JP2024123721A - シリカ質コーティング層形成用シリカ質混合液 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のシリカ質コーティング層形成用シリカ質混合液は、メチル基、エチル基、ビニル基、メタクリロキシ基またはアクリロキシ基を有する1種以上のシランカップリング剤で表面修飾した一次粒子径が100nm以下のシリカ微粒子と、水素化ポリシロキサン、水素化ポリシラザンまたは水素化ポリシロキサザンと、を有機溶剤中で混合したものである。
【選択図】図1
Description
1.シリカ微粒子と、加熱するとシリカ質膜に転換するシリコン樹脂を均一混合する
2.混合液を基材に塗布し、加熱してシリコン樹脂をシリカ質へ転換する
実施例の説明に先立ち、各実施例の構成要素となる、シリカ微粒子の表面修飾方法、ポリマー(水素化ポリシロキサン、水素化ポリシラザン及び水素化ポリシロキサザン)の合成方法、シリカ微粒子とシリコン樹脂との混合方法、及び実施結果の評価方法について説明する。
撹拌機、加熱装置を備えた容量1Lのガラス製反応器に、シリカ微粒子の材料としてコロイダルシリカ(日産化学工業社製スノーテックスOS:平均粒径10nm、固形分濃度20%)を室温下で300gを撹拌しながら注入し、更にイソプロパノール200gを注入した。これに、シランカップリング剤である3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製KBM-503)3gを注入し、40℃に加熱して60時間保持した。
シリカ微粒子の粒径は、製膜後の断面電子顕微鏡(SEM)観察にて3nm~25nmの範囲であることを確認した。
室温まで放冷した後、35%塩酸(本田薬品社製)20gを注入してシリカ微粒子を沈殿させ、これをガラスフィルター(P16グレード)で濾過し、続いて、濾過残渣を純水でよく洗浄した。更にこれを100℃の真空乾燥機で十分に乾燥させた。
表面修飾方法(A1)により得られた、表面修飾後のシリカ微粒子10gを、モレキュラーシーブ4Aで乾燥させたメチルエチルケトン(水分量0.02%)40gと混合し、超音波分散した。これにCDCl3を加えて、1H-NMR(400MHz)を測定した。ケミカルシフト1.06ppm(メチルエチルケトンのエチル基-CH2CH3)とケミカルシフト5.5ppm及び6.1ppm(3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシランのアクリル基の=CH2)に帰属されるピーク積分値より、シリカ微粒子に対する表面修飾量を計算した結果、2.5wt%であった。
表面修飾方法(A1)のうち、シリカ微粒子の材料としてコロイダルシリカ(日産化学工業社製スノーテックスOL:平均粒径50nm、固形分濃度20%)を使用した以外は、表面修飾方法(A1)と同様の方法で生成物を得た。表面修飾量の算出も同様の方法で行い、計算結果は1.6wt%であった。
シリカ微粒子の粒径は、製膜後の断面電子顕微鏡(SEM)観察にて25nmから95nmの範囲であることを確認した。
表面修飾方法(A1)のうち、シランカップリング剤としてビニルトリメトキシシラン(信越化学工業社製KBM-1003)を使用した以外は、表面修飾方法(A1)と同様の方法で生成物を得た。表面修飾量の算出は、シランカップリング剤の帰属をケミカルシフト5.8から6.1ppm(ビニルトリメトキシシランのビニル基の-CH=CH2)とした以外は、表面修飾方法(A1)と同様の方法で行い、計算結果は0.7wt%であった。
