JP2024005200A - 樹脂組成物およびその成形品 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い耐衝撃性を有しながら、流動性と低温靭性に優れた樹脂組成物を提供すること。【解決手段】少なくともポリアミド(A)、水酸基を末端に有するグラフト鎖により環状分子が修飾されたポリロタキサン(B)、前記ポリアミド(A)およびポリロタキサン(B)と反応する官能基により変性されたエラストマー(C)、ならびにシランカップリング剤(D)を配合してなる樹脂組成物であって、前記ポリアミド(A)の温度25℃で樹脂濃度0.01g/mlの98%濃硫酸溶液中で測定した相対粘度が1.5~2.5であることを特徴とする樹脂組成物。【選択図】なし
Description
本発明は、ポリアミド(A)、水酸基を末端に有するグラフト鎖により環状分子が修飾されたポリロタキサン(B)、前記ポリアミド(A)およびポリロタキサン(B)と反応する官能基により変性されたエラストマー(C)、ならびにシランカップリング剤(D)を配合してなる樹脂組成物、ならびにそれを成形してなる成形品に関するものである。
ポリアミドは、剛性、靭性などの機械的性質や熱的性質に優れるなど、エンジニアリングプラスチックとして好適な性質を有していることから、射出成形用を中心として、各種電気・電子部品、機械部品および自動車部品などの用途に広く使用されている。ポリアミド樹脂の耐衝撃性を改良する方法として、ポリアミド樹脂に柔軟なエラストマーを配合することが知られている。エラストマーを配合する技術としては、例えば、ポリアミド樹脂からなる連続相と、該連続相に分散された、α、β-不飽和カルボン酸で変性されたポリオレフィンからなる粒子状の分散相とからなるポリアミド系樹脂組成物(例えば、特許文献1参照)が提案されている。
一方、ポリアミドの靭性、特に低温での靭性を向上させる方法として、例えば、ポリアミド樹脂組成物中に、水酸基を末端に有するグラフト鎖により環状分子が修飾されたポリロタキサン、フェノキシ樹脂、およびアミノ基との反応性がある官能基を有するシランカップリング剤を配合して得られる樹脂組成物(例えば、特許文献2参照)が提案されている。
特許文献1に開示されたポリアミド樹脂組成物は、酸変性ポリオレフィンを配合することで、耐衝撃性を改良できるものの、流動性が悪化し、複雑または薄肉の成形品を得ることが難しいという課題があった。流動性を改良する技術としては、樹脂の分子量を小さくすることがよく知られているが、この場合、流動性と靭性にはトレードオフの関係があり、靭性が低下するという問題がある。
一方、特許文献2に開示されたポリアミド樹脂組成物は、ポリロタキサン、フェノキシ樹脂、およびシランカップリング剤を配合することにより低温状態(-20℃から-40℃)における靱性(低温靭性)を向上させることができるものの、耐衝撃性が不十分という課題がある。
本発明は、上記背景技術の課題に鑑み、高い耐衝撃性を有しながら、流動性と低温靭性に優れた樹脂組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成を有する。
(1)少なくともポリアミド(A)、水酸基を末端に有するグラフト鎖により環状分子が修飾されたポリロタキサン(B)、前記ポリアミド(A)およびポリロタキサン(B)と反応する官能基により変性されたエラストマー(C)、ならびにシランカップリング剤(D)を配合してなる樹脂組成物であって、前記ポリアミド(A)の温度25℃で樹脂濃度0.01g/mlの98%濃硫酸溶液中で測定した相対粘度が1.5~2.5であることを特徴とする樹脂組成物。
(2)前記ポリアミド(A)、ポリロタキサン(B)、およびエラストマー(C)の合計100重量部に対して、前記エラストマー(C)を10重量部以上30重量部以下配合してなる(1)に記載の樹脂組成物。
(3)(1)または(2)に記載の樹脂組成物からなる成形品。
(1)少なくともポリアミド(A)、水酸基を末端に有するグラフト鎖により環状分子が修飾されたポリロタキサン(B)、前記ポリアミド(A)およびポリロタキサン(B)と反応する官能基により変性されたエラストマー(C)、ならびにシランカップリング剤(D)を配合してなる樹脂組成物であって、前記ポリアミド(A)の温度25℃で樹脂濃度0.01g/mlの98%濃硫酸溶液中で測定した相対粘度が1.5~2.5であることを特徴とする樹脂組成物。
(2)前記ポリアミド(A)、ポリロタキサン(B)、およびエラストマー(C)の合計100重量部に対して、前記エラストマー(C)を10重量部以上30重量部以下配合してなる(1)に記載の樹脂組成物。
(3)(1)または(2)に記載の樹脂組成物からなる成形品。
本発明により、高い耐衝撃性を有しながら、流動性と低温靭性に優れた樹脂組成物を提供することができ、これにより、高い耐衝撃性と優れた低温靭性を有する複雑な形状あるいは薄肉形状の成形品を得ることができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の樹脂組成物は、ポリアミド(A)、水酸基を末端に有するグラフト鎖により環状分子が修飾されたポリロタキサン(B)(以下ポリロタキサン(B)と略すことがある)、ポリアミド(A)およびポリロタキサン(B)と反応する官能基により変性されたエラストマー(C)(以下エラストマー(C)と略すことがある)、ならびにシランカップリング剤(D)を配合してなる。ポリアミド(A)を配合することにより、剛性や耐熱性を向上させることができ、ポリロタキサン(B)を配合することにより、靭性を向上させることができる。また、エラストマー(C)を配合することにより、剛性と流動性が低下するものの耐衝撃性を向上させることができる。また、シランカップリング剤(D)を配合することにより、ポリアミド(A)およびポリロタキサン(B)の共重合体を形成し界面を安定化させることで、ポリロタキサンの靭性向上効果を発現しやすくする。本発明の樹脂組成物は、ポリアミド(A)の末端とポリロタキサン(B)が有するグラフト鎖末端の水酸基とがシランカップリング剤(D)を介して結合された反応物、ポリアミド(A)の末端とエラストマー(C)が有する官能基とが結合された反応物、およびポリロタキサン(B)の官能基とエラストマー(C)とが反応した反応物を含むが、これらの反応物は、高分子同士の複雑な反応により生成されたものであることから、その構造を特定することが実際的でない事情が存在する。したがって、本発明は配合する成分の量で発明を特定するものである。
