JP2021175615A - 筆記具 - Google Patents
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Abstract
Description
この場合、比較的低価格帯の筆記具においては、軸筒に直接に塗装、転写、印刷、メッキ等の加飾処理を施したもの(特許文献1参照)が提案されている。
また、軸筒の表面にカラー印刷などにより像形成させた転写フィルムを積層させる(特許文献2参照)などの提案もなされている。
また、特許文献2に開示された筆記具においては、カラー印刷を転写したフィルムを軸筒に貼着しているために、使用に伴いフィルムに剥がれが生じたり、軸筒が滑り易くグリッブ感に乏しい等の問題を有している。
この特許文献3に示された筆記具によると、高硬度の金属被覆によって深みのある光沢を伴い、外観の品位を向上させて筆記具に高級感をもたらすことに寄与できる。
そして、軸筒が先軸と後軸より構成された筆記具においては、先軸と後軸にそれぞれ施される金属被覆の色差を、L*a*b*表色系で示す前記した範囲内に設定することで、それぞれの明るさおよび色調のバランスを整えた筆記具を提供することができる。
これにより、深みのある金属光沢を備えた、ユーザの高級趣向に応えることができる筆記具を提供することができる。
(1)筆記具外観
実施の形態に係る筆記具は、図1(A)〜(C)に示すような外観を呈する複式筆記具10である。なお、図1は複式筆記具10内部に収納されている複数のリフィルの先端筆記部がいずれも没入している非筆記状態を示している。
軸筒11は、後端側に位置する後軸20と、先端側に位置する先軸40とが互いに螺合されて結合されている。後軸20と先軸40との間にはリング部材12が改装される。また、先軸40の先端には、口先部としての口金50が螺合されて取り付けられている。
後軸20は金属素材により形成され、その後部には長手方向の開口である窓孔22が3本設けられている。各窓孔22からは、後述するリフィルの後方に装着されるノック棒60の外側面に設けられるノック突起62が突出している。各ノック突起62は、対応する窓孔22に沿って前後方向に移動可能である。
図2は、図1に示す複式筆記具10の断面図である。
後軸20の内部空間の後方側には、各ノック棒60を収容するとともにこれらのノック棒60の前後方向のスライドを導く内筒30が装着されている。内筒30よりも先端側には、各リフィルの前後方向の移動を導くガイド筒17が装着されている。ガイド筒17には、各リフィルが挿通されるガイド孔18が計3個設けられている。
また、摩擦具による先端筆記部を備えたリフィル70の後方外周にはスプリング90が外挿されている。スプリング90の後端は、ノック棒60先端の段差68に当接し、また、スプリング90の先端は、ガイド孔18先端の段差19に当接しており、ノック棒60の先端方向へのスライドに伴い、スプリング90はこれらの段差68,19の間で圧縮される。
後軸20は金属又は樹脂素材からなり、前記したとおり、後軸20には3本の窓孔22が設けられている(図3(A)及び(B)並びに図4)。そのうち、正面に位置する窓孔22の両側縁の後端部分がそれぞれ対向するように張り出しており、これらの部分が一対の係合片23となっている(図3(A)及び図4)。なお、窓孔22の後端縁にも同様の張り出し部分が設けられ、両側の係合片23を連結している(図3(A))。
後軸20の先端付近の内周は、先軸40との螺合のための雌ネジ24が形成されている。また、後軸20の内部空間の後端はやや先端へ台状に張り出した台状部25となり、その先端面は平坦になっている。この平坦な面が、先述したクッション材14が当接する面である後軸後端面26(図3(C)及び図4)である。これについては後述する。
内筒30においても、前記後軸20の各窓孔22に対応しこれと連続する開口部31が計3個設けられている(図5(A)〜(D))。各開口部31の両辺縁に沿って、ノック棒60の前後方向のスライドを導くレール32が設けられている(図5(A)〜(D))。各レール32の先端部分は、軸心方向へ沈んでおり、この部分をレール段差33と称する(図5(A)〜(D))。
内筒30の先端縁34は、後述するように、ノック棒60の先端部分が係止する箇所であるが、これについては後述する。
