JP2021020002A - 薬液注入装置および薬液注入システム - Google Patents

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Abstract

【課題】プライミングに必要な時間のうち収容室に薬液を収容する時間をロックアウトタイムよりも短縮することができる薬液供給器を提供する。【解決手段】薬液注入装置10は、吐出部60から吐出された薬液を収容する収容室11と、吐出部60と収容室11との間に並列に設けられ、それぞれ吐出部60から収容室11に薬液を導入する、第1の導入通路12およびこれより流路抵抗の小さい第2の導入通路13と、収容室11から薬液を患者側へ導くための導出通路14と、通路12〜14の開閉をそれぞれ切り換え可能な第1〜第3の切換弁15〜17と、第3の切換弁17のみ開放位置である導出状態と、第1の切換弁15のみ開放位置である通常導入状態と、第2の切換弁16が開放位置、第3の切換弁17が閉鎖位置である高速導入状態の各状態を切り換え可能となるように切換弁15〜17の開閉を連動させるための切換弁連動機構20と、を備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、薬液注入装置および薬液注入システムに関する。
疼痛を有する患者の疼痛管理法として、患者が薬液を自身に注入し、疼痛を管理するPCA(Patient Controlled Analgesia)と呼ばれる方法がある。従来、PCAに用いられる薬液注入装置として、薬液供給器から吐出された所定量の薬液を収容するとともに、使用者(患者)の操作に応じて当該所定量の薬液を導出するように構成された薬液注入装置が知られている。
例えば特許文献1に開示されている薬液注入装置は、薬液の流量を調整するための調整部を介して薬液供給器(吐出部)から吐出された薬液を収容可能に構成された収容室と、収容室の拡張に伴い付勢力を蓄えつつ弾性変形可能な付勢手段と、収容室から導出された薬液を患者側へ導くための導出通路と、導出通路による薬液の導出を阻止するための閉鎖位置と導出通路による薬液の導出を許容する開放位置との間で切換可能な切換弁と、を備えている。収容室内に所定量の薬液が収容された状態で、使用者の操作を受けて切換弁が開放位置に切り換えられることにより、付勢手段に蓄えられた付勢力によって収容室を縮小させて収容室内に収容された薬液が導出される。
特許文献1に記載の注入用具によれば、付勢手段によって蓄えられた付勢力によって収容室を縮小させて縮小室内に収容された薬液を導出させることができるため、薬液注入のために使用者に要求される力を軽減することができる。
特開2011−160886号公報
特許文献1に記載の薬液注入装置を初めて使用する際には、プライミングと呼ばれる、空の収容室に所定量の薬液を収容し、導出通路に薬液を満たす工程が必要である。
ここで、この薬液注入装置では、薬液供給器から吐出された薬液は、薬液の流量を調整するための調整部を介して収容室に収容される。当該調整部は、使用者が連続して所定量の薬液を導出できないように、収容室から薬液が導出されてから所定量の薬液が収容されるまで一定の時間(ロックアウトタイム)を要するように薬液の流量を調整するために設けられている。そのため、プライミングには、長い時間が必要であった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、プライミングに必要な時間を短縮することができる薬液供給器を提供することを目的とする。
本発明者らは、種々検討した結果、上記目的は、以下の発明により達成されることを見出した。
本発明の一局面に係る薬液注入装置は、加圧された薬液を吐出可能な吐出部に接続され、前記吐出部から吐出された所定量の前記薬液を収容するとともに、使用者の操作に応じて前記収容された所定量の薬液を導出するように構成された薬液注入装置であって、前記薬液を収容可能であり、前記薬液の収容量が増加するに従って拡張する一方、縮小させることによって収容された前記薬液を導出可能な収容室と、前記吐出部と前記収容室との間に並列に設けられ、それぞれ前記吐出部から前記収容室に前記薬液を導入する、所定の流路抵抗を有する第1の導入通路および前記第1の導入通路よりも流路抵抗の小さい第2の導入通路と、前記収容室から導出された薬液を患者側へ導くための導出通路と、前記第1の導入通路を通じた前記薬液の導入を阻止する閉鎖位置と、前記第1の導入通路を通じた前記薬液の導入を許容する開放位置との間で切り換え可能な第1の切換弁と、前記第2の導入通路を通じた前記薬液の導入を阻止する閉鎖位置と、前記第2の導入通路を通じた前記薬液の導入を許容する開放位置との間で切り換え可能な第2の切換弁と、前記導出通路を通じた前記薬液の導出を阻止する閉鎖位置と、前記導出通路を通じた前記薬液の導出を許容する開放位置との間で切り換え可能な第3の切換弁と、前記収容室の拡張に応じて力を蓄え、前記第3の切換弁を開放することにより前記蓄えた力によって前記収容室を縮小させることが可能な縮小手段と、前記第1の切換弁および前記第2の切換弁が前記閉鎖位置であり且つ前記第3の切換弁が前記開放位置である導出状態と、前記第1の切換弁が前記開放位置であり且つ前記第2の切換弁および前記第3の切換弁が前記閉鎖位置である通常導入状態と、前記第1の切換弁および前記第2の切換弁のうち少なくとも前記第2の切換弁が前記開放位置であり且つ前記第3の切換弁が前記閉鎖位置である高速導入状態と、の各状態を切り換え可能となるように前記第1の切換弁、前記第2の切換弁および前記第3の切換弁の前記閉鎖位置と前記開放位置との間の切り換えを連動させるための切換弁連動機構と、を備えている。
上記の薬液注入装置では、所定の流路抵抗を有する第1の導入通路および導出通路に加えて、第1の導入通路よりも流路抵抗の小さい第2の導入通路を設け、第1、第2の導入通路および導出通路の開閉をそれぞれ切り換える第1の切換弁、第2の切換弁および第3の切換弁を設けている。そのため、第1の切換弁のみが開放状態である通常導入状態として第1の導入通路のみを用いて薬液を導入することでロックアウトタイムを要して収容室に所定量の薬液を収容することができるだけでなく、第2の切換弁が開放状態である高速導入状態として第2の導入通路を用いて薬液を導入することにより、収容室に所定量の薬液を収容する時間を短縮することができる。また、第3の切換弁のみが開放状態である導出状態とすることにより収容室から薬液を導出することができる。
さらに、上記の薬液注入装置では、切換弁連動機構により第1の切換弁、第2の切換弁および第3の切換弁の開閉の切り換えを連動させることができる。そのため、第1の切換弁、第2の切換弁および第3の切換弁を通常導入状態と高速導入状態と導出状態との間で切り換える場合、それぞれの切換弁を独立して開閉操作する必要がない。
上記の薬液注入装置において、前記切換弁連動機構は、前記第1の切換弁、前記第2の切換弁および前記第3の切換弁の前記高速導入状態から前記導出状態への切り換え、および前記導出状態と前記通常導入状態との間の双方向の切り換えを許容し、前記導出状態または前記通常導入状態から前記高速導入状態への切り換えを禁止するように構成されていてもよい。
