JP2023540902A - 高度に飽和したジエンエラストマーをベースとしたゴム組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
転がり抵抗を低減するためには、無機フィラー、例えばシリカで補強されたジエンゴム組成物を用いることが知られている。無機フィラーで補強されたジエンゴム組成物は、通常、カップリング剤としてのシラン、例えばポリスルフィド、又は保護されたチオール基を有するシランであるブロックメルカプトシランを含有する。上記シランにより、上記ジエンエラストマーと上記無機フィラーの間の相互作用を生み出し、上記ゴム組成物における上記無機フィラーの分散を促進することができる。
更に、ゴム組成物においてフィラーにより与えられる最適な補強特性、及びそれによる高い耐摩耗性を得るためには、このフィラーが、可能な限り微粉化し、且つ可能な限り均一に分布して最終形態のエラストマーマトリックスに存在することが通常望ましいことが知られている。実際、このような状態は、このフィラーが、一方ではエラストマーとの混合の間にマトリックスに取り込まれて塊にならず、一方ではこのマトリックスに均一に分散する、非常に良好な能力を示す限りにおいてのみ達成することができる。よく知られているように、カーボンブラックはこのような能力を有している。一方で、このことは無機フィラー、特にシリカには通常当てはまらない。これは、相互親和性の理由のため、これらの無機フィラー粒子がエラストマーマトリックスにおいて凝集する傾向にあるためである。これらの相互作用は、上記フィラーの分散性、及びそれによる補強特性を、混合作業の間に生じうる全ての(無機フィラー/エラストマー)結合が実際に得られた場合に達成することが理論的に可能なレベルよりもかなり低いレベルに制限するという、良くない結果を有する。これらの相互作用は更に、上記ゴム組成物の未硬化状態の稠度を上昇させ、それによりそれらの加工可能性をカーボンブラックが存在するよりも困難にする傾向にある。
タイヤトレッドにおいて、無機フィラー、特に高度な分散型の特定のシリカで補強された新規なゴム組成物を使用することにより、この性能の妥協点を改善することが可能であった。このシリカは、補強の観点から従来のタイヤグレードのカーボンブラックに匹敵することができ、一方でこれらの組成物に、これらの組成物を含有するタイヤのより低い転がり抵抗と同じ意味である、より小さいヒステリシスを提供する。このような高度に分散性のシリカ(「高度に分散性」又は「高度に分散性のシリカ」を「HD」又は「HDS」と示す)で充填されたトレッドは、使用者に提供されるエネルギー節約(「グリーンタイヤコンセプト」)に関連して「グリーンタイヤ」と呼ばれることもある転がり抵抗の低いタイヤにおいて用いることができ、広く記載されてきた。特にEP501227、EP692492、EP692493、EP735088、EP767206、EP786493、EP881252、WO99/02590、WO99/02601、WO99/02602、WO99/06480、WO00/05300、WO000/05301の特許出願が参照されるであろう。これらの先行文献は、BET比表面積が100から250m2/gの間のHDシリカの使用を教示している。実際に、「グリーンタイヤ」の分野でリストアップされた高い比表面積を有する1種のHDシリカは、特に、Solvayから販売されているZeosil 1165 MPシリカ(BET表面積が約160m2/gに相当)である。このZeosil 1165 MPシリカを使用することにより、タイヤ性能の観点、特に十分な耐摩耗性及び転がり抵抗の観点で良好な妥協点を得ることができる。
その研究を続けることで、出願人は、シリカで充填された組成物において、高度に飽和したジエンエラストマーと特定の1,3-双極子化合物と特定のラジカル架橋系を組み合わせて用いることで、上述した性能の妥協点を更に改善することが可能となることを思いがけなく見出した。
従って、本発明の1つの対象は、ゴム組成物であって、少なくとも、
50phrを超えるエチレン単位及び1,3-ジエン単位を含有するコポリマーを含有し、上記コポリマーにおける上記エチレン単位が上記コポリマーのモノマー単位の50mol%超に相当する、エラストマーマトリックス、
式(I)に相当する1,3-双極子化合物、
Qは、1つ又は複数の同一の又は異なる、好ましくは飽和の、直鎖状又は分岐状の、1つ又は複数のヘテロ原子で置換又は割り込みされていてもよい脂肪族炭化水素鎖で置換されていてもよいアレンジイル環を表し、
Eは、1つ又は複数のヘテロ原子を含有してもよい2価の炭化水素基を表す)
主にシリカを含有するフィラー、並びに
少なくとも1種のラジカル重合開始剤と、(メタ)アクリレート化合物、マレイミド化合物、アリル化合物、ビニル化合物及び混合物からなる群から選択される共架橋剤とを含有する架橋系をベースとした、ゴム組成物である。
本発明の別の対象は、本発明による組成物を含有するゴム物品、特に空気式又は非空気式タイヤのトレッドである。
語句「ベースとした組成物」は、混合物、及び/又は用いられる種々の成分のそのままでの反応生成物を含有する組成物を意味するものとして理解されるべきであり、これらの成分のいくつかは、上記組成物の製造の種々の段階の間に、少なくとも部分的には互いに反応することができ、及び/又は反応することを意図されており、従って、上記組成物は、完全な若しくは部分的な架橋状態又は非架橋状態となることが可能となる。
本発明の目的において、語句「エラストマー100質量部(parts by weight)当たりの質量部(part by weight)」(又はphr)は、エラストマー100質量部(parts by mass)当たりの質量部(part by mass)を意味するものとして理解されるべきである。
本明細書においては、別に明らかに示されない限り、示された全てのパーセンテージ(%)は質量パーセンテージ(%)である。
更に、語句「aからbの間」で示される値のあらゆる区間は、aを超えてb未満に広がる値の範囲を表し(即ち、a及びbの境界は除外される)、一方で語句「a~b」で示される値のあらゆる区間は、aからbに広がる値の範囲を意味する(即ち、a及びbの厳密な境界を含む)。本明細書において、値の区間が語句「a~b」で示される場合、語句「aからbの間」で表される区間もまた優先的に示される。
本説明で記載される炭素含有化合物は、化石起源であってもバイオベース起源であってもよい。後者の場合、それらは部分的にバイオマス由来であっても完全にバイオマス由来であってもよく、バイオマス由来の再生可能な出発物質から得られてもよい。ポリマー、可塑剤、フィラー等が特に関係する。
本明細書で記載されるガラス転移温度「Tg」の全ての値は、規格ASTM D3418(1999)に従ってDSC(示差走査熱量測定)により公知の方法で測定される。
II-1 エラストマーマトリックス
本発明によるタイヤの組成物は、50phrを超えるエチレン単位及び1,3-ジエン単位を含有するコポリマーを含有し、上記コポリマーにおける上記エチレン単位が上記コポリマーのモノマー単位の50mol%超に相当する、エラストマーマトリックスを含有するという必須の特徴を有する。
本明細書において、「コポリマーにおけるエチレン単位がコポリマーのモノマー単位の50mol%超に相当する、エチレン単位及び1,3-ジエン単位を含有するコポリマー」は、表現の簡素化の目的で「コポリマー」又は「エチレン単位及び1,3-ジエン単位を含有するコポリマー」で示すことができる。
用語「エラストマーマトリックス」とは、上記組成物の全てのエラストマーを意味することが意図される。
語句「エチレン単位及び1,3-ジエン単位を含有するコポリマー」は、その構造内に少なくともエチレン単位及び1,3-ジエン単位を含有するあらゆるコポリマーを意味するものと理解される。従って、上記コポリマーは、エチレン単位及び1,3-ジエン単位以外のモノマー単位を含有することができる。例えば、上記コポリマーはまた、α-オレフィン単位、特に3~18個の炭素原子、有利なことには3~6個の炭素原子を有するα-オレフィン単位を含有することができる。例えば、上記α-オレフィン単位は、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン又はそれらの混合物からなる群から選択することができる。
