以下、添付図面を参照して、本願の開示する液体吐出ヘッドおよび記録装置の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
印刷装置として、インクジェット記録方式を利用したインクジェットプリンタやインクジェットプロッタが知られている。このようなインクジェット方式の印刷装置には、液体を吐出させるための液体吐出ヘッドが搭載されている。
また、液体吐出ヘッドから液体を吐出させる方式の1つに、圧電方式がある。かかる圧電方式の液体吐出ヘッドは、インク流路の一部の壁を変位素子によって屈曲変位させ、機械的にインク流路内のインクを加圧し、吐出させるものである。そして、圧電素子を駆動するために、液体吐出ヘッドにはドライバICが設けられている。
また、液体吐出ヘッドでは、ドライバICを搭載するフレキシブル基板の一部(以下、コネクタ挿入部とも呼称する。)が配線基板のコネクタに挿入されることにより、フレキシブル基板と配線基板とが電気的に接続されている。これにより、フレキシブル基板と配線基板とを簡便に接続することができる。
しかしながら、従来の液体吐出ヘッドでは、フレキシブル基板のコネクタ挿入部をコネクタに挿入する際に、コネクタ挿入部とコネクタとの接触部分の摩擦力が大きいことから、挿入が困難な場合がある。これにより、液体吐出ヘッドを製造する際の作業性が低下する恐れがある。
そこで、上述の問題点を克服し、フレキシブル基板のコネクタ挿入部をコネクタに容易に挿入することができる液体吐出ヘッドおよび記録装置の実現が期待されている。
<プリンタの構成>
まず、実施形態に係る記録装置の一例であるプリンタ1の概要について、図1および図2を参照しながら説明する。図1および図2は、実施形態に係るプリンタ1の説明図である。
具体的には、図1は、プリンタ1の概略的な側面図であり、図2は、プリンタ1の概略的な平面図である。実施形態に係るプリンタ1は、たとえば、カラーインクジェットプリンタである。
図1に示すように、プリンタ1は、給紙ローラ2と、ガイドローラ3と、塗布機4と、ヘッドケース5と、複数の搬送ローラ6と、複数のフレーム7と、複数の液体吐出ヘッド8と、搬送ローラ9と、乾燥機10と、搬送ローラ11と、センサ部12と、回収ローラ13とを備える。搬送ローラ6は、搬送部の一例である。
さらに、プリンタ1は、給紙ローラ2、ガイドローラ3、塗布機4、ヘッドケース5、複数の搬送ローラ6、複数のフレーム7、複数の液体吐出ヘッド8、搬送ローラ9、乾燥機10、搬送ローラ11、センサ部12および回収ローラ13を制御する制御部14を有している。
プリンタ1は、印刷用紙Pに液滴を着弾させることにより、印刷用紙Pに画像や文字の記録を行う。印刷用紙Pは、記録媒体の一例である。印刷用紙Pは、使用前において給紙ローラ2に巻かれた状態になっている。そして、プリンタ1は、印刷用紙Pを、給紙ローラ2からガイドローラ3および塗布機4を介してヘッドケース5の内部に搬送する。
塗布機4は、コーティング剤を印刷用紙Pに一様に塗布する。これにより、印刷用紙Pに表面処理を施すことができることから、プリンタ1の印刷品質を向上させることができる。
ヘッドケース5は、複数の搬送ローラ6と、複数のフレーム7と、複数の液体吐出ヘッド8とを収容する。ヘッドケース5の内部には、印刷用紙Pが出入りする部分などの一部において外部と繋がっている他は、外部と隔離された空間が形成されている。
ヘッドケース5の内部空間は、必要に応じて、温度、湿度、および気圧などの制御因子のうち、少なくとも1つが制御部14によって制御される。搬送ローラ6は、ヘッドケース5の内部で印刷用紙Pを液体吐出ヘッド8の近傍に搬送する。
フレーム7は、矩形状の平板であり、搬送ローラ6で搬送される印刷用紙Pの上方に近接して位置している。また、図2に示すように、フレーム7は、長手方向が印刷用紙Pの搬送方向に直交するように位置している。そして、ヘッドケース5の内部には、複数(たとえば、4つ)のフレーム7が、印刷用紙Pの搬送方向に沿って位置している。
なお、以降の説明において、印刷用紙Pの搬送方向を「副走査方向」とも呼称し、かかる副走査方向に直交し、かつ印刷用紙Pに平行な方向を「主走査方向」とも呼称する。
液体吐出ヘッド8には、図示しない液体タンクから液体、たとえば、インクが供給される。液体吐出ヘッド8は、かかる液体タンクから供給される液体を吐出する。
制御部14は、画像や文字などのデータに基づいて液体吐出ヘッド8を制御し、印刷用紙Pに向けて液体を吐出させる。液体吐出ヘッド8と印刷用紙Pとの間の距離は、たとえば0.5〜20mm程度である。
液体吐出ヘッド8は、フレーム7に固定されている。液体吐出ヘッド8は、たとえば、長手方向の両端部においてフレーム7に固定されている。液体吐出ヘッド8は、長手方向が印刷用紙Pの搬送方向に直交するように位置している。
すなわち、実施形態に係るプリンタ1は、プリンタ1の内部に液体吐出ヘッド8が固定されている、いわゆるラインプリンタである。なお、実施形態に係るプリンタ1は、ラインプリンタに限られず、いわゆるシリアルプリンタであってもよい。
このシリアルプリンタとは、液体吐出ヘッド8を、印刷用紙Pの搬送方向に交差する方向、たとえば、ほぼ直交する方向に往復させるなどして移動させながら記録する動作と、印刷用紙Pの搬送とを交互に行う方式のプリンタである。
図2に示すように、1つのフレーム7に複数(たとえば、5つ)の液体吐出ヘッド8が固定されている。図2では、印刷用紙Pの搬送方向の前方に3個、後方に2個の液体吐出ヘッド8が位置している例を示しており、印刷用紙Pの搬送方向において、それぞれの液体吐出ヘッド8の中心が重ならないように液体吐出ヘッド8が位置している。