本発明の樹脂組成物におけるポリアミド(A)は、アミノ酸、ラクタムあるいはジアミンとジカルボン酸の残基を主たる構成成分とする。その原料の代表例としては、6-アミノカプロン酸、11-アミノウンデカン酸、12-アミノドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸などのアミノ酸、ε-カプロラクタム、ω-ラウロラクタムなどのラクタム、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2-メチルペンタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4-/2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジアミン、5-メチルノナメチレンジアミンなどの脂肪族ジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミンなどの芳香族ジアミン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1-アミノ-3-アミノメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン、ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3-メチル-4-アミノシクロヘキシル)メタン、2,2-ビス(4-アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、アミノエチルピペラジンなどの脂環族ジアミン、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などの脂肪族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2-クロロテレフタル酸、2-メチルテレフタル酸、5-メチルイソフタル酸、5-ナトリウムスルホイソフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸、1,3-シクロペンタンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸などが挙げられる。本発明においては、これらの原料から誘導されるポリアミドホモポリマーまたはコポリマーを2種以上配合してもよい。
ポリアミド(A)の具体的な例としては、ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリテトラメチレンセバカミド(ナイロン410)、ポリペンタメチレンアジパミド(ナイロン56)、ポリペンタメチレンセバカミド(ナイロン510)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリデカメチレンアジパミド(ナイロン106)、ポリデカメチレンセバカミド(ナイロン1010)、ポリデカメチレンドデカミド(ナイロン1012)、ポリウンデカンアミド(ナイロン11)、ポリドデカンアミド(ナイロン12)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンアジパミドコポリマー(ナイロン6/66)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン6/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリドデカンアミドコポリマー(ナイロン6T/12)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6T/6I)、ポリキシリレンアジパミド(ナイロンXD6)、ポリキシリレンセバカミド(ナイロンXD10)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリペンタメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/5T)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリ-2-メチルペンタメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/M5T)、ポリペンタメチレンテレフタルアミド/ポリデカメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン5T/10T)、ポリノナメチレンテレフタルアミド(ナイロン9T)、ポリデカメチレンテレフタルアミド(ナイロン10T)、ポリドデカメチレンテレフタルアミド(ナイロン12T)およびこれらの共重合体などが挙げられる。これらを2種以上配合してもよい。ここで、「/」は共重合体を示し、以下同じである。
本発明の樹脂組成物において、ポリアミド(A)の融点は150℃以上300℃未満が好ましい。融点が150℃以上であれば、耐熱性を向上させることができる。一方、融点が300℃未満であれば、樹脂組成物製造時の加工温度を適度に抑え、ポリロタキサン(B)の熱分解を抑制することができる。
ここで、本発明におけるポリアミドの融点は、示差走査熱量計を用いて、不活性ガス雰囲気下、ポリアミドを、溶融状態から20℃/分の降温速度で30℃まで降温した後、20℃/分の昇温速度で融点+40℃まで昇温した場合に現れる吸熱ピークの温度と定義する。ただし、吸熱ピークが2つ以上検出される場合には、ピーク強度の最も大きい吸熱ピークの温度を融点とする。
150℃以上300℃未満に融点を有するポリアミドの具体的な例としては、ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリペンタメチレンアジパミド(ナイロン56)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリウンデカンアミド(ナイロン11)、ポリドデカンアミド(ナイロン12)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンアジパミドコポリマー(ナイロン6/66)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン6/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリドデカンアミドコポリマー(ナイロン6T/12)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6T/6I)、ポリキシリレンアジパミド(ナイロンXD6)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリ-2-メチルペンタメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/M5T)、ポリノナメチレンテレフタルアミド(ナイロン9T)およびこれらの共重合体などが挙げられる。これらを2種以上配合してもよい。
ポリアミド(A)の重合度には特に制限がないが、本発明のポリアミド(A)は、樹脂濃度0.01g/mlの98%濃硫酸溶液中、温度25℃で測定した相対粘度ηrが1.5~2.5のポリアミドである。2.0以上がより好ましい。一方、相対粘度が2.5を超えると、流動性に劣ることから成形加工性が悪化する。
本発明の樹脂組成物におけるポリアミド(A)の配合量は、ポリアミド(A)、ポリロタキサン(B)、およびエラストマー(C)の合計100重量部に対して、60.0重量部以上89.9重量部以下であることが好ましい。ポリアミド(A)の配合量が60.0重量部以上であると、得られる成形品の剛性、耐熱性に優れる。ポリアミド(A)の配合量は65重量部以上が好ましく、70重量部以上がより好ましい。一方、ポリアミド(A)の配合量が89.9重量部以下とすることで、ポリロタキサン(B)およびエラストマー(C)の配合量が相対的に高くなるので、成形品の靱性および耐衝撃性を維持できる。
