NM_004456及びNP_004447(アイソフォームa[751アミノ酸]);並びにGenBank受託番号NM_152998及びNP_694543(アイソフォームb[707アミノ酸])を参照されたく、これらの各々は、その内容全体を参照により本明細書に援用する。
本開示のいくつかの態様は、野生型又は変異EZH2のいずれかを発現する対象に本明細書に記載の治療有効量のEZH2阻害剤及び免疫チェックポイントモジュレーターを投与することによって、対象の癌又は前癌状態の症状を処置又は緩和する方法を提供する。特定の実施形態では、EZH2阻害剤は、タゼメトスタット又はその薬学的に許容される塩である。
本開示のいくつかの態様は、対象におけるH3−K27のトリメチル化H3−K27への変換を阻害すると共に、対象における免疫チェックポイントも阻害する方法を提供する。H3−K27からトリメチル化H3−K27への変換の阻害では、いくつかの実施形態では、対象における非メチル化H3−K27のモノメチル化H3−K27への変換、モノメチル化H3−K27のジメチル化H3−K27への変換、ジメチル化H3−K27のトリメチル化H3−K27への変換、又は、例えばモノメチル化H3−K27のジメチル化H3−K27への変換及びジメチル化H3−K27のトリメチル化H3−K27への変換を含むそれらの任意の組み合わせを阻害する。本明細書で使用される非メチル化H3−K27は、メチル基がリシン27のアミノ基に共有結合していないヒストンH3を指す。本明細書で使用する場合、モノメチル化H3−K27とは、リシン27のアミノ基に1つのメチル基が共有結合しているヒストンH3をいう。モノメチル化H3−K27はまた、本明細書でH3−K27me1とも呼ばれる。本明細書で使用する場合、ジメチル化H3−K27とは、リシン27のアミノ基に2つのメチル基が共有結合しているヒストンH3をいう。ジメチル化H3−K27はまた、本明細書でH3−K27me2とも呼ばれる。本明細書で使用する場合、トリメチル化H3−K27とは、リシン27のアミノ基に3つのメチル基が共有結合しているヒストンH3をいう。トリメチル化H3−K27はまた、本明細書でH3−K27me3とも呼ばれる。
EZH2阻害剤
様々な小分子EZH2阻害剤がこれまでに記載されている。本明細書で提供される戦略、処置様式、方法、組み合わせ、及び組成物での使用に適したEZH2阻害剤のいくつかの非限定的な例は、それぞれ参照によりその全開示内容が本明細書に組み入れられる、米国特許第8,410,088号明細書、同第8,765,732号明細書、同第9,090,562号明細書、同第8,598,167号明細書、同第8,962,620号明細書、米国特許出願公開第2015/0065483号明細書、米国特許第9,206,157号明細書、同第9,006,242号明細書、同第9,089,575号明細書、米国特許出願公開第2015/0352119号明細書、国際公開第2014/062733号パンフレット、米国特許出願公開第2015/0065503号明細書、国際公開第2015/057859号パンフレット、米国特許第8,536,179号明細書、国際公開第2011/140324号パンフレット、国際公開第2014/124418号として公開された国際出願PCT/US2014/015706号明細書、国際公開第2013/120104号として公開された国際出願PCT/US2013/025639号明細書、米国特許出願公開第2015/0368229号として公開された米国特許出願第14/839,273号明細書に記載されているEZH2阻害剤である。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の戦略、処置様式、方法、組み合わせ、及び組成物における使用に適したEZH2阻害剤は、以下の式(I):
又はその薬学的に許容される塩を有し;式中、
R701は、H、F、OR707、NHR707、−(C≡C)−(CH2)n7−R708、フェニル、5員又は6員ヘテロアリール、C3〜8シクロアルキル、又は1〜3個のヘテロ原子を含む4〜7員ヘテロシクロアルキルであり、フェニル、5員又は6員ヘテロアリール、C3〜8シクロアルキル又は4〜7員ヘテロシクロアルキルはそれぞれ独立に、ハロ、C1〜3アルキル、OH、O−C1〜6アルキル、NH−C1〜6アルキル、及び1〜3個のヘテロ原子を含むC3〜8シクロアルキル又は4〜7員ヘテロシクロアルキルで置換されたC1〜3アルキルから選択される1つ以上の基で任意選択により置換され、ここで、O−C1〜6アルキル及びNH−C1〜6アルキルのそれぞれは、ヒドロキシル、O−C1〜3アルキル、又はNH−C1〜3アルキルで任意選択により置換され、O−C1〜3アルキル及びNH−C1〜3アルキルのそれぞれは、任意選択によりO−C1〜3アルキル又はNH−C1〜3アルキルでさらに置換され;
R702及びR703のそれぞれは独立に、H、ハロ、C1〜4アルキル、C1〜6アルコキシル、又はC6〜C10アリールオキシであり、それぞれは、1つ以上のハロで任意選択により置換され;
R704及びR705のそれぞれは独立に、C1〜4アルキルであり;
R706は、N(C1〜4アルキル)2で置換されたシクロヘキシルであり、ここで、C1〜4アルキルの一方又は両方は、C1〜6アルコキシで任意選択により置換される;又はR706はテトラヒドロピラニルであり;
R707は、ヒドロキシル、C1〜4アルコキシ、アミノ、モノ−又はジ−C1〜4アルキルアミノ、C3〜8シクロアルキル、及び1〜3ヘテロ原子を含む4〜7員ヘテロシクロアルキルから選択される1つ以上の基で任意選択により置換されたC1〜4アルキルであり、ここで、C3〜8シクロアルキル又は4〜7員ヘテロシクロアルキルはそれぞれ独立に、任意選択によりC1〜3アルキルでさらに置換され;
R708は、OH、ハロ、及びC1〜4アルコキシから選択される1つ以上の基で任意選択により置換されたC1〜4アルキル、1〜3個のヘテロ原子を含む4〜7員ヘテロシクロアルキル、又はO−C1〜6アルキルであり、ここで、4〜7員ヘテロシクロアルキルは、任意選択によりOH又はC1〜6アルキルでさらに置換されてもよく;そして
n7は0、1、又は2である。
例えば、R706はN(C1〜4アルキル)2で置換されたシクロヘキシルであり、ここで、C1〜4アルキルのうち一方が非置換であり、他方がメトキシで置換されている。
例えば、R706は、
である。
例えば、化合物は以下の式IIの化合物である。
例えば、R702はメチル又はイソプロピルであり、R703はメチル又はメトキシルである。
例えば、R704はメチルである。
例えば、R701はOR707であり、R707はOCH3又はモルホリンで任意選択的に置換されたC1〜3アルキルである。
例えば、R701はH又はFである。
例えば、R701はテトラヒドロピラニル、フェニル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、イミダゾリル又はピラゾリルであり、その各々がメチル、メトキシ、モルホリンで置換されたエチル又はOCH2CH2OCH3で任意選択的に置換されている。
例えば、R708はモルホリン、ピペリジン、ピペラジン、ピロリジン、ジアゼパン又はアゼチジンであり、その各々がOH又はC1〜6アルキルで任意選択的に置換されている。
例えば、R708はモルホリンである。
例えば、R708はC1〜6アルキルで置換されたピペラジンである。
例えば、R708はメチル、t−ブチル又はC(CH3)2OHである。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の戦略、処置様式、方法、組み合わせ、及び組成物に使用することができるEZH2阻害剤は、以下の式III:
又はその薬学的に許容される塩を有することができる。
この式において:
R801はC1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C3〜8シクロアルキル、1〜3個のヘテロ原子を含む4〜7員ヘテロシクロアルキル、フェニル又は5員又は6員ヘテロアリールであり、その各々がO−C1〜6アルキル−Rx又はNH−C1〜6アルキル−Rxで置換されており、ここで、Rxはヒドロキシル、O−C1〜3アルキル又はNH−C1〜3アルキルであり、Rxは、これがヒドロキシルである場合を除いて、O−C1〜3アルキル又はNH−C1〜3アルキルで任意選択的にさらに置換されており;あるいはR801は−Q2−T2で置換されたフェニルであり、ここで、Q2は結合又はハロ、シアノ、ヒドロキシル若しくはC1〜C6アルコキシで任意選択的に置換されたC1〜C3アルキルリンカーであり、T2は4員〜12員ヘテロシクロアルキルで任意選択的に置換されており;及びR801は任意選択的にさらに置換されており;
R802及びR803は各々独立にH、ハロ、C1〜4アルキル、C1〜6アルコキシル又はC6〜C10アリールオキシであり、各々が1つ又は複数のハロで任意選択的に置換されており;
R804及びR805は各々独立にC1〜4アルキルであり;並びに
R806は−Qx−Txであり、ここで、Qxは結合又はC1〜4アルキルリンカーであり、TxはH、任意選択的に置換されたC1〜4アルキル、任意選択的に置換されたC3〜C8シクロアルキル又は任意選択的に置換された4員〜14員ヘテロシクロアルキルである。
例えば、Qx及びQ2は各々独立に結合又はメチルリンカーであり、Tx及びT2は各々独立にテトラヒドロピラニル、1つ、2つ又は3つのC1〜4アルキル基で置換されたピペリジニル、又はN(C1〜4アルキル)2で置換されたシクロヘキシルであり、ここで、C1〜4アルキルのうち一方又は両方がC1〜6アルコキシで任意選択的に置換されている。
例えば、R806はN(C1〜4アルキル)2で置換されたシクロヘキシルであり、又はR806はテトラヒドロピラニルである。
例えば、R806は
である。
例えば、R801はフェニル又はO−C1〜6アルキル−Rxで置換された5員若しくは6員ヘテロアリールであり、又はR801はCH2−テトラヒドロピラニルで置換されたフェニルである。
例えば、いくつかの実施形態では、本開示のいくつかの態様による化合物は、以下の式IVa又はIVb:
であり、式中、Z’はCH又はNであり、R807はC2〜3アルキル−Rxである。
例えば、R807は−CH2CH2OH、−CH2CH2OCH3又はCH2CH2OCH2CH2OCH3である。
例えば、R802はメチル又はイソプロピルであり、R803はメチル又はメトキシルである。
例えば、R804はメチルである。
いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、次式(V):
又はその薬学的に許容される塩若しくはエステルを有することができる。
この式において:
R2、R4及びR12は各々独立にC1〜6アルキルであり;
R6はC6〜C10アリール又は5員若しくは6員ヘテロアリールであり、その各々が1つ又は複数の−Q2−T2で任意選択的に置換されており、ここで、Q2は結合、又はハロ、シアノ、ヒドロキシル若しくはC1〜C6アルコキシで任意選択的に置換されたC1〜C3アルキルリンカーであり、T2はH、ハロ、シアノ、−ORa、−NRaRb、−(NRaRbRc)+A−、−C(O)Ra、−C(O)ORa、−C(O)NRaRb、−NRbC(O)Ra、−NRbC(O)ORa、−S(O)2Ra、−S(O)2NRaRb又はRS2であり、ここで、Ra、Rb及びRcは各々独立にH又はRS3であり、A−は薬学的に許容されるアニオンであり、RS2及びRS3は各々独立にC1〜C6アルキル、C3〜C8シクロアルキル、C6〜C10アリール、4〜12員ヘテロシクロアルキル又は5員若しくは6員ヘテロアリールであり、あるいはRa及びRbは、それらが結合しているN原子と一緒に0又は1個の追加のヘテロ原子を有する4〜12員ヘテロシクロアルキル環を形成し、RS2と、RS3と、Ra及びRbで形成される4〜12員ヘテロシクロアルキル環との各々は、1つ又は複数の−Q3−T3で任意選択的に置換されており、ここで、Q3は結合、又はハロ、シアノ、ヒドロキシル又はC1〜C6アルコキシで各々任意選択的に置換されたC1〜C3アルキルリンカーであり、T3はハロ、シアノ、C1〜C6アルキル、C3〜C8シクロアルキル、C6〜C10アリール、4〜12員ヘテロシクロアルキル、5員又は6員ヘテロアリール、ORd、COORd、−S(O)2Rd、−NRdRe及びC(O)NRdReからなる群から選択され、Rd及びReは各々独立にH又はC1〜C6アルキルであるか、又はQ3−T3はオキソであり;あるいは任意の2つの隣接する−Q2−T2は、それらが結合している原子と一緒に5員又は6員環を形成し、当該5員又は6員環は、N、O及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を任意選択的に含み、ハロ、ヒドロキシル、COOH、C(O)O−C1〜C6アルキル、シアノ、C1〜C6アルコキシル、アミノ、モノ−C1〜C6アルキルアミノ、ジ−C1〜C6アルキルアミノ、C3〜C8シクロアルキル、C6〜C10アリール、4〜12員ヘテロシクロアルキル及び5員又は6員ヘテロアリールからなる群から選択される1つ又は複数の置換基で任意選択的に置換されており;
R7は−Q4−T4であり、ここで、Q4は結合、C1〜C4アルキルリンカー又はC2〜C4アルケニルリンカーであり、各リンカーはハロ、シアノ、ヒドロキシル又はC1〜C6アルコキシで任意選択的に置換されており、T4はH、ハロ、シアノ、NRfRg、−ORf、−C(O)Rf、−C(O)ORf、−C(O)NRfRg、−C(O)NRfORg、−NRfC(O)Rg、−S(O)2Rf又はRS4であり、ここで、Rf及びRgは各々独立にH又はRS5であり、RS4及びRS5は各々独立にC1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C6〜C10アリール、4〜12員ヘテロシクロアルキル又は5員若しくは6員ヘテロアリールであり、RS4及びRS5は各々1つ又は複数の−Q5−T5で任意選択的に置換されており、ここで、Q5は結合、C(O)、C(O)NRk、NRkC(O)、S(O)2又はC1〜C3アルキルリンカーであり、RkはH又はC1〜C6アルキルであり、T5はH、ハロ、C1〜C6アルキル、ヒドロキシル、シアノ、C1〜C6アルコキシル、アミノ、モノ−C1〜C6アルキルアミノ、ジ−C1〜C6アルキルアミノ、C3〜C8シクロアルキル、C6〜C10アリール、4〜12員ヘテロシクロアルキル、5員若しくは6員ヘテロアリール又はS(O)qRqであり、ここで、qは0、1又は2であり、RqはC1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C6〜C10アリール、4〜12員ヘテロシクロアルキル又は5員若しくは6員ヘテロアリールであり、T5は、これがH、ハロ、ヒドロキシル又はシアノである場合を除いて、ハロ、C1〜C6アルキル、ヒドロキシル、シアノ、C1〜C6アルコキシル、アミノ、モノ−C1〜C6アルキルアミノ、ジ−C1〜C6アルキルアミノ、C3〜C8シクロアルキル、C6〜C10アリール、4〜12員ヘテロシクロアルキル及び5員又は6員ヘテロアリールからなる群から選択される1つ又は複数の置換基で任意選択的に置換されており;あるいは−Q5−T5はオキソであり;並びに
R8はH、ハロ、ヒドロキシル、COOH、シアノ、RS6、ORS6又はCOORS6であり、ここで、RS6はC1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、4〜12員ヘテロシクロアルキル、アミノ、モノ−C1〜C6アルキルアミノ又はジ−C1〜C6アルキルアミノであり、RS6はハロ、ヒドロキシル、COOH、C(O)O−C1〜C6アルキル、シアノ、C1〜C6アルコキシル、アミノ、モノ−C1〜C6アルキルアミノ及びジ−C1〜C6アルキルアミノからなる群から選択される1つ又は複数の置換基で任意選択的に置換されており;あるいはR7及びR8は、それらが結合しているN原子と一緒に、0〜2個の追加のヘテロ原子を有する4〜11員ヘテロシクロアルキル環を形成し、R7及びR8で形成された4〜11員ヘテロシクロアルキル環は1つ又は複数の−Q6−T6で任意選択的に置換されており、ここで、Q6は結合、C(O)、C(O)NRm、NRmC(O)、S(O)2又はC1〜C3アルキルリンカーであり、RmはH又はC1〜C6アルキルであり、T6はH、ハロ、C1〜C6アルキル、ヒドロキシル、シアノ、C1〜C6アルコキシル、アミノ、モノ−C1〜C6アルキルアミノ、ジ−C1〜C6アルキルアミノ、C3〜C8シクロアルキル、C6〜C10アリール、4〜12員ヘテロシクロアルキル、5員若しくは6員ヘテロアリール又はS(O)pRpであり、ここで、pは0、1又は2であり、RpはC1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C6〜C10アリール、4〜12員ヘテロシクロアルキル又は5員若しくは6員ヘテロアリールであり、T6は、これがH、ハロ、ヒドロキシル又はシアノである場合を除いて、ハロ、C1〜C6アルキル、ヒドロキシル、シアノ、C1〜C6アルコキシル、アミノ、モノ−C1〜C6アルキルアミノ、ジ−C1〜C6アルキルアミノ、C3〜C8シクロアルキル、C6〜C10アリール、4〜12員ヘテロシクロアルキル及び5員又は6員ヘテロアリールからなる群から選択される1つ又は複数の置換基で任意選択的に置換されており;あるいは−Q6−T6はオキソである。
例えば、R6はC6〜C10アリール又は5員若しくは6員ヘテロアリールであり、その各々が独立に、1つ又は複数の−Q2−T2で任意選択的に置換されており、ここで、Q2は結合又はC1〜C3アルキルリンカーであり、T2はH、ハロ、シアノ、−ORa、−NRaRb,−(NRaRbRc)+A−、−C(O)NRaRb、−NRbC(O)Ra、−S(O)2Ra又はRS2であり、ここで、Ra及びRbは各々独立にH又はRS3であり、RS2及びRS3は各々独立にC1〜C6アルキルであり、あるいはRa及びRbは、それらが結合しているN原子と一緒に0又は1個の追加のヘテロ原子を有する4〜7員ヘテロシクロアルキル環を形成し、RS2と、RS3と、Ra及びRbで形成された4〜7員ヘテロシクロアルキル環との各々は独立に、1つ又は複数の−Q3−T3で任意選択的に置換されており、ここで、Q3は結合又はC1〜C3アルキルリンカーであり、T3はハロ、C1〜C6アルキル、4〜7員ヘテロシクロアルキル、ORd、−S(O)2Rd及びNRdReからなる群から選択され、Rd及びReは各々独立にH又はC1〜C6アルキルであり、又はQ3−T3はオキソであり;あるいは任意の2つの隣接する−Q2−T2は、それらが結合している原子と一緒に、N、O及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を任意選択的に含む5員又は6員環を形成する。
いくつかの実施形態では、化合物は、式(VI):
又はその薬学的に許容される塩であり、式中、Q2は、結合リンカー又はメチルリンカーであり、T2は、H、ハロ、−ORa、−NRaRb、−(NRaRbRc)+A−、又はS(O)2NRaRbであり、R7は、ピペリジニル、テトラヒドロピラン、シクロペンチル、又はシクロヘキシルであり、それぞれは、任意選択的に1つの−Q5−T5で置換され、R8はエチルである。
本開示のいくつかの態様は、式(VIa):
の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくはエステルを提供し、式中、R7、R8、Ra、及びRbは、本明細書で定義される。
式(VIa)の化合物には、以下の特徴のうち1つ又は複数を含めることができる。
例えば、Ra及びRbは各々独立にH、又は1つ若しくは複数の−Q3−T3で任意選択的に置換されたC1〜C6アルキルである。
例えば、Ra及びRbのうち一方はHである。
