JP2022083301A - 歯ブラシ及び歯ブラシの製造方法 - Google Patents
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図1(a)及び(b)に示すように、歯ブラシ1のヘッド部2の植毛面2aには、複数の植毛孔3が形成されている。植毛孔3の数、形状、配置は任意に選択可能である。本実施形態の歯ブラシ1では、41個の植毛孔3が形成されている。
図2(a)に示すように、ブラシ毛10の先端部には、先端に向かって径方向の幅が徐々に小さくなる先鋭形状のテーパー部21が形成されている。テーパー部21の軸方向の長さH2は、概ね1.0mm~5.0mm程度であることが好ましく、2.0mm~4.0mm程度であることがより好ましい。テーパー部21がこの範囲に形成されていると、歯間や歯肉辺縁部等へのブラシ毛10の到達性が良好であり、これらの部分に対する歯垢除去性が向上する。なお、「テーパー部21の軸方向の長さH2」とは、後に説明する「フィラメントの径方向の幅L5」の80%の地点から、ブラシ毛10の先端までの距離を言うものとする。つまり、「テーパー部21」とは、フィラメントの先端から、フィラメントの径方向の幅L5が80%となる地点までの範囲の部分を言うものとする。
歯ブラシ1の製造方法は、フィラメントを化学処理してブラシ毛10を形成する化学処理工程、複数本のブラシ毛10からなる毛束4を植毛孔3に固定する植毛工程、毛束4の先端部に粗面化治具による処理を行う粗面化処理工程を備えている。
次に、本実施形態の歯ブラシ1の効果について述べる。
(1)本実施形態の歯ブラシ1は、先端に向かって径方向の幅が徐々に小さくなるテーパー部21を有するブラシ毛10が植毛されている。テーパー部21は、ブラシ毛10の先端から1.0mmの位置における径方向断面の幅L3が、フィラメントの径方向の幅L5の25%以上55%以下であり、ブラシ毛10の先端から2.0mmの位置における径方向断面の幅L4が、フィラメントの径方向の幅L5の50%以上90%以下である。そして、テーパー部21の表面には機械的な粗面化処理による微細凹凸部が形成されている。
(3)本実施形態の歯ブラシ1は、フィラメントの先端を化学処理してテーパー部21を形成する化学処理工程と、植毛孔3に固定された毛束4のブラシ毛10の表面を機械的に粗面化処理する粗面化処理工程を経て製造される。
・上記実施形態では、すべての植毛孔3に固定された毛束4の先端が、植毛面2aに対して略平行となっている歯ブラシ1として説明したが、毛束4の先端形状はこれに限定されない。短手方向に連設される複数の植毛孔3に固定された毛束4の列を毛束列としたとき、長手方向に隣り合う毛束列で、先端が全体で山形状をなす山切り部を形成するようにしてもよい。例えば、ヘッド部2の先端側から2、3列目に形成された植毛孔3に固定された毛束4で、2.3列目の毛束4が対向する位置を頂部とする山形状に形成することで山切り部を形成するようにしてもよい。山切り部を形成することで、歯間や歯肉辺縁部等への隙間進入性を向上させることができる。
・毛束4を形成するすべてのブラシ毛10の先端部に、上記形状のテーパー部21が形成されていなくてもよい。幅L1、L2、L3、L4の数値が、上記範囲から外れるテーパー部21を有するブラシ毛10が混在していてもよい。また、テーパー部21を有するブラシ毛10だけでなく、先端部がテーパー部21以外の他の形状のブラシ毛10が混在していてもよい。
<テーパー部21の形状の特定>
ブラシ毛10の形状、硬さの異なる複数の試作品を作成して、テーパー部21の形状、寸法を特定した。
図1(b)に示す形状のヘッド部2の植毛面2aに形成された植毛孔3に、ポリブチレンテレフタレート製で径方向の断面形状が円形のブラシ毛10からなる毛束を二つ折りにして挿入し、平線を嵌め込んで固定した。ブラシ毛10としては、幅(直径)0.170mmのものに対して、先端に化学処理を施すことによりテーパー部21が形成されたものを使用した。各植毛孔3でのブラシ毛10の充填本数は20~29本とした。ブラシ毛10の植毛面2aからの突出長H1は約11.0mmとした。
グラインド深さを、毛束の先端から約4.6mmの深さとしたこと以外は試作品1と同様に作成した。
ブラシ毛10に対して粗面化処理を行わなかったこと以外は試作品1と同様に作成した。
ブラシ毛10として、幅(直径)0.150mmで充填本数が26~36本のものに対して、先端に化学処理を施すことによりテーパー部21が形成されたものを使用したこと、ブラシ毛10に対して粗面化処理を行わなかったこと以外は試作品1と同様に作成した。
ブラシ毛10として、幅(直径)0.180mmで充填本数が18~26本のものに対して、先端に化学処理を施すことによりテーパー部21が形成されたものを使用したこと、ブラシ毛10に対して粗面化処理を行わなかったこと以外は試作品1と同様に作成した。
試作品1、3~5について、テーパー部21の寸法を測定した。寸法測定には、マイクロスコープ(商品名VHX-6000、株式会社キーエンス製)を使用して、それぞれの試作品で約30回行った。寸法測定は、テーパー部21の先端から1.0mm、2.0mmのそれぞれの位置でのブラシ毛10の径方向の幅(直径)L3、L4を測定した。各試作品での測定値の最大値、最小値、平均値、及び標準偏差(SD)を、ブラシ毛10を形成するフィラメントの径方向の幅(直径)L5に対する割合(%)として算出した。その結果を表1に示した。
