JP2021048314A - 硬化性樹脂組成物、電磁波シールドフィルム、回路基板及び回路基板の製造方法 - Google Patents

硬化性樹脂組成物、電磁波シールドフィルム、回路基板及び回路基板の製造方法 Download PDF

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吉田 一義
Kazuyoshi Yoshida
一義 吉田
宏和 小野
Hirokazu Ono
宏和 小野
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

【課題】電磁波シールドフィルムの絶縁樹脂層を形成し、その電磁波シールドフィルムを熱圧着によりプリント配線板の表面に貼り付けた場合において、熱圧着時に端部崩れ及びひび割れを生じさせず、貼付後の表面硬度が低下しない、硬化性樹脂組成物並びに電磁波シールドフィルム及び回路基板を提供する。【解決手段】硬化性樹脂と、難燃剤と、有機溶剤とを含む硬化性樹脂組成物であって、難燃剤は、20℃で固体であり、窒素原子又はリン原子を含み、示差走査熱量測定による融点が0〜300℃の範囲に存在せず、かつ、20℃における有機溶剤に対する溶解度が1g/100g有機溶剤以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、硬化性樹脂組成物、電磁波シールドフィルム、回路基板及び回路基板の製造方法に関する。
プリント配線板から発生する電磁波ノイズや外部からの電磁波ノイズを遮蔽するために、絶縁樹脂層と、絶縁樹脂層に隣接し、金属薄膜層を含むシールド層と、シールド層の絶縁樹脂層とは反対側に、金属薄膜層に接して配置された導電性樹脂層と、を備える電磁波シールドフィルムを、絶縁フィルム(カバーレイフィルム)を介してプリント配線板の表面に設けることがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2018−177949号公報
電磁波シールドフィルムは熱圧着によりプリント配線板に貼り付けられる。そのため、電磁波シールドフィルムの絶縁樹脂層は、熱圧着時に端部崩れ及びひび割れを生じさせず、貼付後の表面硬度が低下しないことが求められる。
本発明は、電磁波シールドフィルムの絶縁樹脂層を形成し、その電磁波シールドフィルムを熱圧着によりプリント配線板の表面に貼り付けた場合において、熱圧着時に端部崩れ及びひび割れを生じず、貼付後の表面硬度が低下しない、硬化性樹脂組成物、並びに電磁波シールドフィルム及び回路基板を提供することを課題とする。
[1] 硬化性樹脂と、難燃剤と、有機溶剤とを含む硬化性樹脂組成物であって、前記難燃剤は、20℃で固体であり、窒素原子又はリン原子を含み、示差走査熱量測定による融点が0〜300℃の範囲に存在せず、かつ、20℃における前記有機溶剤に対する溶解度が1g/100g有機溶剤以下である、硬化性樹脂組成物。
[2] 前記難燃剤の体積平均粒子径が0.001〜10μmである、[1]に記載の硬化性樹脂組成物。
[3] 前記難燃剤が、リン酸塩、ホスフィン酸塩、ポリリン酸塩及びメラミン誘導体からなる群から選択される少なくとも1種である、[1]又は[2]に記載の硬化性樹脂組成物。
[4] 絶縁樹脂層と、前記絶縁樹脂層に隣接し、金属薄膜層を含むシールド層と、前記シールド層の前記絶縁樹脂層とは反対側に、前記金属薄膜層に接して配置された導電性接着剤層と、を備え、前記絶縁樹脂層は、[1]〜[3]のいずれか1つに記載の硬化性樹脂組成物の層である、電磁波シールドフィルム。
[5] 基板の少なくとも一方の面に回路が設けられた回路基板本体と、前記一方の面に接して配置された絶縁フィルムと、前記絶縁フィルムの表面に接して配置された[4]に記載の電磁波シールドフィルムと、を備え、前記電磁波シールドフィルムにおける前記導電性接着剤層が、前記絶縁フィルムに接着している、回路基板。
[6] [5]に記載の回路基板の製造方法であって、前記絶縁フィルムの表面に、前記電磁波シールドフィルムの前記導電性接着剤層が接触するように重ね、これらを圧着することによって、前記絶縁フィルムの表面に前記導電性接着剤層を接着する圧着工程を有する、回路基板の製造方法。
[7] 前記圧着工程において圧着する際に、前記絶縁樹脂層及び前記導電性接着剤層を加熱しながらプレスする、[6]に記載の製造方法。
[8] 前記圧着工程の後で、前記絶縁樹脂層及び前記導電性接着剤層をさらに加熱することによって、前記硬化性樹脂組成物を硬化させる硬化工程を有する、[7]に記載の製造方法。
本発明によれば、電磁波シールドフィルムの絶縁樹脂層を形成し、その電磁波シールドフィルムを熱圧着によりプリント配線板の表面に貼り付けた場合において、熱圧着時に端部崩れ及びひび割れを生じず、貼付後の表面硬度が低下しない、硬化性樹脂組成物、並びに電磁波シールドフィルム及び回路基板を提供できる。
図1は、本発明の電磁波シールドフィルムの実施形態の一例を示す断面図である。 図2は、本発明の回路基板の実施形態の一例を示す断面図である。
以下の用語の定義は、本明細書及び特許請求の範囲にわたって適用される。
「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の両側の数値を範囲内に含むものとする。
導電性粒子の平均粒子径は、レーザー回折・散乱法によって求めた体積基準累積50%径(d50)である。
融点は、示差走査熱量計(島津製作所製 示差走査熱量計DSC−60 Plus)を用いて測定して得られる融点である。なお、示差走査熱量計測定による融点が存在しないとは、融点自体が存在しない場合及び測定範囲内に融点が存在しない場合を含む。
フィルム(キャリアフィルム、保護フィルム等)、電磁波シールドフィルムの各層の厚みは、デジタル測長機(ミツトヨ社製、ライトマチックVL−50−B)を用いて無作為に選ばれた5箇所の厚みを測定し、平均した値である。
金属薄膜層の厚みは、渦電流式膜厚計を用いて無作為に選ばれた5箇所の厚みを測定し、平均した値である。
貯蔵弾性率は、測定対象に与えた応力と検出したひずみから算出され、温度又は時間の関数として出力する動的粘弾性測定装置を用いて、粘弾性特性の一つとして測定される。
表面抵抗は、10Ω/□未満の場合は、低抵抗抵抗率計(例えば、三菱ケミカル社製、ロレスタGP、ASPプローブ)を用い、四端子法(JIS K 7194:1994及びJIS R 1637:1998に準拠する方法)で測定される表面抵抗率であり、10Ω/□以上の場合は、高抵抗抵抗率計(例えば、三菱ケミカル社製、ハイレスタUP、URSプローブ)を用い、二重リング法(JIS K 6911:2006に準拠する方法)で測定される表面抵抗率である。
「エポキシ」とは、炭素鎖によって結合されている2原子の炭素と結合する−O−原子団に対する基名である。
「(メタ)アクリロイル基」とは、アクリロイル基及びメタクリロイル基の総称である。
「等方導電性接着剤層」とは、厚み方向及び面方向に導電性を有する導電性接着剤層を意味する。
「異方導電性接着剤層」とは、厚み方向に導電性を有し、面方向に導電性を有しない導電性接着剤層を意味する。
「面方向に導電性を有しない導電性接着剤層」とは、表面抵抗が1×10Ω/□以上である導電性接着剤層を意味する。
図1及び図2における寸法比は、説明の便宜上、実際のものとは異なったものである。
[硬化性樹脂組成物]
本発明の硬化性樹脂組成物は、硬化性樹脂と、難燃剤と、有機溶剤と、を含む。
<硬化性樹脂>
硬化性樹脂としては、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂が挙げられる。
光硬化性樹脂としては、(メタ)アクリロイル基を有する化合物等が挙げられる。
光ラジカル重合開始剤としては、光硬化性樹脂の種類に応じた公知の光ラジカル重合開始剤が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、アミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、アルキッド樹脂、ウレタン樹脂、合成ゴム、等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、耐熱性に優れる点から、アミド樹脂、エポキシ樹脂が好ましい。
<有機溶剤>
有機溶剤は、前記硬化性樹脂及び難燃剤を溶解又は分散し得るものが好ましく、例えば芳香族炭化水素(トルエン、キシレン等)、エステル(酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸イソプロピル、エチレングリコールモノアセテート等)、ケトン(メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、プロピレングリールモノメチルエーテル、プロピレングルコール等)等が挙げられる。
有機溶剤は1種単独でも2種以上を併用してもよい。
<難燃剤>
難燃剤は、20℃で固体であり、融点は、示差走査熱量測定による測定で、0〜300℃の範囲に存在しない。