この態様では、一旦高速導入状態から導出状態へ切り換えた後は、高速導入状態への切り換えは禁止され、導出状態と通常導入状態との間の双方向の切り換えのみが可能となるため、ロックアウトタイムをかけずに収容室に所定量の薬液が収容されるのを抑制することができる。
上記の薬液注入装置において、前記切換弁連動機構は、前記第1の切換弁、前記第2の切換弁および前記第3の切換弁を有し、前記収容室に接続された接続部材と、前記収容室の拡張に応じて前記通常導入状態から前記導出状態へ切換操作するための所定の被操作位置へ移動する一方、前記収容室の縮小に応じて前記導出状態から前記通常導入状態へ切り換えるための所定の弁切換位置に移動するように前記接続部材を移動可能に支持する第1の支持部と、前記被操作位置にある前記接続部材を押圧操作するための操作部材と、を備え、前記接続部材は、前記被操作位置において前記通常導入状態にあるときに前記操作部材の押圧範囲に位置する一方、前記被操作位置よりも前記弁切換位置側の位置においては前記通常導入状態であっても前記操作部材の前記押圧範囲外に位置するように構成された被操作部を有していてもよい。
この態様では、接続部材が通常導入状態であっても被操作位置に位置していないときには、接続部材の被操作部が操作部材の押圧範囲外にあるため、操作部材によって導出状態へ切換操作することができない。そのため、接続部材が被操作位置に移動するまでの時間をロックアウトタイムとして利用することができる。
また、操作部材によって導出状態へ切換操作された接続部材が弁切換位置まで移動して通常導入状態に切り換えられると、収容室への薬液の導入が開始される。その後ロックアウトタイムが経過すると通常導入状態から導出状態へ切り換え操作が可能な状態となる。
上記の薬液注入装置において、前記接続部材は、前記接続部材が前記高速導入状態にあるときに前記通常導入状態のときよりも前記操作部材側に前記被操作部が位置し、かつ前記接続部材が前記導出状態にあるときに前記通常導入状態よりも前記操作部材から離れた側に前記被操作部がするように構成され、前記接続部材は、前記弁切換位置に至る過程において前記縮小手段が蓄えた力の反力を受けて移動することにより前記被操作部を前記導出状態に相当する位置から前記通常導入状態に相当する位置に移動させる受動部と、前記弁切換位置に至る過程において前記被操作部の前記通常導入状態に相当する位置から前記高速導入状態に相当する位置への移動を妨げるように前記受動部の移動を規制する規制手段と、を有していてもよい。
この態様では、導出状態にある接続部材が受動部で縮小手段が蓄えた力の反力を受けると、通常導入状態に切り換えられるものの、規制手段によって高速導入状態への切り換えは禁止される。そのため、薬液を導出した後、ロックアウトタイムを経て所定量の薬液が収容室に導入される。
上記の薬液注入装置において、前記接続部材は、前記収容室内で開口する第1の開口と前記収容室の外側で開口する第2の開口とを有する貫通孔を有する弁本体と、前記貫通孔の前記第2の開口を覆った状態で前記弁本体に取り付けられることにより前記弁本体との間で補助収容室を形成する被覆部材と、前記貫通孔に沿って移動可能に前記貫通孔内に設けられ、前記貫通孔に沿った移動により前記第1の切換弁、前記第2の切換弁および前記第3の切換弁を前記導出状態と前記通常導入状態と前記高速導入状態との間で切換可能に構成された弁体と、前記収容室と前記補助収容室とを連通する通路と、を備えていてもよい。
この態様では、弁体は、収容室と弁本体と補助収容室で構成された空間の内部に配置されている。また、収容室と補助収容室とは通路によって連通されているため、収容室内と補助収容室内の圧力は均等である。そのため、収容室内と補助収容室内との圧力差に起因する弁体の貫通孔に沿った移動を抑制でき、意図せず高速導入状態、通常導入状態および導出状態から他の状態へ切り換えられることが抑制される。
上記の薬液注入装置において、前記被覆部材は、前記弁本体より高い弾性を有し、前記弁体は、前記被操作部と、前記弁切換位置に至る過程において前記縮小手段が蓄えた力の反力を受けて移動することにより前記被操作部を前記導出状態に相当する位置から前記通常導入状態に相当する位置に移動させる受動部と、を有し、前記接続部材は、前記被操作部が前記高速導入状態および前記通常導入状態のとき前記弾性体を介して前記操作部材の押圧範囲に位置するように構成されていてもよい。
この態様では、弁本体を変形させることなく被覆部材を弾性変形させることができるため、被覆部材を介して弁体の被操作部を押圧操作し、接続部材を高速導入状態または通常導入状態から導出状態へ切換操作することができる。また、収容室が縮小すると、縮小手段が蓄えた力の反力を弁体の受動部が受け、接続部材は通常導入状態に切り換えられる。
上記の薬液注入装置は、底部と、前記底部から立ち上がる周壁と、を有し、前記操作部材側に開口する第2の支持部と、前記第2の支持部の内部に設けられ、前記第2の支持部よりも低い剛性を有するとともに前記収容室を区画する容器と、を備え、前記接続部材は、前記容器における前記第2の支持部の開口から開放された部分に接続されており、前記縮小手段は、前記容器の前記操作部材側への拡張に応じて前記底部に向かう方向へ前記容器を付勢する付勢力を蓄える付勢部材を有していてもよい。
この態様では、容器は第2の支持部よりも変形しやすく、また、容器は第2の支持部の底部および周壁に囲まれている。そのため、容器が拡大するときには、第2の支持部の底部および周壁に向かう方向への拡大が規制され、容器における第2の支持部の開口から開放された部分が操作部材に向かう方向に移動する。一方、容器が縮小するときには、容器の第2の支持部の開口から開放された部分が、付勢部材が蓄えた付勢力によって底部に向かう方向に移動する。そのため、例えば蛇腹状の容器のように拡大、縮小方向が一義的に定まる容器でなくても、容器の拡大、縮小方向を規定することができ、上記の薬液注入装置に使用することができる。
上記の薬液注入装置は、底部と、前記底部から立ち上がる周壁と、を有し、前記操作部材側に開口する第2の支持部と、前記収容室を区画するとともに、前記第2の支持部の内部において拡張が規制されるように前記底部および前記周壁に支持された容器と、を備え、前記接続部材は、前記容器における前記第2の支持部の開口から開放された部分に接続されているとともに、前記第2の支持部の内側に入り込んで前記底部に向かって移動することによって前記容器を縮小させ、前記底部から離れることによって前記容器を拡張させるように移動可能な押圧部を有し、前記押圧部の移動方向に沿って見て、前記第2の支持部の前記周壁の内周面と前記押圧部の外周面との間に全周にわたって一定の間隔を有する間隙が設けられていてもよい。
この態様では、容器は第2の支持部の内部において拡張が規制された状態であり、第2の支持部の周壁の内周面と接続部材の押圧部の外周面との間に間隙が形成されている。そのため、第2の支持部の内側に入り込んだ押圧部に容器が押し込まれると、容器はこの間隙に入り込む折り返し部を形成するように変形する。このとき、この間隙は押圧部の移動方向に沿って見て、第2の支持部の周壁と押圧部との間に全周にわたって一定の間隔を有するため、容器の折り返し部はこの間隙に均等に折り返されて入り込む。容器からの薬液の導出および導入に伴う押圧部の往復移動ごとに、容器の折り返され方、展開のされ方のばらつきを抑えることができるため、薬液の導出時間およびロックアウトタイムの精度を向上することができる。
