JP2025001702A - 二酸化炭素分離システム及び二酸化炭素分離方法 - Google Patents

二酸化炭素分離システム及び二酸化炭素分離方法 Download PDF

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Abstract

【課題】脱湿機の運転を安定化させ、かつ省エネルギー化を図った二酸化炭素分離システム及び二酸化炭素分離方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る二酸化炭素分離システム1は、燃焼排ガス中の二酸化炭素を、膜分離装置3で一次分離し、一次分離したガスを温度スイング式脱湿機5で脱湿した後、圧力スイング式吸着装置7で二次分離するものであって、膜分離装置3から二酸化炭素が濃縮されたガスを吸引する1段ドライスクリュー式の第1真空ポンプ9と、第1真空ポンプ9で吸引されて昇温されたガスと温度スイング式脱湿機5に再生ガスとして供給するガスとを熱交換する廃熱回収熱交換器11と、を備えたことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

燃焼排ガス中の二酸化炭素を、膜分離装置で一次分離し、一次分離したガスを温度スイング式脱湿機で脱湿した後、圧力スイング式吸着装置で二次分離する二酸化炭素分離システム及び二酸化炭素分離方法に関する。
温室効果ガスである二酸化炭素の排出源としてもっとも大きなものは火力発電所の燃焼排ガスである。温暖化防止のためにこの燃焼排ガスから二酸化炭素を分離回収することが求められている。
二酸化炭素の分離技術として広く利用されているのはアミン水溶液類などのアルカリ性吸収液を用いた化学吸収法である。吸収の効率が高く、窒素や酸素との選択性が非常に高いが、他方で吸収液の再生では吸収液を高温にする必要があり、吸収液が水溶液の場合には水の蒸発を防ぐために加圧下で常圧の沸点以上まで加熱するため、これにかかる熱が大きくなり二酸化炭素分離の所用エネルギーが大きい。
例えば石炭を燃料とする火力発電所の場合、性能の高い設備でも二酸化炭素排出量あたりの出力は環境省の発表する参考値によれば4.5GJ/t-CO2程度であり、化学吸収法を燃焼排ガスに適用する際の消費エネルギーを経済産業省の資料にある2.5GJ/t-CO2とすると発電した電力の半分以上のエネルギーを二酸化炭素の分離で消費してしまうことになり、適用することは非現実的である。
大気圧で排出されている燃焼排ガスから二酸化炭素を分離する技術の中で、ガス分離膜を用いた膜分離装置は消費エネルギーが小さいことが知られている。
しかしながら、膜分離装置単体では分離した二酸化炭素の純度を高く出来ないという欠点があり、これを補う技術として例えば特許文献1には膜分離装置の後段に二酸化炭素を高純度化するために圧力スイング式吸着装置を設置する方式が開示されている。
特開平6-327936号公報
圧力スイング式吸着装置も本来消費エネルギーは小さいが、吸着剤にゼオライトを使用する場合は前処理として水分の除去が必要であり、脱湿機を設置することになる。この脱湿機としては温度スイング吸着式のものが広く利用されているが、吸着剤の再生に熱が必要であり、これが全体としての消費エネルギーを増加させてしまう。
特許文献1に開示の技術では、燃焼排ガスの一部を取り出して吸着剤の再生に必要な熱源とすることで、システムとして新たな熱源を不要としている。
しかしながら、一般的に燃焼排ガスの熱は廃熱回収設備により熱回収されるため、燃焼排ガスの温度が吸着剤の再生に必要な温度に達しないケースがある。また、燃焼排ガスは熱交換により再生に必要な熱を供給することになるが、燃焼排ガス中のダストによる伝熱の悪化により、熱交換が不十分になり再生に必要な熱を十分に供給できないこともある。
このため、脱湿機の再生に必要な熱源として燃焼排ガスを用いる場合には、脱湿機の運転が不安定になるという課題がある。
