JP2023091902A - 人工核酸モノマーの製造方法 - Google Patents

人工核酸モノマーの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、新たなdDsアミダイトの製造方法を提供する事を目的とする。【解決手段】(1)溶媒中、トリフルオロ酢酸のアミン塩の存在下、7-(2-チエニル)-3-[2'-デオキシ-5'-O-(4,4'-ジメトキシトリチル)-β-D-リボフラノシル]-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジンと、2-シアノエチル テトライソプロピルホスホロジアミダイトとを反応させる工程を含む、7-(2-チエニル)-3-[2'-デオキシ-5'-O-(4,4'-ジメトキシトリチル)-β-D-リボフラノシル]-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン 2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルホスホルアミダイトの製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、人工核酸モノマーの製造方法に関する。
アミダイトモノマーは、DNAオリゴマーの原料として用いられる。DNAオリゴマーは、遺伝子増幅解析(PCR)等に用いられ、核酸医薬としても注目されている。
遺伝子増幅診断用途では、極少量のDNAオリゴマーを鋳型として用いる。
一方、核酸医薬用途では、アミダイトモノマーから化学合成でオリゴ核酸化を行う。オリゴ核酸化は、通常、固相合成法に依る伸長反応が主流であり、一塩基当たりの伸長に対して、過剰のアミダイトモノマーを要し、アミダイトモノマーをグラム~キログラムの単位で、供給が必要となる。その理由で、原料と成るアミダイトモノマーの大量供給方法が求められている。
特許文献1は、先ず、1H-テトラゾールのアセトニトリル溶液中で、7-(2-チエニル)-3-[2'-デオキシ-5'-O-(4,4'-ジメトキシトリチル)-β-D-リボフラノシル]-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジンと2-シアノエチル テトライソプロピルホスホロジアミダイトとを室温で反応させて、次いで、フラッシュシリカゲルクロマトグラフィーを用いて精製し、7-(2-チエニル)-3-[2'-デオキシ-5'-O-(4,4'-ジメトキシトリチル)-β-D-リボフラノシル]-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン 2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルホスホルアミダイト(dDsアミダイト)を得た事を開示している。
非特許文献1は、沈殿法に依り、ヌクレオシドホスホルアミダイトの2'-O-メトキシエチル(MOE)誘導体の製造方法を開示している。
国際公開番号WO2007/066737
Organic Process Research & Development 2005, 9, 730-737
本発明は、新たなdDsアミダイトの製造方法を提供する事を目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、dDsアミダイトを固体分離精製することで容易に大量製造する事が出来る事を見出した。
本発明者は、係る知見に基づき、更に研究を重ね、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下のdDsアミダイトの製造方法を包含する。
項1.
7-(2-チエニル)-3-[2'-デオキシ-5'-O-(4,4'-ジメトキシトリチル)-β-D-リボフラノシル]-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン 2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルホスホルアミダイトの製造方法であって、
(1)溶媒中、トリフルオロ酢酸のアミン塩の存在下、7-(2-チエニル)-3-[2'-デオキシ-5'-O-(4,4'-ジメトキシトリチル)-β-D-リボフラノシル]-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジンと、2-シアノエチル テトライソプロピルホスホロジアミダイトとを反応させる工程
を含み、
前記溶媒は、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、及びジイソプロピルエーテルから成る群から選択される少なくとも一種の溶媒である、
製造方法。
項2.
前記トリフルオロ酢酸のアミン塩は、トリフルオロ酢酸のアルキル置換アミン塩、置換又は無置換のピリジン塩、及びイミダゾール塩から成る群から選択される少なくとも一種のトリフルオロ酢酸のアミン塩である、前記項1に記載の製造方法。
項3.
7-(2-チエニル)-3-[2'-デオキシ-5'-O-(4,4'-ジメトキシトリチル)-β-D-リボフラノシル]-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン 2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルホスホルアミダイトの製造方法であって、
(2)7-(2-チエニル)-3-[2'-デオキシ-5'-O-(4,4'-ジメトキシトリチル)-β-D-リボフラノシル]-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン 2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルホスホルアミダイトを含む組成物を、アルコールに溶解させ、次いで、水と混合して、7-(2-チエニル)-3-[2'-デオキシ-5'-O-(4,4'-ジメトキシトリチル)-β-D-リボフラノシル]-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン 2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルホスホルアミダイトを析出させる工程
を含む、製造方法。
項4.
前記アルコールは、メタノール、エタノール、プロパノール、及びイソプロパノールから成る群から選択される少なくとも一種のアルコールである、前記項3に記載の製造方法。
項5.
前記析出工程において、更に、電解質を添加する、前記項3又は4に記載の製造方法。
項6.
前記電解質は、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化セシウム、塩化カルシウム、塩化ルビジウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化ストロンチウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、臭化ナトリウム及び臭化カリウムから成る群から選択される無機塩;並びに、酢酸ナトリウム、ギ酸ナトリウム、酢酸アンモニウム及びギ酸アンモニウムから成る群から選択される有機塩;並びに、トリメチルアミン、トリエチルアミンから成る群から選択される有機塩基から成る群から選択される少なくとも一種の電解質である、前記項5に記載の製造方法。
項7.
