JP2024171237A - 肌焼鋼 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】C:0.10~0.35質量%、Si:0.01~2.00質量%、Mn:0.20~1.90質量%、P:0.1質量%以下、S:0.5質量%以下、Cr:0.20~2.00質量%、Al:0.010~0.090質量%、N:0.0010~0.0250質量%およびNb:0.010~0.100質量%を含み、残部はFe及び不純物からなる成分組成を有し、Nb偏析度(CNb/C0Nb)の標準偏差σNbがσNb≦75を満足する肌焼鋼。
【選択図】なし
Description
Si:0.01~2.00質量%、
Mn:0.20~1.90質量%、
P:0.1質量%以下、
S:0.5質量%以下、
Cr:0.20~2.00質量%、
Al:0.010~0.090質量%、
N:0.0010~0.0250質量%および
Nb:0.010~0.100質量%
を含み、残部はFe及び不純物からなる成分組成を有し、Nb偏析度(CNb/C0Nb)の標準偏差σNbが次式(1)を満足する肌焼鋼。
σNb≦75 …(1)
Mo:0.35質量%以下、
Cu:1.00質量%以下、
Ni:1.00質量%以下、
V:0.10質量%以下、
B:0.0100質量%以下
のうちから選ばれる1種または2種以上を含有する前記1に記載の肌焼鋼。
Sn:0.100質量%以下および
Sb:0.100質量%以下
のうちから選ばれる1種または2種を含有する前記1または2に記載の肌焼鋼。
Ca:0.300質量%以下、
Se:0.300質量%以下、
Te:0.300質量%以下、
Pb:0.30質量%以下および
Bi:0.30質量%以下
のうちから選ばれる1種または2種以上を含有する前記1から3のいずれかに記載の肌焼鋼。
C:0.10~0.35質量%
Cは、浸炭熱処理後の焼入れにより中心部の硬度を高めるために、0.10質量%以上を必要とする。一方、含有量が0.35質量%を超えると、焼入れ後の芯部の靭性が低下するため、C量は0.10~0.35質量%の範囲に限定した。好ましくは、0.13~0.27質量%の範囲である。より好ましくは、0.15~0.25質量%の範囲である。
Siは、脱酸剤として必要であり、少なくとも0.01質量%以上の添加が必要である。しかしながら、過剰なSiの添加は鋼の変形抵抗を増大させ冷間鍛造性に悪影響を与えるため、上限を2.00質量%に規定する。好ましくは、0.04~0.70質量%である。さらに好ましくは、0.05~0.35質量%である。
Mnは、焼入性の向上に有効な元素で有り、少なくとも0.20質量%の添加を必要とする。しかし、Mnの過剰な添加は、鋼の変形抵抗の上昇を招くため、上限を1.90質量%とした。好ましくは、0.40~1.30質量%である。
Pは、結晶粒界に偏析し、靭性を低下させるため、その混入は低いほど望ましいが、0.1質量%までは許容される。好ましくは、0.02質量%以下である。また、下限については特に限定せずとも問題はないが、無駄な低P化は精錬時間の増長や精錬コストを上昇させてしまうため、0.003質量%以上とするとよい。
Sは、硫化物系介在物として存在し、被削性の向上に有効な元素であるが、過剰な添加は冷間鍛造性の低下を招くため、上限を0.5質量%とした。また、下限については特に限定しないが、過度の低S化は精錬コストを上昇させてしまうため、0.003質量%以上とするとよい。好ましくは、0.004~0.3質量%であり、さらに好ましくは、0.005~0.09質量%である。
Crは、焼入性と焼戻し軟化抵抗の向上に寄与し、さらには炭化物の球状化促進にも有用な元素であるが、含有量が0.20質量%に満たないと、その添加効果に乏しいものとなる。一方、2.00質量%を超えると、過剰浸炭や残留オーステナイトの生成を促進し、疲労強度に悪影響を与える。よって、Cr量は0.20~2.00質量%の範囲に限定した。好ましくは、0.7~1.9質量%の範囲である。