天然ガスの前処理や化学品製造のオフガス処理などで用いられてきた化学吸収方式の二酸化炭素分離設備が、背の高い吸収塔などが並び化学プラントの様相を呈することや、吸収液の再生を加圧下で行うことから再生塔が第一種圧力容器に該当してしまうことなどと比べ、膜分離装置や圧力スイング式吸着装置は操業やメンテナンスが簡単であり特別な法規制も受けないことから、燃焼排ガスの排出事業者にとって受け入れられやすいという重要な利点がある。
しかし、高価なゼオライト吸着剤を守るための脱湿機の再生に燃焼排ガスの熱を利用することで、運転が不安定になればこの利点が失われてしまうため、システム内部で安定的に発生する熱を利用することが求められる。
本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、脱湿機の運転を安定化させ、かつ省エネルギー化を図った二酸化炭素分離システム及び二酸化炭素分離方法を提供することを目的としている。
燃焼排ガスからの二酸化炭素分離技術において消費エネルギーが大きいことは致命的であるため、この分野に特化して省エネルギーを追求したシステムが必要となる。
発明者は、この観点から膜分離装置と圧力スイング式吸着装置を備えた二酸化炭素分離システムの熱バランスを詳細に検討した。
一般に燃焼排ガス中の二酸化炭素濃度は10%前後であり、膜分離装置では高純度の二酸化炭素を得ることが難しい。もっとも、膜分離装置ではより高真空にすることで分離する二酸化炭素の濃度を高くすることは出来る。例えば分離性能を表す二酸化炭素と窒素の透過係数の比が200を超えるような高性能な分離膜を使用して2kPa程度の真空度にすれば、得られる二酸化炭素は95%程度にすることは不可能ではない。
ただし、そのような高真空にすると真空ポンプの所要動力が大きくなり、低消費エネルギーの利点が失われてしまうにもかかわらず、95%では純度としては不十分のため結局は後段に別の高純度化の装置が必要となる。
低消費エネルギーを目指すためには、膜分離装置の真空ポンプの所要動力を小さくすることが重要であり、真空度は10kPa程度とし、もっとも所要動力の小さいタイプの真空ポンプを選定した中で運転条件を最適化する必要がある。
工業的に使用されている真空ポンプで消費電力が小さいのはドライスクリュー式真空ポンプである。真空度が10kPa程度であれば1段での圧縮が可能であり、1段のドライスクリュー式真空ポンプも消費エネルギーが小さいもののひとつであることから、選択肢となり得る。各真空ポンプメーカーはスクリューの形状などに特色を持たせており、効率が良くなる吸入圧力が異なる。則ち10kPa程度の吸入圧力で効率がよい設計となっているメーカーの1段のドライスクリュー式真空ポンプを選定することでもっとも消費エネルギーが小さくなる可能性が高い。
ただし1段のドライスクリュー式真空ポンプを使用する場合、吸入圧力が10kPaでも圧縮比が10倍となり、吸入の温度が常温付近だとしても吐出の温度は圧縮熱により200℃前後に上昇するため敬遠されることが多い。
この点、発明者はさらなる消費エネルギーの低下を目指し、この圧縮熱を積極的に利用することを考えた。
すなわち、圧力スイング式吸着装置の前処理となる温度スイング式脱湿機の吸着剤再生用の熱を、膜分離装置の真空ポンプ吐出側の高温ガスから供給することで、全ての点でもっとも消費エネルギーが小さくなるシステムとなると考えた。
この結果、温度スイング式脱湿機の吸着剤の安定した再生が可能となり、低消費エネルギーでありながら操業やメンテナンスが簡単な二酸化炭素分離システムが実現できることを知見した。
本発明はかかる知見に基づくものであり、具体的には以下の構成を備えている。
(1)本発明に係る二酸化炭素分離システムは、燃焼排ガス中の二酸化炭素を、膜分離装置で一次分離し、一次分離したガスを温度スイング式脱湿機で脱湿した後、圧力スイング式吸着装置で二次分離するものであって、
前記膜分離装置から二酸化炭素が濃縮されたガスを吸引する1段ドライスクリュー式の真空ポンプと、該真空ポンプで吸引されて昇温されたガスと前記温度スイング式脱湿機に再生ガスとして供給するガスとを熱交換する廃熱回収熱交換器と、を備えたことを特徴とするものである。
(2)また、本発明に係る二酸化炭素分離方法は、燃焼排ガス中の二酸化炭素を、膜分離装置で一次分離し、一次分離したガスを温度スイング式脱湿機で脱湿した後に圧力スイング式吸着装置で二次分離する方法であって、