前記難燃剤が20℃で液体であったり、0〜300℃の温度範囲に融点を持ったりする場合には、本発明の電磁波シールドフィルムの絶縁樹脂層の可塑剤となり、電磁波シールドフィルムを熱圧着によりプリント配線板の表面に貼り付けた場合において、熱圧着時に端部崩れ及びひび割れを生じたり、貼付後の表面硬度が低下したりする。
難燃剤は、20℃における前記有機溶剤に対する溶解度が1g/100g有機溶剤以下である。
前記溶解度が1g/100g有機溶媒超であると、絶縁樹脂層の組成に悪影響し、電磁波シールドフィルムを熱圧着によりプリント配線板の表面に貼り付けた場合において、熱圧着時に端部崩れ及びひび割れを生じたり、貼付後の表面硬度が低下したりする。
難燃剤は、窒素原子又はリン原子を含む。窒素原子又はリン原子を含むことにより、難燃効果がより優れる。
前記難燃剤としては、リン酸塩、ホスフィン酸塩、ポリリン酸塩及びメラミン誘導体からなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
前記リン酸塩の具体例としては、リン酸アルミニウムが挙げられる。
前記ホスフィン酸塩の具体例としては、ホスフィン酸アルミニウム、トリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウムが挙げられる。
前記ポリリン酸塩の具体例としては、ポリリン酸メラミン(ポリリン酸メラミン・メラム・メレム複塩を含む)が挙げられる。
前記メラミン誘導体の具体例としては、メラミンシアヌレート、ホウ酸メラミンが挙げられる。
前記難燃剤の体積平均粒子径は、0.001〜10μmが好ましく、0.001〜5μmがより好ましく、0.001〜2μmがさらに好ましい。
前記難燃化剤の体積平均粒子径がこの範囲内であると、硬化性樹脂組成物中に均一に分散しやすく、沈降などの不均一化を防ぐことができるし、硬化性樹脂組成物を硬化させた後の膜の性質を均一化して強度や難燃性にバラツキのない品質を確保できる。
前記難燃剤の前記硬化性樹脂組成物中の含有量は、溶媒及び分散媒成分を除いた固形分に対して、20〜90質量%が好ましく、40〜80質量%がより好ましく、50〜70質量%がさらに好ましい。
<添加剤>
前記硬化性樹脂組成物には、その硬化を阻まない範囲で、任意成分として、前記硬化性樹脂、難燃剤及び有機溶剤以外の添加剤を含んでもよい。
添加剤としては、例えば、硬化剤、硬化促進剤、着色剤、充填材、低応力化剤等が挙げられる。
前記硬化剤及び前記硬化促進剤としては、上述した硬化性樹脂の種類に応じた公知の硬化剤及び硬化促進剤が挙げられる。
前記着色剤としては、例えば、カーボンブラック、アゾ系染料、金属錯体等が挙げられる。これらの中でも黒色着色剤が好ましい。
前記硬化性樹脂組成物の固形分の総質量に対する着色剤の含有量は、1〜30質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましい。
前記着色剤の含有量がこの範囲内であると、前記硬化性樹脂組成物を充分に着色できるので、離型フィルムと識別可能な絶縁樹脂層を容易に形成できる。
前記充填材としては、例えば、石英ガラス、タルク、溶融シリカ、結晶性シリカ、アルミナ等の粉体が挙げられる。
前記低応力化剤(応力緩和剤)としては、例えば、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、熱可塑性アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、クロロプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体又はその水素添加物、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体又はその水素添加物、シリコーン化合物等が挙げられる。
前記硬化性樹脂組成物の固形分の総質量に対する低応力化剤の含有量は、10〜80質量%以下が好ましく、30〜70質量%がより好ましい。
前記低応力化剤の含有量がこの範囲内であると、可とう性が良好な硬化物を容易に形成できる。
前記添加剤として、上記成分以外のその他の成分を含んでもよい。その他の成分としては、例えば、離型剤、顔料、イオントラップ剤、カップリング剤、耐熱化剤等を挙げることができる。
前記硬化性樹脂組成物の総質量に対する、前記硬化剤、前記硬化促進剤、前記充填材、前記その他の成分の各々の含有量は特に限定されず、例えば、その含有量の合計が0.1〜30質量%の範囲で調製できる。
<硬化性樹脂組成物の製造方法>
本発明の硬化性樹脂組成物は、例えば、前記硬化性樹脂、難燃剤、有機溶剤、添加剤等を適宜配合し、ボールミル、ビーズミル、高圧ホモジナイザー、ブレンダー等を用いた常法によって混合することにより調製できる。
[電磁波シールドフィルム]
図1に示す本実施形態の電磁波シールドフィルム1は、絶縁樹脂層10と、絶縁樹脂層10に隣接し、金属薄膜層を含むシールド層20と、シールド層20の絶縁樹脂層10とは反対側に、前記金属薄膜層に接して配置された導電性接着剤層30と、を備える。
電磁波シールドフィルム1の厚み(後述するキャリアフィルム及び保護フィルムを除く厚み)は、3〜50μmが好ましく、5〜30μmがより好ましい。
前記厚みがこの範囲内であると、キャリアフィルムや保護フィルムを剥離する際に電磁波シールドフィルムがより破断しにくい。また、電磁波シールドフィルムを取り付けた回路基板をより薄くできる。
<絶縁樹脂層>
絶縁樹脂層10はシールド層20の保護層として機能する。
本実施形態の電磁波シールドフィルム1では、絶縁樹脂層10は、上述した硬化性樹脂組成物の層である。
絶縁樹脂層10の表面抵抗は、電気的絶縁性を高くすることから、1.0×10Ω/□以上が好ましく、1.0×10Ω/□以上がより好ましい。また、絶縁樹脂層10の表面抵抗は、実用上、1.0×1019Ω/□以下が好ましい。
絶縁樹脂層10の厚みは、0.1〜30μmが好ましく、0.5〜20μmがより好ましく、1〜15μmがさらに好ましい。絶縁樹脂層10の厚みがこの範囲内であると、絶縁樹脂層10が保護層としての機能を十分に発揮でき、かつ、電磁波シールドフィルム1を薄くできる。
<シールド層>
シールド層20は、金属薄膜層を含む。
金属の薄膜からなる金属薄膜層は、面方向に広がるように形成されていることから、面方向に導電性を有し、電磁波をシールドする層として機能する。
金属薄膜層は、例えば、物理蒸着(真空蒸着、スパッタリング、イオンビーム蒸着又は電子ビーム蒸着)若しくは化学蒸着によって形成された蒸着膜、めっきによって形成されためっき膜又は金属箔である。
金属薄膜層は、面方向の導電性に優れることから、蒸着膜又はめっき膜が好ましく、厚みを薄くでき、かつ厚みが薄くても面方向の導電性に優れ、ドライプロセスにて簡便に形成できることから、蒸着膜がさらに好ましく、物理蒸着による蒸着膜がさらに好ましい。
金属薄膜層を構成する金属は、例えば、銀、銅、アルミニウム、ニッケル又は金であるが、電気伝導度が優れることから、銀又は銅が好ましい。
金属薄膜層のなかでも、電磁波遮蔽性が高く、しかも金属薄膜層を容易に形成しやすいことから、金属蒸着層が好ましく、銀蒸着層又は銅蒸着層がより好ましい。
金属薄膜層の表面抵抗は、0.001〜1Ω/□が好ましく、0.001〜0.5Ω/□がより好ましい。金属薄膜層の表面抵抗がこの範囲内であると、金属薄膜層を十分に薄くでき、かつ金属薄膜層が電磁波シールド層として十分に機能できる。
金属薄膜層の厚みは、0.01〜5μmが好ましく、0.05〜3μmがより好ましく、0.1〜2μmがさらに好ましい。金属薄膜層の厚みがこの範囲内であると、面方向の導電性及び電磁波ノイズの遮蔽効果がより良好になり、かつ電磁波シールドフィルム1を薄くでき、電磁波シールドフィルム1の生産性及び可とう性がより良好になる。
シールド層は、2層以上の金属薄膜層を含んでもよい。
シールド層が2層以上の金属薄膜層を含む場合、金属薄膜層と金属薄膜層との間には、非金属層が介在する。
金属薄膜層は金属のみからなる層である。これに対して、金属薄膜層の間に介在する非金属層は、金属のみからなる層ではなく、少なくとも樹脂を含む層である。非金属層としては、例えば、絶縁樹脂(電気的に絶縁性である樹脂)からなる絶縁層、又は導電性粒子若しくは導電性ポリマーを含む導電層が挙げられる。
非金属層の厚みは、0.01〜5μmが好ましく、1〜4μmがより好ましく、2〜3μmがさらに好ましい。
非金属層の厚みがこの範囲内であると、隣接する金属層に対する接着力がより高まるとともに、非金属層におけるガス透過性がより高まり、結果として、半田耐熱性がさらに向上する。
前記絶縁層を構成する絶縁樹脂としては、例えば、公知の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂が挙げられ、耐熱性の点から、熱硬化性樹脂が好ましい。非金属層を構成する熱硬化性樹脂は、未硬化状態、Bステージ化された状態、及び硬化された状態のうち、何れの状態であってもよい。
前記絶縁層は、必要に応じて絶縁樹脂以外の他の成分を含んでいてもよい。
前記熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、イミド樹脂、ウレタン樹脂、縮合硬化型シリコーン、付加硬化型シリコーン、熱硬化性アクリル樹脂等が挙げられる。なかでも、耐熱性に優れる点から、エポキシ樹脂が好ましい。
