JP2022014019A - ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
また、ポリカーボネート樹脂の低分子量化により流動性を向上させることが可能であるが、耐衝撃強度が低下し、耐加水分解性も低下する等の問題がある。
本発明は、以下のポリカーボネート樹脂組成物に関する。
[4]前記一般式(1)または(1’)におけるR1が、t-オクチル基からなる群から選択される1種以上である上記[1]~[3]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[5]前記ポリカーボネート樹脂(A-1)が、Mw/Mnが異なるポリカーボネート樹脂の混合物である上記[1]~[4]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
なお、本明細書において、「~」とは、特に断りがない場合、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
以下、本発明のポリカーボネート樹脂組成物を構成する各成分等につき、詳細に説明する。
本発明において使用するポリカーボネート樹脂(A)は、ビスフェノールAを出発原料とし一般式(1)に示す末端構造を有するポリカーボネート樹脂(A-1)を45~100質量部および(A-1)以外のポリカーボネート樹脂(A-2)を55~0質量部を含む。
ポリカーボネート樹脂(A-1)は下記一般式(1)で表される末端構造を有するポリカーボネート樹脂である。
1,2-ジヒドロキシベンゼン、1,3-ジヒドロキシベンゼン(即ち、レゾルシノール)、1,4-ジヒドロキシベンゼン等のジヒドロキシベンゼン類;
2,5-ジヒドロキシビフェニル、2,2’-ジヒドロキシビフェニル、4,4’-ジヒドロキシビフェニル等のジヒドロキシビフェニル類;
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2-ビス(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン(即ち、ビスフェノールC)、
2,2-ビス(3-メトキシ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
2-(4-ヒドロキシフェニル)-2-(3-メトキシ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
1,1-ビス(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2-ビス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2-ビス(3-シクロヘキシル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
2-(4-ヒドロキシフェニル)-2-(3-シクロヘキシル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
α,α’-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1,4-ジイソプロピルベンゼン、
1,3-ビス[2-(4-ヒドロキシフェニル)-2-プロピル]ベンゼン、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキシルメタン、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)(4-プロペニルフェニル)メタン、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)ナフチルメタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-フェニルエタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-ナフチルエタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ペンタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)オクタン、
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)オクタン、
4,4-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘプタン、
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ノナン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)デカン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ドデカン、
等のビス(ヒドロキシアリール)アルカン類;
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3-ジメチルシクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,4-ジメチルシクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,5-ジメチルシクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3-プロピル-5-メチルシクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3-tert-ブチル-シクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-4-tert-ブチル-シクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3-フェニルシクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-4-フェニルシクロヘキサン、
等のビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類;
9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)フルオレン等のカルド構造含有ビスフェノール類;
4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチルジフェニルスルフィド等のジヒドロキシジアリールスルフィド類;
4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチルジフェニルスルホン等のジヒドロキシジアリールスルホン類;
等が挙げられる。
なお、芳香族ジヒドロキシ化合物は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
エタン-1,2-ジオール、プロパン-1,2-ジオール、プロパン-1,3-ジオール、2,2-ジメチルプロパン-1,3-ジオール、2-メチル-2-プロピルプロパン-1,3-ジオール、ブタン-1,4-ジオール、ペンタン-1,5-ジオール、ヘキサン-1,6-ジオール、デカン-1,10-ジオール等のアルカンジオール類;
本発明において、ポリカーボネート樹脂(A-1)、(A-2)の製造方法は、特に限定されるものではなく、任意の方法を採用できる。その例を挙げると、界面重合法、溶融エステル交換法、ピリジン法、環状カーボネート化合物の開環重合法、プレポリマーの固相エステル交換法などを挙げることができる。
以下、これらの方法のうち、特に好適なものについて具体的に説明する。
まず、ポリカーボネート樹脂を界面重合法で製造する場合について説明する。
界面重合法では、反応に不活性な有機溶媒及びアルカリ水溶液の存在下で、通常pHを9以上に保ち、ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体(好ましくは、ホスゲン)とを反応させた後、重合触媒の存在下で界面重合を行うことによってポリカーボネート樹脂を得る。なお、反応系には、必要に応じてジヒドロキシ化合物の酸化防止のために酸化防止剤を存在させるようにしてもよい。
なお、反応温度は通常0~40℃であり、反応時間は通常は数分(例えば、10分)~数時間(例えば、6時間)である。
次に、ポリカーボネート樹脂を溶融エステル交換法で製造する場合について説明する。
溶融エステル交換法では、例えば、炭酸ジエステルとジヒドロキシ化合物とのエステル交換反応を行う。
一方、炭酸ジエステルとしては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ-tert-ブチルカーボネート等の炭酸ジアルキル化合物;ジフェニルカーボネート;ジトリルカーボネート等の置換ジフェニルカーボネートなどが挙げられる。中でも、ジフェニルカーボネート及び置換ジフェニルカーボネートが好ましく、特にジフェニルカーボネートがより好ましい。なお、炭酸ジエステルは1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
R1のアルキル基の炭素数は、6以上が好ましく、より好ましくは7以上であり、また、好ましくは12以下であり、10以下であることがより好ましい。R1のアルキル基は、直鎖のものでも分岐していてもよい。
中でも、R1は、n-オクチル基、イソ-オクチル基及びt-オクチル基からなる群から選択される1種以上であることが好ましく、t-オクチル基がより好ましく、一般式(1)における末端構造がt-オクチルフェニル基(即ち、1,1,3,3-テトラメチルブチルフェニル基)であることが特に好ましい。
中でも、p-t-オクチルフェノール、p-n-オクチルオキシフェノールのいずれかもしくは複数を末端停止剤として使用することが、流動性、成形体の強度および耐熱性に加え、入手のし易さの観点からより好ましい。
併用してもよい他の末端停止剤としては、例えば、フェノール、p-クレゾール、o-クレゾール、2,4-キシレノール、p-t-ブチルフェノール、o-アリルフェノール、p-アリルフェノール、p-ヒドロキシスチレン、p-ヒドロキシ-α-メチルスチレン、p-プロピルフェノール、p-クミルフェノール、p-フェニルフェノール、o-フェニルフェノール、p-トリフルオロメチルフェノール、オイゲノール、パルミチルフェノール、ステアリルフェノール、ベヘニルフェノール等のアルキルフェノール及びp-ヒドロキシ安息香酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル、アミルエステル、ヘキシルエステル、ヘプチルエステル等のp-ヒドロキシ安息香酸アルキルエステルが挙げられる。
他の末端停止剤は2種類以上併用して使用することも可能である。特に一般式(1a)の末端停止剤と併用してもよい末端停止剤としては、純度やコストの観点から、p-t-ブチルフェノールが挙げられる。
一般式(1a)以外の他の末端停止剤を使用する場合は、ポリカーボネート樹脂(A-1)の全末端停止剤中の20mol%以下であることが好ましく、10mol%以下であることがより好ましい。
また、後記するように、ポリカーボネート樹脂(A-1)としてはMw/Mnが2.7未満であっても、後記するポリカーボネート樹脂(A-2)と組み合わせ、ポリカーボネート樹脂(A)としてMw/Mnを2.7以上とすることも好ましい。
