この発明を実施するための一形態を、以下図面を用いて説明する。
包装体11は、液状、ペースト状、粉末状、粒状などの形態の食品や医薬品、化粧品、ペット用食品など様々物品を個包装するものであり、折り曲げることによって開封して被包装物を取り出す構成である。
図1に包装体11の断面図を示す。包装体11は、被包装物12が収容される収容空間13を閉じる閉鎖部材14を有し、この閉鎖部材14の一部が折り曲げられる部分である。閉鎖部材14の折り曲げられる部分に、被包装物12の取り出しを行う取出口を開口するための包装体用取出口構造15(以下、「取出口構造」という)が形成されている。
図1に示した包装体11は、例えばマヨネーズやジャムなどの食品の包装に適した構造である。図2の斜視図に示したように、包装体11の閉鎖部材14は長方形板状に形成されており、被包装物12を収容する主体となる本体部材16の開口を塞いでいる。つまり包装体11は本体部材16と閉鎖部材14で構成されている。なお、図1は、図2のA-A断面図である。
本体部材16は柔軟な合成樹脂で形成されており、長方形枠状をなす平坦面部61の内側に、凹状に形成された収容凹部62を有している。収容凹部62は2個有し、それぞれ同じ大きさであり、長手方向の中間を挟んで配設されている。収容凹部62同士の間には、平坦面部61よりも低い仕切り壁63が設けられている。収容凹部62を囲む平坦面部61が閉鎖部材14に固定される部分である。
本体部材16の材質について付言すると、閉鎖部材14と接着できる材質であり、被包装物の性状、態様、重さ、密封性、バリア性等の所望の要求に適した適宜のものが使用できる。本体部材16の成形には、熱プレス成形や圧空成形、真空成形等を利用できる。本体部材16の肉厚が例えば0.1mm程度の薄い場合には、折り曲げのための補助(折り目)なしでも折り曲げができるが、肉厚が厚い場合、例えば0.15mm以上の場合には、折り曲げのための補助(折り目)を形成するとよい。ただし、例えばナイロンとポリエチレンの複合フィルム等、柔らかい材料を用いる場合には、肉厚が厚くても折り曲げのための補助を必要としない場合がある。
取出口構造15は、閉鎖部材14の一部に、平坦な板状をなす平坦部51の一部を表面側に膨らませる膨出成形部52と、膨出成形部52を横切る折り目53を備えて構成されている。
図3に包装体11の側面図と正面図を、図4に包装体11を折り目53に沿って切断した図3の(a)におけるB-B断面図を示す。
閉鎖部材14は、合成樹脂製の下シート層41及び上フィルム層42と、これらの間に設けられるガスバリア性と破断性を有した封止層43で構成されている。下シート層41は前述した本体部材16に接合されるものであり、被包装物12に近い裏面側を構成する。上フィルム層42は被包装物12から遠い表面側を構成する。
これら下シート層41と上フィルム層42の肉厚を比較すると、下シート層41のほうが上フィルム層42よりも厚く形成されている。また、下シート層41のほうが上フィルム層42よりも硬い。
封止層43は、例えば金属箔、好ましくはアルミ箔で構成され、下シート層41と上フィルム層42の間の面全体に設けられる。封止層43は、アルミ箔だけではなく、バリア性があって破断性のあるもので、膨出成形部52が形成でき、そこを折り曲げたときに破断するものであればよく、例えば紙にコーティング等でバリア性を付与したものや、エバール(登録商標。EVOH)のようにバリア性がよく、フィルムにした場合引張強度の弱いものを使用できる。また、それらの複合フィルムやコーティング加工によりフィルム化した樹脂物や蒸着加工によりバリア性を付与したフィルム等を使用できる。
閉鎖部材14は前述した平坦部51と膨出成形部52を有しており、閉鎖部材14の中央を除く部分が平坦部51である。膨出成形部52は、閉鎖部材14の中央に形成され、その平面視形状は、閉鎖部材14の長手方向に長い平面視長円形状、または角の取れた平面視長方形状である。また膨出成形部52は平坦部51と同じような肉厚に形成されており、その縦断面形状は半円弧状である。