公知の方法では、語句「1,3-ジエン単位」とは、イソプレンの場合には1,4付加、1,2付加又は3,4付加による1,3-ジエンの挿入に由来する単位を言う。上記1,3-ジエン単位は、例えば、1,3-ジエン、又は1,3-ジエンの混合物によるものであり、上記1,3-ジエンは4~12個の炭素原子を有し、例えば非常に具体的には1,3-ブタジエン及びイソプレンである。好ましくは、上記1,3-ジエンは1,3-ブタジエンである。
有利なことには、上記コポリマーにおける上記エチレン単位は、上記コポリマーのモノマー単位の50mol%から95mol%の間、好ましくは55mol%から90mol%の間に相当する。
有利なことには、エチレン単位及び1,3-ジエン単位を含有するコポリマーは、エチレン及び1,3-ジエンからなるコポリマーであり、即ち上記コポリマーは、エチレン及び1,3-ジエン以外のいずれの単位も含有しない。
例えば、エチレン及び1,3-ジエンからなるコポリマーは、式(II)の単位を欠いていてよい。この場合、式(III)の単位を含有することが好ましい。
0<o+p≦25 (式1)
0<o+p<20 (式2)
本発明によれば、上記コポリマー、好ましくはエチレン及び1,3-ジエン(好ましくは1,3-ブタジエン)からなるコポリマーは、ランダムコポリマーである。
有利なことには、上記コポリマー、好ましくはエチレン及び1,3-ジエン(好ましくは1,3-ブタジエン)からなるコポリマーの数平均質量(Mn)は、100000~300000g/mol、好ましくは150000~250000g/molの範囲内である。
上記コポリマーのMnは、以下に記載されるようなサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により公知の方法で決定される。
上記コポリマーは、それらのミクロ構造及び/又はそれらのマクロ構造を理由に互いに異なっている、エチレン単位及びジエン単位を含有するコポリマーの混合物からなっていてもよい。
有利なことには、上記組成物におけるエチレン単位及び1,3-ジエン単位を含有するコポリマーの含有量は、60~100phr、好ましくは80~100phrの範囲内である。
上記エラストマーマトリックスは、有利なことには、エラストマーとしてエチレン単位及び1,3-ジエン単位を含有するコポリマーのみを含有することができる。
本発明によるタイヤのエラストマーマトリックスの他のエラストマーは、優先的には、高度に不飽和なジエンエラストマー、例えばポリブタジエン(「BR」と略される)、合成ポリイソプレン(IR)、天然ゴム(NR)、ブタジエンコポリマー、イソプレンコポリマー及びこれらのエラストマーの混合物の群から選択される。「高度に不飽和なジエンエラストマー」は、通常、50%(mol%)を超えるジエン起源(共役ジエン)単位の含有量を有する共役ジエンモノマーに少なくとも一部は由来するジエンエラストマーを意味するものと理解される。
本発明に従うゴム組成物は、1,3-双極子化合物を含有する。用語「1,3-双極子化合物」は、IUPACにより定められた定義に従って理解される。
上記1,3-双極子化合物は、式(I)に相当する。
Qは、1つ又は複数の同一の又は異なる、好ましくは飽和の、直鎖状又は分岐状の、1つ又は複数のヘテロ原子で置換又は割り込みされていてもよい脂肪族炭化水素鎖で置換されていてもよいアレンジイル環を表し、
Eは、1つ又は複数のヘテロ原子を含有してもよい2価の炭化水素基を表す)
本発明の目的において、「単環式又は多環式芳香族炭化水素基」は、その骨格が炭素原子からなる、1つ又は複数の芳香環を意味するものと理解される。言い換えれば、環の骨格にヘテロ原子が存在しない。上記アレンジイル環は、単環式であってもよく、即ち単一の環からなっていてもよく、多環式であってもよく、即ち複数の縮合芳香族炭化水素環からなっていてもよく、このような縮合環はそれにより少なくとも2つの連続した共通の炭素原子を有する。これらの環はオルト縮合であってもよく、オルト及びペリ縮合であってもよい。
好ましくは、上記アレンジイル環は6~14個の炭素原子を含有する。
好ましくは、上記アレンジイル環が、1つ又は複数の同一の又は異なる、好ましくは飽和の、直鎖状又は分岐状の、1つ又は複数のヘテロ原子で置換又は割り込みされていてもよい脂肪族炭化水素鎖で置換されている場合、この鎖又はこれらの鎖は、N-置換イミダゾリジノン官能基及びニトリル酸化物に関して不活性でありうる。
本発明の目的において、「N-置換イミダゾリジノン官能基及びニトリル酸化物に関して不活性である炭化水素鎖」は、上記N-置換イミダゾリジノン官能基とも上記ニトリル酸化物とも反応しない炭化水素鎖を意味するものと理解される。従って、上記N-置換イミダゾリジノン官能基及び上記ニトリル酸化物に関して不活性である上記炭化水素鎖は、好ましくは、上記官能基又は上記基と反応することのできるアルケニル又はアルキニル官能基を有さない脂肪族炭化水素鎖、即ち飽和の、直鎖状又は分岐状の、1つ又は複数のヘテロ原子で置換又は割り込みされていてもよい、優先的には1~24個の炭素原子を含有する脂肪族炭化水素鎖である。
式(Ia)のX1~X5から選択される1つの基、及び式(Ib)のX1~X7から選択される1つの基は、以下の式(IV)の基の基Eへの連結を可能にする共有結合を示す)
有利なことには、式(Ia)においては、X2が、上記に規定された式(IV)の基の基Eへの連結を可能にする共有結合を示し、X1、X3、X4及びX5が、同一であっても異なっていてもよく、水素原子、又は好ましくは飽和の、直鎖状若しくは分岐状の、1つ若しくは複数のヘテロ原子で置換若しくは割り込みされていてもよいC1-C24脂肪族炭化水素鎖を表す。より優先的には、X2が、上記に規定された式(IV)の基の基Eへの連結を可能にする共有結合を示し、X1、X3、X4及びX5が、同一であっても異なっていてもよく、水素原子、C1-C12(より優先的にはC1-C6、より優先的には更にC1-C4)アルキル、OR’基、-NHR’基及び-SR’基からなる群から選択され、ここでR’はC1-C12、より優先的にはC1-C6、より優先的には更にC1-C4のアルキルである。
優先的には、式(I)、(Ia)及び(Ib)の化合物において、基Eは、好ましくは飽和の、直鎖状又は分岐状の、1つ又は複数の窒素、硫黄又は酸素原子で割り込みされていてもよいC1-C24、より優先的にはC1-C10、より優先的には更にC1-C6の炭化水素鎖である。
より優先的には更に、式(I)、(Ia)及び(Ib)の化合物において、基Eは、-R-及び-OR-からなる群から選択され、ここでRは直鎖状又は分岐状のC1-C24、好ましくはC1-C10、より優先的にはC1-C6のアルキレンである。
より優先的には更に、式(I)、(Ia)及び(Ib)の化合物において、基Eは、-CH2-、-CH2-CH2-、-CH2-CH2-CH2-、-CH2-CH2-CH2-CH2-、-O-CH2-、-O-CH2-CH2-、-O-CH2-CH2-CH2-及び-O-CH2-CH2-CH2-CH2-から選択される。
上記ゴム組成物に導入される1,3-双極子化合物の量は、イミダゾール環のモル当量として表される。例えば、上記1,3-双極子化合物が上記に規定された式(II)の1つのイミダゾール環のみを含有する場合、イミダゾール環の1モルが、1,3-双極子化合物の1モルに相当する。上記1,3-双極子化合物が上記に規定された式(II)の2つのイミダゾール環を含有する場合、イミダゾール環の2モルが、1,3-双極子化合物の1モルに相当する。後者の場合、イミダゾール環の1モル当量と一致する上記1,3-双極子化合物の使用は、1,3-双極子化合物の半モルに相当する。
