JP2023066902A - 車両の動力伝達装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】動力伝達装置の動力負荷に起因して発生する駆動源の出力軸と従動機構の入力軸との軸線どうしの間のズレを抑制する。【解決手段】動力伝達装置10は、車両の動力を出力する出力軸1Bを備えた駆動源1と、出力軸1Bとスプライン係合する入力軸4を備えた従動機構2と、ケーシング1A,2Aに出力軸1Bおよび入力軸4のそれぞれを複数のベアリング9A,9B,9C,9Dを介して回転可能に支持する支持機構9と、を備えている。支持機構9において、無負荷状態でのベアリング9Dの相対位置は、仮想位置Cnに対して所定のオフセット量をずらした位置Caに調節されている。オフセット量は、駆動源1が所定の動力負荷を発生している運転領域において出力軸1Bの軸線と入力軸4の軸線との間に生じるズレが所定範囲内に収まるズレ量として設定されている。【選択図】図2
Description
本件は、車両の動力伝達装置に関する。
従来、モータやエンジンなどを駆動源とする車両において、駆動源の出力軸が変速機や減速機などの従動機構の入力軸に対してスプライン係合によって結合されて、出力軸から入力軸へ動力が伝達される動力伝達装置が知られる。
この動力伝達装置では、出力軸と入力軸とのそれぞれは駆動源及び従動機構のケーシングに内蔵された複数の軸受によって回転可能に支持されている。これらの軸受は、無負荷状態で出力軸と入力軸との軸線が直線状をなすように設けられている(下記特許文献1を参照)。
この動力伝達装置では、出力軸と入力軸とのそれぞれは駆動源及び従動機構のケーシングに内蔵された複数の軸受によって回転可能に支持されている。これらの軸受は、無負荷状態で出力軸と入力軸との軸線が直線状をなすように設けられている(下記特許文献1を参照)。
しかしながら、駆動源が高負荷を発生している高負荷運転領域では、駆動源の出力軸からの駆動トルクによる反力を受けて、従動機構の入力軸やケーシングを含む動力伝達装置全体に曲げや捩れが生じ、駆動源の出力軸の軸線に対して従動機構の入力軸の軸線にズレが生じることがある。特に駆動源の出力軸と従動機構の入力軸とがスプライン係合されたスプライン係合部近傍では、剛性が低いため大きなズレが生じやすい。
このような高負荷運転領域で生じるズレは、スプライン係合部に過大な負荷を与えて、スプライン係合部の摩耗や、動力伝達効率の低下、歯打ち音の発生などの問題を招くおそれがある。
このような高負荷運転領域で生じるズレは、スプライン係合部に過大な負荷を与えて、スプライン係合部の摩耗や、動力伝達効率の低下、歯打ち音の発生などの問題を招くおそれがある。
本件は、上記のような課題に鑑み創案されたものであり、駆動源の出力軸と従動機構の入力軸とがスプライン係合される動力伝達装置において、動力負荷に起因して発生する駆動源の出力軸と従動機構の入力軸との軸線どうしの間のズレを抑制することを目的の一つとする。
本件は、上記の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様又は適用例として実現できる。
(1)適用例に係る車両用の動力伝達装置は、車両の動力を出力する出力軸を備えた駆動源と、前記駆動源に対して隣接配置されており、前記出力軸とスプライン係合して前記駆動源からの動力が入力される入力軸を備えた従動機構と、前記駆動源および前記従動機構のケーシングに前記出力軸および前記入力軸のそれぞれを複数の軸受を介して回転可能に支持する支持機構と、を備えた車両の動力伝達装置である。
前記支持機構において、無負荷状態での前記複数の軸受どうしの相対位置は、前記出力軸の軸線と前記入力軸の軸線とが直線状をなす仮想位置に対して所定のオフセット量をずらした位置に調節されている。前記オフセット量は、前記駆動源が所定の動力負荷を発生している運転領域において前記出力軸の軸線と前記入力軸の軸線との間に生じるズレが所定範囲内に収まるズレ量として設定されている。