前記絶縁樹脂には、熱硬化性樹脂の硬化剤が含まれていてもよい。硬化剤としては、例えば、イソシアネート基を2つ以上有するイソシアネート化合物、エポキシ基を2つ以上有するエポキシ化合物等が挙げられ、熱硬化性樹脂の種類に応じて適宜選択される。
前記熱可塑性樹脂としては、例えば、熱可塑性アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、クロロプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体又はその水素添加物、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体又はその水素添加物等が挙げられる。
前記導電層に含まれる樹脂としては、例えば、上述の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂が挙げられ、耐熱性の点から、熱硬化性樹脂が好ましい。また、前記導電層に導電性を付与する点で、導電性ポリマーも好適である。
前記導電層が導電性粒子及び絶縁樹脂を含む場合、当該導電性接着剤層の好ましい実施形態として、後述する導電性接着剤層として例示する、異方導電性接着剤層、等方導電性接着剤層が挙げられる。
以下、前記導電層の特に好ましい実施形態を例示する。
前記導電層に含まれる前記導電性粒子の平均粒子径は、0.2〜10μmが好ましく、0.5〜8μmがより好ましく、0.8〜5μmがさらに好ましい。
前記導電性粒子の平均粒子径がこの範囲内であると、前記導電層の厚みをより維持しやすく、金属層間の接着強度をより高められる。
前記導電層における前記導電性粒子の割合は、前記導電層の100体積%のうち、1〜30体積%が好ましく、2〜15体積%がより好ましい。
前記導電層における前記導電性粒子の割合がこの範囲内であると、導電層の導電性がより良好になり、かつ、導電層の接着性がより良好になる。また、電磁波シールドフィルム1の可とう性がより良好になる。
前記導電性粒子を含む前記導電層の厚みは、0.2〜10μmが好ましく、0.5〜8μmがより好ましく、0.8〜5μmがさらに好ましい。
前記導電性粒子を含む前記導電層の厚みがこの範囲内であると、金属層間の接着強度をより高めることができ、かつ、電磁波シールドフィルム1をより薄くできる。また、電磁波シールドフィルム1の可とう性がより良好になる。
前記導電層が導電性ポリマーを含む場合、前記導電層には導電性ポリマー以外の樹脂が含まれてもよいし、含まれなくてもよい。導電性ポリマー以外の樹脂として、前記熱硬化性樹脂、前記熱可塑性樹脂が挙げられる。前記導電層には、導電性ポリマーに加えて前記導電性粒子が含まれていてもよい。
前記導電性ポリマーとしては、例えば、公知のπ共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体が挙げられる。
π共役系導電性高分子としては、主鎖がπ共役系で構成されている有機高分子であれば特に制限されず、例えば、ポリピロール系導電性高分子、ポリチオフェン系導電性高分子、ポリアセチレン系導電性高分子、ポリフェニレン系導電性高分子、ポリフェニレンビニレン系導電性高分子、ポリアニリン系導電性高分子、ポリアセン系導電性高分子、ポリチオフェンビニレン系導電性高分子、及びこれらの共重合体等が挙げられる。空気中での安定性の点からは、ポリピロール系導電性高分子、ポリチオフェン系導電性高分子及びポリアニリン系導電性高分子が好ましく、ポリチオフェン系導電性高分子がより好ましい。
ポリチオフェン系導電性高分子としては、例えば、ポリチオフェン、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ(3−エチルチオフェン)、ポリ(3−プロピルチオフェン)、ポリ(3−ブチルチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)、ポリ(3−ヘプチルチオフェン)、ポリ(3−オクチルチオフェン)、ポリ(3−デシルチオフェン)、ポリ(3−ドデシルチオフェン)、ポリ(3−オクタデシルチオフェン)、ポリ(3−ブロモチオフェン)、ポリ(3−クロロチオフェン)、ポリ(3−ヨードチオフェン)、ポリ(3−シアノチオフェン)、ポリ(3−フェニルチオフェン)、ポリ(3,4−ジメチルチオフェン)、ポリ(3,4−ジブチルチオフェン)、ポリ(3−ヒドロキシチオフェン)、ポリ(3−メトキシチオフェン)、ポリ(3−エトキシチオフェン)、ポリ(3−ブトキシチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルオキシチオフェン)、ポリ(3−ヘプチルオキシチオフェン)、ポリ(3−オクチルオキシチオフェン)、ポリ(3−デシルオキシチオフェン)、ポリ(3−ドデシルオキシチオフェン)、ポリ(3−オクタデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヒドロキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジメトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジエトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジプロポキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジブトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヘキシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヘプチルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジオクチルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジドデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4−プロピレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ブチレンジオキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−メトキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−エトキシチオフェン)、ポリ(3−カルボキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシエチルチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシブチルチオフェン)が挙げられる。
ポリピロール系導電性高分子としては、例えば、ポリピロール、ポリ(N−メチルピロール)、ポリ(3−メチルピロール)、ポリ(3−エチルピロール)、ポリ(3−n−プロピルピロール)、ポリ(3−ブチルピロール)、ポリ(3−オクチルピロール)、ポリ(3−デシルピロール)、ポリ(3−ドデシルピロール)、ポリ(3,4−ジメチルピロール)、ポリ(3,4−ジブチルピロール)、ポリ(3−カルボキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシエチルピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシブチルピロール)、ポリ(3−ヒドロキシピロール)、ポリ(3−メトキシピロール)、ポリ(3−エトキシピロール)、ポリ(3−ブトキシピロール)、ポリ(3−ヘキシルオキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−ヘキシルオキシピロール)が挙げられる。
ポリアニリン系導電性高分子としては、例えば、ポリアニリン、ポリ(2−メチルアニリン)、ポリ(3−イソブチルアニリン)、ポリ(2−アニリンスルホン酸)、ポリ(3−アニリンスルホン酸)が挙げられる。
以上で例示したπ共役系導電性高分子の中でも、導電性、耐熱性の点から、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)が特に好ましい。
π共役系導電性高分子は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリアニオンとは、アニオン基を有するモノマー単位を、分子内に2つ以上有する重合体である。このポリアニオンのアニオン基は、π共役系導電性高分子に対するドーパントとして機能して、π共役系導電性高分子の導電性を向上させることができる。
ポリアニオンのアニオン基は、スルホン酸基又はカルボキシ基であることが好ましい。