7-(2-チエニル)-3-[2'-デオキシ-5'-O-(4,4'-ジメトキシトリチル)-β-D-リボフラノシル]-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン 2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルホスホルアミダイトの製造方法であって、
(1)溶媒中、トリフルオロ酢酸のアミン塩の存在下、7-(2-チエニル)-3-[2'-デオキシ-5'-O-(4,4'-ジメトキシトリチル)-β-D-リボフラノシル]-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジンと、2-シアノエチル テトライソプロピルホスホロジアミダイトとを反応させて、7-(2-チエニル)-3-[2'-デオキシ-5'-O-(4,4'-ジメトキシトリチル)-β-D-リボフラノシル]-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン 2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルホスホルアミダイトを含む組成物を得る工程、並びに、
(2)前記7-(2-チエニル)-3-[2'-デオキシ-5'-O-(4,4'-ジメトキシトリチル)-β-D-リボフラノシル]-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン 2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルホスホルアミダイトを含む組成物を、アルコールに溶解させ、次いで、水と混合して、7-(2-チエニル)-3-[2'-デオキシ-5'-O-(4,4'-ジメトキシトリチル)-β-D-リボフラノシル]-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン 2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルホスホルアミダイトを析出させる工程
を含み、
前記工程(1)の溶媒は、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、及びジイソプロピルエーテルから成る群から選択される少なくとも一種の溶媒である、
製造方法。
本発明は、新たなdDsアミダイトの製造方法を提供する事が出来る。
固体分離精製前のdDsアミダイトを含む粗生成物(1H NMR)を説明する図である。 固体分離精製後のdDsアミダイト(1H NMR)を説明する図である。 固体分離精製前のdDsアミダイトを含む粗生成物(31P NMR)を説明する図である。 固体分離精製後のdDsアミダイト(31P NMR)を説明する図である。 カラム精製前のdDsアミダイトを含む粗生成物(1H NMR)を説明する図である。 シリカゲルカラム精製後のdDsアミダイト(1H NMR)を説明する図である。 カラム精製前のdDsアミダイトを含む粗生成物(31P NMR)を説明する図である。 シリカゲルカラム精製後のdDsアミダイト(31P NMR)を説明する図である。 従来技術の方法で製造したdDsアミダイトの反応液中の安定性試験を説明する図である。 本発明の方法で製造したdDsアミダイトの反応液中の安定性試験を説明する図である。
以下に本発明を詳細に説明する。
本明細書において、「含む」及び「含有」は、「含む(comprise)」、「実質的にのみからなる(consist essentially of)」、及び「のみからなる(consist of)」のいずれも包含する概念である。
本明細書において、数値範囲を「A~B」で示す場合、A以上B以下を意味する。
[1]dDsアミダイトの製造方法
本発明の7-(2-チエニル)-3-[2'-デオキシ-5'-O-(4,4'-ジメトキシトリチル)-β-D-リボフラノシル]-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン 2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルホスホルアミダイト(目的化合物(dDsアミダイト))の製造方法(以下、「本発明のdDsアミダイトの製造方法」とも記す)は、
(1)溶媒中、トリフルオロ酢酸のアミン塩の存在下、7-(2-チエニル)-3-[2'-デオキシ-5'-O-(4,4'-ジメトキシトリチル)-β-D-リボフラノシル]-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン(原料化合物)と、2-シアノエチル テトライソプロピルホスホロジアミダイト(アミダイト化試薬)とを反応させる工程を含み、
前記溶媒は、ジクロロメタン(塩化メチレン、DCM)、クロロホルム(トリクロロメタン、CHCl3)、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、ジエチルエーテル(Et2O)、及びジイソプロピルエーテル(IPE)から成る群から選択される少なくとも一種の溶媒である。
本発明のdDsアミダイトの製造方法に依り、効率的に、原料化合物とアミダイト化試薬とを反応させて(アミダイト化反応)、dDsアミダイト(目的化合物)を製造する事が出来る。
従来、反応条件では、アミダイト化試薬の活性化剤に1H-テトラゾールが使用されており、1H-テトラゾールによる活性化が主流である。しかし、1H-テトラゾールは、消防法上の危険物第5類に相当するため危険物貯蔵所が必要であり、大量合成に際して取り扱いには危険が伴う。
従来、反応条件では、溶媒にアセトニトリル、活性化剤に1H-テトラゾールが使用されている。しかし、アセトニトリルと1H-テトラゾールを用いた場合、室温付近で反応させる必要があり、生成したdDsアミダイトの長時間の溶液中での安定性に懸念がある。有機溶媒層と水層の分液時に溶媒置換が必要である。
本発明のdDsアミダイトの製造方法では、活性化剤にトリフルオロ酢酸(TFA)のピリジン塩(ピリジン/TFA塩)等を用いる事に依り、危険物である1H-テトラゾールの使用を回避する事が出来る。
本発明のdDsアミダイトの製造方法では、ジクロロメタン(DCM)、クロロホルム等の溶媒とトリフルオロ酢酸のアミン塩を用いる事に依り、効率良くアミダイト化反応が進行する。前記アミダイト化反応では、ジクロロメタン(DCM)等の溶媒とトリフルオロ酢酸のアミン塩を用いる事に依り、反応を低温でも進める事が出来、生成したdDsアミダイトの安定性も向上させる事が出来る。また、反応溶媒としてジクロロメタンを用いる事に依り、分液時の溶媒置換を回避する事が出来、製造の効率化が可能である。
