JP2023075868A - 穀粉加熱食品用加熱処理大豆皮の製造方法、及び穀粉加熱食品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】大豆皮を加熱処理する工程を含む穀粉加熱食品用加熱処理大豆皮の製造方法であって、前記加熱処理が、加熱処理後の大豆皮の乾燥重量中の水溶性食物繊維の含有量を8~15質量%にし、且つ加熱処理後の大豆皮のCIELAB表色系のL値を65以上にする条件であることを特徴とする製造方法、並びに本発明の製造方法によって製造された穀粉加熱食品用加熱処理大豆皮、及び穀粉を用いる穀粉加熱食品の製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明の穀粉加熱食品用加熱処理大豆皮の製造方法は、大豆皮を加熱処理する工程を含み、前記加熱処理が、加熱処理後の大豆皮の乾燥重量中の水溶性食物繊維の含有量を8~15質量%にし、且つ加熱処理後の大豆皮のCIELAB表色系のL値を65以上にする条件であることを特徴とする。従来技術に示した通り、大豆皮を加熱処理することで食品に利用する適性の向上を図ることは知られていた。しかしながら、加熱処理条件によって、加熱処理大豆皮中の水溶性食物繊維の含有量を制御することは検討されてこなかった。本発明者らは、大豆皮の加熱処理条件が、大豆皮中の水溶性食物繊維の含有量を上記範囲にし、且つL値を上記以上にする条件であれば、穀粉加熱食品に用いる際、大豆のえぐみがなく、良好な風味を有し、且つ良好な食感や二次加工性を付与する加熱処理大豆皮とすることができることを見出した。後述する実施例で示す通り、加熱処理大豆皮であっても、水溶性食物繊維の含有量が上記範囲から外れる場合は、本発明の効果は得られない。また、加熱処理によってL値が上記範囲より低くなる場合は、良好な風味を有する加熱処理大豆皮とすることができない。なお、CIELAB表色系のL値は、公知の手法を用いて色差計により測定された穀物外皮加工品の明度を示す値をいう。L値は0から100までの数値で表され、L値0は黒、L値100は白を意味する。色差計としては、例えば、分光測色計CM-5(コニカミノルタ株式会社)を用いることができる。
本発明の穀粉加熱食品の製造方法は、本発明の製造方法によって製造された穀粉加熱食品用加熱処理大豆皮、及び穀粉を用いる。本発明の製造方法によって製造された穀粉加熱食品用加熱処理大豆皮は、上述の通り、大豆のえぐみがなく、良好な風味を有し、良好な食感や二次加工性を付与することができるので、穀粉加熱食品に用いることで、良好な製品を作業性良く製造することができる。後述する実施例で示す通り、本発明の製造方法によって製造された穀粉加熱食品用加熱処理大豆皮は、穀粉加熱処理食品の種類によっては、特に食感改良効果が得られる。本発明の穀粉加熱食品の製造方法に用いる穀粉加熱食品用加熱処理大豆皮の量は、良好な穀粉加熱食品を製造することができれば、特に制限はない。穀粉加熱食品用加熱処理大豆皮の量は、前記穀粉及び穀粉加熱食品用加熱処理大豆皮の合計100質量部に対して、通常0.1~22質量部、好ましくは0.1~20質量部、より好ましくは0.5~18質量部、さらに好ましくは1~16.5質量部、特に好ましくは4~12質量部である。
本発明は、本発明の穀粉加熱食品の製造方法に用いる穀粉加熱食品用ミックスの製造方法であって、本発明の製造方法によって製造された穀粉加熱食品用加熱処理大豆皮を用いる穀粉加熱食品用ミックスの製造方法にも関する。これにより、本発明の穀粉加熱食品の製造方法を容易に実施することができる穀粉加熱食品用ミックスが得られる。本発明の製造方法によって製造される穀粉加熱食品用ミックスは、そのまま本発明の穀粉加熱食品の製造に用いることができるプレミックスの形態であってもよく、所定量の穀粉と混合することで本発明の穀粉加熱食品の製造に用いることができるベースミックスの形態であってもよい。本発明の穀粉加熱食品用ミックスの製造方法においては、本発明の効果を損なわない限り、上記の穀粉加熱食品用加熱処理大豆皮以外に、穀粉加熱食品の種類に応じて、その製造に用いられる上述の穀粉、及びその他の材料を適宜用いることができる。本発明の穀粉加熱食品用ミックスの製造方法における工程は、常法に従って実施することができる。
1.加熱処理大豆皮の調製及び評価
