JP2022008093A - 電子表示装置 - Google Patents
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Abstract
Description
一般に、表示装置の駆動回路素子は(駆動用IC、以後ドライバーICまたはドライバー素子とも云う)はTAB、COFなどを用いて表示装置の周辺部に取り付けられる。折り曲げ可能なフィルム基材を用いているTAB、またはCOFを、電子表示装置のエッジ部分において折り曲げ、電子表示装置の側面ないし裏面に駆動回路を配置する形態が提案されている(特許文献1、特許文献2)。 最近では表示デバイス部を高分子フィルム上に形成し、端部で折り曲げて、周辺回路などを電子表示装置の裏側に配置し、電子表示装置をコンパクトにする形態が提案されている(特許文献3、特許文献4)。
一方、電子表示装置の表示部をフィルム基材上に作製し、端部を折り曲げて裏に回す方法では、ドライバー素子を実装した後に、電子表示デバイス全体の変形を伴う加工を行う必要があり、ドライバー素子の破損、あるいはドライバー素子と表示デバイスとの接続部の破損などのおそれがある。またフィルム基材の電子表示デバイスの変形を伴う加工を行った後にドライバーICの実装を行うためには、ドライバー素子実装時の圧力、加熱、超音波振動などが、フィルム基材を通して電子表示デバイスのバックプレーン側に伝わり、特に繊細な部分である電子表示デバイスのTFTを破壊するおそれがある。
[1] 無機基板、
前記無機基板を挟むように折り曲げられ、前記無機基板の第一の面と第二の面の両方に接着された高分子フィルム、
前記無機基板の第一の面に接着された側の高分子フィルム表面に形成された電子表示デバイス、
前記無機基板の第二の面に接着された側の高分子フィルム表面に実装された電子表示デバイスの駆動回路素子、
前記高分子フィルム表面に形成され、前記電子表示デバイスと駆動回路素子を電気的に接続する配線、
を含み、
前記高分子フィルムと無機基板の接着面の一部または全部がシランカップリング剤縮合物層を介して接着されていることを特徴とする電子表示装置。
[2] 前記高分子フィルムと前記無機基板の第一の面とがシランカップリング剤縮合物層を介して接着されていることを特徴とする[1]に記載の電子表示装置。
[3] 前記高分子フィルムと前記無機基板の第二の面とがシランカップリング剤縮合物層を介して接着されていることを特徴とする[1]または[2]に記載の電子表示装置。
[4] 前記高分子フィルムと前記無機基板の側面とがシランカップリング剤縮合物層を介して接着されていることを特徴とする[1]~[3]のいずれかに記載の電子表示装置。
[5] 前記折り曲げられて無機基板の側面に対向する高分子フィルムの一部または全部が薄肉化されていることを特徴とする[1]~[4]のいずれかに記載の電子表示装置。
[6] 前記折り曲げられて無機基板の側面に対向する高分子フィルムの一部が取り除かれていることを特徴とする[1]~[4]のいずれかに記載の電子表示装置。
[7] 前記高分子フィルムが、弾性率が3MPa以上、破断伸度が5%以上、厚さが3μm以上75μm以下のポリイミドフィルムであることを特徴とする[1]~[6]のいずれかに記載の電子表示装置。
[8] 前記高分子フィルムが、全光線透過率85%以上、イエローインデックスが5以下のポリイミドフィルムであることを特徴とする[1]~[7]いずれかに記載の電子表示装置。
[9] 前記電子表示デバイスが自発光型表示デバイスであることを特徴とする[1]~[8]のいずれかに記載の電子表示装置。
[10] 前記電子表示デバイスが反射型表示デバイスであることを特徴とする[1]~[8]のいずれかに記載の電子表示装置。
[11] 前記高分子フィルムが、無機基板の第一の面から側面に向けて折り曲げられている角の曲率半径が高分子フィルムの厚さと配線厚さの合計の3倍以下であることを特徴とする[1]~[10]のいずれかに記載の電子表示装置。
なお、本発明は、無機基板上に高分子の前駆体(代表的な例としてはポリイミドの前駆体であるポリアミド酸)溶液を塗布し、乾燥硬化して基板上で高分子フィルムを形成するプロセスについても、精緻な厚さ制御を行えば適用が可能となる。
さらに、本発明では、電子表示デバイスの基板である高分子フィルムを無機基板で支持しているため電子表示デバイスの平面性が保たれる。さらに電子表示デバイス周辺から折り曲げて無機基板の裏に回した引き出し配線層部分を、基材である高分子フィルムごと、無機基板の裏面に接着することができる。高分子フィルムは硬い無機基板に支持されているため、ドライバーICを接着後の高分子フィルム上の端子に直接的にボンディング可能となる。高分子フィルムに支持体(無機基板)が無い場合、あるいは支持体の剛性が低い場合にはボンディング精度が低下することが多い。一方、本発明の電子表示装置では、高いボンディング精度を得ることが可能となる。