そして、1つのフレーム7に位置する複数の液体吐出ヘッド8によって、ヘッド群8Aが構成されている。4つのヘッド群8Aは、印刷用紙Pの搬送方向に沿って位置している。同じヘッド群8Aに属する液体吐出ヘッド8には、同じ色のインクが供給される。これにより、プリンタ1は、4つのヘッド群8Aを用いて4色のインクによる印刷を行うことができる。
各ヘッド群8Aから吐出されるインクの色は、たとえば、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、シアン(C)およびブラック(K)である。制御部14は、各ヘッド群8Aを制御して複数色のインクを印刷用紙Pに吐出することにより、印刷用紙Pにカラー画像を印刷することができる。
なお、印刷用紙Pの表面処理をするために、液体吐出ヘッド8からコーティング剤を印刷用紙Pに吐出してもよい。
また、1つのヘッド群8Aに含まれる液体吐出ヘッド8の個数や、プリンタ1に搭載されているヘッド群8Aの個数は、印刷する対象や印刷条件に応じて適宜変更可能である。たとえば、印刷用紙Pに印刷する色が単色で、かつ1つの液体吐出ヘッド8で印刷可能な範囲を印刷するのであれば、プリンタ1に搭載されている液体吐出ヘッド8の個数は1つでもよい。
ヘッドケース5の内部で印刷処理された印刷用紙Pは、搬送ローラ9によってヘッドケース5の外部に搬送され、乾燥機10の内部を通る。乾燥機10は、印刷処理された印刷用紙Pを乾燥する。乾燥機10で乾燥された印刷用紙Pは、搬送ローラ11で搬送されて、回収ローラ13で回収される。
プリンタ1では、乾燥機10で印刷用紙Pを乾燥することにより、回収ローラ13において、重なって巻き取られる印刷用紙P同士が接着したり、未乾燥の液体が擦れたりすることを抑制することができる。
センサ部12は、位置センサや速度センサ、温度センサなどにより構成されている。制御部14は、センサ部12からの情報に基づいて、プリンタ1の各部における状態を判断し、プリンタ1の各部を制御することができる。
ここまで説明したプリンタ1では、印刷対象(すなわち記録媒体)として印刷用紙Pを用いた場合について示したが、プリンタ1における印刷対象は印刷用紙Pに限られず、ロール状の布などを印刷対象としてもよい。
また、プリンタ1は、印刷用紙Pを直接搬送する代わりに、搬送ベルト上に載せて搬送するものであってもよい。搬送ベルトを用いることで、プリンタ1は、枚葉紙や裁断された布、木材、タイルなどを印刷対象とすることができる。
また、プリンタ1は、液体吐出ヘッド8から導電性の粒子を含む液体を吐出するようにして、電子機器の配線パターンなどを印刷してもよい。また、プリンタ1は、液体吐出ヘッド8から反応容器などに向けて所定量の液体の化学薬剤や化学薬剤を含んだ液体を吐出させて、化学薬品を作製してもよい。
またプリンタ1は、液体吐出ヘッド8をクリーニングするクリーニング部を備えていてもよい。クリーニング部は、たとえば、ワイピング処理やキャッピング処理によって液体吐出ヘッド8の洗浄を行う。
ワイピング処理とは、たとえば、柔軟性のあるワイパーで、液体が吐出される部位の面、たとえば流路部材21(図3参照)の第2面21b(図6参照)を擦ることで、第2面21bに付着していた液体を取り除く処理である。
また、キャッピング処理は、たとえば、次のように実施する。まず、液体を吐出される部位、たとえば流路部材21の第2面21bを覆うようにキャップを被せる(これをキャッピングという)。これにより、第2面21bとキャップとの間に、ほぼ密閉された空間が形成される。
次に、かかる密閉された空間で液体の吐出を繰り返す。これにより、吐出孔63(図4参照)に詰まっていた、標準状態よりも粘度が高い液体や異物などを取り除くことができる。
<液体吐出ヘッドの構成>
つづいて、実施形態に係る液体吐出ヘッド8の構成について、図3を参照しながら説明する。図3は、実施形態に係る液体吐出ヘッド8の概略構成を示す分解斜視図である。
液体吐出ヘッド8は、ヘッド本体20と、配線部30と、筐体40と、1対の放熱板50とを備えている。ヘッド本体20は、流路部材21と、圧電アクチュエータ基板22(図4参照)と、リザーバ23とを有している。
なお、以下の説明では、便宜的に、液体吐出ヘッド8においてヘッド本体20が設けられる方向を「下」とも呼称し、ヘッド本体20に対して筐体40が設けられる方向を「上」とも呼称する。
ヘッド本体20の流路部材21は、略平板形状であり、1つの主面である第1面21a(図6参照)と、第1面21aの反対側に位置する第2面21b(図6参照)とを有している。第1面21aは、開口61a(図4参照)を有し、リザーバ23から開口61aを介して流路部材21の内部に液体が供給される。
第2面21bには、印刷用紙Pに液体を吐出する複数の吐出孔63(図4参照)が位置している。そして、流路部材21の内部には、第1面21aから第2面21bに液体を流す流路が形成されている。流路部材21の詳細については後述する。
圧電アクチュエータ基板22は、流路部材21の第1面21a上に位置している。圧電アクチュエータ基板22は、複数の変位素子70(図5参照)を有している。また、圧電アクチュエータ基板22には、配線部30のフレキシブル基板31が電気的に接続されている。圧電アクチュエータ基板22の詳細については後述する。
圧電アクチュエータ基板22上にはリザーバ23が配置されている。リザーバ23には、主走査方向の両端部に開口23aが設けられている。リザーバ23は、内部に流路を有しており、外部から開口23aを介して液体が供給される。リザーバ23は、流路部材21に液体を供給する機能、および供給される液体を貯留する機能を有している。
配線部30は、フレキシブル基板31と、配線基板32と、ドライバIC33と、押圧部材34と、弾性部材35とを有している。フレキシブル基板31は、外部から送られた所定の信号をヘッド本体20に伝達する機能を有している。なお、図3に示すように、実施形態に係る液体吐出ヘッド8は、フレキシブル基板31を2つ有している。
