JP2022014155A - 誘導性負荷駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】誘導性負荷駆動装置において、昇圧回路のコンデンサの電圧が過大になってしまうことを抑制する。【解決手段】誘導性負荷駆動装置1は、誘導性負荷2に接続される上流側端子5及び下流側端子7と、電源ライン13からの電源電圧VBを昇圧してコンデンサ17を充電する昇圧回路15と、下流側端子7とグランドラインとの間に設けられた駆動スイッチ9と、コンデンサ17と上流側端子5との間に設けられた電圧供給スイッチ25と、スイッチ9,25をオンさせる駆動部39と、駆動スイッチ9のオフ時のフライバック電流をコンデンサへと流すダイオード33と、駆動スイッチ9に流れる電流が過電流閾値に達したことを検知すると、駆動スイッチ9を強制的にオフさせる過電流保護部41と、過電流保護部41によって駆動スイッチ9がオフされる場合にフライバック電流の流し先を電源ライン13に切り替える経路切替部57と、を備える。【選択図】図1

Description

本開示は、誘導性負荷駆動装置に関する。
例えば下記特許文献1には、誘導性負荷を駆動する装置の構成として、電池の電圧を昇圧してコンデンサを充電する昇圧回路と、前記コンデンサのプラス側端子と誘導性負荷の一端を導通させる第1スイッチング素子と、誘導性負荷の前記一端とは反対側である他端とグランドラインを導通させる第4スイッチング素子と、を備える構成が記載されている。この構成では、第1スイッチング素子と第4スイッチング素子の両方がオンされることで、前記コンデンサから誘導性負荷に電力が供給される。そして、特許文献1に記載の装置では、第4スイッチング素子がオフされた場合に、誘導性負荷で発生した逆起電力による電流(即ち、フライバック電流)が、誘導性負荷の前記他端とコンデンサとの間に接続されたダイオードを介して、コンデンサに流れる。つまり、フライバック電流が前記ダイオードを介してコンデンサに回収される。
特開2018-50411号公報
発明者の詳細な検討の結果、下記の課題が見出された。尚、前記第4スイッチング素子は、誘導性負荷よりも下流側(即ち、グランドライン側)に設けられているため、ここでは、前記第4スイッチング素子のことを、下流側スイッチング素子と言う。
誘導性負荷の前記他端側が、電池の電圧(即ち、電源電圧)にショートしたとすると、下流側スイッチング素子が制御回路によってオンされた場合に、当該下流側スイッチング素子に過大な電流が流れて、当該下流側スイッチング素子の故障を招いてしまう。
このため、下流側スイッチング素子に流れる電流を監視して、当該電流が所定の過電流閾値に達したことを検知すると、下流側スイッチング素子を強制的にオフさせる回路(即ち、過電流保護回路)を設けることが考えられる。
しかし、誘導性負荷の前記他端側が電源電圧にショートして、下流側スイッチング素子が過電流保護回路によりオフされた場合でも、ショートを招いた導電性物体(例えば、ワイヤハーネス)や本来の回路配線が有するインダクタンス成分により逆起電力が発生する。そして、この逆起電力によるフライバック電流が前記ダイオードを介してコンデンサに回収されると、コンデンサの電圧が制御目標の電圧設定値よりも大きくなってしまう可能性がある。
そこで、本開示の1つの局面は、昇圧回路のコンデンサの電圧が過大になってしまうことを抑制可能な誘導性負荷駆動装置を提供する。
本開示の1つの態様による誘導性負荷駆動装置は、誘導性負荷(3)に接続される上流側端子(5)及び下流側端子(7)と、昇圧回路(15)と、駆動スイッチ(9)と、電圧供給スイッチ(25)と、駆動部(39)と、電流回収部(33)と、過電流保護部(41)と、経路切替部(57)と、を備える。
上流側端子は、誘導性負荷の一端に接続される。下流側端子は、誘導性負荷の前記一端とは反対側である他端に接続される。昇圧回路は、電源ライン(13)から供給される電源電圧を昇圧してコンデンサ(17)を充電する。駆動スイッチは、下流側端子とグランドラインとの間に設けられ、オンすることで、下流側端子とグランドラインを導通させる。電圧供給スイッチは、コンデンサのプラス側端子と上流側端子との間に設けられ、オンすることで、コンデンサのプラス側端子と上流側端子を導通させる。この電圧供給スイッチのオンにより、コンデンサのプラス側端子の電圧である昇圧電圧が上流側端子に供給される。