本発明の他の一局面に係る薬液注入システムは、加圧された薬液を吐出可能な吐出部と、前記吐出部に接続された上記薬液注入装置と、を備えている。
上記の薬液注入システムでは、プライミングに必要な時間のうち収容室に薬液を収容する時間をロックアウトタイムよりも短縮することができる。
本発明によれば、プライミングに必要な時間のうち収容室に薬液を収容する時間をロックアウトタイムよりも短縮することができる薬液注入装置および薬液注入システムを提供することができる。
図1は、本実施形態に係る薬液注入システムのブロック図である。 図2は、高速導入状態でリザーバが空の状態の本実施形態に係る薬液注入装置の構成を示す断面図である。 図3は、図2のIIIで示す円で囲った部分の拡大図である。 図4は、高速導入状態でリザーバに所定量の薬液が収容された状態の本実施形態に係る薬液注入装置の構成を示す断面図である。 図5は、図4のVで示す円で囲った部分の拡大図である。 図6は、リザーバに所定量の薬液が収容された状態で導出状態に切り換えられた時点での本実施形態に係る薬液注入装置の構成を示す断面図である。 図7は、図6のVIIで示す円で囲った部分の拡大図である。 図8は、導出状態でリザーバに収容される薬液が減少した状態の本実施形態に係る薬液注入装置の構成を示す断面図である。 図9は、図8のIXで示す円で囲った部分の拡大図である。 図10は、リザーバが空の状態で通常導入状態に切り換えられた時点での本実施形態に係る薬液注入装置の構成を示す断面図である。 図11は、図10のXIで示す円で囲った部分の拡大図である。 図12は、通常導入状態でリザーバに所定量の薬液が収容された状態の本実施形態に係る薬液注入装置の構成を示す断面図である。 図13は、図12のXIIIで示す円で囲った部分の拡大図である。
以下、本発明の一実施形態に係る薬液注入装置および薬液注入システムについて図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る薬液注入システムのブロック図である。本実施形態に係る薬液注入システムおよび薬液注入装置の概要について、まず図1を用いて説明する。
本実施形態に係る薬液注入システムは、加圧された薬液を吐出可能な薬液ポンプ(吐出部)60と、薬液ポンプ60に接続され、薬液ポンプ60から吐出された所定量の薬液を収容するとともに、患者自身を含む使用者の操作に応じて収容された所定量の薬液を導出するように構成された薬液注入装置10と、薬液注入装置10から導出された薬液を患者に注入するカテーテル70とを、備えている。薬液ポンプ60と薬液注入装置10とは導入管31によって接続され、カテーテル70と薬液注入装置10とは導出管32によって接続されている。
薬液ポンプ60は、薬液を収容する収容部を有し、この収容部内の薬液を収容する収容部を有し、この収容部内の薬液を所定の圧力に加圧した状態で吐出するように構成されたものである。具体的に、薬液ポンプ60としては、例えば、国際公開第95/28977号に開示されるような大気圧を駆動源とするもの、特開2004−147862号公報に開示されるような伸縮性容器の復元力を駆動力とするもの、またはばね等の弾性部材の付勢力を駆動力とするものを採用することができる。
薬液注入装置10は、薬液を収容可能であり、薬液の収容量が増加するに従って拡張する一方、縮小させることによって収容された薬液を導出可能なリザーバ(収容室)11と、薬液ポンプ60とリザーバ11との間に並列に設けられ、それぞれ薬液ポンプ60からリザーバ11に薬液を導入する、所定の流路抵抗を有する流量制御流路(第1の導入通路)12および流量制御流路12よりも流路抵抗の小さい高速充填用流路(第2の導入通路)13と、リザーバ11から導出された薬液を患者側に設けられたカテーテル70へ導くための導出流路(導出通路)14と、を備えている。
また、薬液注入装置10は、流量制御流路12を通じた薬液の導入を阻止する閉鎖位置と流量制御流路12を通じた薬液の導入を許容する開放位置との間で切り換え可能な第1の切換弁15と、高速充填用流路13を通じた薬液の導入を阻止する閉鎖位置と高速充填用流路13を通じた薬液の導入を許容する開放位置との間で切り換え可能な第2の切換弁16と、導出流路14を通じた薬液の導出を阻止する閉鎖位置と導出流路14を通じた薬液の導出を許容する開放位置との間で切り換え可能な第3の切換弁17と、リザーバ11の拡張に応じて力を蓄え、第3の切換弁17を開放することにより蓄えた力によってリザーバ11を縮小させることが可能な縮小手段18と、第1〜第3の切換弁15〜17の閉鎖位置と開放位置との間の切り換えを連動させるための切換弁連動機構20と、を備えている。
切換弁連動機構20は、以下の表1に示す高速導入状態と導出状態と通常導入状態との各状態を切り換え可能となるように第1〜第3の切換弁15〜17の切り換えを連動させる。表1に示すように、高速導入状態は、第1の切換弁15および第2の切換弁16のうち少なくとも第2の切換弁16が開放位置であり且つ第3の切換弁が閉鎖位置である。導出状態は、第1の切換弁15および第2の切換弁16が閉鎖位置であり且つ第3の切換弁が開放位置である。通常導入状態は、第1の切換弁15が開放位置であり且つ第2の切換弁16および第3の切換弁17が閉鎖位置である。
Figure 2021020002
本実施形態に係る薬液注入装置10は、初期状態では、リザーバ11は薬液が全く収容されていない空の状態であり、第1〜第3の切換弁15〜17は高速導入状態である。高速充填用流路13は、流量制御流路12よりも流動抵抗が小さいため、高速導入状態で高速充填用流路13を通じて薬液をリザーバ11に導入することにより、通常導入状態で流量制御流路12のみを通じて導入する場合に比べて短い時間で空のリザーバ11に所定量の薬液を導入することができる。このとき縮小手段18は、リザーバ11の拡張に応じて力を蓄える。高速導入状態での第1の切換弁15の位置は問わないが、リザーバ11により短時間で所定量の薬液を導入する観点では開放位置であることが好ましい。
高速導入状態でリザーバ11に所定量の薬液が収容された状態で、使用者が切換弁連動機構20を操作して第1〜第3の切換弁15〜17を導出状態に切り換え、第3の切換弁17を開放すると、縮小手段18が蓄えた力によりリザーバ11が縮小され、リザーバ11から導出流路14を通じてカテーテル70に薬液が導出される。
本実施形態に係る薬液注入装置10では、所定量の薬液がリザーバ11から導出されると、縮小手段18が蓄えた力の反力により、切換弁連動機構20が導出状態から通常導入状態に切り換えられ、流量制御流路12のみを通じて薬液がリザーバ11に導入される。流量制御流路12は所定の流動抵抗を有しているため、通常導入状態で流量制御流路12のみを通じて薬液を導入することにより、所定量の薬液が導出された状態のリザーバ11に一定の時間(ロックアウトタイム)をかけて所定量の薬液を導入することができる。これにより、使用者が連続して所定量の薬液を患者に注入するのを抑制することができる。ロックアウトタイムは、流量制御流路12の流動抵抗および薬液ポンプ60の薬液の吐出圧力によって決定される。