(b1)少なくとも1種の極性溶媒S1、少なくとも1種の塩基の存在下、70℃~150℃の範囲の温度T1での以下の式(XIII)の化合物
(d)少なくとも1種の有機溶媒S2の存在下、上記式(XVI)のオキシム化合物を酸化剤で酸化する工程であって、上記酸化剤の含有量が式(XVI)のオキシム化合物のモル量に対して少なくとも6モル当量である、工程。
本出願の目的において、「離核性基」は、その結合電子対を持ち去る脱離基を意味するものと理解される。
本出願の目的において、「求核基」は、自由電子対を有する少なくとも1つの原子、又は1つの負に帯電した原子を含有する化合物を意味するものと理解される。
上記に説明したように、上記式(I)の化合物の合成プロセスは、特に連続した工程(b1)及び(b2)を含む。
上記2つの工程(b1)及び(b2)は、上記式(XV)の化合物を単離及び精製する工程により分離することができる。
上記プロセスは、基Yを有する上述したような式(XIII)の化合物を、基Zを有する上述したような式(XIV)の化合物と反応させる工程(b1)を含む。
好ましくは、基Yは、ヒドロキシル官能基、チオール官能基、及び1級又は2級アミン官能基から選択される。
基Zは、塩素、臭素、ヨウ素、メシラート基、トシラート基、アセタート基、及びトリフルオロメチルスルホナート基から選択することができる。
上記プロセスの上記工程(b1)は、少なくとも1種の極性溶媒S1及び少なくとも1種の塩基の存在下、70℃~150℃の範囲の温度T1で行われる。
上記極性溶媒S1は、水混和性極性溶媒、優先的にはプロトン性溶媒でありうる。
ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン(DMI)、1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミジノン(DMPU)、イソプロパノール、アセトニトリル、エタノール、n-ブタノール及びn-プロパノールが上記プロセスで用いることのできる溶媒S1の例である。
有利なことには、上記式(XIII)の化合物は、上記溶媒の質量に対して5質量%~40質量%、好ましくは10質量%~30質量%に相当する。
上記塩基は、アルカリ金属アルコキシド、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸塩、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物及びそれらの混合物から選択することができる。
有利なことには、
銀(I)塩型の触媒、4級アンモニウム型の相間移動触媒、及びそれらの混合物から選択される1種又は複数種の触媒、
1種又は複数種のイオン液体を添加することができる。
優先的には、上記塩基はナトリウムメトキシド、炭酸カリウム及び水酸化ナトリウムから選択され、より優先的には炭酸カリウムである。
上記に説明したように、上記プロセスの工程(b1)は70℃~150℃の範囲の温度T1で行われる。
好ましくは、上記温度T1は70~120℃、より優先的には80℃~110℃の範囲の温度である。
上記に説明したように、上記プロセスの工程(b1)に続いて、上記式(XV)の化合物を含有する反応媒体に、30℃~70℃の範囲の温度T2でヒドロキシルアミン水溶液を添加する工程(b2)が行われる。
優先的には、上記ヒドロキシルアミン水溶液の添加は、上記式(XIII)の化合物の変換が少なくとも70質量%である場合に行われる。
有利なことには、上記温度T2は40℃~60℃で変化する。
好ましくは、上記式(XVI)のオキシム化合物は、水による沈殿により回収され、続いて水洗が行われてもよい。
上記プロセスはまた、少なくとも1種の有機溶媒S2の存在下、上記式(XVI)のオキシム化合物を酸化剤で酸化して、上記式(I)の化合物、特に好ましい化合物を得る工程(d)であって、酸化剤の量が式(XVI)のオキシム化合物のモル量に対して少なくとも6モル当量、優先的には6.5~15モル当量である、工程(d)を含む。
酸化剤のこの量は、一度に全部、又は工程(d)の間に1回又は複数回の用量で、好ましくは工程(d)の間に2回の用量で添加することができる。
好ましくは、上記酸化剤は、次亜塩素酸ナトリウム、塩基の存在下でのN-ブロモスクシンイミド、及び塩基の存在下でN-クロロスクシンイミドから選択され、優先的には上記酸化剤は次亜塩素酸ナトリウムである。
優先的には、上記有機溶媒S2は、塩素化溶媒、並びにエステル系、エーテル系及びアルコール系の溶媒から選択され、より優先的にはジクロロメタン、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジエチルエーテル、イソプロパノール及びエタノールから選択され、更に優先的には更に酢酸エチル及び酢酸ブチルから選択される有機溶媒である。
上記プロセスは工程(b1)の前に、以下の式(XVII)の化合物を、離核性基Zの形成を可能にする物質と反応させることにより上記式(XIV)の化合物を製造する工程(a2)を含むことができる。
好ましくは、工程(a2)は、少なくとも1種の溶媒S4、優先的には塩素化溶媒、より優先的にはジクロロメタンの非存在下又は存在下で行われる。
有利なことには、工程(a2)の直後に、優先的にはトルエンによる精製、より優先的にはトルエンからの上記式(X)の化合物の結晶化により、上記式(X)の化合物を回収する工程(a3)が行われる。
式(I)に相当する1,3-双極子化合物を得るための他のプロセスが、特に文献WO2012/07441において当業者に知られている。
II-3 フィラー
本発明による組成物はまた、主にシリカを含有するフィラーをベースとするという必須の特徴を有する。
本発明による組成物で用いられるシリカは、当業者に知られたあらゆるシリカ、特にBET比表面積とCTAB比表面積の両方が450m2/g未満、好ましくは30~400m2/g、特に60~300m2/gであるあらゆる沈降シリカ又はヒュームドシリカでありうる。上記シリカは、有利なことには、125~200m2/gの範囲内のBET比表面積、及び/又は140~170m2/gの範囲内のCTAB比表面積を有する。
上記シリカのCTAB比表面積の値は、2010年6月の規格NF ISO 5794-1、付録Gに従って決定された。上記プロセスは、上記フィラーの「外側」表面へのCTAB(N-ヘキサデシル-N,N,N-トリメチルアンモニウムブロマイド)の吸着に基づく。
有利なことには、上記フィラーは70質量%を超える、好ましくは80質量%を超えるシリカを含有する。
上記シリカを上記コポリマーに結合させるために、上記シリカ(その粒子の表面)と上記コポリマーの間の化学的性質及び/又は物理的性質の十分な結合を提供することを意図された少なくとも2官能のカップリング剤(又は結合剤)を、公知の方法で用いることができる(本明細書中、以下、単に「カップリング剤」という)。特に、少なくとも2官能のオルガノシラン又はポリオルガノシロキサンが用いられる。用語「2官能」は、上記無機フィラーと相互作用することのできる第1官能基、及び上記コポリマーと相互作用することのできる第2官能基を有する化合物を意味するものと理解される。例えば、そのような2官能化合物は、ケイ素原子を含有する第1官能基、及び硫黄原子を含有する第2官能基を含有することができ、上記第1官能基は無機フィラーの水酸基と相互作用することができ、上記第2官能基は上記コポリマーと相互作用することができる。
当業者は、以下の文献、WO02/083782、WO02/30939、WO02/31041、WO2007/061550、WO2006/125532、WO2006/125533、WO2006/125534、US6,849,754、WO99/09036、WO2006/023815、WO2007/098080、WO2010/072685及びWO2008/055986にカップリング剤の例を見出すことができる。
有利なことには、上記カップリング剤は、オルガノシランポリスルフィド、ポリオルガノシロキサン、メルカプトシラン、アクリロシラン及びメタクリロシランからなる群から選択されるオルガノシランである。