駆動部は、電圧供給スイッチと駆動スイッチをオンさせることにより、コンデンサから誘導性負荷に電流を流す。電流回収部は、下流側端子とコンデンサのプラス側端子との間に設けられ、駆動スイッチのオフに伴い発生する逆起電力によって流れるフライバック電流を、下流側端子の方からコンデンサへと流す。過電流保護部は、オン状態の駆動スイッチに流れる電流が過電流閾値に達したことを検知すると、駆動スイッチを強制的にオフさせる。そして、経路切替部は、過電流保護部によって駆動スイッチがオフされる場合に、フライバック電流の流し先を、コンデンサから電源ラインに切り替える。
このような構成によれば、下流側端子が電源電圧にショートした場合に、駆動スイッチは、駆動部によりオンされたとしても、過電流保護部により強制的にオフされる。そして、過電流保護部によって駆動スイッチがオフされた場合には、経路切替部により、フライバック電流の流し先がコンデンサから電源ラインに切り替えられる。このため、コンデンサの電圧が過大になってしまうことが抑制される。
実施形態の燃料噴射制御装置の構成を表す構成図である。 実施形態の作用を説明するタイミングチャートである。 比較例を説明するタイミングチャートである。
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態を説明する。
[1.構成]
図1に示す実施形態の燃料噴射制御装置(以下、ECU)1は、車両に搭載された多気筒(例えば4気筒)エンジンの各気筒に燃料を噴射するための複数のインジェクタ2をそれぞれ駆動する。インジェクタ2では、コイル3に通電されると、図示しない弁体が開弁位置に移動し(即ち、開弁し)、燃料噴射が行われる。また、コイル3への通電が停止されると、前記弁体が閉弁位置に戻り(即ち、閉弁し)、燃料噴射が停止される。このため、ECU1は、各インジェクタ2のコイル3に通電する期間、即ち、通電開始タイミング及び通電時間を制御することにより、各気筒への燃料噴射タイミング及び燃料噴射量を制御する。
尚、図1では、複数のインジェクタ2のうちの1つのインジェクタ2を示しており、以下では、その1つのインジェクタ2の駆動に関して説明する。また、以下の説明では、スイッチング素子のことを、スイッチと称する。後述する各スイッチは、例えばMOSFETであるが、バイポーラトランジスタやIGBT(即ち、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)等の他種類のトランジスタであっても良い。
図1に示すように、ECU1は、インジェクタ2のコイル3の一端に接続された上流側端子5と、コイル3の前記一端とは反対側である他端に接続された下流側端子7と、を備える。実際には、上流側端子5は、複数のインジェクタ2について共通の端子となっており、当該上流側端子5には、複数のインジェクタ2のコイル3が接続される。また、下流側端子7は、複数のインジェクタ2毎にそれぞれ設けられている。
そして、ECU1は、下流側端子7に第1の出力端子が接続された駆動スイッチ9と、駆動スイッチ9の第2の出力端子とグランドラインとの間に接続された電流検出用抵抗11と、を備える。この例では、駆動スイッチ9は、Nチャネル型MOSFETであり、駆動スイッチ9の端子のうち、第1の出力端子はドレインであり、第2の出力端子はソースである。駆動スイッチ9がオンすることで、下流側端子7とグランドラインが電流検出用抵抗11を介して導通する。電流検出用抵抗11には、オン状態の駆動スイッチ9に流れる電流と同じ電流が流れるため、電流検出用抵抗11の両端には、駆動スイッチ9に流れる電流に比例した電圧が生じる。尚、グランドラインは、基準電位のラインである。本実施形態において、基準電位は例えば0Vである。また、電流検出用抵抗11の抵抗値は、インジェクタ2の駆動に影響が無い程度の小さい値に設定されている。
更に、ECU1は、車載バッテリの電圧(即ち、バッテリ電圧)が電源電圧VBとして供給される電源ライン13と、電源ライン13から供給される電源電圧VBを昇圧する昇圧回路15と、を備える。
昇圧回路15は、コイル3に放電するための電気エネルギーが蓄積されるコンデンサ17と、電源電圧VBを昇圧してコンデンサ17を充電するための、コイル19、昇圧用スイッチ21及びダイオード23と、を備える。
