JP2023096648A - 金属インゴットを製造するための装置、方法、およびプログラム - Google Patents
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Abstract
Description
1-1.概要
まず、本発明の実施形態の一つに係る製造装置100について説明する。製造装置100は溶解鋳造法で金属単体または合金のインゴット(以下、金属単体のインゴットと合金のインゴットを総じて金属インゴットと記す。)を製造するための装置であり、金属(0価の金属)を含む原料に対して熱エネルギーを供給することによって加熱・溶解し、得られる溶湯を鋳型に注入するように構成される。溶湯が鋳型内で冷却されることで、金属インゴットが得られる。原料の加熱は熱源を用いて行われる。熱源としては、電子銃やプラズマトーチが挙げられる。前者を用いる場合には電子銃から放出される電子ビームにより、後者を用いる場合にはプラズマトーチから放出されるアーク放電により熱エネルギーが供給される。前者の方法は電子ビーム溶解鋳造法と呼ばれ、後者の方法はプラズマアーク溶解鋳造法と呼ばれる。以下、熱源として電子銃を用いる電子ビーム溶解鋳造法について記述するが、本発明の実施形態の一つは、熱源としてプラズマトーチを用いるプラズマアーク溶解鋳造法にも適用することができる。
図2に示すように、溶解炉110は、主な構成として、原料を溶解・凝固するための空間を提供するチャンバー112、チャンバー112内に設けられるハース120、鋳型124、一つまたは複数の電子銃140、一つまたは複数の電子銃142、およびチャンバー112外に設けられる撮像装置150を有する。溶解炉110はさらに、金属を含む原料104が充填されたドラムフィーダ114や、チャンバー112内を減圧するための排気装置(真空ポンプ)116、ドラムフィーダ114から供給される原料104をハース120へ輸送するための振動フィーダ118などを設けることができる。排気装置116により、チャンバー112内を0.01Pa以下の減圧雰囲気にすることができ、これにより、活性の高い金属、例えば溶解状態で容易に酸素や窒素と反応するチタンなどの金属を取り扱うことができる。振動フィーダ118は、ハース120側がドラムフィーダ114側よりも低くなるように設けられ、図示しない振動装置に連結される。このため、例えばドラムフィーダ114を回転させて原料104を振動フィーダ118へ供給し、振動フィーダ118を振動させることで原料104をハース120に搬送することができる。
制御装置160は通信機能と計算機能を有するコンピュータであり、ノート型、または据え置き型のコンピュータでもよく、あるいはタブレットコンピュータなどの携帯型通信端末でもよい。制御装置160は、インターネットのような外部ネットワーク、あるいはLAN(Local Area Network)などの内部ネットワークを介してチャンバー112、またはチャンバー112に設けられる構成の全て若しくは一部(例えば電子銃142や撮像装置150など)と接続される。
以下、製造装置100を用いる金属インゴットの製造方法について説明する。図4は、本発明の実施形態の一つに係る金属インゴットの製造方法の一例を示すフローチャートである。
まず、チャンバー112内の雰囲気を適宜調整する。例えば排気装置116を用い、チャンバー112内を減圧状態にしてもよい。チタンなどの溶解状態で高い反応性を示す金属を含む原料104を用いる場合には、チャンバー112内を0.001Pa~0.005Paの圧力に調整することが好ましい。溶解状態における反応性が低い金属を含む原料104を用いる場合には、チャンバー112内の雰囲気は空気でもよく、あるいはガス導入口から導入された不活性ガスでもよい。