無機基板10は、本発明の電子表示装置1全体を支える重要な要素である。無機基板10としてはガラス基板、金属基板、金属箔、シリコンウエハ、その他の半導体ウエハなどを用いることができる。実用的には平面のガラス基板を用いることができる。ガラス基板として、厚さが数10μm程度のフレキシブルガラスを用いることもできる。無機基板10の好ましい厚さとしては、20μm以上であり、より好ましくは45μm以上であり、さらに好ましくは300μm以上である。また、5mm以下であることが好ましく、より好ましくは1.2mm以下であり、さらに好ましくは0.7mm以下である。無機基板の厚さを上記範囲内とすることで、耐久性およびハンドリング性が良好となる。
ガラス基板としては、石英ガラス、高ケイ酸ガラス(96%シリカ)、ソーダ石灰ガラス、鉛ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス(パイレックス(登録商標))、ホウケイ酸ガラス(無アルカリ)、ホウケイ酸ガラス(マイクロシート)、アルミノケイ酸塩ガラス等が含まれる。これらの中でも、線膨張係数が5ppm/℃以下のものが望ましく、市販品であれば、液晶用ガラスであるコーニング社製の「コーニング(登録商標)7059」や「コーニング(登録商標)1737」、「EAGLE」、旭硝子社製の「AN100」、日本電気硝子社製の「OA10」、SCHOTT社製の「AF32」などが望ましい。
またこれら無機基板、好ましくはガラス基板の表面に、クロム、ニッケル、ニクロム、モリブデン、タングステンなどの金属や、金属酸化物、金属窒化物、窒化ケイ素、窒化アルミ、炭化ケイ素などの薄膜を形成した基板を用いても良い。
また表面に陽極酸化被膜を形成した金属基板、金属箔、あるいはフッ素樹脂コーティング、シリコーン樹脂コーティングなどを行った無機基板を用いてもよい。
高分子フィルム30としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、全芳香族ポリエステル、その他の共重合ポリエステル、ポリメチルメタクリレート、その他の共重合アクリレート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルケトン、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、芳香族ポリイミド、脂環族ポリイミド、フッ素化ポリイミド、酢酸セルロース、硝酸セルロース、芳香族ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリフェノール、ポリアリレート、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリスチレン、液晶ポリマー等のフィルムを用いることが出来る。
本発明ではこれら高分子フィルムのうち、縮重合反応により得られる高分子フィルム(縮合系の高分子フィルム)が好ましい。本発明において特に効果が顕著・有用であるものは耐熱性が100℃以上、好ましくは150℃以上の高分子、所謂エンジニアリングプラスチックのフィルムである。ここに耐熱性とはガラス転移温度ないしは熱変形温度が100℃以上(好ましくは150℃以上)である性質を云う。本発明で好ましく用いられる縮重合高分子フィルム(縮合系の高分子フィルム)はポリエステル、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリベンザゾール、ポリイミドベンザゾール、ポリエチレンナフタレートフィルム、液晶ポリマーフィルムであり、より好ましくはポリイミドフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム又は液晶ポリマーフィルムである。
本発明において好ましく用いられるポリイミドフィルムとしては、以下の化学組成を含むポリイミド樹脂から得られるポリイミドフィルムを例示できる。
・ピロメリット酸とジアミノジフェニルエーテルから得られるポリイミド樹脂、
・ビフェニルテトラカルボンとフェニレンジアミンから得られるポリイミド樹脂、
・ピロメリット酸とフェニレンジアミンから得られるポリイミド樹脂、
・ジアミン成分にベンゾオキサゾール骨格を有するジアミン化合物を用いたポリイミド樹脂、
・シクロヘキシルテトラカルボン酸、シクロブタンテトラカルボン酸を用いたポリイミド樹脂、
・脂環族テトラカルボン酸と、アミド結合を有する芳香族ジアミンを用いたポリイミド樹脂