Alは、Nと結合して窒化物(AlN)を生成してピン止めの役目を担う元素として、有用な元素である。また、酸化物を形成し脱酸に有効な元素でもあるが、含有量が0.010質量%に満たないと、その添加効果に乏しいものとなる。しかし、過剰な添加は介在物の増加を招き、疲労破壊の起点を増やして疲労強度低下の原因となることから、上限を0.090質量%とした。好ましくは、0.015~0.080質量%であり、さらに好ましくは、0.015~0.060質量%である。また、Bを添加した場合は、固溶Bによる焼入れ性向上並びに疲労強度向上に寄与するものであり、その場合は0.045~0.075質量%の範囲が好適である。
Nは、Alと結合し窒化物(AlN)を形成する。かようなAlNは微細に析出し浸炭加熱時の結晶粒を微細化させ疲労特性を改善させる作用を有する。しかし、過剰なNの添加はAlNの熱力学的安定性を向上させ過ぎて粗大なAlNを生成させてしまう。粗大なAlNが存在すると、微細なAlNの体積率が減少し、結晶粒微細化効果が発揮されなくなる。このため、Nは0.0250質量%を上限とする。Nの下限については0.0010質量%とする。好ましくは、0.0050~0.0180質量%である。さらに好ましくは、0.0100~0.0170質量%である。
Nbは、Cと結合し炭化物(NbC)を形成する。NbCが微細かつ均一に分散するほど浸炭加熱時の結晶粒粗大化が抑制される。この効果を得るために、少なくとも0.010質量%の添加が必要である。一方、0.100質量%を超える添加は、その効果が飽和するのみであるため、上限量は0.100質量%とする。好ましくは、0.015~0.06質量%である。さらに好ましくは、0.020~0.045質量%である。
Mo:0.35質量%以下、
Cu:1.00質量%以下、
Ni:1.00質量%以下、
V:0.10質量%以下および
B:0.0100質量%以下
のうちから選ばれる1種または2種以上
Moは、焼入性と焼戻し軟化抵抗性の向上に寄与し、さらには浸炭異常層を低減する効果も示し、有用な元素であるため添加してもよい。しかし、含有量が0.35質量%超えでは、焼入性が過剰となり、圧延後の硬度が上昇し、鍛造性や被削性が低下する懸念がある。そのため、Mo含有量は0.35質量%以下の範囲に制限することが好ましい。なお、Moによる上記の焼入性、焼戻し軟化抵抗性の向上、浸炭異常層の低減の各効果を発現させるためには、Moは0.01質量%以上で含有されることが好ましい。さらに、好ましくは0.03~0.25質量%の範囲である。より好ましくは、0.05~0.22質量%である。
Cuは、焼入性の向上に寄与する元素である。この効果を得るためには、Cuは0.01質量%以上で含有されることが好ましい。一方、Cu含有量が1.00質量%を超えると、圧延材の表面肌が荒れてしまい、疵として残存する懸念がある。そこで、Cu量は1.00質量%以下の範囲に限定することが好ましい。より好ましくは、0.015~0.500質量%の範囲である。更に好ましくは、0.030~0.300質量%である。
Niは、焼入性の向上に寄与するとともに、靱性の向上に有用な元素である。これらの効果を得るためには、Niは0.01質量%以上で含有されることが好ましい。一方、1.00質量%を超えて含有されても、上記の効果が飽和する。よって、Ni含有量は1.00質量%以下の範囲に限定することが好ましい。より好ましくは、0.015~0.500質量%の範囲である。更に好ましくは、0.030~0.300質量%である。
Vは、浸炭加熱中に固溶し、急冷時における焼入れ性を向上させる効果がある。この効果を得るためには、少なくとも0.003質量%以上でVを含有させることが好ましい。一方、0.1質量%を超えて添加してもその効果は飽和するのみであるため、上限量は0.10質量%とすることが好ましい。より好ましくは、0.005~0.08質量%である。さらに好ましくは、0.01~0.06質量%である。
