JP2021052811A - 血圧測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】血圧測定装置において、被験者の安静時の血圧値を適切なタイミングで測定すことが可能な血圧測定装置を提供する。【解決手段】PPGセンサからの出力信号に基づいて推定した、被験者の現在の推定血圧値(現在の推定血圧値PPGnow、又は血圧値の推定開始時における推定開始時血圧値PPGpri)と、メモリに記憶された被験者の過去安静時血圧値BPpastとの比較S9又はS15の結果に基づいて、カフを用いた被験者の血圧値の測定を開始するタイミングを決定するS14、S16、及びS17。従来の、LF/HFに基づいて血圧値の測定開始タイミングを決定した場合、及び被験者の1分間当たりの呼吸回数に基づいて血圧値の測定開始タイミングを決定した場合と比べて、被験者の安静時の血圧値を、適切なタイミングで測定できる確率を高める。【選択図】図6
Description
本発明は、被験者の血圧値を測定する血圧測定装置に関する。
従来から、血圧測定装置の分野において、被験者の安静時の血圧値を測定する技術として、被験者に深呼吸をさせた後、被験者のLF(Low Frequency)/HF(High Frequency)を測定して、このLF/HFが、所定範囲内の値であるときに、被験者の血圧測定を行うようにした血圧測定システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。ここで、上記のLF/HFとは、被験者の自律神経のバランス値(交感神経活動度指標)であり、被験者の心拍変動における、血圧変動に対応する低周波成分と、呼吸変動に対応する高周波変動成分との比である。また、被験者の安静時の血圧値を測定する技術としては、被験者の1分間当たりの呼吸回数が所定範囲内の回数になったときに、被験者の血圧測定を行うようにした血圧測定装置も、知られている(例えば、特許文献2参照)。
ところが、上記特許文献1に記載の血圧測定システムは、「LF/HFが高い」=「血圧値が不安定(高い)」という前提で、考えられた発明であるため、以下の問題がある。すなわち、この血圧測定システムは、LF/HFのみに基づいて、血圧値の測定開始タイミングを決定しているので、(1)「LF/HFは低い(安静時のLF/HFのレベルである)が、血圧値が高い(安静時の血圧値のレベルよりも高い)場合」、及び(2)「血圧値は低い(安静時の血圧値のレベルである)が、LF/HFが高い(安静時のLF/HFのレベルよりも高い)場合」には、適切なタイミングで、血圧値の測定を行う(開始する)ことができない。
上記の(1)「LF/HFは低いが、血圧値が高い場合」における、特許文献1に記載の血圧測定システムの問題点について、より詳細に説明する。例えば、運動直後には、被験者の心拍数が高くなり、血圧値の測定に適さない(血圧値が高くなっている可能性がある)が、運動直後でも、自律神経の指標であるLF/HFが高くなるとは限らず、低い場合もある。このような場合に、上記の(1)「LF/HFは低いが、血圧値が高い場合」が生じ得る。そして、この場合に、上記特許文献1に記載の血圧測定システムでは、運動直後であって、被験者の心拍数が高く、血圧値が高くなっている(安静状態とは言えない)にも拘わらず、LF/HFが低い(所定範囲内の値になる)ため、直ぐに、被験者の血圧測定を行ってしまう。
次に、上記の(2)「血圧値は低い(安静時の血圧値のレベルである)が、LF/HFが高い(安静時のLF/HFのレベルよりも高い)場合」における、特許文献1に記載の血圧測定システムの問題点について、より詳細に説明する。この(2)の場合には、被験者が深呼吸すれば、LF/HFは下がるであろう。しかし、(2)の場合には、血圧値は、深呼吸を開始する前から、既に安静時の血圧値のレベルである。従って、上記特許文献1に記載の血圧測定システムのように、被験者の血圧の値に関わらず、LF/HFの値が下がるまで、一律に同じ回数の深呼吸を被験者に促す必要はない。このような一律の回数の深呼吸は、被験者に無駄な負担をかける。また、上記特許文献1に記載の血圧測定システムでは、被験者が所定回数の深呼吸をしても、LF/HFを安静時のLF/HFのレベル以下にすることができない場合には、血圧値は低い(安静時の血圧値のレベルである)にも拘わらず、血圧値の測定を行うことができないという問題が生じ得る。
また、上記特許文献2に記載の血圧測定装置も、被験者の1分間当たりの呼吸回数のみに基づいて、血圧値の測定開始タイミングを決定しているので、測定した血圧値が、必ずしも、被験者の安静時の血圧値であるとは限らない。何故なら、被検者の呼吸回数と血圧値とは、大きな相関があるが、単純に、呼吸が安定すると、血圧値が下がるというような単純なものではないからである。
本発明は、上記課題を解決するものであり、被験者の安静時の血圧値を、適切なタイミングで測定することが可能な血圧測定装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の血圧測定装置は、光電容積脈波センサからの出力信号に基づいて、被験者の現在の血圧値を推定する血圧値推定手段と、カフを用いて前記被験者の血圧値を測定する血圧値測定手段と、前記被験者の過去の安静時に、前記血圧値測定手段により測定した被験者の過去安静時血圧値を記憶する血圧値記憶手段と、前記血圧値推定手段により推定された現在の推定血圧値と、前記血圧値記憶手段に記憶された前記過去安静時血圧値との比較結果に基づいて、前記血圧値測定手段による血圧値の測定を開始するタイミングを決定するタイミング決定手段とを備える。
この血圧測定装置において、光電容積脈波センサからの出力信号に基づいて、前記被験者の自律神経のバランス値を算出する自律神経バランス値算出手段をさらに備え、
前記自律神経バランス値算出手段により算出された自律神経のバランス値が、所定の時間以上、所定の安定閾値以下の値を維持しているときに、前記タイミング決定手段による血圧値の測定開始タイミングの決定処理を行うようにしてもよい。
前記自律神経バランス値算出手段により算出された自律神経のバランス値が、所定の時間以上、所定の安定閾値以下の値を維持しているときに、前記タイミング決定手段による血圧値の測定開始タイミングの決定処理を行うようにしてもよい。
この血圧測定装置において、前記タイミング決定手段は、前記血圧値推定手段による血圧値の推定開始時に、前記血圧値推定手段により推定した推定血圧値が、前記血圧値記憶手段に記憶された前記過去安静時血圧値以下である場合には、その時点で、前記血圧値測定手段による血圧値の測定を開始し、前記血圧値推定手段による血圧値の推定開始時に、前記血圧値推定手段により推定した推定血圧値が、前記血圧値記憶手段に記憶された前記過去安静時血圧値より大きい場合には、所定の測定待機時間の経過時に、前記血圧値測定手段による血圧値の測定を開始するようにしてもよい。
この血圧測定装置において、前記血圧値推定手段による血圧値の推定開始時に前記血圧値推定手段により推定した推定血圧値と、前記血圧値記憶手段に記憶された過去安静時血圧値との比較結果に基づいて、前記測定待機時間を決定する測定待機時間決定手段をさらに備えてもよい。
この血圧測定装置において、前記血圧値推定手段は、前記測定待機時間の間にも、血圧値の推定処理を継続し、前記タイミング決定手段は、前記測定待機時間が経過するまでの間に、前記血圧値推定手段により推定された現在の推定血圧値と前記血圧値記憶手段に記憶された前記過去安静時血圧値との差分値が、所定範囲内に入った場合には、その時点で、前記血圧値測定手段による血圧値の測定を開始するようにしてもよい。
この血圧測定装置において、前記血圧値記憶手段が前記過去安静時血圧値を記憶していない場合には、前記測定待機時間を固定値に設定してもよい。
この血圧測定装置において、前記自律神経バランス値算出手段は、前記測定待機時間の間にも、自律神経のバランス値の算出処理を継続し、前記タイミング決定手段は、前記測定待機時間が経過するまでの間に、前記自律神経バランス値算出手段により算出された自律神経のバランス値が、前記安定閾値よりも大きくなった場合には、その時点で、前記血圧値測定手段による血圧値の測定を開始するようにしてもよい。
この血圧測定装置において、前記タイミング決定手段により決定された血圧値の測定開始タイミングに基づいて、前記血圧値測定手段による血圧値の測定開始時点における、前記被験者の安静度に関する情報を前記被験者に報知するように制御する安静度報知制御手段をさらに備えてもよい。
この血圧測定装置において、複数の深呼吸パターンを記憶するパターン記憶手段と、前記パターン記憶手段に記憶された複数の深呼吸パターンの中から選択された、1つの深呼吸パターンに応じた深呼吸を前記被験者に促す報知を行うように制御する深呼吸報知制御手段とをさらに備えてもよい。
この血圧測定装置において、前記選択された1つの深呼吸パターンに応じた深呼吸を前記被験者に促す報知を開始してから、所定の深呼吸待機時間が経過したときに、前記自律神経バランス値算出手段により算出される自律神経のバランス値が、所定の時間以上、前記安定閾値以下の値に維持されている場合には、前記タイミング決定手段による血圧値の測定開始タイミングの決定処理を行い、前記選択された1つの深呼吸パターンに応じた深呼吸を前記被験者に促す報知を開始してから、所定の深呼吸待機時間が経過したときに、前記自律神経バランス値算出手段により算出される自律神経のバランス値が、所定の時間以上、前記安定閾値以下の値に維持されていない場合には、前記被験者に、前記選択された1つの深呼吸パターンとは異なる新たな深呼吸パターンを選択するように促してもよい。
この血圧測定装置において、前記深呼吸報知制御手段は、前記血圧値測定手段による血圧値の測定が完了するまで、前記選択された1つの深呼吸パターンに応じた深呼吸を前記被験者に促す報知を継続してもよい。
本発明によれば、光電容積脈波センサからの出力信号に基づいて推定した、被験者の現在の推定血圧値と、被験者の過去安静時血圧値との比較結果に基づいて、カフを用いた被験者の血圧値の測定を開始するタイミングを決定するようにした。このように、被験者の現在の推定血圧値と過去安静時血圧値とを比較して、被験者の血圧値の測定を開始するタイミングを決定するようにしたことにより、上記特許文献1の発明のように、LF/HFに基づいて血圧値の測定開始タイミングを決定した場合、又は上記特許文献2の発明のように、被験者の1分間当たりの呼吸回数に基づいて、血圧値の測定開始タイミングを決定した場合と比べて、被験者の安静時の血圧値を、適切なタイミングで測定することができる確率を高めることができる。