膨出成形部52は、取出口となる部分であり、その形状や大きさは、被包装物12の性状や形状等に応じて適宜設定される。
前述した折り目53は、閉鎖部材14を長手方向で二分割する位置に、端から端まで形成されている。このため、折り目53を有する部分における厚み方向の中間に封止層43を備えていることになる。
折り目53は、折り曲げ動作において折り曲げ位置となる部分であるとともに、折り目53における膨出成形部52部分は、取出口として開口する部分である。この折り目53は、折り曲げ動作によって破れるか、または予め厚み方向に貫通した切り込みからなり折り曲げによって開くもので構成される。折り曲げによって破れるものとしては、例えば厚み方向の途中まで切り込んだハーフカットや、破線状に切り込みを有するミシン目がある。
図示例において、膨出成形部52の折り目53は、下シート層41と上フィルム層42について厚み方向に貫通した切り込み41a(53a),42a(53b)で構成されている(図1、図4参照)。一方、平坦部51の折り目53は、上フィルム層42の貫通した切り込み42b(53b)と下シート層41のハーフカット41b(53a)で構成されている(図4参照)。
膨出成形部52の成形時に、折り目53が広がって封止層43が大きく露出したり破断したりするおそれがあるような場合には、折り目53を構成する切り込みは浅く形成するとよい。
図5に、膨出成形部52における折り目53構造の他の一例を示す。図5の(a)の折り目53は、上フィルム層42において厚み方向に貫通した切り込み42a(53b)と、下シート層41において下から切り込まれたハーフカット41e(53a)で構成されている。図5の(b)の折り目53は、上フィルム層42において上から切り込まれたハーフカット42e(53b)と、下シート層41において下から切り込まれたハーフカット41e(53a)で構成されている。図5の(c)の折り目53は、上フィルム層42において上から切り込まれたハーフカット42e(53b)と、下シート層41において貫通した切り込み41a(53a)で構成されている。
折り目53構造は、上フィルム層42と下シート層41の硬度などの性質に応じて適宜設定される。貫通した切り込みやハーフカットは、縦断面V字状をなすものであってもよい。
また、図1、図4、図5の(a)~(c)のいずれの折り目53も、下シート層41の折り目53aと上フィルム層42の折り目53bの形成位置は上下で略一致している。上下の折り目53a,53bの形成位置には多少のずれがあってもよい。
これに対して、図5の(d)に示した折り目53は、下シート層41の折り目53aと、上フィルム層42の折り目53bの形成位置は、ずれており、平面視において適宜間隔を隔てて平行に並んでいる。これら折り目53a,53bの態様は、貫通した切り込みであるのが望ましいが、ハーフカットであってもよい。
下シート層41の折り目53aと上フィルム層42の折り目53bの間隔は、閉鎖部材14を折り曲げたときに双方の折り目53a,53bが開くとともに、封止層43が破れて開口する長さである。
下シート層41の折り目53aと上フィルム層42の折り目53bを上下に一致させずにずらす場合には、図6の(a)に示したように、封止層43を2層で構成するとよい。すなわち図6の(b)に示したように、下シート層41の上に薄い金属箔からなる下封止層43aが貼り合わせられ、上フィルム層42の下には薄い金属箔からなる上封止層43bが貼り合わせられて、下封止層43aと上封止層43bが互いに貼合されている。この貼り合わせは、下シート層41または上フィルム層42に対する結合力よりも弱い結合力となるように行われる。
このような封止層43と折り目53を有する場合には、折り曲げた際には図6の(c)に示したように開口する。すなわち、下封止層43aは下シート層41の折り目53aに対応する位置において、上封止層43bは上フィルム層42の折り目53bに対応する位置において、それぞれ破れる。そして結合力の弱い下封止層43aと上封止層43bの間が剥がれて、開口がなされる。