Bは、粒界に偏析し、拡散型変態を抑制することで、焼入性の向上に有効であり、加えて粒界を強化し、疲労亀裂の発生および進展を抑制し疲労強度を向上させる効果もある。Bによるこの効果を得るためには、0.0003質量%以上でBを含有させることが好ましい。一方、0.0100質量%を超えると、靱性が低下するため、B量は0.0100質量%以下の範囲に限定することが好ましい。より好ましくは、0.0005~0.0050質量%の範囲である。更に好ましくは、0.0007~0.0020質量%である。
Sn:0.100質量%以下および
Sb:0.100質量%以下
のうちから選ばれる1種または2種
Sb:0.100質量%以下
Sbは、鋼材表面の脱炭を抑制し、表面硬度の低下を防止するために有効な元素である。この効果を発現させるためには、Sbは0.0003質量%以上含有させることが好ましい。一方、過剰な添加は鍛造性を劣化させることから、Sbの含有量は0.100質量%以下とすることが好ましい。より好ましくは、0.001~0.050質量%である。更に好ましくは、0.0015~0.035質量%である。
Snは、鋼材表面の耐食性を向上させるために有効な元素である。耐食性向上の観点からは、Snは0.0003質量%以上含有させることが好ましい。一方、過剰な添加は鍛造性を劣化させることから、Snの含有量は0.100質量%以下とすることが好ましい。より好ましくは、0.001~0.050質量%である。更に好ましくは、0.0015~0.035質量%である。
Ca:0.300質量%以下
Se:0.300質量%以下
Te:0.300質量%以下
Pb:0.30質量%以下および
Bi:0.30質量%以下
のうちから選ばれる1種または2種以上
Ca、Se、Te、PbおよびBiは、鋼の被削性を向上させる快削元素であり、必要に応じて添加してよい。この効果を得るため、Ca、Se、Te、PbおよびBiはそれぞれ0.010質量%以上の添加が好ましい。しかしながら、これらの元素を過度に添加しても被削性の向上効果は飽和する。従って、合金コスト上昇を抑えるため、Ca、SeおよびTeの上限値を0.300質量%並びにPbおよびBiの上限値を0.30質量%とする。好ましくは0.010~0.200質量%である。更に好ましくは、0.03~0.100質量%である。
σNb≦75 …(1)
Nbは、Cと結合し炭化物(NbC)を形成することにより、結晶粒界の移動を阻止するピン止め効果を発揮することができる。そのためには、Nb偏析度の標準偏差が小さいことが有利である。すなわち、Nb偏析度の標準偏差が75以下と小さいことは、鋼中においてNb原子がより均一に分散しており、一様なピン止め力を発揮することを意味する。鋼の結晶粒径はピン止め力に対応して変化し、ピン止め力が大きいほど微細化する。従って、ピン止め力が一様である場合、結晶粒径の分布が均一であることを意味しており、粒径差を駆動力とした結晶粒成長が抑制されるのである。
Claims (2)
- C:0.10~0.35質量%、
Si:0.01~2.00質量%、
Mn:0.20~1.90質量%、
P:0.1質量%以下、
S:0.5質量%以下、
Cr:0.20~2.00質量%、
Al:0.010~0.090質量%、
N:0.0010~0.0250質量%および
Nb:0.010~0.100質量%
を含み、残部はFe及び不純物からなる成分組成を有し、Nb偏析度(CNb/C0Nb)の標準偏差σNbが次式(1)を満足する肌焼鋼。
σNb≦75 …(1) - 前記成分組成はさらに、以下のA~C群のいずれか1以上の群より選ばれる1種以上を含有する請求項1に記載の肌焼鋼。
A群
Mo:0.35質量%以下、
Cu:1.00質量%以下、
Ni:1.00質量%以下、
V:0.10質量%以下、
B:0.0100質量%以下
B群
Sn:0.100質量%以下、
Sb:0.100質量%以下
C群
Ca:0.300質量%以下、
Se:0.300質量%以下、
Te:0.300質量%以下、
Pb:0.30質量%以下、
Bi:0.30質量%以下
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