(1)適用例に係る車両用の動力伝達装置は、車両の動力を出力する出力軸を備えた駆動源と、前記駆動源に対して隣接配置されており、前記出力軸とスプライン係合して前記駆動源からの動力が入力される入力軸を備えた従動機構と、前記駆動源および前記従動機構のケーシングに前記出力軸および前記入力軸のそれぞれを複数の軸受を介して回転可能に支持する支持機構と、を備えた車両の動力伝達装置である。
前記支持機構において、無負荷状態での前記複数の軸受どうしの相対位置は、前記出力軸の軸線と前記入力軸の軸線とが直線状をなす仮想位置に対して所定のオフセット量をずらした位置に調節されている。前記オフセット量は、前記駆動源が所定の動力負荷を発生している運転領域において前記出力軸の軸線と前記入力軸の軸線との間に生じるズレが所定範囲内に収まるズレ量として設定されている。
(2)適用例に係る動力伝達装置において、前記車両が電動車両であり、前記駆動源が電動モータであってもよい。
(3)適用例に係る動力伝達装置において、前記運転領域は前記駆動源の発生している動力が高負荷な高負荷運転領域であってもよい。
(4)適用例に係る動力伝達装置において、前記所定範囲内に収まるズレ量とは、前記軸受の公差範囲内に収まるズレ量であってもよい。
(3)適用例に係る動力伝達装置において、前記運転領域は前記駆動源の発生している動力が高負荷な高負荷運転領域であってもよい。
(4)適用例に係る動力伝達装置において、前記所定範囲内に収まるズレ量とは、前記軸受の公差範囲内に収まるズレ量であってもよい。
適用例に係る動力伝達装置によれば、無負荷状態での前記複数の軸受どうしの相対位置が前記所定のオフセット量をずらした位置に調節されているので、前記駆動源が所定の動力負荷を発生している運転領域において前記動力負荷に起因して発生する前記出力軸と前記入力軸との軸線どうしの間のズレが吸収される。その結果、前記運転領域において前記出力軸と前記入力軸との軸線が略直線状になる。これにより、スプライン係合の摩耗や、動力伝達効率の低下、歯打ち音の発生などが解消される。
適用例に係る動力伝達装置によれば、無負荷状態での複数の軸受どうしの相対位置が所定のオフセット量をずらした位置に調節されているので、動力負荷に起因して発生する出力軸と入力軸との軸線どうしの間のズレを抑制することができる。
図面を参照して、本件の適用例に係る車両の動力伝達装置10について説明する。以下の適用例はあくまでも例示に過ぎず、この適用例で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。下記の適用例の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。また、下記の適用例の各構成は、必要に応じて取捨選択でき、あるいは公知技術に含まれる各種構成と適宜組み合わせられる。
図中、X方向は車両の前後方向に対応し、Y方向は車両の車幅方向に対応し、Z方向は、車両の上下方向に対応する。
図中、X方向は車両の前後方向に対応し、Y方向は車両の車幅方向に対応し、Z方向は、車両の上下方向に対応する。
[1.構成]
図1に示す動力伝達装置10は、例えば駆動源として電動モータ1が搭載された電動トラックやハイブリッドトラックなどの電動車両に適用され、図示しないフレームやボディに対して取り付けられる。
この動力伝達装置10は、車両に搭載されており、駆動トルクを出力する電動モータ1と、電動モータ1に隣接配置されており、電動モータ1から入力された駆動トルクを車輪に伝達するギヤボックス2(従動機構)とを備える。
電動モータ1のケーシングをなすモータケース1Aの内部には、駆動トルクをギヤボックス2側へ出力するためのモータシャフト1B(出力軸)が回転可能に支持されている。モータシャフト1Bは、電動モータ1の駆動トルクを出力する金属製の軸状部材であり、例えば車幅方向に延在するように配置されている。