ポリアニオンの具体例としては、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリアクリル酸エステルのエステル部位にスルホン酸基が結合したもの、ポリメタクリル酸エステルのエステル部位にスルホン酸基が結合したもの(例えば、ポリスルホエチルメタクリレート、ポリ(4−スルホブチルメタクリレート)、ポリメタクリルオキシベンゼンスルホン酸)、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸)、ポリイソプレンスルホン酸等のスルホン酸基を有する高分子や、ポリビニルカルボン酸、ポリスチレンカルボン酸、ポリアリルカルボン酸、ポリアクリルカルボン酸、ポリメタクリルカルボン酸、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸)、ポリイソプレンカルボン酸、ポリアクリル酸等のカルボン酸基を有する高分子が挙げられる。これらの単独重合体であってもよいし、2種以上の共重合体であってもよい。
これらのポリアニオンのなかでも、導電性をより高くできることから、スルホン酸基を有する高分子が好ましく、ポリスチレンスルホン酸がより好ましい。
ポリアニオンは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリアニオンの質量平均分子量は、20000〜1000000が好ましく、100000〜500000がより好ましい。
本明細書における質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィで測定し、標準物質をポリスチレンとして求めた値である。
導電性複合体中のポリアニオンの含有割合は、π共役系導電性高分子100質量部に対して、1〜1000質量部が好ましく、10〜700質量部がより好ましく、100〜500質量部がさらに好ましい。
前記導電性複合体中の前記ポリアニオンの含有割合がこの範囲内であると、π共役系導電性高分子へのドーピング効果がより強くなる傾向にあり、充分な導電性が得られ易く、さらに導電性高分子分散液における導電性複合体の分散性がより高くなるとともに、π共役系導電性高分子の相対的な含有量が多くなり、充分な導電性がより得られ易くなる。
ポリアニオンがπ共役系導電性高分子に配位してドープすることによって導電性複合体が形成される。導電性複合体の導電性及び分散性の向上の観点から、全てのアニオン基がπ共役系導電性高分子にドープするよりも、ドープに寄与しない余剰のアニオン基を有することが好ましい。
余剰のアニオン基の少なくとも一部に、アミン化合物及びエポキシ化合物の少なくとも一方が反応して、配位又は結合していることが好ましい。つまり、前記ポリアニオンは、自身が有するアニオン基の一部にアミン化合物又はエポキシ化合物が反応した生成物であることが好ましい。前記ポリアニオンの余剰のアニオン基にアミン化合物及びエポキシ化合物の少なくとも一方が配位又は結合すれば、導電性複合体を疎水化することができる。
前記アミン化合物は、第一級アミン、第二級アミン及び第三級アミンからなる群から選択される少なくとも1種である。アミン化合物は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
第一級アミンとしては、例えば、アニリン、トルイジン、ベンジルアミン、エタノールアミン等が挙げられる。
第二級アミンとしては、例えば、ジエタノールアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジフェニルアミン、ジベンジルアミン、ジナフチルアミン等が挙げられる。
第三級アミンとしては、例えば、トリエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミン、トリフェニルアミン、トリベンジルアミン、トリナフチルアミン等が挙げられる。
前記アミン化合物のうち、導電性複合体を容易に疎水化できることから、第三級アミンが好ましく、トリブチルアミン及びトリオクチルアミンの少なくとも一方がより好ましい。
前記エポキシ化合物としては、1分子中にエポキシ基を1つ以上有する化合物が挙げられる。前記エポキシ化合物は、前記ポリアニオンの余剰のアニオン基と反応して、疎水性置換基を形成すると考えられる。例えばアニオン基がスルホン酸基の場合は、スルホン酸エステルを形成すると考えられる。
前記導電層が導電性ポリマーを含む場合、当該導電層は、導電性ポリマーを含む導電性高分子含有液を塗工し、乾燥させることによって、形成することができる。
前記導電性ポリマーを含む前記導電層にはさらに添加剤が含まれていてもよい。添加剤としては、例えば、導電性向上剤、バインダー成分、界面活性剤、無機導電剤、消泡剤、カップリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、導電性粒子などが挙げられる。
導電性向上剤としては、アクリル化合物、窒素含有芳香族性環式化合物、2個以上のヒドロキシル基を有する化合物、2個以上のカルボキシル基を有する化合物、1個以上のヒドロキシル基及び1個以上のカルボキシ基を有する化合物、アミド基を有する化合物、イミド基を有する化合物、ラクタム化合物、グリシジル基を有する化合物、水溶性有機溶剤からなる群から選択される少なくとも1種の化合物が挙げられる。
これら化合物の具体例は、例えば、特開2010−87401号公報に記載されている。
バインダー成分としては、π共役系導電性高分子及びポリアニオン以外の重合体又は重合体を形成する化合物が使用される。具体的なバインダー成分としては、樹脂、熱硬化性化合物、活性エネルギー線硬化性化合物が挙げられる。導電性高分子含有液に熱硬化性化合物が含有される場合には、熱重合開始剤も含有されることが好ましく、活性エネルギー線硬化性化合物が含有される場合には、光重合開始剤も含有されることが好ましい。
バインダー成分として使用できる樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、酢酸ビニル樹脂等が挙げられる。
熱硬化性化合物及び活性エネルギー線硬化性化合物としては、ビニル基を有する化合物、エポキシ基を有する化合物、オキセタン基を有する化合物等が挙げられる。これらは、モノマーでもよいし、オリゴマーでもよい。
界面活性剤としては、ノニオン系、アニオン系、カチオン系の界面活性剤が挙げられるが、保存安定性の面からノニオン系が好ましい。また、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどのポリマー系界面活性剤を添加してもよい。
無機導電剤としては、金属イオン類、導電性カーボン等が挙げられる。金属イオンは、金属塩を水に溶解させることにより生成させることができる。
消泡剤としては、シリコーン樹脂、ポリジメチルシロキサン、シリコーンオイル等が挙げられる。
カップリング剤としては、ビニル基、アミノ基、エポキシ基等を有するシランカップリング剤等が挙げられる。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、糖類等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリシレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、オキサニリド系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤等が挙げられる。
前記導電性ポリマーを含む前記導電層の総質量に対する前記導電性ポリマーの含有量は、5〜40質量%が好ましく、10〜30質量%がより好ましく、15〜25質量%がさらに好ましい。
前記導電性ポリマーを含む前記導電層の厚みは、0.1〜10μmが好ましく、0.5〜8μmがより好ましく、0.8〜5μmがさらに好ましい。
前記導電性ポリマーを含む前記導電層の厚みがこの範囲内であると、金属層間の接着をより強めるとともに、金属層間の電気的な接続性をさらに向上でき、また、電磁波シールドフィルム1の可とう性をより高め、厚みをより薄くすることができる。
シールド層20を構成する非金属層が複数である場合、各非金属層の厚み、構成材料、物性等は、互いに同じであってもよいし、異なっていてもよい。
<導電性接着剤層>
導電性接着剤層30は、電磁波シールドフィルム1における必須の層であり、シールド層20における非金属層として任意に設けられる導電性接着剤層とは区別される。
導電性接着剤層30は、異方導電性接着剤層であってもよいし、等方導電性接着剤層であってもよい。
(異方導電性接着剤層)
異方導電性接着剤層は、厚み方向に導電性を有し、面方向に導電性を有しない導電性接着剤層である。
異方導電性接着剤層は、導電性接着剤層を容易に薄くでき、後述する導電性粒子の量を少なくでき、その結果、電磁波シールドフィルムを薄くでき、電磁波シールドフィルムの可とう性が高くなる利点を有する。
異方導電性接着剤層としては、硬化後に耐熱性を発揮できる点から、熱硬化性の導電性接着剤層が好ましい。熱硬化性の異方導電性接着剤層は、未硬化の状態であってもよく、Bステージ化された状態であってもよい。
熱硬化性の異方導電性接着剤層は、例えば、熱硬化性接着剤と導電性粒子とを含む。熱硬化性の異方導電性接着剤層は、必要に応じて難燃剤を含んでいてもよい。
