JP2023098103A - 堆積物微生物燃料電池を用いた底質改善方法及び底質改善装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数の堆積物微生物燃料電池10を有する発電部21と、複数のコンデンサ22を有する充放電昇圧部23と、モータ駆動式の曝気用ポンプ19と、充放電昇圧部23を制御する制御部25とを備え、制御部25は、発電部21による充放電昇圧部23への充電と、充放電昇圧部23による曝気用ポンプ19への放電を切替えて、曝気用ポンプ19により直上水を間欠的に曝気する。
【選択図】図2
Description
また、特許文献2は、光照射体を用いて底泥に光照射を行うことにより、藻類の繁殖を促し、藻類の光合成によって、水底周辺の貧酸素環境を改善しようとするものであるため、藻類が十分に繁殖するまでに時間がかかり、その間は、貧酸素環境を改善することができないという課題がある。さらに、貧酸素環境の改善を藻類の光合成に頼っているため、貧酸素環境の改善具合が藻類の繁殖状況によって左右され、改善効果が安定しないという課題もある。
一方、特許文献3には、ヘドロ浄化処理施設において、生物燃料電池で発電した電力でポンプを駆動し、ポンプの吐出側配管に配設した微細気泡発生装置から溶存酸素供給対象水域(水層中)に酸素を供給(吐出)して曝気を行う曝気装置及び曝気方法が提案されている。しかし、生物燃料電池は発電量が少なく、これまでの研究は消費電力の少ないセンサーへの利用を検討したものがほとんどである。つまり、ただ単に生物燃料電池にポンプを接続するだけではポンプの駆動に十分な電力を供給することは困難であり、例え駆動できたとしても一時的なものに過ぎず、長時間にわたってポンプを駆動し続けることは不可能である。従って、微細気泡発生装置の動作が安定せず、供給できる酸素量が限られ、広範囲の閉鎖性水域の底質を継続して安定的に改善することはできない。そこで、特許文献3では、生物燃料電池で発電した直流を蓄電器に充電すると共に放電する充放電制御装置を用いることが記載されているが、例え、一旦、蓄電器に充電してから放電するとしても、絶え間なく放電し続ければ、いずれは放電量が充電量に追いつき、電力を供給できなくなるため、充放電制御及び運転方法に何らかの工夫が必要である。しかし、特許文献3には、充放電制御装置の具体的な構成及び動作について記載されておらず、どのようにして安定した(継続的な)曝気を行い、底質改善を実現するのか不明である。また、生物燃料電池(堆積物微生物燃料電池)の電圧は低く昇圧も不可欠であるが、特許文献3では昇圧についても記載されていない。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、堆積物微生物燃料電池由来の電力を有効活用し、底質改善の対象となる閉鎖性水域に安定的に酸素を供給して溶存酸素濃度を高めることにより、堆積物微生物燃料電池の動作を安定させると共に、広範囲の閉鎖性水域の底質を確実かつ効率的に改善することができる実用性及び省エネルギー性に優れた堆積物微生物燃料電池を用いた底質改善方法及び底質改善装置を提供することを目的とする。
1又は複数の前記堆積物微生物燃料電池で発電される電力を蓄電し、昇圧しながら断続的にモータ駆動式の曝気用ポンプに供給して、該曝気用ポンプにより前記直上水を間欠的に曝気する。
1又は複数の前記堆積物微生物燃料電池を有する発電部と、複数のコンデンサを有する充放電昇圧部と、モータ駆動式の曝気用ポンプと、前記充放電昇圧部を制御する制御部とを備え、該制御部は、前記発電部による前記充放電昇圧部への充電と、前記充放電昇圧部による前記曝気用ポンプへの放電を切替えて、前記曝気用ポンプにより前記直上水を間欠的に曝気する。
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係る堆積物微生物燃料電池を用いた底質改善方法(以下、単に底質改善方法ともいう)における堆積物微生物燃料電池10は、底質改善の対象となる閉鎖性水域11の底質12に埋設される第1の電極(アノード)14と、第1の電極14と電気的に接続され底質12の上方の直上水15中に設置される第2の電極(カソード)16とを有し、底質12に含まれる有機物が底質12中の微生物(嫌気性微生物)に分解されて生じる電子が、第1の電極14を通って第2の電極16に移動することにより発電を行うものである。
そこで、本発明に係る底質改善方法では、複数の堆積物微生物燃料電池10で発電される電力を蓄電し、昇圧しながら断続的にモータ駆動式の曝気用ポンプ19に供給して、曝気用ポンプ19により直上水15を間欠的に曝気する。特に、曝気用ポンプ19による曝気で直上水15の溶存酸素濃度(DO)を2mg/L以上に上昇させることにより、栄養塩の溶出抑制効果を高めて、効率的に底質改善を行うことができる。
