JP2023036352A - 導電層付き基材 - Google Patents

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Abstract

【課題】柔軟性、通気性および耐熱性に優れる導電層付き基材を提供すること。
【解決手段】ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製のナノファイバーを含む織布または不織布である基材と、該基材上に、回転粘度測定法による25℃で50rpmにおける粘度が1~500Pa・sである導電性組成物から形成された導電層とを有し、下記要件(1)を満たす、導電層付き基材。
要件(1):前記導電層付き基材のガーレー透気度が10秒/100ml以下である
【選択図】なし

Description

特許法第30条第2項適用申請有り 令和3年1月20日~令和3年1月22日、東京ビッグサイト(東京都江東区有明3丁目11-1)、米田哲也及び武藤裕孝は、第35回ネプコン ジャパンにて、配線付きPTFEナノファイバーを公開。
本発明は、導電層付き基材に関する。
従来より、柔軟性がある回路基板として、フレキシブルプリント基板が知られている。該フレキシブルプリント基板は、銅などの金属製の基材を用いた回路基板と比べれば柔軟性はあるものの、例えば、ウェアラブルデバイスに用いるには、依然として基材は硬く、より柔軟性に優れる基材を用いた回路基板が求められていた。
この点に関し、例えば、特許文献1には、延伸ポリテトラフルオロエチレン(e-PTFE)を基材として用いたフレキシブルプリント基板が開示されている。
国際公開第2019/216883号
ウェアラブルデバイス等に用いられるフレキシブルプリント基板には、柔軟性に加え、通気性が求められる。しかしながら、従来のフレキシブルプリント基板には、この通気性の点でも改良の余地があった。
また、フレキシブルプリント基板には、導電層を形成するために、熱硬化性の導電性組成物を用いることがあるが、この熱硬化性の導電性組成物を用いた場合、従来のフレキシブルプリント基板は、耐熱性が十分ではなく、熱収縮してしまうことが分かった。さらに、フレキシブルプリント基板には、電子部品等を実装することがあるが、従来のフレキシブルプリント基板は、この実装の際の高温に十分に耐えられないことが分かった。
本発明は、以上のことに鑑みなされたものであり、柔軟性、通気性および耐熱性に優れる導電層付き基材を提供することを目的とする。
このような状況のもと、本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、下記構成例によれば、前記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
本発明の構成例は以下の通りである。
[1] ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製のナノファイバーを含む織布または不織布である基材と、
該基材上に、回転粘度測定法による25℃で50rpmにおける粘度が1~500Pa・sである導電性組成物から形成された導電層と
を有し、下記要件(1)を満たす、導電層付き基材。
要件(1):前記導電層付き基材のガーレー透気度が10秒/100ml以下である
[2] 前記導電性組成物が、導電性フィラーおよび熱硬化性樹脂を含む、[1]に記載の導電層付き基材。
[3] 前記導電層が形成される前の基材の目付が10~200g/m2である、[1]または[2]に記載の導電層付き基材。
本発明によれば、柔軟性、通気性および耐熱性に優れる導電層付き基材を提供することができる。
また、本発明によれば、本来、非接着性であるPTFE製の基材上に、屈曲試験等を経ても剥離や断線しない所望の導電層を形成することができ、熱収縮による形状変化が起り難く、PTFEが有する、クリーン性、絶縁性、低誘電率等の特性を活かした導電層付き基材を提供することができる。
さらに、本発明に係る導電層付き基材は、前記のように耐熱性に優れるため、該導電層付き基材を、例えば、ヘルスケア用途で使用する際に、オートクレーブ殺菌等の殺菌処理をすることもできる。