以下、本発明を具体化した実施形態による血圧測定装置について、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態による血圧測定装置の内部構成を示すブロック図である。この血圧測定装置1は、いわゆる電子血圧測定装置である。図に示すように、血圧測定装置1は、本体2と、被験者の上腕又は手首に巻き付け可能なカフ3と、カフ3内の空気袋31と本体2とを接続するエアーチューブ4とを備えている。また、血圧測定装置1は、PPG(Photo Plethysmography)センサ5(請求項における「光電容積脈波センサ」)を備えている。PPGセンサ5の詳細については、後述する。
また、血圧測定装置1の本体2は、ポンプ6と、電磁弁7と、圧力センサ8と、ポンプ駆動回路9と、電磁弁駆動回路10と、A/Dコンバータ11と、A/Dコンバータ12と、CPU13と、表示部14と、操作部15と、メモリ16と、電池17とを備えている。
上記のポンプ6、電磁弁7、及び圧力センサ8は、エアーチューブ4を介して、カフ3内の空気袋31と接続されている。ポンプ6は、カフ3内の空気袋31に空気を送り込むことにより、カフ圧を増加させる。なお、カフ圧とは、カフ3による被験者の所定部位(上腕又は手首)への圧迫圧力を意味する。ポンプ駆動回路9は、CPU13からの制御信号に基づいて、ポンプ6を駆動する。
電磁弁7は、空気袋31内の空気の排出・封入の際に開閉される電磁式の排気弁である。この電磁弁7を用いて、空気袋31内の空気の排気速度を制御することにより、カフ圧の降圧(減圧)速度を一定にすることができる。電磁弁駆動回路10は、CPU13からの制御信号に基づいて、電磁弁7の開閉を制御する。
圧力センサ8は、空気袋31内の空気圧力を検出して、アナログ形式のカフ圧信号として出力する。A/Dコンバータ11は、圧力センサ8から出力されたアナログ形式のカフ圧信号を、ディジタル信号(ディジタル形式のカフ圧信号)に変換して、CPU13へ出力する。A/Dコンバータ12は、PPGセンサ5からのアナログ形式の出力信号を、ディジタル信号に変換して、CPU13へ出力する。
CPU13は、血圧測定装置1の全体の制御、及び各種の演算を行う。表示部14は、例えば、液晶パネルで構成される。この表示部14には、血圧値等の測定結果、深呼吸パターンの選択候補、呼吸誘導波形アニメーション(請求項における「選択された1つの深呼吸パターンに応じた深呼吸を前記被験者に促す報知」)等が表示される。操作部15は、被験者等のユーザ(測定者)が、各種の指示及び情報を入力するための複数の操作ボタンから構成されている。これらの操作ボタンには、通常測定モードの血圧測定の開始及び終了を指示するための開始終了ボタン15aと、リラックス測定モード(被験者に深呼吸を促して、被験者の安静時の血圧値を測定するモード)の血圧測定の開始及び終了を指示するための開始終了ボタン15bとが含まれている(図19及び図20参照)。なお、操作部15と表示部14を、タッチパネルを用いて一体に構成し、ユーザが、このタッチパネルに直接タッチして操作できるようにしてもよい。
メモリ16は、CPU13に、通常測定モード及びリラックス測定モードの血圧測定等の処理をさせるための各種のプログラムとデータを記憶するROM(Read Only Memory)、過去の測定データを記憶するためのフラッシュメモリ、及びRAM(Random Access Memory)を含んでいる。メモリ16に記憶されるデータには、被験者の過去安静時血圧値と、複数の深呼吸パターンとが含まれる。メモリ16は、請求項における血圧値記憶手段、及びパターン記憶手段に相当する。電池17は、血圧測定装置1の各部に電力を供給する。
次に、図2及び図3を参照して、上記のPPGセンサ5からの出力信号に基づいて行われる、LF(Low Frequency)/HF(High Frequency)の算出処理、及び被験者の現在の血圧値の推定処理について説明する。ここで、上記のLF/HFとは、被験者の自律神経のバランス値(交感神経活動度指標)であり、被験者の心拍変動における、血圧変動に対応する低周波成分と、呼吸変動に対応する高周波成分との比である。より正確に言うと、HFは、3秒から4秒程度の周期を持つ呼吸に対応する周波数帯域のパワースペクトルの合計量を意味し、LFは、10秒程度の周期を持つ血圧変動に対応する周波数帯域のパワースペクトルの合計量を意味し、LF/HFは、これらの比を意味する。
まず、上記のLF/HFの算出処理について説明する。一般に、被験者の脈波を測定して脈拍数を計ることができれば、その変動(HRV(Heart Rate Variability)(心拍変動))から、LF/HFを算出することが可能である。上記の脈波は、PPGセンサ5を用いた測定以外に、心電計を用いて測定することもできるし、カフと圧力センサを用いて測定することもできる。けれども、心電計は、装着が簡便ではなく、カフと圧力センサを用いた脈波測定は、体動の影響を受け易い。これに対して、光センサの一種であるPPGセンサ5は、装着が容易で、しかも、PPGセンサ5を用いた脈波測定は、体動の影響を受け難い。従って、PPGセンサ5を用いた脈波測定は、心電計を用いた脈波測定、及びカフと圧力センサを用いた脈波測定よりも、望ましい。従って、本血圧測定装置1は、PPGセンサ5からの出力信号として得られる脈波に基づいて、LF/HFの算出処理を行う。なお、PPGセンサ5は、腕又は指に装着される。
PPGセンサ5は、脈の立ち上がり時に、血流が多くなって、血管内の血液体積が増えることにより、光を吸収する赤血球が増え、PPGセンサ5内の光センサが受光する光の強度が減少するという原理を利用したものであり、上記の受光する光の強度に比例した信号を出力する。従って、このPPGセンサ5からの出力信号(図2参照)は、脈波に相当する。
次に、上記の被験者の現在の血圧値の推定処理について説明する。図3に示されるように、一般に、PPGセンサからの出力信号の各波の最大値(波高値)と最低値とは、それぞれ、最高血圧値と最低血圧値に相当すると、学術的にも相関関係が認められている。従って、PPGセンサ5は、イメージとしては、リアルタイム血圧値を測定するリアルタイム血圧測定装置である。このPPGセンサ5からの出力信号に基づいて求めた(血圧の)リアルタイム測定値は、薬機法(「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」)の血圧計の定義から見て、「血圧値」として扱うことができず、手術などの重要な血圧管理が必要な時などには、使用することが難しいが、血圧変動をリアルタイムで観測するという目的には最適である。従って、本実施形態では、PPGセンサ5からの出力信号に基づいて、被験者の現在の血圧値を推定する。
図4は、上記のCPU13により実現される機能ブロックを示す。CPU13内の各ブロック(血圧値測定回路21、自律神経バランス値算出回路22、血圧値推定回路23、タイミング決定回路24、安静予測時間決定回路25、安静度報知制御回路26、深呼吸報知制御回路27)の機能は、CPU13がメモリ16に格納された、リラックス測定モード用の血圧測定用プログラムを実行することにより実現される。ただし、この構成に限られず、例えば、符号21〜27のブロックの機能の少なくとも一つを、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等によって構成される個別のハードウェアによって実現してもよい。自律神経バランス値算出回路22、血圧値推定回路23、タイミング決定回路24、安静予測時間決定回路25、安静度報知制御回路26、及び深呼吸報知制御回路27は、それぞれ、請求項における自律神経バランス値算出手段、血圧値推定手段、タイミング決定手段、測定待機時間決定手段、安静度報知制御手段、及び深呼吸報知制御手段に相当する。また、血圧値測定回路21と、上記図1に示すカフ3と、空気袋31と、エアーチューブ4と、ポンプ6と、電磁弁7と、圧力センサ8と、ポンプ駆動回路9と、電磁弁駆動回路10と、A/Dコンバータ11とが、請求項における血圧値測定手段に相当する。
上記の血圧値測定回路21は、A/Dコンバータ11より入力されたディジタル形式のカフ圧信号から、被験者の脈波とカフ圧を検出して、検出した各脈波の振幅値と、各脈波の検出時点におけるカフ圧の検出値とに基づいて、オシロメトリック法により血圧値を測定する。具体的には、カフ3で圧迫して被験者の動脈を閉塞させた後、カフ圧を減圧していくと、脈波の振幅値が急激に大きくなるポイントがある。そして、さらにカフ圧を減圧していくと、脈波の振幅値は、最大値を経た後、急激に小さくなって、ある時点から余り変化しなくなる。血圧値測定回路21は、上記の振幅値が急激に大きくなった時のカフ圧を、最高血圧値(収縮期血圧値)とし、急激に小さくなった時のカフ圧を、最低血圧値(拡張期血圧値)とする。
上記の自律神経バランス値算出回路22は、上記のLF/HFの算出処理を行う。具体的には、自律神経バランス値算出回路22は、PPGセンサ5からの出力信号(として得られる脈波)に基づいて、被験者の自律神経のバランス値であるLF/HFを算出する。また、血圧値推定回路23は、上記図3を用いて説明したように、PPGセンサ5からの出力信号に基づいて、被験者の現在の血圧値を推定する。
上記のタイミング決定回路24は、血圧値推定回路23により推定された、被験者の現在の推定血圧値と、メモリ16に記憶された、被検者の過去の安静時血圧値(以下、「過去安静時血圧値」と略す)との比較結果に基づいて、カフ3を用いた血圧値の測定を開始するタイミングを決定する。また、安静予測時間決定回路25は、血圧値推定回路23による血圧値の推定開始時に血圧値推定回路23により推定した推定血圧値と、メモリ16に記憶された過去安静時血圧値との比較結果に基づいて、安静予測時間を決定する。
上記の安静度報知制御回路26は、タイミング決定回路24により決定された血圧値の測定開始タイミングに基づいて、カフ3を用いた血圧値の測定開始時点における、被験者の安静度に関する情報を被験者に報知するように制御する。また、深呼吸報知制御回路27は、メモリ16に記憶された複数の深呼吸パターンの中から選択された、1つの深呼吸パターンに応じた深呼吸を被験者に促す報知を行うように制御する。
次に、図5及び図6のフローチャートを参照して、本血圧測定装置1における、上記のリラックス測定モード時の血圧測定処理について説明する。この血圧測定処理には、「深呼吸適正化ステージ」の処理と、「血圧測定選択ステージ」の処理が含まれている。上記の「深呼吸適正化ステージ」は、図5中のS1乃至S6の処理から構成されており、「血圧測定選択ステージ」は、図5中のS7の処理に加えて、図6中のS8乃至S13、S15、S18、S19、S22、及びS23の処理から構成されている。
上記の「深呼吸適正化ステージ」における特長は、(1)深呼吸の呼吸誘導波形のプリセットパターンを複数設けて、ユーザが選択できるようにした点、(2)深呼吸誘導の方法として、実際の呼吸波形に近い形状で動画(アニメーション)表示させる点、及び(3)LF/HFを用いて、被検者が、自分に合った深呼吸ができているか否かを確認する点である。