前述のような構成の包装体11の閉鎖部材14は、図7に示したようにして製造される。すなわち、上下に配設された上フィルム層42及び下シート層41と、これらの間に設けられた金属箔からなる封止層43を有する板状の基材14aを上金型71と下金型72でプレス成形して、平坦部51と膨出成形部52を形成する。プレス成形は、熱をかけて行うほか、常温下でも行える。
基材14aは長尺の帯状であり、一定間隔おきに前述した折り目53が形成されている。基材14aは間欠搬送されながら折り目53部分に前述のような上金型71と下金型72で膨出成形部52が形成される。このあと、本体部材16に対する被包装物12の充填と、閉鎖部材14の本体部材16に対する貼り付けがなされる。
このように構成された包装体11では、厚み方向に切り込んだ折り目53が形成されているが、閉鎖部材14の厚み方向の中間には封止層43が設けられているので、密封性が得られる。しかも、封止層43は脆弱性を有する折り目53部分を補強して剛性を持たせる機能を果たすので、故意に開封する以前における不測の開封を防止し、密封性を維持する。
一方で、被包装物12を取り出す際には、図8に示したように膨出成形部52を下に向けて閉鎖部材14の長手方向の両端部を裏側へ、つまり本体部材16を有する側へ折り曲げて、折り目3において二つ折りする。このとき、本体部材16の仕切り壁63が前述した折り曲げのための補助(折り目)としての機能を果たす。
すると、膨出成形部52の頂部におけるや折り目53部分に応力が集中して、膨出成形部52における折り目53が開くとともに、封止層43が破れて、容易に開封できる。このとき、相対向する対をなす膨出成形部52の開口端部は平面視略円形をなし、取り出される被包装物12を円滑に流出させるとともに、流出には方向性が付与される。
閉鎖部材14の下シート層41は上フィルム層42よりも厚いので、確実で容易な折り曲げが行える。
また、膨出成形部52が取出口となるので、開封と同時に取り出しのための空間を確保でき、開封の瞬間における被包装物12飛び散りをなくせる。
しかも、膨出成形部52における折り目53に沿った形状は円弧状であるので、被包装物12の流出は柱状になされ、きわめて円滑である。下シート層41の折り目53aと上フィルム層42の折り目53bの形成位置が上下で一致している場合には、より良好な流れを形成して取り出することができる。そのうえ、断面形状が円弧状であるため、封止層43を有する膨出成形部52であっても成形性がよく、所望の開口構造を得られる。
下シート層41の折り目53aと上フィルム層42の折り目53bの形成位置が平面視において平行である場合には、折り目53a,53bが一致している場合に比して良好な封止状態が得られる。そのうえ、開封に際しては封止層43に対して2か所で破断が行われるので、開封動作が容易に行えるとともに、再封することも可能である。
封止層43を互い貼り合わされた下封止層43aと上封止層43bで構成した場合には、封止層43が厚み方向で二分割するので、開封動作はより容易になる。
以下のような態様の包装体11を製造して、開封実験および被包装物12の取り出し実験を行った。
平面視長方形をなす包装体11のたてよこ長さは、それぞれ65mm、40mmで、本体部材16の収容凹部62の深さは10mmである。本体部材16には50μmのナイロンと40μmのポリエチレンの共押し出しフィルムを用いた。閉鎖部材14の下シート層41には、40μmのポリエチレンと350μmのポリスチレンの共押し出しシートを、上フィルム層42には、25μmのポリエチレンテレフタレートのフィルムを用い、封止層43には20μmのアルミニウム箔を用いた。これら3枚を、アルミニウム箔の両面にホットメルト接着剤を塗工したうえで、130度の加熱ゴムロール間で押圧して、三層ラミネートとして複層の基材14aを製造した。その後、熱プレス成形により、基材14aに内寸幅6mm、長さ20mm、高さ3mmの膨出成形部52を形成して閉鎖部材14とした。
折り目53は、閉鎖部材14の端から端まで形成し、上フィルム層42の折り目53b全体と、下シート層41における膨出成形部52の折り目53aは、貫通した切り込み41a,42a,42bで構成した。一方、下シート層41における平坦部51の折り目53aは、深さ0.2mmのハーフカット41bとした。