図1に示す動力伝達装置10は、例えば駆動源として電動モータ1が搭載された電動トラックやハイブリッドトラックなどの電動車両に適用され、図示しないフレームやボディに対して取り付けられる。
この動力伝達装置10は、車両に搭載されており、駆動トルクを出力する電動モータ1と、電動モータ1に隣接配置されており、電動モータ1から入力された駆動トルクを車輪に伝達するギヤボックス2(従動機構)とを備える。
電動モータ1のケーシングをなすモータケース1Aの内部には、駆動トルクをギヤボックス2側へ出力するためのモータシャフト1B(出力軸)が回転可能に支持されている。モータシャフト1Bは、電動モータ1の駆動トルクを出力する金属製の軸状部材であり、例えば車幅方向に延在するように配置されている。
ギヤボックス2には、電動モータ1で生成される駆動トルクや回転数(角速度、回転速度)を変更するための複数のギヤ8(歯車、ギア)が含まれる。複数のギヤ8は、ギヤボックス2のケーシングをなすギヤボックスケース2Aの内部に収容される。
ギヤボックスケース2Aの内部には回転可能に支持された入力シャフト4(入力軸)と中間シャフト5と出力シャフト6とを備える。各シャフト4、5、6は、例えば車幅方向に延在するように互いに平行に配置される。
各シャフト4、5、6は、複数のギヤ8を介して所定の変速比(減速比)で駆動力を伝達するように構成された金属製の軸状部材である。入力シャフト4は、電動モータ1の駆動力が入力される入力軸である。出力シャフト6は、車輪に伝達される変速後の駆動力が出力される軸状部材である。中間シャフト5は、動力伝達経路において入力シャフト4と出力シャフト6との間に介装される。出力シャフト6から出力される変速後の駆動力は、差動機構(ディファレンシャル装置)に入力された後、ドライブシャフト7を介して左右の駆動輪に伝達される。
ギヤボックスケース2Aの内部には回転可能に支持された入力シャフト4(入力軸)と中間シャフト5と出力シャフト6とを備える。各シャフト4、5、6は、例えば車幅方向に延在するように互いに平行に配置される。
各シャフト4、5、6は、複数のギヤ8を介して所定の変速比(減速比)で駆動力を伝達するように構成された金属製の軸状部材である。入力シャフト4は、電動モータ1の駆動力が入力される入力軸である。出力シャフト6は、車輪に伝達される変速後の駆動力が出力される軸状部材である。中間シャフト5は、動力伝達経路において入力シャフト4と出力シャフト6との間に介装される。出力シャフト6から出力される変速後の駆動力は、差動機構(ディファレンシャル装置)に入力された後、ドライブシャフト7を介して左右の駆動輪に伝達される。
入力シャフト4の一端部(延在方向の一方側、図1中の右端側)とモータシャフト1Bの一端部(延在方向の他方側、図1中の左端側)との間には、入力シャフト4の一端部とモータシャフト1Bの一端部とをスプライン係合するスプライン係合部11が設けられる。
図1に示すスプライン係合部11では、入力シャフト4の一端部が雄部材をなし、モータシャフト1Bの一端部が雌部材をなす構成を例に挙げている。入力シャフト4の一端部外周面には軸方向に延在する複数のスプライン(凸条)が形成される。これに対応するように、モータシャフト1Bの一端部内周面にはその軸方向に延在する複数のスプライン溝(凹溝)が形成される。これらのスプライン及びスプライン溝を嵌合させながらモータシャフト1Bを入力シャフト4の軸方向に沿って滑動させることで、モータシャフト1B及び入力シャフト4のスプライン係合が実現される。
図1に示すスプライン係合部11では、入力シャフト4の一端部が雄部材をなし、モータシャフト1Bの一端部が雌部材をなす構成を例に挙げている。入力シャフト4の一端部外周面には軸方向に延在する複数のスプライン(凸条)が形成される。これに対応するように、モータシャフト1Bの一端部内周面にはその軸方向に延在する複数のスプライン溝(凹溝)が形成される。これらのスプライン及びスプライン溝を嵌合させながらモータシャフト1Bを入力シャフト4の軸方向に沿って滑動させることで、モータシャフト1B及び入力シャフト4のスプライン係合が実現される。