蒸着物の検出のため、鋳型124の動画像を撮像装置150を用いて取得する。上述したように、好ましくは、撮像装置150は、鉛直方向においてハース120や鋳型124とは重ならず、溶湯106の表面に対して斜めの方向から撮像できるように予め配置される(図2、図3A参照)。このとき、図5Aに示すように、鋳型124の内壁の上面視形状が矩形である場合、撮像装置150は、そのレンズの光軸が鋳型124の短辺方向と交差または直交するように配置してもよく、あるいは図5Bに示すように、鋳型124の長手方向と交差または直交するように配置してもよい。撮像装置150は、少なくとも鋳型124と溶湯106の表面の全体の動画像が取得できるように配置され、好ましくはさらにハース120の注ぎ口120aおよび/または鋳型124側の側壁120bが動画像に含まれるように配置する(図6参照。)。なお、チャンバー112に鋳型124が複数配置される場合には、各鋳型124に対応する撮像装置150を用いてもよく、あるいは複数の鋳型124を一つの撮像装置150を用いて動画像を取得してもよい。
引き続き、各フレーム画像を処理し、溶湯106と蒸着物を識別する。
まず、各フレーム画像において評価領域を選択する(S6)。評価領域の選択は適宜実行可能であり、例えばオペレータが行ってよいし、また例えば制御装置160と撮像装置150との関係に鑑みてあらかじめ設定した範囲を評価領域として選択してもよい。上述したように、溶解鋳造法では溶湯から蒸気が発生して蒸着物が生成するが、蒸気の一部は鋳型124の内壁や上面にも堆積し、図6中の拡大図に示すように、比較的小さな金属の塊を形成することがある。また、鋳型124内の溶湯106に照射される電子ビームによって溶湯106の一部が弾き飛ばされて鋳型124の上面や内壁に付着・凝固することでも金属の塊が形成されることもある。このような小さな金属の塊は、鋳付き182と呼ばれ、蒸着物とは区別される。鋳付き182を検出せずに蒸着物180を選択的に検出するため、鋳付き182が発生し得る領域を排除することで評価領域を選択することが好ましい。例えば、図7Aに示すように、溶湯106が表示される領域のうち、鋳型124の内壁から一定の距離d以上離れた領域を評価領域184として選択する。距離dは、例えば10mm以上30mm以下の範囲から選択すればよい。あるいは、溶湯106を中心とし、溶湯106の面積の70%以上90%以下の面積を有する領域を評価領域184としてもよい。このように評価領域184を選択することで、鋳付き182に起因する検出ノイズを排除することができる。なお、撮像装置150は固定した状態で動画像を取得することが多いので、実質的な評価領域の選択は撮像装置150の配置とともに行われうる。
その後、図7Bに模式的に示すように、評価領域を構成するデータポイント(以下、評価領域データポイントDPと記す。)の各階調を算出し、その中から一定の階調(閾値階調)以下のデータポイントDP2を特定する。閾値階調は、上述した平均階調よりも低い階調から適宜選択され、例えば第40階調以下、または第70階調以下の範囲から選択すればよい。閾値諧調の下限値は、例えば第0階調でもよく、第10階調でもよい。蒸着物180は目視でも溶湯106に対して明らかに暗く認識され、上述したように、動画像においても蒸着物180は溶湯106と比較して極めて暗い領域として表現される。このため、閾値階調を超えるデータポイントDP1、および閾値階調以下の低階調領域を構成するデータポイントDP2は、それぞれ溶湯106と蒸着物180を構成するデータポイントであると判断することができる。また、上述した平均階調と閾値階調をある程度の隔たりをもって設定することで誤検出(ノイズ)を低減できる。
次に、取得した動画像に基づいて鋳造工程を検証する。この検証工程は、フレーム画像が特定されたときに行ってもよく、一つの動画像を取得した後に行ってもよい。
本製造方法では、評価領域184を複数の領域(サブ領域)に分割し、サブ領域ごとに蒸着物180と溶湯106の識別を行ってもよい(図4、S7)。分割方法に制約はない。例えば、図8Aや図8Bに示すように、複数のサブ領域(ここでは四つのサブ領域184-1から184-4)が鋳型124の長手方向または長手方向に垂直な方向に整列するように評価領域184を分割してもよい。また、サブ領域の面積や形状は互いに同一でもよく、あるいは図9Aに示すように、少なくとも一つのサブ領域(ここではサブ領域184-3)の面積または形状が他のサブ領域(ここではサブ領域184-1、184-2)の面積または形状と異なるように評価領域184を分割してもよい。さらに、図9Bに示すように、少なくとも二つのサブ領域が互いに部分的に重なるように評価領域184を分割してもよい。図9Bに示す例では、サブ領域184-1から184-3が互いに部分的に重なっている。