内筒30の後端には、前記クッション材14が挿入される後端凹部35が形成されている。これについては後述する。
先軸40は、その内側がポリカーボネート樹脂のような比較的硬質な樹脂素材41で成形されており、その外側には後軸20とは異なる材料を用いた金属素材によるグリップ部42が位置する構造となっている(図6(A)及び(B))。内側の硬質な樹脂による後端部分の外周には、前記した後軸20に螺入される雄ネジ43が形成されている(図6(A)及び(B))。
また、硬質な樹脂素材41の先端部分の内周は、口先部材としての口金50の後端部分が螺入するために雌ネジ44が形成されている(図6(B))。
口金50は金属製であり、先端側は先細に形成されたテーパー部51となっており、後端側の略筒状部分の外周には、前記先軸40の雌ネジ44に螺入されるために雄ネジ53が形成されている(図7(A)及び(B))。テーパー部51の先端には先端開口52が形成され(図7(B))、ここから各リフィルの先端筆記部が出没する。
しかし、ニッケルメッキについてはユーザの発汗の影響を受けて、ニッケルを溶解させてアレルギー症状(いわゆる金属アレルギー)を引き起こす懸念がある。
そこで、ニッケルメッキを施した後に、このニッケルメッキ上に、例えばスズとコバルトの合金被覆(スズコバメッキ)をコート層として成膜することで、発汗によるニッケルメッキ層のニッケルの溶解を効果的に阻止することができる。これにより、アレルギー症状を引き起こす問題を解消した筆記具を提供することができる。なお、軸筒11(先軸40と後軸20)に適用することもできる。
図8は、クリップ13が取り付けられるノック棒60を示す。このノック棒60は、前記した後軸20の窓孔22及び前記した内筒30の開口部31に外側から先端方向へ挿入されるノック棒挿入部61(図8(A)〜(C))と、その後方に位置し、外方へ突出するノック突起62(図8(B))とを備える。
ノック突起62のさらに外方には、前記クリップ13が装着されるクリップ装着部63が突出している(図8(A)及び(B))。また、ノック突起62の根元の両側後端には、一対の溝である係合溝64が形成されている(図8(B)及び図9)。
ノック棒60の先端部側を、後軸20の窓孔22及び前記内筒30の開口部31に外側から挿入してから、これを前記レール32に沿って少し後方に移動させると、図10に示すように、これらの係合溝64に前記した窓孔22の係合片23が嵌入し、ノック棒60が外方へ抜け落ちることが防止される。すなわち、窓孔22の係合片23は、ノック棒60の抜け止めとして機能するものである。
一方、ノック棒挿入部61の先端には、外方に突出する係止突起65が形成されている(図8(B))。この係止突起65の後方に位置する係止段差66は、前記した内筒30の先端縁34と係止する(図2参照)ことで、これもノック棒60の抜け止めに寄与している。
ノック棒60の先端からは、リフィル装着部67が先端方向へ突出している(図8(A)〜(C))。このリフィル装着部67は、エラストマー材による摩擦具を備えたリフィル70の後端に圧入される(図2参照)。
クッション材14は、図11に示すような、先端に向かってやや先細となっている略円錐台状の凸状部15と、その後端に連続する円盤状の板状部16とが、シリコンゴムにて一体成形されている部材である。このクッション材14のうち、凸状部15は前記内筒30の後端凹部35(図5(D)参照)に挿入される。また、板状部16は、前記後軸20における台状部25の後軸後端面26(図3(C)参照)に当接する。すなわち、クッション材14は内筒30と後軸20との間に介装される部材である。なお、後軸20の後端には浅い円形の第1陥凹部27が形成されており、その中に、それと中心を同じくするさらに深い円形の第2陥凹部28も形成されている。そして、第1陥凹部27には円形のシール部材29が嵌め込まれている。
ここで、第1陥凹部27の周縁は、アールをつけた面取り部27Aが形成されていて、その周囲の、第1陥凹部27の立ち上がり部分27Cとの際に断面略V字状の溝が形成されており、この溝をアール溝27Bと称する。