例えば、Ra及びRbは、それらが結合しているN原子と一緒に、N原子に加えて0又は1個のヘテロ原子を有する4〜7員ヘテロシクロアルキル環(例えば、アゼチジニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、トリアゾリジニル、ピペリジニル、1,2,3,6−テトラヒドロピリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、1,4−ジアゼパニル、1,4−オキサゼパニル、2−オキサ−5−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、及び同種のもの)を形成し、その環は1つ又は複数の−Q3−T3で任意選択的に置換されている。
例えば、Ra及びRbは、それらが結合しているN原子と一緒に、アゼチジニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、トリアゾリジニル、テトラヒロフラニル(tetrahyrofuranyl)、ピペリジニル、1,2,3,6−テトラヒドロピリジニル、ピペラジニル又はモルホリニルを形成し、これらの環は1つ又は複数の−Q3−T3で任意選択的に置換されている。
例えば、1つ又は複数の−Q3−T3はオキソである。
例えば、Q3は結合又は非置換若しくは置換のC1〜C3アルキルリンカーである。
例えば、T3はH、ハロ、4〜7員ヘテロシクロアルキル、C1〜C3アルキル、ORd、COORd,−S(O)2Rd又はNRdReである。
例えば、各々独立にH又はC1〜C6アルキルであるRd及びRe。
例えば、R7はC3〜C8シクロアルキル又は4〜7員ヘテロシクロアルキルであり、各々が1つ又は複数の−Q5−T5で任意選択的に置換されている。
例えば、R7はピペリジニル、テトラヒドロピラン、テトラヒドロ−2H−チオピラニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ピロリジニル又はシクロヘプチルであり、各々が1つ又は複数の−Q5−T5で任意選択的に置換されている。
例えば、R7はシクロペンチル、シクロヘキシル又はテトラヒドロ−2H−チオピラニルであり、その各々が1つ又は複数の−Q5−T5で任意選択的に置換されている。
例えば、Q5はNHC(O)であり、T5はC1〜C6アルキル又はC1〜C6アルコキシ、各々である。
例えば、1つ又は複数の−Q5−T5はオキソである。
例えば、R7は1−オキシド−テトラヒドロ−2H−チオピラニル又は1,1−ジオキシド−テトラヒドロ−2H−チオピラニルである。
例えば、Q5は結合であり、T5はアミノ、モノ−C1〜C6アルキルアミノ、ジ−C1〜C6アルキルアミノである。
例えば、Q5はCO、S(O)2又はNHC(O)であり、T5はC1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシル、C3〜C8シクロアルキル又は4〜7員ヘテロシクロアルキルである。
例えば、R8はH、又はハロ、ヒドロキシル、COOH、C(O)O−C1〜C6アルキル、シアノ、C1〜C6アルコキシル、アミノ、モノ−C1〜C6アルキルアミノ及びジ−C1〜C6アルキルアミノからなる群から選択される1つ又は複数の置換基で任意選択的に置換されているC1〜C6アルキルである。
例えば、R8はH、メチル又はエチルである。
本明細書で提供される戦略、処置様式、方法、組み合わせ、及び組成物における使用に適した式(I)〜(VIa)の他の化合物は、米国特許出願公開第20120264734号明細書に記載され、その内容を、その全体の参照により本明細書に援用する。式(I)〜(VIa)の化合物は、1つ以上の他の治療薬、例えば本明細書で提供される免疫チェックポイント阻害剤との併用療法の一部としての投与に適している。
本明細書で提供される戦略、処置様式、方法、組み合わせ、及び組成物のいくつかの実施形態では、EZH2阻害剤は、化合物44
又はその薬学的に許容される塩である。
本明細書に記載される化合物44又はその薬学的に許容される塩は、野生型及び突然変異型EZH2の両方の標的化において強力である。化合物44は、経口投与可能であり、且つ他のヒストンメチルトランスフェラーゼと比較してEZH2に対して高い選択性を有する(すなわち、Kiでは20,000倍を超える選択性)。重要なことに、化合物44は、in vitroで、遺伝的に定義された癌細胞を死滅させる標的メチルマーク阻害を有する。動物モデルはまた、標的メチルマークの阻害後に持続的なin vivo有効性を示した。
一部の実施形態では、化合物44又はその薬学的に許容される塩は、胚中心由来リンパ腫を処置するために毎日約100mg〜約3200mg、例えば、約100mg BID〜約1600mg BID(例えば、100mg BID、200mg BID、400mg BID、800mg BID、又は1600mg BID)の用量で対象に投与される。
いくつかの実施形態では、化合物44又はその薬学的に許容される塩は、本明細書で提供される免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせて対象に(同時に又は連続して)投与される。
いくつかの実施形態では、本明細書に提示される戦略、処置様式、方法、組み合わせ、及び組成物に使用することができる化合物は:
、又はその立体異性体、又はその薬学的に許容される塩及び溶媒和物である。
いくつかの実施形態では、EZH2阻害剤は、以下の式:
を有するGSK−126、その立体異性体、その薬学的に許容される塩又は溶媒和物を含む、これらから本質的になる、又はこれらからなり得る。
本明細書で提供される戦略、処置様式、方法、組み合わせ、及び組成物のいくつかの実施形態では、EZH2阻害剤は、
、又はその立体異性体、又はその薬学的に許容されるその塩及び溶媒和物を含む、これらから本質的になる、又はこれらからなり得る。
特定の実施形態では、本明細書に提示される任意の方法で使用することができる化合物(例えば、EZH2阻害剤)は、化合物Ga〜Gc:
、又はその立体異性体、その薬学的に許容されるその塩又は溶媒和物のいずれかを含む、これらから本質的になる、又はこれらからなり得る。
いくつかの実施形態では、EZH2阻害剤は、CPI−1205又はGSK343を含む、これらから本質的になる、又はこれらからなり得る。
本明細書で提供される戦略、処置様式、方法、組み合わせ、及び組成物のいくつかの実施形態では、EZH2阻害剤は、それぞれ参照によりその全開示内容が本明細書に組み入れられる米国特許第8,536,179号明細書(いくつかある化合物の中でも特にGSK−126を記載し、国際公開第2011/140324号パンフレットに対応する)に記載されているEZH2阻害剤である。
本明細書で提供される戦略、処置様式、方法、組み合わせ、及び組成物のいくつかの実施形態では、EZH2阻害剤は、それぞれ参照によりその全開示内容が本明細書に組み入れられる、国際公開第2014/124418号として公開されている国際出願PCT/US2014/015706号明細書、国際公開第2013/120104号として公開されている国際出願PCT/US2013/025639号明細書、及び米国特許出願公開第2015/0368229号として公開されている米国特許出願第14/839,273号明細書に記載されているEZH2阻害剤である。本明細書で提供される戦略、処置様式、方法、組み合わせ、及び組成物のいくつかの実施形態では、EZH2阻害剤は、式:
の化合物又はその薬学的に許容される塩である(例えば、その内容が本明細書に組み入れられる米国特許出願公開第2015/0368229号明細書を参照)。
いくつかの実施形態では、EZH2阻害剤は、化合物自体として、すなわち遊離塩基又は「裸の」分子として使用される小分子である。いくつかの実施形態では、EZH2阻害剤は、その塩、例えば、裸分子のモノ−HCl又はトリ−HCl塩、モノ−HBr又はトリ−HBr塩である。
本明細書で提供される戦略、処置様式、方法、組み合わせ、及び組成物に適した代表的な化合物としては、表1に列挙されている化合物が挙げられる。以下の表では、
のそれぞれの出現は、
と解釈するべきである。
本明細書で使用する場合、「アルキル」、「C1、C2、C3、C4、C5又はC6アルキル」又は「C1〜C6アルキル」は、C1、C2、C3、C4、C5又はC6直鎖(線状)飽和脂肪族炭化水素基、及びC3、C4、C5又はC6分岐飽和脂肪族炭化水素基を含むことを意図している。例えば、C1〜C6アルキルは、C1アルキル基、C2アルキル基、C3アルキル基、C4アルキル基、C5アルキル基及びC6アルキル基を含むことを意図している。アルキルの例として、以下に限定されるものではないが、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、s−ペンチル又はn−ヘキシルなど1〜6個の炭素原子を有する部分が挙げられる。
ある種の実施形態では、直鎖又は分岐アルキルは6個以下の炭素原子(例えば、直鎖のC1〜C6、分岐鎖のC3〜C6)を有し、一部の実施形態では、直鎖又は分岐アルキルは4個以下の炭素原子を有する。
本明細書で使用する場合、「シクロアルキル」という用語は、3〜30個の炭素原子(例えば、C3〜C10)を有する飽和又は不飽和の、非芳香族炭化水素単環又は多環(例えば、縮合環、架橋環又はスピロ環)系をいう。シクロアルキルの例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロへプテニル及びアダマンチルが挙げられるが、これに限定されるものではない。「ヘテロシクロアルキル」という用語は、別段の指定のない限り、1つ又は複数のヘテロ原子(O、N、S又はSeなど)を有する、飽和又は不飽和の非芳香族の、3〜8員単環系、7〜12員二環系(縮合環、架橋環又はスピロ環)又は11〜14員三環系(縮合環、架橋環又はスピロ環)をいう。ヘテロシクロアルキル基の例として、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、ジオキサニル、テトラヒドロフラニル、イソインドリニル、インドリニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、トリアゾリジニル、テトラヒドロフラニル、オキシラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、1,2,3,6−テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピラニル、ピラニル、モルホリニル、1,4−ジアゼパニル、1,4−オキサゼパニル、2−オキサ−5−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、2−オキサ−6−アザスピロ[3.3]ヘプタニル、2,6−ジアザスピロ[3.3]ヘプタニル、1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカニル及び同種のものが挙げられるが、これに限定されるものではない。
「任意選択的に置換されたアルキル」という用語は、非置換アルキル、又は炭化水素骨格の1つ又は複数の炭素上の1つ又は複数の水素原子に置き換わる所定の置換基を有するアルキルをいう。こうした置換基として、例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィナート、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ及びアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル及びウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルフェート、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、又は芳香族部分若しくは芳香族複素環部分を挙げることができる。
「アリールアルキル」又は「アラルキル」部分とは、アリールで置換されたアルキル(例えば、フェニルメチル(ベンジル))である。「アルキルアリール」部分は、アルキルで置換されたアリール(例えば、メチルフェニル)である。
本明細書で使用する場合、「アルキルリンカー」は、C1、C2、C3、C4、C5又はC6直鎖(線状)飽和二価脂肪族炭化水素基、及びC3、C4、C5又はC6分岐飽和脂肪族炭化水素基を含むことを意図している。例えば、C1〜C6アルキルリンカーは、C1アルキルリンカー基、C2アルキルリンカー基、C3アルキルリンカー基、C4アルキルリンカー基、C5アルキルリンカー基及びC6アルキルリンカー基を含むことを意図している。アルキルリンカーの例として、以下に限定されるものではないが、メチル(−CH2−)、エチル(−CH2CH2−)、n−プロピル(−CH2CH2CH2−)、i−プロピル(−CHCH3CH2−)、n−ブチル(−CH2CH2CH2CH2−)、s−ブチル(−CHCH3CH2CH2−)、i−ブチル(−C(CH3)2CH2−)、n−ペンチル(−CH2CH2CH2CH2CH2−)、s−ペンチル(−CHCH3CH2CH2CH2−)又はn−ヘキシル(−CH2CH2CH2CH2CH2CH2−)など1〜6個の炭素原子を有する部分が挙げられる。
「アルケニル」は、上述のアルキルと長さが類似し、上述のアルキルへの置換が可能であるが、少なくとも1つの二重結合を含む不飽和脂肪族基を含む。例えば、「アルケニル」という用語は、直鎖アルケニル基(例えば、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル)、及び分岐アルケニル基を含む。ある種の実施形態では、直鎖又は分岐アルケニル基はその骨格に6個以下の炭素原子(例えば、直鎖に対してC2〜C6、分岐鎖に対してC3〜C6)を有する。「C2〜C6」という用語は、2〜6個の炭素原子を含むアルケニル基を含む。「C3〜C6」という用語は、3〜6個の炭素原子を含むアルケニル基を含む。
「任意選択的に置換されたアルケニル」という用語は、非置換アルケニル、又は1つ又は複数の炭化水素骨格の炭素原子上の1つ又は複数の水素原子に置き換わる所定の置換基を有するアルケニルをいう。こうした置換基として、例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィナート、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ及びアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル及びウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルフェート、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、ヘテロシクリル、アルキルアリール又は芳香族部分若しくは芳香族複素環部分を挙げることができる。
「アルキニル」は、上述のアルキルと長さが類似し、上述のアルキルへの置換が可能であるが、少なくとも1つの三重結合を含む不飽和脂肪族基を含む。例えば、「アルキニル」は、直鎖アルキニル基(例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、デシニル)、及び分岐アルキニル基を含む。ある種の実施形態では、直鎖又は分岐アルキニル基はその骨格に6個以下の炭素原子(例えば、直鎖に対してC2〜C6、分岐鎖に対してC3〜C6)を有する。「C2〜C6」という用語は、2〜6個の炭素原子を含むアルキニル基を含む。「C3〜C6」という用語は、3〜6個の炭素原子を含むアルキニル基を含む。
「任意選択的に置換されたアルキニル」という用語は、非置換アルキニル、又は1つ又は複数の炭化水素骨格の炭素原子上の1つ又は複数の水素原子に置き換わる所定の置換基を有するアルキニルをいう。こうした置換基として、例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィナート、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ及びアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル及びウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルフェート、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール又は芳香族部分若しくは芳香族複素環部分を挙げることができる。
他の任意選択的に置換された部分(例えば任意選択的に置換されたシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリール)は、非置換部分、及び1つ又は複数の所定の置換基を有する部分の両方を含む。例えば、置換されたヘテロシクロアルキルとして、1つ又は複数のアルキル基で置換されているもの、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジニル及び2,2,6,6−テトラメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジニルが挙げられる。
「アリール」は、少なくとも1つの芳香環を有するが、環構造に任意のヘテロ原子を有さない「結合された」環系、又は多環系を含む、芳香族性を有する基を含む。例として、フェニル、ベンジル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレニルなどが挙げられる。
「ヘテロアリール」基は、環構造に1〜4個のヘテロ原子を有すること以外は上記で定義したようなアリール基であり、「複素環アリール」又は「複素芳香族化合物」ということもある。本明細書で使用する場合、「ヘテロアリール」という用語は、炭素原子と、窒素、酸素及び硫黄からなる群から独立に選択される1つ又は複数のヘテロ原子、例えば1個若しくは1〜2個若しくは1〜3個若しくは1〜4個若しくは1〜5個若しくは1〜6個のヘテロ原子、又は、例えば1個、2個、3個、4個、5個若しくは6個のヘテロ原子とからなる安定な5員、6員若しくは7員単環式又は7員、8員、9員、10員、11員若しくは12員二環式芳香族複素環式環を含むことを意図している。窒素原子は置換されていても、あるいは置換されていなくてもよい(すなわち、N、あるいは、RがH又は定義された他の置換基であるNR)。窒素ヘテロ原子及び硫黄ヘテロ原子は、任意選択的に酸化されていてもよい(すなわち、N→O及びS(O)p、式中、p=1又は2)。芳香族複素環のS原子及びO原子の総数は、1以下である点に留意されたい。
ヘテロアリール基の例として、ピロール、フラン、チオフェン、チアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、ピリミジン及び同種のものが挙げられる。
さらに、「アリール」及び「ヘテロアリール」という用語は、多環式、例えば、三環式、二環式アリール基及びヘテロアリール基、例えば、ナフタレン、ベンゾオキサゾール、ベンゾジオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチオフェン、メチレンジオキシフェニル、キノリン、イソキノリン、ナフトリジン、インドール、ベンゾフラン、プリン、ベンゾフラン、デアザプリン、インドリジンを含む。
多環式芳香環の場合、全ての環が芳香族(例えば、キノリン)であってもよいが、環の1つのみが芳香族(例えば、2,3−ジヒドロインドール)であってもよい。また第2の環は縮合していても、あるいは架橋していてもよい。
シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリール環は、1つ又は複数の環位置(例えば、環形成炭素又はNなどのヘテロ原子)において上記のような置換基、例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アラルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アラルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィナート、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ及びアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル及びウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルフェート、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール又は芳香族部分若しくは芳香族複素環部分で置換されていてもよい。アリール及びヘテロアリール基はさらに、多環式系(例えば、テトラリン、メチレンジオキシフェニル)を形成するように、芳香族でない脂環式環又は複素環式環と縮合していても、あるいは架橋していてもよい。
本明細書で使用する場合、「炭素環(carbocycle)」又は「炭素環(carbocyclic ring)」は、そのいずれもが飽和でも、不飽和でも、あるいは芳香族でもよい、特定の数の炭素を有する任意の安定な単環式、二環式又は三環式環を含むことを意図している。炭素環は、シクロアルキル及びアリールを含む。例えば、C3〜C14炭素環は、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個又は14個の炭素原子を有する単環式、二環式又は三環式環を含むことを意図している。炭素環の例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロブテニル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘプテニル、シクロヘプチル、シクロヘプテニル、アダマンチル、シクロオクチル、シクロオクテニル、シクロオクタジエニル、フルオレニル、フェニル、ナフチル、インダニル、アダマンチル及びテトラヒドロナフチルがあるが、これに限定されるものではない。炭素環の定義には、架橋環も含まれ、例えば、[3.3.0]ビシクロオクタン、[4.3.0]ビシクロノナン、[4.4.0]ビシクロデカン及び[2.2.2]ビシクロオクタンがある。架橋環は、1個又は複数個の炭素原子が2個の隣接しない炭素原子を連結すると生じる。一部の実施形態では、架橋環は、1個又は2個の炭素原子である。架橋は常に単環式環を三環式環に変換する点に注意されたい。環が架橋されると、当該環について記載された置換基も架橋上に存在してもよい。さらに縮合環(例えば、ナフチル、テトラヒドロナフチル)及びスピロ環も含まれる。
本明細書で使用する場合、「複素環」又は「複素環基」には、少なくとも1つの環ヘテロ原子(例えば、N、O又はS)を含む任意の環状構造(飽和、不飽和又は芳香族)が含まれる。複素環にはヘテロシクロアルキル及びヘテロアリールが含まれる。複素環の例として、モルホリン、ピロリジン、テトラヒドロチオフェン、ピペリジン、ピペラジン、オキセタン、ピラン、テトラヒドロピラン、アゼチジン及びテトラヒドロフランが挙げられるが、これに限定されるものではない。
複素環式基の例として、アクリジニル、アゾシニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサゾリニル、ベンズチアゾリル、ベンズトリアゾリル、ベンズテトラゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンズイミダゾリニル、カルバゾリル、4aH−カルバゾリル、カルボリニル、クロマニル、クロメニル、シンノリニル、デカヒドロキノリニル、2H,6H−1,5,2−ジチアジニル、ジヒドロフロ[2,3−b]テトラヒドロフラン、フラニル、フラザニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、1H−インダゾリル、インドレニル、インドリニル、インドリジニル、インドリル、3H−インドリル、イサチノイル、イソベンゾフラニル、イソクロマニル、イソインダゾリル、イソインドリニル、イソインドリル、イソキノリニル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、メチレンジオキシフェニル、モルホリニル、ナフチリジニル、オクタヒドロイソキノリニル、オキサジアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾール5(4H)−オン、オキサゾリジニル、オキサゾリル、オキシンドリル、ピリミジニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサチニル、フェノキサジニル、フタラジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピペリドニル、4−ピペリドニル、ピペロニル、プテリジニル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドオキサゾール、ピリドイミダゾール、ピリドチアゾール、ピリジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリニル、2H−ピロリル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、4H−キノリジニル、キノキサリニル、キヌクリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラゾリル、6H−1,2,5−チアジアジニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、チアントレニル、チアゾリル、チエニル、チエノチアゾリル、チエノオキサゾリル、チエノイミダゾリル、チオフェニル、トリアジニル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,5−トリアゾリル、1,3,4−トリアゾリル及びキサンテニルがあるが、これに限定されるものではない。
「置換された」という用語は、本明細書で使用する場合、指定された原子上の任意の1つ又は複数の水素原子が、表記された基から選択された基で置き換えられていることを意味する。ただし、指定された原子の通常の原子価を超えず、且つ置換の結果、安定な化合物が得られるものとする。置換基がオキソ又はケト(すなわち、=O)である場合、原子上の2個の水素原子が置き換えられる。ケト置換基は芳香族部分には存在しない。環二重結合は、本明細書で使用する場合、隣接する2つの環原子間に形成される二重結合(例えば、C=C、C=N又はN=N)である。「安定な化合物」及び「安定な構造」とは、ある化合物が、反応混合物から有用な程度の純度に単離されること、及び有効な治療薬として製剤化することに耐えるのに十分に強いことを示すことを意図する。
置換基との結合が、環内の2つの原子を連結する結合を横切るように示される場合、そうした置換基は、環内のどの原子に結合してもよい。ある置換基について、そうした置換基が所定の式の化合物の残部に結合している原子を示さずに記載される場合、そうした置換基は当該式のどの原子を介して結合してもよい。置換基及び/又は可変基の組み合わせも許容されるが、そうした組み合わせの結果、安定な化合物が得られる場合に限られる。
任意の可変基(例えば、R1)が、ある化合物の任意の構成要素又は式に2回以上存在する場合、その各存在時の定義は、その他の全ての存在時の定義と無関係である。したがって、例えば、ある基が0〜2のR1部分で置換されているように示される場合、その基は、最大2つのR1部分で任意選択的に置換されていてもよく、各存在時のR1は、R1の定義から独立に選択される。さらに、置換基及び/又は可変基の組み合わせも許容されるが、そうした組み合わせの結果、安定な化合物が得られる場合に限られる。
「ヒドロキシ」又は「ヒドロキシル」という用語は、−OH又はO−を有する基を含む。
本明細書で使用する場合、「ハロ」又は「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードをいう。「過ハロゲン化」という用語は一般に、ある部分において全ての水素原子がハロゲン原子で置き換えられていることをいう。「ハロアルキル」又は「ハロアルコキシル」という用語は、1つ又は複数のハロゲン原子で置換されたアルキル又はアルコキシルをいう。
「カルボニル」という用語は、酸素原子に二重結合で連結された炭素を含む化合物及び部分を含む。カルボニルを含む部分の例として、アルデヒド、ケトン、カルボン酸、アミド、エステル、無水物などがあるが、これに限定されるものではない。
「カルボキシル」という用語は、−COOH又はそのC1〜C6アルキルエステルをいう。
「アシル」は、アシルラジカル(R−C(O)−)又はカルボニル基を含む部分を含む。「置換アシル」は、1つ又は複数の水素原子が、例えば、アルキル基、アルキニル基、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィナート、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ及びアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル及びウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルフェート、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール又は芳香族部分若しくは芳香族複素環部分で置き換えられているアシル基を含む。
「アロイル」は、カルボニル基に結合したアリール又は芳香族複素環部分を有する部分を含む。アロイル基の例として、フェニルカルボキシ、ナフチルカルボキシなどが挙げられる。
「アルコキシアルキル」、「アルキルアミノアルキル」及び「チオアルコキシアルキル」は、1つ又は複数の炭化水素骨格の炭素原子が酸素原子、窒素原子又は硫黄原子で置き換えられている上記のようなアルキル基を含む。
「アルコキシ」又は「アルコキシル」という用語は、酸素原子に共有結合した置換及び非置換アルキル基、アルケニル基及びアルキニル基を含む。アルコキシ基又はアルコキシルラジカルの例として、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基及びペントキシ基があるが、これに限定されるものではない。置換アルコキシ基の例として、ハロゲン化アルコキシ基が挙げられる。アルコキシ基は、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィナート、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ及びアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル及びウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルフェート、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、又は芳香族部分又は芳香族複素環部分などの基で置換されていてもよい。ハロゲン置換アルコキシ基の例として、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、クロロメトキシ、ジクロロメトキシ及びトリクロロメトキシがあるが、これに限定されるものではない。
「エーテル」又は「アルコキシ」という用語は、2個の炭素原子又はヘテロ原子に結合した酸素を含む化合物又は部分を含む。例えば、この用語は、アルキル基に共有結合している酸素原子に共有結合したアルキル基、アルケニル基又はアルキニル基をいう「アルコキシアルキル」を含む。
「エステル」という用語は、カルボニル基の炭素に結合している酸素原子に結合した炭素又はヘテロ原子を含む化合物又は部分を含む。「エステル」という用語は、アルコキシカルボキシ基、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、ペントキシカルボニルなどを含む。
「チオアルキル」という用語は、硫黄原子と連結したアルキル基を含む化合物又は部分を含む。チオアルキル基は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、カルボキシ酸、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ及びアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル及びウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルフェート、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、又は芳香族部分若しくは芳香族複素環部分などの基で置換されていてもよい。
「チオカルボニル」又は「チオカルボキシ」という用語は、硫黄原子に二重結合で連結された炭素を含む化合物及び部分を含む。
「チオエーテル」という用語は、2個の炭素原子又はヘテロ原子に結合した硫黄原子を含む部分を含む。チオエーテルの例として、アルクチオアルキル、アルクチオアルケニル及びアルクチオアルキニルがあるが、これに限定されるものではない。「アルクチオアルキル」という用語は、アルキル基に結合している硫黄原子に結合したアルキル基、アルケニル基又はアルキニル基を有する部分を含む。同様に、「アルクチオアルケニル」という用語は、アルキル基、アルケニル基又はアルキニル基が、アルケニル基に共有結合している硫黄原子に結合している部分をいう。「アルクチオアルキニル」は、アルキル基、アルケニル基又はアルキニル基が、アルキニル基に共有結合している硫黄原子に結合している部分をいう。
本明細書で使用する場合、「アミン」又は「アミノ」は、非置換又は置換NH2をいう。「アルキルアミノ」は、−NH2の窒素が少なくとも1つのアルキル基に結合している化合物の基を含む。アルキルアミノ基の例として、ベンジルアミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、フェネチルアミノなどが挙げられる。「ジアルキルアミノ」は、−NH2の窒素が少なくとも2つの別のアルキル基に結合している基を含む。ジアルキルアミノ基の例として、ジメチルアミノ及びジエチルアミノがあるが、これに限定されるものではない。「アリールアミノ」及び「ジアリールアミノ」はそれぞれ、窒素が少なくとも1つ又は2つのアリール基に結合している基を含む。「アミノアリール」及び「アミノアリールオキシ」は、アミノで置換されたアリール及びアリールオキシをいう。「アルキルアリールアミノ」、「アルキルアミノアリール」又は「アリールアミノアルキル」は、少なくとも1つのアルキル基及び少なくとも1つのアリール基に結合しているアミノ基をいう。「アルカミノアルキル」は、アルキル基にも結合している窒素原子に結合したアルキル基、アルケニル基又はアルキニル基をいう。「アシルアミノ」は、窒素がアシル基に結合している基を含む。アシルアミノの例として、アルキルカルボニルアミノ基、アリールカルボニルアミノ基、カルバモイル基及びウレイド基があるが、これに限定されるものではない。
「アミド」又は「アミノカルボキシ」という用語は、カルボニル基又はチオカルボニル基の炭素に結合している窒素原子を含む化合物又は部分を含む。この用語は、カルボニル基又はチオカルボニル基の炭素に結合しているアミノ基に結合したアルキル基、アルケニル基又はアルキニル基を含む「アルカミノカルボキシ」基を含む。この用語はさらに、カルボニル基又はチオカルボニル基の炭素に結合しているアミノ基に結合したアリール部分又はヘテロアリール部分を含む「アリールアミノカルボキシ」基を含む。「アルキルアミノカルボキシ」、「アルケニルアミノカルボキシ」、「アルキニルアミノカルボキシ」及び「アリールアミノカルボキシ」という用語はそれぞれ、アルキル部分、アルケニル部分、アルキニル部分及びアリール部分が窒素原子に結合し、その窒素原子がカルボニル基の炭素に結合している部分を含む。アミドは、直鎖アルキル、分岐アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又は複素環などの置換基で置換されていてもよい。アミド基上の置換基はさらに置換されていてもよい。
窒素を含む本発明の化合物は、他の本発明の化合物を得るため、酸化剤(例えば、3−クロロペルオキシ安息香酸(mCPBA)及び/又は過酸化水素)を用いた処理によりN−オキシドに変換してもよい。したがって、図示し特許請求の範囲に記載されている全ての窒素含有化合物は、原子価及び構造が許容される場合、図示した化合物及びそのN−オキシド誘導体(N→O又はN+−O−と表記することがある)の両方を含むものと見なされる。さらに、他の例では、本発明の化合物中の窒素は、N−ヒドロキシ化合物又はN−アルコキシ化合物に変換してもよい。例えば、N−ヒドロキシ化合物は、酸化剤、例えばm−CPBAによる親アミンの酸化により調製することができる。図示し特許請求の範囲に記載されている全ての窒素含有化合物はさらに、原子価及び構造が許容される場合、図示した化合物とそのN−ヒドロキシ(すなわち、N−OH)誘導体及びN−アルコキシ(すなわち、N−OR(式中、Rは置換若しくは非置換C1〜C6アルキル、C1〜C6アルケニル、C1〜C6アルキニル、3〜14員炭素環又は3〜14員複素環である))誘導体との両方を包含する。
「異性」は、化合物が同一の分子式を有するものの、その原子の結合順序又はその原子の空間配置が異なることを意味する。原子の空間配置が異なる異性体は「立体異性体」と呼ばれる。互いに鏡像でない立体異性体は「ジアステレオ異性体」と呼ばれ、互いに重ね合わせることができない鏡像である立体異性体は「エナンチオマー」と呼ばれ、光学異性体と呼ばれることもある。逆のキラリティーの各エナンチオマー型を等量含む混合物は「ラセミ混合物」と呼ばれる。
同一でない4つの置換基に結合した炭素原子は「キラル中心」と呼ばれる。
「キラル異性体」は、少なくとも1つのキラル中心を有する化合物を意味する。2つ以上のキラル中心を有する化合物は、個々のジアステレオマーとして存在しても、あるいは「ジアステレオマー混合物」と呼ばれるジアステレオマーの混合物として存在してもよい。1つのキラル中心が存在する場合、立体異性体は、そのキラル中心の絶対配置(R又はS)により特徴付けてもよい。絶対配置とは、キラル中心に結合した置換基の空間配置をいう。検討対象のキラル中心に結合した置換基は、Sequence Rule of Cahn,Ingold and Prelogに従いランク付けされる。(Cahn et al.,Angew.Chem.Inter.Edit.1966,5,385;errata 511;Cahn et al.,Angew.Chem.1966,78,413;Cahn and Ingold,J.Chem.Soc.1951(London),612;Cahn et al.,Experientia 1956,12,81;Cahn,J.Chem.Educ.1964,41,116)。
「幾何異性体」は、存在する原因が二重結合又はシクロアルキルリンカー(例えば、1,3−シルコブチル)の周りの回転障壁であるジアステレオマーを意味する。これら配置は、接頭辞シス及びトランス、又はカーン−インゴルド−プレローグ順位則に従い各基が分子の二重結合に関して同じ側又は反対側にあることを示すZ及びEにより、その名称により区別される。
本明細書で提供される小分子EZH2阻害剤は、異なるキラル異性体又は幾何異性体として図示し得ることが理解されよう。さらに、化合物がキラル異性体型又は幾何異性体型を有する場合、全ての異性体型が本発明の範囲に含まれることを意図しており、化合物の名称は任意の異性体型を除外するものではないことも理解されるべきである。