通常導入状態で薬液の導入が完了し、リザーバ11に所定量の薬液の収容された状態で、使用者が切換弁連動機構20を操作して導出状態に切り換えると、再び縮小手段18が蓄えた力によりリザーバ11が縮小され、リザーバ11から導出流路14を通じてカテーテル70に薬液が導出される。その後、所定量の薬液がリザーバ11から導出されると、再び切換弁連動機構20が導出状態から通常導入状態に切り換えられ、流量制御流路12のみを通じて薬液がリザーバ11に導入される。
本実施形態に係る薬液注入装置10では、切換弁連動機構20は、第1〜第3の切換弁15〜17の高速導入状態から導出状態への切り換え、および導出状態と通常導入状態との間の双方向の切り換えを許容する一方、導出状態または通常導入状態から高速導入状態への切り換えを禁止するように構成されている。そのため、一度高速導入状態から導出状態へ切り換えられた後は、導出状態と通常導入状態との間での切り換えを繰り返すこととなる。
(薬液注入装置の具体的な構成)
図2〜図13は、本実施形態に係る薬液注入装置の構成を示す全体の断面図および部分拡大図であり、いずれも正面図である。本実施形態に係る薬液注入装置10の具体的な構成について、主に図4を用い、適宜その他の図を参照して説明する。以下の説明では、薬液注入装置10において、操作部材23が設けられている部分を上部、タンク28が設けられている部分を下部とし、この上下方向に直交する方向を水平方向として説明する。下記表2には、各図における薬液注入装置の状態、各切換弁の状態およびリザーバ内に収容される薬液の量を示す。表2において「満」とはリザーバ内に所定量の薬液を収容していることを示す。
Figure 2021020002
図4に示すように、薬液注入装置10は、薬液を収容するリザーバ11と、リザーバ11の上部に接続され、リザーバ11内の薬液の導出入を制御する接続部材21と、リザーバ11および接続部材21を収容して薬液注入装置10の外郭を構成するとともに接続部材21を上下方向に移動可能に支持する支持部(第1の支持部)22と、接続部材21の上方において支持部22に上下方向に移動可能に支持され、使用者による接続部材21の操作に用いられる操作部材23と、リザーバ11の拡張に応じてリザーバ11を下方向に付勢する付勢力を蓄える付勢部材(縮小手段)18と、接続部材21にそれぞれ一端が接続され、薬液を導入する導入管31および薬液を導出する導出管32と、を備えている。導入管31の他端は薬液ポンプ60に接続され、導出管32の他端はカテーテル70に接続されている。図1を用いて説明した切換弁連動機構20は、接続部材21と、支持部22と、操作部材23と、を備える。
リザーバ11は、支持部22内の下部に設けられており、底板(底部)27bと底板27bから上方に延びる周壁27aとを有し操作部材23側に開口を有する有底容器状の収容器(第2の支持部)27と、収容器27の内部に設けられ、薬液を収容する収容室を区画するタンク(容器)28と、を有している。タンク28は、収容器27より低い剛性を有し、収容器27の内部において拡張が規制されるように底板27bおよび周壁27aに支持されている。タンク28は、薬液の収容量が増加するに従って拡張して容積が増大する一方、収縮させることによって容積が減少し収容された薬液を導出可能である。
タンク28は、底板と、底板から上方に延びる側壁と、側壁の上端を閉じる天板と、を有し、所定量の薬液を収容した状態では、図4に示すようにタンク28の底板および側壁が収容器27の底板27bおよび周壁27aに内接した状態となる。後述する接続部材21は、弁本体24の第1の開口がタンク28内に連通した状態で、タンク28の天板の収容器27の開口から開放された部分に接続されている。タンク28は、収容器27より低い剛性を有するため、収容器27よりも変形しやすい。また、タンク28は、収容器27の底板27bおよび周壁27aに囲まれている。そのため、タンク28が拡大するときには、底板27bおよび周壁27aに向かう方向への拡大が規制され、タンク28の天板における収容器27の開口から開放された部分が操作部材23に向かう方向に移動する。一方、タンク28が縮小するときには、タンク28の天板における収容器27の開口から開放された部分が、付勢部材18が蓄えた付勢力によって底板27bに向かう方向に移動する。そのため、タンク28が例えば蛇腹状の容器のように拡大、縮小方向が一義的に定まるものでなくても、タンク28の拡大、縮小方向を規定することができ、本実施形態に係る薬液注入装置10に使用することができる。
接続部材21は、タンク28内で開口する第1の開口とタンク28の外部で開口する第2の開口とを有する貫通孔を有する弁本体24と、弁本体24の第2の開口を覆った状態で弁本体24に取り付けられることにより、弁本体24との間で収容空間(補助収容室)26aを形成する被覆部材26と、弁本体24の貫通孔内に設けられ、貫通孔に沿って移動可能であり、弁本体24とともに第1〜第3の切換弁15〜17を構成する弁体25と、を備えている。
弁本体24は、基体(符号省略)と、基体内に設けられ、基体との間で螺旋状の流量制御流路12を形成する流量制御器24fと、を備える。基体は、タンク28の天板に接続され、付勢部材18が蓄えた付勢力により当該天板を下方に押圧するための押圧部24b2と、押圧部24b2がタンク28の天板を下方に押圧する際に折り返されたタンク28の側壁の上方への膨らみを抑制するための第1のフランジ部24b1と、第1のフランジ部24b1の上部から上方に延び、導入管31および導出管32がそれぞれ接続される導入孔24dおよび導出孔24eを側面に有する延伸部24aと、後述の支持部22によって上下方向に摺動可能に支持された第2のフランジ部24cと、を有する。
また、基体は、上下方向に延びる貫通孔を有し、貫通孔は、基体の下端から上方に向かって延び、後述する流量制御器24fが嵌め込まれる嵌合部と、嵌合部の上端から基体の上端まで上方に向かって延び、嵌合部よりも径が小さい小径部と、を有する。弁本体24は、基体の嵌合部がタンク28で開口するように取り付けられている。具体的には、タンク28の天板は、例えば図4に示すように、タンク28の天板の収容器27の開口から開放された部分から上向きに延びる筒状部を有し、当該筒状部は、基体の嵌合部を取り囲むように取り付けられている。その結果、接続部材21はタンク28の天板の収容器27の開口から開放された部分に接続されている。
押圧部24b2は、収容器27の内側に入り込んで底板27bに向かって移動することによってタンク28を縮小させ、底板27bから離れることによってタンク28を拡張させるように移動可能である。このような押圧部24b2の移動は、接続部材21が支持部22に上下方向に移動可能に支持されていることによって実現される。押圧部24b2の外径は、収容器27の内径より小さい。押圧部24b2の移動方向に沿って見て、すなわち上方または下方から見て、周壁27aの内周面と押圧部24b2の外周面との間には、全周にわたって一定の間隔を有する間隙が設けられている。