本発明による組成物はシリカ以外のフィラーを含有することができるが、これは必須ではない。これらは特に有機フィラー、例えばカーボンブラックでありうる。
本発明に照らして用いることのできるブラックは、空気式若しくは非空気式タイヤ、又はそれらのトレッドに従来用いられているあらゆるブラック(「タイヤグレード」のブラック)でありうる。後者のなかでも、更に特に、100、200及び300シリーズの補強用のカーボンブラック、又は500、600若しくは700シリーズのブラック(ASTMグレード)、例えばN115、N134、N234、N326、N330、N339、N347、N375、N550、N683及びN772のブラックが挙げられるであろう。これらのカーボンブラックは、市販されているような単離された状態で、又はあらゆる他の形態で、例えばいくつかの用いられるゴム添加剤の支持体として用いることができる。上記カーボンブラックは、例えば、マスターバッチの形態で上記コポリマー、特にイソプレンコポリマーに既に組み込まれていてもよい(例えば、WO97/36724及びWO99/16600の出願を参照)。いくつかのカーボンブラックの混合物もまた、所定量で用いることができる。
好ましくは、上記フィラーは、80質量%から99質量%の間のシリカ及び1質量%から20質量%の間のカーボンブラックを含有する。
II-4 架橋系
本発明による組成物はまた、少なくとも1種のラジカル重合開始剤と、(メタ)アクリレート化合物、マレイミド化合物、アリル化合物、ビニル化合物及びそれらの混合物からなる群から選択される共架橋剤とを含有する架橋系を含有する。
ラジカル重合開始剤は、本発明による組成物の重合に必要なフリーラジカルの供給源である。これらの化合物は当業者によく知られており、特に例えば文献WO2002/22688及びFR2899808、並びに文献Denisov et al. (Handbook of Free Radical Initiators, John Wiley & Sons, 2003)に記載されている。
好ましくは、本発明によれば、上記少なくとも1種のラジカル重合開始剤は、過酸化物、アゾ化合物、レドックス(酸化/還元)系及びそれらの混合物からなる群、好ましくは過酸化物、アゾ化合物及びそれらの混合物からなる群から選択される。より好ましくは、上記少なくとも1種のラジカル重合開始剤は、過酸化物、又はいくつかの過酸化物の混合物である。上記少なくとも1種のラジカル重合開始剤は、当業者に知られたあらゆる過酸化物でありうる。当業者によく知られた過酸化物のなかでも、本発明に照らせば、有機過酸化物を用いることが好ましい。
上記有機過酸化物は、好ましくは、ジアルキルペルオキシド、モノペルオキシカーボネート、ジアシルペルオキシド、ペルオキシケタール及びペルオキシエステルを含有する群又はこれらからなる群から選択される。
好ましくは、上記ジアルキルペルオキシドは、ジクミルペルオキシド、ジ(t-ブチル)ペルオキシド、t-ブチルクミルペルオキシド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-アミルペルオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ)ヘキサ-3-イン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-アミルペルオキシ)ヘキサ-3-イン、α,α’-ジ[(t-ブチルペルオキシ)イソプロピル]ベンゼン、α,α’-ジ[(t-アミルペルオキシ)イソプロピル]ベンゼン、ジ(t-アミル)ペルオキシド、1,3,5-トリ[(t-ブチルペルオキシ)イソプロピル]ベンゼン、1,3-ジメチル-3-(t-ブチルペルオキシ)ブタノール及び1,3-ジメチル-3-(t-アミルペルオキシ)ブタノールを含有する群又はこれらからなる群から選択される。
上記ジアシルペルオキシのなかでも、好ましい過酸化物はベンゾイルペルオキシドである。
上記ペルオキシケタールのなかでも、好ましい過酸化物は、1,1-ジ(t-ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、n-ブチル4,4-ジ(t-ブチルペルオキシ)バレラート、エチル3,3-di(t-ブチルペルオキシ)ブチラート、2,2-ジ(t-アミルペルオキシ)プロパン、3,6,9-トリエチル-3,6,9-トリメチル1,4,7-トリペルオキシノナン(又はメチルエチルケトンペルオキシド環状三量体)、3,3,5,7,7-ペンタメチル1,2,4-トリオキセパン、n-ブチル4,4-ビス(t-アミルペルオキシ)バレラート、エチル3,3-ジ(t-アミルペルオキシ)ブチラート、1,1-ジ(t-ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1-ジ(t-アミルペルオキシ)シクロヘキサン及びそれらの混合物を含有する群又はこれらからなる群から選択される。好ましくは、上記ペルオキシエステルは、tert-ブチルペルオキシベンゾアート、tert-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノアート及びtert-ブチルペルオキシ-3,5,5-トリメチルヘキサノアートからなる群から選択される。
用語「アゾ化合物」は、その分子構造が少なくとも1つの-N=N-結合(共有二重結合で結合した2つの窒素原子)を含有する化合物を意味するものと理解される。
好ましくは、上記アゾ化合物は、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(2-ブタンニトリル)、4,4’-アゾビス(4-ペンタン酸)、1,1’-アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2-(t-ブチルアゾ)-2-シアノプロパン、2,2’-アゾビス[2-メチル-N-(1,1)-ビス(ヒドロキシメチル)-2-ヒドロキシエチル]プロピオンアミド、2,2’-アゾビス(2-メチル-N-ヒドロキシエチル]プロピオンアミド、2,2’-アゾビス(N,N’-ジメチレンイソブチルアミジン)ジクロリド、2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)ジクロリド、2,2’-アゾビス(N,N’-ジメチレンイソブチルアミド)、2,2’-アゾビス(2-メチル-N-[1,1-ビス(ヒドロキシメチル)-2-ヒドロキシエチル]プロピオンアミド)、2,2’-アゾビス(2-メチル-N-[1,1-ビス(ヒドロキシメチル)エチル]プロピオンアミド)、2,2’-アゾビス[2-メチル-N-(2-ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’-アゾビス(イソブチルアミド)二水和物及びそれらの混合物からなる群から選択される。
用語「レドックス系」は、ラジカルを発生する酸化還元反応を引き起こす化合物の組み合わせを意味するものと理解される。
それらは例えば、過酸化物と3級アミンの組み合わせ(例えば、ベンゾイルペルオキシドとジメチルアニリンのペア)、ヒドロペルオキシドと遷移金属の組み合わせ(例えば、クメンヒドロペルオキシドとナフテン酸コバルトの混合物)でありうる。
有利なことには、本発明による組成物におけるラジカル開始剤、好ましくは有機過酸化物の含有量は、0.1~10phr、好ましくは0.1~3phr、より好ましくは0.2~2.5phrの範囲内である。
共架橋剤
本発明によれば、上記共架橋剤は、(メタ)アクリレート化合物、マレイミド化合物、アリル化合物、ビニル化合物及びそれらの混合物からなる群から選択される。
好ましくは、上記共架橋剤は、金属塩形態、又はエステル形態、又はポリマー形態の(メタ)アクリレート化合物を含有する。
より好ましくは、上記共架橋剤は、式(XI)のアクリレート誘導体を含有する。
[X]pA (XI)
(式中、
[X]pは、式(XII)の基に相当し、