≪導電層付き基材≫
本発明に係る導電層付き基材(以下「本導電層付き基材」ともいう。)は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製のナノファイバーを含む織布または不織布である基材と、該基材上に、回転粘度測定法による25℃で50rpmにおける粘度が1~500Pa・sである導電性組成物から形成された導電層とを有し、下記要件(1)を満たす。
要件(1):本導電層付き基材のガーレー透気度が10秒/100ml以下である
本導電層付き基材のガーレー透気度は10秒/100ml以下であり、好ましくは5秒/100ml以下、より好ましくは1秒/100ml以下である。該ガーレー透気度の下限は特に制限されないが、例えば0.1秒/100ml以上である。
基材上に導電層を有しながらも、前記ガーレー透気度を有する本導電層付き基材は、通気性に優れるといえ、特に、ウェアラブルデバイスに好適に使用でき、さらには、生体に密着して使用するヘルスケア分野などに用いられるデバイスに好適に使用できる。
前記ガーレー透気度は、具体的には、下記実施例に記載の方法で測定することができる。
本導電層付き基材は、前記基材の主面(面積の最も大きい面)の一方の面上に導電層を有していればよく、前記基材の主面の両面上に導電層を有していてもよい。
本導電層付き基材では、織布または不織布である基材を用いるため、片面に形成した導電層(回路)と裏面に形成した導電層(回路)や電子部品等とを、例えば、該基材の空隙に導電性組成物を充填させることによって、接続することができる。
基材上に形成される導電層の数は特に制限されず、形成したい導電層(回路)に応じて、適宜導電層を設ければよい、
本導電層付き基材は、基材と導電層とを有していれば特に制限されず、絶縁性オーバーコート層、電子部品(例:センサー、スイッチ、コネクター)等の回路基板等に設けられる従来公知の層や部材を有していてもよい。
前記基材と導電層とは、接着層等を介して接着してもよいが、本発明の効果がより発揮され、該接着層がなくても、十分に基材と導電層とは接着することができるため、基材と導電層とは接している(基材上に直接導電性組成物を形成する)ことが好ましい。
本導電層付き基材は、様々な分野で使用されるデバイスに使用することができる。本導電層付き基材は、柔軟性に極めて優れるため、例えば、複雑な形状の部材に本導電層付き基材を配置することで、該複雑な形状の部材上に、容易に回路等を形成することができる。
また、本導電層付き基材は、柔軟性および通気性に優れるため、さらには、撥水性に優れ汚れにくいため、特に、ウェアラブルデバイスに好適に使用でき、さらには、生体に密着して使用するヘルスケア分野などに用いられるデバイスに好適に使用できる。
<基材>
前記基材は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製のナノファイバーを含む織布または不織布であり、PTFE製ナノファイバー(のみ)からなる織布または不織布であることが好ましく、PTFE製ナノファイバー(のみ)からなる不織布であることがより好ましい。
PTFE製ナノファイバーを含む織布または不織布は、ノードを有する延伸基材とは異なる基材である。
本導電層付き基材では、このような基材を用いるため、導電層を形成する際や、電子部品等を実装する際に高温(例:200℃)をかけたとしても、基材の収縮が起り難く、耐熱性に優れる。
前記基材の厚みは、用いる用途に応じて適宜選択すればよいが、柔軟性により優れる導電層付き基材を容易に得ることができる等の点から、好ましくは1μm~500mm、より好ましくは3~100μmである。
前記基材の目付は、好ましくは10~200g/m2、より好ましくは16~40g/m2である。
基材の目付が前記範囲にあると、導電層と基材とが十分な接着強度で接着した導電層付き基材を容易に得ることができる。これは、バインダーを含む導電性組成物を用いて導電層を形成する場合、該バインダーが基材に染み込み、そのアンカー効果が発揮されやすいことによると推測される。
前記目付は、紡糸時間を長くする、紡糸ノズル数を増やすなどにより、増大する傾向にある。