この場合のMwは、好ましくは25000以上、28000以上、31000以上、34000以上、37000以上、41000以上、44000以上、47000以上、50000以上、53000以上、56000以上、59000以上、60000以上である。また、Mnは、好ましくは15000以上、17000以上、18000以上、19000以上、20000以上、さらに好ましくは21000以上である。
混合前の(A-1)のうち、分子量が最も大きい(A-1)のMwは、好ましくは36000以上、38000以上、40000以上、48000以上、さらに好ましくは51000以上である。またMnは、好ましくは14500以上、15000以上、16000以上、18000以上、更に好ましくは20000以上である。
混合前の(A-1)のうち、分子量が最も小さい(A-1)のMwは、好ましくは34000以下、32000以下、30000以下、28000以下、更に好ましくは27000以下である。またMnは、好ましくは13800以下、13500以下、13000以下、12500以下、更に好ましくは12000以下である。
混合後のMw/Mnは、好ましくは2.70以上、2.75以上、2.80以上、2.81以上、さらに好ましくは2.82以上である。
この場合のMwは、好ましくは25000以上、28000以上、31000以上、34000以上、37000以上、41000以上、44000以上、47000以上、50000以上、53000以上、56000以上、59000以上、60000以上である。また、Mnは、好ましくは15000以上、17000以上、18000以上、19000以上、20000以上、さらに好ましくは21000以上である。
GPCによる測定は、具体的には以下のようにして行った。
ゲル浸透クロマトグラフィー装置には、HLC-8320GPC/EcoSEC(東ソー社製)を用い、カラムとして、KF-805L×3本とKF-800D(いずれもShodex社製)を接続して用いた。カラム温度は40℃とした。検出器はHLC-8320のRI検出器を用いた。溶離液として、テトラヒドロフランを用い、検量線は、標準ポリスチレン(Agilent社製)を使用して作成した。
η=1.23×10-4Mv0.83 から算出される値を意味する。また、極限粘度[η]とは、各溶液濃度[C](g/dl)での比粘度[ηsp]を測定し、下記式により算出される値である。
ポリカーボネート樹脂(A-2)は上記ポリカーボネート樹脂(A-1)以外のポリカーボネート樹脂である。
本発明においては、ポリカーボネート樹脂(A)は、ポリカーボネート樹脂(A-1)のみを含有するか、または、ポリカーボネート樹脂(A-1)を45質量部以上100質量部未満、ポリカーボネート樹脂(A-2)を55質量部以下0質量部超の混合物であり、ポリカーボネート樹脂(A)としてのMw/Mnが2.7以上であることを特徴としている。
ポリカーボネート樹脂(A-2)の末端構造としては、p-t-ブチルフェニル基末端構造を有するものが好ましく挙げられる。
ポリカーボネート樹脂(A-1)と(A-2)を混合する場合は、好ましくは(A-1)を60~95質量部、(A-2)を40~5質量部、より好ましくは(A-1)65~95質量部、ポリカーボネート樹脂(A-2)35~5質量部、さらに好ましくは(A-1)70~95質量部、ポリカーボネート樹脂(A-2)30~5質量部である。
ポリカーボネート樹脂(A-2)のMwは、好ましくは25000以上、28000以上、31000以上、34000以上、37000以上、41000以上、44000以上である。Mnは、好ましくは10000以上、12000以上、14000以上、16000以上、さらに好ましくは17000以上である。
また、異なる分子量分布を示すポリカーボネート樹脂を複数混合して、Mw/Mnを大きくすることができる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、安定剤(B)を0.001~1質量部を含有する。
安定剤(B)としては、以下のリン系熱安定剤や、フェノール系酸化防止剤、有機リン酸エステル化合物等が好ましく挙げられる。
リン系熱安定剤は一般的に、樹脂成分を溶融混練する際、高温下での滞留安定性や樹脂成形品使用時の耐熱安定性の向上に有効である。
フェノール系酸化防止剤は、これを含有することで、色相劣化や、熱滞留時の機械物性の低下を抑制することができる。
有機リン酸エステル化合物としては、熱安定性の向上のために下記一般式(2)で表される有機リン酸エステル化合物を含有していてもよい。
(RO)nP(O)(OH)3-n …(2)
(式中、Rは総炭素数が2~25の、置換基を有していてもよいアルキル基を表し、nは1又は2を表す。但しnが2の場合に2つのRは同一であってもよく、相互に異なっていてもよい。)
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、熱可塑性樹脂成分として、上記した以外の他の熱可塑性樹脂を含有していてもよい。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物が含有し得る他の熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などのポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリメタクリレート樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂や熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。これらの他の熱可塑性樹脂の含有割合は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部中に好ましくは10質量部以下、中でも5質量部以下、特に3質量部であることが好ましい。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、更に上記した以外の種々の添加剤を含有していても良い。このような添加剤としては、離型剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、染顔料、防曇剤、滑剤、アンチブロッキング剤、摺動性改質剤、耐衝撃性改良剤、可塑剤、分散剤、抗菌剤、難燃剤、滴下防止剤などが挙げられる。これらは2種以上を併用してもよい。