前記膜分離装置から二酸化炭素が濃縮されたガスを1段ドライスクリュー式の真空ポンプで吸引すると共に昇温し、該昇温されたガスと前記温度スイング式脱湿機に再生ガスとして供給するガスとを熱交換して加熱することを特徴とするものである。
本実施の形態では、膜分離装置の下流に圧力スイング式吸着装置を設置した燃焼排ガスの二酸化炭素分離システムにおいて、膜分離装置の消費エネルギーを低減する効果が大きい1段のドライスクリュー式真空ポンプを第1真空ポンプとして採用し、この第1真空ポンプの吐出温度が高いことを利用し、第1真空ポンプの吐出ガスと温度スイング式脱湿機の再生ガスとの熱交換が出来る廃熱回収熱交換器を備えることによって、温度スイング式脱湿機の吸着剤再生用の電気ヒーターを省略し、トータルで著しく消費エネルギーの少ない二酸化炭素分離システムを得ることができる。
本発明の実施の形態に係る二酸化炭素分離システムの装置構成及びフローを示す図である。 実施例における比較例1、2に係る二酸化炭素分離システムの装置構成及びフローを示す図である。
本実施の形態に係る二酸化炭素分離システム1は、図1に示すように、燃焼排ガス中の二酸化炭素を、膜分離装置3で一次分離し、一次分離したガスを温度スイング式脱湿機5で脱湿した後、圧力スイング式吸着装置7で二次分離するものであって、
膜分離装置3から二酸化炭素が濃縮されたガスを吸引する第1真空ポンプ9としての1段ドライスクリュー式の真空ポンプと、第1真空ポンプ9で吸引されて昇温されたガスと温度スイング式脱湿機5に再生ガスとして供給するガスとを熱交換する廃熱回収熱交換器11と、を備えたものである。
以下、各構成及び追加の構成を詳細に説明する。
<燃焼排ガス>
燃焼排ガスは、例えば既設のボイラーや発電機からの排ガスであり、二酸化炭素分離システム1に導入するものは、燃焼排ガス中のNOx、SOxおよび煤塵などは排出規制に合わせた処理がなされているものとする。
また、燃焼排ガスはその一部が二酸化炭素分離システム1に導入され、残りは排ガスとして煙突から大気放散される。もっとも、燃焼排ガスの全てを二酸化炭素分離システム1に導入するようにしてもよい。
<スクラバー>
本実施の形態では、二酸化炭素分離システム1への悪影響をより小さくするためにシステムの入口にスクラバー13を設置した。
スクラバー13は、燃焼排ガス中の不純物やダストを除去することでシステム内の各機器の劣化などを防ぐ目的の他に、150℃前後の高温である燃焼排ガスを約40℃まで冷却する目的もある。
ガス分離膜の多くは高分子膜であり耐熱性は60℃程度となっているが40℃まで冷却されれば全てのガス分離膜が使用可能である。
なお、燃焼排ガスの温度がさらに高い場合は、別途廃熱回収を検討するのが望ましい。
<ファン>
スクラバー13の後段にはスクラバー13と膜分離の圧力損失を相殺するためにファン15を設置している。このファン15はスクラバー13で十分に温度が下がっていることでファン15の効率が良くなることや膜分離装置3の高圧側圧力を少しでも高くする目的でこの位置に設置することが望ましい。もっとも、ファン15はスクラバー13の上流、あるいは膜分離の下流など、燃焼排ガスの流れの中でどこに設置することも可能である。
<膜分離装置>
膜分離装置3は、分離膜の両側に圧力差を設けることにより、低圧側に二酸化炭素濃度の高いガスを得られるようにしたものであり、分離膜としてはセラミックス系膜、高分子系膜のいずれでもよい。
膜分離装置3の分離膜の高圧側にほぼ大気圧の燃焼排ガスが導入されると、分離膜を未透過の残ガスが出口から排気される。この残ガスは多少の二酸化炭素を含んでいるが、これをある程度残すことで高圧側の二酸化炭素分圧を維持して膜分離の効率を高めることが可能となり、エネルギー消費を少なくするためには重要なポイントである。
分離膜を未透過の残ガスは排ガスとして処理される。
分離膜の低圧側は第1真空ポンプ9の吸入側に接続され、所定の真空度に維持される。
分離膜の選択性は二酸化炭素の透過速度と窒素の透過速度の比であり、30倍~50倍程度のものが多い。選択性の良い分離膜を使用した方が低圧側の二酸化炭素濃度が高くなり、より省エネルギーになる。