前記不織布および織布は、PTFE製ナノファイバーをシート状に集積または製織したものであるが、このような不織布および織布は、単層から構成されるもの、材質や繊維径の異なる2層以上から構成されるものの何れでもよい。
前記不織布としては、湿式抄紙方式、ウォーターパンチ方式、ケミカルボンド方式、サーマルボンド方式、スパンボンド方式、ニードルパンチ方式、ステッチボンド方式等の種々の製法で得られた不織布を使用することができるが、耐熱性、機械的特性、耐溶剤性の点から、自己溶融繊維によるサーマルボンド方式やスパンボンド方式で得られた不織布が好ましい。
前記織布を構成するPTFE製ナノファイバーは、モノフィラメント糸、マルチフィラメント糸、ステープル糸のいずれを用いてもよい。織り方としても特に制限されず、平織り、綾織り、朱子織り、二十織り、筒織りなどが挙げられる。織構成としては、織組織、糸番手、糸密度に特に指定はない。
前記不織布または織布を構成するPTFE製ナノファイバーの平均繊維径(平均ファイバー径)は、好ましくは100nm~50μm、より好ましくは500nm~1μmである。
平均繊維径が前記範囲内にある場合には、高い柔軟性を示す不織布または織布を形成でき、ファイバーの表面積が大きくなることで、導電層と基材とが十分な接着強度で接着した導電層付き基材を容易に得ることができ、薄い不織布または織布を形成した場合でも繊維の分布均一性を高くすることができる点で好ましい。
前記不織布または織布を構成するPTFE製ナノファイバーの平均繊維径は、ナノファイバーを形成する条件を適宜選択することで調整することができるが、例えば、電界紡糸法により製造する場合には、電界紡糸の際に湿度を下げる、ノズル径を小さくする、印加電圧を大きくする、あるいは電圧密度を大きくすることにより、得られるナノファイバーの平均繊維径を小さくできる傾向にある。
なお、前記平均繊維径は、測定対象となるナノファイバー(群)を走査型電子顕微鏡(SEM)観察(倍率:10000倍)し、得られたSEM画像から無作為に20本のナノファイバーを選び、これらの各ナノファイバーのナノファイバー径(長径)を測定し、この測定結果に基づいて算出される平均値である。
前記不織布または織布を構成するPTFE製ナノファイバーの、下記式で算出される繊維径変動係数は、好ましくは0.7以下、より好ましくは0.01~0.5である。繊維径変動係数が前記範囲内にあると、PTFE製ナノファイバーは繊維径が均一となり、導電層と基材とが十分な接着強度で接着した導電層付き基材を容易に得ることができる。
繊維径変動係数=標準偏差/平均繊維径
(なお、「標準偏差」とは、前記20本の繊維の繊維径の標準偏差である。)
前記不織布または織布を構成するPTFE製ナノファイバーの繊維長(ファイバー長)は、好ましくは0.1~1000mm、より好ましくは0.5~100mm、さらに好ましくは1~50mmである。
前記PTFE製ナノファイバーは、例えば、電界紡糸法、溶融紡糸法、溶融電界紡糸法、スパンボンド法(メルトブロー法)、湿式法、スパンレース法により製造されるが、特に電界紡糸法により得られるナノファイバーは繊維径が小さく、このようなナノファイバーより形成される不織布または織布は高い柔軟性を示す。
電界紡糸法を用いてPTFE製ナノファイバーを形成する際には、例えば、PTFEおよび必要に応じて溶媒を含む紡糸液が用いられる。
前記紡糸液中に含まれるPTFEの割合は、好ましくは5~80質量%、より好ましくは10~70質量%である。
前記溶媒としては、PTFEを溶解または分散し得るものであれば特に限定されず、例えば、水、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、メチルピロリドン、キシレン、アセトン、クロロホルム、エチルベンゼン、シクロヘキサン、ベンゼン、スルホラン、メタノール、エタノール、フェノール、ピリジン、プロピレンカーボネート、アセトニトリル、トリクロロエタン、ヘキサフルオロイソプロパノール、ジエチルエーテルが挙げられる。これらの溶媒は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせた混合溶媒を用いてもよい。