上記の深呼吸適正化ステージにおける各処理について、図5を参照して説明する。まず、被験者(ユーザ)が、開始終了ボタン15b(図19及び図20参照)を押下して、リラックス測定モードの血圧測定の開始を指示すると、CPU13は、メモリ16に記憶された複数の深呼吸パターンを読み込んで、これらの深呼吸パターンに対応した呼吸誘導波形を表示部14に表示した上で、「深呼吸のパターンを選択して下さい」というメッセージ(「深呼吸パターン選択メッセージ」)を、表示部14に表示する(S1)。これは、上記の特長(1)に対応した処理である。
図7は、上記の呼吸誘導波形の例を示す。本血圧測定装置1に使用されている呼吸誘導波形は、人工呼吸器で使用されている換気量−時間曲線(Volume−Time Curve)で表した波形である。図7に示すように、この波形の吸気の部分(図中の「吸う」の部分)、及び呼気の部分(図中の「吐く」の部分)は、いずれも、対数曲線に近似した形状となる。呼吸誘導波形を、上記のような形状にした理由は、被検者が実際の呼吸の波形に近い形で深呼吸を行うように促すことにより、被検者のストレスを軽減させるためである。
図8(a)〜(e)は、上記の複数の深呼吸パターンの呼吸誘導波形の例を示す。上記S1の深呼吸パターン選択メッセージ表示時には、図8(a)〜(e)の全ての呼吸誘導波形が、選択対象となる深呼吸パターンに対応した呼吸誘導波形として、表示部14に表示される。
上記特長(1)のように、深呼吸の呼吸誘導波形のプリセットパターンを複数設けた理由は、以下の通りである。すなわち、深呼吸のパターン(I:E比(吸気時間呼気時間比)、及び排気量(吸気量)等)は、年齢、性別、体格等によって、人それぞれに異なり、また、同じ人でも、環境(その時の状態)によって異なるため、一様に決めることは難しい。例えば、若者と老人とでは肺機能の違いにより、1分間当たりのI:E比,呼吸回数、及び呼吸量は、人それぞれである。また、深呼吸のパターンは、被検者が運動直後であるか、又はある程度安静状態であるかによっても、変わるであろう。そこで、異なる深呼吸のパターン(I:E比、及び排気量(吸気量))に対応させるために、複数の深呼吸パターンに対応した呼吸誘導波形を設けて、これらの呼吸誘導波形を、選択対象となる深呼吸パターンに対応した呼吸誘導波形として表示するようにしたのである。
上記図5のS1で表示された深呼吸パターン選択メッセージに応じて、被検者が、表示された複数の深呼吸パターンの中から、一つの深呼吸パターン(の呼吸誘導波形)を選択すると、CPU13の深呼吸報知制御回路27は、選択された1つの深呼吸パターンに応じた呼吸誘導波形のアニメーション表示を開始するように制御する(S2)。これは、上記の特長(2)に対応した処理である。上記の呼吸誘導波形のアニメーション表示が、請求項における「深呼吸を被験者に促す報知」に相当する。
図9(a)〜(e)は、上記呼吸誘導波形のアニメーション表示のさせ方を示す。これらの図に示すように、CPU13の深呼吸報知制御回路27は、表示部14に、誘導する波形の道筋(図中の「波形予測線」)を表示させた上で、図9(a)〜(e)の順に、波形予測線に沿って、現在の呼吸量をハイライト表示していく。なお、図9(a)〜(e)中の各呼吸誘導波形における斜線の部分が、上記のハイライト表示された部分に相当する。被験者は、表示部14に表示された波形予測線に沿ったハイライト表示を参照することにより、吸排気(吸気と呼気の両方の)の初期と終期における、立ち上がり量及び立ち下がり量を予測することができる。従って、上記の呼吸誘導波形のアニメーション表示をすることにより、被検者を、実際の呼吸パターンに近い呼吸方法で、深呼吸へ誘導することができる。
上記呼吸誘導波形のアニメーション表示方法を採用した場合の利点について、従来の呼吸誘導の方法と比較して説明する。従来の深呼吸時の呼吸誘導の方法としては、「吸って〜。吐いて〜。」といったアナウンスをするという方法、光を順次点灯するという方法等がある。けれども、単に上記のアナウンスをしたり、光を順次点灯したりするだけでは、完全な呼吸誘導とは言えない。その理由は、上記のアナウンス、又は光の順次点灯だけでは、時間に対する非線形的な吸気/排気量を再現することが難しいからである。
例えば、上記特許文献1の図4及び図5に示されるような6つのランプで、排気(呼気)完了状態から吸気完了まで誘導するとする。この場合、被験者は、吸気及び排気のタイミング、並びに各ランプにおける吸気量及び排気量の配分を把握することが困難である。吸気は、初期の増加量(立ち上がり量)が多くなるが、例えば、被験者が、1つ目のランプで肺活量の半分位吸気してしまった場合、被験者は、残りの5つのランプでの吸気配分をどうしたらよいか分からない。上記のように、光の順次点灯だけによる呼吸誘導では、実際の呼吸の再現性が悪くなる。これに対して、本実施形態の呼吸誘導波形のアニメーション表示は、吸気及び排気のタイミング、並びに吸気量及び排気量の配分を直感的に表すものである。そのため、本実施形態の呼吸誘導波形のアニメーション表示を用いて、被検者に、実際の呼吸の波形に沿った呼吸誘導をすることで、被験者は、より短時間で、自然に近いリラックス効果を得ることができる。これにより、被験者の安静時の血圧値の測定時間を短縮することができる。
上記図5のS2に示される呼吸誘導波形のアニメーション(表示)を開始した後、CPU13は、メモリ16に記憶された深呼吸待機時間を読み込んで、深呼吸待機時間Trlxの設定を行う(S3)。そして、CPU13の自律神経バランス値算出回路22は、上記のPPGセンサ5からの出力信号に基づく、LF/HFの算出処理(解析)を開始する(S4)。この結果、図10に示されるように、上記の呼吸誘導波形のアニメーション表示を開始してから、上記の深呼吸待機時間Trlxが経過したときに、自律神経バランス値算出回路22により算出されるLF/HFが、所定の時間以上、安定閾値Arlx以下の値に維持されている場合には(S5でYES)、CPU13は、深呼吸による安静状態が確立できたとみなして、S7以降の血圧測定選択ステージに移り、タイミング決定回路24による血圧値の測定開始タイミングの決定処理を行う。上記の(LF/HFが安定閾値Arlx以下の値に維持されている)「所定の時間」は、深呼吸待機時間Trlxの3分の1以上の時間であることが望ましい。より具体的に言うと、深呼吸待機時間Trlxが90秒の時には、上記の「所定の時間」は30秒以上であることが望ましい。
これに対して、図11に示されるように、上記の呼吸誘導波形のアニメーション表示を開始してから、上記の深呼吸待機時間Trlxが経過したときに、自律神経バランス値算出回路22により算出されるLF/HFが、上記の「所定の時間」以上、安定閾値Arlx以下の値に維持されていない場合には(S5でNO)、CPU13は、呼吸法が、その時の被験者の状態に合っていないと判断して、被検者に、前回選択した深呼吸パターン(の呼吸誘導波形)とは異なる、新たな深呼吸パターン(の呼吸誘導波形)を選択するように促す。具体的には、CPU13は、前回選択された深呼吸パターンとは異なる深呼吸パターンの呼吸誘導波形を表示部14に表示した上で、「呼吸方法を再度見直して下さい」というメッセージを、表示部14に表示する(S6)ことにより、新たな深呼吸パターンを選択するように促す。これは、上記の特長(3)に対応した処理である。なお、上記の「呼吸方法を再度見直して下さい」というメッセージを表示部14に表示する代わりに、本血圧測定装置1がスピーカを備えるようにして、上記のメッセージを、スピーカを用いて音声でアナウンスしてもよい。
図11は、上記S6で表示された「呼吸方法を再度見直して下さい」というメッセージに対して、被検者が、前回選択した深呼吸パターンAとは異なる、新たな深呼吸パターンBを選択した場合の例を示す。すなわち、図11は、被検者が最初に選択した深呼吸パターンが、被検者に合わず、深呼吸適正化ステージの途中で、被検者が深呼吸パターンを変えた(選び直した)場合の例を示す。これに対して、上記の図10は、被検者が最初に選択した深呼吸パターンが、被検者に合った場合の例を示す。なお、これらの図10及び図11のグラフにおいて、左側の目盛りは、LF/HFに対応する目盛りであり、目盛りの数値は、LF/HFの値に、変化を大きくする(変化を把握し易くする)ために、係数を掛けたものである。また、右側の目盛りは、HRV(心拍変動)に対応する目盛りであり、目盛りの数値は、HR(心拍(数))の変動(値)に、変動を大きくする(変動を把握し易くする)ために、係数を掛けたものである。
相関する
相関する
上述したように、従来から、上記特許文献1に記載された血圧測定システムのように、被検者に対して、深呼吸時の呼吸誘導を行うものはあった。しかしながら、従来のこの種の装置では、装置によって決められた深呼吸パターンが、被検者に合っているか否かは、被検者の主観に基づいて判断するしかなく、装置によって決められた深呼吸パターンが本当に被検者に合っているか否かを正確に判断することが難しかった。つまり、被検者本人が、装置によって決められた深呼吸パターンに応じた深呼吸をした結果、リラックスできているという自己申告をしたら、その深呼吸パターンが、被検者に合っていると信じざるを得なかった。しかしながら、被検者本人が、リラックスできたと思っていても、生体的には、交感神経が活発で心拍数が下がらず、血圧が上昇しているなど、リラックスができていない場合もある。これに対して、本血圧測定装置1は、深呼吸待機時間Trlx中に、上記S4のLF/HFの算出処理(LF/HFの測定)を継続することで、被検者の現在の深呼吸パターンが本当に被検者に合っているか否かを、客観的に確認することができる。
次に、上記の「血圧測定選択ステージ」と、この血圧測定選択ステージの直後に行われる4つのパターンの血圧測定について、説明する。本血圧測定装置1の血圧測定選択ステージと血圧測定における特長は、(4)PPGセンサ5を用いて、血圧推測値をリアルタイムに監視する点、(5)深呼吸の開始から血圧測定の完了までLF/HFのモニタリングを継続することで、継続した安静状態が保てているか確認する点、及び(6)血圧値の測定開始時点における、被験者の安静度(に関する情報)を被験者に報知する点である。
上記の深呼吸待機時間Trlxが経過したときに、LF/HFが、所定の時間以上、安定閾値Arlx以下の値に維持されており、深呼吸による安静状態が確立できたときには(S5でYES)、CPU13は、血圧測定選択ステージの処理に移る。この血圧測定選択ステージに入ると、CPU13は、安静予測時間Tpred(又はTfix)(請求項における「測定待機時間」)の決定を行う。