前記熱硬化性接着剤としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、アルキッド樹脂、ウレタン樹脂、合成ゴム等が挙げられる。耐熱性に優れる点から、エポキシ樹脂が好ましい。エポキシ樹脂は、可とう性付与のためのゴム成分(カルボキシ変性ニトリルゴム、アクリルゴム等)、粘着付与剤等を含んでいてもよい。
前記熱硬化性接着剤は、異方導電性接着剤層の強度を高め、打ち抜き特性を向上させるために、セルロース樹脂、ミクロフィブリル(ガラス繊維等)を含んでいてもよい。熱硬化性接着剤は、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて他の成分(硬化剤等)を含んでいてもよい。
前記導電性粒子としては、金属(銀、白金、金、銅、ニッケル、パラジウム、アルミニウム、ハンダ等)の粒子、黒鉛粉、焼成カーボン粒子、めっきされた焼成カーボン粒子等が挙げられる。導電性粒子としては、異方導電性接着剤層がさらに適度の硬さを有するようになり、熱プレスの際の異方導電性接着剤層における圧力損失をさらに低減できる点からは、金属粒子が好ましく、銅粒子がより好ましい。
前記導電性粒子の10%圧縮強度は、30〜200MPaが好ましく、50〜150MPaがより好ましく、70〜100MPaがさらに好ましい。
前記導電性粒子の10%圧縮強度がこの範囲内であると、熱プレスの際に金属薄膜層にかけられた圧力を大きく損失することなく、異方導電性接着剤層が絶縁フィルムの貫通孔を通ってプリント配線板のプリント回路により確実に電気的に接続されるとともに、金属薄膜層との接触がより良好になり、電気的接続がより確実となる。
前記異方導電性接着剤層における前記導電性粒子の平均粒子径は、0.2〜10μmが好ましく、0.5〜8μmがより好ましい。
前記導電性粒子の平均粒子径がこの範囲内であると、異方導電性接着剤層の厚みを確保して十分な接着強度を得ることができ、かつ、異方導電性接着剤層の流動性を確保して、後述するように異方導電性接着剤層を絶縁フィルムの貫通孔に押し込んだ際に絶縁フィルムの貫通孔内を導電性接着剤で十分に埋めることができる。
前記異方導電性接着剤層における前記導電性粒子の割合は、前記異方導電性接着剤層の100体積%のうち、1〜30体積%が好ましく、2〜15体積%がより好ましい。
前記導電性粒子の割合がこの範囲内であると、前記異方導電性接着剤層の導電性がより良好になり、かつ、前記異方導電性接着剤層の接着性、流動性(絶縁フィルムの貫通孔の形状への追随性)がより良好になる。また、電磁波シールドフィルム1の可とう性がより良好なる。
前記異方導電性接着剤層の180℃における貯蔵弾性率は、1×10〜5×10Paが好ましく、5×10〜1×10Paがより好ましい。
前記異方導電性接着剤層の180℃における貯蔵弾性率がこの範囲内であると、前記異方導電性接着剤層がさらに適度な硬さを有するようになり、熱プレスの際の異方導電性接着剤層における圧力損失を低減できるとともに、電磁波シールドフィルム1の可とう性がより向上する。その結果、異方導電性接着剤層とプリント配線板のプリント回路とが十分に接着され、異方導電性接着剤層が絶縁フィルムの貫通孔を通ってプリント配線板のプリント回路により確実に電気的に接続される。また、電磁波シールドフィルム1が絶縁フィルムの貫通孔内に沈み込みやすくなり、異方導電性接着剤層が絶縁フィルムの貫通孔を通ってプリント配線板のプリント回路により確実に電気的に接続される。
前記異方導電性接着剤層の表面抵抗は、1×10〜1×1016Ω/□が好ましく、1×10〜1×1014Ω/□がより好ましい。
前記異方導電性接着剤層の表面抵抗がこの範囲内であると、導電性粒子の含有量がより低く抑えられるとともに、実用上、異方性に問題がない。
前記異方導電性接着剤層の厚みは、0.2〜20μmが好ましく、0.5〜10μmがより好ましい。
前記異方導電性接着剤層の厚みがこの範囲内であると、前記異方導電性接着剤層の流動性(絶縁フィルムの貫通孔の形状への追随性)を確保でき、絶縁フィルムの貫通孔内を導電性接着剤で十分に埋めることができるとともに、電磁波シールドフィルムをより薄くできる。また、電磁波シールドフィルムの可とう性がより良好になる。
(等方導電性接着剤層)
等方導電性接着剤層は、厚み方向及び面方向に導電性を有する導電性接着剤層である。
等方導電性接着剤層は、電磁波シールドフィルムの電磁波遮蔽性をより高くできる利点を有する。
等方導電性接着剤層としては、硬化後に耐熱性を発揮できる点から、熱硬化性の導電性接着剤層が好ましい。熱硬化性の等方導電性接着剤層は、未硬化の状態であってもよく、Bステージ化された状態であってもよい。
熱硬化性の等方導電性接着剤層は、例えば、熱硬化性接着剤と導電性粒子とを含む。熱硬化性の等方導電性接着剤層は、必要に応じて難燃剤を含んでいてもよい。
前記等方導電性接着剤層に含まれる前記熱硬化性接着剤の成分及び前記導電性粒子の材質は、上述した異方導電性接着剤層に含まれる熱硬化性接着剤の成分及び導電性粒子の材質と同様である。
前記等方導電性接着剤層における前記導電性粒子の平均粒子径は、0.01〜5μmが好ましく、0.02〜1μmがより好ましい。
前記導電性粒子の平均粒子径がこの範囲内であると、導電性粒子の接触点数が増えることになり、3次元方向の導通性をより安定的に高めることができ、かつ、等方導電性接着剤層の流動性(絶縁フィルムの貫通孔の形状への追随性)を確保でき、絶縁フィルムの貫通孔内を導電性接着剤で十分に埋めることができる。
前記等方導電性接着剤層における前記導電性粒子の割合は、前記等方導電性接着剤層の100体積%のうち、50〜80体積%が好ましく、60〜70体積%がより好ましい。
前記導電性粒子の割合がこの範囲内であると、等方導電性接着剤層の導電性がより良好になり、かつ、等方導電性接着剤層の接着性、流動性(絶縁フィルムの貫通孔の形状への追随性)がより良好になる。また、電磁波シールドフィルム1の可とう性がより向上する。
前記等方導電性接着剤層の180℃における貯蔵弾性率は、1×10〜5×10Paが好ましく、5×10〜1×10Paがより好ましい。前記範囲が好ましい理由は、上述した異方導電性接着剤層と同様である。
前記等方導電性接着剤層の表面抵抗は、0.05〜2.0Ω/□が好ましく、0.1〜1.0Ω/□がより好ましい。
前記等方導電性接着剤層の表面抵抗がこの範囲内であると、導電性粒子の含有量がより低く抑えられ、導電性接着剤の粘度が高くなりすぎず、塗布性がさらに良好となる。また、等方導電性接着剤層の流動性(絶縁フィルムの貫通孔の形状への追随性)をさらに確保できる。さらに、等方導電性接着剤層の全面がより均一な導電性を有するものとなる。
前記等方導電性接着剤層の厚みは、0.2〜20μmが好ましく、0.5〜10μmがより好ましい。
前記等方導電性接着剤層の厚みがこの範囲であると、等方導電性接着剤層の導電性がより良好になり、電磁波シールド層として十分に機能できる。また、等方導電性接着剤層の流動性(絶縁フィルムの貫通孔の形状への追随性)を確保でき、絶縁フィルムの貫通孔内を導電性接着剤で十分に埋めることができ、耐折性も確保でき繰り返し折り曲げても等方導電性接着剤層が断裂することはない。さらに、電磁波シールドフィルムをより薄くでき、電磁波シールドフィルムの可とう性がより良好になる。
<キャリアフィルム>
電磁波シールドフィルム1において、絶縁樹脂層10のシールド層20と反対の面には、キャリアフィルム(図示省略)が設けられていてもよい。
キャリアフィルムは、絶縁樹脂層10及びシールド層20を補強及び保護する支持体であり、電磁波シールドフィルム1のハンドリング性を良好にする。特に、絶縁樹脂層10の厚みが薄い場合、具体的には、厚みが1〜10μmである場合には、キャリアフィルムを有することによって、絶縁樹脂層10の破断を防ぐことができる。
キャリアフィルムは、電磁波シールドフィルム1をプリント配線板等に貼り付けた後には、絶縁樹脂層10から剥離される。
本実施形態において使用されるキャリアフィルムは、キャリアフィルム本体と、キャリアフィルム本体の絶縁樹脂層10側の表面に設けられた粘着剤層又は離型剤層とを有する。
前記キャリアフィルム本体の樹脂材料としては、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」という場合がある。)、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリオレフィン、ポリアセテート、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、合成ゴム、液晶ポリマー等が挙げられる。樹脂材料としては、電磁波シールドフィルム1を製造する際の耐熱性(寸法安定性)及び価格の点から、PETが好ましい。
前記キャリアフィルム本体は、着色剤(顔料、染料等)及びフィラーのいずれか一方又は両方を含んでいてもよい。
着色剤及びフィラーのいずれか一方又は両方としては、絶縁樹脂層10と明確に区別でき、熱プレスした後にキャリアフィルムの剥がし残しに気が付きやすい点から、絶縁樹脂層10とは異なる色のものが好ましく、白色顔料、フィラー又は白色顔料と他の顔料若しくはフィラーとの組合せがより好ましい。