前記溶媒は、紡糸液中に、好ましくは10~90質量%、より好ましくは20~80質量%含まれる。
前記紡糸液は、さらに、PTFE以外の、無機フィラー、界面活性剤、分散剤、電荷調整剤、機能性粒子、接着剤、粘度調整剤、繊維形成剤等の添加剤を含んでいてもよい。これらの添加剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
前記紡糸液において、PTFEの前記溶媒への溶解度が低い場合(例えば、溶媒が水である場合)、紡糸時にPTFEをファイバー形状に保持させやすい等の点から、1種または2種以上の繊維形成剤を含むことが好ましい。
前記繊維形成剤としては、溶媒に対し高い溶解度を有する有機ポリマーであることが好ましく、例えば、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール、デキストラン、アルギン酸、キトサン、でんぷん、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、セルロース、ポリビニルアルコールが挙げられる。
前記繊維形成剤を使用する場合の使用量は、溶媒の粘度、溶媒への溶解度にもよるが、紡糸液中に例えば0.1~15質量%、好ましくは1~10質量%である。
前記紡糸液は、PTFE、溶媒および必要に応じて添加剤を従来公知の方法で混合することにより製造できる。
前記紡糸液の好ましい例としては、以下の紡糸液(1)が挙げられる。
紡糸液(1):PTFEを30~70質量%、好ましくは35~60質量%含み、繊維形成剤を0.1~10質量%、好ましくは1~7質量%含み、合計が100質量%となるよう溶媒を含む紡糸液
電界紡糸を行う際の印加電圧は、好ましくは1~100kV、より好ましくは5~50kV、さらに好ましくは10~40kVである。
電界紡糸に用いられる紡糸ノズルの先端径(外径)は、好ましくは0.1~2.0mm、より好ましくは0.2~1.6mmである。
より具体的には、例えば前記紡糸液(1)を用いる場合であれば、前記印加電圧は、好ましくは10~50kV、より好ましくは10~40kVであり、前記の紡糸ノズルの先端径(外径)は、好ましくは0.3~1.6mmである。
前記PTFE製ナノファイバーから不織布または織布を形成した後には、加熱処理を行うことが好ましい。該加熱処理は、得られた不織布または織布を、通常200~390℃、30~300分の条件で熱処理することで行われる。この加熱処理により、不織布または織布に残留している前記溶媒および繊維形成剤などを除去することができる。
前記不織布の製造方法としては、従来公知の製造方法を採用することができ、例えば、特表2012-515850号公報に記載された以下の方法が挙げられる。
PTFE、繊維形成剤および溶媒を含み、少なくとも50,000cPの粘度を有する紡糸液、好ましくは紡糸液(1)を提供するステップと;
紡糸液をノズルより紡糸し静電的牽引力によりファイバー化するステップと;
前記ファイバーをコレクター(例:巻き取りスプール)の上に集め、前駆体を形成するステップと;
前記前駆体を焼成して前記溶媒および前記繊維形成剤を除去することでPTFE製ナノファイバーからなる不織布を形成するステップとを含む方法
<導電層>
前記導電層は、導電性組成物から形成される導電性を有する層であれば特に制限されないが、例えば、回路である。該導電性組成物としては、回転粘度測定法による25℃で50rpmにおける粘度が1~500Pa・sである組成物であれば特に制限されず、従来公知の組成物を用いることができ、導電性フィラーとバインダーとを含む導電性組成物が好ましい。
本発明において、「導電性組成物」とは、該組成物から得られる導電層が、1×10-3Ω・cm未満の比抵抗を有することをいう。該比抵抗は、デジタルマルチメーターで抵抗を測定し、下記式により算出することができる。
比抵抗(Ω・cm)=R×S/l
[R:デジタルマルチメーターの抵抗値、S:導電層の断面積、l:電極間距離]
前記導電性組成物の回転粘度測定法による25℃で50rpmにおける粘度は、1~500Pa・sであり、好ましくは10~100Pa・s、より好ましくは10~50Pa・sである。