本発明の樹脂組成物は、水酸基を末端に有するグラフト鎖により環状分子が修飾されたポリロタキサン(B)を配合してなる。ロタキサンとは、例えばHarada, A., Li, J. & Kamachi, M., Nature 356, 325-327に記載の通り、一般的に、ダンベル型の軸分子(両末端に嵩高いブロック基を有する直鎖分子。以下、「直鎖分子」と記載する)に環状の分子が貫通された形状の分子のことを言い、複数の環状分子が一つの直鎖分子に貫通されたものをポリロタキサンと呼ぶ。
ポリロタキサンは、直鎖分子および複数の環状分子からなり、複数の環状分子の開口部に直鎖分子が貫通した構造を有し、かつ、直鎖分子の両末端には、環状分子が直鎖分子から脱離しないように嵩高いブロック基を有する。ポリロタキサンにおいて、環状分子は直鎖分子上を自由に移動することが可能であるが、ブロック基により直鎖分子から抜け出せない構造を有する。すなわち、直鎖分子および環状分子は、化学的な結合でなく、機械的な結合により形態を維持する構造を有する。このようなポリロタキサンは、環状分子の運動性が高いために、外部からの応力や内部に残留した応力を緩和する効果がある。さらに、水酸基を末端に有するグラフト鎖により環状分子が修飾されたポリロタキサンをポリアミドに配合することにより、ポリアミドに同様の効果を波及させることが可能となる。
前記直鎖分子は、環状分子の開口部に貫通し、前記ブロック基と反応し得る官能基を有する分子であれば、特に限定されない。好ましく用いられる直鎖分子としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリアルキレングリコール類;ポリブタジエンジオール、ポリイソプレンジオール、ポリイソブチレンジオール、ポリ(アクリロニトリル-ブタジエン)ジオール、水素化ポリブタジエンジオール、ポリエチレンジオール、ポリプロピレンジオールなどの末端水酸基ポリオレフィン類;ポリカプロラクトンジオール、ポリ乳酸、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル類;末端シラノール型ポリジメチルシロキサンなどの末端官能性ポリシロキサン類;末端アミノ基ポリエチレングリコール、末端アミノ基ポリプロピレングリコール、末端アミノ基ポリブタジエンなどの末端アミノ基鎖状ポリマー類;上記官能基を一分子中に3つ以上有する3官能性以上の多官能性鎖状ポリマー類などが挙げられる。中でも、ポリロタキサンの合成が容易である点から、ポリエチレングリコールおよび/または末端アミノ基ポリエチレングリコールが好ましく用いられる。
直鎖分子の数平均分子量は、2,000以上が好ましく、剛性をより向上させることができる。10,000以上がより好ましい。一方、100,000以下が好ましく、ポリアミド(A)との相溶性を向上させることができ、相分離構造を微細化することができるため、靱性をより向上させることができる。50,000以下がより好ましい。ここで、直鎖分子の数平均分子量は、ヘキサフルオロイソプロパノールを溶媒とし、Shodex HFIP-806M(2本)+HFIP-LGをカラムとして用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定される、ポリメチルメタクリレート換算の値を指す。
前記ブロック基は、直鎖分子の末端官能基と結合し得るものであり、環状分子が直鎖分子から脱離しないために十分に嵩高い基であれば、特に限定されない。好ましく用いられるブロック基としては、ジニトロフェニル基、シクロデキストリン基、アダマンチル基、トリチル基、フルオレセイニル基、ピレニル基、アントラセニル基、数平均分子量1,000~1,000,000の高分子の主鎖または側鎖等が挙げられる。これらを2種以上有してもよい。
前記環状分子は、開口部に直鎖分子が貫通し得るものであれば、特に限定されない。好ましく用いられる環状分子としては、シクロデキストリン類、クラウンエーテル類、クリプタンド類、大環状アミン類、カリックスアレーン類、シクロファン類などが挙げられる。シクロデキストリン類は、複数のグルコースがα-1,4-結合で環状に連なった化合物である。α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリンがより好ましく用いられる。
本発明におけるポリロタキサン(B)は、前記環状分子が、水酸基を末端に有するグラフト鎖により修飾されていることを特徴とする。シランカップリング剤(D)の反応性官能基がポリアミド(A)と、アルコキシシリル基がポリロタキサン(B)のグラフト鎖末端の水酸基とそれぞれ反応することにより、ポリロタキサンの有する靱性向上効果を樹脂組成物全体に波及させることができる。
前記グラフト鎖は、ポリエステルにより構成されることが好ましい。ポリアミド(A)との相溶性および有機溶剤への溶解性の点から、脂肪族ポリエステルがより好ましい。脂肪族ポリエステルとしては、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ3-ヒドロキシブチレート、ポリ4-ヒドロキシブチレート、ポリ(3-ヒドロキシブチレート/3-ヒドロキシバレレート)、ポリ(ε-カプロラクトン)などが挙げられる。中でも、ポリアミド(A)との相溶性の観点から、ポリ(ε-カプロラクトン)がより好ましい。前記水酸基を末端に有するグラフト鎖により環状分子が修飾されたポリロタキサン(B)は、次の方法で得ることができる。例えば、シクロデキストリン類にポリ(ε-カプロラクトン)をグラフトさせることで、グラフト鎖の末端が水酸基で修飾されたポリロタキサンを得ることができる。
ポリロタキサン(B)のグラフト鎖末端の水酸基濃度は、2×10-5mol/g以上3×10-3mol/g以下が好ましい。水酸基濃度を2×10-5mol/g以上とすることにより、シランカップリング剤(D)との反応性を向上させることができる。その結果、ポリアミド(A)の剛性を維持したまま靱性をより向上させることができ、剛性と靱性をよりバランスよく向上させることができる。5×10-5mol/g以上がより好ましく、1×10-4mol/g以上がさらに好ましい。一方、水酸基濃度を3×10-3mol/g以下とすることにより、ポリロタキサン(B)の水酸基同士の会合による凝集や、ポリアミド(A)との過剰な化学架橋を抑制することができ、凝集物やゲルの発生を抑制して靱性をより向上させることができる。2×10-3mol/g以下がより好ましい。
ここで、ポリロタキサン(B)のグラフト鎖末端の水酸基濃度は、滴定により求めることができる。80℃真空乾燥機を用いて、ポリロタキサン(B)を10時間以上乾燥させた絶乾試料を作製する。絶乾試料1.0gを50mlのトルエンに溶解した溶液に、大過剰の無水コハク酸を加え、窒素フロー下90℃で6時間加熱する。エバポレーターでポリマー濃度が50wt%程度になるまで濃縮した後、ポリマー溶液を大過剰のメタノール溶液に加え、沈殿物を回収する。得られた沈殿物を真空乾燥機中で80℃8時間乾燥させて、ポリマーを得る。得られたポリマー0.2gを25mlのベンジルアルコールに溶解した溶液について、濃度0.02mol/Lの水酸化カリウムのエタノール溶液を用いて滴定することにより、水酸基濃度を求めることができる。
