JP2023045574A - 外装部材、時計、外装部材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、外装部材と、外装部材が設けられる或る部材との間の隙間に、ゴミ等の異物が混入すると、可視光を透過する外装部材を通じて異物が視認できてしまい、見栄えを著しく損ねる。
可視光を透過するある材料で形成され、
ある部材に対向する内面に、可視光に含まれるある波長域の光を反射する不透明層を有し、前記不透明層は前記内面と反対側の外面を介して視認可能である、
ことを特徴とする。
なお、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
なお、以下の説明において、XYZの各方向は各図に示した向きをいうものとする。つまり、X方向はアナログ式の時計における3時-9時方向をいい、Y方向は12時-6時方向をいい、Z方向は時計100(本体ケース2)の正面-背面方向をいう。また、図2では、本体ケース2内の収容物の図示を省略している。
本体ケース2は、円筒状に形成され、正面側(視認側)の開口部が可視光を透過する透明の風防部材23で、背面側の開口部が裏蓋24で、それぞれ閉塞されている。
本体ケース2のY方向の両側部には、図示しないバンドが取り付けられるバンド取付部25が設けられている。
時計モジュールの最も正面側には、時刻を表示する時刻表示部26が配置されている。時刻表示部26は、アナログ式の場合には、文字板と、文字板上で中央回りに回転して時刻を表示する複数の指針とを含む。時刻表示部26は、風防部材23越しに正面側から視認可能となっている。
また、時計モジュールの内部には、電源部である電池、制御回路が実装された回路基板、複数の指針を運針させる運針機構等が収容されている。
なお、以下では、「径方向」とは、Z方向に沿ったベゼル3の中心軸Axに垂直な方向をいい、「周方向」とは、中心軸Axを中心とする回転方向をいう。また、「内」「外」とは、特に断りのない限り、中心軸Axを中心とする径方向の内側及び外側をいう。
上面31と外側面33とのなす角部は面取りされており、面取り面(上側テーパ面)35が形成されている。
下面32と外側面33とがなす角部も面取りされており、その面取り面(下側テーパ面)36は下面32に対して所定の傾斜角θ(本実施形態では約30度)を有している。傾斜角θは、ベゼル3内をZ方向に沿った光が下側テーパ面36に入射したときに、この下側テーパ面36である反射率で反射される(光がベゼル3外に略抜けない)角度に予め設定されている。すなわち、Z方向に沿った光が下側テーパ面36に入射する入射角θIが、ベゼル3の材料であるサファイアガラスの屈折率と空気の屈折率で定まる臨界角(例えば34度)以上の角度か、この臨界角を含むある角度範囲内(臨界角±5度)の角度になるように、傾斜角θは予め設定されている。なお、上面31及び下面32は、互いに平行であり、かつ、Z方向に直交している。上記の角度範囲は、下側テーパ面36での高い反射率を確保しながら、下側テーパ面36の良好な意匠性が得られるように設定されている。
また、ベゼル3の全ての面は、所定の平滑度まで鏡面仕上げされている。
内面である下面32、内側面34、下側テーパ面36には、その表面全面に亘り人間が視認可能な不透明層(不透明膜)Lが形成されている。不透明層Lは、可視光に含まれるある波長域の光を反射するものであり、本実施形態では青色の薄膜である。このうち、下面32及び下側テーパ面36に形成された不透明層L1は、蒸着による蒸着層(蒸着膜)であり、内側面34に形成された不透明層L2は、スパッタリングによるスパッタリング層(スパッタリング膜)である。内面に形成された不透明層Lは、外面を介して視認可能である。
本体ケース2の座面22の固定部分よりも外側の部分には、下側テーパ面36に対向するように突設された凸部22aを有している。凸部22aは、ベゼル3の下側テーパ面36の1/3程度の高さに形成され、ベゼル3の下面32と本体ケース2の座面22との間に塵芥等の異物が混入したり、この座面22の固定部分(下面32と座面22とを固定する両面テープ5)が側方から視認されたりするのを防ぐ。また、凸部22aは、本体ケース2の座面22の少なくとも周方向の一部以外の部分に形成されている。本実施形態では、図4に示すように、3時方向の座面22の一部分だけは、中心軸Ax回りの所定の角度範囲に亘って凸部22aが形成されておらず、平坦部となっている。そのため、この平坦部からベゼル3の下面32と本体ケース2の座面22との間に図示しないジグを挿入し、両面テープ5を下面32又は座面22から剥がしてベゼル3を本体ケース2から取り外すことができる。
図5は、ベゼル3の製造方法を説明するための図であり、図6は、ベゼル3の製造方法の流れを示すフロー図である。
こうして、ブランク状態(透明)のベゼル3Aが作製される。
こうして、下面32及び下側テーパ面36に不透明層(蒸着層)L1が形成されたベゼル3Bが作製される。
こうして、内側面34に不透明層(スパッタリング層)L2が形成され、ベゼル3が完成する。
これにより、例えば仮に下面32及び/又は内側面34と本体ケース2との間の隙間に塵芥等の異物が混入した場合でも、ベゼル3を通じて視認側から異物は視認されない。したがって、視認側から異物が視認されていた従来に比べ、ベゼル3の見栄えを良くすることができる。