本発明のdDsアミダイトの製造方法は、dDsアミダイトの大量製造に適している。
[1-1]原料化合物
本発明のdDsアミダイトの製造方法では、原料化合物は、7-(2-チエニル)-3-[2'-デオキシ-5'-O-(4,4'-ジメトキシトリチル)-β-D-リボフラノシル]-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジンであり、以下の化学式で表される。
Figure 2023091902000001
前記化学式中、「DMTr」は、4,4'-ジメトキシトリチル基であり、以下の化学式で表される。
Figure 2023091902000002
[1-2]アミダイト化試薬
本発明のdDsアミダイトの製造方法では、アミダイト化試薬は、2-シアノエチル テトライソプロピルホスホロジアミダイトであり、以下の化学式で表される。
Figure 2023091902000003
アミダイト化試薬の使用量は、前記原料化合物(基質)に対して、モル比で、好ましくは、1.0当量~3.0当量であり、より好ましくは、1.1当量~2.0当量であり、更に好ましくは、1.3当量~1.7当量である。
アミダイト化試薬の使用量の好ましい態様としては、例えば、前記原料化合物(基質)に対して、モル比で、先ず、1.3当量程度を添加し、未反応の原料化合物(基質)が残っている場合には、次いで、アミダイト化試薬とトリフルオロ酢酸のアミン塩とを、好ましくは、夫々、0.1当量ずつ添加する操作を繰り返しても良い。
本発明のdDsアミダイトの製造方法では、アミダイト化反応を進める際に、アミダイト化試薬の使用量を前記範囲に調整する事に依り、効率的に、原料化合物とアミダイト化試薬とから、アミダイト化反応を進め、dDsアミダイトを製造する事が出来る。
[1-3]溶媒
本発明のdDsアミダイトの製造方法では、溶媒は、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、及びジイソプロピルエーテルから成る群から選択される少なくとも一種の溶媒である。これらの溶媒の中でも、好ましくは、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフランである。
本発明のdDsアミダイトの製造方法では、アミダイト化反応を進める際に、前記溶媒を使用する事に依り、効率的に、原料化合物とアミダイト化試薬とから、アミダイト化反応を進め、dDsアミダイトを製造する事が出来る。
本発明のdDsアミダイトの製造方法では、ジクロロメタン(DCM)、クロロホルム等の溶媒を用いる事に依り、効率良くアミダイト化反応が進行する。前記アミダイト化反応では、ジクロロメタン(DCM)等の溶媒を用いる事に依り、反応を低温でも進める事が出来、生成したdDsアミダイトの安定性も向上させる事が出来る。また、反応溶媒としてジクロロメタンを用いる事に依り、分液時の溶媒置換を回避する事が出来、製造の効率化が可能である。
溶媒の使用量は、前記原料化合物(基質)の濃度(モル濃度(M)、mol/L)が、好ましくは、0.01M~1Mの濃度に、より好ましくは、0.05M~0.5Mの濃度に、更に好ましくは、0.1M~0.3Mの濃度に成る様に調整する。
溶媒の使用量は、前記原料化合物(基質)に対して、好ましくは、1.5倍量~120倍量を使用し、より好ましくは、3倍量~24倍量を使用し、更に好ましくは、6倍量~12倍量を使用する。
[1-4]トリフルオロ酢酸のアミン塩
本発明のdDsアミダイトの製造方法で使用されるトリフルオロ酢酸のアミン塩としては、好ましくは、トリフルオロ酢酸とアミン塩基との複合体であって、トリフルオロ酢酸のアルキル置換アミン塩、置換又は無置換のピリジン塩、及びイミダゾール塩から成る群から選択される少なくとも一種のトリフルオロ酢酸のアミン塩である。 本発明のdDsアミダイトの製造方法で使用されるトリフルオロ酢酸のアミン塩としては、トリフルオロ酢酸とアミン塩基との複合体であって、例えば、トリフルオロ酢酸のトリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、ジエチルメチルアンモニウム、トリプロピルアンモニウム、ジイソプロピルエチルアンモニウム等のアルキル置換アミン塩;ジメチルアニリニウム、トリフェニルアンモニウム等のアリール置換アミン塩;トリベンジルアンモニウム等のアラルキル置換アミン塩;テトラメチルエチレンジアミン等のポリアミン塩;ピリジニウム、2-メチルピリジニウム、3-メチルピリジニウム、4-メチルピリジニウム、4-ジメチルアミノピリジニウム、2,6-ジメチルピリジニウム、2,4,6-トリメチルピリジニウム、2,3,4,6-テトラメチルピリジニウム、ペンタメチルピリジニウム等の置換又は無置換のピリジン塩;ピペリジニウム、2,2,6,6-テトラメチルピペリジニウム、N-メチルモルホリニウム等の飽和環状アミン塩、N-メチルイミダゾリウム等のイミダゾール塩等が挙げられ、ポリマーに結合したアミン塩であってもよい。これらの中でも、トリフルオロ酢酸のアルキル置換アミン塩、置換又は無置換のピリジン塩、イミダゾール塩がより好ましく、トリフルオロ酢酸のピリジニウム、N-メチルイミダゾリウム、ジイソプロピルエチルアンモニウムが特に好ましい。
本発明のdDsアミダイトの製造方法では、アミダイト化反応を進める際に、前記トリフルオロ酢酸のアミン塩を使用する事に依り、効率的に、原料化合物とアミダイト化試薬とから、アミダイト化反応を進め、dDsアミダイトを製造する事が出来る。
本発明のdDsアミダイトの製造方法では、トリフルオロ酢酸(TFA)のピリジン塩(ピリジン/TFA塩)等を用いる事に依り、危険物である1H-テトラゾールの使用を回避する事が出来る。
塩の使用量は、前記原料化合物(基質)に対して、モル比で、好ましくは、1.0当量~3.0当量であり、より好ましくは、1.1当量~2.0当量であり、更に好ましくは、1.2当量~1.7当量である。
トリフルオロ酢酸のアミン塩の使用量の好ましい態様としては、例えば、前記原料化合物(基質)に対して、モル比で、先ず、1.2当量程度を添加し、未反応の原料化合物(基質)が残っている場合には、次いで、アミダイト化試薬とトリフルオロ酢酸のアミン塩とを、好ましくは、夫々、0.1当量ずつ添加する操作を繰り返しても良い。
[1-5]目的化合物(dDsアミダイト)