本発明の樹脂組成物におけるポリロタキサン(B)の重量平均分子量は、10万以上が好ましく、剛性および靱性をより向上させることができる。一方、100万以下が好ましく、ポリアミド(A)との相溶性が向上し、靱性をより向上させることができる。ここで、ポリロタキサン(B)の重量平均分子量は、ヘキサフルオロイソプロパノールを溶媒とし、Shodex HFIP-806M(2本)+HFIP-LGをカラムとして用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定される、ポリメチルメタクリレート換算の値を指す。
本発明の樹脂組成物におけるポリロタキサン(B)の配合量は、ポリアミド(A)、ポリロタキサン(B)、およびエラストマー(C)の合計100重量部に対して、0.1重量部以上10重量部以下であることが好ましい。ポリロタキサン(B)の配合量が0.1重量部以上であると、ポリロタキサンの有する応力緩和効果をポリアミド(A)全体に波及することができ、靭性が向上する。一方、ポリロタキサン(B)の配合量が10重量部以下であると、成形品の剛性を維持できる。ポリロタキサン(B)の配合量は5重量部以下が好ましく、3重量部以下がより好ましく、1重量部以下がさらに好ましい。
本発明の樹脂組成物は、ポリアミド(A)およびポリロタキサン(B)と反応する官能基により変性されたエラストマー(C)を配合することを特徴とする。エラストマー(C)としては、例えば、天然ゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の架橋ゴム、熱可塑性エラストマー、コアシェルゴム、アイオノマー等が挙げられる。この中でも、ポリアミド樹脂との相溶性の観点から、熱可塑性エラストマー、コアシェルゴムが好ましく、熱可塑性エラストマーがさらに好ましく用いられる。
熱可塑性エラストマーとは、一般的にガラス転移温度が室温より低い重合体を含有し、分子間の一部がイオン結合・ファンデルワールス力・絡み合い等により、互いに拘束されている重合体のことを指す。例えばポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン-ブタジエンのランダム共重合体およびブロック共重合体、該重合体の水素添加物、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロック共重合体、該重合体の水素添加物、スチレン-イソプレン-ブチレン-スチレンブロック共重合体、該重合体の水素添加物、アクリロニトリル-ブタジエン共重合体、ブタジエン-イソプレン共重合体などのジエン系ゴム、エチレン-プロピレンのランダム共重合体およびブロック共重合体、エチレン-ブテンのランダム共重合体およびブロック共重合体、エチレンとα-オレフィンとの共重合体、エチレン-アクリル酸エステル、エチレン-メタクリル酸エステルなどのエチレン-不飽和カルボン酸エステル共重合体、アクリル酸エステル-ブタジエン共重合体、例えばブチルアクリレート-ブタジエン共重合体などのアクリル系弾性共重合体、エチレン-酢酸ビニルなどのエチレンと脂肪酸ビニルとの共重合体、エチレン-プロピレン-エチリデンノルボルネン共重合体、エチレン-プロピレン-ヘキサジエン共重合体などのエチレン-プロピレン非共役ジエン3元共重合体、ブチレン-イソプレン共重合体、塩素化ポリエチレン、ポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマーなどが挙げられる。
コアシェルゴムとは、ゴムからなる少なくとも1つの層と、それとは異種の重合体から構成された1つ以上の層からなる多層構造体のことを指す。多層構造体を構成する層の数は、2層以上であればよく、3層以上または4層以上であってもよいが、内部に1層以上のゴム弾性を有するコア層を有することが好ましい。多層構造体のコア層を構成するゴムの種類は、特に限定されるものではなく、例えば、アクリル成分、シリコーン成分、スチレン成分、ニトリル成分、共役ジエン成分、ウレタン成分、エチレン成分、プロピレン成分、イソブテン成分などを重合し得られたゴムが挙げられる。多層構造体のゴム層以外の層を構成する異種の重合体の種類は、熱可塑性を有する重合体であれば特に限定されるものではないが、ゴム層よりもガラス転移温度が高い重合体が好ましい。熱可塑性を有する重合体としては、例えば、不飽和カルボン酸アルキルエステル単位、不飽和カルボン酸単位、不飽和グリシジル基含有単位、不飽和酸無水物単位、脂肪族ビニル単位、芳香族ビニル単位、シアン化ビニル単位、マレイミド単位、不飽和ジカルボン酸単位および/またはその他のビニル単位などを含有する重合体が挙げられる。
エラストマー(C)は、ポリアミド(A)およびポリロタキサン(B)と反応する官能基により変性されていることを特徴とする。反応性官能基はポリアミド(A)のアミン末端および/またはカルボキシル末端と、ポリロタキサン(B)のグラフト鎖末端の官能基と互いに反応する物であれば特に制限されないが、例えば、アミノ基、カルボキシル基、水酸基、酸無水物基、グリシジル基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、メルカプト基、オキサゾリン基、スルホン酸基等から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。この中でも官能基導入の簡便性、反応性の観点からアミノ基、カルボキシル基、グリシジル基、酸無水物基、イソシアネート基が好ましく用いられ、グリシジル基、酸無水物基、イソシアネート基がさらに好ましく用いられる。官能基をエラストマーに導入する場合、その方法としては、通常公知の技術で行うことができる。特に制限はないが、例えば、酸無水物基を熱可塑性エラストマーに導入する場合、酸無水物基を有する単量体と熱可塑性エラストマーの原料である単量体とを共重合する方法、酸無水物を熱可塑性エラストマーにグラフトさせる方法などを用いることができる。
エラストマー(C)の官能基濃度は、2×10-5mol/g以上2×10-3mol/g以下が好ましい。官能基濃度を2×10-5mol/g以上とすることにより、ポリアミド(A)およびポリロタキサン(B)の末端との反応性を向上させることができる。その結果、ポリアミド(A)の剛性を維持したまま靱性をより向上させることができ、剛性と靱性をよりバランスよく向上させることができる。1×10-4mol/g以上がより好ましい。一方、官能基濃度を2×10-3mol/g以下とすることにより、ポリアミド(A)あるいはポリロタキサン(B)との過剰な化学架橋を抑制することができ、凝集物やゲルの発生を抑制して靱性をより向上させることができる。5×10-4mol/g以下がより好ましい。エラストマー(C)の官能基濃度は通常公知の技術で算出することができるが、例えば、反応性官能基として酸無水物基を有する場合、エラストマー(C)をキシレンにより130℃で溶解あるいは分散した溶液から、滴定液として水酸化カリウムの0.02mol/Lエタノール溶液(アルドリッチ製)を用い、指示薬としてフェノールフタレインの1%エタノール溶液を用いて、測定することができる。また、反応性官能基としてグリシジル基を有する場合、エラストマー(C)を0.2moL/L塩酸-ジオキサン溶液に溶解あるいは分散させてエチレングリコールモノメチルエーテルを添加した溶液に、滴定液として0.1M水酸化カリウム-エタノール溶液を用い、指示薬として0.1%クレゾールレッド-エタノール溶液を用いて測定することができる。