R1、R2及びR3は、独立して、水素原子、又は直線状、分岐状若しくは環状のアルキル基、アルキルアリール基、アリール基及びアラルキルからなる群から選択されるC1-C8の炭化水素基を表し、1つ又は複数のヘテロ原子で割り込みされていてもよく、R2及びR3は共に非芳香族環を形成することができ、
(*)は、式(XII)の基のAへの連結点を表す)
Aは、アルカリ土類金属若しくは遷移金属からなる群に属する原子、炭素原子、又は1つ若しくは複数のヘテロ原子で割り込み及び/若しくは置換されていてもよいC1-C30の炭化水素基を表し、
Aは、p個の自由原子価を含み、pは、2~6の範囲内の値を有し、
2~6個のX基は、同一又は異なると理解される)
環状のアルキル基は、1つ又は複数の環を含有するアルキル基を意味するものと理解される。
1つ又は複数のヘテロ原子で割り込みされた炭化水素基又は炭化水素鎖は、1つ又は複数のヘテロ原子を含有する基又は鎖を意味するものと理解され、それぞれのヘテロ原子は、その基又はその鎖の2つの炭素原子間、その基又はその鎖の炭素原子とその基又はその鎖の別のヘテロ原子の間、又はその基又はその鎖の2つの他のヘテロ原子間にある。
1つ又は複数のヘテロ原子で置換された炭化水素基又は炭化水素鎖は、1つ又は複数のヘテロ原子を含有する基又は鎖を意味するものと理解され、それぞれのヘテロ原子は、上記炭化水素基又は炭化水素鎖に割り込むことなく、共有結合によって上記炭化水素基又は炭化水素鎖に結合している。
言い換えれば、Aは、有利なことには、酸素、硫黄、窒素、ケイ素又はリン原子及びそれらの組み合わせから選択される、好ましくは酸素及び硫黄原子からなる群から選択される、1つ又は複数のヘテロ原子で割り込み及び/又は置換された直線状、分岐状又は環状のC4-C30の炭化水素基を表す。より好ましくは、Aは、有利なことには、1つ又は複数の酸素及び/又は硫黄原子で割り込み及び/又は置換された、好ましくは1つ又は複数の酸素原子で割り込み及び/又は置換された、直線状、分岐状又は環状の、好ましくは直線状又は分岐状のC4-C30の炭化水素基を表す。
好ましくは、Aは、1つ又は複数の酸素及び/又は硫黄原子で割り込みされた、好ましくは1つ又は複数の酸素原子で割り込みされた、直線状、分岐状又は環状の、好ましくは直線状又は分岐状のC4-C30の炭化水素基を表す。より好ましくは、Aは、1つ又は複数の酸素原子で割り込みされた直線状又は分岐状のC4-C30の炭化水素基を表す。
Aが環状炭化水素基を含有する場合、それは非芳香族又は芳香族の環状炭化水素基でありうる。
上記R1基、R2基、R3基及びA基のヘテロ原子は、互いに独立して、酸素、硫黄、窒素、リン又はケイ素原子、好ましくは酸素又は窒素原子でありうる。
上記A基の性質が何であれ、R1、R2及びR3は、互いに独立して、水素原子、メチル基又はエチル基を表すことができ、好ましくは、R1、R2及びR3は、互いに独立して、水素原子又はメチル基を表す。
有利なことには、R1がメチル基を表し、R2及びR3がそれぞれ水素原子を表すことができる。別の方法では、R1、R2及びR3がそれぞれ水素原子を表すことができる。
原子価数pは、上記A基の性質に依存する。本発明によれば、pは2、3、4、5又は6でありうる。好ましくは、pは2、3又は4であり、好ましくは2又は3であり、好ましくは2である。
Aは、アルカリ土類金属若しくは遷移金属からなる群に属する原子、炭素原子、又はC1-C13、好ましくはC1-C8の炭化水素基を表し、
Aは、p個の自由原子価を含み、pは、2~4の範囲内の値を有し、
式(VIII)のアクリレート誘導体の2~4個のX基は、同一又は異なる、好ましくは同一と理解される。
本発明によれば、Aがアルカリ土類金属又は遷移金属からなる群に属する原子を表す場合、それは例えばZn及びMgからなる群から選択される原子でありうる。
AがC1-C13、好ましくはC1-C8の炭化水素基を表す場合、それは例えばC1-C7、好ましくはC1-C6の炭化水素基でありうる。
好ましくは、Aは、以下の基からなる群から選択されるC1-C13の炭化水素基を表す。
従って、本発明によれば、上記式(VIII)のアクリレート誘導体は、ジメタクリル酸亜鉛(ZDMA)、ジメタクリル酸マグネシウム(MgDMA)、ジアクリル酸亜鉛(ZDA)、ジアクリル酸マグネシウム(MgDA)、トリメタクリル酸トリメチロールプロパン(TMPTMA)、トリアクリル酸トリメチロールプロパン(TMPTA)、ジアクリル酸1,6-ヘキサンジオール(HDDA)及びそれらの混合物から選択することができる。
市販されている例は、ジアクリレート誘導体、例えばジアクリル酸亜鉛(ZDA)であるCray ValleyのDymalink 633、ジメタクリル酸亜鉛(ZDMA)であるCray ValleyのDymalink 634、トリメタクリル酸トリメチロールプロパン(TMPTMA)であるSartomerのSR351、又はSigma-Aldrichのジアクリル酸1,6-ヘキサンジオール(HDDA)である。
有利なことには、上記組成物におけるラジカル重合開始剤の量は、上記組成物における共架橋剤の質量に対して1質量%~10質量%、好ましくは1.25質量%から8質量%の間、好ましくは2質量%から5質量%の間、好ましくは3質量%から4質量%の間の範囲内である。
硫黄
更に、本発明による組成物は、有利なことには、加硫剤としての硫黄を含有しないか、又はそれを0.5phr未満、好ましくは0.3phr未満、好ましくは0.2phr未満、好ましくは0.1phr未満含有する。上記硫黄は、分子状硫黄であってもよく、硫黄供与剤、例えばアルキルフェノールジスルフィド(APDS)に由来してもよい。
上記ゴム組成物は、タイヤ用エラストマー組成物に習慣的に用いられるあらゆる又はいくつかの通常の添加剤、例えば可塑剤(例えば可塑化油及び/又は可塑化樹脂)、顔料、保護剤、例えば抗オゾンワックス、化学的オゾン劣化防止剤、酸化防止剤、抗疲労剤、強化樹脂(例えばWO02/10269の出願に記載)をまた含有してもよい。
II-6 ゴム組成物の調製
本発明に従う組成物は、当業者によく知られた2つの連続した調製段階を用いて適切なミキサーにおいて製造することができる。
熱機械的に作業又は混錬する第1段階(「非生産的」段階)は、単一の熱機械的工程で行うことができ、その間、全ての必要な成分、特にエラストマーマトリックス、フィラー、共架橋剤及び任意の他の種々の添加剤を、ラジカル重合開始剤を除いて適切なミキサー、例えば標準の内部ミキサー(例えば「バンバリー」型のもの)に投入する。任意のフィラーのエラストマーへの取り込みは、熱機械的混錬により1回又は複数回の用量で行うことができる。フィラーが、例えばWO97/36724及びWO99/16600の出願に記載されているようにマスターバッチの形態のエラストマーに既に全部又は一部が取り込まれている場合、それは直接混錬されるマスターバッチであり、適切であれば、マスターバッチの形態にはない上記組成物に存在する他のエラストマー又はフィラー、及びまた架橋系を除いた任意の他の種々の添加剤が取り込まれる。上記非生産的段階は、通常2から10分の間の時間、110℃から200℃の間、好ましくは130℃から185℃の間の最大温度までの高温で行うことができる。
このような段階は、例えば、EP-A-0501227、EP-A-0735088、EP-A-0810258、WO00/05300又はWO00/05301の出願に記載されている。
それにより得られた最終組成物は次いでカレンダー仕上げされ、特に実験室での特性評価のためには例えばシート又はスラブの形態となり、或いは例えばタイヤトレッドとして用いることのできるゴム半製品(又はプロファイル要素)の形態で押出しされる(又は別のゴム組成物と共押出しされる)。これらの製品は続いて、当業者に知られた技術に従ってタイヤの製造に用いることができる。
上記組成物の架橋は、例えば130℃から200℃の温度で、加圧下、当業者に知られた方法で行うことができる。
第1の「非生産的」段階の間に、130℃から200℃の間の最大温度に達するまで熱機械的に混錬することにより、上記コポリマー、上記1,3-双極子化合物、上記フィラー及び上記共架橋剤を添加する工程、