フレキシブル基板31の一端部は、ヘッド本体20の圧電アクチュエータ基板22と電気的に接続されている。フレキシブル基板31の他端部は、リザーバ23の開口23bを挿通するように上方に引き出されており、配線基板32と電気的に接続されている。
これにより、ヘッド本体20の圧電アクチュエータ基板22と外部とを電気的に接続することができる。フレキシブル基板31の詳細については後述する。
配線基板32は、ヘッド本体20の上方に位置している。配線基板32は、ドライバIC33に信号を分配する機能を有している。
ドライバIC33は、フレキシブル基板31における一方の主面に設けられている。図3に示すように、実施形態に係る液体吐出ヘッド8において、ドライバIC33は、1つのフレキシブル基板31上に2つずつ設けられている。なお、実施形態において、1つのフレキシブル基板31に設けられるドライバIC33の数は2つに限られない。
ドライバIC33は、制御部14(図1参照)から送られた信号に基づいて、ヘッド本体20の圧電アクチュエータ基板22を駆動させている。これにより、ドライバIC33は、液体吐出ヘッド8を駆動させている。
押圧部材34は、断面視で略U字形状を有し、フレキシブル基板31上のドライバIC33を放熱板50に向けて内側から押圧している。これにより、実施形態では、ドライバIC33が駆動する際に発生する熱を、外側の放熱板50へ効率よく放熱することができる。
弾性部材35は、押圧部材34における図示しない押圧部の外壁に接するように位置している。弾性部材35を設けることにより、押圧部材34がドライバIC33を押圧する際に、押圧部材34がフレキシブル基板31を破損させる可能性を低減することができる。
弾性部材35は、たとえば、発泡体両面テープなどで構成されている。また、弾性部材35として、たとえば、非シリコン系の熱伝導シートを用いることにより、ドライバIC33の放熱性を向上させることができる。なお、弾性部材35は必ずしも設ける必要はない。
筐体40は、配線部30を覆うように、ヘッド本体20上に配置されている。これにより、筐体40は配線部30を封止することができる。筐体40は、たとえば、樹脂や金属などで構成されている。
筐体40は、主走査方向に長く延びる箱形状であり、副走査方向に対向する側面に第1開口40aおよび第2開口40bを有している。第1開口40aおよび第2開口40bは、開口の一例である。また、筐体40は、下面に第3開口40cを有しており、上面に第4開口40dを有している。
第1開口40aには、放熱板50の一方が第1開口40aを塞ぐように配置されており、第2開口40bには、放熱板50の他方が第2開口40bを塞ぐように配置されている。
放熱板50は、主走査方向に延びるように設けられており、放熱性の高い金属や合金などで構成されている。放熱板50は、ドライバIC33に接するように設けられており、ドライバIC33で生じた熱を放熱する機能を有している。
1対の放熱板50は、図示しないネジによってそれぞれ筐体40に固定されている。そのため、放熱板50が固定された筐体40は、第1開口40aおよび第2開口40bが塞がれ、第3開口40cおよび第4開口40dが開口した箱形状をなしている。
第3開口40cは、リザーバ23と対向するように設けられている。第3開口40cには、フレキシブル基板31および押圧部材34が挿通されている。
第4開口40dは、配線基板32に設けられたコネクタ(不図示)を挿通するために設けられている。かかるコネクタと第4開口40dとの間は、樹脂などにより封止されることが好ましい。これにより、筐体40の内部に液体やゴミなどが侵入することを抑制することができる。
また、筐体40は、断熱部40eを有している。断熱部40eは、第1開口40aおよび第2開口40bに隣り合うように配置されており、副走査方向に対向する筐体40の側面から外側へ向けて突出するように設けられている。
また、断熱部40eは、主走査方向に延びるように形成されている。すなわち、断熱部40eは、放熱板50とヘッド本体20との間に位置している。このように、筐体40に断熱部40eを設けることにより、ドライバIC33で発生した熱が放熱板50を介してヘッド本体20に伝わることを抑制することができる。
なお、液体吐出ヘッド8は、図3に示した部材以外の部材をさらに含んでもよい。
<ヘッド本体の構成>
次に、実施形態に係るヘッド本体20の構成について、図4〜図6を参照しながら説明する。図4は、実施形態に係るヘッド本体20の拡大平面図である。図5は、図4に示す一点鎖線に囲まれた領域の拡大図である。図6は、図4に示すA−A線の断面図である。
図4に示すように、ヘッド本体20は、流路部材21と圧電アクチュエータ基板22とを有している。流路部材21は、供給マニホールド61と、複数の加圧室62と、複数の吐出孔63とを有している。
複数の加圧室62は、供給マニホールド61に繋がっている。複数の吐出孔63は、複数の加圧室62にそれぞれ繋がっている。
加圧室62は、流路部材21の第1面21a(図6参照)に開口している。また、流路部材21の第1面21aは、供給マニホールド61と繋がる開口61aを有している。そして、リザーバ23(図2参照)から、開口61aを介して流路部材21の内部に液体が供給される。
図4の例において、ヘッド本体20は、流路部材21の内部に4つの供給マニホールド61が位置している。供給マニホールド61は、流路部材21の長手方向(すなわち、主走査方向)に沿って延びる細長い形状を有しており、その両端において、流路部材21の第1面21aに供給マニホールド61の開口61aが形成されている。
流路部材21には、複数の加圧室62が2次元的に広がって形成されている。図5に示すように、加圧室62は、角部にアールが施されたほぼ菱形の平面形状を有する中空の領域である。加圧室62は、流路部材21の第1面21aに開口しており、第1面21aに圧電アクチュエータ基板22が接合されることによって閉塞される。