モータシャフト1Bは、一端部に設けられたベアリング9Aと他端部(延在方向の一方側、図1中の右端側)に設けられたベアリング(軸受)9Bとを介してモータケース1Aに支持される。また、入力シャフト4は、一端部に設けられたベアリング9Cと他端部(延在方向の他方側、図1中の左端側)に設けられたベアリング9Dとを介してギヤボックスケース2Aに支持される。これらのベアリング9A,9B,9C,9Dがモータシャフト1Bおよび入力シャフト4を回転可能に支持する支持機構9をなす。
ベアリング9A,9B,9C,9Dとして適用されるベアリングの形状は特に限定されないが、モータシャフト1Bや、入力シャフト4の取付時の傾きを吸収しやすいという点で、「転がり軸受け」が適していると言える。
なお、中間シャフト5と出力シャフト6とのそれぞれもベアリングを介してギヤボックスケース2Aの内部に支持される。
ベアリング9A,9B,9C,9Dとして適用されるベアリングの形状は特に限定されないが、モータシャフト1Bや、入力シャフト4の取付時の傾きを吸収しやすいという点で、「転がり軸受け」が適していると言える。
なお、中間シャフト5と出力シャフト6とのそれぞれもベアリングを介してギヤボックスケース2Aの内部に支持される。
本実施形態の支持機構9において、無負荷状態でのベアリング9A,9B,9C,9Dどうしの相対位置は、仮想位置に対して所定のオフセット量をずらした位置に調節される。
本実施形態の支持機構9では、ベアリング9A,9B,9C,9Dのうち、入力シャフト4の他端部に対応して設けられたベアリング9Dの位置を、仮想位置に対して所定のオフセット量だけずらして配置する場合を例に挙げる。この場合、ベアリング9A,9B,9C,9Dのうち、ベアリング9A,9B,9Cは仮想位置に対応する位置に配置される。
本実施形態の支持機構9では、ベアリング9A,9B,9C,9Dのうち、入力シャフト4の他端部に対応して設けられたベアリング9Dの位置を、仮想位置に対して所定のオフセット量だけずらして配置する場合を例に挙げる。この場合、ベアリング9A,9B,9C,9Dのうち、ベアリング9A,9B,9Cは仮想位置に対応する位置に配置される。
無負荷状態とは、電動モータ1が動力を発生しておらず動力伝達装置10に負荷が生じていない状態である。
仮想位置とは、モータシャフト1Bの軸線と入力シャフト4の軸線とが直線状をなす配置として想定されたベアリング9A,9B,9C,9Dの仮想的な位置である。この仮想位置でベアリング9A,9B,9C,9Dは、一直線状をなすモータシャフト1B及び入力シャフト4の各軸線と同軸上(一直線上)に配置される。
仮想位置とは、モータシャフト1Bの軸線と入力シャフト4の軸線とが直線状をなす配置として想定されたベアリング9A,9B,9C,9Dの仮想的な位置である。この仮想位置でベアリング9A,9B,9C,9Dは、一直線状をなすモータシャフト1B及び入力シャフト4の各軸線と同軸上(一直線上)に配置される。
上記の所定のオフセット量は、電動モータ1が所定の動力負荷を発生している運転領域においてモータシャフト1Bの軸線と入力シャフト4の軸線との間に生じるズレが所定範囲内に収まるズレ量として設定された所定値である。
モータシャフト1Bと入力シャフト4の軸線との間に生じるズレの例として、モータシャフト1Bの軸線に対する入力シャフト4の軸線の角度ズレが挙げられる。このズレは、電動モータ1が所定の動力負荷を発生している状況で生じる動的なズレであり、車両の前後方向、車幅方向および上下方向の三次元的に生じる。
モータシャフト1Bと入力シャフト4の軸線との間に生じるズレの例として、モータシャフト1Bの軸線に対する入力シャフト4の軸線の角度ズレが挙げられる。このズレは、電動モータ1が所定の動力負荷を発生している状況で生じる動的なズレであり、車両の前後方向、車幅方向および上下方向の三次元的に生じる。