大豆油製造時における脱皮工程で得られた大豆皮(自社調製品)である製造例1-1(乾燥重量中の総食物繊維の含有量84.2質量%)、製造例2-1(乾燥重量中の総食物繊維の含有量75.2質量%)を、種々の加熱処理条件で加熱処理を行い、加熱前の未処理大豆皮、及び加熱処理大豆皮の水溶性食物繊維の質量、CIELAB表色系のL値の測定、及び官能評価を行った。製造例1-1の大豆皮を原料とした加熱処理大豆皮の結果を表1、製造例2-1の大豆皮を原料とした加熱処理大豆皮の結果を表2に示した。なお、加熱処理条件、粉砕・篩分け方法、各分析値の測定方法、及び官能評価方法は以下の通りである。
(1)加熱処理条件
(i)焙煎
大豆皮をコーヒーミルにて細かく粉砕し、回転式焙煎機ロータリーシェフRCD-1T(クマノ厨房工業株式会社)に投入して、表1、2に示した温度及び時間で加熱処理を行った。なお、処理時間は、品温が所定の温度に達してからの時間である。なお、製造例1-5は特許文献2に従った条件であり、所定の温度に達した後、大豆皮100質量部に対して水15質量部を散水し、所定の温度及び時間で加熱処理を行った。
(ii)オーブン
天板にオーブンシートを敷き、大豆皮30gを広げ、オーブンTOU431SUUU-SSP-MS6-M-ODR-N(戸倉商事株式会社)にセットし、表1、2に示した温度及び時間に設定し、加熱処理を行った。
(iii)マイクロ波(MW)
直径22cmの丸皿にオーブンシートを敷き、大豆皮30gを広げ、電子レンジNE-1902S(パナソニック株式会社)で、表1、2に示した時間加熱した。なお、加熱は30秒毎に止めて軽く混ぜた。
(iv)過熱水蒸気
大豆皮50gを秤量し、スチームオーブンQF-5100CB-R(L)(直本工業株式会社)を用いて、表1に示した温度及び時間加熱した。
(2)粉砕・篩分け
未処理大豆皮及び上記方法で加熱処理した大豆皮は、微粉砕機コロプレックス160Z(槇野産業株式会社)で粉砕し、目開き500μmの篩を用いてふるい分け、篩下の粉体を試験に用いた。
(3)水溶性食物繊維及び総食物繊維の質量
水溶性食物繊維及び総食物繊維の質量は、プロスキー変法(AOAC公定法991.43)で測定した。
(4)CIELAB表色系のL値
CIELAB表色系のL値は、分光測色計CM-5(コニカミノルタ株式会社)を用いて測定した。
(5)官能評価
加熱処理後の加熱処理大豆皮を試食し、5名の専門パネルの合議により、下記の評価基準で評価した。
5:えぐみを感じず非常に良好
4:えぐみをほとんど感じず良好
3:わずかにえぐみを感じる程度でやや良好
2:えぐみまたは焦げによる苦味を感じる
1:強いえぐみまたは焦げによる強い苦味を感じる
上記で調製した加熱処理大豆皮の穀粉加熱食品への適性を評価するため、種々の穀粉加熱食品を調製した。
(1)パンの調製
穀粉加熱食品として、パンを選定し、以下の方法で調製した。
(i)表3、4に示した配合で、各製造例の加熱処理大豆皮を含むミックスを調製した(合計290g)。
(ii)ホームベーカリーSD-BMS106(パナソニック株式会社)に、(i)で調製したミックス、ドライイースト(日清スーパーカメリヤドライイースト;日清フーズ株式会社)3g、水180mL投入し、食パンコースにてパンを調製した。
(2)パンの評価
製造翌日に、喫食した際の食感及び風味を、5名の専門パネルの合議により、下記の評価基準で評価した。結果を表3、4に示した。
(i)食感
5:ソフトでしっとりとした食感で、非常に良い
4:ソフトでややしっとりとした食感で、良い
3:しっとりとした食感がややあり、やや良い
2:しっとりとした食感にやや欠ける
1:しっとりとした食感がない
(ii)風味
5:えぐみを感じず非常に良好
4:えぐみをほとんど感じず良好
3:わずかにえぐみを感じる程度でやや良好
2:えぐみまたは焦げによる苦味を感じる
1:強いえぐみまたは焦げによる強い苦味を感じる
穀粉加熱食品として、ビスケットを選定し、以下の方法で調製した。
(i)表5、6に示した配合で、生地を調製した。具体的には、ミキサーに、マーガリン、グラニュー糖、食塩を投入し、ビーターを使って中速2分、かき落とし、中速1分の条件で混捏した。次いで、液全卵を加えながら中速で3~4分混捏し、小麦粉、大豆皮、膨張剤を加えて低速で1分攪拌してビスケット生地を得た。
(ii)生地を薄く延ばした後、冷凍庫(-18℃)で約2時間休ませた。硬くなった生地を練り直し、厚さ4mmになるまで再度伸ばして直径5.5cmの型で抜き、オーブンで180℃、15分間焼成した。
(4)ビスケットの評価
得られたビスケットについて、二次加工性及び喫食した際の風味を、5名の専門パネルの合議により、下記の評価基準で評価した。結果を表5、6に示した。
(i)二次加工性
5:生地がまとまりやすく、非常に良い
4:生地がややまとまりやすく、良い