そのため、押圧部24b2によってタンク28の天板が押し込まれると、タンク28の側壁は、この間隙に入り込む折り返し部を形成するように変形する。このとき、この間隙は全周にわたって一定の間隔を有するため、タンク28の折り返し部はこの間隙に均等に折り返されて入り込む。図2、図8および図10に示すように押圧部24b2によってタンク28の天板が押し込まれた状態では、押圧部24b2の外周面と収容器27の周壁27aの内周面との間の間隙においてタンク28の側壁が均等に内向き下方に折り返され、形成された折り返し部が押圧部24b2に対して上方に立ち上がる。ここで、第1のフランジ部24b1の外径は、収容器27の周壁27aの内径より小さく、押圧部24b2の外径より大きいため、第1のフランジ部24b1は、周壁27aと押圧部24b2との間の間隙を上から覆い、折り返されたタンク28の側壁が上方へ膨らむのを抑制する。また、第1のフランジ部24b1は、収容器27の内部で弁本体24が、押圧部24b2の外周面と収容器27の周壁27aの内周面との間に一定の幅を有する間隙を形成した状態で上下方向に移動するように弁本体24を誘導する。
ここで、弁本体24の往復移動中にタンク28が変形して形成される屈曲部には、復元力が生じ、この復元力の大きさおよび方向は、タンク28の屈曲形状によって異なる。この復元力は、タンク28の収縮、膨張を補助する力または妨害する力となるため、復元力の大きさおよび方向が弁本体24の往復動作ごとに異なると、薬液の導出時間およびロックアウトタイムの精度が低下することとなる。
しかし、本実施形態では、タンク28に形成される屈曲部は、上述の折り返し部であり、折り返し部が周壁27aと押圧部24b2との間の間隙に入り込むことにより、タンク28からの薬液の導出および導入に伴う弁本体24の往復移動ごとに、タンク28の折り返され方、展開のされ方のばらつきを抑えることができる。そのため、薬液の導出時間およびロックアウトタイムの精度を向上することができる。
また、上述した、タンク28が変形して形成される屈曲部の数が弁本体24の往復移動中に変動すると、それに伴い上述の復元力も変動し、弁本体24の1回の往復動作中における薬液の導出速度および導入速度が不安定となる。しかし、本実施形態では、弁本体24の1回の往復移動中において、タンク28の屈曲部である折り返し部においては折り返し幅が変動するだけであり、折り返し部の数は変動しない。そのため、弁本体24の1回の往復動作中における薬液の導出速度および導入速度が安定し、これによっても薬液の導出時間およびロックアウトタイムのばらつきが抑えられる。
流量制御器24fは、貫通孔を有する円筒状の部材であり、外周面に螺旋状の溝が設けられている。流量制御器24fは、基体の嵌合部に嵌め込まれ、基体との間で螺旋状の流量制御流路12を形成する。弁本体24の貫通孔は、流量制御器24fの貫通孔と基体の貫通孔の小径部とを有している。流量制御器24fの貫通孔の上端部には他の部分よりも径が大きい拡径部が設けられており、当該拡径部と後述する弁体25の筒状部25aの外周面との間には、流量制御器24fの当該拡径部以外の内周面と筒状部25aの外周面との間で形成される空間よりも広い空間13aが形成されている。
延伸部24aには、第1のフランジ部24b1と第2のフランジ部24cとの間に、水平方向に貫通する導入孔24dおよび導出孔24eが設けられている。導出孔24eは、導入孔24dの被覆部材26側に設けられており、導出流路14を構成する。
第2のフランジ部24cは、延伸部24aの上部の外周面から水平方向に延びる円盤状の部分であり、延伸部24aと同心円となるように設けられている。第2のフランジ部24cは、周面が支持部22の内面と摺動可能であり、支持部22に対して弁本体24が上下方向に移動するよう弁本体24を誘導する。また、第2のフランジ部24cは、付勢部材18から下方向に付勢力を受ける。
被覆部材26は、弁本体24の上部に後述する弁体25の被操作部25bを収容する収容空間26aを構成するように設けられている。被覆部材26は、例えばシリコンゴムからなり、弁本体24よりも高い弾性を有し、弁本体24よりも変形しやすく、また、弾性変形可能である。そのため、被覆部材26を上方から押圧した場合には、弁本体24を変形させることなく被覆部材26を変形させることができ、押圧を解除すると元の形状に戻る。
弁体25は、弁本体24の延伸部24aに沿って延びる筒状部25aと、筒状部25aの外周面に上方から下方に向けて並んで設けられた第1のOリング17a、第2のOリング17b、第3のOリング15a、第4のOリング15bおよび第5のOリング16aと、を有する。弁体25は、第1〜第5のOリングが弁本体24の内周面と摺動可能となるように、弁本体24の貫通孔内に設けられている。
筒状部25aの上端部には、操作部材23によって押圧操作される被操作部25bが設けられており、下端部には、筒状部25aの下端が流量制御器24fの下端よりも上方へ移動するのを規制するフランジ25dが設けられている。筒状部25aには、タンク28の内部と収容空間26aとを連通するために、タンク28側の端面から、被覆部材26側の端面まで延びる通路25cが形成されている。通路25cにより、タンク28の内部と収容空間26aとは、圧力が均一に保たれる。
弁本体24の貫通孔のうち、流量制御器24fの内周面と弁体25の外周面との間には、流量制御流路12よりも流動抵抗の小さい高速充填用流路13が形成されている。弁本体24の貫通孔は、流量制御器24fの上端部に、第5のOリング16aと接触しないように設けられた空間13aを有する(図3参照)。
第3および第4のOリング15a,15bと弁本体24の延伸部24aと弁体25の筒状部25aは、第1の切換弁15を構成している。つまり、第3および第4のOリング15a,15bが導入孔24dよりも上方に位置するとき、第1の切換弁15は開放位置に位置し、流量制御流路12を開放する(図3、図5、図11、図13参照)。また、第3のOリング15aが導入孔24dよりも上方に位置し、第4のOリング15bが導入孔24dよりも下方に位置するとき、第1の切換弁15は閉鎖位置に位置し、流量制御流路12を閉鎖する(図7、図9参照)。
第5のOリング16aと流量制御器24fと弁体25は、第2の切換弁16を構成している。つまり、第5のOリング16aが流量制御器24fの上端部に構成される空間13aに位置するとき、第2の切換弁16は開放位置に位置し、高速充填用流路13を開放する(図3、図5参照)。また、第5のOリング16aが流量制御器24fの内周面と弁体25の筒状部25aの外周面に挟まれるとき、第2の切換弁16は閉鎖位置に位置し、高速充填用流路13を閉鎖する(図7、図9、図11、図13参照)。
第1および第2のOリング17a,17bと延伸部24aと筒状部25aは、第3の切換弁17を構成している。つまり、第1および第2のOリング17a,17bが導出孔24eの上端よりも下方に位置するとき、第3の切換弁17は開放位置に位置し、導出流路14を開放する(図7、図9参照)。また、第1および第2のOリング17a,17bのうち、少なくとも第1のOリング17aが導出孔24eよりも上方に位置するとき、第3の切換弁17は閉鎖位置に位置し、導出流路14を閉鎖する(図3、図5、図11、図13参照)。