加圧室62は、長手方向に配列された加圧室行を構成する。加圧室行の加圧室62は、近隣する2行の加圧室行の間において千鳥状に配置されている。そして、1つの供給マニホールド61に繋がっている4行の加圧室行によって、1つの加圧室群が構成されている。図4の例では、流路部材21がかかる加圧室群を4つ有している。
また、各加圧室群内における加圧室62の相対的な配置は同じになっており、各加圧室群は長手方向にわずかにずれて配置されている。
吐出孔63は、流路部材21のうち供給マニホールド61と対向する領域を避けた位置に配置されている。すなわち、流路部材21を第1面21a側から透過視した場合に、吐出孔63は、供給マニホールド61と重なっていない。
さらに、平面視して、吐出孔63は、圧電アクチュエータ基板22の搭載領域に収まるように配置されている。このような吐出孔63は、1つの群として圧電アクチュエータ基板22とほぼ同一の大きさおよび形状の領域を占有している。
そして、対応する圧電アクチュエータ基板22の変位素子70(図6参照)を変位させることにより、吐出孔63から液滴が吐出される。
図6に示すように、流路部材21は、複数のプレートが積層された積層構造を有している。これらのプレートは、流路部材21の上面から順に、キャビティプレート21A、ベースプレート21B、アパーチャ(しぼり)プレート21C、サプライプレート21D、マニホールドプレート21E、21F、21G、カバープレート21Hおよびノズルプレート21Iである。
プレートには、多数の孔が形成されている。プレートの厚さは、10μm〜300μm程度である。これにより、孔の形成精度を高くすることができる。プレートは、これらの孔が互いに連通して所定の流路を構成するように、位置合わせして積層されている。
流路部材21において、供給マニホールド61と吐出孔63との間は、個別流路64で繋がっている。供給マニホールド61は、流路部材21内部の第2面21b側に位置しており、吐出孔63は、流路部材21の第2面21bに位置している。
個別流路64は、加圧室62と、個別供給流路65とを有している。加圧室62は、流路部材21の第1面21aに位置しており、個別供給流路65は、供給マニホールド61と加圧室62とを繋ぐ流路である。
また、個別供給流路65は、他の部分よりも幅の狭いしぼり66を含んでいる。しぼり66は、個別供給流路65の他の部分よりも幅が狭いため、流路抵抗が高い。このように、しぼり66の流路抵抗が高いとき、加圧室62に生じた圧力は、供給マニホールド61に逃げにくい。
圧電アクチュエータ基板22は、圧電セラミック層22A、22Bと、共通電極71と、個別電極72と、接続電極73と、ダミー接続電極74と、表面電極75(図4参照)とを有している。
また、圧電アクチュエータ基板22では、圧電セラミック層22A、共通電極71、圧電セラミック層22B、および個別電極72がこの順に積層されている。
圧電セラミック層22A、22Bは、いずれも複数の加圧室62を跨ぐように流路部材21の第1面21a上に延在している。圧電セラミック層22A、22Bは、それぞれ20μm程度の厚さを有している。圧電セラミック層22A、22Bは、たとえば、強誘電性を有するチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系のセラミックス材料で構成されている。
共通電極71は、圧電セラミック層22Aおよび圧電セラミック層22Bの間の領域に面方向のほぼ全面にわたって形成されている。すなわち、共通電極71は、圧電アクチュエータ基板22に対向する領域内の全ての加圧室62と重なっている。
共通電極71の厚さは、2μm程度である。共通電極71は、たとえば、Ag−Pd系などの金属材料で構成されている。
個別電極72は、本体電極72aと、引出電極72bとを含んでいる。本体電極72aは、圧電セラミック層22B上のうち加圧室62と対向する領域に位置している。本体電極72aは、加圧室62よりも一回り小さく、加圧室62とほぼ相似な形状を有している。
引出電極72bは、本体電極72aから加圧室62と対向する領域外に引き出されている。個別電極72は、たとえば、Au系などの金属材料で構成されている。
接続電極73は、引出電極72b上に位置し、厚さが15μm程度で凸状に形成されている。また、接続電極73は、フレキシブル基板31(図3参照)に設けられた電極と電気的に接続されている。接続電極73は、たとえばガラスフリットを含む銀−パラジウムで構成されている。
ダミー接続電極74は、圧電セラミック層22B上に位置しており、個別電極72などの各種電極と重ならないように位置している。ダミー接続電極74は、圧電アクチュエータ基板22とフレキシブル基板31とを接続し、接続強度を高めている。
また、ダミー接続電極74は、圧電アクチュエータ基板22と、圧電アクチュエータ基板22との接触位置の分布を均一化し、電気的な接続を安定させる。ダミー接続電極74は、接続電極73と同等の材料で構成されるとよく、接続電極73と同等の工程で形成されるとよい。
図4に示す表面電極75は、圧電セラミック層22B上において、個別電極72を避ける位置に形成されている。表面電極75は、圧電セラミック層22Bに形成されたビアホールを介して共通電極71と繋がっている。
これにより、表面電極75は接地され、グランド電位に保持されている。表面電極75は、個別電極72と同等の材料で構成されるとよく、個別電極72と同等の工程で形成されるとよい。