前記キャリアフィルム本体の180℃における貯蔵弾性率は、8×10〜5×10Paが好ましく、1×10〜8×10Paがより好ましい。
前記キャリアフィルム本体の180℃における貯蔵弾性率がこの範囲内であると、キャリアフィルムが適度の硬さを有するようになり、熱プレスの際のキャリアフィルムにおける圧力損失をより低減できる。また、キャリアフィルムの柔軟性がより良好となる。
前記キャリアフィルム本体の厚みは、3〜75μmが好ましく、12〜50μmがより好ましい。
前記キャリアフィルム本体の厚みがこの範囲内であると、電磁波シールドフィルム1のハンドリング性がより良好となる。また、プリント配線板3に電磁波シールドフィルム1を熱プレスする際に導電性接着剤層30に熱が伝わりやすい。
前記粘着剤層は、例えば、キャリアフィルム本体の表面に粘着剤を含む粘着剤組成物を塗布して形成される。キャリアフィルムが粘着剤層を有することによって、電磁波シールドフィルム1を取り扱う際に、キャリアフィルムが絶縁樹脂層10から意図せずに剥離することが抑えられる。結果、キャリアフィルムが保護フィルムとしての役割を十分に果たすことができる。
前記粘着剤は、熱プレス前にはキャリアフィルムが絶縁樹脂層10から容易に剥離することなく、熱プレス後にはキャリアフィルムを絶縁樹脂層10から剥離できる程度の適度な粘着性を粘着剤層に付与するものであることが好ましい。
前記粘着剤としては、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ゴム系粘着剤等が挙げられる。
前記粘着剤のガラス転移温度は、−100〜60℃が好ましく、−60〜40℃がより好ましい。
前記キャリアフィルムの厚みは、25〜125μmが好ましく、38〜100μmがより好ましい。
前記キャリアフィルムの厚みがこの範囲内であると、電磁波シールドフィルム1のハンドリング性がより良好となる。また、プリント配線板3に電磁波シールドフィルム1を熱プレスする際に導電性接着剤層30に熱がより伝わりやすい。
前記離型剤層は、例えば、キャリアフィルム本体の表面に離型剤を含む離型剤組成物を塗布して形成された公知の離型フィルムを使用できる。
<保護フィルム>
保護フィルム(図示省略)は、導電性接着剤層30を保護するものであり、電磁波シールドフィルム1のハンドリング性を良好にする。前記保護フィルムは、電磁波シールドフィルム1をプリント配線板3に貼り付ける前に、導電性接着剤層30から剥離される。
保護フィルムは、例えば、保護フィルム本体と、保護フィルム本体の導電性接着剤層30側の表面に設けられた粘着剤層又は離型剤層とを有する。
前記保護フィルム本体の樹脂材料としては、キャリアフィルム本体の樹脂材料と同様なものが挙げられる。
前記保護フィルム本体は、着色剤、フィラー等を含んでいてもよい。
前記保護フィルム本体の厚みは、5〜500μmが好ましく、10〜150μmがより好ましく、25〜100μmがさらに好ましい。
前記粘着剤層は、前記保護フィルム本体の表面を粘着剤で処理して形成される。前記保護フィルムが前記粘着剤層を有することによって、前記保護フィルムを導電性接着剤層30から剥離する際に、前記保護フィルムを剥離しやすく、導電性接着剤層30が破断しにくくなる。
前記粘着剤としては、公知の粘着剤を用いればよい。
前記粘着剤層の厚みは、0.05〜30μmが好ましく、0.1〜20μmがより好ましい。
前記粘着剤層の厚みがこの範囲内であると、保護フィルムをさらに剥離しやすくなる。
<電磁波シールドフィルムの製造方法>
本発明の電磁波シールドフィルムは、積層フィルムを形成する公知方法を適用することにより製造することができる。容易に歩留まり良く均質な電磁波シールドフィルムを製造する観点から、例えば、次の好適な製造方法が挙げられる。
電磁波シールドフィルム1を製造する方法としては、下記の方法(A1)又は方法(A2)が挙げられる。
方法(A1)は、下記の工程(A1−1)〜(A1−4)を有する方法である。
工程(A1−1):キャリアフィルム(図示省略)の片面に絶縁樹脂層10を形成する工程。
工程(A1−2):絶縁樹脂層10のキャリアフィルムとは反対側の面にシールド層20を形成する工程。
工程(A1−3):シールド層20の絶縁樹脂層10とは反対側の面に導電性接着剤層30を形成する工程。
工程(A1−4):導電性接着剤層30のシールド層20とは反対側の面に離型フィルム(図示省略)を積層する工程。
以下、方法(A1)の各工程について詳細に説明する。
工程(A1−1)における絶縁樹脂層10の形成方法としては、例えば、下記の方法が挙げられる。
・キャリアフィルムの離型剤層(図示省略)側の面に、本発明の硬化性樹脂組成物を塗布し、半硬化又は硬化させる方法。
硬化性樹脂組成物の塗布方法としては、ダイコーター、グラビアコーター、ロールコーター、カーテンフローコーター、スピンコーター、バーコーター、リバースコーター、キスコーター、ファウンテンコーター、ロッドコーター、エアドクターコーター、ナイフコーター、ブレードコーター、キャストコーター、スクリーンコーター等の各種コーターを用いた方法を適用することができる。
硬化性樹脂組成物を半硬化又は硬化させる際には、ヒータ、赤外線ランプ等の加熱器を用いて加熱すればよい。
工程(A1−2)におけるシールド層20の形成方法としては、物理蒸着、CVD(化学気相蒸着)によって蒸着膜を形成する方法、めっきによってめっき膜を形成する方法、金属箔を貼り付ける方法等が挙げられる。面方向の導電性に優れる金属薄膜層を形成できる点から、物理蒸着、CVDによって蒸着膜を形成する方法、又はめっきによってめっき膜を形成する方法が好ましい。金属薄膜層の厚みを薄くでき、かつ厚みが薄くても面方向の導電性に優れる金属薄膜層を形成でき、ドライプロセスにて簡便に金属薄膜層を形成できる点から、物理蒸着、CVDによって蒸着膜を形成する方法がより好ましく、物理蒸着によって蒸着膜を形成する方法がさらに好ましい。
工程(A1−3)では、シールド層20の絶縁樹脂層10とは反対側の面に、導電性接着剤塗料を塗布する。
導電性接着剤塗料は、導電性粒子と、所望により、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂の少なくとも一方と、溶剤とを含む。
導電性粒子、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂は、導電性接着剤層30について説明したとおりである。
導電性接着剤塗料に含まれる溶剤としては、エステル(酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸イソプロピル、エチレングリコールモノアセテート等)、ケトン(メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、プロピレングリールモノメチルエーテル、プロピレングルコール等)等が挙げられる。
導電性接着剤塗料の塗布方法としては、例えば、ダイコーター、グラビアコーター、ロールコーター、カーテンフローコーター、スピンコーター、バーコーター、リバースコーター、キスコーター、ファウンテンコーター、ロッドコーター、エアドクターコーター、ナイフコーター、ブレードコーター、キャストコーター、スクリーンコーター等の各種コーターを用いた方法を適用することができる。
塗布した導電性接着剤塗料より溶剤を揮発させることにより、異方導電性接着剤層24を形成する。
工程(A1−4)では、離型フィルム(図示省略)を、導電性接着剤層30のシールド層20とは反対側の面に、離型剤層(図示せず)が導電性接着剤層30に接するように積層する。
離型フィルムを導電性接着剤層30に積層した後には、キャリアフィルム、絶縁樹脂層10、シールド層20、導電性接着剤層30及び離型フィルムからなる積層体に、各層同士の密着性を高めるための加圧処理を施してもよい。
加圧処理における圧力としては、0.1〜100kPaが好ましく、0.1〜20kPaがより好ましく、1〜10kPaがさらに好ましい。
加圧処理と同時に加熱してもよい。その際の加熱温度としては50℃以上100℃以下が好ましい。
方法(A2)は、下記の工程(A2−1)〜(A2−4)を有する方法である。
工程(A2−1):キャリアフィルム(図示省略)の片面に絶縁樹脂層10を形成する工程。
工程(A2−2):絶縁樹脂層10のキャリアフィルムとは反対側の面にシールド層20を形成して積層体Iを得る工程。
工程(A2−3):離型フィルム(図示省略)の片面に導電性接着剤層30を形成して積層体IIを得る工程。
工程(A2−4):積層体Iと積層体IIとを、積層体Iのシールド層20と積層体IIの導電性接着剤層30とが接するように貼り合せる工程。
工程(A2−1)及び工程(A2−2)は、前記方法(A1)における工程(A1−1)及び工程(A1−2)と同様である。
工程(A2−3)では、離型フィルムの離型剤層(図示省略)が設けられた面に導電性接着剤塗料を塗布する。塗布した導電性接着剤塗料より溶剤を揮発させることにより、導電性接着剤層30を形成する。導電性接着剤塗料及び塗布方法は、前記方法(A1)における工程(A1−3)と同様である。