・フッ素を含有する単量体を用いたポリイミド樹脂、
・イオンを含有する単量体を用いたポリイミド樹脂
これらはテトラカルボン酸またはジアミンのそれぞれにおいて主たる成分を例示したものであって、第二第三の成分を配合して共重合化したポリイミド樹脂、あるいは複数組成のポリイミドを組み合わせてポリマーブレンド、またはポリマーアロイ化したポリイミド樹脂、さらに無機フィラーやポリジメチルシロキサン成分を導入したポリイミド樹脂などを用いても良い。また異なる組成のポリイミド樹脂が厚さ方向に積層された構造を有するポリイミドフィルムを用いることもできる。
本発明の高分子フィルムは破断伸度が好ましくは3%以上、好ましくは5%以上、より好ましくは7%以上、さらに好ましくは9%以上のポリイミドフィルムであることが好ましい。破断伸度は折り曲げ性の尺度でもあり、破断伸度が低いと脆く割れやすいため、折り曲げの際にフィルムに割れ生じる場合があるが3%以上であれば折り曲げが可能である。
さらに本発明の高分子フィルムとしては厚さが3μm以上75μm以下のポリイミドフィルムであることが好ましい。フィルム厚さは6μm以上が好ましく、12μm以上がさらに好ましい。また上限は60μmが好ましく45μm以下であることがさらに好ましい。フィルム厚さは折り曲げ性に関係し、所定の範囲であれば折り曲げが比較的容易となる。
さらに本発明の高分子フィルムの線膨張係数は35ppm/K以下が好ましくは18ppm/K以下が、なお好ましく、なおさらに9ppm/K以下が好ましい。線膨張係数の下限は-5ppm/Kであり、好ましくは-2ppm/Kである。さらに高分子フィルムと基板の線膨張係数の差が10ppm/K以下であることがこのましい。線膨張係数を所定範囲に収めることにより、積層体の反りが抑えられ、生産時の不良率が低減される。
高分子フィルムと基板を接着剤ないし粘着剤などで貼り合わせて積層体を得る。接着剤としてはエポキシ系接着剤、シリコーン系接着剤、アクリル系接着剤、および粘着剤を用いることができる。が、電子表示デバイス形成に高温プロセスが適用される場合には高耐熱の接着剤を用いる必要がある。さらに本発明では高耐熱な接着手法として、シランカップリング剤縮合物を介して基板と高分子フィルムを接着する手法を用いることができる。電子表示デバイス形成に高温が必要な場合には、基板にも耐熱性が要求されることから、無機基板、好ましくはガラス基板との組み合わせにおいて用いられることが好ましい。
シランカップリング剤を用いる接着法においては、高分子フィルムあるいは基板のいずれか、または両方の接着面にシランカップリング剤を塗布し、両者を重ね合わせて加熱すればよい。シランカップリング剤の有機基が高分子フィルム面と反応し、シランカップリング剤のメトキシ基、エトキシ基が無機基板表面の水酸基などと反応し、さらにシランカップリングどうしが自己縮合して縮合物層を形成して接着が行われる。本手法においては、例えば特許5224011号公報に開示される技術と組み合わせることにより、接着強度を制御し、接着強度が強い部分と弱い部分をパターン状に形成することがすることが可能であり、基板と高分子フィルムとを部分的に剥離する場面において適用することができる。
基板に高分子フィルムを構成する樹脂溶液、あるいは高分子の前駆体溶液を塗布し、基板上で乾燥、必要に応じて化学反応を行って高分子フィルムを得る方法である。代表的な例としてポリイミドフィルムを得るために、ポリイミド樹脂溶液ないしはポリイミド前駆体であるポリアミド酸の溶液を用いる例をあげることができる。
ワニス法においても、たとえば特許5862866号公報に開示される手法を用いて、基板と高分子フィルムの接着力を制御し、接着強度が強い部分と弱い部分をパターン状に形成することがすることが可能である。
<基板の厚さ、高分子フィルムの厚さ>
高分子フィルムの厚さは、マイクロメーター(ファインリューフ社製「ミリトロン1245D」)を用いて測定し、10点の平均値を求めた。
測定対象とする高分子フィルムから、流れ方向(MD方向)及び幅方向(TD方向)がそれぞれ100mm×10mmである短冊状の試験片を切り出し、引張試験機(島津製作所社製「オートグラフ(登録商標);機種名AG-5000A」)を用い、引張速度50mm/分、チャック間距離40mmの条件で、MD方向、TD方向それぞれについて、引張弾性率、引張破断強度および引張破断伸度を測定し、MD方向およびTD方向で測定した全測定値の平均値を得た。
測定対象とする高分子フィルムの流れ方向(MD方向)および幅方向(TD方向)について、下記条件にて伸縮率を測定し、15℃の間隔(30℃~45℃、45℃~60℃、…)での伸縮率/温度を測定し、この測定を300℃まで行って、MD方向およびTD方向で測定した全測定値の平均値を線膨張係数(CTE)として算出した。