複数の個別電極72は、個別に電位を制御するために、それぞれがフレキシブル基板31および配線を介して、個別に制御部14(図1参照)に電気的に接続されている。そして、個別電極72と共通電極71とを異なる電位にして、圧電セラミック層22Aの分極方向に電界を印加すると、圧電セラミック層22A内の電界が印加された部分が、圧電効果により歪む活性部として動作する。
すなわち、圧電アクチュエータ基板22では、個別電極72、圧電セラミック層22Aおよび共通電極71における加圧室62に対向する部位が、変位素子70として機能する。
そして、変位素子70がユニモルフ変形することにより、加圧室62が押圧され、吐出孔63から液体が吐出される。
つづいて、実施形態に係る液体吐出ヘッド8の駆動手順について説明する。あらかじめ、個別電極72を共通電極71よりも高い電位(以下、高電位という)にしておく。そして、吐出要求があるごとに個別電極72を共通電極71と一旦同じ電位(以下、低電位という)とし、その後、所定のタイミングでふたたび高電位とする。
これにより、個別電極72が低電位になるタイミングで、圧電セラミック層22A、22Bが元の形状に戻り、加圧室62の容積が、初期状態すなわち高電位の状態よりも増加する。
この際、加圧室62内には負圧が与えられることから、供給マニホールド61内の液体が加圧室62の内部に吸い込まれる。
その後、ふたたび個別電極72を高電位にしたタイミングで、圧電セラミック層22A、22Bは、加圧室62側へ凸となるように変形する。
すなわち、加圧室62の容積が減少することにより、加圧室62内の圧力が正圧となる。これにより、加圧室62内部の液体の圧力が上昇し、吐出孔63から液滴が吐出される。
つまり、制御部14は、吐出孔63から液滴を吐出させるため、高電位を基準とするパルスを含む駆動信号をドライバIC33を用いて個別電極72に供給する。このパルス幅は、しぼり66から吐出孔63まで圧力波が伝播する時間長さであるAL(Acoustic Length)とすればよい。
これにより、加圧室62の内部が負圧状態から正圧状態に反転するときに両者の圧力が合わさり、より強い圧力で液滴を吐出させることができる。
また、階調印刷においては、吐出孔63から連続して吐出される液滴の数、すなわち、液滴吐出回数で調整される液滴量(体積)で階調表現が行われる。このため、指定された階調表現に対応する回数の液滴吐出を、指定されたドット領域に対応する吐出孔63から連続して行う。
一般に、液体吐出を連続して行う場合は、液滴を吐出させるために供給するパルスとパルスとの間隔をALとしてもよい。これにより、先に吐出された液滴を吐出させるときに発生した圧力の残余圧力波と、後に吐出させる液滴を吐出させるときに発生する圧力の圧力波との周期が一致する。
そのため、残余圧力波と圧力波とが重畳して液滴を吐出するための圧力を増幅させることができる。なお、この場合、後から吐出される液滴の速度が速くなり、複数の液滴の着弾点が近くなる。
<フレキシブル基板の詳細>
つづいて、実施形態に係るフレキシブル基板31の詳細について、図7〜図10を参照しながら説明する。図7は、実施形態に係るフレキシブル基板31およびフレキシブル基板31周辺の構造を説明するための斜視図である。なお、図7では、フレキシブル基板31内に形成される配線層31b(図8参照)や配線基板32上の各種素子などの記載を省略している。
フレキシブル基板31は、上方に進むにしたがい、徐々に二股に先細る形状を有する。そして、フレキシブル基板31の下部は、ヘッド本体20(図3参照)の圧電アクチュエータ基板22(図3参照)と電気的に接続されている。
また、フレキシブル基板31の上部で二股に先細った端部である2つのコネクタ挿入部31tは、配線基板32に設けられる2つのコネクタ32aにそれぞれ挿入されている。そして、コネクタ挿入部31tがコネクタ32aに挿入されることにより、フレキシブル基板31と配線基板32とを電気的に接続することができる。
フレキシブル基板31におけるコネクタ挿入部31tの下方には、ドライバIC33が搭載されている。フレキシブル基板31においてドライバIC33が搭載されている側とは反対側には、押圧部材34が設けられる。そして、押圧部材34によってドライバIC33を放熱板50(図3参照)に向けて内側から押圧している。なお、ドライバIC33の搭載位置は、コネクタ挿入部31tの下方に限られない。
図8は、実施形態に係るフレキシブル基板31のコネクタ挿入部31t近傍における断面模式図である。コネクタ挿入部31tの近傍において、フレキシブル基板31は、ベース基板31aと、配線層31bと、カバー層31cと、補強板31dとを有する。
ベース基板31aは、柔軟性を有する絶縁体(たとえば、樹脂材料など)で構成されている。配線層31bは、ベース基板31aのおもて面に形成され、導電体(たとえば、金属など)で構成されている。配線層31bによって、所望の配線パターンがフレキシブル基板31に形成されている。
カバー層31cは、ベース基板31aのおもて面で配線層31bを覆うように形成されている。カバー層31cは、配線層31bを保護するために設けられる。
補強板31dは、フレキシブル基板31におけるコネクタ挿入部31tの近傍を補強する部材である。補強板31dは、ベース基板31aの裏面に配置されており、たとえば、ガラスエポキシやコンポジット、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリエステルなどの樹脂、またはステンレス、アルミニウムおよびそれらの合金などの金属で構成されている。
図9は、実施形態に係るフレキシブル基板31のコネクタ挿入部31tの構成を説明するための図である。なお、図9では、コネクタ挿入部31tおよびコネクタ挿入部31tの近傍において補強板31dが設けられる部位にハッチングを付するとともに、対応するコネクタ32aの位置を一点鎖線で記載している。