工程(A2−4)における積層体Iと積層体IIとの貼り合せでは、積層体Iと積層体IIとの密着性を高めるための加圧処理を施してもよい。加圧条件は、工程(A1−4)における加圧処理と同様である。また、工程(A2−4)においても、工程(A1−4)と同様に加熱してもよい。
[回路基板]
図2に示す本実施形態の回路基板2は、基板52の少なくとも一方の面に回路54が設けられた回路基板本体50と、前記一方の面に接して配置された絶縁フィルム40と、前記絶縁フィルム40の表面に接して配置された電磁波シールドフィルム1と、を備え、前記電磁波シールドフィルム1における前記導電性接着剤層30が、前記絶縁フィルム40に接着している。
<電磁波シールドフィルム>
電磁波シールドフィルム1は、上述したものである。
<回路基板本体>
回路基板本体50は、銅張積層板の銅箔を公知のエッチング法により所望のパターンに加工して回路54としたものである。
銅張積層板としては、基板52の片面又は両面に接着剤層(図示省略)を介して銅箔を貼り付けたもの;銅箔の表面に基板52を形成する樹脂溶液等をキャストしたもの等が挙げられる。
接着剤層の材料としては、エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。
接着剤層の厚みは、0.5〜30μmが好ましい。
(回路)
回路54を構成する銅箔としては、圧延銅箔、電解銅箔等が挙げられ、屈曲性の点から、圧延銅箔が好ましい。回路54は、例えば、信号回路、グランド回路、グランド層等として使用される。
銅箔の厚みは、1〜50μmが好ましく、18〜35μmがより好ましい。
回路54の長さ方向の端部(端子)は、ハンダ接続、コネクター接続、部品搭載等のため、電磁波シールドフィルム1に覆われず、露出している。
(基板)
基板52としては、耐熱性を有するフィルムが好ましく、ポリイミドフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、液晶ポリマーフィルムがより好ましく、ポリイミドフィルムがさらに好ましい。
基板52の表面抵抗は、電気的絶縁性を高くすることから、1.0×10Ω/□以上が好ましい。また、基板52の表面抵抗は、実用上、1.0×1019Ω/□以下が好ましい。
基板52の厚みは、5〜200μmが好ましく、屈曲性がより良好になることから、6〜50μmがより好ましく、10〜25μmがより好ましい。
<絶縁フィルム>
絶縁フィルム40(カバーレイフィルム)は、絶縁フィルム本体(図示省略)の片面に、接着剤の塗布、接着剤シートの貼り付け等によって接着剤層(図示省略)を形成したものである。
絶縁フィルム本体の表面抵抗は、電気的絶縁性を高くすることから、1.0×10Ω/□以上が好ましく、5.0×10Ω/□以上がより好ましい。また、絶縁フィルム本体の表面抵抗は、実用上、1.0×1019Ω/□以下が好ましい。
絶縁フィルム本体としては、耐熱性を有するフィルムが好ましく、ポリイミドフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、液晶ポリマーフィルムがより好ましく、ポリイミドフィルムがさらに好ましい。
絶縁フィルム本体の厚みは、1〜100μmが好ましく、可とう性がより良好になることから、3〜75μmがより好ましく、5〜50μmがさらに好ましい。
接着剤層の材料は、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリスチレン又はポリオレフィンである。エポキシ樹脂は、可とう性付与のためのゴム成分(カルボキシ変性ニトリルゴム等)を含んでいてもよい。
接着剤層の厚みは、1〜100μmが好ましく、1.5〜60μmがより好ましく、2〜40μmがさらに好ましい。
絶縁フィルム40には、通常、貫通孔(図示省略)が形成される。
貫通孔は、回路基板本体50の回路54に対応する位置に形成される。電磁波シールドフィルム1の導電性接着剤層30は、絶縁フィルム40に形成された貫通孔を通って回路54に電気的に接続される。
貫通孔の開口部の形状は、特に限定されない。貫通孔の開口部の形状としては、円形、楕円形、四角形等が挙げられる。
<回路基板の製造方法>
図2に示す本実施形態の回路基板2は、例えば、下記の工程を有する方法によって製造できる。
工程(a):回路基板本体50の回路54が設けられた側の表面に、絶縁フィルム40を設け、プリント配線板3を得る。
工程(b):工程(a)の後、プリント配線板3の絶縁フィルム40の表面に、電磁波シールドフィルム1の導電性接着剤層30が接触するように重ね、これらを圧着することによって、絶縁フィルム40の表面に導電性接着剤層30を接着する。この際、絶縁樹脂層10及び導電性接着剤層30を加熱しながらプレスしてもよい。この後、絶縁樹脂層10及び導電性接着剤層30をさらに加熱することによって、絶縁樹脂層10の硬化性樹脂組成物を硬化させてもよい。
工程(a)は、回路基板本体50に絶縁フィルム40を積層して、プリント配線板3を得る工程である。
具体的には、まず、回路基板本体50に、絶縁フィルム40を重ねる。このとき、絶縁フィルム40には、回路54に対応する位置に貫通孔が形成されていることが好ましい。次いで、回路基板本体50の表面に絶縁フィルム40の接着剤層(図示省略)を接着し、接着剤層を硬化させることによって、プリント配線板3を得る。回路基板本体50の表面に絶縁フィルム40の接着剤層を仮接着し、工程(b)にて接着剤層を本硬化させてもよい。
接着剤層の接着及び硬化は、例えば、プレス機(図示省略)等による熱プレスによって行うことが好ましい。
工程(b)は、プリント配線板3に電磁波シールドフィルム1を圧着する工程である。
具体的には、プリント配線板3に、電磁波シールドフィルム1を重ね、熱プレス等により圧着する。これにより、絶縁フィルム40の表面に導電性接着剤層30を接着する。絶縁フィルム40の回路54に対応する位置に貫通孔が形成されていれば、導電性接着剤層30が貫通孔内に押し込まれ、貫通孔内を埋めて回路54に電気的に接続する。これにより、回路基板2を得る。
導電性接着剤層30の接着及び硬化は、例えば、プレス機(図示省略)等による熱プレスによって行うことが好ましい。
熱プレスの時間は、20秒〜60分が好ましく、30秒〜30分がより好ましい。熱プレスの時間がこの範囲内であると、絶縁フィルム40の表面に導電性接着剤層30を容易に接着でき、かつ、回路基板の製造時間を短縮できる。
熱プレスの温度(プレス機の熱盤の温度)は、140〜190℃が好ましく、150〜175℃がより好ましい。熱プレスの温度がこの範囲内であると、絶縁フィルム40の表面に導電性接着剤層30を容易に接着でき、かつ、電磁波シールドフィルム1、プリント配線板3等の劣化等を容易に抑えることができる。
熱プレスの圧力は、0.5〜20MPaが好ましく、1〜16MPaがより好ましい。熱プレスの圧力がこの範囲内であると、絶縁フィルム40の表面に導電性接着剤層30を容易に接着でき、熱プレスの時間を短縮できるとともに、電磁波シールドフィルム1、プリント配線板3等の破損等を抑えることができる。
電磁波シールドフィルム1が離型フィルムを有する場合は、工程(b)の間に、さらに、離型フィルムを剥離する工程〔工程(c)〕を有していてもよい。
具体的には、工程(c)は、電磁波シールドフィルム1の導電性接着剤層30から離型フィルムを剥離する工程である。
電磁波シールドフィルム1がキャリアフィルムを有する場合は、工程(b)の後に、さらに、キャリアフィルムを剥離する工程〔工程(d)〕を有していてもよい。
具体的には、工程(d)は、キャリアフィルムが不要になった際に、絶縁樹脂層10からキャリアフィルムを剥離する工程である。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより詳細に説明するが、本発明は後述する実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない限り、種々の変形が可能である。
(原材料)
導電性接着剤組成物として、熱硬化性接着剤(エポキシ樹脂(DIC社製、EXA−4816)の100質量部と硬化剤(味の素ファインテクノ社製、PN−23)の20質量部とを混合してなる潜在硬化性エポキシ樹脂)、導電性粒子(体積平均粒子径5μmの銅粒子)の20質量部とを、溶剤(メチルエチルケトン)の200質量部に溶解又は分散させたものを用意した。
キャリアフィルム及び離型フィルムとして、非シリコーン系離型剤にて片面が離型処理されたPETフィルム(リンテック社製、T157、離型フィルム本体の厚さ:50μm、離型剤層の厚さ:0.1μm)を用意した。
(絶縁フィルム付きフレキシブルプリント配線板)
絶縁フィルム付きフレキシブルプリント配線板(プリント配線板)を作製した。詳細には以下のとおりである。
厚さ25μmのポリイミドフィルム(ベースフィルム)の表面に厚さ12.5μmの銅箔を有する銅張積層板を用意した。
厚さ12.5μmのポリイミドフィルム(絶縁フィルム本体)の表面に接着剤層が形成され、かつフレキシブルプリント配線板のプリント回路(グランド)に対応する位置に貫通孔が形成された絶縁フィルムを用意した。