コンデンサ17の一端はグランドラインに接続されている。コイル19の一端は電源ライン13に接続されている。昇圧用スイッチ21は、コイル19の電源ライン13側とは反対側とグランドラインとの間に、直列に設けられている。コイル19と昇圧用スイッチ21との接続点にダイオード23のアノードが接続されている。そして、ダイオード23のカソードが、コンデンサ17のグランドライン側とは反対側の端子(即ち、プラス側端子)に接続されている。
昇圧回路15においては、昇圧用スイッチ21がオン/オフされると、コイル19と昇圧用スイッチ21との接続点に、電源電圧VBよりも高いフライバック電圧が発生し、このフライバック電圧によりダイオード23を通じてコンデンサ17が充電される。このため、コンデンサ17は電源電圧VBよりも高い電圧で充電される。コンデンサ17は、例えばアルミ電解コンデンサであるが、他の種類のコンデンサであっても良い。以下では、コンデンサ17のプラス側端子の電圧のことを、コンデンサ電圧VCあるいは昇圧電圧という。
更に、ECU1は、コンデンサ17のプラス側端子に第1の出力端子が接続され、上流側端子5に第2の出力端子が接続された昇圧電圧供給スイッチ25、を備える。この例では、昇圧電圧供給スイッチ25は、Nチャネル型MOSFETであり、昇圧電圧供給スイッチ25の端子のうち、第1の出力端子はドレインであり、第2の出力端子はソースである。昇圧電圧供給スイッチ25がオンすることで、コンデンサ17のプラス側端子と上流側端子5が導通して、上流側端子5にコンデンサ電圧VCが供給される。
また、ECU1は、電源ライン13に第1の出力端子が接続された定電流用スイッチ27と、定電流用スイッチ27の第2の出力端子にアノードが接続され、カソードが上流側端子5に接続された逆流防止用のダイオード29と、を備える。この例では、定電流用スイッチ27は、Nチャネル型MOSFETであり、定電流用スイッチ27の端子のうち、第1の出力端子はドレインであり、第2の出力端子はソースである。定電流用スイッチ27がオンすることで、電源ライン13と上流側端子5がダイオード29を通じて導通する。定電流用スイッチ27は、コイル3に一定の電流を流すためにデューティ制御される。
更に、ECU1は、グランドラインにアノードが接続され、カソードが上流側端子5に接続されたダイオード31と、下流側端子7にアノードが接続され、カソードがコンデンサ17のプラス側端子に接続されたダイオード33と、制御回路35と、を備える。
ダイオード31は、駆動スイッチ9がオンで、昇圧電圧供給スイッチ25と定電流用スイッチ27の少なくとも一方がオンの状態から、昇圧電圧供給スイッチ25と定電流用スイッチ27の両方がオフの状態に切り替わった場合に、コイル3に電流を環流させる。
ダイオード33は、駆動スイッチ9のオフに伴いコイル3で発生する逆起電力によって流れるフライバック電流を、下流側端子7の方からコンデンサ17へと流す。よって、コイル3のインダクタンス成分に蓄えられた電気エネルギーが、駆動スイッチ9のオフによってコイル3への給電が停止されたときに、ダイオード33を介してコンデンサ17へと回収される。
制御回路35は、昇圧回路15の昇圧用スイッチ21を制御する昇圧部37と、駆動スイッチ9、昇圧電圧供給スイッチ25及び定電流用スイッチ27を制御する駆動部39と、駆動スイッチ9を過電流から保護するための過電流保護部41と、を備える。
昇圧部37は、コンデンサ電圧VCをモニタして、コンデンサ電圧VCが制御目標の電圧設定値(例えば70V)となるように、昇圧用スイッチ21をオン/オフさせる。
駆動部39は、コイル3の通電期間において、駆動スイッチ9、昇圧電圧供給スイッチ25及び定電流用スイッチ27を、後述するようにオンさせる。コイル3の通電期間、即ち、通電開始タイミング及び通電時間は、例えば、制御回路35の内部あるいは外部に備えられた図示されないマイクロコンピュータによって設定される。尚、コイル3の通電期間は、インジェクタ2の駆動期間に該当する。
過電流保護部41は、過電流検出回路43と、反転回路(即ち、インバータ)44と、アンド回路45と、を備える。
過電流検出回路43は、電流検出用抵抗11の両端に生じる電圧を増幅する差動増幅回路47と、一定電圧VS(例えば5V)を分圧して基準電圧V1を発生する直列の抵抗49,51と、比較回路53と、を備える。