電動モータ1が所定の動力負荷を発生している運転領域とは、上記のズレを生じうる動力負荷を電動モータ1が発生している運転領域である。この運転領域の一例として、高負荷運転領域が挙げられる。本明細書で高負荷運転領域は、電動モータ1が所定の駆動トルクよりも大きい高負荷を発生している状態である。
高負荷運転領域では、モータシャフト1Bからの駆動トルクによる反力を受けて、入力シャフト4や,モータケース1A,ギヤボックスケース2Aを含む動力伝達装置10全体に曲げや捩れが生じ、上記のズレが生じやすい。そのため、高負荷運転領域で生じるズレを抑制する観点から、高負荷運転領域で生じるズレのズレ量に基づき所定のオフセット量が設定される。
高負荷運転領域では、モータシャフト1Bからの駆動トルクによる反力を受けて、入力シャフト4や,モータケース1A,ギヤボックスケース2Aを含む動力伝達装置10全体に曲げや捩れが生じ、上記のズレが生じやすい。そのため、高負荷運転領域で生じるズレを抑制する観点から、高負荷運転領域で生じるズレのズレ量に基づき所定のオフセット量が設定される。
高負荷運転領域(電動モータ1が所定の動力負荷を発生している運転領域)で生じるズレ量は、シミュレーションや実験によって特定される。ここで、高負荷運転領域は、車両の運転中に使用頻度の高い高負荷運転領域として想定される運転領域であり、駆動トルクの大きさや、駆動トルクの方向などの条件により規定され得る。
使用頻度の高い高負荷運転領域の一例として、電動モータ1が200[N・m]の駆動トルクを発生している運転領域を挙げることができる。
使用頻度の高い高負荷運転領域の一例として、電動モータ1が200[N・m]の駆動トルクを発生している運転領域を挙げることができる。
所定のオフセット量は、上記のように特定した高負荷運転領域で生じるズレ量を、所定範囲内に収まる小さなズレに相殺するものであり、発生頻度の高い高負荷運転領域で生じるズレに最適化したオフセット量と言える。
上記の所定範囲とは、高負荷運転領域で生じるズレとして許容しうるズレ量の範囲として設定される。この所定範囲は、例えばベアリング9A,9B,9C,9Dで許容されるズレの範囲として規定された公差範囲である。
上記の所定範囲とは、高負荷運転領域で生じるズレとして許容しうるズレ量の範囲として設定される。この所定範囲は、例えばベアリング9A,9B,9C,9Dで許容されるズレの範囲として規定された公差範囲である。
図2は、ベアリング9Dを所定のオフセット量だけずらした配置の説明図であって、車幅方向から視たベアリング9Dの中心位置Caを模式的に描いている。
図2において、符号「Cn」は仮想位置に対応するベアリングの中心位置を示す。符号Dで示す矢印は、上記のように特定した高負荷運転領域でのズレ量を仮想位置に対する変位量および角度で示している。
図2において、符号「Cn」は仮想位置に対応するベアリングの中心位置を示す。符号Dで示す矢印は、上記のように特定した高負荷運転領域でのズレ量を仮想位置に対する変位量および角度で示している。
ベアリング9Dの中心位置Caは、電動モータ1の無負荷状態におけるベアリング9Dの中心位置であって、仮想位置Cnに対して所定のオフセット量だけずらした位置に対応している。
図2に例示するオフセット量は、ベアリング9Dの中心位置を仮想位置Cnに対して車両の前後方向(X方向)に「X1」、車両の上下方向(Z方向)に「Z1」だけ変位させる量である。すなわち、ベアリング9Dの中心位置Caは、仮想位置Cnに対してズレ量Dに対応する変位量および変位角度だけずれた位置に調節される。
言い換えれば、本実施形態の支持機構9では、ベアリング9Dの中心位置Caは、無負荷状態において仮想位置Cnに対して、特定したズレ量Dに対応する所定のオフセット量だけ半径方向にずれた位置に配置される。他のベアリング9A,9B,9Cの中心位置は仮想位置Cnに対応する位置に配置される。