図9に示すように、フレキシブル基板31のコネクタ挿入部31tは、切欠部31nを有する。コネクタ挿入部31tをコネクタ32aへ挿入する方向を挿入方向Tとし、挿入方向Tに直交する方向を幅方向Wとすると、図9の例では、1つの切欠部31nがコネクタ挿入部31tの幅方向Wにおける一方の端部31eから他方の端部31eまで延びるように形成され、切欠部31nは平面視で略二等辺三角形状を有する。
すなわち、コネクタ挿入部31tの挿入方向Tにおける切欠部31nの寸法を切欠き長さとし、コネクタ挿入部31tの幅方向Wにおける切欠部31nの寸法を切欠き幅とすると、挿入方向Tへ向けて一定の割合で徐々に切り欠き幅が増加しており、コネクタ挿入部31tの幅方向Wにおける端部31eから離れるにしたがい、切欠き長さが一定の割合で徐々に増加している。
また、図9に示すように、フレキシブル基板31のコネクタ挿入部31tでは、ベース基板31aに切欠部31nが設けられているとともに、補強板31dにも切欠部31nが設けられている。
このように、フレキシブル基板31のコネクタ挿入部31tに切欠部31nを設けることにより、コネクタ32aに挿入する際のコネクタ挿入部31tの面積を減らすことができる。これにより、コネクタ挿入部31tをコネクタ32aに挿入する際の摩擦力を低減することができる。
したがって、実施形態によれば、フレキシブル基板31のコネクタ挿入部31tをコネクタ32aに容易に挿入することができる。
また、実施形態では、切欠部31nが少なくともフレキシブル基板31のベース基板31aに形成されているとよい。フレキシブル基板31の主部材であるベース基板31aに切欠部31nを設けることにより、コネクタ32aに挿入する際のコネクタ挿入部31tの面積を効果的に低減することができる。
したがって、実施形態によれば、フレキシブル基板31のコネクタ挿入部31tをコネクタ32aにさらに容易に挿入することができる。
また、実施形態では、切欠部31nがフレキシブル基板31の補強板31dにも形成されているとよい。ベース基板31aに加えて補強板31dにも切欠部31nを設けることにより、コネクタ32aに挿入する際のコネクタ挿入部31tの面積をさらに効果的に低減することができる。
したがって、実施形態によれば、フレキシブル基板31のコネクタ挿入部31tをコネクタ32aにさらに容易に挿入することができる。
なお、フレキシブル基板31において、コネクタ挿入部31tの少なくとも一部はカバー層31cで覆われておらず、コネクタ挿入部31tの少なくとも一部から配線層31bが露出する構成となっている。これにより、露出した配線層31bとコネクタ32a内の端子とが接触可能となることから、フレキシブル基板31と配線基板32とを電気的に接続することができる。
また、実施形態において、コネクタ挿入部31tにおける両方の端部31eは、コネクタ挿入部31tの挿入方向Tにおける位置が略等しいとよい。この理由について、図10も参照しながら説明する。図10は、参考例のフレキシブル基板31のコネクタ挿入部31tを説明するための図である。
たとえば、図10の(a)に示すように、両方の端部31eで挿入方向Tにおける位置が異なる場合、図10の(b)に示すように、コネクタ32aに対してフレキシブル基板31が傾きやすくなってしまう。
これは、コネクタ挿入部31tをコネクタ32aに挿入する際に、一方(たとえば、左側)の端部31e近傍の接触面積が他方(たとえば、右側)の端部31e近傍の接触面積よりも大きくなってしまうことから、両方の端部31eの間で摩擦力に差ができてしまうことが原因である。
一方で、実施形態では、両方の端部31eで挿入方向Tにおける位置が略等しいことから、上記のような摩擦力の差異が生じにくい。したがって、実施形態によれば、コネクタ挿入部31tがコネクタ32aに斜めに挿入される蓋然性を低くすることができる。
また、実施形態では、平面視において、コネクタ挿入部31tが、コネクタ挿入部31tの幅方向Wの中央を挿入方向Tに通る直線に対して線対称の形状であるとよい。
これにより、コネクタ挿入部31tをコネクタ32aに挿入する際に、一方の端部31e近傍の接触面積と他方の端部31e近傍の接触面積との差を小さくすることができることから、両方の端部31eの間で摩擦力に差異ができることを抑制することができる。
したがって、実施形態によれば、コネクタ挿入部31tがコネクタ32aに斜めに挿入される蓋然性をさらに低くすることができる。
また、実施形態では、コネクタ挿入部31tの挿入方向Tへ向けて切欠部31nの切欠き幅を増加させるとよい。これにより、コネクタ挿入部31tをコネクタ32aに挿入する際の最初の抵抗を小さくすることができる。したがって、実施形態によれば、フレキシブル基板31のコネクタ挿入部31tをコネクタ32aにさらに容易に挿入することができる。
さらに、実施形態では、コネクタ挿入部31tの挿入方向Tへ向けて切欠部31nの切欠き幅を徐々に増加させるとよい。これにより、コネクタ挿入部31tをコネクタ32aに挿入する際の最初の抵抗を小さくすることができるとともに、挿入中に抵抗が急激に変化することを抑制することができる。
したがって、実施形態によれば、フレキシブル基板31のコネクタ挿入部31tをコネクタ32aにより一層容易に挿入することができる。
また、実施形態では、コネクタ挿入部31tに隣接したフレキシブル基板31の側部に、幅方向Wに向けて突出する把持部31gが設けられるとよい。なお、図9の例では、一つの側部に2つの把持部31gが設けられている。
実施形態では、把持部31gを把持しながらコネクタ挿入部31tをコネクタ32aに挿入することにより、より簡便にコネクタ挿入部31tをコネクタ32aに挿入することができる。
また、図9に示すように、把持部31gにも補強板31dを設けることにより、把持する際に把持部31gが破損することを抑制することができる。したがって、実施形態によれば、安定してコネクタ挿入部31tをコネクタ32aに挿入することができる。