比較回路53は、差動増幅回路47の出力と、抵抗49,51の接続点に生じる基準電圧V1を比較し、差動増幅回路47の出力が基準電圧V1以上の場合に、当該比較回路53の出力をハイにする。
差動増幅回路47の増幅率と、抵抗49,51の抵抗値は、オン状態の駆動スイッチ9に流れる電流が、所定の過電流閾値Ith1に達した場合、即ち、過電流閾値Ith1以上になった場合に、比較回路53の出力がハイになるように設定されている。比較回路53の出力は、過電流検出回路43の出力に該当する。そして、比較回路53のハイの出力は、過電流検出信号に該当する。
尚、過電流閾値Ith1は、正常時においてコイル3に駆動スイッチ9を介して流れる電流の最大値よりも大きく、且つ、駆動スイッチ9の損傷に至る可能性がある電流値よりは小さい値に設定されている。また、比較回路53は、出力がハイになると、差動増幅回路47の出力が基準電圧V1より小さくなったとしても、少なくとも所定の第1保持時間はハイの出力を継続するように構成されている。
反転回路44は、過電流検出回路43の出力をレベル反転して出力する。アンド回路45は、駆動スイッチ9に対する駆動部39からの駆動指令信号と、反転回路44の出力とが、両方ともハイの場合に、駆動スイッチ9のゲートにアクティブレベルの駆動信号を出力して、駆動スイッチ9をオンさせる。
このため、駆動スイッチ9に対する駆動部39からの駆動指令信号が、オンを指示する方のハイであっても、過電流検出回路43の出力がハイになって、反転回路44の出力がローになると、駆動スイッチ9は強制的にオフされる。
また、駆動部39は、過電流検出回路43の出力がハイになると、駆動スイッチ9に対する駆動指令信号を、オフを指示する方のローに切り替えると共に、昇圧電圧供給スイッチ25及び定電流用スイッチ27もオフさせるように構成されている。
尚、過電流検出回路43の出力がハイになる最小時間、即ち、前述の第1保持時間は、過電流検出回路43の出力がハイになってから駆動部39が駆動スイッチ9に対する駆動指令信号をローに切り替えると共に他のスイッチ25,27をオフさせるまでの時間よりも、長い時間に設定されている。
更に、ECU1は、フライバック電流の流し先をコンデンサ17から電源ライン13に切り替えるための経路切替部57、を備える。
経路切替部57は、電源ライン13にカソードが接続されたダイオード59と、ダイオード59のアノードに第1の出力端子が接続され、下流側端子7に第2の出力端子が接続された切替スイッチ61と、切替スイッチ61を制御する切替回路63と、抵抗65と、を備える。
この例では、切替スイッチ61は、Pチャネル型MOSFETであり、切替スイッチ61の端子のうち、第1の出力端子はドレインであり、第2の出力端子はソースである。抵抗65は、切替スイッチ61のソースとゲートとの間に接続されており、切替回路63における後述の出力トランジスタ75がオフの場合に、切替スイッチ61をオフさせる役割を果たす。
切替回路63は、電流検出用抵抗11の両端に生じる電圧を増幅する差動増幅回路67と、一定電圧VSを分圧して基準電圧V2を発生する直列の抵抗69,71と、比較回路73と、出力トランジスタ75と、抵抗77と、を備える。
比較回路73は、差動増幅回路67の出力と、抵抗69,71の接続点に生じる基準電圧V2を比較し、差動増幅回路67の出力が基準電圧V2以上の場合に、当該比較回路73の出力をハイにする。
出力トランジスタ75は、エミッタがグランドラインに接続されたNPN型のバイポーラトランジスタである。出力トランジスタ75のベースは、比較回路73の出力端子に接続されている。そして、出力トランジスタ75のコレクタと切替スイッチ61のゲートとの間に、抵抗77が接続されている。
このため、差動増幅回路67の出力が基準電圧V2以上になって、比較回路73の出力がハイになると、出力トランジスタ75がオンして、切替スイッチ61がオンする。そして、切替スイッチ61がオンすることにより、ダイオード59が、下流側端子7と電源ライン13との間に、当該ダイオード59のカソードが電源ライン13側となるように接続される。尚、切替スイッチ61は、ダイオード59のカソードと電源ライン13との間に設けられても良い。
差動増幅回路67の増幅率と、抵抗69,71の抵抗値は、オン状態の駆動スイッチ9に流れる電流が、所定の切替用閾値Ith2に達した場合に、比較回路73の出力がハイになるように設定されている。