本発明の実施形態の一つに係る製造方法は、上述した製造装置100、およびその制御装置160に搭載されるプログラムによって実施することができる。よって、本発明に係る実施形態の一つは、溶解鋳造法によって金属インゴットを製造するため上記S1からS9の処理の一部または全てを制御装置160に実行させるためのプログラムである。
Claims (12)
- 溶解炉と制御装置を含み、
前記溶解炉は、
チャンバー、
前記チャンバー内に配置され、金属を含む原料を受け取るためのハース、
前記チャンバー内に配置され、前記ハース内で形成される前記金属の溶湯が注入される鋳型、および
前記チャンバー外に配置され、前記鋳型の動画像を取得するように構成され、前記制御装置に接続される撮像装置を含み、
前記制御装置は、前記動画像に基づいて、前記動画像中の前記溶湯と固体状の前記金属を識別するように構成される、金属インゴットを製造するための装置。 - 前記撮像装置は、前記鋳型と鉛直方向において重ならない、請求項1に記載の装置。
- 前記撮像装置は、前記チャンバーに設けられる窓を介して前記動画像を取得するように配置される、請求項1に記載の装置。
- 前記動画像は、前記ハースの一部を含む、請求項1に記載の装置。
- 前記動画像は複数のフレーム画像によって構成され、
前記撮像装置は、前記複数のフレーム画像の各々において前記溶湯に対応するデータポイントの平均階調が一定の範囲内の階調になる条件下、前記複数のフレーム画像を取得する、請求項1に記載の装置。 - 前記制御装置は、前記動画像を構成する複数のフレーム画像のそれぞれにおいて、
前記鋳型の内側の評価領域を構成する複数の評価領域データポイントから、第1の閾値以下の階調を有するデータポイントを低階調データポイントとして選択すること、および
前記評価領域データポイントの数に対する前記低階調データポイントの数の比が第2の閾値以上である場合、前記フレーム画像を特定すること、
を実行するように構成される、請求項1に記載の装置。 - 前記制御装置は、前記動画像を構成する複数のフレーム画像のそれぞれにおいて、
前記鋳型の内側の評価領域を分割した複数のサブ領域ごとに、前記複数のサブ領域を構成する複数の評価領域データポイントから、第1の閾値以下の階調を有するデータポイントを低階調データポイントとして選択すること、および
前記複数のサブ領域の少なくとも一つにおいて、前記評価領域データポイントの数に対する前記低階調データポイントの数の比が第2の閾値以上である場合、前記フレーム画像を特定すること、
を実行するように構成される、請求項1に記載の装置。 - 前記複数のサブ領域は、互いに一部が重なる、請求項7に記載の装置。
- 前記第2の閾値は、前記鋳型と前記撮像装置の間の距離が増大するに従って、前記サブ領域ごとに減少する、請求項7に記載の装置。
- 前記評価領域は、前記鋳型の内壁から10mm以上離れる、請求項6または7に記載の装置。
- 請求項1に記載の装置を利用する、金属インゴットの製造方法。
- 請求項1に記載の前記制御装置に対し、
前記撮像装置を介して前記鋳型の動画像を取得すること、および
前記動画像に基づいて、前記溶湯と固体状の前記金属を識別することを実行させるプログラム。
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| JP2022169267A (ja) * | 2021-04-27 | 2022-11-09 | 東邦チタニウム株式会社 | 金属インゴットを製造するための装置、方法、およびプログラム |
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- 2021-12-27 JP JP2021212547A patent/JP7789554B2/ja active Active
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