本実施形態では、弁体25が弁本体24の貫通孔内を上方または下方に移動することにより、第1〜第3の切換弁15〜17の閉鎖位置と開放位置との間の切り換えを連動させることができる。接続部材21が高速導入状態にあるとき、弁体25の被操作部25bは通常導入状態のときよりも操作部材23側に位置し、導出状態にあるとき、通常導入状態のときよりも操作部材23から離れた側に位置する。
支持部22は、リザーバ11のタンク28の拡張に応じて、通常導入状態から導出状態へ切換操作するための被操作位置(図4、図6、図12参照)へ接続部材21を移動可能とする一方、タンク28の縮小に応じて、導出状態から通常導入状態へ切り換えるための弁切換位置(図10参照)へ接続部材21を移動可能に支持するためのものである。
支持部22は、接続部材21を移動可能に支持するとともに、薬液注入装置10の外郭を構成する側壁22aを有する。側壁22aは、収容器27の周壁に接する部分に水平方向に貫通する貫通孔22dが設けられており、貫通孔22dの上方には、上下方向に延び、水平方向に貫通するスリット22eが設けられている。
支持部22内において、接続部材21は、タンク28が所定量の薬液を収容した状態において、被操作位置に配置される。本実施形態において、被操作位置は、接続部材21が最も被覆部材26に近づいた位置として定義される(図4、図6、図12参照)。本実施形態では、被操作位置は、タンク28内の薬液の収容量が薬液ポンプ60から吐出される薬液の圧力とタンク28の特性(例えば剛性等)で決まる最大収容量のときに接続部材21が配置される位置に定義されている。
また、接続部材21は、タンク28から所定量の薬液が導出された状態において、弁切換位置に配置される。本実施形態において、弁切換位置は、接続部材21が最も収容器27の底板27bに近づいた位置として定義される(図10参照)。本実施形態では、付勢部材18が蓄えた付勢力により押圧部24b2に押圧されたタンク28から薬液が導出されると、タンク28内に位置する弁体25のフランジ25dがタンク28の底板に接触する。その状態でさらに押圧部24b2がタンク28を押圧すると、第3の切換弁17が閉鎖位置に切り換えられ、薬液がタンク28から導出できなくなるため、押圧部24b2の移動が規制される。本実施形態では、弁切換位置は、このように押圧部24b2の移動が規制されたときに接続部材21が配置される位置に定義されている。
さらに、支持部22は、側壁22aの内部に、操作部材23を支持し、かつ上下方向に移動可能にガイドするガイド部22bと、側壁22aとガイド部22bとを接続する中板22cと、を有する。ガイド部22bは、上下方向に延びる側壁および側壁の下端に設けられた底板を有する有底容器状であり、当該底板には貫通孔が設けられている。
操作部材23は、接続部材21が被操作位置に位置するとき、使用者から操作を受けることにより、弁体25を押圧して高速導入状態または通常導入状態から導出状態に切り換えるためのものである(図6、7参照)。操作部材23は、使用者が押圧操作するための本体部23aと、被操作部25bを押圧するための突出部23cと、ガイド部22bと摺動可能である囲繞部23bと、突出部23cを上方に付勢する付勢部23dと、を有する。本体部23aは、下向きに開口する有底容器状であり、突出部23cは、囲繞部23bによって囲まれた状態で本体部23aの下面から下向きに突出する。付勢部23dは、圧縮コイルばねからなり、突出部23cの周面に上端部が固定され、ガイド部22bの底板との間に圧縮された状態で設けられている。
操作部材23は、囲繞部23bがガイド部22bに挿入され、突出部23cがガイド部22bの底板の貫通孔に挿入され、本体部23aが側壁22aの上部の開口を塞ぐように設けられる。囲繞部23bは、外周面がガイド部22bの内周面に沿って上下に摺動可能とされ、操作部材23を上下方向に移動するようにガイドする。付勢部23dは、下端がガイド部22bの底板から反力を受け、突出部23cを常に上方向に付勢する。操作部材23は、図示しない抜け止めにより、付勢部23d以外からの外力を受けない場合、本体部23aの周縁が支持部22の側壁22aの上端に位置するように設けられている。
使用者が本体部23aを押圧操作すると、突出部23cがガイド部22bの底板から突出する。本体部23aは、その下面がガイド部22bの側壁の上端に接触するまで押圧可能であり、この押圧可能な深さによりガイド部22bの底板からの突出部23cの突出量が規定される。接続部材21が被操作位置に位置し、高速導入状態および通常導入状態であるとき、弁体25の上端の被操作部25bは、被覆部材26を介して操作部材23の突出部23cによって押圧可能な範囲に位置する(図4、図5、図12、図13参照)。本実施形態において、被覆部材26を介して突出部23cによって押圧可能な範囲は、操作部材23が最も上方に位置するときの突出部23cの下面の位置と、操作部材23が最も下方に位置するときの突出部23cの下面の位置の間の範囲である。
付勢部材18は、圧縮コイルばねからなり、接続部材21の第1のフランジ部24b1の上面と、支持部22の中板22cの下面との間に圧縮された状態で設けられ、第1のフランジ部24b1を常に下方向に付勢する。付勢部材18は、リザーバ11が縮小すると変形量が減少して蓄えられた付勢力も減少し、リザーバ11が拡張すると変形量が増大して蓄えられた付勢力が増大する。
(薬液注入システムの動作)
薬液注入システムの動作について、図2〜図13を参照して説明する。
初期状態の薬液注入装置10は、表2、図2および図3に示すように高速導入状態であり、第1および第2の切換弁15,16は開放位置に位置し、第3の切換弁17は閉鎖位置に位置する。
また、初期状態の薬液注入装置10では、リザーバ11は薬液が全く入っていない空の状態であり、支持部22の側壁22aには接続部材21の上方向への移動を規制するためのストッパー50が取り付けられている。ストッパー50は、板状の部材であり、半円状の本体部50aと本体部50aの直線部分の下端および上端にそれぞれ設けられた突起50bおよび突起50cを有する。ストッパー50は、突起50bが側壁22aの貫通孔22dに係合し、突起50cが側壁22aのスリット22eを通じて接続部材21の第2のフランジ部24cの上面に係合するように取り付けられており、接続部材21の上方向への移動を規制している。
ストッパー50によって接続部材21の上方向への移動が規制されており、リザーバ11のタンク28が拡張できないため、薬液注入装置10に薬液ポンプ60を接続し、薬液ポンプ60から加圧した薬液を吐出可能な状態としてもタンク28に薬液を導入することはできない。ストッパー50を外すと、薬液ポンプ60から吐出された薬液が導入管31を通じて導入孔24dから流入し、さらに流量制御流路12および高速充填用流路13を通じてタンク28に流入する。これにより、初回導入時にはロックアウトタイムよりも短い時間でタンク28に所定量の薬液を導入することができる。