合わせた混合物を100℃未満の温度まで冷却する工程、
続いて上記ラジカル重合開始剤を取り込む工程、
合わせた混合物を120℃未満の最大温度まで混錬する工程を含む。
添加する1,3-双極子化合物の量は、上記コポリマーを構成するモノマー単位100モル当たり、優先的には0から3モル当量の間、より優先的には0から2モル当量の間、より優先的には更に0から1モル当量の間、実に更により好ましくは更に0から0.7モル当量の間のイミダゾール環である。これらの好ましい範囲のそれぞれについて、下限は、好ましくは少なくとも0.1モル当量の1,3-双極子化合物である。
好ましくは、少なくとも1種の酸化防止剤が、従来なされているように、それがミキサーに投入される前に、特に上記コポリマーの合成の終了時に、上記コポリマーに好ましくは添加される。
上記ゴム組成物の全ての成分の取り込み後、それにより得られた最終組成物は次いでカレンダー仕上げされ、特に実験室での特性評価のためには例えばシート又はスラブの形態となり、或いは例えば、タイヤの製造のためのゴム成分として用いられるゴムプロファイル要素を形成するために押出される。
本発明の別の対象は、少なくとも1つの本発明による組成物を含有するゴム物品である。
本発明に照らして改善した性能の妥協点を考えると、上記ゴム物品は、有利なことには、空気式タイヤ、非空気式タイヤ、キャタピラー軌道及びコンベヤーベルトからなる群から選択される。好ましくは、上記ゴム物品は空気式又は非空気式タイヤである。
より具体的には、本発明の別の対象は、少なくとも1つの本発明による組成物を含有するトレッドを備えた空気式又は非空気式タイヤである。
本発明の別の対象は、少なくとも1つの本発明による組成物を含有する少なくとも1つのゴム成分を含有するゴム製キャタピラー軌道であって、上記少なくとも1つのゴム成分が好ましくはエンドレスゴムベルト、又は複数のゴムパッドである、ゴム製キャタピラー軌道であり、また本発明による組成物を含有するゴム製コンベヤーベルトでもある。
本発明は、原料のままの状態(即ち、硬化前)及び硬化した状態(即ち、架橋又は加硫後)の両方の上述したゴム物品に関する。
上記に照らして、本発明の好ましい実施形態を以下に記載する。
1.ゴム組成物であって、少なくとも、
50phrを超えるエチレン単位及び1,3-ジエン単位を含有するコポリマーを含有し、上記コポリマーにおける上記エチレン単位が上記コポリマーのモノマー単位の50mol%超に相当する、エラストマーマトリックス、
式(I)に相当する1,3-双極子化合物、
Qは、1つ又は複数の同一の又は異なる、好ましくは飽和の、直鎖状又は分岐状の、1つ又は複数のヘテロ原子で置換又は割り込みされていてもよい脂肪族炭化水素鎖で置換されていてもよいアレンジイル環を表し、
Eは、1つ又は複数のヘテロ原子を含有してもよい2価の炭化水素基を表す)
主にシリカを含有するフィラー、並びに
少なくとも1種のラジカル重合開始剤と、(メタ)アクリレート化合物、マレイミド化合物、アリル化合物、ビニル化合物及びそれらの混合物からなる群から選択される共架橋剤とを含有する架橋系をベースとした、ゴム組成物。
3.エチレン単位及び1,3-ジエン単位を含有するコポリマーが、エチレン及び1,3-ジエンからなるコポリマーである、実施形態1~2のいずれか1つに記載の組成物。
4.上記1,3-ジエンが1,3-ブタジエンである、実施形態1~3のいずれか1つに記載の組成物。
5.上記コポリマーが式(II)の単位又は式(III)の単位、或いは式(II)の単位及び式(III)の単位を含有する、実施形態1~4のいずれか1つに記載の組成物。
0<o+p≦25 (式1)
0<o+p<20 (式2)
7.エチレン単位及び1,3-ジエン単位を含有するコポリマーがランダムコポリマーである、実施形態1~6のいずれか1つに記載の組成物。
8.エチレン単位及び1,3-ジエン単位を含有するコポリマーの含有量が60~100phr、好ましくは80~100phrの範囲内である、実施形態1~7のいずれか1つに記載の組成物。
9.式(I)の化合物が式(Ia)及び(Ib)の化合物から選択される、実施形態1~8のいずれか1つに記載の組成物。
式(Ia)のX1~X5から選択される1つの基、及び式(Ib)のX1~X7から選択される1つの基は、以下の式(IV)の基の基Eへの連結を可能にする共有結合を示す)
11.上記1,3-双極子化合物が以下の式(V)~(X)の化合物及びそのメソメリー形態から選択される、実施形態1~10のいずれか1つに記載の組成物。
13.1,3-双極子化合物の含有量が、上記コポリマーを構成するモノマー単位100モル当たり、0から50モル当量の間、好ましくは0.01から15モル当量の間、例えば、4から15モル当量の間である、実施形態1~12のいずれか1つに記載の組成物。
14.1,3-双極子化合物の含有量が、上記ジエンエラストマーを構成するモノマー単位100モル当たり、0.1から3モル当量の間、優先的には0.1から2モル当量の間、更により優先的には0.1から1モル当量の間、実に更により優先的には0.1から0.7モル当量の間のイミダゾール環である、実施形態1~12のいずれか1つに記載の組成物。
16.上記フィラーが80質量%から99質量%の間のシリカ及び1質量%から20質量%の間のカーボンブラックを含有する、実施形態1~15のいずれか1つに記載の組成物。
17.シリカの含有量が5~60phr、好ましくは10~55phr、より好ましくは15~50phrの範囲内である、実施形態1~16のいずれか1つに記載の組成物。
18.上記シリカの上記コポリマーへのカップリング剤を更に含有し、上記カップリング剤が、好ましくは、オルガノシランポリスルフィド、ポリオルガノシロキサン、メルカプトシラン、アクリロシラン及びメタクリロシランからなる群から選択されるオルガノシランである、実施形態1~17のいずれか1つに記載の組成物。
20.上記ラジカル重合開始剤がジクミルペルオキシド、アリール又はジアリールペルオキシド、ジアセチルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、ジ(tert-ブチル)ペルオキシド、tert-ブチルクミルペルオキシド、2,5-ビス(tert-ブチルペルオキシ)-2,5-ジメチルヘキサン、n-ブチル4,4’-ジ(tert-ブチルペルオキシ)バレラート、OO-(t-ブチル)O-(2-エチルヘキシル)モノペルオキシカーボネート、tert-ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、tert-ブチルペルオキシベンゾアート、tert-ブチルペルオキシ-3,5,5-トリメチルヘキサノアート、1,3(4)-ビス(tert-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン及びそれらの混合物からなる群、好ましくはジクミルペルオキシド、n-ブチル4,4’-ジ(tert-ブチルペルオキシ)バレラート、OO-(t-ブチル)O-(2-エチルヘキシル)モノペルオキシカーボネート、tert-ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、tert-ブチルペルオキシベンゾアート、tert-ブチルペルオキシ-3,5,5-トリメチルヘキサノアート、1,3(4)-ビス(tert-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン及びそれらの混合物からなる群から選択される有機過酸化物である、実施形態1~19のいずれか1つに記載の組成物。
22.ラジカル重合開始剤の含有量が、共架橋剤の質量に対して1質量%~10質量%、好ましくは1.25質量%から8質量%の間、好ましくは2質量%から5質量%の間、好ましくは3質量%から4質量%の間の範囲内である、実施形態1~21のいずれか1つに記載の組成物。