また、ベゼル3の内面の不透明層Lが外面を介して視認可能なので、奥行きのある着色をベゼル3に施すことができ、ベゼル3の見栄えをより良くすることができる。さらにこの場合、ベゼル3の内面全て(下面32及び内側面34)の不透明層Lを共通の色(青色)とすることにより、あたかもベゼル3全体が着色されているかのような、すなわち、あたかもベゼル3がカラーサファイアで形成されているかのような見栄えが得られる。
これにより、本体ケース2に嵌合するベゼル3の内側面34及び下面32について上述した効果を適切に得ることができる。
これにより、内側面34及び下面32のそれぞれに好適に不透明層Lを形成することができる。
これにより、正面側からZ方向に沿った光がベゼル3内を導光して下側テーパ面36に入射したときに、所定の反射率で反射させることができる。特に、傾斜角θが臨界角以上(又はその近傍)の場合には、この光は下側テーパ面36でほぼ全反射する。したがって、より一層ベゼル3の見栄えを不透明層Lの色に見せることができる。
サファイアのような脆性材料は、例えば梨地状のような凹凸のある面ではクラックが入るおそれがある。この点、本実施形態によれば、ベゼル3の全ての面を所定の平滑度まで鏡面仕上げすることにより、クラックの発生を抑えて強度を向上させることができる。また、見栄えもさらに良くすることができる。さらに、ベゼル3の強度が向上するため、ベゼルを他部材の内側に配置していた従来に比べ(図7参照)、より多くの面を時計100の外側に露出させた状態に配置できる。
これにより、ベゼル3を十分な接着強度で本体ケース2に固定できる。また、接着剤で固定する場合と異なり、液剤が固定部からはみ出たりすることがなく、また比較的簡単に両者を分離できる。
さらに、この凸部22aは、本体ケース2の固定部分よりも外側の部分の全体ではなく、少なくとも周方向の一部以外の部分に形成されている。これにより、この座面22の一部分からベゼル3の下面32と本体ケース2の座面22との間に図示しないジグを挿入し、両面テープ5を剥がしてベゼル3を本体ケース2から取り外すことができる。
すなわち、例えば図7に示すように、ベゼルを本体ケース(又は他の外装部材)の凹部に落とし込んで嵌合し、接着剤で本体ケースと固定させた構造では、視認方向が正面側の一方向だけであるうえに、ベゼルと本体ケースとの分離が困難である。この点、本実施形態によれば、ベゼル3を側方(外径側)からも視認でき、かつ強固に固定でき、さらに分離も可能である。さらに本実施形態によれば、面取り面(下側テーパ面36)により、上記のジグを挿入しやすくすることができる。
また、ベゼル3の形状は特に限定されず、貫通孔を含む環状でなく、例えば弧状などであってもよい。ベゼル3の材料もサファイアガラスに限定されず、可視光を透過する材料であればよい。また、ベゼル3の材質によっては、両面テープで固定せずに、接着など他の適当な固定方法で固定してもよい。
また、本体ケース2には凸部22aがなくてもよい。
また、不透明層Lを形成する手法は、スパッタリングと蒸着に限定されない。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
可視光を透過するある材料で形成され、
ある部材に対向する内面に、可視光に含まれるある波長域の光を反射する不透明層を有し、前記不透明層は前記内面と反対側の外面を介して視認可能である、
ことを特徴とする外装部材。
<請求項2>
前記内面は、前記ある部材の被対向部分に対向する内側面と、前記ある部材の前記被対向部分とは異なる固定部分に固定される下面とを含み、
前記不透明層として、前記内側面にスパッタリング層を有し、前記下面に蒸着層を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の外装部材。
<請求項3>
前記外面は外側面と上面を含み、
前記内面は、前記ある部材の固定部分に固定される下面を含み、
前記外側面と前記下面とがなす角部に面取りされた面取り面を有し、
前記面取り面に前記不透明層を有し、
前記下面に対する前記面取り面の傾斜角は、前記上面側からの光が前記面取り面において或る反射率で反射するような角度に予め設定されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の外装部材。
<請求項4>
前記外装部材は、貫通孔を含む環状の形状を有し、
前記内面は、前記貫通孔を画成する内側面と、前記ある部材の固定部分に固定される下面とを含み、
前記貫通孔に前記ある部材の被対向部分が嵌合し、前記内側面が前記被対向部分に対向する、
ことを特徴とする請求項1に記載の外装部材。
<請求項5>
前記ある材料はサファイアガラスである、
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の外装部材。
<請求項6>
前記内面及び前記外面を含む全ての面が鏡面仕上げされている、
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の外装部材。
<請求項7>
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の外装部材と、