本発明のdDsアミダイトの製造方法では、目的化合物は、7-(2-チエニル)-3-[2'-デオキシ-5'-O-(4,4'-ジメトキシトリチル)-β-D-リボフラノシル]-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン 2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルホスホルアミダイト(dDsアミダイト)であり、以下の化学式で表される。
Figure 2023091902000004
[1-6]アミダイト化する工程
本発明のdDsアミダイトの製造方法では、アミダイト化反応する工程の反応温度は、好ましくは、-20℃~30℃であり、好ましくは、-15℃~20℃であり、更に好ましくは、-10℃~10℃、特に好ましくは、-5℃~5℃である。
本発明のdDsアミダイトの製造方法では、アミダイト化反応する工程の反応時間は、好ましくは、0.5時間~4時間であり、好ましくは、0.5時間~3時間であり、更に好ましくは、1時間~2時間である。
[2]dDsアミダイトの製造方法
本発明の7-(2-チエニル)-3-[2'-デオキシ-5'-O-(4,4'-ジメトキシトリチル)-β-D-リボフラノシル]-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン 2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルホスホルアミダイト(dDsアミダイト)の製造方法(以下、「本発明のdDsアミダイトの製造方法」とも記す)は、
(2)7-(2-チエニル)-3-[2'-デオキシ-5'-O-(4,4'-ジメトキシトリチル)-β-D-リボフラノシル]-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン 2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルホスホルアミダイト(dDsアミダイト)を含む組成物を、先ず、アルコールに溶解させ、次いで、水と混合して(水を添加して)、7-(2-チエニル)-3-[2'-デオキシ-5'-O-(4,4'-ジメトキシトリチル)-β-D-リボフラノシル]-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン 2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルホスホルアミダイト(dDsアミダイト)を析出させる工程(晶析工程)を含む。
本発明のdDsアミダイトの製造方法に依り、効率的に、dDsアミダイトを含む組成物からdDsアミダイトを単離する事が出来る。
本発明のdDsアミダイトの製造方法では、例えば、電解質を含んだ水に、dDsアミダイトを含む組成物のアルコール溶液を滴下して、dDsアミダイトを析出させる事が出来る。
dDsアミダイトは、結晶性が確認出来ていない化合物であり、従来のシリカゲルカラムに依る精製方法を採用すると、精製後の溶媒留去後に、オイル状と成る。次いで、そのオイル状のdDsアミダイトを乾燥工程に付すと、オイル状のdDsアミダイトは、泡状に膨らみ、体積が非常に大きく成る。その理由から、従来、dDsアミダイトを大量に製造する為に、大容量の乾燥器、スプレードライヤー等の特殊な装置、或いは含水有機溶媒に溶解後の凍結乾燥などの追加操作が必要である。また、従来のシリカゲルカラムを用いてdDsアミダイトを精製する方法では、反応に用いたアミダイト化試薬の残渣を除く為に、精密に分離する必要が有り、多量の溶媒及びシリカゲルを必要とする。
本発明のdDsアミダイトの製造方法では、dDsアミダイトを析出(晶析)させるという精製工程を適用する事に依り、反応に用いたアミダイト化試薬の残渣を容易に除去する事が出来る。
本発明のdDsアミダイトの製造方法では、従来のシリカゲルカラムを用いた精製方法と同等の純度で、dDsアミダイトを得る事が出来る。
本発明のdDsアミダイトの製造方法では、乾燥工程において、dDsアミダイトの体積が増加しない固体を得る事が出来、乾燥処理に、特殊な設備を必要としない大量製造が可能となる。
本発明のdDsアミダイトの製造方法では、析出工程において、好ましくは、更に、電解質を添加する事に依り、dDsアミダイトの析出固体の凝集性が増して、dDsアミダイトの収率を向上させる事が出来、また、dDsアミダイトを濾過する際の濾過速度も上げる事が出来、作業性を向上させる事が出来る。前記析出工程では、dDsアミダイトは、アルコールと水との混合液中で、乳化し、非常に細かい懸濁液と成る。その懸濁液に、塩化ナトリウム等の電解質を加える事に依り、dDsアミダイトを含む乳化液中で、dDsアミダイトの分散性が変化して解乳化を起こし、dDsアミダイトを固体分離可能なサイズの凝集塊として得る事が出来る。
[2-1]アルコール
本発明のdDsアミダイトの製造方法では、前記アルコールは、好ましくは、メタノール、エタノール、プロパノール、及びイソプロパノールから成る群から選択される少なくとも一種のアルコールである。
本発明のdDsアミダイトの製造方法では、析出工程において、dDsアミダイトを含む組成物を、アルコールに溶解させる事に依り、効率的に、dDsアミダイトを含む組成物から、dDsアミダイトを精製する事が出来る。
アルコールの使用量は、前記dDsアミダイトの濃度(モル濃度(M)、mol/L)が、好ましくは、0.001M~0.2Mの濃度に、より好ましくは、0.003M~0.1Mの濃度に、更に好ましくは、0.005M~0.05Mの濃度に成る様に調整する。
[2-2]水
本発明のdDsアミダイトの製造方法では、析出工程において、先ず、dDsアミダイトを含む組成物をアルコールに溶解させ、次いで、水を添加する事に依り、効率的に、dDsアミダイトを含む組成物から、dDsアミダイトを精製する事が出来る。
水の使用量は、前記dDsアミダイトの濃度(モル濃度(M)、mol/L)が、好ましくは、0.001M~0.1Mの濃度に、より好ましくは、0.002M~0.05Mの濃度に、更に好ましくは、0.003M~0.03Mの濃度に成る様に調整する。
前記アルコールと水との配合比は、体積比で、好ましくは、アルコール:水=3:7~9:1であり、より好ましくは、アルコール:水=4:6~8:2であり、更に好ましくは、アルコール:水=5:5~7:3である。
前記アルコールと水との配合比は、体積比で、アルコールと水との総量に対して、アルコールは、30体積%~90体積%であり、より好ましくは、40体積%~80体積%であり、更に好ましくは、50体積%~70体積%である。
[2-3]電解質
本発明のdDsアミダイトの製造方法では、前記析出工程において、好ましくは、更に、電解質を添加して、精製を行う。