<各種変形例>
実施形態に係るフレキシブル基板31のコネクタ挿入部31tの各種変形例について、図11〜図16を参照しながら説明する。図11は、実施形態の変形例1に係るフレキシブル基板31のコネクタ挿入部31tの構成を説明するための図である。なお、以下の各種変形例では、実施形態と同一の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
図11に示すように、変形例1に係るコネクタ挿入部31tでは、切欠部31nの形状が実施形態と異なる。具体的には、切欠部31nは、コネクタ挿入部31tの幅方向Wにおける端部31eから離れるにしたがい、切欠き長さの増加割合が徐々に増加している。
すなわち、変形例1では、コネクタ挿入部31tの幅方向Wにおける端部31eから離れるにしたがい、切欠き長さが指数関数的に増加している。これにより、コネクタ挿入部31tの幅方向Wにおける端部31eの強度を高めることができる。
変形例1でも、コネクタ挿入部31tの挿入方向Tへ向けて切欠部31nの切欠き幅を徐々に増加させている。これにより、コネクタ挿入部31tをコネクタ32aに挿入する際の最初の抵抗を小さくすることができるとともに、挿入中に抵抗が急激に変化することを抑制することができる。
したがって、変形例1によれば、フレキシブル基板31のコネクタ挿入部31tをコネクタ32aにより一層容易に挿入することができる。
図12は、実施形態の変形例2に係るフレキシブル基板31のコネクタ挿入部31tの構成を説明するための図である。図12に示すように、変形例2に係る切欠部31nは、コネクタ挿入部31tの幅方向Wにおける端部31eから離れるにしたがい、切欠き長さの増加割合が徐々に減少している。
すなわち、変形例2では、コネクタ挿入部31tの幅方向Wにおける端部31eから離れるにしたがい、切欠き長さが対数関数的に増加している。
変形例2でも、コネクタ挿入部31tの挿入方向Tへ向けて切欠部31nの切欠き幅を徐々に増加させている。これにより、コネクタ挿入部31tをコネクタ32aに挿入する際の最初の抵抗を小さくすることができるとともに、挿入中に抵抗が急激に変化することを抑制することができる。
したがって、変形例2によれば、フレキシブル基板31のコネクタ挿入部31tをコネクタ32aにより一層容易に挿入することができる。
図13は、実施形態の変形例3に係るフレキシブル基板31のコネクタ挿入部31tの構成を説明するための図である。
図13に示すように、変形例3に係る切欠部31nは、コネクタ挿入部31tの幅方向Wにおける端部31eから離れるにしたがい、所定の箇所までは切欠き長さが一定の割合で徐々に増加している一方で、かかる所定の箇所からは切欠き長さが一定である。すなわち、変形例3の切欠部31nは、平面視で略台形状を有する。
変形例3でも、コネクタ挿入部31tの挿入方向Tへ向けて切欠部31nの切欠き幅を増加させている。これにより、コネクタ挿入部31tをコネクタ32aに挿入する際の最初の抵抗を小さくすることができる。
したがって、変形例3によれば、フレキシブル基板31のコネクタ挿入部31tをコネクタ32aに容易に挿入することができる。
図14は、実施形態の変形例4に係るフレキシブル基板31のコネクタ挿入部31tの構成を説明するための図である。図14に示すように、変形例4に係る切欠部31nは、コネクタ挿入部31tの幅方向Wにおける端部31eから離れるにしたがい、切欠き長さが階段状に増加している。
変形例4でも、コネクタ挿入部31tの挿入方向Tへ向けて切欠部31nの切欠き幅を増加させている。これにより、コネクタ挿入部31tをコネクタ32aに挿入する際の最初の抵抗を小さくすることができる。
したがって、変形例4によれば、フレキシブル基板31のコネクタ挿入部31tをコネクタ32aに容易に挿入することができる。このように、コネクタ挿入部31tの挿入方向Tへ向けて切欠部31nの切欠き幅を段階的に増加させることもできる。
ここまで説明した実施形態および各種変形例では、1つのコネクタ挿入部31tに1つの切欠部31nが設けられた例について示したが、1つのコネクタ挿入部31tに設けられる切欠部31nの数は1つに限られず、複数であってもよい。図15は、実施形態の変形例5に係るフレキシブル基板31のコネクタ挿入部31tの構成を説明するための図である。
図15に示すように、変形例5に係るフレキシブル基板31のコネクタ挿入部31tは、切欠部31nを2つ有する。また、2つの切欠部31nが幅方向Wに沿って並び、一方の端部31eから他方の端部31eまで延びるように形成される。そして、2つの切欠部31nの間の領域には、中間部31mが形成される。
変形例5の切欠部31nは、平面視で略二等辺三角形状を有する。すなわち、変形例5の切欠部31nは、端部31eまたは中間部31mから離れるにしたがい、切欠き長さが一定の割合で徐々に増加している。
このように、フレキシブル基板31のコネクタ挿入部31tに複数の切欠部31nを設けることにより、コネクタ32aに挿入する際のコネクタ挿入部31tの面積を減らすことができる。これにより、コネクタ挿入部31tをコネクタ32aに挿入する際の摩擦力を低減することができる。
したがって、変形例5によれば、フレキシブル基板31のコネクタ挿入部31tをコネクタ32aに容易に挿入することができる。
また、変形例5では、コネクタ挿入部31tの挿入方向Tへ向けて切欠部31nの切欠き幅(2つの切欠部31nの切欠き幅の合計)を徐々に増加させていることから、コネクタ挿入部31tをコネクタ32aに挿入する際の最初の抵抗を小さくすることができるとともに、挿入中に抵抗が急激に変化することを抑制することができる。
したがって、変形例5によれば、フレキシブル基板31のコネクタ挿入部31tをコネクタ32aにより一層容易に挿入することができる。