23.上記共架橋剤が式(XI)のアクリレート誘導体を含有する、実施形態1~22のいずれか1つに記載の組成物。
[X]pA (XI)
(式中、
[X]pは、式(XII)の基に相当し、
R1、R2及びR3は、独立して、水素原子、又は直線状、分岐状若しくは環状のアルキル基、アルキルアリール基、アリール基及びアラルキルからなる群から選択されるC1-C8の炭化水素基を表し、1つ又は複数のヘテロ原子で割り込みされていてもよく、R2及びR3は共に非芳香族環を形成することができ、
(*)は、式(XII)の基のAへの連結点を表す)
Aは、アルカリ土類金属若しくは遷移金属からなる群に属する原子、炭素原子、又は1つ若しくは複数のヘテロ原子で割り込み及び/若しくは置換されていてもよいC1-C30の炭化水素基を表し、
Aは、p個の自由原子価を含み、pは、2~6の範囲内の値を有し、
2~6個のX基は、同一又は異なると理解される)
Aは、アルカリ土類金属若しくは遷移金属からなる群に属する原子、炭素原子、又はC1-C13の炭化水素基を表し、
Aは、p個の自由原子価を含み、pは、2~4の範囲内の値を有し、
2~4個のX基は、同一又は異なると理解される、実施形態23に記載の組成物。
25.R1、R2及びR3が互いに独立して水素原子、メチル基又はエチル基を表す、実施形態23又は24に記載の組成物。
26.R1がメチル基を表し、R2及びR3がそれぞれ水素原子を表す、実施形態23~25のいずれか1つに記載の組成物。
28.pが2又は3であり、好ましくは2である、実施形態23~27のいずれか1つに記載の組成物。
29.AがZn及びMgからなる群から選択される原子を表す、実施形態23~27のいずれか1つに記載の組成物。
30.Aが以下の基からなる群から選択されるC1-C13の炭化水素基を表す、実施形態23~27のいずれか1つに記載の組成物。
31.共架橋剤の含有量が1~20phr、好ましくは2~10phr、好ましくは2から5phrの間の範囲内である、実施形態1~30のいずれか1つに記載の組成物。
33.上記組成物が、加硫剤としての分子状硫黄若しくは硫黄供与剤を含有しないか、又はそれらを0.5phr未満、好ましくは0.3phr未満、より好ましくは0.1phr未満含有する、実施形態1~32のいずれか1つに記載の組成物。
34.実施形態1~33のいずれか1つに規定された組成物を含有するゴム物品。
35.上記物品が空気式タイヤ、非空気式タイヤ、ゴム製キャタピラー軌道及びコンベヤーベルトからなる群から選択される、実施形態34に記載のゴム物品。
36.実施形態1~33のいずれか1つに規定された組成物を含有する空気式又は非空気式タイヤ。
37.実施形態1~33のいずれか1つに規定された組成物がトレッドに存在する、実施形態36に記載の空気式又は非空気式タイヤ。
IV-1 使用した測定及び試験
モル質量の決定:コポリマーのサイズ排除クロマトグラフィー分析
a)テトラヒドロフラン(THF)に室温で溶解するコポリマーについては、モル質量をTHF中でのサイズ排除クロマトグラフィーにより決定した。試料を、一連のPolymer Laboratoriesのカラムにおいて1ml.min-1の流量でWaters 717インジェクター及びWaters 515 HPLCポンプを用いて注入した。この一連のカラムは、45℃にサーモスタットで保持されたチャンバーに置かれており、以下から構成される。
1つのPL Gel 5μmプレカラム、
2つのPL Gel 5μm Mixed C カラム、
1つのPL Gel 5μm-500Åカラム。
絶対的な方法ではなく、SECはポリマーのモル質量分布を理解することを可能にする。ポリスチレン系の標準市販製品に基づき、種々の数平均質量(Mn)及び重量平均質量(Mw)を決定することができ、多分散指数を計算することができる(PI=Mw/Mn)。
b)大気温度でテトラヒドロフランに不溶性のコポリマーについては、モル質量を1,2,4-トリクロロベンゼン中で決定した。それらをまず高温条件下(150℃で4時間)で溶解し、次いで、3つのStyragelカラム(2つのHT6Eカラム及び1つのHT2カラム)を備えたWaters Alliance GPCV 2000クロマトグラフに1ml.min-1の流量で150℃にて注入した。検出はWaters屈折計を用いて行った。モル質量を、Polymer Laboratoriesにより保証されたポリスチレン標準を用いた相対キャリブレーションによって決定した。
エチレン単位、共役ジエン単位及びあらゆるtrans-1,2-シクロヘキサン単位のモル分率を決定するために本出願において具体的に用いたH NMR及び13C NMR技術の詳細な説明として、"Investigation of ethylene/butadiene copolymers microstructure by 1H and 13C NMR", Llauro M.F., Monnet C., Barbotin F., Monteil V., Spitz R., Boisson C., Macromolecules 2001, 34, 6304-6311"の論文を参照した。
NMR分析
合成した分子の構造分析及びまたモル純度の決定をNMR分析により行った。5mm BBFO Z-grad「広帯域」プローブを備えたBruker Avance 3400 MHz分光計でスペクトルを得た。定量的1H NMR実験は、簡易な30°パルスシーケンス及び64取得のそれぞれの間の3秒の繰り返し時間を用いる。試料は重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解する。この溶媒はまたロックシグナルとして用いられる。0ppmのTMS参照に対して2.44ppmの重水素化DMSOのプロトンのシグナルへのキャリブレーションを行う。2D 1H/13C HSQC及び1H/13C HMBC実験と組み合わせた1H NMRスペクトルは、分子の構造決定を可能にする(アサインメント表を参照)。定量的1D 1H NMRスペクトルからモル定量化を行う。
以下の原理に従い、規格ASTM D-1646に従ってムーニー可塑性測定を行う。通常の原料ポリマーを、所定の温度、通常100℃に加熱した円筒状チャンバーに形作る。1分間の予熱後、L型ローターが2回転/分で試験試料内にて回転し、この動作を保持するための作業トルクを4分間の回転後に測定する。ムーニー可塑性(ML 1+4)は「ムーニー単位」(MU、1MU=0.83ニュートンメートル)で表される。
動的特性(硬化後):引張試験
これらの引張試験は、弾性応力及び破断点特性を決定することを可能にする。別に示されなければ、それらは1988年9月のフランス規格NF T 46-002に従って行われる。引張記録を処理することはまた、伸びに応じた弾性率曲線をプロットすることを可能にする。本明細書で用いられる弾性率は、最初の伸びにおいて測定される名目上の(又は見かけの)割線弾性率であり、試験試料の初期横断面を標準化することにより計算される。名目上の割線弾性率(又は見かけ上の応力、MPa)は、最初の伸びにおいて100%伸び及び300%伸びで測定され、それぞれMSA100及びMSA300で示される。補強指数は、MSA300弾性率のMSA100弾性率に対する比であり、コントロール組成物T1に対してベース100で表される。100より大きい値は、コントロール組成物と比較した検討中の組成物の補強の改善を表す。
全てのこれらの引張測定は、フランス規格NF T 40-101(1979年12月)に従い、温度(23±2℃)及び湿度測定(50±5%相対湿度)の標準条件下で行われる。
以下の例では、上記の項目II-6に記載されたようなゴム組成物を製造した。特に、これらの組成物は以下の方法で製造する。エラストマー、適切な場合には約2分間110℃でエラストマーとのみ混錬した1,3-双極子化合物、次いでシリカ、カップリング剤、共架橋剤及びまた種々の他の成分を、過酸化物を除いてその初期容器温度が約110℃の内部ミキサーに投入する(最終充填度:約70容積%)。熱機械的作業(非生産的段階)を次いで1工程で行い、これは160℃の最大「低下」温度に達するまで約5~6分続く。それにより得られた混合物を回収して冷却し、次いで過酸化物を23℃でミキサー(ホモフィニッシャー)に取り込み、全てを適切な時間(例えば5から12分の間)混合する(生産的段階)。