前述のような本体部材16に、被包装物12としてイチゴジャムを20g入れて、本体部材16の平坦面部61に閉鎖部材14を熱溶着して包装体11を得た。
この包装体11を開封して取出口からイチゴジャムを取り出すべく、本体部材16をつぶす方向に閉鎖部材14を二つ折りしたところ、約70度折り曲げたところで封止層43が折り目53部分で破断し、取出口が開いた。取出口からはイチゴジャムが直径約6mmの丸棒状に流出し、周囲に飛び散るような問題はなかった。折り曲げを続けると、収容されていたイチゴジャムをほとんどすべて取り出すことができた。
以下、その他の例を説明する。この説明において、前述の構成と同一の部位については同一の符号を付してその詳しい説明は省略する。
図9は、他の例に係る包装体11の一部破断斜視図である。この包装体11は、折り目53に保護材54を備えている。保護材54は、樹脂フィルムや金属箔などでテープ状に構成され、折り目53の全部又は一部、特に膨出成形部52の折り目53を剥離可能又は破断可能に被覆する。
つまり、輸送時などにおいて膨出成形部52に荷重が掛かって不測に開封してしまうおそれが考えられる場合には、折り目53を保護する。保護材54は、開封に際して人手によって剥がすものであっても、折り曲げ時に破断するものであってもよい。
図10の(a)は、他の例に係る包装体11の平面図であり、(b)はそのC-C断面図である。この包装体11は、複数の包装体分体11aを連設した構成である。
すなわち、この例では、2個一組の収容凹部62と膨出成形部52を有する2個の包装体分体11aが一体に形成されている。包装体分体11a同士の間には、折り目53を超える長さのスリット17が端から形成されている。
このような構成の包装体11には、例えばマヨネーズとケチャップなど、異なる被包装物12を包装することができるほか、同じ被包装物12を充填してもよい。
スリット17の先には、分離のための構造、例えばミシン目などを形成してもよい。
このような構成の包装体11における本体部材16には、例えば50μmのナイロンと40μmのポリエチレンの共押し出しフィルムを用いることができる。また、閉鎖部材14には、上フィルム層42に25μmのPET、封止層43に25μmのアルミニウム箔、下シート層41に300μmのA-PETと40μmのポリエチレンをドライラミネートしたシートを用いることができる。
図11の(a)は、他の例に係る包装体11の平面図であり、(b)はその側面図、(c)はD-D断面図、(d)はE-E断面図である。この包装体11は、閉鎖部材14に対して被包装物12を収容するための主体としての機能を持たせたものであり、前述例の本体部材16に代えて平坦な保持シート部材18を備えている。
閉鎖部材14は全周に平坦部51を有し、中央に膨出成形部52を有している。膨出成形部52の形状は、前述の例のように一様の高さに形成されたものではなく、複数段の高さの違いを有する形状に形成されている。具体的には、膨出成形部52は口の細い瓶を縦に半割にした形状であり、細い口部分52aにこれを横切る折り目53が形成されている。口部分52aは他の部分、つまり瓶型の本体部分52bよりも高さが低い部分であり、平面視形における幅寸法も他の部分より短い。
また、封止層43は、上フィルム層42と下シート層41の間の面全体ではなく、折り目53が形成される部分のみに、適宜幅に形成されている。
保持シート部材18は、前述したように平らであり、閉鎖部材14の折り目53に対応する位置において折り曲げ可能である。保持シート部材18は閉鎖部材14の平坦部51の全体に熱溶着される。
このように包装体11の取出口は、閉鎖部材14の膨出成形部52における高さの低い部位である口部分52aに形成される。膨出成形部52の高さが高い部位(瓶型の本体部分52b)に折り目53が形成されていると、成形時に伸びが多く必要であり、成形加工時に封止層43が破断してしまうおそれがあるが、高さの低い部位の折り目53では、成形時の伸びを抑えられる。このため、不良品の発生を抑制できる。また、膨出成形部52における折り目53を形成する部分以外の部分は、大きく形成できるので、所望に応じて収容量を多くすることができる。