第2の電極16の材料としては、第1の電極14の材料と同様のものが用いられるが、電気伝導度が高く、腐食し難い炭素材料が好適に用いられる。また、第2の電極の形態として、第1の電極の形態と同様のものが用いられるが、上記の形態は、屈曲又は湾曲されてもよいし、表面に凹凸が形成されてもよい。
つまり、複数の堆積物微生物燃料電池10が発電した電力で複数のコンデンサ22を所定時間充電して十分な電力を蓄電し、昇圧してから放電することにより、モータの稼動電圧以上の電圧をモータに印加して曝気用ポンプ19を所定時間駆動することが可能となり、充電と放電が繰り返されることにより、直上水15の曝気が間欠的(断続的)に行われることになる。この曝気は、図1に示すように、曝気用ポンプ19の吐出口に接続された吐出管26の先側(出口)が直上水15の中に挿入され、空気(酸素)が吹き込まれることにより行われる。
充放電昇圧部23は、充電時に、図2に示すように、各コンデンサ22を各コンデンサ22に対応する各堆積物微生物燃料電池10にそれぞれ接続し、放電時に、図3に示すように、各コンデンサ22を各堆積物微生物燃料電池10から切り離して複数(全て)のコンデンサ22を直列接続する切替手段27を有している。そして、制御部25は、所定の時間間隔で切替手段27を動作させて充電と放電の切替えを行う。ここで、発電部21(各堆積物微生物燃料電池10)と充放電昇圧部23(各コンデンサ22)の間には充電用回路28が設けられ、充放電昇圧部23(各コンデンサ21)と曝気用ポンプ19の間には放電用回路29が設けられている。従って、充電時は、切替手段27で充電用回路28が選択されることにより、各コンデンサ22が充電用回路28を介して各コンデンサ22に対応する各堆積物微生物燃料電池10にそれぞれ接続され、各コンデンサ22が独立して各堆積物微生物燃料電池10で充電される(複数のコンデンサ22が並列して充電される)。また、放電時は、切替手段27で放電用回路29が選択されることにより、複数(全て)のコンデンサ22が放電用回路29を介して直列に接続され、昇圧された状態で曝気用ポンプ19(モータ)への放電が行われる。なお、図2及び図3では、制御部25と切替手段27を接続する信号線(配線)を省略した。
(実施例1)
図2~図4に示した底質改善装置20につき性能評価を行った。本実施例では、図1に示した閉鎖性水域11の状態を再現するために、横幅30cm×奥行き17cm×高さ25cmの水槽を使用し、その中に、富栄養化した池から採取した底質12を高さ10cmまで敷き詰め、その上に、直上水15として、同じ池から採取した表層水を水深10cm(水槽の底から高さ20cmの位置)まで充填した。なお、実験中に蒸発で減少する直上水15は蒸留水で補充した。第1の電極14として、4cm×10cmの7枚のカーボンフェルトを5cm置きに底質12に埋め込んだ。また、第2の電極16として、8cm×10cm(第1の電極14の2倍の面積)の7枚のカーボンフェルトを直上水15の中(第1の電極14の上方)に並べた。このとき、第2の電極16の上部が直上水15の水面から出るようにした。そして、第1の電極14と、対となる第2の電極16を、ステンレス線を用いた電気接続線18で1枚ずつ接続して7つの堆積物微生物燃料電池10を構成し、発電部21とした(図2、図3参照)。また、充放電昇圧部23(切替手段27)、制御部25(自動スイッチング回路31)、充電用回路28、放電用回路29等のその他の構成は底質改善装置20(図2~図4参照)と同様とした。
本実施例では、図4に示す制御部25(非安定マルチバイブレータ回路を用いた自動スイッチング回路31)の充放電時間設定手段33(可変抵抗34)で、充電(待機)時間を約88秒、放電(曝気)時間を約1秒に調整し、充電と放電を繰り返し行った。このときの各堆積物微生物燃料電池10の電極間電圧及び曝気用ポンプ19を駆動するモータに印加される電圧をそれぞれ電圧ロガーにより1秒間隔で測定した結果を図5(A)、(B)に示す。なお、図5(A)は、7つの堆積物微生物燃料電池10の電極間電圧の代表値を示している。
従って、本発明に係る底質改善装置20によれば、制御部25で、発電部21による充放電昇圧部23への充電と、充放電昇圧部23による曝気用ポンプ19への放電を切替えることにより、発電部21の各堆積物微生物燃料電池10の発電量が少なくても、充放電昇圧部23を充電して、曝気用ポンプ19の駆動に必要な電力を蓄電することができ、追加エネルギーを必要とすることなく、曝気用ポンプ19を安定して断続的(間欠的)に駆動できることが確認された。