粗面化処理を行うことにより微細凹凸部が形成されたテーパー部21では、その表面がどの程度ざらざらになっているかを検討するために、試作品1~3について、テーパー部21の線粗さRaを測定した。試作品1~3のそれぞれについて、ヘッド部2の植毛孔3に植設されたブラシ毛10を無作為に5本ずつ抜き取った。各ブラシ毛10は、先端から1.0mm~1.1mmの範囲、2.0mm~2.1mmの範囲における算術線粗さRaを、レーザー顕微鏡により測定した。それぞれの領域における算術線粗さRaの測定値から、最大値及び最小値を得るとともに、平均値及び標準偏差(SD)を算出した。その結果を表2に示した。
次に、ブラシ毛10のテーパー部21に粗面化処理を行って微細凹凸部が形成された実施例の歯ブラシ1と、粗面化処理を行っていない比較例の歯ブラシ1とによる清掃性の評価を行った。
図1(b)に示す形状のヘッド部2の植毛面2aに形成された41穴の植毛孔3のそれぞれに、ポリブチレンテレフタレート製で径方向の断面形状が円形のブラシ毛10からなる毛束を二つ折りにして挿入し、平線を嵌め込んで固定した。ヘッド部の短手方向の幅は15.2mm、植毛面積は2.10cm2である。ブラシ毛10としては、幅(直径)0.178mmのものに対して、先端に化学処理を施すことによりテーパー部21が形成されたものを使用した。フィラメントの化学処理は、試作品1~6のものと同様の条件で行った。各植毛孔3でのブラシ毛10の充填本数は18~25本とした。ブラシ毛10の植毛面2aからの突出長H1は約11.0mmとした。
ブラシ毛10の先端にグラインダーを当てず、テーパー部21の表面に機械的な粗面化処理を行わなかったこと以外は、実施例1と同様に作成した。このようにして作成した歯ブラシ1を比較例1とした。
実施例1、比較例1の歯ブラシ1について、清掃性の評価試験1を行った。清掃性の評価試験1は、顎模型に人工プラークを塗布したものを用意し、ロボットに実施例1、比較例1の歯ブラシ1を持たせた状態で、顎模型(上顎)♯26~♯23の頬側を一歯あたり2秒間、ブラッシング圧平均200g、ストローク20mm、スピード150rpm相当でブラッシングさせることで行った。ブラッシング後、歯面全体、歯間のそれぞれにおける人工プラークの除去割合(%)を算出した。その結果を表3、図3に示した。
実施例1、比較例1の歯ブラシ1のブラシ毛10について、清掃性の評価試験2を行った。清掃性の評価試験2は、粗面化処理されたテーパー部21によりどの程度の歯垢を絡め捕る効果があるかについて検証した。ラップ上に咬合チェック用スプレー・オクルード(パスカル社、USA)の着色粉末を塗布し、実施例1、比較例1の歯ブラシ1をオクルード上で、5cm間隔で往復させた。往復後の歯ブラシ1の毛先をマイクロスコープ(商品名VHX-6000、株式会社キーエンス製)にて撮影し、Photoshop(登録商標)にて色調解析を行った。色調解析は、撮影した画像をPhotoshop(登録商標)で二値化し、オクルード付着率(%)を算出した。その結果を表4、図4に示した。
L1、L2、L3、L4、L5…幅
1…歯ブラシ
2…ヘッド部
2a…植毛面
3…植毛孔
4…毛束
10…ブラシ毛
21…テーパー部
Claims (4)
- ヘッド部の植毛面に形成された複数の植毛孔のそれぞれに複数本のブラシ毛からなる毛束が固定された歯ブラシであって、
前記ブラシ毛は、先端に向かって径方向の幅が徐々に小さくなるテーパー部を有し、
前記テーパー部は、前記ブラシ毛の先端から1.0mmの位置における径方向断面の幅が、前記ブラシ毛を形成するフィラメントの径方向の幅の25%以上55%以下であり、前記ブラシ毛の先端から2.0mmの位置における径方向断面の幅が、前記ブラシ毛を形成するフィラメントの径方向の幅の50%以上90%以下であり、
前記テーパー部の表面には機械的な粗面化処理による微細凹凸部が形成されていることを特徴とする歯ブラシ。 - 前記テーパー部の表面は、前記ブラシ毛の先端から1.0mm~1.1mmの範囲での線粗さRaの平均値が0.4μm以上0.9μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の歯ブラシ。
- 前記テーパー部の表面は、前記ブラシ毛の先端から2.0mm~2.1mmの範囲での線粗さRaの平均値が0.5μm以上1.0μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の歯ブラシ。
- ヘッド部の植毛面に形成された複数の植毛孔のそれぞれに複数本のブラシ毛からなる毛束が固定された歯ブラシの製造方法であって、
フィラメントを化学処理してその先端に、先端ほど径方向の幅が徐々に小さくなるテーパー部を有する前記ブラシ毛を形成する化学処理工程と、
前記ブラシ毛を複数本束ねてなる毛束を、複数の前記植毛孔のそれぞれに固定する植毛工程と、
固定された前記毛束の表面を機械的に粗面化処理する粗面化処理工程を備えていることを特徴とする歯ブラシの製造方法。
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| JP2020194664A JP2022083301A (ja) | 2020-11-24 | 2020-11-24 | 歯ブラシ及び歯ブラシの製造方法 |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2004180712A (ja) * | 2002-11-29 | 2004-07-02 | Lion Corp | 電動歯ブラシ |
| JP2007097850A (ja) * | 2005-10-05 | 2007-04-19 | Toray Monofilament Co Ltd | ブラシ用毛材および歯ブラシ |
| JP2010200889A (ja) * | 2009-03-02 | 2010-09-16 | Sunstar Inc | 歯ブラシ |
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