機器名 ; MACサイエンス社製「TMA4000S」
試料長さ ; 20mm
試料幅 ; 2mm
昇温開始温度 ; 25℃
昇温終了温度 ; 400℃
昇温速度 ; 5℃/分
雰囲気 ; アルゴン
初荷重 ; 34.5g/mm2
<全光線透過率>
HAZEMETER(NDH5000、日本電色社製)を用いてフィルムの全光線透過率(TT)を測定した。光源としてはD65ランプを使用した。尚、同様の測定を3回行い、その算術平均値を採用した。
結果を表2~6に示す。
カラーメーター(ZE6000、日本電色社製)およびC2光源を使用して、ASTM D1925に準じてフィルムの三刺激値XYZ値を測定し、下記式により黄色度指数(YI)を算出した。尚、同様の測定を3回行い、その算術平均値を採用した。
YI=100×(1.28X-1.06Z)/Y
シランカップリング剤縮合物層20は、文字通りシランカップリング剤の縮合物からなる層である。シランカップリング剤層は無機基板10と高分子フィルム20を接着する働きを有する。高分子フィルムと無機基板の接着面の一部または全部がシランカップリング剤縮合物層を介して接着されている。シランカップリング剤縮合物層は、無機基板の第一の面および/または第二の面に存在していることが好ましく、無機基板の第一の面および第二の面に存在していることがより好ましい。また、無機基板の第1の面の全部および第二の面の全部に存在していることがさらに好ましい。また、高分子フィルムと無機基板の側面とがシランカップリング剤縮合物層を介して接着されていることも好ましい。
シランカップリング剤は、主には無機物表面などに存在する水酸基と、シランカップリング剤の分子内に含まれるメトキシ基、エトキシ基などとの間の脱アルコール縮合反応により、無機物表面を有機化する化合物の総称である。かかる脱アルコール反応はシランカップリング剤とシランカップリング剤との間でも生じ、結果としてシランカップリング剤間がシロキサン結合により連結された縮合物となる。
シランカップリング剤をウェットコーティングする方法としては、シランカップリング剤の原液、あるいはアルコール溶液、水溶液などの溶媒で希釈した溶液を用いて、スピンコート法、カーテンコート法、ディップコート法、スリットダイコート法、グラビアコート法、バーコート法、コンマコート法、アプリケーター法、スクリーン印刷法、スプレーコート法等の従来公知の溶液の塗布手段(従来公知の塗布装置)を適宜用いることができる。
また、スポット的にシランカップリング剤を塗布する方法としてディスペンサ、スポイト、あるいは筆による描画塗布などを用いることもできる。
配線層40は、前記高分子フィルム30の表面に形成され、表示デバイス60と駆動回路素子50(ドライバーIC)とを電気的に接続する配線である。配線層は、実際には表示デバイス内に網の目の様に張り巡らされており、多層配線構造を有しているが、図では便宜上、表示デバイスの周辺部のみを示している。配線層は原則的に金属層であることが好ましく、導電率の高い、銅、銀、アルミニウム、金、銀、ニッケル、クロム、錫、鉛など、あるいは線膨張係数の低いモリブデン、タングステンなどが主に用いられる。また必要に応じて黄銅、白銅、青銅、インバー、ステンレス鋼、半田などの合金を用いても良い。かかる配線層は、蒸着、スパッタリング、などの真空メタライジング技術、あるいは無電解メッキなどの湿式メタライジング、あるいはプラズマ溶射などのメタライジング技術を単独で、あるいは複数組み合わせて形成される。 さらに配線層はエッチング、あるいはマスキング法などによりパターニングされている。
なお、図面では簡素化のために省略しているが、配線層は樹脂などにより絶縁保護されることが好ましい。絶縁保護は、配線層の上面、下面、側面に行われることが好ましい。
電子表示デバイスの駆動回路素子(ドライバーIC)50は、電子表示デバイスに画像信号と電力を供給する集積電子回路素子である。ドライバーICは従来型の半導体素子を用いればよく、ベアチップの形で実装されるものであることが好ましい。ドライバーIC50は、前記無機基板の第二の面に接着された側の高分子フィルム表面に実装(搭載)される。図では省略されているが、フェイスダウンボンディングであれば、配線層に接続用のバンプなどが形成される。またフェイスアップ分ディングであれば、ワイヤボンディング適性の有る表面処理が配線層に加えられる。配線層の表面処理として金メッキ、錫メッキなどを行うことは好ましい態様である。またドライバーIC実装後にはアンダーフィル剤、あるいはオーバーコート、あるいはポッド封止してもよい。