粘度が前記範囲にあると、本来非接着性であるPTFE製の基材に対しても、導電層と基材とが十分な接着強度で接着した導電層付き基材を容易に得ることができる。これは、粘度が前記範囲にあるバインダーを含む導電性組成物を用いて導電層を形成する場合、該バインダーが基材に染み込み、そのアンカー効果が発揮されやすいことによると推測される。
前記導電性フィラーとしては特に制限されず、従来公知のフィラーを用いることができる。
前記導電性組成物に用いる導電性フィラーは、1種でもよく、形状、大きさ、材質等の異なる2種以上でもよい。
前記導電性フィラーの材質としては、導電性を有する材質であれば特に制限されないが、例えば、銅、銀、金、白金、スズ、ビスマス、亜鉛、インジウム、ニッケル、パラジウム等の金属、これらの金属を含む合金、カーボンブラック、グラファイトが挙げられ、これらの中でも、銅、銀、カーボンブラックが好ましい。
なお、前記導電性フィラーとしては、ある材料の表面を前記金属や合金等でメッキなどすることにより得られるフィラーであってもよい。
前記導電性フィラーの形状も特に制限されず、例えば、塊状、球状、フレーク状、針状、繊維状、デンドライト状、コイル状が挙げられる。
前記導電性フィラーのレーザー回折散乱法(マイクロトラック法)により測定されるメジアン径(D50)は、塗装性に優れる組成物が得られ、導電性に優れる導電層を容易に得ることができる等の点から、好ましくは5~30μmである。
前記導電性フィラーの含有量は、導電性に優れる導電層を容易に得ることができる等の点から、前記導電性組成物100質量%に対し、好ましくは60~95質量%、より好ましくは65~93質量%である。
前記バインダーとしては特に制限されず、前記導電性フィラーを保持できるものであることが好ましい。
前記導電性組成物に用いるバインダーは、1種でも2種以上でもよい。
前記バインダーとしては特に制限されず、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、熱可塑性イミド樹脂などの熱可塑性樹脂;ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ノボラック型等のエポキシ樹脂、液状エポキシ化合物等のエポキシ化合物、不飽和ポリエステル樹脂等のポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、レゾール型、ノボラック型等のフェノール樹脂、イミド樹脂、シリコーンゴムなどの熱硬化性樹脂;スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、シリコーン系エラストマー等のエラストマーが挙げられる。
これらの中でも、基材に染み込んだ状態で硬化し、アンカー効果により、より導電層と基材との接着強度に優れる導電層付き基材を容易に得ることができる等の点から、熱硬化性樹脂が好ましい。
前記バインダーの含有量は、導電性フィラーを十分に保持でき、形状保持性および導電性に優れる導電層を容易に得ることができる等の点から、前記導電性フィラー100質量部に対し、好ましくは5~35質量部、より好ましくは7~20質量部である。
前記導電性組成物は、塗装性等の点から、1種または2種以上の溶剤を含んでいることが好ましく、該溶剤としては特に制限されないが、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルカルビトール、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール系溶剤;トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、ブチルカルビトールアセテート等のエステル系溶剤が挙げられる。
前記導電性組成物には、前記成分以外にも、必要により、本発明の効果を損なわない範囲で、従来公知の添加剤を含んでいてもよい。