図2に例示するオフセット量は、ベアリング9Dの中心位置を仮想位置Cnに対して車両の前後方向(X方向)に「X1」、車両の上下方向(Z方向)に「Z1」だけ変位させる量である。すなわち、ベアリング9Dの中心位置Caは、仮想位置Cnに対してズレ量Dに対応する変位量および変位角度だけずれた位置に調節される。
言い換えれば、本実施形態の支持機構9では、ベアリング9Dの中心位置Caは、無負荷状態において仮想位置Cnに対して、特定したズレ量Dに対応する所定のオフセット量だけ半径方向にずれた位置に配置される。他のベアリング9A,9B,9Cの中心位置は仮想位置Cnに対応する位置に配置される。
[2.作用及び効果]
図3(a),(b)は、高負荷運転領域で生じる軸線どうしのズレを説明する模式図である。図3(a),(b)において、実線は無負荷状態におけるモータシャフト1Bおよび入力シャフト4の軸線を示しており、破線は高負荷運転領域におけるモータシャフト1Bおよび入力シャフト4の軸線を示す。また、黒丸はベアリング9A,9B,9C,9Dを示す。
図3(a),(b)は、高負荷運転領域で生じる軸線どうしのズレを説明する模式図である。図3(a),(b)において、実線は無負荷状態におけるモータシャフト1Bおよび入力シャフト4の軸線を示しており、破線は高負荷運転領域におけるモータシャフト1Bおよび入力シャフト4の軸線を示す。また、黒丸はベアリング9A,9B,9C,9Dを示す。
図3(a)は、実線で示す無負荷状態においてモータシャフト1Bおよび入力シャフト4の軸線が直線状をなす従来技術の構造を示す。この場合、無負荷運転状態で、モータシャフト1Bと入力シャフト4との軸線が略一直線となるようベアリング9A,9B,9C,9Dの相対位置が設定される。このようにベアリング9A,9B,9C,9Dの相対位置が設定された動力伝達装置10において、電動モータ1の駆動トルクが高負荷となる高負荷運転領域では動力負荷に起因して生じたズレによりモータシャフト1Bおよび入力シャフト4の軸線が、破線で示すように「ヘの字型」(非直線状)にずれてしまう。「ヘの字型」にずれたモータシャフト1Bの軸線と入力シャフト4の軸線とは、一直線上に位置しない。
そのため、高負荷運転領域ではスプライン係合部11で過大な負荷が生じて、スプライン係合部の摩耗や、動力伝達効率の低下、歯打ち音の発生などの問題を招くおそれがある。
そのため、高負荷運転領域ではスプライン係合部11で過大な負荷が生じて、スプライン係合部の摩耗や、動力伝達効率の低下、歯打ち音の発生などの問題を招くおそれがある。
これに対して、本実施形態の図3(b)では、ベアリング9Dの相対位置が他のベアリング9A,9B,9Cに対して所定のオフセット量だけずれて配置されている。この場合、実線で示す無負荷状態においてモータシャフト1Bの軸線に対して入力シャフト4の軸線がオフセット量の分だけ予め角度をもって(への字型に、非直線状に)配置される。そのため、高負荷運転領域で生じたモータシャフト1Bの軸線に対する入力シャフト4の軸線のズレが吸収される。その結果、高負荷運転領域ではモータシャフト1Bおよび入力シャフト4の軸線が、破線で示すように略直線状をなす。
よって、高負荷運転領域(電動モータ1が所定の動力負荷を発生している運転領域)において、動力負荷に起因して発生するモータシャフト1Bおよび入力シャフト4の軸線どうしの間に生じるズレを抑制できる。その結果、スプライン係合部11への負荷が抑制されるので、スプライン係合部11の摩耗や、打ち音の発生などの問題を低減することや、動力伝達効率を向上することができる。
なお、図3(a),(b)では、説明のために極端に拡大した図を用いたが、実際には中心位置Caと仮想位置Cnとの距離は、例えば、ベアリング9C,9D間の長さ150[mm]に対して数[μm]程度である。