さらに、こうした構造及び本発明で考察された他の化合物は、その全てのアトロピック(atropic)異性体を含む。「アトロピック(atropic)異性体」は、2つの異性体の原子が空間で異なって配置されている立体異性体の1種である。アトロピック(atropic)異性体が存在する原因は、中心結合の周りの大きな基の回転障壁により引き起こされる回転の束縛である。こうしたアトロピック(atropic)異性体は典型的には混合物として存在するが、クロマトグラフィー技術の最近の進歩の結果、特定の場合、2つのアトロピック(atropic)異性体の混合物を分離することが可能になっている。
「互変異性体」は、2つ以上の構造異性体が平衡状態で存在し、ある異性体型から別の異性体型に容易に変換される、それらの構造異性体の1つである。この変換の結果、水素原子が、隣接する共役二重結合の変化を伴って形式的に移動する。互変異性体は、溶液中で互変異性体のセットの混合物として存在する。互変異性が可能である溶液においては、互変異性体の化学平衡に達する。互変異性体の正確な比率は、温度、溶媒及びpHを含むいくつかの要因によって異なる。互変異性化により相互変換可能な互変異性体の概念は、互変異性と呼ばれる。
考えられる様々なタイプの互変異性のうち、2つが一般に観察される。ケト−エノール互変異性では、電子及び水素原子の同時移動が起こる。環鎖互変異性は、糖鎖分子のアルデヒド基(−CHO)が同じ分子のヒドロキシ基(−OH)の1つと反応して、分子にグルコースに見られるような環式(環状)形態が生じた結果として起こる。
一般的な互変異性のペアとして、ケトン−エノール、アミド−ニトリル、ラクタム−ラクチム、複素環における(例えば、グアニン、チミン及びシトシンなどの核酸塩基における)アミド−イミド酸互変異性、イミン−エナミン及びエナミン−エナミンがある。ケト−エノール平衡の例は、以下に示すように、ピリジン−2(1H)−オンと対応するピリジン−2−オールとの間の平衡である。
本発明の化合物は異なる互変異性体として図示され得ることが理解されよう。さらに、化合物が互変異性型を有する場合、全ての互変異性型が本発明の範囲に含まれることを意図しており、化合物の名称は任意の互変異性体型を除外するものではないことも理解されるべきである。
本明細書に開示している式(I)〜(VIa)のEZH2阻害剤には、化合物それ自体と、該当する場合、その塩及びその溶媒和物も含まれる。塩は、例えば、アニオンと、アリール置換又はヘテロアリール置換されたベンゼン化合物上の正に荷電した基(例えば、アミノ)との間で形成させることができる。好適なアニオンとして、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硫酸イオン、重硫酸イオン、スルファミン酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、クエン酸イオン、メタンスルホン酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、グルタミン酸イオン、グルクロン酸イオン、グルタル酸イオン、リンゴ酸イオン、マレイン酸イオン、コハク酸イオン、フマル酸イオン、酒石酸イオン、トシル酸イオン、サリチル酸イオン、乳酸イオン、ナフタレンスルホン酸イオン及び酢酸イオン(例えば、トリフルオロ酢酸イオン)が挙げられる。「薬学的に許容されるアニオン」という用語は、薬学的に許容される塩を形成するのに好適なアニオンをいう。同様に、塩はまた、カチオンと、アリール置換又はヘテロアリール置換されたベンゼン化合物上の負に荷電した基(例えば、カルボン酸イオン)との間で形成させることもできる。好適なカチオンとして、ナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、及びテトラメチルアンモニウムイオンなどのアンモニウムカチオンが挙げられる。アリール置換又はヘテロアリール置換されたベンゼン化合物として、第四級窒素原子を含むその塩も含まれる。塩形態において、化合物対塩のカチオン又はアニオンの比は、1:1でもよく、1:1以外の任意の割当量、例えば、3:1、2:1、1:2又は1:3でもよいことが理解されよう。
加えて、本発明のEZH2阻害化合物、例えば、化合物の塩は、水和若しくは非水和(無水)形態で存在しても、あるいは他の溶媒分子との溶媒和物として存在してもよい。水和物の非限定的な例として、一水和物、二水和物などが挙げられる。溶媒和物の非限定的な例として、エタノール溶媒和物、アセトン溶媒和物などが挙げられる。
「溶媒和物」は、化学量論量あるいは非化学量論量の溶媒を含む溶媒付加形態を意味する。一部の化合物は、結晶性固体状態で一定のモル比の溶媒分子を捕捉する傾向があり、したがって溶媒和物を形成する。溶媒が水の場合、形成される溶媒和物は水和物であり、溶媒がアルコールの場合、形成される溶媒和物はアルコラートである。水和物は1つの物質分子と1つ又は複数の水分子の組み合わせにより形成され、水はその分子状態をH2Oとして維持する。
本明細書で使用する場合、「アナログ」という用語は、別の化学化合物と構造的に類似しているが、組成がやや異なる(異なる元素の原子による1つの原子の置き換え、又は特定の官能基の存在、又は別の官能基による1つの官能基の置き換えのように)化学化合物をいう。したがって、アナログは、参照化合物と機能及び外観が類似又は同様であるが、構造又は起源が類似又は同様でない化合物である。
本明細書で使用される、「誘導体」という用語は、共通のコア構造を有するが、本明細書に記載するような様々な基で置換されている化合物をいう。例えば、式(I)で表される化合物は全て、アリール又はヘテロアリール置換ベンゼン化合物であり、共通のコアとして式(I)を有する。
本開示のいくつかの実施形態は、本EZH2阻害剤の化合物中に存在する原子の一部又は全ての同位体を包含する。同位体には、原子番号は同じであるが質量数が異なる原子が含まれる。一般的な例として、限定されるものではないが、水素の同位体には、トリチウム及び重水素が含まれ、炭素の同位体には、C−13及びC−14が含まれる。
本開示の特定の態様では、EZH2の阻害剤は、それが野生型EZH2のヒストンメチルトランスフェラーゼ活性を阻害するよりも有効に変異型EZH2のヒストンメチルトランスフェラーゼ活性を阻害するとき、変異型EZH2のヒストンメチルトランスフェラーゼ活性を「選択的に阻害する」。例えば、一部の実施形態では、選択的阻害剤は、変異型EZH2に対するIC50が、野生型EZH2に対するIC50より少なくとも40パーセント低い。一部の実施形態では、選択的阻害剤は、変異型EZH2に対するIC50が野生型EZH2に対するIC50より少なくとも50パーセント低い。一部の実施形態では、選択的阻害剤は、変異型EZH2に対するIC50が野生型EZH2に対するIC50より少なくとも60パーセント低い。一部の実施形態では、選択的阻害剤は、変異型EZH2に対するIC50が野生型EZH2に対するIC50より少なくとも70パーセント低い。一部の実施形態では、選択的阻害剤は、変異型EZH2に対するIC50が野生型EZH2に対するIC50より少なくとも80パーセント低い。一部の実施形態では、選択的阻害剤は、変異型EZH2に対するIC50が野生型EZH2に対するIC50より少なくとも90パーセント低い。
一部の実施形態では、変異型EZH2の選択的阻害剤は、野生型EZH2に対して阻害効果を実質的に発揮しない。
特定の実施形態では、本開示の阻害剤は、H3−K27me2からH3−K27me3への変換を阻害する。一部の実施形態では、阻害剤はH3−K27のトリメチル化を阻害するといわれる。H3−K27me1からH3−K27me2への変換はH3−K27me2からH3−K27me3への変換に先行するため、H3−K27me1からH3−K27me2への変換の阻害剤は当然H3−K27me2からH3−K27me3への変換も阻害する。すなわちそれは、H3−K27のトリメチル化を阻害する。H3−K27me1からH3−K27me2への変換を阻害せずにH3−K27me2からH3−K27me3への変換を阻害することも可能である。このタイプの阻害もまた、H3−K27のジメチル化の阻害はしないにしても、H3−K27のトリメチル化を阻害することになる。
一部の実施形態では、本開示の阻害剤は、H3−K27me1からH3−K27me2への変換及びH3−K27me2からH3−K27me3ヘの変換を阻害する。こうした阻害剤は、H3−K27me1からH3−K27me2への変換のみを直接阻害するものであってもよい。あるいは、こうした阻害剤は、H3−K27me1からH3−K27me2への変換及びH3−K27me2からH3−K27me3ヘの変換の両方を直接阻害するものであってもよい。
本発明の特定の態様では、本開示のEZH2阻害剤は、ヒストンメチルトランスフェラーゼ活性を阻害する。ヒストンメチルトランスフェラーゼ活性の阻害は、任意の好適な方法を用いて検出することができる。阻害は、例えば、ヒストンメチルトランスフェラーゼ活性の速度によって、又はヒストンメチルトランスフェラーゼ活性の産物として、測定することができる。
いくつかの実施形態では、EZH2活性の測定可能な阻害、例えば適切な対照と比較して測定可能なEZH2阻害によって特徴付けられる戦略、処置様式、方法、組み合わせ、及び組成物が提供される。いくつかの実施形態では、EZH2阻害は、適切な対照、例えば、未処置対照細胞、組織、又は対象において観察又は予測されるEZH2活性と比較して、少なくとも10%の阻害である。いくつかの実施形態では、EZH2阻害剤の存在下でのEZH2酵素活性の割合は、EZH2阻害剤の非存在下での対応する酵素活性の90%以下である。いくつかの実施形態では、EZH2阻害剤の存在下でのEZH2阻害は、適切な対照、例えば阻害剤の非存在下での活性と比較して少なくとも20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、90%、又は95%の阻害である。いくつかの実施形態では、阻害は、適切な対照と比較して少なくとも99%の阻害である。すなわち、阻害剤の存在下での酵素活性の割合は、阻害剤の非存在下での対応する活性の1%以下である。
免疫チェックポイント阻害剤
免疫チェックポイントタンパク質は、特定の細胞に対する免疫細胞(例えば、T細胞)の作用を阻害する。免疫チェックポイントシグナル伝達は、免疫系の標的となる細胞(例えば、感染又は悪性細胞)に対する対象の免疫応答と、免疫系エフェクター(例えば、健常細胞)と標的とならない細胞とのバランスをとる上で重要な役割を果たす。いかなる特定の理論にも拘束されることを望むものではないが、いくつかの癌細胞の免疫系による監視及び破壊からの回避は、異常な免疫チェックポイントシグナル伝達によって媒介されると考えられ、癌細胞は、宿主の免疫細胞における1つ以上の免疫チェックポイントシグナル伝達経路を活性化することによって、宿主の免疫応答を調節する又は無効にする。
例えば、限定されるものではないが、CTLA4、PD−1、PD−L1、LAG3、B7−H3、及びTim3などの様々な免疫チェックポイントシグナル伝達タンパク質が同定されており、このような免疫チェックポイントタンパク質を標的とする免疫チェックポイント阻害剤が開発されている。このような免疫チェックポイント阻害剤は、それらが標的とする免疫チェックポイントシグナル伝達経路の活性を低下させる又は無効にし、したがって、例えば通常なら適切な免疫系の監視を免れる病的細胞に対する、対象の免疫応答を高めることができる。例えば、いくつかの免疫チェックポイント阻害剤は、感染細胞又は癌性細胞のT細胞媒介攻撃を妨げる免疫チェックポイントシグナル伝達を効果的に阻害することが報告されている。したがって、本明細書に記載の免疫チェックポイント阻害剤は、悪性細胞又は感染性細胞を標的とする免疫系の監視及びエフェクター機能(例えば、T細胞攻撃の形態)を可能にする又は支援する。本明細書で言及されるいくつかの免疫チェックポイント阻害剤は、免疫細胞(例えば、T細胞)上の1つ以上のチェックポイントタンパク質に特異的に結合し、その活性を阻害するモノクローナル抗体を含む。本開示の免疫チェックポイント阻害剤を使用して、あらゆるタイプの癌細胞に対する対象の免疫応答を高めることができる。
あらゆるチェックポイントタンパク質を標的とすることができるが、本開示の例示的な免疫チェックポイント阻害剤は、限定されるものではないが、CTLA4、PD−1、PD−L1、LAG3、B7−H3、Tim3、又はこれらの任意の組み合わせを含むタンパク質を標的とする、これに結合する、且つ/又はこの活性を阻害することができる。CTLA4を標的とする、これに結合する、且つ/又はこの活性を阻害する免疫チェックポイント阻害剤は、イピリムマブ、チシリムマブ、AGEN−1884、又はこれらの組み合わせを含み得る。PD−1及び/又はPD−L1を標的とする、これらに結合する、且つ/又はこれらの活性を阻害する免疫チェックポイント阻害剤は、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、アテゾリズマブ、デュルバルマブ、アベルマブ、BMS−936559、AMP−224、MEDI−0680、TSR−042、BGB−108、STI−1014、KY−1003、ALN−PDL、BGB−A317、KD−033、REGN−2810、PDR−001、SHR−1210、MGD−013、PF−06801591、CX−072、又はこれらの組み合わせを含み得る。LAG3を標的とする、これに結合する、且つ/又はこの活性を阻害する免疫チェックポイント阻害剤は、IMP−731、LAG−525、BMS−986016、GSK−2831781、又はこれらの組み合わせを含み得る。B7−H3を標的とする、これに結合する、且つ/又はこの活性を阻害する免疫チェックポイント阻害剤は、エノブリツズマブ、1241−8H9、DS−5573、又はこれらの組み合わせを含み得る。Tim3を標的とする、これに結合する、且つ/又はこの活性を阻害する免疫チェックポイント阻害剤はMBG−453を含み得る。
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤はPD−L1である。本開示のいくつかの態様は、癌を有する対象におけるPD−L1の発現を検出することを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、対象には、有効量の抗癌剤、例えば、zesteホモログ2(EZH2)阻害剤のエンハンサーが既に投与されている。本開示のいくつかの態様は、PD−L1を発現する癌、例えば、抗癌剤による処置後、例えばEZH2阻害剤による処置後にPD−L1の発現及び/又は上方制御を示す癌を有する対象に、有効量のPD−L1阻害剤を単独で、又は抗癌剤、例えばEZH2阻害剤の投与と組み合わせて投与することを含む方法に関する。
PD−L1及びPD−L1タンパク質をコードするゲノム配列及び転写物は、当業者に公知である。例示的なPD−L1配列が本明細書に記載されており、さらなる適切なPD−L1配列は、本開示に基づいて当業者には明らかであろう。例示的で適切なPD−L1配列は、限定されるものではないが、以下を含む:
(GenBankアクセッション番号NP_054862.1)プログラム細胞死1リガンド1アイソフォームa前駆体[Homo sapiens]
(GenBankアクセッション番号NP_001254635.1)プログラム細胞死1リガンド1アイソフォームb前駆体[Homo sapiens]
(GenBankアクセッション番号NP_001300958.1)プログラム細胞死1リガンド1アイソフォームc前駆体[Homo sapiens]
さらなる適切なPD−L1配列、並びに標的細胞、例えば癌細胞におけるPD−L1タンパク質及び転写物の検出及び定量の方法は、当業者には明らかであろう。そのような検出方法には、限定されるものではないが、免疫組織化学及びウェスタンブロットなどのタンパク質検出方法、PCR、RNA−seq、及びノーザンブロットなどのRNA検出方法が含まれる。
併用療法
本開示のいくつかの態様は、特定の障害、例えば特定の増殖性疾患を、併用療法アプローチにより(例えば、EZH2阻害剤及び免疫チェックポイント阻害剤を対象に投与することにより)、単一の治療薬のみによる処置と比較してより効果的に処置できるという認識に基づいている。例えば、いくつかの実施形態では、本開示は、単独療法アプローチと比較して、増殖性疾患、例えば癌を有する対象の臨床転帰及び/又は予後を改善するのに有用な併用療法戦略、処置様式、方法、組み合わせ、及び組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される併用療法アプローチは、単独療法と比較して、所望の臨床転帰(例えば、部分的又は完全な疾患寛解、腫瘍増殖の阻害、安定した疾患)を達成するために必要な期間が短縮される。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される併用療法アプローチは、単独療法と比較してより良好な臨床転帰をもたらす(例えば、完全寛解と部分寛解、安定した疾患と進行性疾患、再発リスクが低い)。
いくつかの実施形態では、本開示は、それを必要とする対象にEZH2阻害剤及び免疫チェックポイント阻害剤が投与される、併用療法戦略、処置様式、及び方法を提供する。いくつかの実施形態では、EZH2阻害剤は、本明細書で提供されるEZH2阻害剤、例えば、式(I)〜(IVa)のいずれかによって又は本明細書に記載される任意の他の構造によって提供される小分子EZH2阻害剤であり、免疫チェックポイント阻害剤は、モノクローナル抗体、ペプチド、又は本明細書に記載の小分子である。いくつかの実施形態では、EZH2阻害剤は、タゼメトスタット又はその薬学的に許容される塩であり、免疫チェックポイント阻害剤は、イピリムマブ、チシリムマブ、AGEN−1884、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、アテゾリズマブ、デュルバルマブ、アベルマブ、BMS−936559、AMP−224、MEDI−0680、TSR−042、BGB−108、STI−1014、KY−1003、ALN−PDL、BGB−A317、KD−033、REGN−2810、PDR−001、SHR−1210、MGD−013、PF−06801591、CX−072、IMP−731、LAG−525、BMS−986016、GSK−2831781、エノブリツズマブ、1241−8H9、DS−5573、又はこれらの組み合わせである。
いくつかの実施形態では、増殖性疾患の処置のための併用療法戦略、処置様式、及び方法が提供され、EZH2阻害剤はタゼメトスタット又はその薬学的に許容される塩であり、免疫チェックポイント阻害剤はイピリムマブである。例えば、いくつかの実施形態では、それを必要とする対象、例えば、増殖性疾患(例えば、癌)を有するか、又は増殖性疾患と診断された対象に治療有効量のタゼメトスタット又はその薬学的に許容される塩、及び治療有効量のイピリムマブを投与することを含む方法が提供される。
いくつかの実施形態では、増殖性疾患の処置のための併用療法戦略、処置様式、及び方法が提供され、EZH2阻害剤はタゼメトスタット又はその薬学的に許容される塩であり、免疫チェックポイント阻害剤はチシリムマブである。例えば、いくつかの実施形態では、それを必要とする対象、例えば、増殖性疾患(例えば、癌)を有するか、又は増殖性疾患と診断された対象に治療有効量のタゼメトスタット又はその薬学的に許容される塩、及び治療有効量のチシリムマブを投与することを含む方法が提供される。
いくつかの実施形態では、増殖性疾患の処置のための併用療法戦略、処置様式、及び方法が提供され、EZH2阻害剤はタゼメトスタット又はその薬学的に許容される塩であり、免疫チェックポイント阻害剤はAGEN−1884である。例えば、いくつかの実施形態では、それを必要とする対象、例えば、増殖性疾患(例えば、癌)を有するか、又は増殖性疾患と診断された対象に治療有効量のタゼメトスタット又はその薬学的に許容される塩、及び治療有効量のAGEN−1884を投与することを含む方法が提供される。