3:生地がまとまり、やや良い
2:生地がまとまりにくい
1:生地がまとまらない
(ii)風味
5:えぐみを感じず非常に良好
4:えぐみをほとんど感じず良好
3:わずかにえぐみを感じる程度でやや良好
2:えぐみまたは焦げによる苦味を感じる
1:強いえぐみまたは焦げによる強い苦味を感じる
穀粉加熱食品として、中華麺を選定し、以下の方法で調製した
(i)横型ピンミキサーを用いて、表7に示した配合の中力粉、大豆皮の合計100質量部、食塩1質量部、粉末かんすい1質量部、アルコール製剤2質量部、水36質量部の割合で混合した後、15分間ミキシングし、生地を作製した。作製した生地を、ロール式製麺機にて圧延してから切り出し(切り刃:角20番)、麺線の厚みが1.5mmの生麺を製造した。得られた生麺は、冷蔵庫にて2日間熟成させた。
(ii)熟成させた後、沸騰水中で3分間茹で、温かいスープ(醤油ラーメンスープ:株式会社創味食品)に入れて喫食した。
(6)中華麺の評価
中華麺は、喫食した際の食感及び風味を、5名の専門パネルの合議により、下記の評価基準で評価した。結果を表7に示した。
(i)食感
5:粘弾性が強く、非常に良い
4:粘弾性がやや強く、良い
3:粘弾性がわずかに強く、やや良い
2:粘弾性が弱い
1:粘弾性が非常に弱い
(ii)風味
5:えぐみを感じず非常に良好
4:えぐみをほとんど感じず良好
3:わずかにえぐみを感じる程度でやや良好
2:えぐみまたは焦げによる苦味を感じる
1:強いえぐみまたは焦げによる強い苦味を感じる
穀粉加熱食品として、天ぷらを選定し、以下の方法で調製した。
(i)表8に示す材料を混合し、天ぷら用衣組成物を調製し、加水160%でバッターを調製した。
(ii)約17g/尾のえび(26/30サイズ)に、各天ぷら用衣組成物を打ち粉としてまぶした後、各バッターを付着させ、175℃で2分30秒間油ちょうした。
(8)天ぷらの評価
得られた天ぷらについて、喫食した際の食感及び風味を、5名の専門パネルの合議により、下記の評価基準で評価した。結果を表8に示した。
(i)食感
5:衣が硬く、歯切れが非常に良い
4:衣がやや硬く、歯切れが良い
3:衣がわずかに硬く、歯切れがやや良い
2:衣が柔らかく、歯切れが悪い
1:衣が柔らかく、歯切れが非常に悪い
(ii)風味
5:えぐみを感じず非常に良好
4:えぐみをほとんど感じず良好
3:わずかにえぐみを感じる程度でやや良好
2:えぐみまたは焦げによる苦味を感じる
1:強いえぐみまたは焦げによる強い苦味を感じる
Claims (8)
- 大豆皮を加熱処理する工程を含む穀粉加熱食品用加熱処理大豆皮の製造方法であって、
前記加熱処理が、加熱処理後の大豆皮の乾燥重量中の水溶性食物繊維の含有量を8~15質量%にし、且つ加熱処理後の大豆皮のCIELAB表色系のL値を65以上にする条件であることを特徴とする製造方法。 - 前記加熱処理が、加熱処理後の大豆皮の総食物繊維の質量に対する水溶性食物繊維の質量の割合を、9.4~18%にする条件である請求項1に記載の製造方法。
- 前記加熱処理が、加熱処理後の大豆皮の乾燥重量中の水溶性食物繊維の含有量を、加熱処理前の大豆皮の乾燥重量中の水溶性食物繊維の含有量から、0.5~7質量%増加させる条件である請求項1又は2に記載の製造方法。
- 前記加熱処理が、乾熱加熱処理、マイクロ波加熱処理、及び過熱水蒸気処理からなる群から選択される1種以上の加熱処理である請求項1~3のいずれか1項に記載の製造方法。
- 請求項1~4のいずれか1項に記載の製造方法によって製造された穀粉加熱食品用加熱処理大豆皮、及び穀粉を用いる穀粉加熱食品の製造方法。
- 前記穀粉加熱食品用加熱処理大豆皮を、前記穀粉100質量部に対して0.1~22質量部用いる請求項5に記載の穀粉加熱食品の製造方法。
- 前記穀粉加熱食品が、ベーカリー製品、麺類、又は揚げ物である請求項5又は6に記載の穀粉加熱食品の製造方法。
- 請求項5~7のいずれか1項に記載の穀粉加熱食品の製造方法に用いる穀粉加熱食品用ミックスの製造方法であって、
請求項1~4のいずれか1項に記載の製造方法によって製造された穀粉加熱食品用加熱処理大豆皮を用いる製造方法。
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| JPH104904A (ja) * | 1996-04-26 | 1998-01-13 | Fuji Oil Co Ltd | 飲食用素材及びその製造法 |
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