前記電解質は、好ましくは、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化セシウム、塩化カルシウム、塩化ルビジウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化ストロンチウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、臭化ナトリウム及び臭化カリウムから成る群から選択される無機塩;並びに、酢酸ナトリウム、ギ酸ナトリウム、酢酸アンモニウム及びギ酸アンモニウムから成る群から選択される有機塩;並びに、トリメチルアミン、トリエチルアミンから成る群から選択される有機塩基から成る群から選択される少なくとも一種の電解質である。
電解質及び有機塩基の使用量は、前記dDsアミダイト1モルに対して、好ましくは、1モル~300モルであり、より好ましくは、1.5モル~100モルであり、更に好ましくは、2モル~20モルである。
電解質及び有機塩基の使用量は、前記水に対して、質量比で、好ましくは、0.01g/100mL水~36g/100mL水であり、より好ましくは、0.1g/100mL水~10g/100mL水であり、更に好ましくは、0.2g/100mL水~4g/100mL水である。
析出工程において、電解質として、例えば、塩化ナトリウムを用いる場合、その使用量の上限は、好ましくは、飽和食塩水濃度(25℃)35.8g/100ml水程度である。
本発明のdDsアミダイトの製造方法では、析出工程において、電解質を添加する事に依り、効率的に、dDsアミダイトを含む組成物から、dDsアミダイトを精製する事が出来る。
本発明のdDsアミダイトの製造方法では、析出工程において、好ましくは、更に、電解質を添加する事に依り、dDsアミダイトの析出固体の凝集性が増して、dDsアミダイトの収率を向上させる事が出来、また、dDsアミダイトを濾過する際の濾過速度も上げる事が出来、作業性を向上させる事が出来る。前記析出工程では、dDsアミダイトは、アルコールと水との混合液中で、乳化し、非常に細かい懸濁液と成る。その懸濁液に、塩化ナトリウム等の電解質を加える事に依り、dDsアミダイトを含む乳化液中で、dDsアミダイトの分散性が変化して解乳化を起こし、dDsアミダイトを固体分離可能なサイズの凝集塊として得る事が出来る。
[2-4]dDsアミダイトを析出する工程
本発明のdDsアミダイトの製造方法では、dDsアミダイトを析出する工程において、先ず、dDsアミダイトを含む組成物を、アルコールに溶解させる処理を行う。
本発明のdDsアミダイトの製造方法では、dDsアミダイトを析出する工程において、次に、前記アルコールに溶解させたdDsアミダイトを含む組成物と、水とを混合して、dDsアミダイトを析出(晶析)させる処理を行う。
本発明のdDsアミダイトの製造方法では、dDsアミダイトを析出させる工程の反応温度は、好ましくは、-20℃~25℃であり、好ましくは、-10℃~15℃であり、更に好ましくは、-5℃~10℃である。
析出工程において好ましい態様としては、例えば、dDsアミダイトを含む組成物を溶解させたアルコール(メタノール等)を0℃に冷やした水に滴下する事が好ましい。メタノール/水の溶解熱が発生する事から、析出工程を、好ましくは、0℃~10℃で実施する。析出工程の反応温度は、電解質として、例えば、塩化ナトリウムを用いる場合、その下限温度は、好ましくは、飽和食塩水の凝固点-21.3℃程度である。
本発明のdDsアミダイトの製造方法では、dDsアミダイトを析出させる工程の反応時間は、好ましくは、0.1時間~24時間であり、好ましくは、0.5時間~10時間であり、
更に好ましくは、1時間~6時間である。
析出工程において、通常、好ましくは、1時間程度の滴下を実施し、その後、5時間程度の熟成を行う。
[3]dDsアミダイトの精製を含む、dDsアミダイトの製造方法
本発明の7-(2-チエニル)-3-[2'-デオキシ-5'-O-(4,4'-ジメトキシトリチル)-β-D-リボフラノシル]-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン 2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルホスホルアミダイト(dDsアミダイト)の製造方法(dDsアミダイトの製造方法)は、
(1)溶媒中、トリフルオロ酢酸のアミン塩の存在下、7-(2-チエニル)-3-[2'-デオキシ-5'-O-(4,4'-ジメトキシトリチル)-β-D-リボフラノシル]-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン(原料化合物)と、2-シアノエチル テトライソプロピルホスホロジアミダイト(アミダイト化試薬)とを反応させて、7-(2-チエニル)-3-[2'-デオキシ-5'-O-(4,4'-ジメトキシトリチル)-β-D-リボフラノシル]-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン 2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルホスホルアミダイト(目的化合物(dDsアミダイト))を含む組成物を得る工程、並びに、
(2)前記7-(2-チエニル)-3-[2'-デオキシ-5'-O-(4,4'-ジメトキシトリチル)-β-D-リボフラノシル]-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン 2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルホスホルアミダイトを含む組成物を、アルコールに溶解させ、次いで、水と混合して、7-(2-チエニル)-3-[2'-デオキシ-5'-O-(4,4'-ジメトキシトリチル)-β-D-リボフラノシル]-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン 2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルホスホルアミダイト(dDsアミダイト)を析出させる工程
を含み、
前記工程(1)の溶媒は、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、及びジイソプロピルエーテルから成る群から選択される少なくとも一種の溶媒である、
製造方法を包含する。
工程(1)のdDsアミダイトを含む組成物を得る工程は、前記[1]dDsアミダイトの製造方法で説明した内容を採用することができる。