以下、本発明のポリカーボネート樹脂組成物に好適な添加剤の一例について具体的に説明する。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、離型剤を含有することが好ましい。
離型剤としては、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステル、数平均分子量200~15000の脂肪族炭化水素化合物、ポリシロキサン系シリコーンオイルの群から選ばれる少なくとも1種の化合物が好ましく挙げられる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、エラストマーを含有することも好ましい。エラストマーを含有することで、樹脂組成物の耐衝撃性をさらに高くすることができる。
これらの中でも、機械的特性や表面外観の面から、ポリブタジエンゴム、ポリアルキルアクリレートゴム、ポリオルガノシロキサンゴム、ポリオルガノシロキサンゴムとポリアルキルアクリレートゴムとからなるIPN型複合ゴム、スチレン-ブタジエンゴムが好ましい。
エラストマーは1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、合計量が上記範囲となる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、難燃剤を含有することも好ましい。難燃剤を含有する場合の好ましい含有量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、0.01~30質量部、より好ましくは0.03~20質量部である。
難燃剤としては、例えば、有機金属塩系難燃剤、シロキサン系難燃剤、リン系難燃剤、ホウ素系難燃剤、窒素系難燃剤、ハロゲン系難燃剤等が挙げられるが、本発明では特に有機金属塩系難燃剤、有機シロキサン系難燃剤が好ましい。
また、金属塩化合物の金属としては、アルカリ金属又はアルカリ土類金属であることが好ましく、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)等のアルカリ金属;マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)等のアルカリ土類金属が挙げられる。なかでも特に、ナトリウム、カリウム、セシウムが好ましい。
なお、金属塩化合物は1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、紫外線吸収剤を含有することも好ましい。
紫外線吸収剤としては、例えば、酸化セリウム、酸化亜鉛などの無機紫外線吸収剤;ベンゾトリアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、サリシレート化合物、シアノアクリレート化合物、トリアジン化合物、オギザニリド化合物、マロン酸エステル化合物、ヒンダードアミン化合物などの有機紫外線吸収剤などが挙げられる。これらの中では有機紫外線吸収剤が好ましく、ベンゾトリアゾール化合物がより好ましい。有機紫外線吸収剤を選択することで、本発明の樹脂組成物の透明性や機械物性が良好なものになる。
このようなベンゾトリアゾール化合物としては、具体的には例えば、シプロ化成社製「シーソーブ701」、「シーソーブ705」、「シーソーブ703」、「シーソーブ702」、「シーソーブ704」、「シーソーブ709」、共同薬品社製「バイオソーブ520」、「バイオソーブ582」、「バイオソーブ580」、「バイオソーブ583」、ケミプロ化成社製「ケミソーブ71」、「ケミソーブ72」、サイテックインダストリーズ社製「サイアソーブUV5411」、ADEKA社製「LA-32」、「LA-38」、「LA-36」、「LA-34」、「LA-31」、BASF社製「チヌビンP」、「チヌビン234」、「チヌビン326」、「チヌビン327」、「チヌビン328」等が挙げられる。
このようなベンゾフェノン化合物としては、具体的には例えば、シプロ化成社製「シーソーブ100」、「シーソーブ101」、「シーソーブ101S」、「シーソーブ102」、「シーソーブ103」、共同薬品社製「バイオソーブ100」、「バイオソーブ110」、「バイオソーブ130」、ケミプロ化成社製「ケミソーブ10」、「ケミソーブ11」、「ケミソーブ11S」、「ケミソーブ12」、「ケミソーブ13」、「ケミソーブ111」、BASF社製「ユビヌル400」、BASF社製「ユビヌルM-40」、BASF社製「ユビヌルMS-40」、サイテックインダストリーズ社製「サイアソーブUV9」、「サイアソーブUV284」、「サイアソーブUV531」、「サイアソーブUV24」、ADEKA社製「アデカスタブ1413」、「アデカスタブLA-51」等が挙げられる。