表面修飾方法(A1)のうち、シランカップリング剤としてメチルトリメトキシシラン(東京化成工業社製M0660)を使用した以外は、表面修飾方法(A1)と同様の方法で生成物を得た。表面修飾量の算出は、シランカップリング剤の帰属をケミカルシフト0.1ppm(メチルトリメトキシシランのメチル基のプロトン)とした以外は、表面修飾方法(A1)と同様の方法で行い、計算結果は0.2wt%であった。
表面修飾方法(A1)のうち、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製KBM-503)の注入量を12gとした以外は、表面修飾方法(A1)と同様の方法で生成物を得た。表面修飾量の算出も、表面修飾方法(A1)と同様の方法で行い、計算結果は3.8wt%であった。
表面修飾方法(A1)のうち、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製KBM-503)の注入量を0.5gとした以外は、表面修飾方法(A1)と同様の方法で生成物を得た。表面修飾量の算出も、表面修飾方法(A1)と同様の方法で行い、計算結果は0.05wt%であった。
撹拌機、冷却装置を備えた容量2LのSUS316製反応器を乾燥窒素により十分に乾燥させた後、乾燥ピリジン1500gを入れて、撹拌しながら0℃に冷却した。これに、ジクロロシラン120gを1時間かけて加え、ピリジンとジクロロシラン錯体を形成した。引き続き温度を0℃に維持しつつ、撹拌しながら乾燥アンモニア120gを5時間かけて注入した。反応終了後、乾燥窒素雰囲気下でスラリー状生成物を濾過精度100μmのSUS316製フィルターで濾別して、濾液1100gを得た。これをロータリーエバポレーターで減圧留去すると、粘性樹脂状生成物30gが得られた。得られた生成物の数平均分子量をGPCにより測定したところ、標準ポリスチレン換算で1200であった。これをFTIRスペクトル測定した結果、波数3350cm-1、1175cm-1のNHに基づく吸収、及び2170cm-1の、1000~800cm-1のSiHに基づく吸収が確認された。
撹拌機、冷却装置を備えた容量2LのSUS316製反応器を乾燥窒素により十分に乾燥させた後、乾燥ピリジン1500gを入れて、撹拌しながら0℃に冷却した。これに、ジクロロシラン120gを1時間かけて加え、ピリジンとジクロロシラン錯体を形成した。引き続き温度を0℃に維持しつつ、撹拌しながら純水5.5gと乾燥ピリジン200gの混合液を1時間かけて注入し、更にこれに引き続き、乾燥アンモニア80gを4時間かけて注入した。反応終了後、乾燥窒素雰囲気下でスラリー状生成物を濾過精度100μmのSUS316製フィルターで濾別して、濾液1200gを得た。これをロータリーエバポレーターで減圧留去すると、粘性樹脂状生成物27gが得られた。得られた生成物の数平均分子量をGPCにより測定したところ、標準ポリスチレン換算で1100であった。これをFTIRスペクトル測定した結果、波数3350cm-1、1175cm-1のNHに基づく吸収、2170cm-1の、1000~800cm-1のSiHに基づく吸収、及び1080cm-1のSiOに基づく吸収が確認された。
混合に用いる有機溶剤、一例としてメチルイソブチルケトンに、250℃で乾燥させたモレキュラーシーブ4Aを室温下で投入し、72時間放置して脱水処理を行った。脱水処理後の有機溶剤の水分量が0.03wt%(300ppm)以下であることをカールフィッシャー水分計により確認した後、当該有機溶剤を、撹拌機を備え、乾燥窒素により十分に乾燥させたSUS316製容器に注入した。以上の操作は、窒素ボックス内で実施した。当該有機溶剤が注入された容器に、表面修飾を行ったシリカ微粒子を濃度20wt%になるように室温下で注入して混合し、十分に撹拌する。