いくつかの実施形態では、増殖性疾患の処置のための併用療法戦略、処置様式、及び方法が提供され、EZH2阻害剤はタゼメトスタット又はその薬学的に許容される塩であり、免疫チェックポイント阻害剤はニボルマブである。例えば、いくつかの実施形態では、それを必要とする対象、例えば、増殖性疾患(例えば、癌)を有するか、又は増殖性疾患と診断された対象に治療有効量のタゼメトスタット又はその薬学的に許容される塩、及び治療有効量のニボルマブを投与することを含む方法が提供される。
いくつかの実施形態では、増殖性疾患の処置のための併用療法戦略、処置様式、及び方法が提供され、EZH2阻害剤はタゼメトスタット又はその薬学的に許容される塩であり、免疫チェックポイント阻害剤はペンブロリズマブである。例えば、いくつかの実施形態では、それを必要とする対象、例えば、増殖性疾患(例えば、癌)を有するか、又は増殖性疾患と診断された対象に治療有効量のタゼメトスタット又はその薬学的に許容される塩、及び治療有効量のペンブロリズマブを投与することを含む方法が提供される。
いくつかの実施形態では、増殖性疾患の処置のための併用療法戦略、処置様式、及び方法が提供され、EZH2阻害剤はタゼメトスタット又はその薬学的に許容される塩であり、免疫チェックポイント阻害剤はアテゾリズマブである。例えば、いくつかの実施形態では、それを必要とする対象、例えば、増殖性疾患(例えば、癌)を有するか、又は増殖性疾患と診断された対象に治療有効量のタゼメトスタット又はその薬学的に許容される塩、及び治療有効量のアテゾリズマブを投与することを含む方法が提供される。
いくつかの実施形態では、増殖性疾患の処置のための併用療法戦略、処置様式、及び方法が提供され、EZH2阻害剤はタゼメトスタット又はその薬学的に許容される塩であり、免疫チェックポイント阻害剤はデュルバルマブである。例えば、いくつかの実施形態では、それを必要とする対象、例えば、増殖性疾患(例えば、癌)を有するか、又は増殖性疾患と診断された対象に治療有効量のタゼメトスタット又はその薬学的に許容される塩、及び治療有効量のデュルバルマブを投与することを含む方法が提供される。
いくつかの実施形態では、増殖性疾患の処置のための併用療法戦略、処置様式、及び方法が提供され、EZH2阻害剤はタゼメトスタット又はその薬学的に許容される塩であり、免疫チェックポイント阻害剤はアベルマブである。例えば、いくつかの実施形態では、それを必要とする対象、例えば、増殖性疾患(例えば、癌)を有するか、又は増殖性疾患と診断された対象に治療有効量のタゼメトスタット又はその薬学的に許容される塩、及び治療有効量のアベルマブを投与することを含む方法が提供される。
いくつかの実施形態では、増殖性疾患の処置のための併用療法戦略、処置様式、及び方法が提供され、EZH2阻害剤はタゼメトスタット又はその薬学的に許容される塩であり、免疫チェックポイント阻害剤はBMS−936559である。例えば、いくつかの実施形態では、それを必要とする対象、例えば、増殖性疾患(例えば、癌)を有するか、又は増殖性疾患と診断された対象に治療有効量のタゼメトスタット又はその薬学的に許容される塩、及び治療有効量のBMS−936559を投与することを含む方法が提供される。
いくつかの実施形態では、増殖性疾患の処置のための併用療法戦略、処置様式、及び方法が提供され、EZH2阻害剤はタゼメトスタット又はその薬学的に許容される塩であり、免疫チェックポイント阻害剤はAMP−224である。例えば、いくつかの実施形態では、それを必要とする対象、例えば、増殖性疾患(例えば、癌)を有するか、又は増殖性疾患と診断された対象に治療有効量のタゼメトスタット又はその薬学的に許容される塩、及び治療有効量のAMP−224を投与することを含む方法が提供される。
いくつかの実施形態では、増殖性疾患の処置のための併用療法戦略、処置様式、及び方法が提供され、EZH2阻害剤はタゼメトスタット又はその薬学的に許容される塩であり、免疫チェックポイント阻害剤はMEDI−0680である。例えば、いくつかの実施形態では、それを必要とする対象、例えば、増殖性疾患(例えば、癌)を有するか、又は増殖性疾患と診断された対象に治療有効量のタゼメトスタット又はその薬学的に許容される塩、及び治療有効量のMEDI−0680を投与することを含む方法が提供される。
いくつかの実施形態では、増殖性疾患の処置のための併用療法戦略、処置様式、及び方法が提供され、EZH2阻害剤はタゼメトスタット又はその薬学的に許容される塩であり、免疫チェックポイント阻害剤はエノブリツズマブである。例えば、いくつかの実施形態では、それを必要とする対象、例えば、増殖性疾患(例えば、癌)を有するか、又は増殖性疾患と診断された対象に治療有効量のタゼメトスタット又はその薬学的に許容される塩、及び治療有効量のエノブリツズマブを投与することを含む方法が提供される。
いくつかの実施形態では、本方法は、例えば、本明細書に記載の方法又は当技術分野で公知の他の方法によって対象の標的細胞又は組織のメチル化状態を監視すること、及び/又は、例えば、本明細書に記載の方法又は当技術分野で公知の他の方法によって対象の免疫応答状態を監視することをさらに含む。
医薬製剤
いくつかの実施形態では、EZH2阻害剤及び免疫チェックポイント阻害剤は、別々の医薬製剤で提供され、独立に、例えば連続的に対象に投与される。いくつかの実施形態では、EZH2阻害剤は、経口投与用に製剤され、免疫応答阻害剤は、非経口投与用に製剤される。
本開示はまた、式(I)〜(VIa)の化合物又はその薬学的に許容される塩と、本明細書に開示している1つ又は複数の他の治療剤、例えば、1つ又は複数の免疫チェックポイント阻害剤とを、薬学的に好適なキャリア又は賦形剤と混合して、本明細書に記載の疾患又は状態を処置又は予防するための用量で含む医薬組成物及び組み合わせも提供する。一態様では、本開示はまた、表Iの任意の化合物又はその薬学的に許容される塩と、1つ又は複数の治療剤とを、薬学的に好適なキャリア又は賦形剤と混合して、本明細書に記載の疾患又は状態を処置又は予防するための用量で含む医薬組成物も提供する。別の態様では、本開示はまた、化合物44
又はその薬学的に許容される塩と、1つ又は複数の治療剤とを、薬学的に好適なキャリア又は賦形剤と混合して、本明細書に記載の疾患又は状態を処置又は予防するための用量で含む医薬組成物も提供する。本開示の医薬組成物はまた、他の治療剤又は治療法と併用して、同時に、逐次的に又は交互に投与することもできる。
本開示の組成物の混合物又は組み合わせはまた、患者に、単純な混合物として、又は製剤化した好適な医薬組成物で投与することもできる。例えば、本発明の一態様は、治療有効用量の式(I)〜(VIa)のEZH2阻害剤又はその薬学的に許容される塩、水和物、エナンチオマー若しくは立体異性体と、1つ又は複数の他の治療剤と、薬学的に許容される希釈剤又はキャリアとを含む医薬組成物又は組み合わせに関する。
「医薬組成物」とは、本開示の化合物を、被検体への投与に好適な形態で含む製剤のことである。式(I)〜(VIa)の化合物及び本明細書に記載の1つ又は複数の他の治療剤は各々、個々に製剤化することもでき、活性成分を任意選択的に組み合わせて複数の医薬組成物に製剤化することもできる。したがって、各医薬組成物の剤形に基づいて1つ又は複数の投与経路が適切に選択され得る。あるいは、式(I)〜(VIa)の化合物と本明細書に記載の1つ又は複数の他の治療剤とを1つの医薬組成物に製剤化することができる。
一部の実施形態では、医薬組成物はバルク又は単位剤形である。単位剤形は、例えば、カプセル、IVバッグ、錠剤、エアロゾル吸入器の単一ポンプ又はバイアルなど種々の形態のいずれかである。単位用量の組成物における活性成分(例えば、開示された化合物又はその塩、水和物、溶媒和物又は異性体の製剤)の量は有効量であり、関連する個々の処置に応じて変化する。当業者であれば、患者の年齢及び状態によって投薬量を日常的に変える必要があることもあることを理解するであろう。投薬量はまた投与経路によって異なる。経口、経肺、直腸、非経口、経皮、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、吸入、口腔内、舌下、胸膜内、髄腔内、鼻腔内及び同種のものなど種々の経路を意図している。本開示の化合物の局所投与又は経皮投与用の剤形として、散剤、スプレー剤、軟膏剤、ペースト剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、溶液剤、パッチ剤及び吸入薬が挙げられる。一部の実施形態では、活性化合物は、滅菌条件下で薬学的に許容されるキャリアと、必要とされる任意の防腐剤、バッファー又は噴霧剤と混合される。
本明細書で使用する場合、「薬学的に許容される」という語句とは、化合物、アニオン、カチオン、材料、組成物、キャリア及び/又は剤形が、適切な医学的判断の範囲内において、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、又は他の問題若しくは合併症を回避しつつ、合理的なベネフィット/リスク比に見合ってヒト及び動物の組織と接触させて使用するのに好適であることをいう。
「薬学的に許容される賦形剤」は、医薬組成物の調製に有用であり、且つ一般に安全で無毒性であり、生物学的にもあるいは他の点でも望ましい賦形剤を意味し、動物用途のほか、ヒトの医薬用途に許容可能な賦形剤を含む。本明細書及び特許請求の範囲に使用される「薬学的に許容される賦形剤」は、そうした賦形剤の1種及び2種以上の両方を含む。
本開示の医薬組成物は、その目的の投与経路に適合するように製剤化される。投与経路の例として、非経口投与、例えば、静脈内投与、皮内投与、皮下投与、経口投与(例えば、吸入)、経皮投与(局所)、及び経粘膜投与が挙げられる。非経口用途、皮内用途又は皮下用途に使用される溶液又は懸濁液として、以下の成分:無菌希釈液、例えば食塩水溶液、不揮発性油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール又は他の合成溶媒;抗菌薬、例えばベンジルアルコール又はメチルパラベン;酸化防止剤、例えばアスコルビン酸又は重亜硫酸ナトリウム;キレート化剤、例えばエチレンジアミン四酢酸;バッファー、例えばアセテート、シトレート又はホスフェート、及び張度調整剤、例えば塩化ナトリウム又はブドウ糖を挙げることができる。pHは、酸又は塩基、例えば塩酸又は水酸化ナトリウムで調整することができる。非経口調製物は、ガラス若しくはプラスチック製のアンプル、ディスポーザブルシリンジ又はマルチドーズバイアルに封入してもよい。
本開示の組成物、例えば、EZH2阻害剤及び/又は免疫チェックポイント阻害剤を含む製剤は、化学療法処置用に現在使用されている多くの公知の方法で対象に投与することができる。例えば、癌の処置のために、EZH2阻害剤及び/又は免疫チェックポイント阻害剤を含む製剤を、腫瘍に直接注射する、血流又は体腔に注入する、又は経口投与する、又はパッチを用いて皮膚を通して適用することができる。EZH2阻害剤のために選択される用量、及び免疫チェックポイント阻害剤のために選択される用量は、有効な処置を構成するには十分であるが、容認できない副作用を引き起こすほど高くはないはずである。病状の状況(例えば、癌、前癌及び同種のもの)及び患者の健康については好ましくは、処置中及び処置後相当期間、詳細にモニターすべきである。
「治療有効量」という用語は、本明細書で使用する場合、特定された疾患又は状態を処置、軽減又は予防する、あるいは検出可能な治療効果又は阻害効果を示す医薬剤の量をいう。EZH2阻害剤及び免疫応答阻害剤の例示的で非限定的な有効量及び有効用量範囲は本明細書で提供される。効果は、当該技術分野において公知の任意のアッセイ方法により検出することができる。被検体の正確な有効量は、被検体の体重、大きさ及び健康;その状態の性質及び程度;並びに投与のために選択した治療法又は併用療法によって異なる。ある状況に対する治療有効量は、臨床医の技能及び判断の範囲内にある通常の実験により決定することができる。好ましい態様では、処置対象の疾患又は状態は癌である。別の態様では、処置対象の疾患又は状態は細胞増殖性障害である。
ある種の実施形態では、併用される各医薬剤の治療有効量は、各薬剤を単独で用いる単剤療法と比較して、併用した場合の方が少ない。このように治療有効量が少なければ、治療レジメンの毒性が低くなり得る。
本明細書に記載の多数の化合物、例えば様々なEZH2阻害剤及び様々な免疫チェックポイント阻害剤について、治療有効量又は有効用量範囲が報告されている。いくつかの実施形態では、有効量は、例えば腫瘍細胞の細胞培養アッセイ、又は通常はラット、マウス、ウサギ、イヌ、又はブタである動物モデルのいずれかで最初に推定することができる。動物モデルはさらに、適切な濃度範囲及び投与経路を判定するのに使用してもよい。次いでこうした情報を使用して、ヒトの投与に有用な用量及び経路を判定することができる。治療/予防有効性及び毒性は、細胞培養又は実験動物を対象とした標準的な薬学的手順、例えば、ED50(集団の50%で治療効果のある用量)及びLD50(集団の50%致死用量)により判定することができる。毒性効果と治療効果との間の用量比は治療係数であり、LD50/ED50比で表すことができる。好ましいのは、大きな治療係数を示す医薬組成物である。投薬量は、利用する剤形、患者の感受性及び投与経路によってこの範囲内で変わってもよい。
投薬量及び投与は、十分なレベルの活性剤を与えるか、又は所望の効果を維持するように調整される。考慮に入れてもよい因子として、病状の重症度、被検体の一般的な健康状態、被検体の年齢、体重及び性別、食事、投与の時間及び頻度、薬剤の組み合わせ、反応感受性、並びに治療に対する忍容性/反応が挙げられる。長時間作用性医薬組成物は、特定の製剤の半減期及びクリアランス速度によって3〜4日毎、毎週あるいは2週に1回投与してもよい。
本発明の活性化合物を含む医薬組成物は、一般に知られた方法で、例えば、従来の混合プロセス、溶解プロセス、造粒プロセス、糖衣錠製造プロセス、研和プロセス、乳化プロセス、カプセル化プロセス、封入プロセス又は凍結乾燥プロセスによって製造することができる。医薬組成物は、活性化合物を薬学的に使用することができる調製物に加工しやすくする賦形剤及び/又は助剤を含む、1種若しくは複数種の薬学的に許容されるキャリアを用いて従来の方法で製剤化してもよい。言うまでもなく、適切な製剤は選択された投与経路によって異なる。
注射用途に好適な医薬組成物は、無菌水溶液(水溶性の場合)又は分散液、及び必要に応じて調製される無菌注射用溶液又は分散液用の無菌粉末を含む。静脈内投与では、好適なキャリアとして、生理食塩水、静菌水、Cremophor EL(商標)(BASF,Parsippany,N.J.)又はリン酸塩緩衝生理食塩水(PBS)が挙げられる。全ての場合において、組成物は無菌でなければならず、シリンジ操作が容易である程度の流動性があるべきである。組成物は、製造及び保存条件下で安定でなければならず、細菌及び真菌などの混入微生物の作用を防止しなければならない。キャリアは、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール及び液体ポリエチレングリコール並びに同種のもの)及びこれらの好適な混合物を含む溶媒又は分散媒であってもよい。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングの使用により、分散液の場合には、必要とされる粒度の維持により、及び界面活性剤の使用により維持することができる。微生物の作用の防止は、様々な抗菌剤及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサール及び同種のものの使用により達成することができる。多くの場合、組成物中に等張剤、例えば、糖、多価アルコール、例えばマンニトール及びソルビトール、並びに塩化ナトリウムを含むことが好ましい。注射用組成物の吸収の持続化は、組成物に吸収を遅らせる薬、例えば、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンを含ませることにより行うことができる。
無菌注射溶液は、必要量の活性化合物を、必要に応じて上記に列挙した1つの成分又は成分の組み合わせと共に適切な溶媒に加え、続いて濾過滅菌を行うことにより調製することができる。一般に、分散液は、基本的な分散媒及び上記に列挙したものから必要とされる他の成分を含む無菌ビヒクルに活性化合物を加えることにより調製される。無菌注射溶液の調製用の無菌粉末の場合、調製方法は真空乾燥及びフリーズドライであり、これにより活性成分と任意の所望の追加成分との、前もって滅菌濾過した溶液から、活性成分と任意の所望の追加成分との粉末が得られる。
経口組成物は一般に、不活性希釈剤又は食用の薬学的に許容されるキャリアを含む。経口組成物はゼラチンカプセルに封入しても、あるいは錠剤に圧縮してもよい。経口治療投与の目的上、活性化合物を賦形剤と混合し、錠剤、トローチ剤又はカプセル剤の形態で使用してもよい。経口組成物はさらに、洗口剤として使用される液体キャリアを用いて調製してもよく、液体キャリア中の化合物は経口適用し、すすいで吐き出すか又は飲み込む。薬学的に適合する結合剤及び/又は補助剤を組成物の一部として含めてもよい。錠剤、丸剤、カプセル剤、トローチ剤及び同種のものは、性質の類似した以下の成分又は化合物:バインダー、例えば微結晶性セルロース、トラガントゴム又はゼラチン;賦形剤、例えばデンプン又はラクトース、崩壊剤、例えばアルギン酸、Primogel又はコーンスターチ;滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム又はSterotes;流動促進剤、例えばコロイド状二酸化ケイ素;甘味剤、例えばスクロース又はサッカリン;又は着香剤、例えばペパーミント、サリチル酸メチル又はオレンジ香味料のいずれかを含んでもよい。
吸入による投与では、化合物は、好適な噴射剤、例えば、二酸化炭素などのガスを含む加圧容器若しくはディスペンサー、又はネブライザーからエアロゾルスプレーの形態で送達される。
全身投与はまた、経粘膜又は経皮手段によるものでもよい。経粘膜又は経皮投与では、透過対象のバリアに適した浸透剤を製剤に使用する。こうした浸透剤は一般に当該技術分野において公知であり、例えば、経粘膜投与の場合、界面活性剤、胆汁酸塩及びフシジン酸誘導体が挙げられる。経粘膜投与は、鼻スプレー又は坐剤の使用により達成することができる。経皮投与では、活性化合物を一般に当該技術分野において公知の軟膏、膏薬、ゲル又はクリームに製剤する。
活性化合物は、化合物の身体からの急速な排除を防ぐ薬学的に許容されるキャリア、例えばインプラント及びマイクロカプセル化送達系などの放出制御製剤と共に調製してもよい。エチレン酢酸ビニル、ポリ酸無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル及びポリ乳酸などの生分解性生体適合性ポリマーを使用してもよい。こうした製剤を調製するための方法は、当業者に明らかであろう。こうした材料はさらに、Alza Corporation及びNova Pharmaceuticals,Inc.から市販品として入手することができる。リポソーム懸濁液(ウイルス抗原に対するモノクローナル抗体を用いて感染細胞を標的としたリポソームを含む)も、薬学的に許容されるキャリアとして使用することができる。これらは、例えば米国特許第4,522,811号明細書に記載されているような当業者に公知の方法に従い調製することができる。
投与のしやすさ及び投薬量の均一性のため、経口又は非経口組成物を投薬単位剤形で製剤化すると特に有利である。投薬単位剤形とは、本明細書で使用する場合、単位投薬量として処置対象の被検体に適した物理的に分離した単位をいい、各単位は、必要とされる薬学的キャリアと共に、所望の治療効果を発揮するように計算された所定量の活性化合物を含む。本開示の投薬単位剤形の規格は、活性化合物の特有の特徴及び達成されるべき個々の治療効果により決定され、それらに直接左右される。