次に、底質改善装置20による底質改善効果を確認するために、実施例1と同様の構成及び条件で底質改善装置20が稼動している場合と稼動していない場合(非稼動の場合)のそれぞれの直上水15の溶存酸素濃度(DO)の変化を調べた。ロガー付きDOメーターを用いて直上水15の溶存酸素濃度(DO)を約1時間置きに測定した結果を図6に示す。本実施例では、底質改善装置20を3日間稼動後、4日間非稼動とし、再び3日間稼動後に非稼動とした。
図6から、底質改善装置20の稼動中は、直上水15のDOが徐々に増加して、栄養塩の溶出抑制に効果が見られる2mg/L以上に達し、底質改善装置20の非稼動中は、直上水15のDOが徐々に低下する傾向を示すことがわかる。
従って、本発明に係る底質改善方法及び底質改善装置20によれば、曝気用ポンプ19により直上水15を間欠的に曝気して直上水15の溶存酸素濃度を上昇させることができ、栄養塩の溶出抑制効果を高めて、低コストで効率的に底質改善が可能であることが確認された。この底質改善装置20の構成をスケールアップすることにより、実際の閉鎖性水域における栄養塩の溶出を広範囲にわたって抑制することができるものと考えられる。
底質改善の対象となる閉鎖性水域の水は淡水でも海水でもよい。1台の底質改善装置で使用される第1、第2の電極の数、大きさ及び配置は、適宜、選択される。また、一箇所の閉鎖性水域に設置される底質改善装置の数及び配置は、閉鎖性水域の広さ及び環境(汚染状況等)に応じて、適宜、選択される。曝気用ポンプが間欠運転される時間間隔も適宜、選択される。
Claims (6)
- 底質改善の対象となる閉鎖性水域の底質に埋設される第1の電極と、該第1の電極と電気的に接続され前記底質の上方の直上水中に設置される第2の電極とを有し、前記底質に含まれる有機物が該底質中の微生物に分解されて生じる電子が、前記第1の電極を通って前記第2の電極に移動することにより発電を行う堆積物微生物燃料電池を用いた底質改善方法において、
1又は複数の前記堆積物微生物燃料電池で発電される電力を蓄電し、昇圧しながら断続的にモータ駆動式の曝気用ポンプに供給して、該曝気用ポンプにより前記直上水を間欠的に曝気することを特徴とする堆積物微生物燃料電池を用いた底質改善方法。 - 請求項1記載の堆積物微生物燃料電池を用いた底質改善方法において、前記曝気用ポンプによる曝気で前記直上水の溶存酸素濃度を2mg/L以上に上昇させることを特徴とする堆積物微生物燃料電池を用いた底質改善方法。
- 底質改善の対象となる閉鎖性水域の底質に埋設される第1の電極と、該第1の電極と電気的に接続され前記底質の上方の直上水中に設置される第2の電極とを有し、前記底質に含まれる有機物が該底質中の微生物に分解されて生じる電子が、前記第1の電極を通って前記第2の電極に移動することにより発電を行う堆積物微生物燃料電池を用いた底質改善装置において、
1又は複数の前記堆積物微生物燃料電池を有する発電部と、複数のコンデンサを有する充放電昇圧部と、モータ駆動式の曝気用ポンプと、前記充放電昇圧部を制御する制御部とを備え、該制御部は、前記発電部による前記充放電昇圧部への充電と、前記充放電昇圧部による前記曝気用ポンプへの放電を切替えて、前記曝気用ポンプにより前記直上水を間欠的に曝気することを特徴とする堆積物微生物燃料電池を用いた底質改善装置。 - 請求項3記載の堆積物微生物燃料電池を用いた底質改善装置において、前記充放電昇圧部は、充電時に前記各コンデンサを1又は複数の前記各堆積物微生物燃料電池に接続し、放電時に前記各コンデンサを1又は複数の前記堆積物微生物燃料電池から切り離して複数の該コンデンサを直列接続する切替手段を有し、前記制御部は、所定の時間間隔で前記切替手段を動作させて前記充電と前記放電の切替えを行う自動スイッチング回路を備えていることを特徴とする堆積物微生物燃料電池を用いた底質改善装置。
- 請求項4記載の堆積物微生物燃料電池を用いた底質改善装置において、前記自動スイッチング回路は、充放電時間設定手段を有し、該充放電時間設定手段で設定される充電時間と放電時間に従って前記切替手段による前記充電と前記放電の切替えが行われることを特徴とする堆積物微生物燃料電池を用いた底質改善装置。
- 請求項5記載の堆積物微生物燃料電池を用いた底質改善装置において、前記充放電時間設定手段は、可変抵抗を有し、該可変抵抗の抵抗値が変更されることにより、前記充電時間と前記放電時間が調整されることを特徴とする堆積物微生物燃料電池を用いた底質改善装置。
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