タンク28は、収容器27によって底板と側壁の位置が規制され、水平方向に拡張できないため、薬液の収容量が増加すると上方へ拡張する。タンク28の拡張に伴い、接続部材21も高速導入状態を維持したまま上方の被操作位置へ移動する。タンク28に所定量の薬液が収容されると、図4および図5に示すように接続部材21は被操作位置に位置し、それ以上上方へは移動しなくなる。このとき、弁体25の上端の被操作部25bは、被覆部材26を介して操作部材23の突出部23cによって押圧可能な範囲に位置する。
また、付勢部材18は、タンク28の拡張に伴い圧縮され、付勢力を蓄える。付勢部材18は、常に接続部材21を介してリザーバ11のタンク28を下方に付勢しているものの、付勢部材18の付勢力よりも薬液ポンプ60から吐出される薬液の圧力の方が大きいため、薬液はタンク28に流入する。
次に、図6および図7に示すように、操作部材23を下方に押圧すると、突出部23cにより被覆部材26を介して弁体25の被操作部25bが下方に押圧され、弁体25は下方に移動し、弁体25の下端はタンク28の内部に位置する。弁体25が下方に移動することにより、第3の切換弁17は開放位置へ移動し、第1および第2の切換弁15,16はそれぞれ閉鎖位置へ移動し、導出状態に切り換わる。
これにより、流量制御流路12および高速充填用流路13が閉鎖され、導出流路14が開放されると、薬液ポンプ60による薬液の圧力がタンク28に付加されなくなるため、付勢部材18に蓄えられた付勢力により接続部材21を介してタンク28が下方に付勢され、タンク28の上部の開口から薬液が吐出される。吐出された薬液は、弁体25の内部の通路25c、被覆部材26の内部の収容空間26aおよび弁本体24上部の内周面と弁体25上部の外周面との隙間を通じて導出流路14から流出し、導出管32を通じてカテーテル70から患者に注入される。
薬液の導出に伴ってリザーバ11のタンク28に収容される薬液が減少し、タンク28が縮小すると、図9に示すように、弁体25の被操作部25bは操作部材23の突出部23cの押圧範囲外に移動する。さらにタンク28が縮小すると、図8に示すように、タンク28の内部に位置する弁体25の下端のフランジ25d(受動部)は、タンク28の底板に接触する。
弁体25のフランジ25dがタンク28の底板に接触した後も、付勢部材18に蓄えられた付勢力が弁本体24の第2のフランジ部24cに加えられ、弁体25はフランジ25dにおいてタンク28の底板から反力を受ける。当該反力は弁体25と弁本体24との間の摩擦力よりも大きいため、弁体25は次第に弁本体24に対して相対的に上方へ移動する。これにより、接続部材21は弁切換位置に至り、導出状態から通常導入状態に切り換えられ、流量制御流路12を通じてタンク28へ薬液が流入し始め、タンク28は縮小から拡張に転換する。
このとき、弁体25は、被操作部25bが収容空間26a内、フランジ25dがタンク28内にそれぞれ位置している。また、収容空間26aの内部とタンク28の内部とは通路25cによって連通され、圧力が均一に保たれている。導出状態から通常導入状態に切り換えられ、薬液ポンプ60から吐出される薬液の圧力がタンク28内に付加されると、収容空間26aにも同様に圧力が加わり、弁体25の両端部にかかる圧力に偏りが生じない。そのため、当該薬液の圧力による弁体25の弁本体24内の移動が抑制され、通常導入状態に維持される。なお、通常導入状態から導出状態に切り換えた場合は、タンク28内に加わる薬液の圧力が減少するが、この場合も薬液の圧力の変動による弁体25の弁本体24内の移動が抑制され、導出状態に維持される。
タンク28が拡張に転換すると、フランジ25dはタンク28から反力を受けなくなるため、弁本体24に対する弁体25の相対的な移動は停止し、第2の切換弁16は開放位置まで移動することなく閉鎖位置に維持される。すなわち、弁本体24および弁体25は、反力を受ける部分としてのフランジ25dが通常導入状態において上方(操作部材23側)に移動するのを規制する規制手段として作用する。
このような規制手段により、導出状態から通常導入状態に切り換えられた薬液注入装置10は、高速導入状態への切り換えが禁止され、通常導入状態のまま流量制御流路12のみを通じて薬液の導入が継続され、ロックアウトタイムを経て図12および図13に示すように所定量の薬液がタンク28に収容される。
所定量の薬液がタンク28に収容されるまでは、接続部材21が被操作位置に至らず、被操作部25bが操作部材23の押圧範囲外に位置するため、操作部材23によって被操作部25bを押圧することができない。
所定量の薬液がタンク28に収容されると、接続部材21が通常導入状態で被操作位置に位置し、操作部材23によって被操作部25bを押圧することが可能な状態となる。この状態で図6および図7に示すように操作部材23を押圧すると再び導出状態となる。
これにより、本実施形態に係る薬液注入装置10は、一度高速導入状態から導出状態へ切り換えられた後は、導出状態と通常導入状態との間での双方向の切り換えを繰り返すこととなり、ロックアウトタイムを確保することができる。
(本実施形態の変形例)
上記実施形態では、リザーバ11を、収容器27と、収容器27内に設けられ、底板と側壁と天板とを有するタンク28と、を有するものとしたが、収容器の周壁の内面に天板として、収容器よりも低い剛性を有する膜体を設け、収容器と当該膜体とで収容室を形成し、リザーバとしてもよい。
また、収容器を設けず、特開2011−125433号公報および特開2011−160886号公報に開示されるような、底板と蛇腹状の側壁と天板とを有する蛇腹容器をリザーバとしてもよい。
上記実施形態では、リザーバ11の縮小手段として、圧縮コイルばねからなる付勢部材18を用いたが、特開2011−125433号公報に開示されるような、操作部とリザーバとの間に薬液を収容することによって拡張する容器を設け、当該容器をリザーバの縮小手段としてもよい。
今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと解されるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなくて特許請求の範囲により示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
10 薬液注入装置
11 リザーバ(収容室)
12 流量制御流路(第1の導入通路)
13 高速充填用流路(第2の導入通路)
14 導出流路(導出通路)
15 第1の切換弁
16 第2の切換弁
17 第3の切換弁
18 縮小手段、付勢部材
20 切換弁連動機構
21 接続部材
22 支持部(第1の支持部)
23 操作部材
24 弁本体
25 弁体
25b 被操作部
25c 通路
25d フランジ(受動部)
26 被覆部材
27 収容器(第2の支持部)
27a 周壁
27b 底板(底部)
28 タンク(収容室、容器)
60 薬液ポンプ(吐出部)

Claims (9)

  1. 加圧された薬液を吐出可能な吐出部に接続され、前記吐出部から吐出された所定量の前記薬液を収容するとともに、使用者の操作に応じて前記収容された所定量の薬液を導出するように構成された薬液注入装置であって、