このような構成の包装体11では、取出口を形成する部位の高さが低く、幅も他の部位よりも狭いので、少しの力で折り曲げ開封が行える。そのうえ、膨出成形部52に取出口が形成できるので、飛び散りのない安定した取り出しが行える。また膨出成形部52における折り目53以外の部分を押圧して絞ることで被包装物12の取り出しに一定の流動性が得られ、被包装物12のほとんど全部を取り出すことができる。
閉鎖部材14の封止層43は一部に備えているので、閉鎖部材14の封止層43以外の部分や保持シート部材18を透明又は透光性を有する材料で構成すると、内部の被包装物12を視認できる包装体11を得ることができる。
図12の包装体11は、図11の包装体11とは異なり、本体部材16と閉鎖部材14に被包装物を収容するための機能を持たせたものである。
図12の(a)は、その包装体11の平面図であり、(b)は側面図、(c)はF-F断面図、(d)はG-G断面図である。
本体部材16は平面視長方形であり、長手方向に沿って2個の収容凹部62を有している。収容凹部62の平面視形状は円形であり、外周縁のほか、収容凹部62の間にも閉鎖部材14に溶着される平坦面部61が形成されている。
本体部材16の材質は前述と同様に柔軟な合成樹脂である。
閉鎖部材14は本体部材16と同じ平面視長方形であり、収容凹部62に対応する部位に、膨出成形部52の一部であるドーム状をなすドーム型膨出成形部52cが形成されている。長手方向に並ぶ2個のドーム型膨出成形部52c同士は、断面半円弧状のトンネル型膨出成形部52dで内部が連通されている。トンネル型膨出成形部52dの高さはドーム型膨出成形部52cよりも低い。
そしてトンネル型膨出成形部52dの長手方向の中間位置に折り目53が形成されている。閉鎖部材14における折り目53が形成される部分であってトンネル型膨出成形部52dの幅よりも広い範囲の厚み方向の中間部に、封止層43が形成されている。
本体部材16には50μmのナイロンと40μmのポリエチレンのドライラミネートフィルムを用いた。閉鎖部材14の上フィルム層42には50μmのナイロンと40μmのポリエチレンのドライラミネートフィルムを、封止層43には20μmのアルミニウム箔を、下シート層41には40μmのポリエチレンと250μmのポリプロピレンの共押し出しシートを用いた。
閉鎖部材14の折り目53は、トンネル型膨出成形部52dの幅内は貫通する切り込みで構成し、幅外は上フィルム層の厚さの約50%の深さのハーフカットで構成した。本体部材16にも折り目65を形成し、この折り目65は、ナイロン側に深さ30μmの切り込みからなるハーフカットで構成した。
このような構成の包装体11で開封・取り出し実験を行ったところ、棒状に安定して流出させることができた上に、2つのドーム型膨出成形部52cのそれぞれから、押し圧を調整することで流出量の調整が可能であった。2種類の被包装物を充填している従来の包装体では、粘度が互いに異なる被包装物の場合に一方のみが多く出てしまい、流出量を調整することができなかったが、この包装体では調整することが可能である。
図13の包装体11は、袋からなる例を示している。図13の(a)は包装体11の正面図、(b)はH-H断面図である。
この包装体11は、柔軟な合成樹脂製の表面シート67と裏面シート68で構成されており、偏平な形状である。表面シート67と裏面シート68は互いの外周縁が熱溶着により接合され、内部に被包装物12が充填されている。
包装体11の取出口構造15は、表面シート67の上部に形成される。すなわち、表面シート67の上部に窓部67aが形成されており、この窓部67aに、窓部67aを塞ぐ閉鎖部材14が固定されている。
窓部67aは横長の長円形であり、閉鎖部材14は窓部67aよりも一回り大きい横長の長方形である。閉鎖部材14の外周縁を除く部分には、窓部67aに嵌る大きさの膨出成形部52が形成されている。膨出成形部52の縦断面形状は半円弧状であり、長手方向の中間位置に、長手方向と直交する折り目53が形成されている。