図2に示す状態においては、ノック棒60は最後端に位置しており、ノック棒60の係合溝64に後軸20の窓孔22の係合片23が嵌入している。この状態から、クリップ13の装着されたノック棒60を先端方向へ押圧すると、スプリング90を圧縮しつつ、ノック棒60は内筒30のレール32(図5(A)参照)に沿って前方へ移動する。そして、レール32の先端のレール段差33に至ると、ノック棒60は軸心方向へ沈み込む。この状態において、図12に示すように、摩擦具によるリフィル70の先端筆記部72が、口金50の先端開口52(図7(B)参照)から突出し、筆記可能な状態となる。このとき、ノック棒60の解除突起69はレール段差33と係合している。この係合によって、圧縮されたスプリング90の付勢力に抗して、先端筆記部72が突出した状態が保持される。
ここで、特定のリフィル(たとえば、摩擦具による先端筆記部72を備えたリフィル70)の使用頻度が、他のボールペンリフィル80より極端に高い場合であっても、以下のように機能することとなる。
すなわち、そのリフィルに装着されたノック棒60が筆記可能状態からの解除によってスプリング90の付勢力により後方に衝突した場合であっても、ノック棒60は直接クッション材14に衝突することはない。つまり、ノック棒60はそれが収容される内筒30に衝突することになる。よって特定のリフィルの後退に伴う衝撃は、内筒30全体が後方へ押圧される力へ分散され、その分散された力は内筒30と後軸20との間に介在されるクッション材14(図11参照)で緩衝される。よって、クッション材14の特定の位置(たとえば、そのような特定のリフィルに対応する位置)のみが片減りすることはない。
しかし、この実施の形態に示す複式筆記具においては、先軸40の先端部側に口先部材としての口金50が取り付けられており、両者は雌ネジ44と雄ネジ53を利用して螺合されている。
したがって、リフィルの交換に不慣れなユーザにおいては、先軸40から口金50を取り外した状態で、リフィルの交換を試みる場合がある。これによると、先軸40からわずかに突出するリフィルの先端部分のみを摘んで、ノック棒60のリフィル装着部67からリフィルを取り外し、また新たなリフィルをノック棒60に対して、手元から離れた状態で装着する操作を余儀なくされ、リフィルの交換操作が難しい。
すなわち、この実施の形態においては、後軸20の雌ネジ24に螺合した状態の先軸40の雄ネジ43の結合を解除するには、後軸20に対して先軸40を左回転させることで、その結合を解除することができる。これに対して、先軸40の雌ネジ44に螺合した状態の口金50の雄ネジ53の結合を解除するには、先軸40に対して口金50を右回転させる必要がある。
それ故、前記したようにネジの結合解除の回動方向を、前記した関係に設定することで、リフィルの交換に際して、殆どのユーザは必然的に後軸20に対して先軸40を取り外した状態で、交換操作が行われるようになる。
この金属被覆としては、深みのある金属光沢を醸し出すことができ、グリップ感を得るためにイオンプレーティングによる成膜処理が望ましい。また、その膜厚は0.5〜5μmとすることが望ましい。
表1は、軸筒11にイオンプレーティング(IP)による成膜処理と、通常のメッキによる成膜処理のそれぞれの特徴を示しており、表1より硬度がHv700以上の成膜処理を施した例においては、耐蝕性、耐摩耗性、耐候性を含む耐久性に優れた金属被覆が得られる点で理解できる。なお、表1に示す耐久性について、Aは優秀、Bは良好、Cは普通の各評価を示している。
そして、この種の成膜処理によって得られる金属被覆は、その硬度が高いほど耐久性に優れているということができ、生産性も考慮し、より望ましくはHv1500〜3000の範囲である。
なお、表3はCrメッキ上へTIN(窒化チタン)をイオンプレーティングにより成膜した例を示している。
なお、表2および表3に示す「Y方向」とは前記先軸40を軸方向に沿って紙面上を移動させた時の結果であり、「X方向」とは先軸40を軸方向に直交する方向に沿って紙面上を移動させた時の結果である。
表2および表3の結果に示すように「Y方向」および「X方向」に別けて測定した摩擦方向における差は見られず、また表2に示すCrメッキによる軸筒に対して、表3に示すイオンプレーティング(IP)による軸筒については、全てにおいて摩擦係数が高いものを得ることができる。
したがって、表2と表3に示す比較結果から、軸筒にこの種の金属被覆を備えた筆記具においては、摩擦係数が0.23以上とすることが適切であることを見出だすことができる。なお、軸筒に成膜される金属被覆は、その摩擦係数が大であるほどグリップ感が良好であるということができるが、適度なグリップ感と成膜の硬度を両立するため摩擦係数が0.6以下とすることが望ましい。