銅張積層板の銅箔をエッチングしてプリント回路を形成し、フレキシブルプリント配線板を得た。フレキシブルプリント配線板と絶縁フィルムとを熱プレスによって圧着して絶縁フィルム付きフレキシブルプリント配線板(プリント配線板)を得た。
(実施例1)
絶縁樹脂層形成用塗料として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱ケミカル社製、jER(登録商標)828)の100質量部、硬化剤(昭和電工社製、ショウアミンX(登録商標))の20質量部、2−エチル−4−メチルイミダゾールの2質量部、及びポリリン酸アンモニウム(Cas.68333−79−9、体積平均粒子径9μm、メチルエチルケトンに対する溶解度0.1g/100g未満)の50質量部、メラミンシアヌレート(Cas.37640−57−6、体積平均粒子径3μm、メチルエチルケトンに対する溶解度0.1g/100g未満)の50質量部、カーボンブラックの2質量部を溶剤(メチルエチルケトン)の200質量部に溶解した塗料を用意した。
第1の離型フィルムの離型剤層の表面に絶縁樹脂層形成用塗料を塗布し、60℃で2分間加熱し、塗料を乾燥、半硬化させて、絶縁樹脂層(厚さ:10μm)を形成した。
絶縁樹脂層の表面に、電子ビーム蒸着法にて銅を物理的に蒸着させ、金属薄膜層(蒸着膜、厚さ:70nm)を形成した。
金属薄膜層の表面に熱硬化性導電性接着剤組成物を、ダイコーターを用いて塗布し、溶剤を揮発させてBステージ化することによって、異方導電性接着剤層(接着剤の厚さ5μm、銅粒子:8質量%)を形成した。
異方導電性接着剤層の表面に第2の離型フィルムを貼り付けて、図1に示すような電磁波シールドフィルムを得た。
(実施例2)
絶縁樹脂層形成用塗料として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱ケミカル社製、jER(登録商標)828)の100質量部、硬化剤(昭和電工社製、ショウアミンX(登録商標))の20質量部、2−エチル−4−メチルイミダゾールの2質量部、及びリン酸アルミニウム(Cas.2784−30−7、体積平均粒子径5μm、メチルエチルケトンに対する溶解度0.1g/100g未満)の50質量部、メラミンシアヌレート(Cas.37640−57−6、体積平均粒子径3μm、メチルエチルケトンに対する溶解度0.1g/100g未満)の50質量部、カーボンブラックの2質量部を溶剤(メチルエチルケトン)の200質量部に溶解した塗料を用意した。
この絶縁樹脂層形成用塗料を用いた他は、実施例1と同様にして図1に示すような電磁波シールドフィルムを得た。
(実施例3)
絶縁樹脂層形成用塗料として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱ケミカル社製、jER(登録商標)828)の100質量部、硬化剤(昭和電工社製、ショウアミンX(登録商標))の20質量部、2−エチル−4−メチルイミダゾールの2質量部、及びポリリン酸メラミン(Cas.218768−84−4、体積平均粒子径2μm、メチルエチルケトンに対する溶解度0.1g/100g未満)の100質量部、カーボンブラックの2質量部を溶剤(メチルエチルケトン)の200質量部に溶解した塗料を用意した。
この絶縁樹脂層形成用塗料を用いた他は、実施例1と同様にして図1に示すような電磁波シールドフィルムを得た。
(実施例4)
絶縁樹脂層形成用塗料として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱ケミカル社製、jER(登録商標)828)の100質量部、硬化剤(昭和電工社製、ショウアミンX(登録商標))の20質量部、2−エチル−4−メチルイミダゾールの2質量部、及びトリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウム(Cas.225789−38−87、平均粒子径2μm、メチルエチルケトンに対する溶解度0.1g/100g未満)の50質量部、メラミンシアヌレート(Cas.37640−57−6、平均粒子径3μm、メチルエチルケトンに対する溶解度0.1g/100g未満)の50質量部、カーボンブラックの2質量部を溶剤(メチルエチルケトン)の200質量部に溶解した塗料を用意した。
この絶縁樹脂層形成用塗料を用いた他は、実施例1と同様にして図1に示すような電磁波シールドフィルムを得た。
(比較例1)
絶縁樹脂層形成用塗料として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱ケミカル社製、jER(登録商標)828)の100質量部、硬化剤(昭和電工社製、ショウアミンX(登録商標))の20質量部、2−エチル−4−メチルイミダゾールの2質量部、及びホスファゼン系難燃剤(伏見製薬所社製、ラビトル(登録商標)FP−300B、DSC融点72℃、メチルエチルケトンに対する溶解度62g/100g)の50質量部、カーボンブラックの2質量部を溶剤(メチルエチルケトン)の200質量部に溶解した塗料を用意した。
この絶縁樹脂層形成用塗料を用いた他は、実施例1と同様にして図1に示すような電磁波シールドフィルムを得た。
(熱圧着時の端部崩れ及びひび割れ)
絶縁フィルム付きフレキシブルプリント配線板(プリント配線板)に、第2の離型フィルムを剥離した各例の電磁波シールドフィルムを重ね、ホットプレス装置(折原製作所社製、G−12)を用い、熱盤温度:170℃、荷重:5MPaで1分間熱プレスし、絶縁フィルムの表面に異方導電性接着剤層を接着した。絶縁樹脂層から第1の離型フィルムを剥離して、電磁波シールドフィルム付きフレキシブルプリント配線板(回路基板)を得た。
絶縁樹脂層の端部の崩れ及びひび割れの有無を目視にて確認した。結果を表1に示す。
(貼付後の表面硬度)
絶縁樹脂層の端部の崩れ及びひび割れの有無を確認した後、各例の電磁波シールドフィルム付きフレキシブルプリント配線板を150℃で1時間乾燥して絶縁樹脂層及び異方導電性接着剤層を硬化した。
各例の電磁波シールドフィルム付きフレキシブルプリント配線板の絶縁樹脂層の表面の表面硬度を鉛筆硬度試験(JIS K 5600−5−4:1999)により求めた。結果を表1に示す。
Figure 2021048314
本発明の電磁波シールドフィルムは、スマートフォン、携帯電話、光モジュール、デジタルカメラ、ゲーム機、ノートパソコン、医療器具等の電子機器用のフレキシブルプリント配線板における、電磁波シールド用部材として有用である。
1 電磁波シールドフィルム
2 回路基板
3 プリント配線板
10 絶縁樹脂層
20 シールド層
30 導電性接着剤層
40 絶縁フィルム
50 回路基板本体
52 基板
54 回路

Claims (8)

  1. 硬化性樹脂と、難燃剤と、有機溶剤とを含む硬化性樹脂組成物であって、
    前記難燃剤は、20℃で固体であり、窒素原子又はリン原子を含み、示差走査熱量測定による融点が0〜300℃の範囲に存在せず、かつ、20℃における前記有機溶剤に対する溶解度が1g/100g有機溶剤以下である、硬化性樹脂組成物。
  2. 前記難燃剤の体積平均粒子径が0.001〜10μmである、請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
  3. 前記難燃剤が、リン酸塩、ホスフィン酸塩、ポリリン酸塩及びメラミン誘導体からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の硬化性樹脂組成物。
  4. 絶縁樹脂層と、前記絶縁樹脂層に隣接し、金属薄膜層を含むシールド層と、前記シールド層の前記絶縁樹脂層とは反対側に、前記金属薄膜層に接して配置された導電性接着剤層と、を備え、
    前記絶縁樹脂層は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物の層である、電磁波シールドフィルム。
  5. 基板の少なくとも一方の面に回路が設けられた回路基板本体と、
    前記一方の面に接して配置された絶縁フィルムと、
    前記絶縁フィルムの表面に接して配置された請求項4に記載の電磁波シールドフィルムと、
    を備え、
    前記電磁波シールドフィルムにおける前記導電性接着剤層が、前記絶縁フィルムに接着している、回路基板。
  6. 請求項5に記載の回路基板の製造方法であって、
    前記絶縁フィルムの表面に、前記電磁波シールドフィルムの前記導電性接着剤層が接触するように重ね、これらを圧着することによって、前記絶縁フィルムの表面に前記導電性接着剤層を接着する圧着工程を有する、回路基板の製造方法。
  7. 前記圧着工程において圧着する際に、前記絶縁樹脂層及び前記導電性接着剤層を加熱しながらプレスする、請求項6に記載の製造方法。
  8. 前記圧着工程の後で、前記絶縁樹脂層及び前記導電性接着剤層をさらに加熱することによって、前記硬化性樹脂組成物を硬化させる硬化工程を有する、請求項7に記載の製造方法。
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