本発明における電子表示デバイス60は、液晶表示装置、OLED(有機EL素子)、マイクロLEDアレイ、電気泳動ディスプレイなど、一般にFPD:フラットパネルディスプレイと呼ばれる表示デバイスを指し、本発明の電子表示装置における画像表示を行う部分である。CRT(ブラウン管)は含まない。原理的にはFED、PDP、蛍光表示管などに適用することも可能である。本発明はタイリングによる大面積化技術と組み合わせることが好ましく、自発光型であるOLED、マイクロLEDアレイ、あるいは電気泳動表示デバイス、反射型液晶表示装置のような反射型表示装置との組み合わせが好ましい。電子表示デバイス60は、前記無機基板の第一の面に接着された側の高分子フィルム表面に形成される。すなわち、前記高分子フィルム表面上で構築されるものであることが好ましい。
一般に電子表示デバイスはバックプレーンとフロントプレーンで構成されている。本発明における電子表示デバイス形成の一例として以下のプロセスを例示する。まず、無機基板に接着された高分子フィルム上に、必要に応じてガスバリア膜、アンカー層、などを形成した後に、各画素信号を直接取り扱う薄膜半導体素子と画素駆動電極などを形成し、発光体ないし電気泳動体を配置した後、対面電極、あるいは必要に応じてカラーフィルターなどを備えたフロントプレーンをビルドアップ的に形成するか、または別途作製したフロントプレーンを貼り付けることで表示デバイスを得る。
本発明において、高分子フィルムと無機基板とをシランカップリング剤を用いずに接着する必要がある場合には接着剤により接着し、接着剤層70を形成しても良い。接着剤としてはエレクトロニクス分野で一般的に使用されている、たとえばエポキシ樹脂系、あるいはシリコーン樹脂系などの、比較的耐熱性の高い接着剤を用いることが好ましい。本発明において、接着剤とは、Si(ケイ素)成分の含有量が10質量%未満ものであることが好ましい。さらに構造中にアルコキシ基を有さないものであることが好ましい。
図6の工程Aは加工前の無機基板10である。
図6の工程Bは無機基板10表面にシランカップリング剤縮合物層20を形成した状態である。ただし、この状態ではシランカップリング剤は完全に縮合していない。この段階において特許5224011号公報に記載される接着強度の強弱パターン化のための予備処理を加えることができる。
図6の工程Cはさらに高分子フィルム30を接着した状態である。高分子フィルム30の接着面は好ましくはプラズマ処理などで化学的に活性化した状態、すなわちカルボキシル基、水酸基、アミノ基、カルボニル基などの化学的活性度が高い官能基が存在する状態とすることが好ましい。シランカップリング剤の有機部分とかかる官能基が反応し、一方のシランカップリング剤のメトキシ基、エトキシ基が脱アルコール反応を生じつつ無機基板の表面の水酸基などと反応して両者は接着される。またシランカップリング剤どうしも縮合して縮合物層を形成する。
図6の工程Dでは、高分子フィルム30上に配線層40が形成される。便宜上周辺部のみを図示してある。
図6の工程Eでは表示デバイス60が形成される。配線層40は、実際には表示デバイス60内に網の目状に伸びている。
図6のF工程では、無機基板10の一部が取り除かれる。取り除かれる部分は表示デバイス60が形成されたエリアの外側である。これにより、配線層40を伴う高分子フィルム30が表示デバイス60の周囲を額縁状に取り巻く形態となる。無機基板10の所定の部分を取り除くには、機械的に、あるいはレーザー照射などにより無機基板10を切断、ないし、切り欠けを生成した後に割分けすればよい。
金属基板の場合には必要箇所をエッチングで除去することも可能である。不要部分の溶解除去は、ガラス基板の場合においても、理論上は強アルカリないしフッ酸などを用いることにより可能である。
図7の工程G2は、表示デバイス周辺を取り巻く高分子フィルムの配線層のある面の逆面側から薄肉化処理を行った状態を表す。薄肉化する場合、高分子フィルムの厚さの90%以下とすることが好ましく、より好ましくは60%以下であり、さらに好ましくは30%以下である。また、1%以上であることが好ましく、より好ましくは5%以上であり、さらに好ましくは10%以上である。
工程G1または工程G2、は高分子フィルムを折り曲げる際に、高分子フィルムを鋭角的に折り曲げることを可能とし、加えて配線層に与えるダメージを最小限にするために行う。スリット形成、および薄肉化はいずれか片方だけでも良く、両方を適宜併用しても良い。
なお、高分子フィルムに熱可塑性がある場合には、高分子フィルム部分を好ましくは局所的に熱変形温度以上に加熱して折り曲げることも可能であり、前記スリットや薄肉化なしでも配線部にストレスを加えることなく高分子フィルムを曲げることができる。