閉鎖部材14の外周の平坦部51は窓部67aの縁に熱溶着により結合される。
閉鎖部材14の上フィルム層42には40μmのポリエチレン、封止層43には25μmのアルミニウム箔、下シート層41には300μmのポリエチレンを用いて、幅15mm、高さ5mmの膨出成形部52を形成した。
内部には小麦粉を封入して、開封・取り出し試験を行ったところ、閉鎖部材14を折り目53において180度折り曲げると、取出口から円滑に小麦粉を取り出すことができた。飛び散ることもなかった。
また、小麦粉を全部取り出さずに残りがある状態で封をする場合には、折れた膨出成形部52を元の形に戻すことで閉鎖ができた。
図14の包装体11は固形の粒状物、例えば錠剤12aを収容するのに適したものであり、2個の錠剤12aを収容できる膨出成形部52を閉鎖部材14に形成している。基本的な構成は前述した図11の包装体11と同じであり、閉鎖部材14と保持シート部材18で構成され、閉鎖部材14に収容機能を持たせている。なお、図14の(a)は包装体11の平面図、(b)はI-I断面図、(c)はJ-J断面図である。
閉鎖部材14は平面視長方形であり、その中央に2個の錠剤12aを収容可能な大きさの平面視長円形の膨出成形部52が形成されている。膨出成形部52は、長手方向の中間位置に膨出成形部52を横切る折り目53を有している。
被包装物12である錠剤12aとして、直径6mm、厚さ3.5mmのものを2個収容するべく、次のような閉鎖部材14と保持シート部材18を有する包装体11を得た。
閉鎖部材14の上フィルム層42には25μmのPTT、封止層43には25μmのアルミニウム箔、下シート層41には350μmのポリスチレンと40μmのポリエチレンの共押し出しシートを用いた。封止層43の両面にはホットメルト接着剤が塗工され、上フィルム層42と下シート層41に挟まれた状態で120度のゴムロールで押圧し、三層ラミネートの基材を得た。この基材を上金型と下金型でプレス成形して、幅7mm、長さ9mm、高さ4mmの膨出成形部52を形成した。
なお、前記構成において常温下でプレス成形を行った場合においても、膨出成形部52は形成できるが、形状により加工歩留まりが少し劣る。成形高さが成形幅より0.5倍以上だと歩留まりが大きく劣る。
閉鎖部材14の折り目53としては、上フィルム層42における膨出成形部52に形成された貫通する切り込みからなる長さ7mmの折り目と、下シート層41における膨出成形部52に形成された貫通する切り込みからなる長さ7mmの折り目と、下シート層41における膨出成形部52の両側に設けられた深さ0.3mmの切り込みからなるハーフカットの折り目が形成されている。
保持シート部材18は、25μmのアルミニウム箔と40μmのポリエチレンのラミネートフィルムを用いた。
閉鎖部材14内に錠剤12aを収容した状態で閉鎖部材14と保持シート部材18を、互いに溶着して接合し、包装体11を得た。
このような構成の包装体11で開封・取り出し実験を行ったところ、閉鎖部材14を保持シート部材18側に二つ折りして約60度折り曲げると、封止層43が破断して取出口が開いた。更に折り曲げて160度ほど折り曲げると、開口幅7mmほどになった取出口から2個の錠剤12aが図15に示したように落下した。
図16の包装体11は固形の粒状物、例えば錠剤12aを収容するのに適したものであり、図14の包装体11とは異なり、1個の錠剤を収容できる膨出成形部52を閉鎖部材14に有した包装体分体11aが縦横に複数連続している。包装体分体11a間には、分離を可能にする切り離し線17aが形成されている。包装体分体11aの構造は、大きさを除いて基本的には前述した図14の包装体11と同じである。
また、膨出成形部52は丸い錠剤12aが1個入るように形成されているので、図14の包装体11とは異なり、折り目53が形成される膨出成形部52はドーム型である。
つまり、膨出成形部52の大きさにもよるが、折り目53の近くに大きく変形する部分ができる。このため、膨出成形部52の成形を行う際に、折り目53が必要以上に開いたり、封止層43が破断したりする不良の発生が起こりやすい場合がある。