具体的には、まず、CPU13の血圧値推定回路23が、PPGセンサ5からの出力信号に基づいて、その時点(血圧値推定回路23による血圧値の推定開始時)における(現在の)被験者の血圧値(推定開始時血圧値PPGpri)を推定(測定)する(S7)。具体的には、血圧値推定回路23は、血圧値推定回路23による血圧値の推定開始時の直後に、PPGセンサ5からの出力信号の波形がピークになった時のPPGセンサ5からの出力値(電圧値)に基づいて、血圧値の推定開始時における被験者の最高血圧値を推定し、この推定最高血圧値を、推定開始時血圧値PPGpriとする。
次に、CPU13は、図6の処理に移って、被検者の過去安静時血圧値BPpastがメモリ16に記憶されている(存在する)か否かを確認する(S8)。ここで、上記の推定開始時血圧値PPGpriと同様に、過去安静時血圧値BPpastについても、被験者の最高血圧値を用いる。すなわち、過去安静時血圧値BPpastは、被験者の過去の安静時における最高血圧値である。このように、推定開始時血圧値PPGpri、過去安静時血圧値BPpast、及び後述する被験者の現在の推定血圧値PPGnowとして、最高血圧値を用いる理由は、最高血圧値が、血管の破裂に関する指標として取り扱われているように、一般に、健康に関する指標として取り扱われているため、最高血圧値を用いることが好ましいからである。
上記S8の判定処理において、メモリ16に、過去安静時血圧値BPpastが記憶されている場合には(S8でYES)、CPU13の安静予測時間決定回路25は、この過去安静時血圧値BPpastと、上記の推定開始時血圧値PPGpriとの比較結果に基づいて、安静予測時間Tpredを決定する。
具体的には、安静予測時間決定回路25は、上記の推定開始時血圧値PPGpriが、メモリ16に記憶された過去安静時血圧値BPpastよりも高いときには(S9でYES)、図12に示すように、推定開始時血圧値PPGpriと過去安静時血圧値BPpastとの差(PPGpri−BPpast)に基づいて(応じて)、安静予測時間Tpredを決定する(S10)。例えば、安静予測時間決定回路25は、推定開始時血圧値PPGpriが、過去安静時血圧値BPpastよりもはるかに高い時には(推定開始時血圧値PPGpriと過去安静時血圧値BPpastとの差が大きいときには)、被検者の深呼吸時間を通常よりも長くするために、安静予測時間Tpredを通常よりも長い時間に設定する。すなわち、推定開始時血圧値PPGpriと過去安静時血圧値BPpastとの差が大きい程、安静予測時間Tpredを長い時間に設定する。この理由は、上記の差が大きい程、被検者が安静状態になるまでの深呼吸の時間が長くなると推定されるからである。このS10の処理は、上記の特長(4)を利用した処理である。
これに対して、過去安静時血圧値BPpastがメモリ16に記憶されていない(存在しない)場合には(S8でNO)、CPU13は、図13に示すように、安静予測時間を、固定安静予測時間Tfix(固定値の安静予測時間)に設定する(S11)。この過去安静時血圧値BPpastがメモリ16に記憶されていないケースは、リラックス測定モードの血圧測定処理を初めて行う場合等に生じ得る。
なお、上記図12と図13、及び以下の図14乃至図16において、PPGの波形は、PPGセンサ5からの出力値(電圧値)をAD変換し、AD変換後のディジタル形式の出力値を、血圧値に変換するために、増幅処理、及びオフセット処理(値をずらす処理)したものである。また、これらの図中の過去安静時血圧値BPpastは、被検者の過去の安静時の血圧値(単位は、mmHg)を、各図のグラフのスケールに合うような電圧値に変換したものである。
上記S10の安静予測時間決定処理、又は上記S11の固定安静予測時間設定処理が終了すると、CPU13のタイミング決定回路24は、血圧値推定回路23により推定された、被験者の現在の推定血圧値と、メモリ16に記憶された、被検者の過去安静時血圧値BPpastとの比較結果に基づいて、カフ3を用いた血圧値の測定を開始するタイミングを決定する。具体的には、CPU13のタイミング決定回路24は、血圧測定選択ステージに入ってから現在までの経過時間をtnow、PPGセンサ5からの出力信号の値に基づいて推定した被験者の現在の最高血圧値を推定血圧値PPGnowとして、安静予測時間Tpred又は固定安静予測時間Tfixの間に、現在の推定血圧値PPGnow(又は推定開始時血圧値PPGpri)と過去安静時血圧値BPpastとを比較しつつ(現在の推定血圧値の値を見つつ)、以下の4つのパターンのうちの、いずれのパターンの血圧測定を行うかを決定する。ここで、血圧値推定回路23は、現時点(その時点)の直後(又は直前)においてPPGセンサ5からの出力信号波形がピークになった時のPPGセンサ5からの出力値(電圧値)に基づいて、上記の被験者の現在の推定血圧値PPGnowを推定する。
上記の4つのパターンの血圧測定とは、(i)瞬時測定、(ii)リラックス測定、(iii)安静予測測定、及び(iv)急変測定である。これらの血圧測定の相違点は、血圧値の測定を開始するタイミングである。現在のPPGセンサ5からの出力値に基づく推定血圧値PPGnowを見つつ、血圧測定をするタイミングを計るのは、PPGセンサ5からの出力値が、実際の血圧測定値と相関があるためで、仮に血圧測定したら、PPGnowに相当する血圧測定値(最高血圧値)が得られるのではないかと思われるからである。なお、以下の説明で使用する図14乃至図16におけるグラフ中のPPGの波形は、説明を分かり易くするために、PPGセンサ5からの出力値(を血圧値に変換したもの)の変化を誇張して示したものである。また、被験者の安静度(リラックス度)は、(i)瞬時測定が最も高く、(ii)リラックス測定、(iii)安静予測測定、(iv)急変測定の順に、低くなる。
次に、図6のフローチャートに加えて、図14を参照して、上記の4つのパターンの血圧測定のうち、(i)の瞬時測定について説明する。血圧測定選択ステージに入った直後に、図14に示すように、既に、推定開始時血圧値PPGpri(血圧値推定回路23による推定開始時の「現在の推定血圧値」)が過去安静時血圧値BPpast以下である場合には(S9でNO)、CPU13のタイミング決定回路24は、その時点で、カフ3を用いた被験者の血圧値の測定を開始する。このパターンの血圧測定が、「瞬時測定」(S17)である。血圧測定選択ステージに入った直後であっても、既に、推定開始時血圧値PPGpriが、過去安静時血圧値BPpastと同等か、それより下であれば、被検者が十分にリラックス状態にあり、被験者の安静時の血圧値を得ることが期待できるので、この場合には、安静予測時間Tpred(又はTfix)が経過するのを待たず、直ぐに血圧測定を行うようにしたのである。
上記の「瞬時測定」を設けたことによる効果は、血圧測定選択ステージに入った時点で、その時点の(現在の)推定血圧値(推定開始時血圧値PPGpri)が、安静時の血圧値のレベルに達しているのであれば、無駄な深呼吸を行うまでもなく(安静予測時間Tpred(又はTfix)が経過するのを待つまでもなく)、即座に血圧測定を行うことで、少しでも被験者に無駄な負担をかけないようにすることができることである。なお、この「瞬時測定」が行われた場合には、CPU13(の主に安静度報知制御回路26)は、(カフ3を用いた)血圧値の測定開始時点における、被検者の安静度に関する情報(リラックス度の重み付け情報)として、例えば、図6中のS17及び図14に示す3つの星印を、血圧測定結果(最高血圧値、最低血圧値、脈拍数等)と共に、表示部14に表示する。なお、この被検者の安静度に関する情報(リラックス度の重み付け情報)の例では、星印の数が多いほど安静度(リラックス度)が高いことを示している。
次に、図6のフローチャートに加えて、図15を参照して、上記の4つのパターンの血圧測定のうち、(ii)のリラックス測定について説明する。上記の自律神経バランス値算出回路22は、上記S10で決定した安静予測時間Tpredの間にも、上記のLF/HFの算出処理を継続する。そして、CPU13のタイミング決定回路24は、図15に示すように、上記の安静予測時間Tpredが経過するまでの間に(経過時間tnowが安静予測時間Tpredと等しくなるまでの間に)(S13でNO)、血圧値推定回路23により推定された現在の推定血圧値PPGnowが、メモリ16に記憶された過去安静時血圧値BPpast以下になった場合には(S15でYES)、その時点で、カフ3を用いた被験者の血圧値の測定を開始する。このパターンの血圧測定が、「リラックス測定」(S16)である。安静予測時間Tpred内であっても、既に、現在の推定血圧値PPGnowが、過去安静時血圧値BPpastまで下がっていれば、被検者がリラックスできていると推測できる状況にあり、被験者の安静時の血圧値を得ることが期待できる。従って、このような場合には、安静予測時間Tpredに達する前に、少しでも早く測定を開始することにより、血圧測定を早く終わらせて、少しでも被験者に無駄な負担をかけない(余分な深呼吸をさせない)ようにしたのである。
上記の「リラックス測定」が行われた場合には、CPU13(の主に安静度報知制御回路26)は、(カフ3を用いた)血圧値の測定開始時点における、被検者の安静度に関する情報(リラックス度の重み付け情報)として、例えば、図6中のS16及び図15に示す2つの星印を、血圧測定結果と共に、表示部14に表示する。
上記の(i)瞬時測定及び(ii)リラックス測定により得られる効果は、主に、上記の特長(4)(PPGセンサ5を用いて血圧推測値をリアルタイムに監視する点)に起因する効果である。すなわち、上記の瞬時測定及びリラックス測定は、PPGセンサ5からの出力値がリアルタイム血圧推定値に相当するという特性を利用して、被検者の深呼吸中に推定血圧値(推定開始時血圧値PPGpri、又は現在の推定血圧値PPGnow)が一定値(過去安静時血圧値BPpast)まで下がったことが確認できたら、カフ3を用いた血圧測定をすることで、被検者の深呼吸開始から血圧測定開始までの時間を最適化して、被検者の負担を減らす(余分な深呼吸をさせない)という効果を得ることができるようにしたものである。
次に、図6のフローチャートに加えて、図15及び図16を参照して、上記の(iii)安静予測測定について説明する。この「安静予測測定」を行うケースは、2つある。1つ目のケースは、図15の上側のPPG波形に示すように、安静予測時間Tpredが経過しても、現在の推定血圧値PPGnowが、過去安静時血圧値BPpastまで下がらなかったケースである。このケースでは、CPU13は、安静予測時間Tpredの経過時に、「安静予測測定」を行う。具体的には、CPU13のタイミング決定回路24は、自律神経バランス値算出回路22により算出されるLF/HFが、安定閾値Arlx以下の値に維持されており(S12でYES)、かつ、血圧値推定回路23により推定された現在の推定血圧値PPGnowが、メモリ16に記憶された過去安静時血圧値BPpastまで下がっていない(S15でNO)状態で、現在までの経過時間tnowが安静予測時間Tpredに達すると(S13でYES)、この時(安静予測時間Tpredの経過時)に、カフ3を用いた被験者の血圧値の測定(安静予測測定)(S14)を開始する。この1つ目のケースにおける「安静予測測定」は、現在の推定血圧値PPGnowは、理想的な値(過去安静時血圧値BPpast)にまで達していないが、被検者が、ある程度リラックスできており、これ以上深呼吸を続けても、現在の推定血圧値PPGnowが変らない(下がらない)可能性があるため、ここで測定するという趣旨で行われる。