エラストマー(C)の重合度には特に制限がないが、230℃、2.16kg荷重下で測定されるメルトフローレートが0.05~500g/10分の範囲であることが好ましい。メルトフローレートが0.05g/10分以上であれば、得られる成形品の靱性、剛性、耐摩耗性、耐疲労特性、耐クリープ性をより向上させることができる。2.0g/10分以上がより好ましい。一方、メルトフローレートが500g/10分以下であれば、流動性に優れることから成形加工性に優れる。
本発明の樹脂組成物におけるエラストマー(C)の配合量は、ポリアミド(A)、ポリロタキサン(B)、およびエラストマー(C)の合計100重量部に対して、10重量部以上30重量部以下であることが好ましい。エラストマー(C)の配合量が10重量部以上であると、成形品の耐衝撃性が向上する。一方、エラストマー(C)の配合量が30重量部以下であると、得られる成形品の剛性、耐熱性が維持できる。25重量部以下が好ましい。
本発明における樹脂組成物は、シランカップリング剤(D)を配合してなる。シランカップリング剤(D)は1分子中にアミノ基またはカルボキシ基との反応性がある官能基を少なくとも1つ、およびアルコキシシリル基を少なくとも1つ有する。1分子中にアミノ基またはカルボキシ基との反応性がある官能基を1~3つ有するシランカップリング剤を用いることが好ましく、係るシランカップリング剤(D)を用いることで、過度に架橋した反応物の生成を抑制することができる。過度に架橋した反応物は破壊時の亀裂の起点となりやすく、樹脂組成物の機械特性に悪影響を及ぼす。シランカップリング剤(D)は、1分子中にアミノ基またはカルボキシ基と反応性がある官能基およびアルコキシシリル基をそれぞれ1つずつ有することがより好ましい。
シランカップリング剤(D)のアミノ基との反応性がある官能基としては、例えばイソシアネート基、グリシジル基、エポキシ基、カルボキシル基、カルボン酸無水物、ハロゲン化アシル基、アルデヒド基、ケトン基などが挙げられる。反応性の観点から、イソシアネート基、エポキシ基、カルボン酸無水物、およびハロゲン化アシル基から選択される少なくとも一種であることが好ましく、イソシアネート基、エポキシ基、またはカルボン酸無水物であることがより好ましい。
シランカップリング剤(D)のカルボキシ基との反応性がある官能基としては、例えばアミノ基、ヒドロキシ基、グリシジル基、エポキシ基、カルボキシル基、ハロゲン化アシル基、アルデヒド基などが挙げられる。反応性の観点から、アミノ基、ヒドロキシ基、ハロゲン化アシル基から選択される少なくとも一種であることが好ましく、アミノ基であることがより好ましい。
イソシアネート基としては、例えば脂肪族イソシアネート基、芳香族イソシアネート基、ブロック化イソシアネート基などが挙げられ、これらのいずれを用いてもよい。
ブロック化イソシアネート基とは、イソシアネート基がブロック剤との反応によって保護され、一時的に不活性化された官能基である。ブロック化イソシアネート基を複数有する化合物がブロック化イソシアネート化合物である。ブロック剤は、所定温度に加熱すると解離させることが可能である。このようなブロック化イソシアネート化合物としては、イソシアネート化合物とブロック剤との付加反応生成物が用いられる。ブロック剤と反応し得るイソシアネート化合物としては、前記イソシアネート化合物として例示した化合物が挙げられる。ブロック化イソシアネート化合物としては、イソシアヌレート体、ビウレット体、アダクト体などが挙げられる。ブロック化イソシアネート化合物は、必要に応じて2種以上を併用してもよい。
ブロック剤としては、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、クロロフェノール、エチルフェノールなどのフェノール系ブロック剤;ε-カプロラクタム、δ-バレロラクタム、γ-ブチロラクタム、β-プロピオラクタムなどのラクタム系ブロック剤;アセト酢酸エチル、アセチルアセトンなどの活性メチレン系ブロック剤;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アミルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ベンジルエーテル、グリコール酸メチル、グリコール酸ブチル、ジアセトンアルコール、乳酸メチル、乳酸エチルなどのアルコール系ブロック剤;ホルムアルデヒドオキシム、アセトアルデヒドオキシム、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシム、ジアセチルモノオキシム、シクロヘキサノンオキシムなどのオキシム系ブロック剤;ブチルメルカプタン、ヘキシルメルカプタン、t-ブチルメルカプタン、チオフェノール、メチルチオフェノール、エチルチオフェノールなどのメルカプタン系ブロック剤;アセトアミド、ベンズアミドなどの酸アミド系ブロック剤;コハク酸イミド、マレイン酸イミドなどのイミド系ブロック剤;キシリジン、アニリン、ブチルアミン、ジブチルアミンなどのアミン系ブロック剤;イミダゾール、2-エチルイミダゾールなどのイミダゾール系ブロック剤;メチレンイミン、プロピレンイミンなどのイミン系ブロック剤などが挙げられる。ブロック剤は、単独で用いても、2種以上併用しても構わない。
シランカップリング剤(D)のアルコキシシリル基のアルコキシ基としては、メトキシ基やエトキシ基、プロピオキシ基、ブトキシ基などが挙げられる。反応性の観点からメトキシ基またはエトキシ基が好ましい。また、アルコキシシリル基は、モノアルコキシシリル基、ジアルコキシシリル基、トリアルコキシシリル基のいずれでもよい。
ポリアミド(A)、ポリロタキサン(B)、およびエラストマー(C)の合計を100重量部とした場合、シランカップリング剤(D)の配合量は0.01重量部以上1重量部以下であることが好ましい。シランカップリング剤(D)の配合量が0.01重量部以上であると、ポリアミド(A)とポリロタキサン(B)の共重合体が形成され、ポリロタキサンの応力緩和効果がポリアミド(A)全体に十分に波及し、成形品の靱性が向上する。また、1.0重量部以下であると、ポリアミド(A)とポリロタキサン(B)が過度に架橋した反応物が生成することがなく、好ましい。過度に架橋した反応物は、破壊時の起点となりやすく、樹脂組成物の機械特性に悪影響を及ぼし得るため好ましくない。シランカップリング剤(D)の配合量は、0.3重量部以下が好ましい。
本発明の樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、さらに充填材、熱可塑性樹脂、各種添加剤などを配合することができる。