時刻表示部を収容する、前記ある部材としてのケースと、を備える、
ことを特徴とする時計。
<請求項8>
前記ケースは、前記外装部材の前記下面が帯状の部材により固定された前記固定部分を有し、
前記帯状の部材は、一方の面及び他方の面に接着層を有し、前記一方の面の前記接着層が前記外装部材の前記下面に接着され、かつ、前記他方の面の前記接着層が前記固定部分に接着されている、
ことを特徴とする、少なくとも請求項2から4のいずれか一項を引用する請求項7に記載の時計。
<請求項9>
前記外装部材の前記外面は外側面を含み、
前記外装部材は、前記下面の外側の部分に、前記下面と前記外側面とに連なる面取り面を有し、
前記ケースは、前記外装部材の前記下面が固定された前記固定部分よりも外側の少なくとも一部分に、前記面取り面に対向するように突設された凸部と、を有する、
ことを特徴とする少なくとも請求項2又は請求項4を引用する請求項7に記載の時計。
<請求項10>
可視光を透過するある材料を環状に形成する加工工程と、
前記加工工程により環状に形成された前記ある材料の下面に、可視光に含まれるある波長域の光を反射する不透明層を蒸着により形成する第1表面処理工程と、
前記第1表面処理工程により前記不透明層が前記下面に形成された前記ある材料の内側面に、スパッタリングにより前記不透明層を形成する第2表面処理工程と、
を備えることを特徴とする外装部材の製造方法。
2 本体ケース(ある部材、ケース)
21a 嵌合部分(被対向部分)
22 座面(固定部分)
22a 凸部
26 時刻表示部
3 ベゼル(外装部材)
31 上面
32 下面
33 外側面
34 内側面
35 上側テーパ面
36 下側テーパ面
5 両面テープ
Ax 中心軸
L 不透明層
L1 不透明層(蒸着層)
L2 不透明層(スパッタリング層)
θ 傾斜角
Claims (10)
- 可視光を透過するある材料で形成され、
ある部材に対向する内面に、可視光に含まれるある波長域の光を反射する不透明層を有し、前記不透明層は前記内面と反対側の外面を介して視認可能である、
ことを特徴とする外装部材。 - 前記内面は、前記ある部材の被対向部分に対向する内側面と、前記ある部材の前記被対向部分とは異なる固定部分に固定される下面とを含み、
前記不透明層として、前記内側面にスパッタリング層を有し、前記下面に蒸着層を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の外装部材。 - 前記外面は外側面と上面を含み、
前記内面は、前記ある部材の固定部分に固定される下面を含み、
前記外側面と前記下面とがなす角部に面取りされた面取り面を有し、
前記面取り面に前記不透明層を有し、
前記下面に対する前記面取り面の傾斜角は、前記上面側からの光が前記面取り面において或る反射率で反射するような角度に予め設定されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の外装部材。 - 前記外装部材は、貫通孔を含む環状の形状を有し、
前記内面は、前記貫通孔を画成する内側面と、前記ある部材の固定部分に固定される下面とを含み、
前記貫通孔に前記ある部材の被対向部分が嵌合し、前記内側面が前記被対向部分に対向する、
ことを特徴とする請求項1に記載の外装部材。 - 前記ある材料はサファイアガラスである、
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の外装部材。 - 前記内面及び前記外面を含む全ての面が鏡面仕上げされている、
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の外装部材。 - 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の外装部材と、
時刻表示部を収容する、前記ある部材としてのケースと、を備える、
ことを特徴とする時計。 - 前記ケースは、前記外装部材の前記下面が帯状の部材により固定された前記固定部分を有し、
前記帯状の部材は、一方の面及び他方の面に接着層を有し、前記一方の面の前記接着層が前記外装部材の前記下面に接着され、かつ、前記他方の面の前記接着層が前記固定部分に接着されている、
ことを特徴とする、少なくとも請求項2から4のいずれか一項を引用する請求項7に記載の時計。 - 前記外装部材の前記外面は外側面を含み、
前記外装部材は、前記下面の外側の部分に、前記下面と前記外側面とに連なる面取り面を有し、
前記ケースは、前記外装部材の前記下面が固定された前記固定部分よりも外側の少なくとも一部分に、前記面取り面に対向するように突設された凸部と、を有する、
ことを特徴とする少なくとも請求項2又は請求項4を引用する請求項7に記載の時計。 - 可視光を透過するある材料を環状に形成する加工工程と、
前記加工工程により環状に形成された前記ある材料の下面に、可視光に含まれるある波長域の光を反射する不透明層を蒸着により形成する第1表面処理工程と、
前記第1表面処理工程により前記不透明層が前記下面に形成された前記ある材料の内側面に、スパッタリングにより前記不透明層を形成する第2表面処理工程と、
を備えることを特徴とする外装部材の製造方法。
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