工程(2)のdDsアミダイトを析出させる工程は、前記[2]dDsアミダイトの製造方法で説明した内容を採用することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした例に何ら限定されるものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
以下、実施例に基づき、本発明の実施形態をより具体的に説明する。
本発明がこれらに限定されるものではない。
[1]dDsアミダイトの製造1
dDsアミダイトを製造する際に、使用する試薬及び溶媒は、標準的な供給業者から購入し、更に精製する事無く使用した。
原料化合物である、7-(2-チエニル)-3-[2'-デオキシ-5'-O-(4,4'-ジメトキシトリチル)-β-D-リボフラノシル]-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジンは、従来技術(国際公開番号WO2007/066737)に記載の方法に従って合成した。
各実施例における物性の測定に用いた 装置は次の通りである。
核磁気共鳴装置:BRUKER社製 AVANCE NEOコンソール、Ascend TM 400
高速液体クロマトグラフィー:島津製作所社製
SPD-20MA、LC-20AD、SIL-20ACHT、DGU-20A3R、CTO-20AC、CBM-20A
(1)dDsアミダイトの製造
実施例1
溶媒中、トリフルオロ酢酸のアミン塩の存在下、原料化合物と、2-シアノエチル テトライソプロピルホスホロジアミダイト(アミダイト化試薬)とを反応させて、アミダイト化反応を行い、目的化合物の7-(2-チエニル)-3-[2'-デオキシ-5'-O-(4,4'-ジメトキシトリチル)-β-D-リボフラノシル]-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン 2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルホスホルアミダイト(dDsアミダイト)を製造した。
溶媒として、ジクロロメタン(DCM)を使用した。
トリフルオロ酢酸のアミン塩として、トリフルオロ酢酸(TFA)のピリジン塩(ピリジン/TFA塩)を使用した。
以下、dDsアミダイトの製造方法の詳細を記す。
200mL4ツ口フラスコに、原料化合物10.0gを加え、ジクロロメタン50mLに溶解し、アルゴンガス雰囲気下撹拌し、0℃に冷却した(反応液)。アミダイト化試薬7.3gをジクロロメタン17mLに溶かし、前記反応液に加えた。別途、ピリジン1.99g、TFA2.4g、ジクロロメタン33mlの溶液を調整し、前記反応液に徐々に添加した。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で原料化合物の消費を確認した。5%重曹水200mLを、前記反応液に加えて撹拌し、分液操作に依り有機層を分離した。
前記有機層から、有機溶媒を減圧留去して、目的物のdDsアミダイト13.2gを含む粘性オイル状組成物16.85gを得た。
その生成物の1H NMR、及び31P NMRをそれぞれ図1及び図3に示す。
実施例のdDsアミダイトの製造方法に依り、効率的に、原料化合物とアミダイト化試薬とを反応させて(アミダイト化反応)、目的化合物のdDsアミダイトを製造する事が出来た。
(2)dDsアミダイトの精製
実施例2~25
実施例1で得られたdDsアミダイトを含む組成物を、先ず、各種アルコールに溶解させ、次いで、水を添加して、目的化合物のdDsアミダイトを析出(晶析)させる事に依り、dDsアミダイトの精製を行った。
前記アルコールとして、メタノール、エタノール、プロパノール(1-PrOH)、及びイソプロパノール(2-PrOH)を使用した。
更に、電解質として、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化リチウム(LiCl)、塩化カリウム(KCl)、塩化カルシウム(CaCl2)、塩化マグネシウム(6水和物、MgCl2・6H2O)、塩化ルビジウム(RbCl)、塩化セシウム(CsCl)、塩化ストロンチウム(6水和物、SrCl2・6H2O)、塩化バリウム(2水和物、BaCl2・2H2O)、硫酸ナトリウム(Na2SO4)、臭化カリウム(KBr)、臭化ナトリウム(NaBr)、硝酸ナトリウム(NaNO3)、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)、リン酸水素二ナトリウム(12水和物、Na2HPO4・12H2O)、リン酸二水素ナトリウム(2水和物、NaH2PO4・2H2O)、ホウ酸ナトリウム(Na2B4O7+ホウ酸(H3BO3))、酢酸ナトリウム(NaOAc)、ギ酸アンモニウム(HCO2NH4)、及びトリエチルアミンを使用した。
以下、dDsアミダイトの精製方法の詳細を記す。
実施例1で得られたdDsアミダイトを含む組成物をアルゴン雰囲気下、各種アルコールに溶解させ氷冷した。各種電解質を溶かした水を氷冷し、アルコールに溶かしたdDsアミダイトを含む組成物を0.5時間かけて添加して1時間熟成した。析出した固体を桐山ロートで濾過し、得られた固体を減圧下一晩乾燥し、dDsアミダイトを固体として得た。
実施例1で得られたdDsアミダイトを含む組成物の量、アルコールの種類及び量、電解質の種類及び量、水の量は、夫々下記表1~3に記載の量を使用した。
固体の濾過速度評価は、直径2.1cmの桐山ロート(R)に、桐山製作所製桐山ロート用ろ紙 NO.5Aを取り付けて減圧濾過し、液滴が出なくなるまでの時間で評価した。
HPLC純度は、獲得固体の254nmにおけるHPLC測定の面積百分率(area%)で評価した。
結果を表1~3に示す。
本発明の精製方法適用後、粗生成物の1H NMR、31P NMR(図1及び図3)で確認された不純物ピークは取り除かれ、得られた生成物の1H NMR、31P NMR(例えば、実施例2の図2及び図4)は、従来技術(国際公開番号WO2007/066737)に記載のスペクトル値と一致した。
比較例1
従来技術(国際公開番号WO2007/066737)に記載の方法に基づき、次の操作でdDsアミダイトを合成した。
7-(2-チエニル)-3-[2'-デオキシ-5'-O-(4,4'-ジメトキシトリチル)-β-D-リボフラノシル]-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン(原料化合物)を無水アセトニトリルに溶解させ、2-シアノエチル テトライソプロピルホスホロジアミダイト(アミダイト化試薬)及び1H-テトラゾールのアセトニトリル溶液を加え、室温(25℃)で1時間撹拌した。