また、無負荷状態や高負荷運転領域に満たない低負荷運転領域では、スプライン係合部11への負荷が小さいため、モータシャフト1Bの軸線に対して入力シャフト4の軸線がオフセット量の分だけ予め角度をもって配置されていても、スプライン係合部11への影響は無視しうるほど小さい。
なお、図3(a),(b)では、説明のために極端に拡大した図を用いたが、実際には中心位置Caと仮想位置Cnとの距離は、例えば、ベアリング9C,9D間の長さ150[mm]に対して数[μm]程度である。
また、無負荷状態や高負荷運転領域に満たない低負荷運転領域では、スプライン係合部11への負荷が小さいため、モータシャフト1Bの軸線に対して入力シャフト4の軸線がオフセット量の分だけ予め角度をもって配置されていても、スプライン係合部11への影響は無視しうるほど小さい。
本実施形態の動力伝達装置10は、駆動源として電動モータ1を備える電動車両に適用されている。電動モータ1は、エンジンに比べて高回転で運転されるため、スプライン係合部11における摩耗の早期化、摩耗に起因した歯打ち音も大きくなる傾向がある。そのため、本実施形態の動力伝達装置10は、特に駆動源として電動モータ1を備える電動車両に対して適用された場合、スプラインの摩耗や歯打ち音等の問題や動力伝達効率の低下の問題が低減や、動力伝達効率を向上に資する。
本実施形態の動力伝達装置10は、高負荷運転領域においてモータシャフト1Bおよび入力シャフト4の軸線どうしの間に生じるズレを抑制できる。高負荷運転領域は、特にスプライン係合部11に大きい負荷が発生しやすいため、高負荷運転領域でズレを抑制できる本実施形態の動力伝達装置10は、スプラインの摩耗や歯打ち音等の問題や動力伝達効率の低下の問題が低減や、動力伝達効率を向上に資する。
また、本実施形態の動力伝達装置10では、オフセット量は、高負荷運転領域で生じたズレがベアリング9Dの公差範囲内に収まるズレ量として設定されるので、高負荷運転領域で生じたズレによるスプライン係合部11への影響をより確実に抑制できる。
また、本実施形態の動力伝達装置10では、オフセット量は、高負荷運転領域で生じたズレがベアリング9Dの公差範囲内に収まるズレ量として設定されるので、高負荷運転領域で生じたズレによるスプライン係合部11への影響をより確実に抑制できる。
[3.その他]
上記の適用例では、支持機構9では、ベアリング9Dの位置を仮想位置に対して所定のオフセット量だけ調節し、他のベアリング9A,9B,9Cは仮想位置に対応する位置に配置される構造を例示したが、支持機構9の具体的な構成はこれに限定されない。例えば、4つのベアリング9A,9B,9C,9Dのうちいずれのベアリングの位置を、仮想位置に対して所定のオフセット量だけ調節してもよい。また、4つのベアリング9A,9B,9C,9Dのうち複数のベアリングの相対的位置を調節してもよい。この場合も、上記の適用例と同様の作用、効果を奏することができる。
上記の適用例では、動力伝達装置10が駆動源として電動モータ1を備える電動車両に対して適用された場合を例示したが、動力伝達装置10は、駆動源としてエンジンを備える車両に適用されてもよい。この場合も、上記の適用例と同様の作用、効果を奏することができる。
上記の適用例では、支持機構9では、ベアリング9Dの位置を仮想位置に対して所定のオフセット量だけ調節し、他のベアリング9A,9B,9Cは仮想位置に対応する位置に配置される構造を例示したが、支持機構9の具体的な構成はこれに限定されない。例えば、4つのベアリング9A,9B,9C,9Dのうちいずれのベアリングの位置を、仮想位置に対して所定のオフセット量だけ調節してもよい。また、4つのベアリング9A,9B,9C,9Dのうち複数のベアリングの相対的位置を調節してもよい。この場合も、上記の適用例と同様の作用、効果を奏することができる。
上記の適用例では、動力伝達装置10が駆動源として電動モータ1を備える電動車両に対して適用された場合を例示したが、動力伝達装置10は、駆動源としてエンジンを備える車両に適用されてもよい。この場合も、上記の適用例と同様の作用、効果を奏することができる。