切替用閾値Ith2は、正常時においてコイル3に駆動スイッチ9を介して流れる電流の最大値よりも大きく、且つ、前述の過電流閾値Ith1よりは小さい値に設定されている。また、比較回路73は、出力がハイになると、差動増幅回路67の出力が基準電圧V2より小さくなったとしても、少なくとも所定の第2保持時間はハイの出力を継続するように構成されている。このため、出力トランジスタ75及び切替スイッチ61は、一旦オンすると、少なくとも第2保持時間はオンする。
下流側端子7にフライバック電流が流れる場合に、もし切替スイッチ61がオンしたならば、下流側端子7からのフライバック電流は、ダイオード33を介さずに、切替スイッチ61及びダイオード59を介して、電源ライン13に流れることになる。その理由はダイオード33のカソード側のコンデンサ電圧VCよりも、電源ライン13の電圧(即ち、電源電圧VB)の方が低いからである。
[2.駆動部の基本動作]
次に、駆動部39が駆動スイッチ9、昇圧電圧供給スイッチ25及び定電流用スイッチ27を駆動するために行う基本動作について、図2における時刻t0よりも左側を参照しながら説明する。尚、図2及び後述する図3において、「SW」とは、スイッチの略であり、「誘導性負荷」とは、コイル3のことである。
図2における時刻t0よりも左側に示すように、駆動部39は、コイル3の通電期間の開始タイミングから終了タイミングまで、駆動スイッチ9をオンさせる。具体的には、通電期間の間、駆動スイッチ9に対する駆動指令信号をハイにする。すると、正常時においては、過電流検出回路43の出力がローであり、反転回路44の出力はハイであるため、駆動スイッチ9は、駆動部39からの駆動指令信号がハイになっている間、オンする。
また、駆動部39は、コイル3の通電期間の開始タイミングにおいて、昇圧電圧供給スイッチ25もオンさせる。
すると、コンデンサ17のプラス側端子と上流側端子5が導通し、下流側端子7とグランドラインが導通するため、コンデンサ17からコイル3に放電され、この放電によってコイル3への通電が開始される。
そして、駆動部39は、昇圧電圧供給スイッチ25をオンさせてから、例えば予め設定された放電時間が経過すると、昇圧電圧供給スイッチ25をオフさせる。
尚、駆動部39は、コイル3に流れる電流(以下、コイル電流)が通電開始時の目標最大値になったことを検知すると、昇圧電圧供給スイッチ25をオフさせるように構成されても良い。駆動部39は、電流検出用抵抗11に生じる電圧に基づいてコイル電流を検出して良い。また、図2では、昇圧電圧供給スイッチ25のオン期間において、定電流用スイッチ27もオンされるように表されているが、電源ライン13の電源電圧VBはコンデンサ電圧VCよりも低いため、コイル3へはコンデンサ17から電流が流れる。このため、昇圧電圧供給スイッチ25のオン期間において、定電流用スイッチ27はオフされていても良い。
このようにして、コイル3への通電開始時には、コンデンサ17に蓄積されていた電気エネルギーがコイル3に放電され、インジェクタ2の開弁応答性が向上する。
そして、駆動部39は、昇圧電圧供給スイッチ25をオフさせた後は、コイル電流が一定の電流となるように定電流用スイッチ27のデューティ制御(即ち、定電流制御)を行う。駆動部39は、この定電流制御により、インジェクタ2を確実に開弁させると共に、インジェクタ2の開弁状態を維持する。尚、コイル3へは、定電流用スイッチ27のオン時には、電源ライン13側から電流が流れ、定電流用スイッチ27のオフ時には、グランドライン側からダイオード31を介して電流が還流する。
その後、通電期間の終了タイミングになると、駆動部39は、定電流制御を終了して定電流用スイッチ27をオフのままにすると共に、駆動スイッチ9もオフさせる。すると、コイル3への通電が停止してインジェクタ2が閉弁する。
また、通電期間が終了して駆動スイッチ9がオフされると、図2の「下流側端子電圧」の段に示すように、コイル3による逆起電力が発生する。そして、この逆起電力によるフライバック電流が、エネルギー回収経路をなすダイオード33を通じて、コンデンサ17へ回収される。
このため、コイル3への放電によって電圧設定値から低下したコンデンサ電圧VCは、コイル3からのフライバック電流によって上昇する。ダイオード33を通じてコイル3からコンデンサ17に流れる電流は、回生電流とも呼ばれる。
[3.比較例の説明]