この反応液の一部をとり、後述する安定性評価試験に供した。
残りの反応液に無水メタノールを加え、反応液を水に注ぎ、1%(v/v)トリエチルアミンを含むジクロロメタンで抽出し、有機層を乾燥、濃縮して、dDsアミダイト粗生成物を得た。その粗生成物の1H NMR、及び31P NMRを、夫々図5及び図7に示す。
得られたdDsアミダイト粗生成物のカラム精製(ヘキサン:酢酸エチル=4:1→3:2)を実施した。
得られた生成物は乾燥後泡状固体(純度97.5%)を形成した。その生成物の1H NMR、及び31P NMR(図6及び図8)は、従来技術(国際公開番号WO2007/066737)に記載のスペクトル値と一致した。
Figure 2023091902000005
Figure 2023091902000006
Figure 2023091902000007
[2]dDsアミダイトの安定性の評価
反応液中の、7-(2-チエニル)-3-[2'-デオキシ-5'-O-(4,4'-ジメトキシトリチル)-β-D-リボフラノシル]-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン 2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルホスホルアミダイト(dDsアミダイト)の安定性を評価した。
(i)従来技術の方法での反応液として、比較例1で採取した反応液を用いた。評価は、反応温度と同じ25℃で撹拌し、反応完了時を0時間とし、5時間後、24時間後の各HPLC測定で行った。結果、徐々に不純物が生成し、dDsアミダイトの純度は低下した(図9)。
(ii)本発明の方法の反応液として、実施例1と同様の操作を行い、原料化合物の消費を確認した時点での反応液を用いた。評価は、反応温度と同じ0℃で撹拌し、反応完了時を0時間とし、5時間後、24時間後の各HPLC測定で行った。結果、不純物の増加が抑制され、dDsアミダイトの純度は低下しなかった(図10)。
[3]dDsアミダイトの製造2
実施例26
(1)アミダイト化反応
溶媒中、トリフルオロ酢酸のアミン塩の存在下、7-(2-チエニル)-3-[2'-デオキシ-5'-O-(4,4'-ジメトキシトリチル)-β-D-リボフラノシル]-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン(原料化合物)と、2-シアノエチル テトライソプロピルホスホロジアミダイト(アミダイト化試薬)とを反応させて、7-(2-チエニル)-3-[2'-デオキシ-5'-O-(4,4'-ジメトキシトリチル)-β-D-リボフラノシル]-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン 2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルホスホルアミダイト(目的化合物(dDsアミダイト))を含む組成物を得た。
前記アミダイト化反応では、溶媒として、ジクロロメタン(DCM)を使用した。
前記アミダイト化反応では、トリフルオロ酢酸のアミン塩として、トリフルオロ酢酸(TFA)のピリジン塩(ピリジン/TFA塩)を使用した。
10L4ツ口フラスコに、原料化合物232gを加え、ジクロロメタン1,500mLに溶解し、アルゴンガス雰囲気下撹拌し、0℃に冷却した(反応液)。アミダイト化試薬169gをジクロロメタン54mlで洗い込みながら、前記反応液に加えた。別途、ピリジン46g、TFA55g、ジクロロメタン765mLの溶液を調整し、前記反応液に徐々に添加した。高速液体クロマトグラフィーで原料化合物の消費を確認した。
5%重曹水4,800mLを、前記反応液に加えて撹拌し、分液操作に依り有機層を分離した。
前記有機層から、有機溶媒を減圧留去して、目的化合物のdDsアミダイトを含む粘性オイル状組成物401gを得た。
(2)析出処理
前記得られたdDsアミダイトを含む組成物を、先ず、アルコールに溶解させ、次いで、水を添加して、dDsアミダイトを析出させる事に依り、dDsアミダイトを析出させた。
前記析出工程では、アルコールとして、メタノールを使用した。
前記析出工程では、電解質として塩化ナトリウムを用い、塩化ナトリウム水溶液を使用した。
アルゴンガス雰囲気下、20L四つ口フラスコに、前記dDsアミダイトの製造方法で得られたdDsアミダイトを含む組成物401gとメタノール18.5Lとを加え、室温下撹拌して、溶解させた後、0℃に冷却した。アルゴンガス雰囲気下、30L四つ口フラスコに、塩化ナトリウム230gを添加し、水12Lを加えて撹拌して溶かし0℃に冷却した。
内温10℃以下に成る様に、メタノール溶液を1時間かけて添加して、5時間熟成した。
析出した固体をブフナーロートで濾過し、水1.1Lで掛け洗浄を行った。
固体を減圧下乾燥し、dDsアミダイト303gを固体として得た。
Figure 2023091902000008
析出工程において、メタノール/食塩水を用いた晶析を適用する事に依り、dDsアミダイトを300g合成する事が出来た。
実施例のdDsアミダイトの精製を含む、dDsアミダイトの製造方法は、dDsアミダイトの大量製造に適していると評価出来る。
本発明の7-(2-チエニル)-3-[2'-デオキシ-5'-O-(4,4'-ジメトキシトリチル)-β-D-リボフラノシル]-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン 2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルホスホルアミダイト(dDsアミダイト)の製造方法に依れば、効率的に、7-(2-チエニル)-3-[2'-デオキシ-5'-O-(4,4'-ジメトキシトリチル)-β-D-リボフラノシル]-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン(原料化合物)と、2-シアノエチル テトライソプロピルホスホロジアミダイト(アミダイト化試薬)とを反応させて、7-(2-チエニル)-3-[2'-デオキシ-5'-O-(4,4'-ジメトキシトリチル)-β-D-リボフラノシル]-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン 2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルホスホルアミダイト(目的化合物(dDsアミダイト))を製造する事が出来る。