このような添加剤としては、例えば、パルミチン酸、ステアリン酸等の飽和脂肪酸;リノレン酸、リノール酸、オレイン酸等の不飽和脂肪酸;これらの金属塩(金属の例:ナトリウム、カリウム);乳酸、酒石酸等のヒドロキシ基を有する有機酸;アルキルスルホン酸類、アルキルベンゼンスルホン酸等のスルホン酸基を有する有機酸;金属キレート形成剤;硬化性樹脂を硬化させるための硬化剤;分散剤;造膜助剤;表面調整剤;可塑剤;老化防止剤;顔料が挙げられる。
これらの添加剤はそれぞれ、1種でもよく、2種以上でもよい。
前記導電性層の厚みは特に制限されず、従来の回路と同様の厚みであればよいが、導電層付き基材を屈曲させた場合であっても、剥離や断線しない所望の導電層を維持できる等の点から、好ましくは1~1000μm、より好ましくは1~200μm、さらに好ましくは1~100μmである。
なお、本導電層付き基材では、基材の内部にも導電性組成物の乾燥体または硬化体が形成される可能性があるが、この場合であっても、前記導電性層の厚みは、基材の表面からの厚みのことをいう。
<本導電層付き基材の製造方法>
本導電層付き基材の製造方法は特に制限されないが、前記基材に、前記導電性組成物を塗装し、該塗装された組成物を乾燥または硬化させる工程を含むことが好ましい。
導電性組成物を塗装する方法としては特に制限されず、従来公知の方法を制限なく使用できるが、例えば、スクリーン印刷、パッド印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷、グラビア印刷が挙げられる。
この塗装の際には、形成される導電層が所望の導電層の形状、厚みとなるように塗装することが好ましい。
前記組成物を乾燥または硬化させる際の条件としては特に制限されず、用いる導電性組成物(バインダーや溶剤種)等に応じて適宜選択すればよく、常温で乾燥および/または硬化させてもよく、加熱下で乾燥および/または硬化させてもよく、光照射下で乾燥および/または硬化させてもよい。また、加熱と光照射を組み合わせてもよい。
また、前記乾燥または硬化は、必要により、減圧下で行ってもよく、窒素ガス雰囲気下等の不活性ガス雰囲気下で行ってもよい。
次に、本発明について実施例を示してさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
[実施例1]
基材として、PTFEナノファイバーからなる不織布(厚み:55μm、目付:24g/m2、平均孔径[Porous Materials Inc.製のPerm-Porometer(CFP-1200-AEL)を用いて測定(以下の平均孔径も同様に測定)]:2μm、平均繊維径:900nm、主面の大きさ:縦100mm×横100mm)を用い、該基材の主面上に、スクリーンとスキージとを用いて、導電性インク1((株)スリーボンド製、回転粘度計(回転数条件:50rpm)を用いた25℃における粘度:20Pa・s、銀粒子含有)を、得られる導電層(回路)が、線幅0.5mm、導電層間隔1.0mm、長さ100mm、厚み25μmとなるようにスクリーン印刷した。
印刷した導電性インク1を160℃で1時間加熱することで、導電層付き基材を作製した。
[実施例2]
実施例1において、導電性インク1の代わりに、導電性インク2(CR-5200(化研テック(株)製)、回転粘度計(回転数条件:50rpm)を用いた25℃における粘度:20Pa・s、銀粒子含有)を用い、硬化条件を100℃で1時間加熱に変更した以外は実施例1と同様にして、導電層付き基材を作製した。
[実施例3]
基材として、PTFEナノファイバーからなる不織布(厚み:72μm、目付:32g/m2、平均孔径:2μm、平均繊維径:900nm)を用いた以外は実施例1と同様にして、導電層付き基材を作製した。
[実施例4]
基材として、PTFEナノファイバーからなる不織布(厚み:92μm、目付:40g/m2、平均孔径:2μm、平均繊維径:900nm)を用いた以外は実施例1と同様にして、導電層付き基材を作製した。
[実施例5]
実施例1において、スクリーン印刷の代わりに、卓上型精密塗布装置(SSI Japan(株)製)を用いて、得られる導電層(回路)が、線幅0.5mm、導電層間隔1.0mm、長さ100mm、厚み150μmとなるように導電性インク1をインクジェット印刷した以外は実施例1と同様にして、導電層付き基材を作製した。