上記の1つ目のケースにおける「安静予測測定」の効果は、上述したように、安静予測時間Tpredが、推定開始時血圧値PPGpriと過去安静時血圧値BPpastとの差に応じて設定されたものであるため、安静予測時間Tpredの経過時に血圧測定を行うことで、被検者の生体としての状態に応じた、安静時の血圧測定を行うことができるということである。また、安静予測時間Tpredが経過しても、現在の推定血圧値PPGnowが、過去安静時血圧値BPpastまで下がらなかったときに、推定血圧値PPGnowが過去安静時血圧値BPpastに達するまで、血圧測定を行わなかった場合と比べて、被検者の負担を減らすという効果を得ることができる。
ここで、上記の1つ目のケースにおける「安静予測測定」と、上記の(ii)リラックス測定との関係について説明する。CPU13のタイミング決定回路24は、原則として、推定開始時血圧値PPGpri(血圧値推定回路23による推定開始時の推定血圧値)が、メモリ16に記憶された過去安静時血圧値BPpastより大きい場合には、安静予測時間Tpredの経過時に、カフ3を用いた被験者の血圧値の測定(1つ目のケースにおける「安静予測測定」)を開始する。けれども、タイミング決定回路24は、安静予測時間Tpredが経過するまでの間に、血圧値推定回路23により推定された現在の推定血圧値PPGnowが、メモリ16に記憶された過去安静時血圧値BPpast以下になった場合には、例外的に、その時点で、カフ3を用いた被験者の血圧値の測定((ii)リラックス測定)を開始するのである。
上記の「安静予測測定」を行う2つ目のケースは、過去安静時血圧値BPpastがメモリ16に記憶されておらず、安静予測時間を固定安静予測時間Tfixに設定した(S11)ケースである。このケースでは、CPU13は、図16に示すように、固定安静予測時間Tfixの経過時に、「安静予測測定」を行う。具体的には、CPU13のタイミング決定回路24は、自律神経バランス値算出回路22により算出されるLF/HFが、安定閾値Arlx以下の値に維持されている状態で(S18でYES)、現在までの経過時間tnowが固定安静予測時間Tfixに達すると(S19でYES)、この時(固定安静予測時間Tfixの経過時)に、カフ3を用いた被験者の血圧値の測定(安静予測測定)(S20)を開始する。この2つ目のケースにおける「安静予測測定」は、現在の推定血圧値PPGnowが、理想的な値(過去安静時血圧値BPpast)にまで達しているか否かは分からないが、被検者が、ある程度リラックスできているだろうから、ここで測定するという趣旨で行われる。
上記の2つのケースのうち、いずれの「安静予測測定」が行われた場合にも、CPU13(の主に安静度報知制御回路26)は、(カフ3を用いた)血圧値の測定開始時点における、被検者の安静度に関する情報(リラックス度の重み付け情報)として、例えば、図15、及び図6中のS14とS20に示す1つの星印を、血圧測定結果と共に、表示部14に表示する。
上記の4つのパターンの血圧測定のうち、(i)瞬時測定(S17)、(ii)リラックス測定(S16)、又は(iii)安静予測測定(S14、又はS20)の処理が完了すると、CPU13は、メモリ16に記憶された過去安静時血圧値BPpastを、測定した血圧値に更新する(S21)。
次に、図6のフローチャートに加えて、図17を参照して、上記の(iv)急変測定について説明する。上記の血圧測定選択ステージにおいて、図17に示すように、LF/HFが、安定閾値Arlxを超えた場合には、CPU13は、この「急変測定」を行う。具体的には、CPU13のタイミング決定回路24は、安静予測時間Tpred又は固定安静予測時間Tfixが経過するまでの間に(経過時間tnowが、安静予測時間Tpred又は固定安静予測時間Tfixと等しくなるまでの間に)(S13でNO、又はS19でNO)、自律神経バランス値算出回路22により算出されたLF/HFが、安定閾値Arlxよりも大きくなった場合には(S12でNO、又はS18でNO)、その時点で、カフ3を用いた被験者の血圧値の測定(急変測定)(S22又はS23)を開始する。
血圧測定のパターンに、上記の「急変測定」を設けた趣旨について説明する。血圧測定選択ステージに移ったということは、被検者が、自分に合った呼吸法で深呼吸できており、リラックスできているということであるが、血圧測定選択ステージ中でも、被検者の何らかの(生体としての)異常要因により、被検者が安静状態を保てなくなることがある。上記のように、血圧測定選択ステージにおいて、LF/HFが安定閾値Arlxを超えた場合(S12でNO、又はS18でNO)にも、被検者に、何らかの異常状態が生じたと考えられる。このような場合の測定結果(急変測定の測定結果)は、被験者の安静時の血圧値としては用いることができないが、イレギュラー状態(生体としての異常状態)における血圧値のデータ(被験者の個体の特徴を表す血圧値のデータ)として、被検者の血圧管理に用いることができる。このような被験者のイレギュラー状態(生体としての異常状態)における血圧値のデータ得るために、上記の「急変測定」を設けたのである。
上記の「急変測定」が行われた場合には、CPU13(の主に安静度報知制御回路26)は、(カフ3を用いた)血圧値の測定開始時点における、被検者の安静度に関する情報(リラックス度の重み付け情報)として、例えば、エクスクラメーションマーク(「!」)(図20中の前々回の測定結果参照)、又は「急変」という文字を、血圧測定結果と共に、表示部14に表示する。
上記の(iv)急変測定(S22又はS23)の処理が完了すると、CPU13は、測定した血圧値を、被験者のイレギュラーな(生体としての異常状態における)血圧値として、メモリ16に記憶する(S24)。このイレギュラーな血圧値は、被検者の血圧管理に用いられる。
上記(i)〜(iv)のいずれかのパターンの血圧測定処理が完了し、上記S21のBPpastの更新処理、又は上記S24のイレギュラーな血圧値の記憶処理が完了すると、CPU13の深呼吸報知制御回路27は、呼吸誘導波形のアニメーション表示を停止する(S25)。言い換えると、CPU13の深呼吸報知制御回路27は、上記の深呼吸適正化ステージの間だけではなく、血圧測定選択ステージの間、及び血圧測定中も(血圧値の測定が完了するまで)、上記S1の選択メッセージに応えて選択された深呼吸パターンに対応した呼吸誘導波形のアニメーション表示を継続する。
上記のように、血圧値の測定が完了するまで呼吸誘導波形のアニメーション表示を継続するようにした理由について、説明する。図18に示すように、上記のLF/HFは、被検者が深呼吸をやめると、直ぐに(2、3秒で)上昇してしまう。ところが、血圧測定には、通常、30秒から40秒程かかるため、血圧測定選択ステージの間、及び血圧測定中も、被験者は、深呼吸を続ける必要がある。このため、血圧測定が完了するまで、被験者に深呼吸を続けさせるべく、呼吸誘導波形のアニメーション表示を継続するようにしたのである。
これに対して、上記特許文献1に記載の血圧測定システムは、LF/HFが所定範囲内の値になると、血圧測定を行うので(特許文献1の図2参照)、被検者の深呼吸の停止後に、血圧測定を行っていると思われる。ところが、図18に示すように、LF/HFは、被検者が深呼吸をやめると、直ぐに上昇してしまうのに対して、血圧測定には、30秒から40秒程の時間がかかる。従って、被検者が深呼吸して、一旦、LF/HFが安定した場合でも、特許文献1に記載の血圧測定システムのように、被検者が深呼吸をやめてから血圧測定すると、血圧測定中に、LF/HFは、深呼吸前の状態まで戻ってしまい、被検者に深呼吸させた意味がなくなってしまう。
次に、上記(i)〜(iv)の血圧測定処理の完了後に、表示部14に表示される、リラックス度の重み付け情報について、補足して説明する。上述したように、このリラックス度の重み付け情報は、血圧値の測定開始時点における、被検者の安静度に関する情報であり、図20に示すように、血圧測定の結果と共に、表示部14に表示される。このリラックス度の重み付け情報の表示は、上記の特長(6)「血圧値の測定開始時点における、被験者の安静度(に関する情報)を被験者に報知する点」に対応するものである。
上記のように、リラックス度の重み付け情報を表示するようにした理由は、どのレベルの安静度で測定した血圧値なのかを被検者に伝えるためである。これにより、被検者が血圧測定時に上手くリラックスすることができていない場合には、被検者に、深呼吸方法の見直し(選択する深呼吸パターン(呼吸誘導波形)の見直し、又はプリセットする呼吸誘導波形の見直し)とか、生活習慣の見直しといった、測定方法及び環境(被験者の生体としての状態)の改善を促すことができる。また、被検者に、上記の「急変測定」の実行時のように、余りにも安静度(リラックス度)の低い状態における測定血圧値を、長期血圧管理に使わないように促すことができるので、被検者が、正しい血圧管理をする可能性を高めることができる。
次に、上記の特長(5)「深呼吸の開始から血圧測定の完了までLF/HFのモニタリングを継続することで、継続した安静状態が保てているか確認する点」について、補足して説明する。このように、深呼吸の開始から血圧測定の完了までLF/HFのモニタリングを継続して、安静状態が保てているか確認するようにした理由は、以下のとおりである。
深呼吸により、LF/HFの値が安定している状態は、深呼吸をやめて5秒もすれば、元(のLF/HFの変動が激しい状態)に戻ってしまう。リラックス測定モード時の血圧測定では、被検者が深呼吸を続けて安静状態(LF/HFの値が安定している状態)になってから血圧測定を行うのであるが、血圧測定中も、安静状態を維持しないと、正しい血圧測定を行えない。その理由の一つとして、血圧測定中の最高血圧値と最低血圧値の確定は同時では無く、10秒程の時間差があるため、血圧測定中(開始から完了まで)継続した安静状態が必要であるという事情がある。例えば、血圧測定中(降圧中)の初期に最高血圧値が確定し、終期に最低血圧値が確定するが、最高血圧値確定直後に深呼吸を止めた場合、最低血圧値は大きく影響を受ける。そこで、深呼吸の開始から血圧測定の完了までLF/HFを常にモニタリングすることで、血圧測定の期間中、一貫して安静状態で血圧測定が行えたか否かを確認することができるようにしたのである。