次に、ECU1から経路切替部57を取り除いた構成を、比較例とし、この比較例で生じる可能性がある課題について、図3における時刻t0よりも右側を参照しながら説明する。尚、図3において、時刻t0よりも左側は、図2における時刻t0よりも左側と同じ内容を表している。
図3における時刻t0よりも右側に示すように、時刻t1にて、下流側端子7が電源電圧VBにショートしたとする。下流側端子7の電源電圧VBへのショートのことを、単に、VBショートともいう。
VBショートが生じた状態で、駆動スイッチ9が駆動部39によってオンされると、図3の「下流側端子電流」の段に示すように、下流側端子7及び駆動スイッチ9に、正常時よりも大きな電流が流れる。
そして、駆動スイッチ9に流れる電流が過電流閾値Ith1に達すると、このことが過電流検出回路43で検知されて、当該過電流検出回路43の出力がハイになる。そして、過電流保護部41における反転回路44及びアンド回路45の作用により、駆動スイッチ9が強制的にオフされる。ここで言う強制的にとは、駆動スイッチ9に対する駆動部39からの駆動指令信号がハイであっても、という意味を含む。また、駆動スイッチ9が強制的にオフされる場合、昇圧電圧供給スイッチ25及び定電流用スイッチ27も駆動部39によってオフされる。
ここで、VBショートが発生して、駆動スイッチ9が過電流保護部41によりオフされた場合でも、図3の「下流側端子電圧」の段に示すように、本来の回路配線やVBショートを招いた導電性物体(例えば、ワイヤハーネス)が有するインダクタンス成分によって逆起電力が発生する。そして、この逆起電力によるフライバック電流が、ダイオード33を介してコンデンサ17に回収されると、コンデンサ電圧VCが制御目標の電圧設定値よりも大きくなってしまう可能性がある。VBショートが発生した場合、コンデンサ17は正常な場合ほど放電されないため、フライバック電流の吸収によってコンデンサ電圧VCが電圧設定値を越えてしまいやすい。
そして、図3における「コンデンサ電圧」の段に示すように、コンデンサ電圧VCが、コンデンサ17につながる電子部品の定格電圧を超えてしまうと、コンデンサ17につながる電子部品の損傷という二次的故障も招いてしまう可能性がある。
[4.経路切替部の作用]
次に、ECU1に備えられた経路切替部57の作用について、図2における時刻t0よりも右側を参照しながら説明する。
図2における時刻t0よりも右側に示すように、時刻t1にて、VBショートが発生したとする。そして、VBショートが生じた状態で、駆動スイッチ9が駆動部39によってオンされると、図2の「下流側端子電流」の段に示すように、下流側端子7及び駆動スイッチ9に、正常時よりも大きな電流が流れる。ここまでは、図3で説明した比較例の場合と同じである。
駆動スイッチ9に流れる電流が過電流閾値Ith1よりも小さい前述の切替用閾値Ith2に達すると、このことが経路切替部57における切替回路63で検知されて、当該切替回路63により切替スイッチ61がオンされる。
その後、駆動スイッチ9に流れる電流が更に増加して過電流閾値Ith1に達すると、このことが過電流検出回路43で検知されて、当該過電流検出回路43の出力がハイになる。そして、過電流保護部41における反転回路44及びアンド回路45の作用により、駆動スイッチ9が強制的にオフされる。
ここで、前述の通り、駆動スイッチ9が過電流保護部41によりオフされた場合でも、回路配線等が有するインダクタンス成分によって逆起電力が発生するが、比較例との違いは、この逆起電力の発生時において、切替スイッチ61がオンしていることである。
このため、VBショートが発生した場合、逆起電力によるフライバック電流は、下流側端子7の方から、ダイオード33を介さずに、切替スイッチ61及びダイオード59を介して、コンデンサ電圧VCよりも低電位の電源ライン13に流れる。
よって、図2における「コンデンサ電圧」の段に示すように、コンデンサ電圧VCが電圧設定値よりも大きくなってしまうことが抑制される。また、図2における「電源電圧」の段に示すように、VBショート且つ駆動スイッチ9のオンによって低下した電源電圧VBを上昇回復させやすい、という利点もある。
尚、切替スイッチ61の最小オン時間に相当する前述の第2保持時間は、駆動スイッチ9に流れる電流が切替用閾値Ith2に達してから、過電流保護部41による駆動スイッチ9のオフに伴うフライバック電流が消失するまでの時間以上の時間に設定されている。この第2保持時間は、実験により定められも良いし、理論計算によって定められても良い。