図7の工程Hでは、工程G2により配線層を薄肉化した場合について示している。無機基板の第二の面(裏面)の、折り曲げられた高分子フィルムが接する箇所には、あらかじめシランカップリング剤21が塗布されている。この場合、ディスペンサなどで必要箇所に必要量を塗布すればよい。実験室的にはスポイトや絵筆を用いて塗布することも可能である。
図7の工程Iは、高分子フィルムが折り曲げられ、無機基板の第二の面(裏面)に高分子フィルムの該当箇所がシランカップリング剤層を介して接着されている状態を示す。この場合も工程A~工程Cと同様、シランカップリング剤が無機基板と高分子フィルムを接着する反応と自己縮合する反応とが同時並行的に進み、シランカップリング剤層が形成される。
図7のJは、電子表示デバイスの駆動回路素子(ドライバーIC)を実装した状態を示す。
なお、ここでは高分子フィルムを無機基板に接着し、電子表示デバイス部は無機基板から剥がさず、製造に用いた無機基板部を電子表示装置に取り込む形を例示したが、工程Eまで進めた段階で高分子フィルム全体を無機基板から剥離し、新たに所定サイズの基板を用意して再接着して工程Fに進むことも可能である。製造工程適性から、電子表示デバイスの製造には耐熱性の高い無機基板の使用が好ましいが、製品として軽量化、フレキシブル化が求められる場合には高分子板、高分子シート、FRP板などの、より軽量で薄い基板を用いることは選択しうる態様の一つである。
ここに工程G2に相当する薄肉化を行わない場合については、図1の形態となる。90度のスリットを二か所に入れた場合にも、概略図的には図1の形態となる。
図2は、図7の工程H~Iにおいてシランカップリング剤では無く、接着剤を用いた場合になる。無機基板の第二の面と高分子フィルムとの接着にシランカップリング剤を用いた場合には、シランカップリング剤層は極めて薄いため、高分子フィルムを剛体と見なせる無機基板が事実上直接支持する形となる。そのため、配線層を支える弾性層は高分子フィルム層だけであり、ボンディング時の加熱、加圧、超音波振動が必要以上に吸収されず、結果として低不良率のボンディングが行える。
一方で接着剤を用いる場合には、弾性層が高分子フィルムと接着剤層の二層となり、ボンディング時の超音波振動が減衰しやすい傾向となる。しかしながら図2の場合には、無機基板の第一の面側において表示素子部分の高分子フィルムと無機基板がごく薄いシランカップリング剤層で接着されているため、装置全体として超音波振動の減衰が抑えられているため、十分に高いボンディング良品率を確保することが可能である。ただし、接着剤を用いる場合には、できるだけ薄く塗布するとともに、硬化物として高弾性率を示す接着剤を用いることが好ましい。
図4は、高分子フィルムと無機基板の側面部分も、シランカップリング剤縮合物により接着されている状態を示す。本発明で得られた電子表示装置をタイリング的に並べる際に、表示装置の側面は破損しやすいため、側面を無機基板に確実に接着固定することは好ましい態様のひとつである。図7の工程Gのフライングリード化を行わず、Hにおいてシランカップリング剤を無機基板の側面にも塗布して、高分子フィルムを無機基板側面に沿うように折り曲げれば図4の形態を実現することができる。
図8は、無機基板の第二の面全面にシランカップリング剤を塗布した場合に得られる形態である。シランカップリング剤は液体であるため、実際の形態は図1と図8の中間的な形態となることが多い。
図10は、図7の工程G2において、高分子フィルムの一部を配線層に至るまでエッチングした形態であり、配線層は部分的にフライングリードになっている例である。
ポリマー(ポリアミド酸)濃度が0.2g/dlとなるようにN-メチル-2-ピロリドンに溶解した溶液をウベローデ型の粘度管により30℃で測定した。
窒素導入管、温度計、攪拌棒を備えた容器の接液部、および輸液用配管はオーステナイト系ステンレス鋼SUS316Lである反応容器内を窒素置換した後、223質量部の5-アミノ-2-(p-アミノフェニル)ベンゾオキサゾール(DAMBO)を入れた。次いで、4000質量部のN-メチル-2-ピロリドンを加えて完全に溶解させてから、先に得た予備分散液を420質量部と217質量部のピロメリット酸二無水物(PMDA)を加えて、25℃にて48時間攪拌すると、褐色の粘調なポリアミド酸溶液(PAA1)が得られた。この還元粘度(ηsp/C)は5.5dl/gであった。得られたポリアミド酸溶液(PAA1)に、滑剤としてコロイダルシリカをジメチルアセトアミドに分散してなる分散体(日産化学工業製「スノーテックス(登録商標)DMAC-ST-ZL」)とをシリカ(滑剤)がポリアミド酸溶液中のポリマー固形分総量にて0.5質量%)になるように加え滑剤入りポリアミド酸溶液(V1)を得た。