Claims (7)

  1. 7-(2-チエニル)-3-[2'-デオキシ-5'-O-(4,4'-ジメトキシトリチル)-β-D-リボフラノシル]-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン 2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルホスホルアミダイトの製造方法であって、
    (1)溶媒中、トリフルオロ酢酸のアミン塩の存在下、7-(2-チエニル)-3-[2'-デオキシ-5'-O-(4,4'-ジメトキシトリチル)-β-D-リボフラノシル]-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジンと、2-シアノエチル テトライソプロピルホスホロジアミダイトとを反応させる工程
    を含み、
    前記溶媒は、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、及びジイソプロピルエーテルから成る群から選択される少なくとも一種の溶媒である、
    製造方法。
  2. 前記トリフルオロ酢酸のアミン塩は、トリフルオロ酢酸のアルキル置換アミン塩、置換又は無置換のピリジン塩、及びイミダゾール塩から成る群から選択される少なくとも一種のトリフルオロ酢酸のアミン塩である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 7-(2-チエニル)-3-[2'-デオキシ-5'-O-(4,4'-ジメトキシトリチル)-β-D-リボフラノシル]-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン 2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルホスホルアミダイトの製造方法であって、
    (2)7-(2-チエニル)-3-[2'-デオキシ-5'-O-(4,4'-ジメトキシトリチル)-β-D-リボフラノシル]-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン 2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルホスホルアミダイトを含む組成物を、アルコールに溶解させ、次いで、水と混合して、7-(2-チエニル)-3-[2'-デオキシ-5'-O-(4,4'-ジメトキシトリチル)-β-D-リボフラノシル]-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン 2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルホスホルアミダイトを析出させる工程
    を含む、製造方法。
  4. 前記アルコールは、メタノール、エタノール、プロパノール、及びイソプロパノールから成る群から選択される少なくとも一種のアルコールである、請求項3に記載の製造方法。
  5. 前記析出工程において、更に、電解質を添加する、請求項3又は4に記載の製造方法。
  6. 前記電解質は、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化セシウム、塩化カルシウム、塩化ルビジウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化ストロンチウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、臭化ナトリウム及び臭化カリウムから成る群から選択される無機塩;並びに、酢酸ナトリウム、ギ酸ナトリウム、酢酸アンモニウム及びギ酸アンモニウムから成る群から選択される有機塩;並びに、トリメチルアミン、トリエチルアミンから成る群から選択される有機塩基から成る群から選択される少なくとも一種の電解質である、請求項5に記載の製造方法。
  7. 7-(2-チエニル)-3-[2'-デオキシ-5'-O-(4,4'-ジメトキシトリチル)-β-D-リボフラノシル]-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン 2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルホスホルアミダイトの製造方法であって、
    (1)溶媒中、トリフルオロ酢酸のアミン塩の存在下、7-(2-チエニル)-3-[2'-デオキシ-5'-O-(4,4'-ジメトキシトリチル)-β-D-リボフラノシル]-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジンと、2-シアノエチル テトライソプロピルホスホロジアミダイトとを反応させて、7-(2-チエニル)-3-[2'-デオキシ-5'-O-(4,4'-ジメトキシトリチル)-β-D-リボフラノシル]-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン 2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルホスホルアミダイトを含む組成物を得る工程、並びに、
    (2)前記7-(2-チエニル)-3-[2'-デオキシ-5'-O-(4,4'-ジメトキシトリチル)-β-D-リボフラノシル]-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン 2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルホスホルアミダイトを含む組成物を、アルコールに溶解させ、次いで、水と混合して、7-(2-チエニル)-3-[2'-デオキシ-5'-O-(4,4'-ジメトキシトリチル)-β-D-リボフラノシル]-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン 2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルホスホルアミダイトを析出させる工程
    を含み、
    前記工程(1)の溶媒は、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、及びジイソプロピルエーテルから成る群から選択される少なくとも一種の溶媒である、
    製造方法。
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