治療用途のいくつかの実施形態では、本明細書に記載のEZH2阻害剤及び/又は免疫チェックポイント阻害剤、例えば式(I)〜(VIa)の化合物、タゼメトスタット、及び/又は免疫チェックポイント阻害剤を含む組成物、又は本開示に従って使用される医薬組成物の投与量は、選択された用量に影響を与える他の因子の中でも特に、使用される特定の薬剤、レシピエント患者の年齢、体重、及び臨床状態、並びに治療を施す臨床医又は施術者の経験及び判断によって変化する。一般に、活性成分の用量は、腫瘍の成長を遅延させ、好ましくは退縮させる、また好ましくは癌の完全な退縮をもたらすのに十分でなければならない。いくつかの実施形態では、用量は、約0.01mg/kg/日〜約5000mg/kg/日であり得る。好ましい態様では、用量は、約1mg/kg/日〜約1000mg/kg/日であり得る。一態様では、用量は、単一、分割、又は連続投与で約0.1mg/日〜約50g/日;約0.1mg/日〜約25g/日;約0.1mg/日〜約10g/日;約0.1mg〜約3g/日;又は約0.1mg〜約1g/日となる(この用量は、患者の体重(kg)、体の表面積(m2)、及び年齢で調整することができる)。さらなる適切な用量は、本明細書の他の部分で提供される。例えば、患者の腫瘍の退縮は、腫瘍の直径を基準にして測定することができる。腫瘍の直径の減少は退縮を示す。退縮は、処置を停止した後に腫瘍が再発しないことによっても示される。本明細書で使用される用語「有効な用量(dosage effective manner)」は、対象又は細胞において所望の生物学的効果をもたらす活性化合物の量を指す。
本明細書で使用する場合、「薬学的に許容される塩」は、親化合物がその酸性塩又は塩基性塩を作ることにより修飾された本開示の化合物の、例えば、本明細書に記載される小分子EZH2阻害剤の誘導体をいう。薬学的に許容される塩の、例えば、本明細書で提供されるEZH2阻害剤の例として、アミンなどの塩基性残基の鉱酸塩又は有機酸塩、カルボン酸などの酸性残基のアルカリ塩又は有機塩、及び同種のものがあるが、これに限定されるものではない。薬学的に許容される塩は、例えば、無毒性無機酸又は有機酸から形成された親化合物の従来の無毒性塩又は第四級アンモニウム塩を含む。例えば、そうした従来の無毒性塩として、2−アセトキシ安息香酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、酢酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、重炭酸、炭酸、クエン酸、エデト酸、エタンジスルホン酸、1,2−エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、グリコリアルサニル酸、ヘキシルレゾルシン酸、ヒドラバム酸、臭化水素酸、塩酸、ヨウ化水素酸、ヒドロキシマレイン酸、ヒドロキシナフトエ酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリルスルホン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ナプシル酸、硝酸、シュウ酸、パモ酸、パントテン酸、フェニル酢酸、リン酸、ポリガラクツロン酸、プロピオン酸、サリチル酸、ステアリン酸、サブ酢酸(subacetic)、コハク酸、スルファミン酸、スルファニル酸、硫酸、タンニン酸、酒石酸、トルエンスルホン酸及び一般に存在するアミン酸、例えば、グリシン、アラニン、フェニルアラニン、アルギニンなどから選択される無機酸及び有機酸から得られるものがあるが、これに限定されるものではない。
薬学的に許容される塩の他の例として、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、ピルビン酸、マロン酸、3−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、桂皮酸、4−クロロベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、4−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、4−メチルビシクロ−[2.2.2]−オクト−2−エン−1−カルボン酸、3−フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、第三級ブチル酢酸、ムコン酸及び同種のものが挙げられる。本開示はさらに、親化合物に存在する酸性プロトンが金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類イオン、又はアルミニウムイオンに置き換えられている場合、あるいは有機塩基、例えばエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N−メチルグルカミン及び同種のものと配位している場合に形成される塩を包含する。
薬学的に許容される塩への言及には全て、同じ塩の溶媒付加体(溶媒和物)が含まれることを理解すべきである。
本開示の組成物はさらに、エステル、例えば、薬学的に許容されるエステルとして調製してもよい。例えば、化合物のカルボン酸官能基をその対応するエステル、例えば、メチル、エチル又は他のエステルに変換してもよい。さらに、化合物のアルコール基をその対応するエステル、例えば、アセテート、プロピオネート又は他のエステルに変換してもよい。
本組成物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物は、経口、経鼻、経皮、経肺、吸入、口腔内、舌下、腹腔内(intraperintoneally)、皮下、筋肉内、静脈内、直腸内、胸膜内、腹腔内及び非経口で投与される。一部の実施形態では、化合物は経口投与される。当業者であれば、特定の投与経路の利点を認識するであろう。
化合物を利用する投与レジメンは、患者のタイプ、種、年齢、体重、性別及び医学的状態;処置対象の状態の重症度;投与経路;患者の腎機能及び肝機能;並びに利用される個々の化合物又はその塩など種々の因子に従い選択される。通常の知識を有する医師又は獣医師であれば、当該状態の進行を予防、防止又は停止するのに必要な薬剤の有効量を容易に判定し、処方することができる。
開示した本開示の化合物の製剤及び投与のための技術は、Remington:the Science and Practice of Pharmacy,19th edition,Mack Publishing Co.,Easton,PA(1995)で確認することができる。一部の実施形態では、本明細書に記載の化合物及びその薬学的に許容される塩は、薬学的に許容されるキャリア又は希釈薬と組み合わせて医薬調製物に使用される。好適な薬学的に許容されるキャリアとして、不活性な固体充填剤又は希釈薬、及び無菌水溶液又は有機溶液が挙げられる。本化合物は、本明細書に記載の範囲の所望の投薬量を与えるのに十分な量でそうした医薬組成物中に存在する。
本明細書に使用されるパーセンテージ及び比率は全て、他に記載がない限り、重量による。本発明の他の特徴と利点は様々な例から明らかである。提示した例は、本開示を実施する際に有用な様々な要素及び方法を説明するものである。こうした例は、特許請求の範囲に記載されている開示を限定するものではない。本開示に基づき、当業者であれば、本開示を実施するのに有用な他の要素及び方法を特定し、利用することができる。
いくつかの実施形態では、「それを必要とする対象」は、EZH2媒介性タンパク質メチル化が関与する障害を有する対象、又は全人口と比較してそのような障害を発症するリスクの高い対象である。いくつかの実施形態では、対象は、免疫系回避、例えば、免疫チェックポイントシグナル伝達を介した癌細胞の免疫系回避も関与する障害を有する。いくつかの実施形態では、それを必要とする対象は、増殖性疾患、例えば癌を有する。「対象」には哺乳動物が含まれる。哺乳動物は、例えば、あらゆる哺乳動物、例えば、ヒト、霊長類、鳥類、マウス、ラット、家禽、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ヤギ、ラクダ、ヒツジ、又はブタであり得る。好ましくは、哺乳動物はヒトである。
いくつかの実施形態では、対象は、癌若しくは前癌状態と診断されているか、その症状があるか、又はその発症リスクがあるヒト対象である。いくつかの実施形態では、対象は変異EZH2タンパク質を発現する。例えば、変異EZH2は1つ以上の変異を含み、この変異は、置換、点変異、ナンセンス変異、ミスセンス変異、欠失、又は挿入、又は本明細書に記載の任意の他のEZH2変異である。いくつかの実施形態では、対象は、野生型EZH2タンパク質を発現する。
それを必要とする対象は、難治性癌又は耐性癌を有し得る。「難治性癌又は耐性癌」とは、処置、例えば単独療法、例えば免疫チェックポイント阻害剤単独又はEZH2阻害剤単独での単独療法による処置に応答しない癌のことである。いくつかの実施形態では、癌は、その特定のタイプの癌のケア処置の基準に対して難治性又は耐性であり得る。癌は処置の初期に耐性である場合もあり、処置中に耐性になる場合もある。いくつかの実施形態では、それを必要とする被検体は、直近の療法による寛解後に癌が再発している。いくつかの実施形態では、それを必要とする被検体は、癌処置に有効な既知の療法を全て受けて無効であった。いくつかの実施形態では、それを必要とする被検体は少なくとも1つの従来療法を受けた。ある種の実施形態では、従来療法は単剤療法である。ある種の実施形態では、従来療法は併用療法である。
いくつかの実施形態では、それを必要とする被検体は、以前の療法の結果として二次癌を有してもよい。「二次癌」は、以前の発癌性療法、例えば化学療法によって、又はその結果として発生する癌を意味する。
被検体はまた、EZH2ヒストンメチルトランスフェラーゼ阻害剤又は他の任意の治療剤に対して耐性を示すこともある。
本明細書で使用する場合、「反応性」という用語は、「反応性のある」、「感受性である」及び「感受性」と同義であり、本開示の組成物を投与されたときに被検体が治療反応を示す、例えば、被検体の腫瘍細胞又は腫瘍組織がアポトーシス及び/若しくは壊死を起こし、且つ/又は成長、分裂若しくは増殖の低下を示すことを意味する。この用語はまた、被検体が、本開示の組成物を投与されたときに一般集団と比較して、治療反応を示す、例えば、被検体の腫瘍細胞又は腫瘍組織がアポトーシス及び/若しくは壊死を起こし、且つ/又は成長、分裂若しくは増殖の低下を示す確率が高くなること又は高いことを意味する。
用語「サンプル」は、被検体から得られた任意の生物学的サンプルを指し、以下に限定されるものではないが、細胞、組織サンプル、体液(粘液、血液、血漿、血清、尿、唾液及び精液があるが、これに限定されるものではない)、腫瘍細胞及び腫瘍組織がある。好ましくは、サンプルは、骨髄、末梢血細胞、血液、血漿及び血清から選択される。サンプルは、処置又は検査中の被検体から得てもよい。あるいはサンプルは、当該技術分野における通常の業務に従い医師が採取してもよい。
本明細書で使用する場合、「正常細胞」は、「細胞増殖障害」の一部として分類できない細胞である。正常細胞は、望ましくない状態又は疾患の発症をもたらし得る、制御不能な増殖又は異常増殖、又はその両方が見られない。好ましくは、正常細胞は、正常に機能する細胞周期チェックポイント制御機構を有する。
本明細書で使用する場合、「細胞を接触させること」は、化合物若しくは他の組成物が細胞と直接接触している、又は所望の生物学的効果を細胞に誘発するのに十分近い状態をいう。
本明細書で使用される「処置」又は「処置する」は、疾患、状態、又は障害に対処するための患者の管理及びケアを指し、EZH2阻害剤及び/又は免疫チェックポイント阻害剤を投与して、疾患、状態、若しくは障害の症状若しくは合併症を緩和する、又は疾患、状態、若しくは障害を取り除くことを含む。
癌
「癌細胞」又は「癌性細胞」は、癌である細胞増殖性障害を発現している細胞である。任意の再現可能な測定手段を用いて、癌細胞又は前癌性細胞を同定することができる。癌細胞又は前癌性細胞は、組織サンプル(例えば、生検標本)の組織学的分類又はグレード分類により同定してもよい。癌細胞又は前癌性細胞は、適切な分子マーカーの使用により同定してもよい。
本明細書で提供される戦略、処置様式、方法、組み合わせ、及び組成物に適した例示的な癌としては、限定されるものではないが、副腎皮質癌、AIDS関連癌、AIDS関連リンパ腫、肛門癌、肛門直腸癌、肛門管癌、虫垂癌、小児小脳星状細胞腫、小児大脳星状細胞腫、基底細胞癌、皮膚癌(非メラノーマ性)、胆道癌、肝外胆管癌、肝内胆管癌、膀胱癌、骨及び関節癌、骨肉腫及び悪性線維性組織球腫、脳癌、脳腫瘍、脳幹神経膠腫、小脳星状細胞腫、大脳星細胞腫/悪性神経膠腫、上衣腫、髄芽腫、テント上原始神経外胚葉性腫瘍、視覚路及び視床下部神経膠腫、乳癌、気管支腺腫/カルチノイド、カルチノイド腫瘍、胃腸、神経系癌、神経系リンパ腫、中枢神経系癌、中枢神経系リンパ腫、子宮頸癌、小児癌、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性骨髄増殖性障害、結腸癌、結腸直腸癌、皮膚T細胞リンパ腫、リンパ系腫瘍、菌状息肉腫、セザリー症候群、子宮内膜癌、食道癌、頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外胚細胞腫瘍、肝外胆管癌、眼癌、眼内黒色腫、網膜芽細胞腫、胆嚢癌、胃癌(gastric(stomach)cancer)、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍(GIST)、胚細胞腫瘍、卵巣胚細胞腫瘍、妊娠性絨毛性腫瘍神経膠腫、頭頸部癌、肝細胞(肝臓)癌、ホジキンリンパ腫、下咽頭癌、眼内黒色腫、眼癌、島細胞腫瘍(膵内分泌部)、カポジ肉腫、腎臓癌、腎癌、腎臓癌、喉頭癌、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、有毛細胞白血病、口唇及び口腔癌、肝癌、肺癌、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、AIDS関連リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、原発性中枢神経系リンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症、メラノーマ、眼内(眼)メラノーマ、メルケル細胞癌、悪性中皮腫、中皮腫、転移性頸部扁平上皮癌、口癌、舌癌、多発性内分泌腫瘍症候群、菌状息肉腫、骨髄異形成症候群、骨髄異形成/骨髄増殖性疾患、慢性骨髄性白血病、急性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、慢性骨髄増殖性障害、上咽頭癌、神経芽細胞腫、口腔癌、中咽頭癌、卵巣癌、上皮性卵巣癌、卵巣低悪性度腫瘍、卵巣明細胞腺癌、卵巣類内膜腺癌、漿液性卵巣腺癌、膵管腺癌、膵内分泌腫瘍、膵癌、島細胞膵癌、副鼻腔及び鼻腔癌、副甲状腺癌、陰茎癌、咽頭癌、褐色細胞腫、松果体芽腫及びテント上原始神経外胚葉性腫瘍、下垂体腫瘍、形質細胞腫瘍/多発性骨髄腫、胸膜肺芽腫、前立腺癌、直腸癌、腎盂及び尿管移行上皮癌、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺癌、ユーイング肉腫ファミリー腫瘍、カポジ肉腫、軟部組織肉腫、滑膜肉腫、子宮癌、子宮肉腫、皮膚癌(非メラノーマ性)、皮膚癌(メラノーマ)、メルケル皮膚癌、小腸癌、軟部組織肉腫、扁平上皮癌、胃癌(stomach(gastric)cancer)、テント上原始神経外胚葉性腫瘍、精巣癌、咽喉癌、胸腺腫、胸腺腫及び胸腺癌、甲状腺癌、腎盂及び尿管並びに他の泌尿器の移行上皮癌、妊娠性絨毛性腫瘍、尿道癌、子宮内膜子宮癌、子宮肉腫、子宮体部癌、腟癌、外陰癌、ウィルムス腫瘍、悪性ラブドイド腫瘍、星状細胞腫、非定型奇形腫様ラブドイド腫瘍、脈絡叢癌、脈絡叢乳頭腫、上衣細胞腫、グリア芽腫、髄膜腫、神経性腫瘍、乏突起星細胞腫、乏突起膠腫、癌肉腫、脊索腫、腎外ラブドイド腫瘍、神経鞘腫、皮膚扁平上皮細胞癌、軟骨肉腫、軟組織の明細胞肉腫、ユーイング肉腫、類上皮肉腫、腎髄質癌、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、及び不特定の(NOS)肉腫が挙げられる。
「血液系の細胞増殖性障害」は、血液系の細胞が関与する細胞増殖性疾患である。本明細書で提供される戦略、処置様式、方法、組み合わせ、及び組成物に適した血液系の細胞増殖性疾患としては、リンパ腫、白血病、骨髄性腫瘍、肥満細胞性腫瘍、骨髄異形成、良性単クローン性免疫グロブリン血症、リンパ腫様肉芽腫症、リンパ腫様丘疹症、真性赤血球増加症、慢性骨髄性白血病、原発性骨髄線維症、及び本態性血小板血症が挙げることができる。血液系の細胞増殖性障害としては、血液系の細胞の異常増殖、形成異常、及び化生を挙げることができる。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される戦略、処置様式、方法、組み合わせ、及び組成物を使用して、本開示の血液癌又は本開示の血液細胞増殖性疾患からなる群から選択される癌を処置する。本開示の血液癌として、多発性骨髄腫、リンパ腫(ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、小児期リンパ腫、並びにリンパ球及び皮膚由来のリンパ腫)、白血病(小児白血病、有毛細胞白血病、急性リンパ性白血病、急性骨髄球性白血病、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄球性白血病、慢性骨髄性白血病及びマスト細胞白血病を含む)、骨髄系新生物及びマスト細胞新生物を挙げることができる。
本明細書で提供される戦略、処置様式、方法、組み合わせ、及び組成物に適した「肺の細胞増殖性障害」としては、肺の細胞が関与する細胞増殖性障害が挙げられる。肺の細胞増殖性疾患としては、肺細胞に影響を与えるあらゆる形態の細胞増殖性疾患を挙げることができる。肺の細胞増殖性障害としては、肺癌、肺の前癌状態(precancer or precancerous condition)、肺の良性増殖又は病変、及び肺の悪性増殖又は病変、及び肺以外の体内の組織及び器官における転移性病変を挙げることができる。肺の細胞増殖性障害としては、肺の過形成、化生、及び異形成を挙げることができる。いくつかの実施形態において、本明細書で提供される戦略、処置様式、方法、組み合わせ、及び組成物を使用して、肺癌又は肺の細胞増殖性障害を処置する。肺癌は、あらゆる形態の肺の癌を含み得る。肺癌としては、悪性肺腫瘍、上皮内癌、典型的なカルチノイド腫瘍、及び非定型カルチノイド腫瘍が挙げることができる。肺癌としては、小細胞肺癌(「SCLC」)、非小細胞肺癌(「NSCLC」)、扁平上皮癌、腺癌、小細胞癌、大細胞癌、腺扁平上皮癌、及び中皮腫を挙げることができる。肺癌としては、「瘢痕癌」、細気管支肺胞癌、巨細胞癌、紡錘細胞癌、及び大細胞神経内分泌癌を挙げることができる。肺癌としては、組織学的及び超微細構造的な異質性(例えば、混合細胞型)を有する肺腫瘍を挙げることができる。
肺の細胞増殖性疾患としては、アスベスト誘発過形成、扁平上皮化生、及び良性反応性中皮化生も挙げることができる。肺の細胞増殖性障害として、アスベストによる過形成、扁平上皮化生及び良性反応性中皮化生を挙げることができる。肺の細胞増殖性障害として、円柱上皮が重層扁平上皮に置換された状態、及び粘膜異形成を挙げることができる。有害な環境化学物質、例えばタバコの煙及びアスベストを吸入した個体は、肺の細胞増殖性障害を発症するリスクが高い場合がある。個体に肺の細胞増殖性障害の発症を引き起こしやすい可能性がある既往の肺疾患として、慢性間質性肺疾患、壊死性肺疾患、強皮症、リウマチ様疾患、サルコイドーシス、間質性肺臓炎、結核、繰り返す肺炎、特発性肺線維症、肉芽腫、石綿肺、線維化肺胞炎及びホジキン病を挙げることができる。