そこで、このような形態の膨出成形部52を有する取出口構造の製造方法においては、厚み方向中間に金属箔からなる封止層43を有する板状の基材14aをプレス成形する際に、上金型71を分割して、折り目53に対応する部分を他の部分よりも先に押さえて成形する。
具体的には、図17の(a)に示したように半球状の凹部を有する上金型71と半球状の凸部を有する下金型72を用いるが、上金型71における基材14aの折り目53に対応する部分には、他の部位に対して相対移動する別の分割型71aが備えられている。
すなわち、成形に際しては、図17の(b)に示したように上金型71の分割型71aが先に降下して基材14aの折り目53の近傍を押さえる。このまま、上金型71を降下して、基材14aの成形を行い、平坦部51と膨出成形部52を形成する。
このように折り目53部分を先に押さえてから全体の成形を行うことで、高さが高い膨出成形部52であっても、折り目53の両側部分が狭く深く絞られる形状の膨出成形部52であっても、折り目53の開きを防止でき、封止層43が破れたり、伸びて薄くなったりする不都合を回避できる。
なお、熱プレスのみでなく、常温下で同様の成形を行っても成形はできるが、形状により加工歩留まりが5~40%ほど劣る場合もある。
図18の包装体11は、図16の包装体11とは異なり、所定数の丸薬12bを収容するのに適したものである。閉鎖部材14の膨出成形部52の形状は図16のものと同じであるが、その大きさが所定数の、例えば一回に服用する数の丸薬12bを収容するのに適した大きさに形成されている。図18の(a)は包装体11の平面図、(b)はK-K断面図である。
また、閉鎖部材14の封止層43は、折り目53の近傍のみに設けられており、閉鎖部材14の上フィルム層42と下シート層41は内部を視認できる透明材料で構成されている。
たとえば、閉鎖部材14の上フィルム層42に25μmのPETを、下シート層41に300μmのA-PETに40μmのポリエチレンをドライラミネートしたシートを、封止層43に25μmのアルミニウム箔を5mm幅に切って用いることができる。保持シート部材18には、40μmのポリエチレンと25μmのPETとからなるラミネートフィルムを使用できる。
図19は、取出口構造15をカップラーメン容器69に組み込んだ例を示している。すなわち、麺を収容している容器本体69aの上端開口を被覆する蓋シート69bに、具材やスープを収容する包装体11を一体化している。
具体的には、前述した図11、図14に示した包装体11と同様に、閉鎖部材14を収容の主体として機能させ、蓋シート69bを保持シート部材18に代えて用いる。
閉鎖部材14は、蓋シート69bの底面図である図20に示したように、互いに独立した複数の膨出成形部52を有し、これら膨出成形部52の周りと膨出成形部52同士の間の部分が平坦部51である。膨出成形部52の平面視形状は長円形であり、その縦断面形状は円弧状であって、2個並設されている。折り目53は2個の膨出成形部52を横断するように形成される。閉鎖部材14の蓋シート69bの裏面に対する固定は、接着や熱溶着などでなされる。
このように構成されたカップラーメン容器69では、蓋シート69bをあけて、その流れで閉鎖部材14の一方を折り返すと、折り目53で折れ曲がり、取出口が開く。この状態で容器本体69aを傾けると、膨出成形部52の内部の具材等が落下する。
後は熱湯を注いで蓋シート69bを閉じる。蓋シート69bを閉じている間は、閉鎖部材14が蓋シート69bの裏面に存在するので、蓋シート69bが上方に反り返ることを抑制できる。
このように包装体11を蓋シート69bに組み込むほか、包装体11を蓋シート69bの裏面に貼り付け等により取り付けることもできる。
以上の構成はこの発明を実施するための一形態であって、この発明は前述の構成のみに限定されるものではなく、その他の構成を採用することもできる。
たとえば、膨出成形部における折り目に沿った形状は円弧状以外の形状であってもよい。