また、図2では、駆動スイッチ9がオンされる前にVBショートが発生していた場合を表したが、例えば昇圧電圧供給スイッチ25のオン中、あるいは定電流制御の実施中に、VBショートが発生したとしても、過電流保護部41及び経路切替部57による作用は前述の作用と同様である。
[5.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果を奏する。
〈1〉ECU1に備えられた経路切替部57は、過電流保護部41によって駆動スイッチ9がオフされる場合に、フライバック電流の流し先をコンデンサ17から電源ライン13に切り替えるように構成されている。このため、VBショートが発生した場合に、コンデンサ電圧VCが過大になってしまうことを抑制することができる。
〈2〉経路切替部57は、オン状態の駆動スイッチ9に流れる電流が過電流閾値Ith1よりも小さい値に設定された切替用閾値Ith2に達したことを検知すると、フライバック電流の流し先を電源ライン13に切り替えるように構成されている。
このため、過電流保護部41によって駆動スイッチ9がオフされる場合に、駆動スイッチ9のオフタイミングよりも前に、フライバック電流の流し先を電源ライン13に切り替えることができる。
よって、過電流保護部41によって駆動スイッチ9がオフされる場合に、逆起電力が発生する前に、フライバック電流の流し先を電源ライン13切り替えることができる。このため、逆起電力によるフライバック電流の全てを、電源ライン13の方に流すことができるようになる。
〈3〉経路切替部57は、ダイオード33とは別のダイオード59と、切替スイッチ61とを備える。そして、切替スイッチ61は、オンすることで、ダイオード59を、下流側端子7と電源ライン13との間に、当該ダイオード59のカソードが電源ライン13側となるように接続させる。そして更に、経路切替部57は、切替スイッチ61をオンさせることにより、フライバック電流の流し先を電源ライン13に切り替えるように構成されている。
このような構成によれば、下流側端子7とコンデンサ17との間のダイオード33の接続はそのままにしつつ、切替スイッチ61をオンさせるだけで、フライバック電流の流し先を切り替える(即ち、変更する)ことができる。
尚、前述の実施形態では、昇圧電圧供給スイッチ25が、電圧供給スイッチに相当し、ダイオード33が、電流回収部に相当する。
また、複数のインジェクタ2毎に下流側端子7が設けられる場合、複数の下流側端子7毎に、駆動スイッチ9、ダイオード33及び経路切替部57が設けられて良い。
[6.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は前述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
駆動対象の誘導性負荷は、インジェクタ2のコイル3に限らず、例えば、インジェクタ2に高圧燃料を供給するための高圧燃料ポンプに備えられた電磁弁のコイル等であっても良い。また、インジェクタ2や高圧燃料ポンプを駆動対象の誘導性負荷と見なすこともできる。
また、定電流用スイッチ27のように上流側端子5を電源ライン13に導通させるスイッチが、備えられない構成であっても良い。
また、本開示に記載のECU1及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されても良い。あるいは、本開示に記載のECU1及びその手法は、一つ以上の専用ハードウェア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されても良い。もしくは、本開示に記載のECU1及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリと一つ以上のハードウェア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されても良い。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されても良い。ECU1に含まれる各部の機能を実現する手法には、必ずしもソフトウェアが含まれている必要はなく、その全部の機能が、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現されても良い。