充填材を配合することにより、得られる成形品の強度、剛性をより向上させることができる。充填材としては、有機充填材、無機充填材のいずれでもよいし、繊維状充填材、非繊維状充填材のいずれでもよい。これらを2種以上配合してもよい。
繊維状充填材としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維などが挙げられる。これらは、エチレン/酢酸ビニルなどの熱可塑性樹脂や、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂により、被覆または集束されていてもよい。繊維状充填材の断面形状としては、円形、扁平状、まゆ形、長円形、楕円形、矩形などが挙げられる。
非繊維状充填材としては、例えば、タルク、ワラステナイト、ゼオライト、セリサイト、マイカ、カオリン、クレー、パイロフィライト、ベントナイト、アスベスト、アルミナシリケート、珪酸カルシウムなどの非膨潤性珪酸塩、Li型フッ素テニオライト、Na型フッ素テニオライト、Na型四珪素フッ素雲母、Li型四珪素フッ素雲母の膨潤性雲母などの膨潤性層状珪酸塩、酸化珪素、酸化マグネシウム、アルミナ、シリカ、珪藻土、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化スズ、酸化アンチモンなどの金属酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ドロマイト、ハイドロタルサイトなどの金属炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの金属硫酸塩、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシウムなどの金属水酸化物、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイトなどのスメクタイト系粘土鉱物やバーミキュライト、ハロイサイト、カネマイト、ケニヤイト、燐酸ジルコニウム、燐酸チタニウムなどの各種粘土鉱物、ガラスビーズ、ガラスフレーク、セラミックビーズ、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、炭化珪素、燐酸カルシウム、カーボンブラック、黒鉛などが挙げられる。上記の膨潤性層状珪酸塩は、層間に存在する交換性陽イオンが有機オニウムイオンで交換されていてもよい。有機オニウムイオンとしては、例えば、アンモニウムイオンやホスホニウムイオン、スルホニウムイオンなどが挙げられる。
熱可塑性樹脂の具体例としては、温度25℃で樹脂濃度0.01g/mlの98%濃硫酸溶液中で測定した相対粘度が1.5~2.5であるポリアミド樹脂(A)以外のポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリケトン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリチオエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、四フッ化ポリエチレン樹脂などが挙げられる。これらを2種以上配合してもよい。
各種添加剤の具体例としては、熱安定剤、(D)成分には該当しない有機シラン系化合物、有機チタネート系化合物、有機ボラン系化合物などのカップリング剤、ポリアルキレンオキサイドオリゴマ系化合物、チオエーテル系化合物、エステル系化合物、有機リン系化合物などの可塑剤、有機リン化合物、ポリエーテルエーテルケトンなどの結晶核剤、モンタン酸ワックス類、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸アルミ等の金属石鹸、エチレンジアミン・ステアリン酸・セバシン酸重縮合物、シリコーン系化合物などの離型剤、次亜リン酸塩などの着色防止剤、滑剤、紫外線防止剤、着色剤、難燃剤、発泡剤などを挙げることができる。これら添加剤を配合する場合、その配合量は、ポリアミドの特徴を十分に活かすため、ポリアミド(A)、ポリロタキサン(B)、およびエラストマー(C)の合計100重量部に対して10重量部以下が好ましく、2重量部以下がより好ましい。
熱安定剤としては、銅化合物を用いることが一般的である。銅化合物としては、例えば、塩化第一銅、塩化第二銅、臭化第一銅、臭化第二銅、ヨウ化第一銅、ヨウ化第二銅、硫酸第二銅、硝酸第二銅、リン酸銅、酢酸第一銅、酢酸第二銅、サリチル酸第二銅、ステアリン酸第二銅、安息香酸第二銅などが挙げられ、工業的に入手できるものが好ましい。銅化合物以外の熱安定剤としては、N,N’-ヘキサメチレンビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-ヒドロシンナミド)、テトラキス[メチレン-3-(3’,5’-ジ-t-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンなどのフェノール系化合物、リン系化合物、メルカプトベンゾイミダゾール系化合物、ジチオカルバミン酸系化合物、有機チオ酸系化合物などの硫黄系化合物、N,N’-ジ-2-ナフチル-p-フェニレンジアミン、4,4’-ビス(α,α-ジメチルベンジル)ジフェニルアミンなどのアミン系化合物などが挙げられる。これらを2種以上配合してもよい。
本発明のポリアミド樹脂組成物の製造方法としては、特に制限はないが、溶融状態で混練する方法や、溶液状態で混合する方法等が挙げられる。反応性向上の点から、溶融状態で混練する方法が好ましい。溶融状態で混練する溶融混練装置としては、例えば、単軸押出機、二軸押出機、四軸押出機などの多軸押出機、二軸単軸複合押出機などの押出機や、ニーダーなどが挙げられる。生産性の点から、連続的に製造可能な押出機が好ましく、混練性、反応性、生産性の向上の点から、二軸押出機がより好ましい。
以下、二軸押出機を用いて本発明の樹脂組成物を製造する場合を例に説明する。ポリロタキサン(B)の熱劣化を抑制し、靱性をより向上させる観点から、最高樹脂温度は、300℃以下が好ましい。一方、最高樹脂温度は、ポリアミド(A)の融点以上が好ましい。ここで、最高樹脂温度とは、押出機の複数ヶ所に均等に設置された樹脂温度計により測定した中で最も高い温度を指す。
また、樹脂組成物の押出量は、ポリアミド(A)およびポリロタキサン(B)の熱劣化をより抑制する観点から、スクリュー回転1rpm当たり0.01kg/h以上が好ましく、0.05kg/h以上がより好ましい。一方、ポリアミド(A)とポリロタキサン(B)樹脂の反応をより促進し、前述の海島構造をより容易に形成する観点から、スクリュー回転1rpm当たり1kg/h以下が好ましい。ここで、押出量とは、押出機から1時間あたりに吐出される樹脂組成物の重量(kg)を指す。
このようにして得られた樹脂組成物は、通常公知の方法で成形することができ、シート、フィルムなどの各種成形品を得ることができる。成形方法としては、例えば、射出成形、射出圧縮成形、押出成形、圧縮成形、ブロー成形、プレス成形などが挙げられる。