また別途、同様の方法で乾燥した有機溶剤を別のSUS316製容器に注入し、窒素ボックス内で、当該有機溶剤が注入された容器に、水素化ポリシロキサン、水素化ポリシラザン又は水素化ポリシロキサザンを濃度20wt%になるように室温下で注入し混合して溶解させ、十分に撹拌する。
続いて、表面修飾を行ったシリカ微粒子を混合した有機溶剤と、水素化ポリシロキサン、水素化ポリシラザン又は水素化ポリシロキサザンが溶解された有機溶剤を、乾燥窒素で十分に乾燥させた新たなSUS316製容器に、室温下で撹拌しながら注入する。なお、表面修飾を行ったシリカ微粒子を混合した有機溶剤と、水素化ポリシロキサン、水素化ポリシラザン又は水素化ポリシロキサザンが溶解された有機溶剤の混合比率は、条件によって調節する。
混合に用いる有機溶剤の脱水処理を行わない以外は、混合方法(M1)と同様の方法で混合した。なお、一例として脱水処理を行わなかったメチルイソブチルケトンの水分量は、カールフィッシャー水分計にて0.05wt%以上であった。
各混合液を注射器で3cc分取し、アドバンテック社ディスポフィルター(25mm径、濾過精度1μm)を用いて濾過する。そして、濾過後の混合液の粘度を、振動式粘度計(セコニック社製VM-10A)を用いて測定した。
また別途、各混合液を窒素雰囲気中、室温で1時間放置した上で、注射器で3cc分取し、アドバンテック社ディスポフィルター(25mm径、濾過精度1μm)を用いて濾過する。そして、濾過後の混合液の粘度を、振動式粘度計(セコニック社製VM-10A)を用いて測定した。
各混合液を注射器で3cc分取し、アドバンテック社ディスポフィルター(25mm径、濾過精度1μm)を用いて濾過する。そして、濾過後の混合液を8インチシリコンウェハーにメイン回転数800~1500rpmの範囲でスピンコートした。続いて、塗布したシリコンウェハーを120℃のホットプレートにより大気雰囲気中で2分間加熱して溶剤を飛散させ、更に、500℃のオーブンにより大気雰囲気中で90分間加熱してシリカ質膜に転換させる。オーブンを室温まで放冷した後、目視及び100倍の光学顕微鏡でクラックの有無を観察し、更にエリプソメーター(大塚電子社製FE-5000)を用いて膜厚を測定した(8ポイントの平均値)。また、このシリカ膜付きシリコンウェハーと混合液を塗布する前のシリコンウェハーの重量差と、塗布面積とから、シリカ質膜の密度を算出した。
以下の条件にて混合液の調整を行った。
・シリカ微粒子の表面修飾方法:A1
・ポリマー:水素化ポリシラザン
・表面修飾後のシリカ微粒子とポリマーとの混合方法:M1
・混合に用いる有機溶剤:メチルイソブチルケトン
・表面修飾後のシリカ微粒子とポリマーとの混合比率:30対70(重量基準)
・混合液の保存安定性:濾過直後粘度1.4cP、1時間放置後粘度1.4cP
・混合液で形成した薄膜の評価:クラック無し、シリカ質膜の密度2.3g/cm3
ポリマーを水素化ポリシロキサザンとした以外は、実施例1と同じ条件にて混合液の調整を行った。
・混合液の保存安定性:濾過直後粘度1.3cP、1時間放置後粘度1.4cP
・混合液で形成した薄膜の評価:クラック無し、シリカ質膜の密度2.2g/cm3
シリカ微粒子の表面修飾方法をA2とした以外は、実施例1と同じ条件にて混合液の調整を行った。
・混合液の保存安定性:濾過直後粘度1.4cP、1時間放置後粘度1.4cP
・混合液で形成した薄膜の評価:クラック無し、シリカ質膜の密度2.3g/cm3
シリカ微粒子の表面修飾方法をA3とした以外は、実施例1と同じ条件にて混合液の調整を行った。
・混合液の保存安定性:濾過直後粘度1.4cP、1時間放置後粘度1.4cP
・混合液で形成した薄膜の評価:クラック無し、シリカ質膜の密度2.3g/cm3
シリカ微粒子の表面修飾方法をA4とした以外は、実施例1と同じ条件にて混合液の調整を行った。