この場合、先軸40に施された金属被覆と、後軸20に施された金属被覆の色差が、L*a*b*表色系において、L*値の差が20以下、a*値の差が10以下、b*値の差が10以下の範囲になされていることが望ましい。
これにより、L*の値で示される明るさの差が適度に抑えられると共に、a*値で示される赤と緑の間の色みの差、およびb*値で示される黄と青の間の色みの差も適度に抑えられ、軸方向において色調のバランスを整えた筆記具を提供することができる。
この場合、スキャナの撮影条件としては、測定器は市販のスキャナ(EPSON社製GT−X750)、取り込みはスキャナ付属のソフト(EPSON社製EPSON Scan)を用いて、
モード:ホームモード、
原稿種:イラスト、
イメージタイプ:カラー、
出力設定:その他、
解像度:400dpi
保存ファイル形式:ビットマップ、
その他の設定:初期設定どおり、
とする。
スキャナで取り込んだ画像を印画紙等の紙面に印刷し、その印刷した色をJIS K 7375に準拠して測定し、汎用型色差計(TC−8600A、東京電色株式会社製)を用いて測定することができる。
11 軸筒
12 リング部材
13 クリップ
14 クッション材
17 ガイド筒
18 ガイド孔
20 後軸
21 クリップ突起
22 窓孔
23 係合片
24 雌ネジ
30 内筒
31 開口部
32 レール
33 レール段差
40 先軸
41 樹脂素材
42 グリップ部
43 雄ネジ
44 雌ネジ
50 口金
51 テーパー部
52 先端開口
53 雄ネジ
60 ノック棒
61 ノック棒挿入部
62 ノック突起
63 クリップ装着部
64 係合溝
65 係止突起
67 リフィル装着部
69 解除突起
70 摩擦具を備えたリフィル
71 芯収容管
72 先端筆記部(摩擦具)
80 ボールペンリフィル
81 インク収容管
82 先端筆記部(ボールペンチップ)
90 スプリング
この金属被覆としては、深みのある金属光沢を醸し出すことができ、グリップ感を得るためにイオンプレーティングによる成膜処理が望ましい。また、その膜厚は0.5〜5μmとすることが望ましい。
表1は、軸筒11にイオンプレーティング(IP)による成膜処理と、通常のメッキによる成膜処理のそれぞれの特徴を示しており、表1より硬度がHv700以上の成膜処理を施した例においては、耐蝕性、耐摩耗性、耐候性を含む耐久性に優れた金属被覆が得られる点で理解できる。なお、表1に示す耐久性について、Aは優秀、Bは良好、Cは普通の各評価を示している。
そして、この種の成膜処理によって得られる金属被覆は、その硬度が高いほど耐久性に優れているということができ、生産性も考慮し、より望ましくはHv1500〜3000の範囲である。
ここで挙げたHvはビッカース硬度であり、市販のマイクロビッカース測定器(例えばアカシ(現ミツトヨ)製のマイクロビッカース測定器MVK−1C)で測定したものである。
Claims (2)
- 表面に金属被覆が施された軸筒と、前記軸筒内に収容されて軸筒の前端部から突出される筆記部を備えたリフィルからなる筆記具であって、
前記軸筒に施された金属被覆の硬度がHv700以上であり、前記金属被覆の紙面に対する当接加重を2.5Nとし、滑り速度を20cm/secとした時の摩擦係数が0.23以上であり、
前記軸筒が、先軸と後軸より構成されて、両者間が雄ネジと雌ネジの組み合わせによって着脱可能に結合されると共に、前記先軸の先端部には口先部が、雄ネジと雌ネジの組み合わせによって着脱可能に結合されており、前記後軸に対する前記先軸のネジの結合解除の回動方向と、前記先軸に対する前記口先部のネジの結合解除の回動方向が、互いに逆方向に構成されていることを特徴とする筆記具。 - 前記軸筒が、外側が異なる材料である先軸と後軸より構成されており、先軸の外側に施された金属被覆と、後軸に施された金属被覆の色差が、L*a*b*表色系において、L*値の差が20以下、a*値の差が10以下、b*値の差が10以下の範囲になされていることを特徴とする請求項1に記載の筆記具。
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