[比較例1]
基材として、PTFEフィルム(バルフロン切削テープ((株)バルカー製)、中実フィルム、厚み:100μm、主面の大きさ:縦100mm×横100mm)を用いた以外は実施例1と同様にして、導電層付き基材を作製した。
[比較例2]
基材として、延伸PTFEフィルム(sa-PTFE((株)バルカー製)、厚み:25μm、平均孔径:0.1μm、主面の大きさ:縦100mm×横100mm)を用いた以外は実施例1と同様にして、導電層付き基材を作製した。
<耐熱性>
導電性インクを塗布する前の基材(PTFEナノファイバーからなる不織布、PTFEフィルムまたは延伸PTFEフィルム)の主面における横方向の長さと、作製した導電層付き基材の主面における横方向の長さとから、以下の式に基づいて、収縮率を算出した。
収縮率が5%未満の場合を○と評価し、収縮率が5%を超えた場合を×と評価した。結果を表1に示す。
収縮率(%)=(導電性インクを塗布する前の基材の主面における横方向の長さ-作製した導電層付き基材の主面における横方向の長さ)×100/導電性インクを塗布する前の基材の主面における横方向の長さ
<連続屈曲試験>
連続屈曲試験を行うための支持体として紙(厚み:93μm、70g/m2)を用い、該紙を作製した導電層付き基材の導電層が付いた側とは反対側に、テープを用いて貼り付けることで、屈曲試験用試験体を作製した。
屈曲試験機(MIT-D、(株)東洋精機製作所製)を用い、試験速度:90cpm、折り曲げ角度:135°、曲率半径:0.38mmの条件で、作製した試験体を導電層が屈曲するように2000回折り曲げた。
このように折り曲げた前後の導電層の状態を目視で確認し、また、該導電層の電気抵抗をSK-6555(カイセ(株)製)を用いて測定し、以下の基準に基づいて評価した。結果を表1に示す。
○:連続屈曲試験前後で、導電層の電気抵抗値の変化率((1-連続屈曲試験後の電気抵抗値)×100/連続屈曲試験前の電気抵抗値)の絶対値が50%以下であり、導電層が基材から剥離しておらず、かつ、導電層にクラックが無い
×:連続屈曲試験前後で、導電層の電気抵抗値の変化率((1-連続屈曲試験後の電気抵抗値)×100/連続屈曲試験前の電気抵抗値)の絶対値が50%を超える、導電層が基材から剥離していた、または、導電層にクラックが生じた、の少なくとも1つを満たす
<ガーレー透気度>
(株)東洋精機製作所製のG-B3Cを用い、JIS P 8117:2009に基づいて、作製した導電層付き基材のガーレー透気度を測定した。結果を表1に示す。
なお、比較例1では、透気しないことにより、ガーレー透気度を測定できなかったため、表1には×と記載している。
Figure 2023036352000001
SDD-EMAX x-act((株)堀場製作所製)を用い、実施例で作製した導電層付き基材をエネルギー分散型X線分析(EDX)測定したところ、不織布内に導電性インクの樹脂分が染込んでいることが確認された。この樹脂分の染込みによるアンカー効果により、本来非接着性であるPTFEナノファイバーからなる不織布に対しても、連続屈曲試験等を経ても剥離しない所望の導電層を形成することができたと考えられる。

Claims (3)

  1. ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製のナノファイバーを含む織布または不織布である基材と、
    該基材上に、回転粘度計(回転数条件:50rpm)を用いた25℃における粘度が1~500Pa・sである導電性組成物から形成された導電層と
    を有し、下記要件(1)を満たす、導電層付き基材。
    要件(1):前記導電層付き基材のガーレー透気度が10秒/100ml以下である
  2. 前記導電性組成物が導電性フィラーおよび熱硬化性樹脂を含む、請求項1に記載の導電層付き基材。
  3. 前記導電層が形成される前の基材の目付が10~200g/m2である、請求項1または2に記載の導電層付き基材。
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