架橋を150℃で行う。適用した架橋時間t’c(90)は、組成物の最大トルクの90%に達する組成物のトルクに必要な時間である。組成物のトルクを、規格DIN 53529-第3部(1983年6月)に従い、振動円板レオメーターを用いて150℃で測定する。t’c(90)を、それぞれの組成物について規格NF T 43-015に従って決定する。組成物によって約20~40分変化する。
以下に示す例の目的は、本発明に従う組成物(C1)と3つのコントロール競争物(T1~T3)の補強、破断応力及び転がり抵抗の間の性能の妥協点を比較することである。
試験した(phrでの)組成及び得られた結果を表1に示す。
コントロール組成物は、それらが本発明に従う1,3-双極子化合物及び/又は共架橋剤を含有しない点で本発明に従う組成物C1とは異なる。
本発明に従う組成物は、空気式又は非空気式タイヤの分野において、特に補強、破断応力及び転がり抵抗の点での性能間の良好な妥協点が望まれるトレッドにおいて、数多くの用途に有用である。
Claims (15)
- ゴム組成物であって、少なくとも、
50phrを超えるエチレン単位及び1,3-ジエン単位を含有するコポリマーを含有し、前記コポリマーにおける前記エチレン単位が前記コポリマーのモノマー単位の50mol%超に相当する、エラストマーマトリックス、
式(I)に相当する1,3-双極子化合物、
(式中、
Qは、1つ又は複数の同一の又は異なる、好ましくは飽和の、直鎖状又は分岐状の、1つ又は複数のヘテロ原子で置換又は割り込みされていてもよい脂肪族炭化水素鎖で置換されていてもよいアレンジイル環を表し、
Eは、1つ又は複数のヘテロ原子を含有してもよい2価の炭化水素基を表す)
主にシリカを含有するフィラー、並びに
少なくとも1種のラジカル重合開始剤と、(メタ)アクリレート化合物、マレイミド化合物、アリル化合物、ビニル化合物及びそれらの混合物からなる群から選択される共架橋剤とを含有する架橋系をベースとした、ゴム組成物。 - 前記基Eが、好ましくは飽和の、直鎖状又は分岐状の、1つ又は複数の窒素、硫黄又は酸素原子で割り込みされていてもよいC1-C24、好ましくはC1-C10、より優先的にはC1-C6の炭化水素鎖である、請求項1又は2に記載の組成物。
- 前記1,3-双極子化合物が以下の式(V)~(X)の化合物及びそのメソメリー形態から選択される、請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物。
- 1,3-双極子化合物の含有量が、前記コポリマーを構成するモノマー単位100モル当たり、0から50モル当量の間、好ましくは0.01から15モル当量の間、例えば、4から15モル当量の間である、請求項1~4のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記フィラーが70質量%を超える、好ましくは80質量%を超えるシリカを含有する、請求項1~5のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記シリカの前記コポリマーへのカップリング剤を更に含有し、前記カップリング剤が、好ましくは、オルガノシランポリスルフィド、ポリオルガノシロキサン、メルカプトシラン、アクリロシラン及びメタクリロシランからなる群から選択されるオルガノシランである、請求項1~6のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記ラジカル重合開始剤が過酸化物、アゾ化合物、レドックス系及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1~7のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記ラジカル重合開始剤がジクミルペルオキシド、アリール又はジアリールペルオキシド、ジアセチルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、ジ(tert-ブチル)ペルオキシド、tert-ブチルクミルペルオキシド、2,5-ビス(tert-ブチルペルオキシ)-2,5-ジメチルヘキサン、n-ブチル4,4’-ジ(tert-ブチルペルオキシ)バレラート、OO-(t-ブチル)O-(2-エチルヘキシル)モノペルオキシカーボネート、tert-ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、tert-ブチルペルオキシベンゾアート、tert-ブチルペルオキシ-3,5,5-トリメチルヘキサノアート、1,3(4)-ビス(tert-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン及びそれらの混合物からなる群、好ましくはジクミルペルオキシド、n-ブチル4,4’-ジ(tert-ブチルペルオキシ)バレラート、OO-(t-ブチル)O-(2-エチルヘキシル)モノペルオキシカーボネート、tert-ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、tert-ブチルペルオキシベンゾアート、tert-ブチルペルオキシ-3,5,5-トリメチルヘキサノアート、1,3(4)-ビス(tert-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン及びそれらの混合物からなる群から選択される有機過酸化物である、請求項1~8のいずれか1項に記載の組成物。
- ラジカル重合開始剤の含有量が、共架橋剤の質量に対して1質量%~10質量%、好ましくは1.25質量%から8質量%の間、好ましくは2質量%から5質量%の間、好ましくは3質量%から4質量%の間の範囲内である、請求項1~9のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記共架橋剤が式(XI)のアクリレート誘導体を含有する、請求項1~10のいずれか1項に記載の組成物。
[X]pA (XI)
(式中、
[X]pは、式(XII)の基に相当し、
(式中、
R1、R2及びR3は、独立して、水素原子、又は直線状、分岐状若しくは環状のアルキル基、アルキルアリール基、アリール基及びアラルキルからなる群から選択されるC1-C8の炭化水素基を表し、1つ又は複数のヘテロ原子で割り込みされていてもよく、R2及びR3は共に非芳香族環を形成することができ、
(*)は、前記式(XII)の基のAへの連結点を表す)
Aは、アルカリ土類金属若しくは遷移金属からなる群に属する原子、炭素原子、又は1つ若しくは複数のヘテロ原子で割り込み及び/若しくは置換されていてもよいC1-C30の炭化水素基を表し、
Aは、p個の自由原子価を含み、pは、2~6の範囲内の値を有し、
2~6個のX基は、同一又は異なると理解される) - 前記式(XI)のアクリレート誘導体において、
R1、R2及びR3は、互いに独立して、水素原子、メチル基又はエチル基を表し、
Aは、アルカリ土類金属及び遷移金属からなる群に属する原子、炭素原子、又はC1-C13の炭化水素基を表し、
Aは、p個の自由原子価を含み、pは、2~4の範囲内の値を有し、
2~4個のX基は、同一又は異なると理解される、請求項11に記載の組成物。 - 共架橋剤の含有量が1~20phr、好ましくは2~10phr、好ましくは2から5phrの間の範囲内である、請求項1~12のいずれか1項に記載の組成物。
- 請求項1~13のいずれか1項に記載の少なくとも1つの組成物を含有するゴム物品。
- 前記物品が空気式タイヤ、非空気式タイヤ、ゴム製キャタピラー軌道及びコンベヤーベルトからなる群から選択される、請求項14に記載のゴム物品。
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