窒素導入管、温度計、攪拌棒を備えた容器の接液部、および輸液用配管はオーステナイト系ステンレス鋼SUS316Lである反応容器内を窒素置換した後、108質量部のフェニレンジアミン(PDA)を入れた。次いで、3600質量部のN-メチル-2-ピロリドンを加えて完全に溶解させてから、先に得た予備分散液を420質量部と292.5質量部のジフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)を加えて、25℃にて12時間攪拌すると、褐色の粘調なポリアミド酸溶液(PAA2)が得られた。この還元粘度(ηsp/C)は4.5dl/gであった。以下ポリアミド酸溶液(V1)の調製と同様にコロイダルシリカを加え、滑剤入りポリアミド酸溶液(V2)を得た。
窒素導入管、温度計、攪拌棒を備えた容器の接液部、および輸液用配管はオーステナイト系ステンレス鋼SUS316Lである反応容器内を窒素置換した後、200質量部のジアミノジフェニルエーテル(ODA)を入れた。次いで、3800質量部のN-メチル-2-ピロリドンを加えて完全に溶解させてから、先に得た予備分散液を390質量部と217質量部のピロメリット酸二無水物(PMDA)を加えて、25℃にて5時間攪拌すると、褐色の粘調なポリアミド酸溶液(PAA3)が得られた。この還元粘度(ηsp/C)は3.7dl/gであった。以下同様にコロイダルシリカを加え、滑剤入りポリアミド酸溶液(V3)を得た。
窒素導入管,温度計,攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、反応容器に窒素雰囲気下、1765質量部の1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物(CBDA)、310質量部の4,4’-オキシジフタル酸(ODPA)、1601質量部の2,2’-ジトリフルオロメチル-4,4’-ジアミノビフェニル(TFMB)、1136質量部の4-アミノ-N-(4-アミノフェニル)ベンズアミド(DABAN)、20000質量部のN,N-ジメチルアセトアミドを仕込んで溶解させた後、室温で24時間攪拌した。その後、適正粘度となるように適当量のN,N-ジメチルアセトアミドで希釈し、還元粘度4.50dl/gのポリアミド酸溶液(PAA4)を得た。以下同様にコロイダルシリカを加え、滑剤入りポリアミド酸溶液(V4)を得た。
窒素導入管,温度計,攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、反応容器に窒素雰囲気下、4610質量部のN,N-ジメチルアセトアミド(DMAC)と640質量部の2,2’-ジトリフルオロメチル-4,4’-ジアミノビフェニル(TFMB)を入れて攪拌し、TFMBをDMAC中に溶解させた。次いで、反応容器内を攪拌しながら、窒素気流下で、897.37質量部の4,4’-(2,2-ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸2無水物(6FDA)を10分程度かけて投入し、そのまま温度が20~40℃の温度範囲となるように調整しながら6時間攪拌を続けて重合反応を行い、粘稠なポリアミド酸溶液(PAA5)を得た。
次に、得られたポリアミド酸溶液(PAA5)に4100質量部のDMACを加えて希釈した後、イミド化促進剤として258.3質量部のイソキノリンを加えて、ポリアミド酸溶液を攪拌しながら30~40℃の温度範囲に保ち、そこにイミド化剤として、1225質量部の無水酢酸を約10分間かけてゆっくりと滴下しながら投入し、その後更に液温を30~40℃に保って12時間攪拌を続けて化学イミド化反応を行って、ポリイミド溶液(PI5a)を得た。
得られたポリアミド酸溶液、またはポリイミド溶液、および滑剤入りの溶液の一覧を表1、表2に示す。
前記滑剤入りポリアミド酸溶液(V1)を送液し、ポリエチレンテレフタレート製フィルムの支持体上に最終厚さが38μmとなるようにコーティングし、110℃にて30分間乾燥した。乾燥後に自己支持性となったポリアミド酸フィルムを支持体から剥離してポリアミド酸フィルム(グリーンフィルム)を得た。
得られたグリーンフィルムを、連続式の熱処理炉に通し、第1段が200℃で3分、昇温速度4℃/秒で昇温して第2段として480℃で5分の条件で2段階の加熱を施して、イミド化反応を進行させた。その後、5分間で室温にまで冷却し、さらに両端部(耳部)をスリットし、中央部のみの幅524mm、長さ約200m、厚さ38μmのポリイミドフィルムF1を得た。
<ポリイミドフィルムの真空プラズマ処理>
ポリイミドフィルムF1に真空プラズマ処理を行った。真空プラズマ処理は長尺フィルム処理用の装置を用い、真空チャンバー内を1×10-3Pa以下になるまで真空排気し、真空チャンバー内にアルゴンガスを導入して、放電電力100W、周波数15kHzの条件で20秒間、アルゴンガスのプラズマ処理を行った。