    前記薬液を収容可能であり、前記薬液の収容量が増加するに従って拡張する一方、縮小させることによって収容された前記薬液を導出可能な収容室と、
    前記吐出部と前記収容室との間に並列に設けられ、それぞれ前記吐出部から前記収容室に前記薬液を導入する、所定の流路抵抗を有する第1の導入通路および前記第1の導入通路よりも流路抵抗の小さい第2の導入通路と、
    前記収容室から導出された薬液を患者側へ導くための導出通路と、
    前記第1の導入通路を通じた前記薬液の導入を阻止する閉鎖位置と、前記第1の導入通路を通じた前記薬液の導入を許容する開放位置との間で切り換え可能な第1の切換弁と、
    前記第2の導入通路を通じた前記薬液の導入を阻止する閉鎖位置と、前記第2の導入通路を通じた前記薬液の導入を許容する開放位置との間で切り換え可能な第2の切換弁と、
    前記導出通路を通じた前記薬液の導出を阻止する閉鎖位置と、前記導出通路を通じた前記薬液の導出を許容する開放位置との間で切り換え可能な第3の切換弁と、
    前記収容室の拡張に応じて力を蓄え、前記第3の切換弁を開放することにより前記蓄えた力によって前記収容室を縮小させることが可能な縮小手段と、
    前記第1の切換弁および前記第2の切換弁が前記閉鎖位置であり且つ前記第3の切換弁が前記開放位置である導出状態と、前記第1の切換弁が前記開放位置であり且つ前記第2の切換弁および前記第3の切換弁が前記閉鎖位置である通常導入状態と、前記第1の切換弁および前記第2の切換弁のうち少なくとも前記第2の切換弁が前記開放位置であり且つ前記第3の切換弁が前記閉鎖位置である高速導入状態と、の各状態を切り換え可能となるように前記第1の切換弁、前記第2の切換弁および前記第3の切換弁の前記閉鎖位置と前記開放位置との間の切り換えを連動させるための切換弁連動機構と、を備えている、薬液注入装置。
  2. 前記切換弁連動機構は、前記第1の切換弁、前記第2の切換弁および前記第3の切換弁の前記高速導入状態から前記導出状態への切り換え、および前記導出状態と前記通常導入状態との間の双方向の切り換えを許容し、前記導出状態または前記通常導入状態から前記高速導入状態への切り換えを禁止するように構成されている、請求項1に記載の薬液注入装置。
  3. 前記切換弁連動機構は、
    前記第1の切換弁、前記第2の切換弁および前記第3の切換弁を有し、前記収容室に接続された接続部材と、
    前記収容室の拡張に応じて前記通常導入状態から前記導出状態へ切換操作するための所定の被操作位置へ移動する一方、前記収容室の縮小に応じて前記導出状態から前記通常導入状態へ切り換えるための所定の弁切換位置に移動するように前記接続部材を移動可能に支持する第1の支持部と、
    前記被操作位置にある前記接続部材を押圧操作するための操作部材と、を備え、
    前記接続部材は、前記被操作位置において前記通常導入状態にあるときに前記操作部材の押圧範囲に位置する一方、前記被操作位置よりも前記弁切換位置側の位置においては前記通常導入状態であっても前記操作部材の前記押圧範囲外に位置するように構成された被操作部を有している、請求項1または請求項2に記載の薬液注入装置。
  4. 前記接続部材は、前記接続部材が前記高速導入状態にあるときに前記通常導入状態のときよりも前記操作部材側に前記被操作部が位置し、かつ前記接続部材が前記導出状態にあるときに前記通常導入状態よりも前記操作部材から離れた側に位置するように構成され、
    前記接続部材は、前記弁切換位置に至る過程において前記縮小手段が蓄えた力の反力を受けて移動することにより前記被操作部を前記導出状態に相当する位置から前記通常導入状態に相当する位置に移動させる受動部と、前記弁切換位置に至る過程において前記被操作部の前記通常導入状態に相当する位置から前記高速導入状態に相当する位置への移動を妨げるように前記受動部の移動を規制する規制手段と、を有している、請求項3に記載の薬液注入装置。
  5. 前記接続部材は、
    前記収容室内で開口する第1の開口と前記収容室の外側で開口する第2の開口とを有する貫通孔を有する弁本体と、
    前記貫通孔の前記第2の開口を覆った状態で前記弁本体に取り付けられることにより前記弁本体との間で補助収容室を形成する被覆部材と、
    前記貫通孔に沿って移動可能に前記貫通孔内に設けられ、前記貫通孔に沿った移動により前記第1の切換弁、前記第2の切換弁および前記第3の切換弁を前記導出状態と前記通常導入状態と前記高速導入状態との間で切換可能に構成された弁体と、
    前記収容室と前記補助収容室とを連通する通路と、を備えている、請求項3に記載の薬液注入装置。
  6. 前記被覆部材は、前記弁本体より高い弾性を有し、
    前記弁体は、前記被操作部と、前記弁切換位置に至る過程において前記縮小手段が蓄えた力の反力を受けて移動することにより前記被操作部を前記導出状態に相当する位置から前記通常導入状態に相当する位置に移動させる受動部と、を有し、
    前記接続部材は、前記被操作部が前記高速導入状態および前記通常導入状態のとき前記被覆部材を介して前記操作部材の押圧範囲に位置するように構成されている、請求項5に記載の薬液注入装置。
  7. 請求項3〜6のいずれか1項に記載の薬液注入装置は、
    底部と、前記底部から立ち上がる周壁と、を有し、前記操作部材側に開口する第2の支持部と、
    前記第2の支持部の内部に設けられ、前記第2の支持部よりも低い剛性を有するとともに前記収容室を区画する容器と、を備え、
    前記接続部材は、前記容器における前記第2の支持部の開口から開放された部分に接続されており、
    前記縮小手段は、前記容器の前記操作部材側への拡張に応じて前記底部に向かう方向へ前記容器を付勢する付勢力を蓄える付勢部材を有している、薬液注入装置。
  8. 請求項3〜6のいずれか1項に記載の薬液注入装置は、
    底部と、前記底部から立ち上がる周壁と、を有し、前記操作部材側に開口する第2の支持部と、
    前記収容室を区画するとともに、前記第2の支持部の内部において拡張が規制されるように前記底部および前記周壁に支持された容器と、を備え、
    前記接続部材は、前記容器における前記第2の支持部の開口から開放された部分に接続されているとともに、前記第2の支持部の内側に入り込んで前記底部に向かって移動することによって前記容器を縮小させ、前記底部から離れることによって前記容器を拡張させるように移動可能な押圧部を有し、
    前記押圧部の移動方向に沿って見て、前記第2の支持部の前記周壁の内周面と前記押圧部の外周面との間に全周にわたって一定の間隔を有する間隙が設けられている、薬液注入装置。
  9. 加圧された薬液を吐出可能な吐出部と、
    前記吐出部に接続された請求項1〜8のいずれか1項に記載の薬液注入装置と、を備えている、薬液注入システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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