1 電動モータ(駆動源)
1A モータケース
1B モータシャフト(出力軸)
2 ギヤボックス(従動機構)
2A ギヤボックスケース
4 入力シャフト
5 中間シャフト
6 出力シャフト
7 ドライブシャフト
8 ギヤ
9 支持機構
9A,9B,9C,9D ベアリング(軸受)
10 動力伝達装置
11 スプライン係合部
Ca :中心位置
Cn :仮想位置
D :ズレ量
1A モータケース
1B モータシャフト(出力軸)
2 ギヤボックス(従動機構)
2A ギヤボックスケース
4 入力シャフト
5 中間シャフト
6 出力シャフト
7 ドライブシャフト
8 ギヤ
9 支持機構
9A,9B,9C,9D ベアリング(軸受)
10 動力伝達装置
11 スプライン係合部
Ca :中心位置
Cn :仮想位置
D :ズレ量
Claims (4)
- 車両の動力を出力する出力軸を備えた駆動源と、
前記駆動源に対して隣接配置されており、前記出力軸とスプライン係合して前記駆動源からの動力が入力される入力軸を備えた従動機構と、
前記駆動源および前記従動機構のケーシングに前記出力軸および前記入力軸のそれぞれを複数の軸受を介して回転可能に支持する支持機構と、を備えた車両の動力伝達装置であって、
前記支持機構において、無負荷状態での前記複数の軸受どうしの相対位置は、前記出力軸の軸線と前記入力軸の軸線とが直線状をなす仮想位置に対して所定のオフセット量をずらした位置に調節されており、
前記オフセット量は、前記駆動源が所定の動力負荷を発生している運転領域において前記出力軸の軸線と前記入力軸の軸線との間に生じるズレが所定範囲内に収まるズレ量として設定された
ことを特徴とする車両の動力伝達装置。 - 前記車両は電動車両であって、前記駆動源が電動モータである
ことを特徴とする請求項1に記載の車両の動力伝達装置。 - 前記運転領域は、前記駆動源の発生している動力が高負荷な高負荷運転領域である
ことを特徴とする請求項1または2に記載の車両の動力伝達装置。 - 前記所定範囲内に収まるズレ量とは、前記軸受の公差範囲内に収まるズレ量である
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の車両の動力伝達装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2021177758A JP2023066902A (ja) | 2021-10-29 | 2021-10-29 | 車両の動力伝達装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| JP2021177758A JP2023066902A (ja) | 2021-10-29 | 2021-10-29 | 車両の動力伝達装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2023066902A true JP2023066902A (ja) | 2023-05-16 |
Family
ID=86326747
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2021177758A Pending JP2023066902A (ja) | 2021-10-29 | 2021-10-29 | 車両の動力伝達装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2023066902A (ja) |
-
2021
- 2021-10-29 JP JP2021177758A patent/JP2023066902A/ja active Pending
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