本発明の樹脂組成物およびその成形品は、その優れた特性を活かし、自動車部品、ガスタンクライナー、電気・電子部品、建築部材、各種容器、日用品、生活雑貨および衛生用品など各種用途に利用することができる。とりわけ、靱性および剛性が要求される自動車外装部品や、自動車電装部品、自動車アンダーフード部品、自動車ギア部品、筐体やコネクタ、リフレクタなどの電気、電子部品用途に特に好ましく用いられる。具体的には、エンジンカバー、エアインテークパイプ、タイミングベルトカバー、インテークマニホールド、フィラーキャップ、スロットルボディ、クーリングファンなどの自動車エンジン周辺部品、クーリングファン、ラジエータータンクのトップおよびベース、シリンダーヘッドカバー、オイルパン、ブレーキ配管、燃料配管用チューブ、高圧ガスタンクライナー、廃ガス系統部品などの自動車アンダーフード部品、ギア、アクチュエーター、ベアリングリテーナー、ベアリングケージ、チェーンガイド、チェーンテンショナなどの自動車ギア部品、シフトレバーブラケット、ステアリングロックブラケット、キーシリンダー、ドアインナーハンドル、ドアハンドルカウル、室内ミラーブラケット、エアコンスイッチ、インストルメンタルパネル、コンソールボックス、グローブボックス、ステアリングホイール、トリムなどの自動車内装部品、フロントフェンダー、リアフェンダー、フューエルリッド、ドアパネル、シリンダーヘッドカバー、ドアミラーステイ、テールゲートパネル、ライセンスガーニッシュ、ルーフレール、エンジンマウントブラケット、リアガーニッシュ、リアスポイラー、トランクリッド、ロッカーモール、モール、ランプハウジング、フロントグリル、マッドガード、サイドバンパーなどの自動車外装部品、エアインテークマニホールド、インタークーラーインレット、エキゾーストパイプカバー、インナーブッシュ、ベアリングリテーナー、エンジンマウント、エンジンヘッドカバー、リゾネーター、及びスロットルボディなどの吸排気系部品、チェーンカバー、サーモスタットハウジング、アウトレットパイプ、ラジエータータンク、オイルネーター、及びデリバリーパイプなどのエンジン冷却水系部品、コネクタやワイヤーハーネスコネクタ、モーター部品、ランプソケット、センサー車載スイッチ、コンビネーションスイッチなどの自動車電装部品、SMT対応のコネクタ、ソケット、カードコネクタ、ジャック、電源部品、スイッチ、センサー、コンデンサー座板、リレー、抵抗器、ヒューズホルダー、コイルボビン、ICやLED対応ハウジング、リフレクタなどの電気、電子部品を好適に挙げることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。各実施例の樹脂組成物を得るため下記原料を用いた。
<ポリアミド>
(A-1):ナイロン6樹脂(東レ(株)製“アミラン”(登録商標))、ηr=2.35、融点225℃。
(A-2):ナイロン6樹脂(参考例1の方法で作製)、ηr=1.80、融点225℃。
(A-3):ナイロン6樹脂(東レ(株)製“アミラン”(登録商標))、ηr=2.70、融点225℃。
(A-1):ナイロン6樹脂(東レ(株)製“アミラン”(登録商標))、ηr=2.35、融点225℃。
(A-2):ナイロン6樹脂(参考例1の方法で作製)、ηr=1.80、融点225℃。
(A-3):ナイロン6樹脂(東レ(株)製“アミラン”(登録商標))、ηr=2.70、融点225℃。
ここで、上記相対粘度ηrは、98%濃硫酸の0.01g/ml溶液、25℃において測定した。また、融点は、示差走査熱量計を用いて、不活性ガス雰囲気下、ポリアミドを溶融状態から20℃/分の降温速度で30℃まで降温した後、20℃/分の昇温速度で融点+40℃まで昇温した場合に現れる吸熱ピークの温度とした。ただし、吸熱ピークが2つ以上検出される場合には、ピーク強度の最も大きい吸熱ピークの温度を融点とした。
<ポリロタキサン>
(B-1):ポリロタキサン(アドバンスト・ソフトマテリアル(株)製“セルム”(登録商標)スーパーポリマーSH1300P)、直鎖分子であるポリエチレングリコールの数平均分子量は1万、全体の重量平均分子量は18万である。グラフト鎖末端に水酸基を有し、以下の手法で求めた水酸基濃度は1.55×10-3mol/gである。
(B-1):ポリロタキサン(アドバンスト・ソフトマテリアル(株)製“セルム”(登録商標)スーパーポリマーSH1300P)、直鎖分子であるポリエチレングリコールの数平均分子量は1万、全体の重量平均分子量は18万である。グラフト鎖末端に水酸基を有し、以下の手法で求めた水酸基濃度は1.55×10-3mol/gである。
80℃真空乾燥機を用いて、ポリロタキサンを10時間以上乾燥させた絶乾試料を作製した。絶乾試料1.0gを50mlのトルエンに溶解した溶液に、大過剰の無水コハク酸を加え、窒素フロー下90℃で6時間加熱した。エバポレーターでポリマー濃度が50%程度になるまで濃縮した後、ポリマー溶液を大過剰のメタノール溶液に加え、沈殿物を回収した。得られた沈殿物を真空乾燥機中で80℃8時間乾燥させて、ポリマーを得た。得られたポリマー0.2gを25mlのベンジルアルコールに溶解した溶液について、濃度0.02mol/Lの水酸化カリウムのエタノール溶液を用いて滴定し、水酸基濃度を算出した。
“セルム(登録商標)”スーパーポリマーは、環状分子がポリ(ε-カプロラクトン)からなるグラフト鎖により修飾されたα-シクロデキストリン、直鎖分子がポリエチレングリコール、ブロック基がアダマンタン基であるポリロタキサンである。
ここで、ポリロタキサンの重量平均分子量は、ヘキサフルオロイソプロパノールを溶媒とし、Shodex HFIP-806M(2本)+HFIP-LGをカラムとして用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定した、ポリメチルメタクリレート換算の値である。
<エラストマー>
(C-1):無水マレイン酸変性エチレン-ブテン共重合体(三井化学(株)製“タフマー”(登録商標)MH5020)を用いた。官能基濃度は1.6×10-4mol/gである。
(C-1):無水マレイン酸変性エチレン-ブテン共重合体(三井化学(株)製“タフマー”(登録商標)MH5020)を用いた。官能基濃度は1.6×10-4mol/gである。
<シランカップリング剤>
(D-1):3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製シランカップリング剤KBE-9007N)、分子量は247.4g/molである。
(D-2):3-アミノプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製シランカップリング剤KBE-903)、分子量は221.4g/molである。
(D-1):3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製シランカップリング剤KBE-9007N)、分子量は247.4g/molである。
(D-2):3-アミノプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製シランカップリング剤KBE-903)、分子量は221.4g/molである。
(参考例1)