また、変形例5において、コネクタ挿入部31tにおける中間部31mは、コネクタ挿入部31tの挿入方向Tにおける位置が両方の端部31eと略等しいとよい。
これにより、コネクタ挿入部31tをコネクタ32aに挿入する際に、中間部31mの近傍および両方の端部31eの近傍で摩擦力の差異が生じにくい。したがって、変形例5によれば、コネクタ挿入部31tがコネクタ32aに斜めに挿入される蓋然性を低くすることができる。
なお、コネクタ挿入部31tに複数設けられる切欠部31nの形状は、平面視で略二等辺三角形状に限られない。たとえば、図16に示すように、上述の変形例1に示した切欠部31nをコネクタ挿入部31tに複数設けてもよく、その他の変形例に示した切欠部31nをコネクタ挿入部31tに複数設けてもよい。図16は、実施形態の変形例6に係るフレキシブル基板31のコネクタ挿入部31tの構成を説明するための図である。
また、コネクタ挿入部31tに設けられる切欠部31nの数は2つに限られず、3つ以上設けてもよい。また、1つのコネクタ挿入部31tに複数設けられる切欠部31nは、同じ形状であってもよく、異なる形状であってもよい。
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。たとえば、上記の実施形態では、フレキシブル基板31におけるコネクタ挿入部31tの近傍に把持部31gを設けた例について示したが、必ずしも把持部31gが設けられなくともよい。
また、上記の実施形態では、把持部31gにも補強板31dが設けられる例について示したが、必ずしも把持部31gに補強板31dが設けられなくともよい。
以上のように、実施形態に係る液体吐出ヘッド8は、ヘッド本体20と、ドライバIC33と、フレキシブル基板31と、配線基板32とを備える。ヘッド本体20は、液体を吐出する吐出孔63を有する。ドライバIC33は、ヘッド本体20の駆動を制御する。フレキシブル基板31は、ベース基板31aと配線層31bとカバー層31cとを有し、ドライバIC33が実装されており、ヘッド本体20に電気的に接続されている。配線基板32は、フレキシブル基板31の一部が挿入可能に構成されるコネクタ32aを有する。また、コネクタ32aに挿入されるフレキシブル基板31のコネクタ挿入部31tは、切欠部31nを有する。これにより、フレキシブル基板31のコネクタ挿入部31tをコネクタ32aに容易に挿入することができる。
また、実施形態に係る液体吐出ヘッド8において、切欠部31nは、少なくともフレキシブル基板31のベース基板31aに形成されている。これにより、フレキシブル基板31のコネクタ挿入部31tをコネクタ32aにさらに容易に挿入することができる。
また、実施形態に係る液体吐出ヘッド8において、コネクタ挿入部31tの幅方向Wにおける両方の端部31eは、コネクタ挿入部31tの挿入方向Tにおける位置が略等しい。これにより、コネクタ挿入部31tがコネクタ32aに斜めに挿入される蓋然性を低くすることができる。
また、実施形態に係る液体吐出ヘッド8において、コネクタ挿入部31tの挿入方向Tへ向けて切欠部31nの切欠き幅が増加する。これにより、フレキシブル基板31のコネクタ挿入部31tをコネクタ32aにさらに容易に挿入することができる。
また、実施形態に係る液体吐出ヘッド8において、コネクタ挿入部31tの挿入方向Tへ向けて切欠部31nの切欠き幅が徐々に増加する。これにより、フレキシブル基板31のコネクタ挿入部31tをコネクタ32aにより一層容易に挿入することができる。
また、実施形態に係る液体吐出ヘッド8において、コネクタ挿入部31tは、切欠部31nを複数有する。これにより、フレキシブル基板31のコネクタ挿入部31tをコネクタ32aに容易に挿入することができる。
また、実施形態に係る液体吐出ヘッド8において、隣接する切欠部31n同士の間の領域(中間部31m)は、コネクタ挿入部31tの幅方向Wにおける両方の端部31eとコネクタ挿入部31tの挿入方向Tにおける位置が略等しい。これにより、コネクタ挿入部31tがコネクタ32aに斜めに挿入される蓋然性を低くすることができる。
また、実施形態に係る液体吐出ヘッド8において、コネクタ挿入部31tは、コネクタ挿入部31tの幅方向Wの中央を挿入方向Tに通る直線に対して線対称の形状である。これにより、コネクタ挿入部31tがコネクタ32aに斜めに挿入される蓋然性をさらに低くすることができる。
また、実施形態に係る記録装置(プリンタ1)は、上記に記載の液体吐出ヘッド8と、記録媒体(印刷用紙P)を液体吐出ヘッド8に搬送する搬送部(搬送ローラ6)と、液体吐出ヘッド8を制御する制御部14と、を備える。これにより、フレキシブル基板31のコネクタ挿入部31tをコネクタ32aに容易に挿入可能なプリンタ1を実現することができる。
また、実施形態に係る記録装置(プリンタ1)は、上記に記載の液体吐出ヘッド8と、記録媒体(印刷用紙P)にコーティング剤を塗布する塗布機4とを備える。これにより、印刷用紙Pに表面処理を施すことができることから、プリンタ1の印刷品質を向上させることができる。
また、実施形態に係る記録装置(プリンタ1)は、上記に記載の液体吐出ヘッド8と、記録媒体(印刷用紙P)を乾燥させる乾燥機10とを備える。これにより、回収ローラ13において、重なって巻き取られる印刷用紙P同士が接着したり、未乾燥の液体が擦れたりすることを抑制することができる。
今回開示された実施形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。実に、上記した実施形態は多様な形態で具現され得る。また、上記の実施形態は、添付の特許請求の範囲及びその趣旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。