上記の説明では、本血圧測定装置1によって、リラックス測定モードの血圧測定を行った場合の例を示したが、本血圧測定装置1では、通常測定モードの血圧測定(通常の血圧測定装置と同様な血圧測定)を行うこともできる。図19は、通常測定モードの血圧測定を行った場合に、表示部14に表示される血圧測定結果を示す。また、図20は、リラックス測定モードの血圧測定を行った場合に、表示部14に表示される血圧測定結果を示す。現在、通常測定モードとリラックス測定モードのうちの、どちらの測定モードで測定が行われているかは、血圧測定装置1の本体2上部のランプ(「通常測定」のランプ、又は「リラックス測定」のランプ)を点灯させることで、識別することが可能である。本実施形態では、図19及び図20に示されるように、通常測定モードの開始終了ボタン15a、及びリラックス測定モードの開始終了ボタン15bが、点灯可能な構成になっており、通常測定モードの開始終了ボタン15a、リラックス測定モードの開始終了ボタン15bが、それぞれ、上記の「通常測定」のランプ、「リラックス測定」のランプを、兼ねている。
なお、図20に示す、リラックス測定モードの血圧測定結果の表示画面では、前々回の測定結果についてのリラックス度の重み付け情報として、エクスクラメーションマークが表示されているので、前々回の血圧測定のパターンは、「急変測定」ということになる。このように、リラックス度の重み付け情報が、安静度(リラックス度)の非常に低い状態における血圧測定結果であることを示す場合には、被検者が、この血圧測定結果を、長期血圧管理に使わないようにすることで、正しい血圧管理をすることができる。
上記のように、本実施形態の血圧測定装置1によれば、PPGセンサ5からの出力信号に基づいて推定した、被験者の現在の推定血圧値(現在の推定血圧値PPGnow、又は血圧値の推定開始時における(現在の(その時点の))推定開始時血圧値PPGpri)と、被験者の過去安静時血圧値BPpastとの比較結果に基づいて、カフ3を用いた被験者の血圧値の測定を開始するタイミングを決定するようにした。このように、被験者の現在の推定血圧値(PPGnow又はPPGpri)と過去安静時血圧値BPpastとを比較して、被験者の血圧値の測定を開始するタイミングを決定するようにしたことにより、上記特許文献1の発明のように、LF/HFに基づいて血圧値の測定開始タイミングを決定した場合、及び上記特許文献2の発明のように、被験者の1分間当たりの呼吸回数に基づいて、血圧値の測定開始タイミングを決定した場合と比べて、被験者の安静時の血圧値を、適切なタイミングで測定することができる確率を高めることができる。
また、本実施形態の血圧測定装置1によれば、自律神経バランス値算出回路22により算出されたLF/HFが、所定の時間以上、安定閾値Arlx以下の値を維持しているときに、タイミング決定回路24による血圧値の測定開始タイミングの決定処理を行うようにした。これにより、LF/HFに基づいて被検者の呼吸が安定していると判断できる時に、血圧値の測定を開始することができる。
また、本実施形態の血圧測定装置1によれば、タイミング決定回路24は、血圧値推定回路23による血圧値の推定開始時に、血圧値推定回路23により推定した推定血圧値PPGpriが、メモリ16に記憶された過去安静時血圧値BPpast以下である場合には、その時点で、血圧値測定回路21による血圧値の測定を開始し、血圧値推定回路23による血圧値の推定開始時に、血圧値推定回路23により推定した推定血圧値PPGpriが、メモリ16に記憶された過去安静時血圧値BPpastより大きい場合には、所定の安静予測時間Tpredの経過時に、カフ3を用いた血圧値の測定を開始する。上記のように、(PPGセンサ5からの出力信号に基づいて)血圧値推定回路23により推定した推定開始時血圧値PPGpriが、過去安静時血圧値BPpast以下である場合には、既に、被験者が安静状態にあると考えられる。そこで、このような場合に、その時点で、カフ3を用いた血圧値の測定を開始することにより、被験者に、所定の安静予測時間Tpredの間、深呼吸をするという、無駄な負担をかけないようにすることができる。
また、本実施形態の血圧測定装置1によれば、血圧値推定回路23による血圧値の推定開始時に血圧値推定回路23により推定した推定血圧値PPGpriと、メモリ16に記憶された過去安静時血圧値BPpastとの比較結果に基づいて、安静予測時間Tpredを決定するようにした。これにより、推定開始時血圧値PPGpriと過去安静時血圧値BPpastとの差が大きい程、血圧測定までの待機時間である安静予測時間Tpredを長い時間に設定することが可能になる。
また、本実施形態の血圧測定装置1によれば、タイミング決定回路24は、安静予測時間Tpredが経過するまでの間に、血圧値推定回路23により推定された現在の推定血圧値PPGnowが、メモリ16に記憶された過去安静時血圧値BPpast以下になった場合(現在の推定血圧値PPGnowと過去安静時血圧値BPpastとが一致した場合)には、その時点で、カフ3を用いた被験者の血圧値の測定を開始するようにした。上記のように、安静予測時間Tpredが経過するまでの間に、現在の推定血圧値PPGnowと過去安静時血圧値BPpastとが一致した場合には、既に、被検者が安静状態にあると考えられるため、このような場合に、安静予測時間Tpredが経過してから血圧値の測定を開始する場合と比較して、被検者の深呼吸の負担を軽減することができる。
また、本実施形態の血圧測定装置1によれば、タイミング決定回路24は、安静予測時間Tpred又は固定安静予測時間Tfixが経過するまでの間に、自律神経バランス値算出回路22により算出されたLF/HFが、安定閾値Arlxよりも大きくなった場合には、その時点で、カフ3を用いた被験者の血圧値の測定(急変測定)を開始するようにした。これにより、被験者のイレギュラー状態(生体としての異常状態)における血圧値のデータ得ることができる。
また、本実施形態の血圧測定装置1によれば、タイミング決定回路24により決定された血圧値の測定開始タイミングに基づいて、カフ3を用いた血圧値の測定開始時点における、被験者の安静度に関する情報(リラックス度の重み付け情報)を被験者に報知するようにした。これにより、被検者が、測定結果の血圧値について、どのレベルの安静度で測定した血圧値なのかを把握することができる。
また、本実施形態の血圧測定装置1によれば、メモリ16に、複数の深呼吸パターンを記憶して、これらの複数の深呼吸パターンの中から選択された、1つの深呼吸パターンに応じた深呼吸を被験者に促す報知(呼吸誘導波形のアニメーション表示)を行うようにした。これにより、被験者に深呼吸を促すことができる。また、選択候補となる深呼吸パターンが一つではないので、被検者に適した深呼吸パターンを選択することで、被検者が安静状態に近づくような深呼吸パターンに沿った深呼吸の誘導を行うことができる。
また、本実施形態の血圧測定装置1によれば、選択された1つの深呼吸パターンに応じた深呼吸を被験者に促す報知(呼吸誘導波形のアニメーション表示)を開始してから、深呼吸待機時間Trlxが経過したときに、自律神経バランス値算出回路22により算出されるLF/HFが、所定の時間以上、安定閾値Arlx以下の値に維持されている場合には、タイミング決定回路24による血圧値の測定開始タイミングの決定処理を行い、選択された1つの深呼吸パターンに応じた深呼吸を被験者に促す報知を開始してから、深呼吸待機時間Trlxが経過したときに、自律神経バランス値算出回路22により算出されるLF/HFが、所定の時間以上、安定閾値Arlx以下の値に維持されていない場合には、被検者に、前回選択した深呼吸パターン(の呼吸誘導波形)とは異なる、新たな深呼吸パターン(の呼吸誘導波形)を選択するように促す。ここで、深呼吸待機時間Trlxが経過したときに、LF/HFが、所定の時間以上、安定閾値Arlx以下の値に維持されていない場合には、選択された深呼吸パターンが被験者に合っていないと考えられる。従って、このような場合に、上記のように、被検者に、前回選択した深呼吸パターンとは異なる、新たな深呼吸パターンを選択するように促すことで、被検者を、新たな深呼吸パターンで安静状態に導くことが可能になる。
また、本実施形態の血圧測定装置1によれば、カフ3を用いた血圧値の測定が完了するまで、選択された1つの深呼吸パターンに応じた深呼吸を被験者に促す報知(呼吸誘導波形のアニメーション表示)を継続するようにした。ここで、被検者が深呼吸を中断すると、直ぐに、LF/HFが上昇するが、上記のように、血圧値の測定が完了するまで呼吸誘導波形のアニメーション表示を継続することで、血圧測定が完了するまで、被験者に深呼吸を続けさせることが可能になる。
変形例:
なお、本発明は、上記の各実施形態の構成に限られず、発明の趣旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。次に、本発明の変形例について説明する。
なお、本発明は、上記の各実施形態の構成に限られず、発明の趣旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。次に、本発明の変形例について説明する。
変形例1:
上記の実施形態では、本発明の血圧測定装置が、オシロメトリック法による血圧測定を行う装置である場合の例を示した。けれども、本発明の適用対象となる血圧測定装置は、これに限られず、例えば、コロトコフ音の検出用のマイクロフォンを備え、このマイクロフォンからの出力信号に基づいて、コロトコフ法による血圧測定を行う装置であってもよい。また、オシロメトリック法による血圧測定と、コロトコフ法による血圧測定の両方を行う装置であってもよい。
上記の実施形態では、本発明の血圧測定装置が、オシロメトリック法による血圧測定を行う装置である場合の例を示した。けれども、本発明の適用対象となる血圧測定装置は、これに限られず、例えば、コロトコフ音の検出用のマイクロフォンを備え、このマイクロフォンからの出力信号に基づいて、コロトコフ法による血圧測定を行う装置であってもよい。また、オシロメトリック法による血圧測定と、コロトコフ法による血圧測定の両方を行う装置であってもよい。
変形例2:
上記の実施形態では、推定開始時血圧値PPGpri、現在の推定血圧値PPGnow、及び過去安静時血圧値BPpastとして、最高血圧値を用いる場合の例を示したが、推定開始時血圧値PPGpri、現在の推定血圧値PPGnow、及び過去安静時血圧値BPpastとして、最低血圧値を用いてもよいし、平均血圧値(平均動脈圧:Mean Aortic Pressure)を用いてもよい。
上記の実施形態では、推定開始時血圧値PPGpri、現在の推定血圧値PPGnow、及び過去安静時血圧値BPpastとして、最高血圧値を用いる場合の例を示したが、推定開始時血圧値PPGpri、現在の推定血圧値PPGnow、及び過去安静時血圧値BPpastとして、最低血圧値を用いてもよいし、平均血圧値(平均動脈圧:Mean Aortic Pressure)を用いてもよい。