「結腸の細胞増殖性障害」は、結腸の細胞が関与する細胞増殖性障害である。いくつかの実施形態では、結腸の細胞増殖性障害は結腸癌である。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される戦略、処置様式、方法、組み合わせ、及び組成物を使用して、結腸癌又は結腸の細胞増殖性障害を処置する。結腸癌として、結腸の癌の全ての型を挙げることができる。結腸癌として、散発性及び遺伝性結腸癌を挙げることができる。結腸癌として、悪性結腸新生物、上皮内癌、定型的カルチノイド腫瘍、及び非定型的カルチノイド腫瘍を挙げることができる。結腸癌として、腺癌、扁平上皮癌及び腺扁平上皮細胞癌を挙げることができる。結腸癌は、遺伝性非ポリポーシス結腸直腸癌、家族性大腸腺腫症、ガードナー症候群、ポイツ・ジェガース症候群、ターコット症候群及び若年性ポリポーシスからなる群から選択される遺伝性症候群と関連していてもよい。結腸癌は、遺伝性非ポリポーシス結腸直腸癌、家族性大腸腺腫症、ガードナー症候群、ポイツ・ジェガース症候群、ターコット症候群及び若年性ポリポーシスからなる群から選択される遺伝性症候群により引き起こされることがある。
結腸の細胞増殖性障害として、結腸細胞を侵す細胞増殖性障害の全ての型を挙げることができる。結腸の細胞増殖性障害として、結腸癌、結腸の前癌性状態、結腸の腺腫性ポリープ及び結腸の異時性病変を挙げることができる。結腸の細胞増殖性障害として腺腫を挙げることができる。結腸の細胞増殖性障害は、結腸の過形成、化生及び異形成を特徴としてもよい。個体に結腸の細胞増殖性障害の発症を引き起こしやすい可能性がある既往の結腸疾患として、既往の結腸癌を挙げることができる。個体に結腸の細胞増殖性障害の発症を引き起こしやすい可能性がある現在の疾患として、クローン病及び潰瘍性大腸炎を挙げることができる。結腸の細胞増殖性障害は、p53、ras、FAP及びDCCからなる群から選択される遺伝子の突然変異と関連していてもよい。個体は、p53、ras、FAP及びDCCからなる群から選択される遺伝子の突然変異の存在のため、結腸の細胞増殖性障害を発症するリスクが高い可能性がある。
「膵臓の細胞増殖性障害」は、膵臓の細胞に関係する細胞増殖性障害である。膵臓の細胞増殖性障害として、膵臓細胞を侵す細胞増殖性障害の全ての型を挙げることができる。膵臓の細胞増殖性障害として、膵臓癌、膵臓の前癌又は前癌性状態、膵臓の過形成、及び膵臓の異形成、膵臓の良性増殖又は病変、及び膵臓の悪性増殖又は病変、並びに膵臓以外の体内の組織及び臓器の転移病変を挙げることができる。膵癌は、膵臓の癌の全ての型を含む。膵癌として、導管腺癌、腺扁平上皮癌、多形巨細胞癌、粘液性腺癌、破骨細胞様巨細胞癌、粘液性嚢胞性癌、細葉細胞癌、分類不能大細胞癌、小細胞癌、膵芽腫、乳頭状新生物、粘液性嚢胞腺腫、乳頭状嚢胞性新生物、及び漿液性嚢胞腺腫を挙げることができる。膵癌はまた、組織化学的及び超徴形態学的多様性(例えば、混合細胞型)を有する膵臓の新生物を含んでもよい。
「前立腺の細胞増殖性障害」は、前立腺細胞に関係する細胞増殖性障害である。前立腺の細胞増殖性障害として、前立腺細胞を侵す細胞増殖性障害の全ての型を挙げることができる。前立腺の細胞増殖性障害として、前立腺癌、前立腺の前癌又は前癌性状態、前立腺の良性増殖又は病変、及び前立腺の悪性増殖又は病変、並びに前立腺以外の体内の組織及び臓器の転移病変を挙げることができる。前立腺の細胞増殖性障害として、前立腺の過形成、化生及び異形成を挙げることができる。
「皮膚の細胞増殖性障害」は、皮膚の細胞に関係する細胞増殖性障害である。皮膚の細胞増殖性障害として、皮膚細胞を侵す細胞増殖性障害の全ての型を挙げることができる。皮膚の細胞増殖性障害として、皮膚の前癌又は前癌性状態、皮膚の良性増殖又は病変、メラノーマ、悪性メラノーマ及び皮膚の他の悪性増殖又は病変、並びに皮膚以外の体内の組織及び臓器の転移病変を挙げることができる。皮膚の細胞増殖性障害として、皮膚の過形成、化生及び異形成を挙げることができる。
「卵巣の細胞増殖性障害」は、卵巣の細胞に関係する細胞増殖性障害である。卵巣の細胞増殖性障害として、卵巣の細胞を侵す細胞増殖性障害の全ての型を挙げることができる。卵巣の細胞増殖性障害として、卵巣の前癌又は前癌性状態、卵巣の良性増殖又は病変、卵巣癌、卵巣の悪性増殖又は病変、及び卵巣以外の体内の組織及び臓器の転移病変を挙げることができる。皮膚の細胞増殖性障害として、卵巣の細胞の過形成、化生及び異形成を挙げることができる。
「乳房の細胞増殖性障害」は、乳房の細胞に関係する細胞増殖性障害である。乳房の細胞増殖性障害として、乳房細胞を侵す細胞増殖性障害の全ての型を挙げることができる。乳房の細胞増殖性障害として、乳癌、乳房の前癌又は前癌性状態、乳房の良性増殖又は病変、及び乳房の悪性増殖又は病変、並びに乳房以外の体内の組織及び臓器の転移病変を挙げることができる。乳房の細胞増殖性障害として、乳房の過形成、化生及び異形成を挙げることができる。
乳房の細胞増殖性障害は、乳房の前癌状態であり得る。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される戦略、処置様式、方法、組み合わせ、及び組成物を使用して乳房の前癌状態を処置する。乳房の前癌性状態として、乳房の非定型的過形成、非浸潤性乳管癌(DCIS)、乳管内癌、非浸潤性小葉癌(LCIS)、小葉性新生物、及びステージ0若しくはグレード0の乳房の増殖又は病変(例えば、ステージ0若しくはグレード0の乳癌又は上皮内癌)を挙げることができる。乳房の前癌性状態は、American Joint Committee on Cancer(AJCC)により承認されたTNM分類スキームに従いステージ判定することができ、原発腫瘍(T)にはステージT0又はTisが割り当てられ;所属リンパ節(N)にはステージN0が割り当てられ;遠隔転移(M)にはステージM0が割り当てられている。
乳房の細胞増殖性障害は乳癌であってもよい。好ましくは、本開示の組成物は、乳癌を処置するのに使用してもよい。乳癌は、乳房の癌の全ての型を含む。乳癌として、原発性上皮乳癌を挙げることができる。乳癌として、乳房が他の腫瘍、例えばリンパ腫、肉腫又はメラノーマに罹患している癌を挙げることができる。乳癌として、乳房の癌腫、乳房の腺管癌、乳房の小葉癌、乳房の未分化癌、乳房の葉状嚢肉腫、乳房の血管肉腫及び乳房の原発性リンパ腫を挙げることができる。乳癌として、ステージI、II、IIIA、IIIB、IIIC及びIVの乳癌を挙げることができる。乳房の腺管癌として、浸潤癌、管内成分優位の浸潤性上皮内癌、炎症性乳癌、並びに面皰型、粘液(膠様)型、髄様、リンパ球浸潤を伴う髄様型、乳頭型、硬性型及び管状型からなる群から選択される組織学的型を有する乳房の腺管癌を挙げることができる。乳房の小葉癌として、in situ成分優位の浸潤性小葉癌、浸潤性(invasive)小葉癌、及び浸潤性(infiltrating)小葉癌を挙げることができる。乳癌として、パジェット病、乳管内癌を伴うパジェット病、及び浸潤性腺管癌を伴うパジェット病を挙げることができる。乳癌として、組織化学的及び超徴形態学的多様性(例えば、混合細胞型)を有する乳房新生物を挙げることができる。
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される戦略、処置様式、方法、組み合わせ、及び組成物を使用して乳癌を処置する。処置するべき乳癌としては、家族性乳癌を挙げることができる。処置できる乳癌として、散発性乳癌を挙げることができる。処置できる乳癌は、男性/雄被検体に発生してもよい。処置できる乳癌は、女性/雌被検体に発生してもよい。処置できる乳癌は、閉経前の女性/雌被検体に発生しても、あるいは閉経後の女性/雌被検体に発生してもよい。処置できる乳癌は、30歳以上の被検体に発生しても、あるいは30歳未満の被検体に発生してもよい。処置できる乳癌は、50歳以上の被検体又は50歳未満の被検体に発生している。処置できる乳癌は、70歳以上の被検体に発生しても、あるいは70歳未満の被検体に発生してもよい。
処置できる乳癌は、BRCA1、BRCA2又はp53の家族性突然変異又は自然突然変異を同定するため型別にしてもよい。処置できる乳癌は、HER2/neu遺伝子の増幅を有するもの、HER2/neuを過剰発現するもの、あるいは低レベル、中間レベル又は高レベルのHER2/neu発現を有するものとして型別にしてもよい。処置できる乳癌は、エストロゲン受容体(ER)、プロゲステロン受容体(PR)、ヒト上皮増殖因子受容体−2、Ki−67、CA15−3、CA 27−29及びc−Metからなる群から選択されるマーカーについて型別にしてもよい。処置できる乳癌は、ER不明、高ER又は低ERとして型別にしてもよい。処置できる乳癌は、ER陰性又はER陽性として型別にしてもよい。乳癌のER分類は、任意の再現可能な手段により行ってもよい。乳癌のER分類は、Onkologie 27:175−179(2004)に記載されているように行ってもよい。処置できる乳癌は、PR不明、高PR又は低PRとして型別にしてもよい。処置できる乳癌は、PR陰性又はPR陽性として型別にしてもよい。処置できる乳癌は、受容体陽性又は受容体陰性として型別にしてもよい。処置できる乳癌は、CA 15−3若しくはCA27−29又はその両方の血中レベルの上昇と関連するものとして型別にしてもよい。
処置できる乳癌として、乳房の局所腫瘍を挙げることができる。処置できる乳癌として、センチネルリンパ節(SLN)生検陰性と関連する乳房の腫瘍を挙げることができる。処置できる乳癌として、センチネルリンパ節(SLN)生検陽性と関連する乳房の腫瘍を挙げることができる。処置できる乳癌として、任意の適用可能な方法により腋窩リンパ節がステージ判定された、1つ又は複数の腋窩リンパ節陽性と関連する乳房の腫瘍を挙げることができる。処置できる乳癌として、リンパ節転移の陰性状態(例えば、リンパ節転移陰性)又はリンパ節転移の陽性状態(例えば、リンパ節転移陽性)を有するものとして型別にされた乳房の腫瘍を挙げることができる。処置できる乳癌として、体内の他の部位に転移した乳房の腫瘍を挙げることができる。処置できる乳癌は、骨、肺、肝臓又は脳からなる群から選択される部位に転移したものとして分類してもよい。処置できる乳癌は、転移性、限局性、局部性、局所局部性、局所進行性、遠隔性、多中心性、両側性、同側性、対側性、新規診断性、再発性及び手術不能性からなる群から選択される特徴に従い分類してもよい。
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される戦略、処置様式、方法、組み合わせ、及び組成物を使用して、全人口と比較して乳癌を発症するリスクの高い対象における、乳房の細胞増殖性障害を処置若しくは予防する、又は乳癌を処置若しくは予防する。一般集団と比較して乳癌を発症するリスクが高い被検体は、乳癌の家族歴又は個人歴がある女性/雌被検体である。一般集団と比較して乳癌を発症するリスクが高い被検体は、BRCA1若しくはBRCA2又はその両方に生殖系列突然変異又は自然突然変異を有する女性/雌被検体である。一般集団と比較して乳癌を発症するリスクが高い被検体は、乳癌の家族歴、及びBRCA1若しくはBRCA2又はその両方に生殖系列突然変異又は自然突然変異がある女性/雌被検体である。一般集団と比較して乳癌を発症するリスクが高い被検体は、30歳より高齢、40歳より高齢、50歳より高齢、60歳より高齢、70歳より高齢、80歳より高齢、又は90歳より高齢の女性/雌である。一般集団と比較して乳癌を発症するリスクが高い被検体は、乳房の非定型的過形成、非浸潤性乳管癌(DCIS)、乳管内癌、非浸潤性小葉癌(LCIS)、小葉性新生物、又はステージ0の乳房の増殖又は病変(例えば、ステージ0若しくはグレード0の乳癌又は上皮内癌)を有する被検体である。
処置できる乳癌は、Scarff−Bloom−Richardson方式に従い組織学的にグレード分けしてもよく、この場合、乳腺腫瘍には1、2又は3の有糸分裂数スコア;1、2又は3の核異型度スコア;1、2又は3の脈管形成スコア;及び3〜9のScarff−Bloom−Richardson総スコアが割り当てられる。処置できる乳癌には、グレード1、グレード1〜2、グレード2、グレード2〜3又はグレード3からなる群から選択される、International Consensus Panel on the Treatment of Breast Cancerによる腫瘍グレードが割り当てられていてもよい。
処置できる癌は、American Joint Committee on Cancer(AJCC)のTNM分類方式に従いステージ判定することができ、この場合、腫瘍(T)にはTX、T1、T1mic、T1a、T1b、T1c、T2、T3、T4、T4a、T4b、T4c又はT4dのステージが割り当てられており;所属リンパ節(N)にはNX、N0、N1、N2、N2a、N2b、N3、N3a、N3b又はN3cのステージが割り当てられており;遠隔転移(M)にはMX、M0又はM1のステージが割り当てられ得る。処置できる癌は、American Joint Committee on Cancer(AJCC)分類に従い、ステージI、ステージIIA、ステージIIB、ステージIIIA、ステージIIIB、ステージIIIC又はステージIVとステージ判定することができる。処置できる癌は、AJCC分類に従い、グレードGX(例えば、評価できないグレード)、グレード1、グレード2、グレード3又はグレード4のグレードを割り当ててもよい。処置できる癌は、AJCCの病理分類(pN)に従い、pNX、pN0、PN0(I−)、PN0(I+)、PN0(mol−)、PN0(mol+)、PN1、PN1(mi)、PN1a、PN1b、PN1c、pN2、pN2a、pN2b、pN3、pN3a、pN3b又はpN3cのステージに判定することができる。
処置できる癌として、直径が約2センチメートル以下であると判定された腫瘍を挙げることができる。処置できる癌として、直径が約2〜約5センチメートルであると判定された腫瘍を挙げることができる。処置できる癌として、直径が約3センチメートル以上であると判定された腫瘍を挙げることができる。処置できる癌として、直径が5センチメートル超であると判定された腫瘍を挙げることができる。処置できる癌は、顕微鏡所見によって高分化、中分化、低分化又は未分化として分類してもよい。処置できる癌は、顕微鏡所見により有糸分裂数(例えば、細胞分裂の量)又は核異型度(例えば、細胞の変化)に関して分類してもよい。処置できる癌は、顕微鏡所見により壊死領域(例えば、死につつある又は変性しつつある細胞領域)を伴うものとして分類してもよい。処置できる癌は、異常核型を有するもの、異常な数の染色体を有するもの、あるいは外見が異常な1つ又は複数の染色体を有するものと分類してもよい。処置できる癌は、異数体、三倍体、四倍体又は倍数性が変化したものとして分類してもよい。処置できる癌は、染色体転座、又は全染色体の欠失若しくは重複、又は一部の染色体の欠失、重複若しくは増幅の領域を有するものとして分類してもよい。
処置できる癌は、DNAサイトメトリー、フローサイトメトリー又はイメージサイトメトリーにより評価してもよい。処置できる癌は、細胞の10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%又は90%が細胞分裂の合成期(例えば、細胞分裂のS期)にあるものとして型別にしてもよい。処置できる癌は、S期割合が低い又はS期割合が高いものとして型別にしてもよい。
EZH2によって媒介されるエピジェネティックメチル化が関与する任意の他の疾患は、本明細書に記載の組成物及び方法を用いて処置可能又は予防可能であり得る。
癌の処置は、腫瘍のサイズの縮小をもたらし得る。腫瘍サイズの縮小は、「腫瘍退縮」とも呼ばれることがある。好ましくは、本明細書で提供される戦略、処置様式、方法、組み合わせ、及び組成物での処置後、腫瘍サイズが、処置前のサイズに対して5%以上減少し;より好ましくは腫瘍サイズが10%以上減少し;より好ましくは20%以上減少し;より好ましくは30%以上減少し;より好ましくは40%以上減少し;より一層好ましくは50%以上減少し;最も好ましくは75%以上減少する。腫瘍サイズは、任意の再現可能な測定手段によって測定することができる。腫瘍サイズは、腫瘍の直径として測定することができる。
癌の処置は、腫瘍体積の減少をもたらし得る。好ましくは、本明細書で提供される戦略、処置様式、方法、組み合わせ、及び組成物での処置後、腫瘍体積は、処置前のサイズに対して5%以上減少し;より好ましくは腫瘍容積が10%以上減少し;より好ましくは20%以上減少し;より好ましくは30%以上減少し;より好ましくは40%以上減少し;より一層好ましくは50%以上減少し;最も好ましくは75%以上減少する。腫瘍体積は、任意の再現可能な測定手段によって測定することができる。
いくつかの実施形態では、癌の処置は、腫瘍の数の減少をもたらす。好ましくは、本明細書で提供される戦略、処置様式、方法、組み合わせ、及び組成物での処置後、腫瘍数は、処置前の数に対して5%以上減少し;より好ましくは腫瘍数が10%以上減少し;より好ましくは20%以上減少し;より好ましくは30%以上減少し;より好ましくは40%以上減少し;より一層好ましくは50%以上減少し;最も好ましくは、75%を超えて減少する。腫瘍の数は、任意の再現可能な測定手段によって測定することができる。腫瘍の数は、肉眼又は指定倍率で見える腫瘍を計数することによって測定することができる。好ましくは、指定倍率は、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、又は50倍である。
癌の処置は、原発腫瘍部位から離れた他の組織又は器官における転移病変の数の減少をもたらし得る。好ましくは、本明細書で提供される戦略、処置様式、方法、組み合わせ、及び組成物での処置後、転移病変の数は、処置前の数に対して5%以上減少し;より好ましくは転移病変の数が10%以上減少し;より好ましくは20%以上減少し;より好ましくは30%以上減少し;より好ましくは40%以上減少し;より一層好ましくは50%以上減少し;最も好ましくは、75%を超えて減少する。転移病変の数は、任意の再現可能な測定手段によって測定することができる。転移病変の数は、肉眼又は指定倍率で見える転移病変を計数することによって測定することができる。好ましくは、指定倍率は、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、又は50倍である。
癌の処置は、キャリア単独で投与される集団と比較して、処置された対象の集団の平均生存期間の延長をもたらし得る。好ましくは、本明細書で提供される戦略、処置様式、方法、組み合わせ、及び組成物での処置後、平均生存期間は、30日を超えて延長され;より好ましくは60日を超えて延長され;より好ましくは90日を超えて延長され;最も好ましくは120日を超えて延長される。集団の平均生存期間の延長は、任意の再現可能な手段によって測定することができる。集団の平均生存期間の延長は、例えば、活性化合物での治療の開始後の集団の平均生存期間を計算することによって測定することができる。集団の平均生存期間の延長はまた、例えば、活性化合物での1回目の処置の完了後の集団の平均生存期間を計算することによって測定することができる。
癌の処置は、未処置の対象の集団と比較して、処置された対象の集団の平均生存期間の延長をもたらし得る。好ましくは、本明細書で提供される戦略、処置様式、方法、組み合わせ、及び組成物での処置後、平均生存期間は、30日を超えて延長され;より好ましくは60日を超えて延長され;より好ましくは90日を超えて延長され;最も好ましくは120日を超えて延長される。集団の平均生存期間の延長は、任意の再現可能な手段によって測定することができる。集団の平均生存期間の延長は、例えば、活性化合物での処置の開始後の集団の平均生存期間を計算することによって測定することができる。集団の平均生存期間の延長はまた、例えば、活性化合物での1回目の処置の完了後の集団の平均生存期間を計算することによっても測定することができる。