ガラス基板[G]として470mm×370mm、厚さ 0.7mmの日本電気硝子製OM10Gを用いた。 ホットプレートと無機基板の支持台とを備えたチャンバーをクリーンな乾燥窒素で置換した後、UV/オゾン処理を行ったガラス基板を支持台に設置し、ガラス基板の200mm下方に液面が位置するようにシランカップリング剤(3-アミノプロピルトリメトキシシラン)を満たしたシャーレを置き、シャーレをホットプレートにて100℃に加熱し、ガラス基板の下面をシランカップリング剤蒸気に3分間暴露した後にチャンバーから取り出し、クリーンベンチ内に設置し、120℃に調温されたホットプレートにガラス基板の暴露面とは逆側を熱板に接するように乗せ、1分間の熱処理を行い、シランカップリング剤処理とした。
シランカップリング剤処理を行ったガラス基板のシランカップリング剤処理面に重なるようにポリイミドフィルムのプラズマ処理面を重ね、ロールラミネータにて仮圧着した後、クリーンベンチ内に設置し、150℃に調温されたホットプレートに無機基板側を熱板に接するように乗せ、3分間熱処理を行い、ポリイミドフィルム/ガラス基板積層体(LF1)を得た。得られたポリイミド/ガラス基板の積層体は、温度20~25℃、相対湿度65±30%の環境下で保管した。
以下同様にフィルムF2とガラス基板から、ポリイミドフィルム/ガラス基板積層体(LF2)を、得た。さらに同様にフィルムF3、F4、F5とガラス基板から、ポリイミドフィルムガラス基板積層体(LF3)、(LF4)、(LF5)を得た。
同様にして複数の(PF1)を作製し、タイル状に並べて大面積化し、画像信号を送って表示を確認した。各模擬パネル間においても、特に画素欠陥などは無く、良好な品位の画像表示が行われることが確認できた。
10:無機基板
20:シランカップリング剤縮合物層
21:シランカップリング剤(溶液)
30:高分子フィルム
31:スリット部(ハーフカット部)
32:ポリイミドエッチング部
40:配線層
41:薄肉化部
42:フライングリード部
50:電子表示デバイスの駆動回路素子
60:電子表示デバイス
70:接着剤層
80:異方性導電膜(ACF)
Claims (8)
- 無機基板、
前記無機基板を挟むように折り曲げられ、前記無機基板の第一の面と第二の面の両方に接着された高分子フィルム、
前記無機基板の第一の面に接着された側の高分子フィルム表面に形成された電子表示デバイス、
前記無機基板の第二の面に接着された側の高分子フィルム表面に実装された電子表示デバイスの駆動回路素子、
前記高分子フィルム表面に形成され、前記電子表示デバイスと駆動回路素子を電気的に接続する配線層、
を含み、
前記高分子フィルムと無機基板の接着面の一部または全部がシランカップリング剤縮合物層を介して接着されていることを特徴とする電子表示装置。 - 前記高分子フィルムと前記無機基板の第一の面とがシランカップリング剤縮合物層を介して接着されていることを特徴とする請求項1に記載の電子表示装置。
- 前記高分子フィルムと前記無機基板の第二の面とがシランカップリング剤縮合物層を介して接着されていることを特徴とする請求項1または2に記載の電子表示装置。
- 前記高分子フィルムと前記無機基板の側面とがシランカップリング剤縮合物層を介して接着されていることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の電子表示装置。
- 前記折り曲げられて無機基板の側面に対向する高分子フィルムの一部または全部が薄肉化されていることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の電子表示装置。
- 前記折り曲げられて無機基板の側面に対向する高分子フィルムの一部が取り除かれていることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の電子表示装置。
- 前記高分子フィルムが、弾性率が3GPa以上、破断伸度が3%以上、厚さが3μm以上75μm以下のポリイミドフィルムであることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の電子表示装置。
- 前記高分子フィルムが、全光線透過率85%以上、イエローインデックスが5以下のポリイミドフィルムであることを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の電子表示装置。
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