変形例3:
上記の実施形態では、安静予測時間Tpredが経過するまでの間に、血圧値推定回路23により推定された現在の推定血圧値PPGnowが、メモリ16に記憶された過去安静時血圧値BPpast以下になった場合(現在の推定血圧値PPGnowと過去安静時血圧値BPpastとが一致した場合)には、その時点で、カフ3を用いた被験者の血圧値の測定(「リラックス測定」)を開始するようにした。けれども、「リラックス測定」を開始する条件は、上記のように、血圧値推定回路23により推定された現在の推定血圧値PPGnowと、メモリ16に記憶された過去安静時血圧値BPpastとが一致した場合に限られず、血圧値推定回路により推定された現在の推定血圧値PPGnowと、メモリに記憶された過去安静時血圧値BPpastとの差分値が、「所定範囲」内に入った場合であってもよい。この場合にも、被検者が安静状態になったと考えられるため、その時点で、血圧測定を開始することにより、被検者の深呼吸の負担を軽減することができるからである。ただし、現在の推定血圧値PPGnowと過去安静時血圧値BPpastとの差分値の「所定範囲」は、小さいほど、好ましく、本実施形態のように、現在の推定血圧値PPGnowと過去安静時血圧値BPpastとが一致することが最も好ましい。現在の推定血圧値PPGnowと過去安静時血圧値BPpastとの差分値が小さいほど、被検者が安静状態に近い状態であると考えられるからである。
上記の実施形態では、安静予測時間Tpredが経過するまでの間に、血圧値推定回路23により推定された現在の推定血圧値PPGnowが、メモリ16に記憶された過去安静時血圧値BPpast以下になった場合(現在の推定血圧値PPGnowと過去安静時血圧値BPpastとが一致した場合)には、その時点で、カフ3を用いた被験者の血圧値の測定(「リラックス測定」)を開始するようにした。けれども、「リラックス測定」を開始する条件は、上記のように、血圧値推定回路23により推定された現在の推定血圧値PPGnowと、メモリ16に記憶された過去安静時血圧値BPpastとが一致した場合に限られず、血圧値推定回路により推定された現在の推定血圧値PPGnowと、メモリに記憶された過去安静時血圧値BPpastとの差分値が、「所定範囲」内に入った場合であってもよい。この場合にも、被検者が安静状態になったと考えられるため、その時点で、血圧測定を開始することにより、被検者の深呼吸の負担を軽減することができるからである。ただし、現在の推定血圧値PPGnowと過去安静時血圧値BPpastとの差分値の「所定範囲」は、小さいほど、好ましく、本実施形態のように、現在の推定血圧値PPGnowと過去安静時血圧値BPpastとが一致することが最も好ましい。現在の推定血圧値PPGnowと過去安静時血圧値BPpastとの差分値が小さいほど、被検者が安静状態に近い状態であると考えられるからである。
変形例4:
上記の実施形態では、安静予測時間Tpred又は固定安静予測時間Tfixが経過するまでの間に、自律神経バランス値算出回路22により算出されたLF/HFが、安定閾値Arlxよりも大きくなった場合に、「急変測定」を開始するようにした。けれども、「急変測定」の開始条件に用いられる閾値は、被検者が安静状態に近いか否かの基準として用いられる安定閾値Arlxよりも大きい値であってもよい。何故なら、「急変測定」の開始条件(開始判定)に用いられる閾値は、被検者に、何らかの生体異常が発生したことの推測の基準として用いられる閾値だからである。
上記の実施形態では、安静予測時間Tpred又は固定安静予測時間Tfixが経過するまでの間に、自律神経バランス値算出回路22により算出されたLF/HFが、安定閾値Arlxよりも大きくなった場合に、「急変測定」を開始するようにした。けれども、「急変測定」の開始条件に用いられる閾値は、被検者が安静状態に近いか否かの基準として用いられる安定閾値Arlxよりも大きい値であってもよい。何故なら、「急変測定」の開始条件(開始判定)に用いられる閾値は、被検者に、何らかの生体異常が発生したことの推測の基準として用いられる閾値だからである。
変形例5:
上記の実施形態では、呼吸誘導波形のアニメーション表示を開始してから、深呼吸待機時間Trlxが経過したときに、LF/HFが、所定の時間以上、安定閾値Arlx以下の値に維持されていない場合には、CPU13が、前回選択された深呼吸パターンとは異なる深呼吸パターンの呼吸誘導波形を表示部14に表示した上で、被検者に、前回選択した深呼吸パターン(の呼吸誘導波形)とは異なる、新たな深呼吸パターン(の呼吸誘導波形)を選択するように促した。けれども、呼吸誘導波形のアニメーション表示を開始してから、深呼吸待機時間Trlxが経過したときに、LF/HFが、所定の時間以上、安定閾値Arlx以下の値に維持されていない場合には、CPUが、前回選択された深呼吸パターン(の呼吸誘導波形)とは異なる深呼吸パターン(の呼吸誘導波形)を、自動的に選択するようにしてもよい。
上記の実施形態では、呼吸誘導波形のアニメーション表示を開始してから、深呼吸待機時間Trlxが経過したときに、LF/HFが、所定の時間以上、安定閾値Arlx以下の値に維持されていない場合には、CPU13が、前回選択された深呼吸パターンとは異なる深呼吸パターンの呼吸誘導波形を表示部14に表示した上で、被検者に、前回選択した深呼吸パターン(の呼吸誘導波形)とは異なる、新たな深呼吸パターン(の呼吸誘導波形)を選択するように促した。けれども、呼吸誘導波形のアニメーション表示を開始してから、深呼吸待機時間Trlxが経過したときに、LF/HFが、所定の時間以上、安定閾値Arlx以下の値に維持されていない場合には、CPUが、前回選択された深呼吸パターン(の呼吸誘導波形)とは異なる深呼吸パターン(の呼吸誘導波形)を、自動的に選択するようにしてもよい。
変形例6:
上記の実施形態では、4つのパターンの血圧測定のうち、(i)瞬時測定、(ii)リラックス測定、又は(iii)安静予測測定の処理が完了した時に、CPU13が、メモリ16に記憶された過去安静時血圧値BPpastを、測定した血圧値に更新するようにした。けれども、これに限られず、例えば、(i)瞬時測定又は(ii)リラックス測定が完了した時にだけ、CPUが、メモリに記憶された過去安静時血圧値BPpastを、測定した血圧値に更新するようにしてもよい。また、(i)瞬時測定、(ii)リラックス測定、又は(iii)安静予測測定の処理が完了した時、或いは、(i)瞬時測定又は(ii)リラックス測定が完了した時に、測定した血圧値が、メモリに記憶されている過去安静時血圧値BPpastよりも大きい値である場合に限り、CPUが、メモリに記憶された過去安静時血圧値BPpastを、測定した血圧値に更新するようにしてもよい。
上記の実施形態では、4つのパターンの血圧測定のうち、(i)瞬時測定、(ii)リラックス測定、又は(iii)安静予測測定の処理が完了した時に、CPU13が、メモリ16に記憶された過去安静時血圧値BPpastを、測定した血圧値に更新するようにした。けれども、これに限られず、例えば、(i)瞬時測定又は(ii)リラックス測定が完了した時にだけ、CPUが、メモリに記憶された過去安静時血圧値BPpastを、測定した血圧値に更新するようにしてもよい。また、(i)瞬時測定、(ii)リラックス測定、又は(iii)安静予測測定の処理が完了した時、或いは、(i)瞬時測定又は(ii)リラックス測定が完了した時に、測定した血圧値が、メモリに記憶されている過去安静時血圧値BPpastよりも大きい値である場合に限り、CPUが、メモリに記憶された過去安静時血圧値BPpastを、測定した血圧値に更新するようにしてもよい。
変形例7:
上記の実施形態では、深呼吸適正化ステージにおいて、LF/HFが、所定の時間以上、安定閾値Arlx以下の値に維持されている場合に限り、血圧測定選択ステージの処理に移って、タイミング決定回路24による、血圧値の測定開始タイミングの決定処理を行った。けれども、これに限られず、例えば、PPGセンサからの出力信号を用いたLF/HFの算出処理(解析)を行わず、深呼吸待機時間Trlxが経過すると、無条件に、血圧測定選択ステージの処理に移行してもよい。
上記の実施形態では、深呼吸適正化ステージにおいて、LF/HFが、所定の時間以上、安定閾値Arlx以下の値に維持されている場合に限り、血圧測定選択ステージの処理に移って、タイミング決定回路24による、血圧値の測定開始タイミングの決定処理を行った。けれども、これに限られず、例えば、PPGセンサからの出力信号を用いたLF/HFの算出処理(解析)を行わず、深呼吸待機時間Trlxが経過すると、無条件に、血圧測定選択ステージの処理に移行してもよい。
変形例8:
上記の実施形態では、本発明の血圧測定装置が、(i)瞬時測定、(ii)リラックス測定、(iii)安静予測測定、及び(iv)急変測定の、4つのパターンの血圧測定を行う場合の例を示した。けれども、本発明の血圧測定装置は、これに限られず、例えば、(i)瞬時測定、(ii)リラックス測定、及び(iii)安静予測測定の、3つのパターンの血圧測定を行うものであってもよいし、(i)瞬時測定、及び(ii)リラックス測定の、2つのパターンの血圧測定を行うものであってもよい。
上記の実施形態では、本発明の血圧測定装置が、(i)瞬時測定、(ii)リラックス測定、(iii)安静予測測定、及び(iv)急変測定の、4つのパターンの血圧測定を行う場合の例を示した。けれども、本発明の血圧測定装置は、これに限られず、例えば、(i)瞬時測定、(ii)リラックス測定、及び(iii)安静予測測定の、3つのパターンの血圧測定を行うものであってもよいし、(i)瞬時測定、及び(ii)リラックス測定の、2つのパターンの血圧測定を行うものであってもよい。
変形例9:
上記の実施形態では、本発明の血圧測定装置が単一の装置である場合の例について説明したが、被験者の安静度に関する情報(リラックス度の重み付け情報)の報知先の表示装置、及び深呼吸を被験者に促す報知(呼吸誘導波形のアニメーション表示)の報知先の表示装置として、パーソナル・コンピュータ(パソコン)又はモバイル機器(いわゆるスマートフォンを含む)等の表示装置を用いてもよい。この構成においては、血圧測定装置(本体)が、カフを用いた測定血圧値のデータ、リラックス度の重み付け情報のデータ、及び呼吸誘導波形のアニメーション表示用のデータを、パソコン又はモバイル機器に転送(送信)し、パソコン又はモバイル機器が、上記の測定血圧値のデータ、リラックス度の重み付け情報のデータ、及び呼吸誘導波形のアニメーション表示用のデータを受信して、自機の表示装置に表示する。