癌の処置は、本開示の化合物ではない薬物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、類似体、若しくは誘導体による単独療法を受けている集団と比較して、処置された対象の集団の平均生存期間の延長をもたらし得る。好ましくは、本明細書で提供される戦略、処置様式、方法、組み合わせ、及び組成物での処置後、平均生存期間は、30日を超えて延長され;より好ましくは60日を超えて延長され;より好ましくは90日を超えて延長され;最も好ましくは120日を超えて延長される。集団の平均生存期間の延長は、任意の再現可能な手段により測定することができる。集団の平均生存期間の延長は、例えば、集団について活性化合物による処置の開始後の平均生存期間を計算することにより測定してもよい。集団の平均生存期間の延長はまた、例えば、集団について活性化合物による初回処置の終了後の平均生存期間を計算することにより測定してもよい。
癌を処置すると、処置した被検体の集団の死亡率がキャリアを単独投与した集団と比較して低下することがある。癌を処置すると、処置した被検体の集団の死亡率が未処置集団と比較して低下することがある。癌を処置すると、処置した被検体の集団の死亡率が、本開示の化合物、又はその薬学的に許容される塩溶媒和物、アナログ若しくは誘導体ではない薬剤による単独療法を受けた集団と比較して低下することがある。好ましくは、本明細書で提供される戦略、処置様式、方法、組み合わせ、及び組成物での処置後、死亡率は、2%を超えて低下し;より好ましくは5%を超えて低下し;より好ましくは10%を超えて低下し;最も好ましくは、25%を超えて低下する。処置した被検体の集団の死亡率の低下は、任意の再現可能な手段により測定することができる。集団の死亡率の低下は、例えば、集団について活性化合物による処置の開始後の単位時間当たりの疾患関連死亡の平均数を計算することにより測定してもよい。集団の死亡率の低下はまた、例えば、集団について活性化合物による初回処置の終了後の単位時間当たりの疾患関連死亡の平均数を計算することにより測定してもよい。
癌の処置は、腫瘍成長速度の低下をもたらし得る。好ましくは、本明細書で提供される戦略、処置様式、方法、組み合わせ、及び組成物での処置後、腫瘍成長速度は、処置前の数に対して少なくとも5%低下し;より好ましくは腫瘍成長速度は、少なくとも10%低下し;より好ましくは少なくとも20%低下し;より好ましくは少なくとも30%低下し;より好ましくは少なくとも40%低下し;より好ましくは少なくとも50%低下し;より一層好ましくは少なくとも50%低下し;最も好ましくは少なくとも75%低下する。腫瘍成長速度は、任意の再現可能な測定手段によって測定することができる。腫瘍成長速度は、単位時間当たりの腫瘍直径の変化に従って測定することができる。
癌の処置は、腫瘍の再増殖の減少をもたらし得る。好ましくは、本明細書で提供される戦略、処置様式、方法、組み合わせ、及び組成物での処置後、腫瘍再増殖は5%未満であり;より好ましくは腫瘍再増殖は、10%未満であり;より好ましくは20%未満であり;より好ましくは30%未満であり;より好ましくは40%未満であり;より好ましくは50%未満であり;より一層好ましくは50%未満であり;最も好ましくは75%未満である。腫瘍再増殖は、任意の再現可能な測定手段によって測定することができる。腫瘍再増殖は、例えば、処置後の以前の腫瘍収縮後の腫瘍の直径の増加を測定することによって測定される。腫瘍再増殖の減少は、処置が停止された後に腫瘍が再発しないことによって示される。
細胞増殖性障害の処置又は予防は、細胞増殖の速度の低下をもたらし得る。好ましくは、本明細書で提供される戦略、処置様式、方法、組み合わせ、及び組成物での処置後、細胞増殖の速度は、少なくとも5%低下し;より好ましくは少なくとも10%低下し;より好ましくは少なくとも20%低下し;より好ましくは少なくとも30%低下し;より好ましくは少なくとも40%低下し;より好ましくは少なくとも50%低下し;より一層好ましくは少なくとも50%低下し;最も好ましくは、少なくとも75%低下する。細胞増殖の速度は、任意の再現可能な測定手段によって測定することができる。細胞増殖の速度は、例えば、単位時間当たりの組織サンプル中の分裂細胞の数を測定することによって測定される。
細胞増殖性障害の処置又は予防は、増殖細胞の割合の減少をもたらし得る。好ましくは、本明細書で提供される戦略、処置様式、方法、組み合わせ、及び組成物での処置後、増殖細胞の割合は、少なくとも5%減少し;より好ましくは少なくとも10%減少し;より好ましくは少なくとも20%減少し;より好ましくは少なくとも30%減少し;より好ましくは少なくとも40%減少し;より好ましくは少なくとも50%減少し;より一層好ましくは少なくとも50%減少し;最も好ましくは少なくとも75%減少する。増殖細胞の割合は、任意の再現可能な測定手段によって測定することができる。好ましくは、増殖細胞の割合は、例えば、組織試料中の非分裂細胞の数に対する分裂細胞の数を数値化することによって測定される。増殖細胞の割合は、有糸分裂指数と同等であり得る。
細胞増殖性障害の処置又は予防は、細胞増殖の領域又はゾーンのサイズの減少をもたらし得る。好ましくは、本明細書で提供される戦略、処置様式、方法、組み合わせ、及び組成物での処置後、細胞増殖の領域又はゾーンのサイズは、処置前のサイズに対して少なくとも5%減少し;より好ましくは少なくとも10%減少し;より好ましくは少なくとも20%減少し;より好ましくは少なくとも30%減少し;より好ましくは少なくとも40%減少し;より好ましくは少なくとも50%減少し;より一層好ましくは少なくとも50%減少し;最も好ましくは少なくとも75%減少する。細胞増殖の領域又はゾーンのサイズは、任意の再現可能な測定手段によって測定することができる。細胞増殖の領域又はゾーンのサイズは、細胞増殖の領域又はゾーンの直径又は幅として測定することができる。
細胞増殖性障害の処置又は予防は、異常な外観又は形態を有する細胞の数又は割合の減少をもたらし得る。好ましくは、本明細書で提供される戦略、処置様式、方法、組み合わせ、及び組成物での処置後、異常な形態を有する細胞の数は、処置前のサイズに対して少なくとも5%減少し;より好ましくは少なくとも10%減少し;より好ましくは少なくとも20%減少し;より好ましくは少なくとも30%減少し;より好ましくは少なくとも40%減少し;より好ましくは少なくとも50%減少し;より一層好ましくは少なくとも50%減少し;最も好ましくは少なくとも75%減少する。異常な細胞外観又は形態は、任意の再現可能な測定手段により測定することができる。異常な細胞形態は、例えば倒立型培養顕微鏡を用いて顕微鏡観察により測定してもよい。異常な細胞形態は、核異型の形をとることがある。
本明細書で使用する場合、「選択的に」という用語は、ある集団において別の集団より高頻度で起こる傾向があることを意味する。比較される集団は細胞集団であってもよい。好ましくは、本開示の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物は、癌又は前癌性細胞に選択的に作用するが、正常な細胞には作用しない。好ましくは、本開示の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物は、ある分子標的(例えば、標的タンパク質メチルトランスフェラーゼ)を調節するが、別の分子標的(例えば、非標的タンパク質メチルトランスフェラーゼ)をあまり調節しないように選択的に作用する。本開示はまた、酵素、例えばタンパク質メチルトランスフェラーゼの活性を選択的に阻害するための方法を提供する。好ましくは、あるイベントが集団Bと比較して集団Aで2倍を超える高い頻度で起こる場合、そのイベントは、集団Bに対して集団Aにおいて選択的に起こる。あるイベントが集団Aで5倍を超える高い頻度で起こる場合、そのイベントは選択的に起こる。あるイベントが集団Bと比較して集団Aで10倍を超える高い頻度で;一層好ましくは50倍を超える;なお一層好ましくは100倍を超える;最も好ましくは1000倍を超える高い頻度で、集団Aで起こる場合、そのイベントは選択的に起こる。例えば、細胞死は、正常な細胞と比較して癌細胞で2倍を超える頻度で起こる場合、癌細胞で選択的に起こるといえると考えられる。
本開示の組成物、例えば、本開示のEZH2阻害剤を含む組成物は、分子標的(例えば、標的タンパク質メチルトランスフェラーゼ)の活性を調節することができる。本開示の組成物、例えば、本開示の免疫チェックポイント阻害剤を含む組成物は、分子標的(例えば、免疫細胞又はその前駆細胞のチェックポイントタンパク質)の活性を調節することができる。調節とは、分子標的の活性を刺激又は阻害することをいう。好ましくは、本開示の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が、前記化合物が存在しないこと以外は同じ条件下の分子標的の活性と比較して、分子標的の活性を少なくとも2倍刺激又は阻害する場合、この組成物は分子標的の活性を調節する。一層好ましくは、本開示の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が、前記化合物が存在しないこと以外は同じ条件下の分子標的の活性と比較して、分子標的の活性を少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍刺激又は阻害する場合、この組成物は分子標的の活性を調節する。分子標的の活性は、任意の再現可能な手段により測定することができる。分子標的の活性は、インビトロで測定してもインビボで測定してもよい。例えば、分子標的の活性は、酵素活性アッセイ又はDNA結合アッセイによりインビトロで測定してもよいし、又は分子標的の活性は、レポーター遺伝子の発現をアッセイすることによりインビボで測定してもよい。
本開示の組成物は、化合物を添加しても、前記化合物が存在しないこと以外は同じ条件下の分子標的の活性と比較して、分子標的の活性を10%より多く刺激又は阻害しない場合、分子標的の活性をあまり調節しない。
本明細書で使用する場合、「アイソザイム選択的」という用語は、酵素の第2のアイソフォームと比較した際の酵素の第1のアイソフォームの優先的な阻害又は刺激(例えば、タンパク質メチルトランスフェラーゼアイソザイムβと比較した際のタンパク質メチルトランスフェラーゼアイソザイムαの優先的な阻害又は刺激)を意味する。好ましくは、本開示の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物は、生物学的作用を得るのに必要な投薬量で最低4倍の差、好ましくは10倍の差、一層好ましくは50倍の差を示す。好ましくは、本開示の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物は、阻害の範囲全域にわたってこの差を示し、この差は、IC50、すなわち、目的の分子標的の50%阻害で例示される。
本開示の化合物、例えば、EZH2阻害剤と、1つ又は複数の他の治療剤とを含む組成物を、細胞又はそれを必要とする被検体に投与すると、細胞内の標的(例えば、基質)の活性が調節(すなわち、刺激又は阻害)される。本開示の化合物を用いて、以下に限定されるものではないが、タンパク質メチルトラスフェラーゼ(methyltrasferase)など、いくつかの細胞内標的を調節することができる。
癌又は細胞増殖性障害を処置すると、細胞死が起こることがあり、好ましくは細胞死により、ある集団で細胞の数が少なくとも10%減少する。一層好ましくは、細胞死は、少なくとも20%の減少;一層好ましくは少なくとも30%の減少;一層好ましくは少なくとも40%の減少;一層好ましくは少なくとも50%の減少;最も好ましくは少なくとも75%の減少を意味する。集団における細胞数は、任意の再現可能な手段により測定することができる。集団における細胞数は、蛍光活性化セルソーター(FACS)、免疫蛍光顕微鏡及び光学顕微鏡により測定してもよい。細胞死を測定する方法は、Li et al.,Proc Natl Acad Sci U S A.100(5):2674−8,2003に示される通りである。一態様では、細胞死はアポトーシスにより起こる。
好ましくは、本明細書で提供される戦略、処置様式、方法、組み合わせ、及び組成物は、正常細胞に対して有意に細胞毒性ではない。治療有効量のEZH2阻害剤及び/又は免疫チェックポイント阻害剤は、治療有効量での化合物の投与が正常細胞の10%を超えて細胞死を誘導しない場合は、正常細胞に対して有意に細胞毒性ではない。治療有効量のEZH2阻害剤及び/又は免疫チェックポイント阻害剤は、治療有効量での化合物の投与が正常細胞の10%を超えて細胞死を誘導しない場合は、正常細胞の生存率に有意に影響を与えない。いくつかの実施形態では、細胞死はアポトーシスによって起こる。
細胞をEZH2阻害剤及び/又は免疫チェックポイント阻害剤と接触させることにより、癌細胞における細胞死を選択的に誘導する又は活性化することができる。それを必要とする対象にEZH2阻害剤及び/又は免疫チェックポイント阻害剤を投与することにより、癌細胞における細胞死を選択的に誘導する又は活性化することができる。細胞をEZH2阻害剤及び/又は免疫チェックポイント阻害剤と接触させることにより、細胞増殖性障害の影響を受けた1つ以上の細胞に細胞死を選択的に誘導することができる。好ましくは、それを必要とする対象にEZH2阻害剤及び/又は免疫チェックポイント阻害剤を投与することにより、細胞増殖性障害の影響を受けた1つ以上の細胞に細胞死を選択的に誘導する。
いくつかの態様では、本開示は、それを必要とする対象にEZH2阻害剤及び/又は免疫チェックポイント阻害剤を投与することによって癌を処置又は予防する方法に関し、この投与により、以下の1つ以上が生じる:細胞周期の1つ以上の段階(例えば、G1、G1/S、G2/M)における細胞の蓄積、又は細胞老化の誘発、又は腫瘍細胞分化の促進による癌細胞増殖の防止;細胞毒性、壊死、又はアポトーシスによる、正常細胞における有意な数の細胞死を伴わない、癌細胞における細胞死の促進、治療指数が少なくとも2である動物における抗腫瘍活性。本明細書で使用する場合、「治療係数」とは最大耐量を有効用量で除した値である。
当業者は、本明細書で考察した公知の技術又は等価な技術の詳細な説明に関する一般的な参考図書を参照してもよい。そうした図書として、Ausubel et al.,Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley and Sons,Inc.(2005);Sambrook et al.,Molecular Cloning,A Laboratory Manual(3rd edition),Cold Spring Harbor Press,Cold Spring Harbor,New York(2000);Coligan et al.,Current Protocols in Immunology,John Wiley & Sons,N.Y.;Enna et al.,Current Protocols in Pharmacology,John Wiley & Sons,N.Y.;Fingl et al.,The Pharmacological Basis of Therapeutics(1975),Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Co.,Easton,PA,18th edition(1990)が挙げられる。さらにこれらの図書は、本開示の態様の製造又は使用の際に参照してもよいことは、言うまでもない。
本明細書に引用する刊行物及び特許文書は全て、そうした刊行物又は文書を本明細書に援用するために具体的に個々に示しているかのように本明細書に援用する。刊行物及び特許文書の引用は、いずれかが適当な従来技術であること認めることを意図するものではなく、その内容又は日付について何ら承認することにならない。これまで本発明を書面による記載により説明してきたが、当業者であれば、本発明を種々の実施形態で実施することができること、及び前述の記載及び下記の例は説明を目的としたものであり、以下の特許請求の範囲の限定を目的としたものでないことを認識するであろう。
本開示は、その精神又は本質的な特徴を逸脱することなく他の特定の形態で実施することができる。したがって前述の実施形態は、あらゆる点で本明細書に記載の本発明に関する限定ではなく、例示と見なすべきである。このため本発明の範囲は、明細書本文ではなく添付の特許請求の範囲により示され、特許請求の範囲の均等範囲に属する全ての変更を全てその範囲内に包含することを意図している。
実施例1:EZH2阻害後のPD−L1の上方制御
類上皮肉腫と診断された対象の左上腕からの組織サンプルを、タゼメトスタットの投与前及び25週間の処置後に採取した。タゼメトスタットは、1日2回用量800mgずつの1600mgで経口投与した。サンプルを、PD−L1(図1A及び図1B)、CD4(図2A及び図2B)、及びCD8(図3A及び図3B)について染色した。データは、一部の腫瘍がタゼメトスタットによる処置後に上方制御されたPD−L1を示し、そのような腫瘍がT細胞マーカーCD4及びCD8に対して陽性であることを示している。具体的には、投与前及び投与後の組織サンプルの両方で、CD4+細胞が全細胞型の約2%を占めることが分かった。CD4+組織球様細胞は、タゼメトスタットで処理すると、投与前サンプルの細胞型の約20%から約5%に減少した。CD8+免疫細胞は、投与前サンプルの全細胞型の約5%から投与後サンプルの全細胞型の約30%に増加した。
別の実験では、腎髄質癌と診断された対象からのサンプルを、タゼメトスタットの投与前及び処置の8週間後に採取した。タゼメトスタットは、1日2回用量800mgずつの1600mgで経口投与した。サンプルを、PD−L1(図4A及び図4B)及びCD8(図5A及び図5B)について染色した。
データは、これらの腫瘍は、腫瘍に存在するT細胞によって媒介される免疫応答について初回抗原刺激されるが、免疫応答は腫瘍におけるPD−L1の発現の増加によって抑制される可能性が高いことを示す。これは、そのような腫瘍がEZH2阻害とPD−1/PD−L1阻害との組み合わせによって処置可能であることを示唆している。理論に拘束されることを望むものではないが、そのような処置は、腫瘍におけるT細胞の抑制を解除し、腫瘍組織に対する免疫応答を解放する。
第1相臨床試験では、タゼメトスタットは、難治性B細胞非ホジキンリンパ腫、及び類上皮肉腫を含む進行固形腫瘍の患者において抗腫瘍活性を示した。処置時腫瘍標本の組織学的評価は、ベースラインにも疾患進行時に採取された後の標本にも存在しない強力な免疫浸潤物の存在を示した。さらに、4週間のタゼメトスタット処置後に得られた腫瘍サンプルでは、免疫細胞でのPD−L1の適度な発現が観察された。(参照によりその全内容が本明細書に組み入れられる、Italiano et al. (2018) The Lancet Oncology 19(5) 649−659を参照)。
実施例2:併用処置
軟部組織肉腫と診断され、タゼメトスタットにより処置された患者を、処置の20週間後に生検する。処置後の評価で腫瘍に存在する細胞の50%超でPD−L1の発現を示す腫瘍に基づいて、患者を、1日2回800mgの経口用量のタゼメトスタットと腫瘍が後退するまでの3週間ごとの60分にわたる静脈内注入としての1200mgの用量のアテゾリズマブ(TECENTRIQ(商標))との組み合わせで処置する。
軟部組織肉腫と診断され、タゼメトスタットにより処置された第2の患者を、処置の25週間後に生検する。腫瘍に存在する細胞の80%超でPD−L1の発現を示す腫瘍と、処置後の生検でCD4+及びCD8+の両方の細胞の存在とに基づいて、患者を、1日2回800mgの経口用量のタゼメトスタットと3週間ごとの30分にわたる静脈内注入としての2mg/kgの用量のペンブロリズマブ(KEYTRUDA(商標))との組み合わせで処置する。