また、上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしても良い。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしても良い。また、上記実施形態の構成の一部を省略しても良い。
また、前述したECU1の他、当該ECU1を構成要素とするシステム、当該ECU1としてコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した半導体メモリ等の非遷移的実体的記録媒体、誘導性負荷の駆動方法など、種々の形態で本開示を実現することもできる。
2…インジェクタ、3…コイル、5…上流側端子、7…下流側端子、9…駆動スイッチ、13…電源ライン、15…昇圧回路、17…コンデンサ、25…昇圧電圧供給スイッチ、33…ダイオード、39…駆動部、41…過電流保護部、57…経路切替部。

Claims (4)

  1. 誘導性負荷(3)の一端に接続されるように構成された上流側端子(5)と、
    前記誘導性負荷の前記一端とは反対側である他端に接続されるように構成された下流側端子(7)と、
    電源ライン(13)から供給される電源電圧を昇圧してコンデンサ(17)を充電するように構成された昇圧回路(15)と、
    前記下流側端子とグランドラインとの間に設けられ、オンすることで、前記下流側端子と前記グランドラインを導通させるように構成された駆動スイッチ(9)と、
    前記コンデンサのプラス側端子と前記上流側端子との間に設けられ、オンすることで、前記コンデンサのプラス側端子と前記上流側端子を導通させるように構成された電圧供給スイッチ(25)と、
    前記電圧供給スイッチと前記駆動スイッチをオンさせることにより、前記コンデンサから前記誘導性負荷に電流を流すように構成された駆動部(39)と、
    前記下流側端子と前記コンデンサのプラス側端子との間に設けられ、前記駆動スイッチのオフに伴い発生する逆起電力によって流れるフライバック電流を、前記下流側端子の方から前記コンデンサへと流すように構成された電流回収部(33)と、
    オン状態の前記駆動スイッチに流れる電流が過電流閾値に達したことを検知すると、前記駆動スイッチを強制的にオフさせるように構成された過電流保護部(41)と、
    前記過電流保護部によって前記駆動スイッチがオフされる場合に、前記フライバック電流の流し先を前記コンデンサから前記電源ラインに切り替えるように構成された経路切替部(57)と、
    を備える誘導性負荷駆動装置。
  2. 請求項1に記載の誘導性負荷駆動装置であって、
    前記経路切替部は、
    前記過電流保護部によって前記駆動スイッチがオフされる場合に、前記駆動スイッチのオフタイミングよりも前に、前記フライバック電流の流し先を前記電源ラインに切り替えるように構成されている、
    誘導性負荷駆動装置。
  3. 請求項2に記載の誘導性負荷駆動装置であって、
    前記経路切替部は、
    オン状態の前記駆動スイッチに流れる電流が前記過電流閾値よりも小さい値に設定された切替用閾値に達したことを検知すると、前記フライバック電流の流し先を前記電源ラインに切り替えるように構成されている、
    誘導性負荷駆動装置。
  4. 請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の誘導性負荷駆動装置であって、
    前記電流回収部は、
    アノードが前記下流側端子に接続され、カソードが前記コンデンサのプラス側端子に接続されたダイオード(33)によって構成され、
    前記経路切替部は、
    前記ダイオードとは別のダイオード(59)と、
    オンすることで、前記別のダイオードを、前記下流側端子と前記電源ラインとの間に、当該別のダイオードのカソードが前記電源ライン側となるように接続させるように構成された切替スイッチ(61)と、を備え、
    前記切替スイッチをオンさせることにより、前記フライバック電流の流し先を前記電源ラインに切り替えるように構成されている、
    誘導性負荷駆動装置。
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