なお、紫外線吸収剤は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていてもよい。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法に制限はなく、公知のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法を広く採用でき、ポリカーボネート樹脂(A)及び安定剤(B)、並びに、必要に応じて配合されるその他の成分を、例えばタンブラーやヘンシェルミキサーなどの各種混合機を用い予め混合した後、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダーなどの混合機で溶融混練する方法が挙げられる。なお、溶融混練の温度は特に制限されないが、通常240~320℃の範囲である。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、高い耐衝撃性を有し、ノッチ付シャルピー衝撃値が、好ましくは50kJ/m2以上、より好ましくは55kJ/m2以上、さらに好ましくは60kJ/m2以上という高度の耐衝撃性を有する。このようなノッチ付シャルピー衝撃値は前記したエラストマーを含有することなしに達成することができる。
ここで、ノッチ付シャルピー衝撃値は、ISO多目的試験片(3mm厚)を用い、ISO179に準拠し、温度23℃にて測定される値である。
また、本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、高度の流動性を有し、JIS K7210付属書Cに記載の方法に準拠し、高架式フローテスターを用い、280℃、荷重160kgf/cm2の条件下で測定する単位時間あたりの流出量(Q値)が、好ましくは10×10-2ml/sec以上、より好ましくは15×10-2ml/sec以上、さらに好ましくは20×10-2ml/sec以上、中でも25×10-2ml/sec以上、特に好ましくは30×10-2ml/sec以上を有する。Q値がこのような範囲にあることで、薄肉部を有するポリカーボネート樹脂成形体であっても、耐衝撃性及び優れた表面外観を備えた状態で成形することができる。
中でも、成形は射出成型法により行われることが好ましく、例えば、射出成型機、超高速射出成形機、射出圧縮成形機等の公知の射出成形機を用いて射出成形される。射出成形時における射出成形機のシリンダー温度は、好ましくは240~320℃であり、より好ましくは、250~300℃、さらに好ましくは260~280℃である。また、射出成形時の射出速度は、好ましくは10~1000mm/秒であり、より好ましくは10~500mm/秒である。
車両部品としては、例えば自動車のエアコンの噴出し口のブレードやフィン、スイッチ、レバー、ハンドル、前面パネル、タッチパネルの全面材、センタークラスター、コンソール、ドアフィニッシャー、カップホルダー、車載カメラの筐体等の内装部品や、フェンダー、サイドシル、バンパー、サイドスポイラー、フロントグリル、リアガーニッシュ、アウタードアハンドル、ピラーカバー類、ドアミラーボディ、マットガード、スプラッシュボード、カウルパネル、ホイールキャップ、ランプハウジング等外装部品等に好適である。
屋内または屋外で使用される二次電池装置用の部材、バッテリーパック、電動自転車の蓄電池等の部材等、屋外で使用される電力計等の筐体用の部材等に用いて好適である。
遊技機部材としては、パチンコ機の部品等が好ましく挙げられる。
[ポリカーボネート樹脂組成物ペレットの製造]
上記表1に記した各成分を、後記表2以下に記した割合(質量部)で配合し、タンブラーにて20分混合した後、1ベントを備えた東芝機械社製二軸押出機(TEM26SX)に上流のフィーダーより供給し、回転数180rpm、吐出量20kg/時間、バレル温度255℃の条件で混練し、ストランド状に押出された溶融樹脂を水槽にて急冷し、ペレタイザーを用いてペレット化して熱可塑性樹脂組成物のペレットを得た。
上記の方法で得られたペレットを120℃で4時間乾燥した後、JIS K7210付属書Cに準拠し、高架式フローテスターを用いて、280℃の温度、荷重160kgf/cm2の条件下で組成物の単位時間あたりの流出量(Q値、単位:10-2ml/sec)を測定し、流動性を評価した。なお、オリフィスは直径1mm×長さ10mmのものを使用した。
上述の製造方法で得られたペレットを120℃で4時間乾燥させた後、日精樹脂工業社製の射出成形機(NEX80III、型締め力80T)を用いて、シリンダー温度280℃、金型温度80℃の条件で射出成形し、ISO多目的試験片(3mm厚)を成形した。
得られたISO多目的試験片(3mm厚)を用い、ISO179に準拠し、温度23℃で、ノッチ付シャルピー衝撃強度(単位:kJ/m2)を測定した。
以上の評価結果を下記の表2以下に示す。
図1中、●は本願の実施例、×は比較例であり、実施例のものは同じQ値を有する比較例のものに比べ、シャルピー衝撃値が一段と高くなっていることが分かる。
Claims (5)
- 前記一般式(1)または(1’)におけるR1が、n-オクチル基、イソ-オクチル基及びt-オクチル基からなる群から選択される1種以上である請求項1または2に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- 前記一般式(1)または(1’)におけるR1が、t-オクチル基からなる群から選択される1種以上である請求項1~3のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- 前記ポリカーボネート樹脂(A-1)が、Mw/Mnが異なるポリカーボネート樹脂の混合物である請求項1~4のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
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| JP2020116134A JP2022014019A (ja) | 2020-07-06 | 2020-07-06 | ポリカーボネート樹脂組成物 |
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2020
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