ε-カプロラクタム700g、ヘキサメチレンジアミン30重量%水溶液18.2g(ε-カプロラクタムに対して0.80mol%)を予熱器に投入して密閉し、窒素置換し、120℃で予熱した。予熱された原料を重合缶へ供給し、285℃で加熱した。加熱を開始して、缶内圧力が0.6MPaに到達した後、水分を系外に放出させながら缶内圧力を0.6MPaで1.5時間保持した。その後30分間かけて缶内圧力を常圧に戻し、さらに減圧度60kPa、ヒーター温度285℃で2時間加熱した。その後、重合缶からポリマーをガット状に吐出してペレタイズし、熱水抽出を行い、これを80℃で24時間真空乾燥して、50Pa、200℃で固相重合を行い、ηr=1.80、融点225℃のナイロン6を得た。
ε-カプロラクタム700g、ヘキサメチレンジアミン30重量%水溶液18.2g(ε-カプロラクタムに対して0.80mol%)を予熱器に投入して密閉し、窒素置換し、120℃で予熱した。予熱された原料を重合缶へ供給し、285℃で加熱した。加熱を開始して、缶内圧力が0.6MPaに到達した後、水分を系外に放出させながら缶内圧力を0.6MPaで1.5時間保持した。その後30分間かけて缶内圧力を常圧に戻し、さらに減圧度60kPa、ヒーター温度285℃で2時間加熱した。その後、重合缶からポリマーをガット状に吐出してペレタイズし、熱水抽出を行い、これを80℃で24時間真空乾燥して、50Pa、200℃で固相重合を行い、ηr=1.80、融点225℃のナイロン6を得た。
<評価方法>
各実施例および比較例における評価方法を説明する。評価n数は、特に断らない限り、n=5とし平均値を求めた。
各実施例および比較例における評価方法を説明する。評価n数は、特に断らない限り、n=5とし平均値を求めた。
(1)低温靱性(温度-40℃で引張速度1000mm/minにおける引張破断伸度)
各実施例および比較例により得られたペレットを80℃で12時間減圧乾燥し、射出成形機(住友重機社製SG75H-MIV)を用いて、シリンダー温度:240℃、金型温度:80℃の条件で射出成形することにより、ISO527-1:2019に準拠した1A型多目的試験片を作製した。得られた試験片を-40℃の恒温槽内で、0.5時間以上均熱処理を施した。均熱処理後の試験片について、ISO527-1:2019に従い、精密万能試験機AG-50kNX(島津製作所製)を用い、-40℃にて引張速度1000mm/minで引張試験を行い、引張破断伸度を測定した。
各実施例および比較例により得られたペレットを80℃で12時間減圧乾燥し、射出成形機(住友重機社製SG75H-MIV)を用いて、シリンダー温度:240℃、金型温度:80℃の条件で射出成形することにより、ISO527-1:2019に準拠した1A型多目的試験片を作製した。得られた試験片を-40℃の恒温槽内で、0.5時間以上均熱処理を施した。均熱処理後の試験片について、ISO527-1:2019に従い、精密万能試験機AG-50kNX(島津製作所製)を用い、-40℃にて引張速度1000mm/minで引張試験を行い、引張破断伸度を測定した。
(2)耐衝撃性(温度23℃におけるシャルピー衝撃試験)
各実施例および比較例により得られたペレットを80℃で12時間減圧乾燥し、射出成形機(住友重機社製SG75H-MIV)を用いて、(1)と同条件で射出成形することにより、シャルピー衝撃試験片を作製した。得られたシャルピー衝撃試験片に、ノッチングツール(東洋精機:A-4)を用いてノッチ加工を施した。前記シャルピー衝撃試験片を用いて、ISO 179-1に準じてノッチ付きシャルピー衝撃試験を行った。
各実施例および比較例により得られたペレットを80℃で12時間減圧乾燥し、射出成形機(住友重機社製SG75H-MIV)を用いて、(1)と同条件で射出成形することにより、シャルピー衝撃試験片を作製した。得られたシャルピー衝撃試験片に、ノッチングツール(東洋精機:A-4)を用いてノッチ加工を施した。前記シャルピー衝撃試験片を用いて、ISO 179-1に準じてノッチ付きシャルピー衝撃試験を行った。
(3)流動性(250℃、2.16kg荷重のメルトフローレート)
各実施例および比較例により得られたペレットを、メルトインデクサー(東洋精機社製C501DS)を使用して、ISO 1133-2:2011、A法に準拠(測定条件は温度250℃、荷重2.16kg条件)してメルトフローレート(流動性を表し、以下、MFRと記す。)を測定した。MFRの数値が高いほど樹脂の流動性が優れることを表す。
各実施例および比較例により得られたペレットを、メルトインデクサー(東洋精機社製C501DS)を使用して、ISO 1133-2:2011、A法に準拠(測定条件は温度250℃、荷重2.16kg条件)してメルトフローレート(流動性を表し、以下、MFRと記す。)を測定した。MFRの数値が高いほど樹脂の流動性が優れることを表す。
(実施例1~6、比較例1~8)
ポリアミド樹脂、ポリロタキサン、エラストマー、およびシランカップリング剤を、表1に示す組成となるように配合して、プリブレンドし、シリンダー温度:240℃、スクリュー回転数:200rpmに設定した二軸押出機(日本製鋼所製TEX30α)へ供給し溶融混練した。溶融混練後、押出されたガットをペレタイズしペレットを得た。得られたペレットを用いて前記方法により評価した結果を表1に示す。
ポリアミド樹脂、ポリロタキサン、エラストマー、およびシランカップリング剤を、表1に示す組成となるように配合して、プリブレンドし、シリンダー温度:240℃、スクリュー回転数:200rpmに設定した二軸押出機(日本製鋼所製TEX30α)へ供給し溶融混練した。溶融混練後、押出されたガットをペレタイズしペレットを得た。得られたペレットを用いて前記方法により評価した結果を表1に示す。
実施例1~6と比較例1~8の比較から、相対粘度が1.5以上2.5以下のポリアミド、ポリロタキサン、エラストマーおよびシランカップリング剤を配合することにより、それらを配合しない場合およびポリアミドの相対粘度が2.5より大きいものを用いた場合と比較して、耐衝撃性と流動性および低温靭性に優れていることが分かった。また、実施例1~2と比較例7~8の比較から、通常トレードオフの関係にある流動性と靭性をともに改善することに成功していることがわかった。
Claims (3)
- 少なくともポリアミド(A)、水酸基を末端に有するグラフト鎖により環状分子が修飾されたポリロタキサン(B)、前記ポリアミド(A)およびポリロタキサン(B)と反応する官能基により変性されたエラストマー(C)、ならびにシランカップリング剤(D)を配合してなる樹脂組成物であって、前記ポリアミド(A)の温度25℃で樹脂濃度0.01g/mlの98%濃硫酸溶液中で測定した相対粘度が1.5~2.5であることを特徴とする樹脂組成物。
- 前記ポリアミド(A)、ポリロタキサン(B)、およびエラストマー(C)の合計100重量部に対して、前記エラストマー(C)を10重量部以上30重量部以下配合してなる請求項1に記載の樹脂組成物。
- 請求項1または請求項2に記載の樹脂組成物からなる成形品。
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-
2022
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