上記の実施形態では、本発明の血圧測定装置が単一の装置である場合の例について説明したが、被験者の安静度に関する情報(リラックス度の重み付け情報)の報知先の表示装置、及び深呼吸を被験者に促す報知(呼吸誘導波形のアニメーション表示)の報知先の表示装置として、パーソナル・コンピュータ(パソコン)又はモバイル機器(いわゆるスマートフォンを含む)等の表示装置を用いてもよい。この構成においては、血圧測定装置(本体)が、カフを用いた測定血圧値のデータ、リラックス度の重み付け情報のデータ、及び呼吸誘導波形のアニメーション表示用のデータを、パソコン又はモバイル機器に転送(送信)し、パソコン又はモバイル機器が、上記の測定血圧値のデータ、リラックス度の重み付け情報のデータ、及び呼吸誘導波形のアニメーション表示用のデータを受信して、自機の表示装置に表示する。
また、請求項における血圧値推定手段、血圧値記憶手段、タイミング決定手段、自律神経バランス値算出手段、測定待機時間決定手段、安静度報知制御手段、パターン記憶手段、及び深呼吸報知制御手段として、パソコン又はモバイル機器を用いてもよい。この場合、請求項における血圧値測定手段を有する測定装置と、パソコン又はモバイル機器とが、請求項における血圧測定装置を構成する。
変形例10:
上記の実施形態では、呼吸誘導波形のアニメーション(表示)を開始した後、CPU13は、メモリ16に記憶された深呼吸待機時間を読み込んで、深呼吸待機時間Trlxの設定を行った。けれども、これに限られず、例えば、呼吸誘導波形のアニメーション(表示)を開始したときに、CPU13の血圧値推定回路23が、その時点の推定開始時血圧値PPGpriを推定し、CPU13が、推定開始時血圧値PPGpriと過去安静時血圧値BPpastとを比較し、その比較結果に応じて深呼吸待機時間Trlxの長さを設定してもよい。例えば、呼吸誘導波形のアニメーション(表示)を開始したときの推定開始時血圧値PPGpriが過去安静時血圧値BPpast以下である場合には、深呼吸待機時間Trlxの長さをメモリ16に記憶された深呼吸待機時間よりも短くなるように設定してもよい。呼吸誘導波形のアニメーション(表示)を開始したときに、既に、その時点の推定開始時血圧値PPGpriが、過去安静時血圧値BPpastまで下がっていれば、被検者がリラックスできていると推測できる状況にあり、被験者の安静時の血圧値を得ることが期待できるため、このような場合に、深呼吸待機時間Trlxの長さを通常の深呼吸待機時間よりも短くなるように設定することで、少しでも被験者に無駄な負担をかけない(余分な深呼吸をさせない)ようにしたのである。
上記の実施形態では、呼吸誘導波形のアニメーション(表示)を開始した後、CPU13は、メモリ16に記憶された深呼吸待機時間を読み込んで、深呼吸待機時間Trlxの設定を行った。けれども、これに限られず、例えば、呼吸誘導波形のアニメーション(表示)を開始したときに、CPU13の血圧値推定回路23が、その時点の推定開始時血圧値PPGpriを推定し、CPU13が、推定開始時血圧値PPGpriと過去安静時血圧値BPpastとを比較し、その比較結果に応じて深呼吸待機時間Trlxの長さを設定してもよい。例えば、呼吸誘導波形のアニメーション(表示)を開始したときの推定開始時血圧値PPGpriが過去安静時血圧値BPpast以下である場合には、深呼吸待機時間Trlxの長さをメモリ16に記憶された深呼吸待機時間よりも短くなるように設定してもよい。呼吸誘導波形のアニメーション(表示)を開始したときに、既に、その時点の推定開始時血圧値PPGpriが、過去安静時血圧値BPpastまで下がっていれば、被検者がリラックスできていると推測できる状況にあり、被験者の安静時の血圧値を得ることが期待できるため、このような場合に、深呼吸待機時間Trlxの長さを通常の深呼吸待機時間よりも短くなるように設定することで、少しでも被験者に無駄な負担をかけない(余分な深呼吸をさせない)ようにしたのである。
1 血圧測定装置
3 カフ(血圧値測定手段の一部)
4 エアーチューブ(血圧値測定手段の一部)
5 PPGセンサ(光電容積脈波センサ)
6 ポンプ(血圧値測定手段の一部)
7 電磁弁(血圧値測定手段の一部)
8 圧力センサ(血圧値測定手段の一部)
9 ポンプ駆動回路(血圧値測定手段の一部)
10 電磁弁駆動回路(血圧値測定手段の一部)
11 A/Dコンバータ(血圧値測定手段の一部)
16 メモリ(血圧値記憶手段、パターン記憶手段)
21 血圧値測定回路(血圧値測定手段の一部)
22 自律神経バランス値算出回路(自律神経バランス値算出手段)
23 血圧値推定回路(血圧値推定手段)
24 タイミング決定回路(タイミング決定手段)
25 安静予測時間決定回路(測定待機時間決定手段)
26 安静度報知制御回路(安静度報知制御手段)
27 深呼吸報知制御回路(深呼吸報知制御手段)
31 空気袋(血圧値測定手段の一部)
3 カフ(血圧値測定手段の一部)
4 エアーチューブ(血圧値測定手段の一部)
5 PPGセンサ(光電容積脈波センサ)
6 ポンプ(血圧値測定手段の一部)
7 電磁弁(血圧値測定手段の一部)
8 圧力センサ(血圧値測定手段の一部)
9 ポンプ駆動回路(血圧値測定手段の一部)
10 電磁弁駆動回路(血圧値測定手段の一部)
11 A/Dコンバータ(血圧値測定手段の一部)
16 メモリ(血圧値記憶手段、パターン記憶手段)
21 血圧値測定回路(血圧値測定手段の一部)
22 自律神経バランス値算出回路(自律神経バランス値算出手段)
23 血圧値推定回路(血圧値推定手段)
24 タイミング決定回路(タイミング決定手段)
25 安静予測時間決定回路(測定待機時間決定手段)
26 安静度報知制御回路(安静度報知制御手段)
27 深呼吸報知制御回路(深呼吸報知制御手段)
31 空気袋(血圧値測定手段の一部)
Claims (11)
- 光電容積脈波センサからの出力信号に基づいて、被験者の現在の血圧値を推定する血圧値推定手段と、
カフを用いて前記被験者の血圧値を測定する血圧値測定手段と、
前記被験者の過去の安静時に、前記血圧値測定手段により測定した被験者の過去安静時血圧値を記憶する血圧値記憶手段と、
前記血圧値推定手段により推定された現在の推定血圧値と、前記血圧値記憶手段に記憶された前記過去安静時血圧値との比較結果に基づいて、前記血圧値測定手段による血圧値の測定を開始するタイミングを決定するタイミング決定手段とを備える血圧測定装置。 - 光電容積脈波センサからの出力信号に基づいて、前記被験者の自律神経のバランス値を算出する自律神経バランス値算出手段をさらに備え、
前記自律神経バランス値算出手段により算出された自律神経のバランス値が、所定の時間以上、所定の安定閾値以下の値を維持しているときに、前記タイミング決定手段による血圧値の測定開始タイミングの決定処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の血圧測定装置。 - 前記タイミング決定手段は、
前記血圧値推定手段による血圧値の推定開始時に、前記血圧値推定手段により推定した推定血圧値が、前記血圧値記憶手段に記憶された前記過去安静時血圧値以下である場合には、その時点で、前記血圧値測定手段による血圧値の測定を開始し、
前記血圧値推定手段による血圧値の推定開始時に、前記血圧値推定手段により推定した推定血圧値が、前記血圧値記憶手段に記憶された前記過去安静時血圧値より大きい場合には、所定の測定待機時間の経過時に、前記血圧値測定手段による血圧値の測定を開始することを特徴とする、請求項2に記載の血圧測定装置。 - 前記血圧値推定手段による血圧値の推定開始時に前記血圧値推定手段により推定した推定血圧値と、前記血圧値記憶手段に記憶された前記過去安静時血圧値との比較結果に基づいて、前記測定待機時間を決定する測定待機時間決定手段をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の血圧測定装置。
- 前記血圧値推定手段は、前記測定待機時間の間にも、血圧値の推定処理を継続し、
前記タイミング決定手段は、前記測定待機時間が経過するまでの間に、前記血圧値推定手段により推定された現在の推定血圧値と前記血圧値記憶手段に記憶された前記過去安静時血圧値との差分値が、所定範囲内に入った場合には、その時点で、前記血圧値測定手段による血圧値の測定を開始することを特徴とする、請求項3又は請求項4に記載の血圧測定装置。 - 前記血圧値記憶手段が前記過去安静時血圧値を記憶していない場合には、前記測定待機時間が固定値に設定されることを特徴とする、請求項3乃至請求項5のいずれか一項に記載の血圧測定装置。
- 前記自律神経バランス値算出手段は、前記測定待機時間の間にも、自律神経のバランス値の算出処理を継続し、
前記タイミング決定手段は、前記測定待機時間が経過するまでの間に、前記自律神経バランス値算出手段により算出された自律神経のバランス値が、前記安定閾値よりも大きくなった場合には、その時点で、前記血圧値測定手段による血圧値の測定を開始することを特徴とする、請求項3乃至請求項6のいずれか一項に記載の血圧測定装置。 - 前記タイミング決定手段により決定された血圧値の測定開始タイミングに基づいて、前記血圧値測定手段による血圧値の測定開始時点における、前記被験者の安静度に関する情報を前記被験者に報知するように制御する安静度報知制御手段をさらに備えることを特徴とする、請求項2乃至請求項7のいずれか一項に記載の血圧測定装置。
- 複数の深呼吸パターンを記憶するパターン記憶手段と、
前記パターン記憶手段に記憶された複数の深呼吸パターンの中から選択された、1つの深呼吸パターンに応じた深呼吸を前記被験者に促す報知を行うように制御する深呼吸報知制御手段とをさらに備えることを特徴とする、請求項2乃至請求項8のいずれか一項に記載の血圧測定装置。 - 前記選択された1つの深呼吸パターンに応じた深呼吸を前記被験者に促す報知を開始してから、所定の深呼吸待機時間が経過したときに、前記自律神経バランス値算出手段により算出される自律神経のバランス値が、所定の時間以上、前記安定閾値以下の値に維持されている場合には、前記タイミング決定手段による血圧値の測定開始タイミングの決定処理を行い、
前記選択された1つの深呼吸パターンに応じた深呼吸を前記被験者に促す報知を開始してから、所定の深呼吸待機時間が経過したときに、前記自律神経バランス値算出手段により算出される自律神経のバランス値が、所定の時間以上、前記安定閾値以下の値に維持されていない場合には、前記被験者に、前記選択された1つの深呼吸パターンとは異なる新たな深呼吸パターンを選択するように促すことを特徴とする、請求項9に記載の血圧測定装置。 - 前記深呼吸報知制御手段は、前記血圧値測定手段による血圧値の測定が完了するまで、前記選択された1つの深呼吸パターンに応じた深呼吸を前記被験者に促す報知を継続することを特徴とする、請求項9又は請求項10に記載の血圧測定装置。
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