・混合液の保存安定性:濾過直後粘度1.4cP、1時間放置後粘度1.5cP
・混合液で形成した薄膜の評価:クラック無し、シリカ質膜の密度2.3g/cm3
表面修飾後のシリカ微粒子とポリマーとの混合比率を5対95とした以外は、実施例1と同じ条件にて混合液の調整を行った。
・混合液の保存安定性:濾過直後粘度1.3cP、1時間放置後粘度1.4cP
・混合液で形成した薄膜の評価:クラック無し、シリカ質膜の密度2.2g/cm3
表面修飾後のシリカ微粒子とポリマーとの混合比率を72対28とした以外は、実施例1と同じ条件にて混合液の調整を行った。
・混合液の保存安定性:濾過直後粘度1.3cP、1時間放置後粘度1.4cP
・混合液で形成した薄膜の評価:クラック無し、シリカ質膜の密度2.4g/cm3
混合に用いる有機溶剤をメチルエチルケトンとした以外は、実施例1と同じ条件にて混合液の調整を行った。
・混合液の保存安定性:濾過直後粘度1.3cP、1時間放置後粘度1.4cP
・混合液で形成した薄膜の評価:クラック無し、シリカ質膜の密度2.3g/cm3
シリカ微粒子の表面修飾方法をB1とした以外は、実施例1と同じ条件にて混合液の調整を行った。
・混合液の保存安定性:濾過直後粘度1.3cP、1時間放置後粘度1.3cP
・混合液で形成した薄膜の評価:クラック無し、シリカ質膜の密度1.9g/cm3
シリカ微粒子の表面修飾方法をB2とした以外は、実施例1と同じ条件にて混合液の調整を行った。
・混合液の保存安定性:濾過直後粘度1.4cP、1時間放置後粘度1.8cP
・混合液で形成した薄膜の評価:クラック有り、シリカ質膜の密度2.3g/cm3
表面修飾後のシリカ微粒子とポリマーとの混合比率を1.5対98.5とした以外は、実施例1と同じ条件にて混合液の調整を行った。
・混合液の保存安定性:濾過直後粘度1.3cP、1時間放置後粘度1.4cP
・混合液で形成した薄膜の評価:クラック多数、シリカ質膜の密度は評価不能
表面修飾後のシリカ微粒子とポリマーとの混合比率を85対15とした以外は、実施例1と同じ条件にて混合液の調整を行った。
・混合液の保存安定性:濾過直後粘度1.5cP、1時間放置後粘度1.5cP
・混合液で形成した薄膜の評価:クラック無し、シリカ質膜の密度1.8g/cm3
表面修飾後のシリカ微粒子とポリマーとの混合方法をM2とした以外は、実施例1と同じ条件にて混合液の調整を行った。
・混合液の保存安定性:フィルター詰まりによる濾過不能のため評価不能
・混合液で形成した薄膜の評価:濾液が得られなかったため評価不能
Claims (4)
- メチル基、エチル基、ビニル基、メタクリロキシ基またはアクリロキシ基を有する1種以上のシランカップリング剤で表面修飾した一次粒子径が100nm以下のシリカ微粒子と、水素化ポリシロキサン、水素化ポリシラザンまたは水素化ポリシロキサザンと、を有機溶剤中で混合したシリカ質コーティング層形成用シリカ質混合液。
- 前記シランカップリング剤の量が前記シリカ微粒子の量に対して、0.1wt%以上3wt%以下である請求項1に記載のシリカ質コーティング層形成用シリカ質混合液。
- 前記シリカ微粒子の、前記水素化ポリシロキサン、前記水素化ポリシラザンまたは前記水素化ポリシロキサザンとの混合比率が、2wt%以上80wt%以下である請求項2に記載のシリカ質コーティング層形成用シリカ質混合液。
- 前記有機溶剤が水分含有量0.03wt%以下である芳香族炭化水素類、飽和炭化水素類、エーテル類、エステル類またはケトン類から選ばれる単一または複数種類の溶媒から選択される化合物である請求項2又は3に記載のシリカ質コーティング層形成用シリカ質混合液。
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