一方、二酸化炭素以上に水蒸気の透過速度が大きい分離膜も多く、水蒸気が多量に低圧側に透過されてくると第1真空ポンプ9の負荷が大きくなり、エネルギー消費量が増える。この様な場合、分離膜の手前に冷凍機を利用したクーラーを設置して温度を20℃程度まで冷却することで燃焼排ガス中の水蒸気を減らした方が、トータルでのエネルギー消費量を低減できることもある。
エネルギー消費量が小さい方法で二酸化炭素の純度を99.5%とするために圧力スイング式吸着装置7を設置するが、二酸化炭素を吸着する吸着剤としてはゼオライトを使用することが多い。ゼオライトは水蒸気に弱いため、前処理で露点-30℃程度まで処理ガスを脱湿することが求められる。脱湿機として、本実施の形態では温度スイング式脱湿機5を用いているが、温度スイング式脱湿機5は加熱したガスを流通させることで吸着剤の再生を行うため、加熱源を必要とする。通常、再生用の加熱源として電気ヒーター21(図2参照)が設置されるが、本実施の形態では、この熱源もシステム内部の廃熱として第1真空ポンプ9で吸引されたガスの熱を利用することで消費エネルギーを低減した。
<第1真空ポンプ>
膜分離に用いる第1真空ポンプ9はその吸入圧力は高真空にすると消費エネルギーが増大するため10kPa程度が適切である。低消費エネルギー型の真空ポンプとしてはドライ真空ポンプが有効であり、本実施の形態では最も消費エネルギーの少ない機種の一つである1段ドライスクリュー式の真空ポンプを用いた。
ドライ真空ポンプは液体などによる直接除熱が出来ず吐出温度が高くなることが知られているが、特に1段圧縮の場合には吐出温度が200℃前後に達し通常は速やかにアフタークーラーで冷却される。
しかし、本実施の形態では、吐出される高温ガスの熱を有効利用して温度スイング式脱湿機5の吸着剤再生用の加熱ガスを作る熱源とするため廃熱回収熱交換器11を設置した。これにより温度スイング式脱湿機5の吸着剤再生用電力を不要するとともに冷却水の使用量も削減した。
<廃熱回収熱交換器>
廃熱回収熱交換器11は、第1真空ポンプ9から吐出される二酸化炭素が濃縮された高温(200℃前後)のガスと、温度スイング式脱湿機5の吸着剤再生用のガスとを熱交換して、吸着剤再生用のガスを加熱するものである。
温度スイング式脱湿機5の吸着剤再生用のガスは、特に限定されるものではないが、本実施の形態では、圧力スイング式吸着装置7の未吸着残ガスを用いている。この未吸着残ガスを吸着剤再生用のガスとして用いた理由は後述する。
<温度スイング式脱湿機>
温度スイング式脱湿機5は、膜分離されて二酸化炭素が濃縮されたガスを、圧力スイング式吸着装置7で更に濃縮する前に水分を除去するためのものである。
温度スイング式脱湿機5の吸着塔の再生には、上述の通り、圧力スイング式吸着装置7の未吸着残ガスを廃熱回収熱交換器11で加熱して用いている。
温度スイング式脱湿機5の吸着塔は再生処理終了後、オンラインに戻す前に冷却が必要である。本実施の形態では、圧力スイング式吸着装置7から排出される未吸着ガスを、廃熱回収熱交換器11を通過させずにバイパスして再生終了後の吸着塔に流通させて冷却している。
再生中および再生後のいずれの時間帯も吸着塔を通過した脱湿機オフガスは、膜分離装置3の未透過残ガス及び処理されなかった燃焼排ガスとともに煙突から大気放散される。
<圧力スイング式吸着装置>
圧力スイング式吸着装置7は、通常、2塔の吸着塔を交互に使用して吸着と再生を繰り返す装置である。吸着操作は温度スイング式脱湿機5により水分を除去した二酸化炭素の濃縮ガスを大気圧で流通して二酸化炭素だけを選択的に吸着剤に吸着させ、再生操作は二酸化炭素を吸着済みの吸着塔を第2真空ポンプ19で減圧することで二酸化炭素を脱着して取り出すものである。
製品となる二酸化炭素の純度を通常流通している99.5%にする場合には吸着から脱着への切り替え時に発生する中途の純度の二酸化炭素を製品ガスにせず、膜分離装置3の入口に戻すリサイクルを行う。この場合、製品ガスの量が減り、相対的に製品二酸化炭素の量に対する膜分離装置3の消費エネルギーが増加する。そこで、これを防ぐため圧力スイング式吸着装置7を3塔式とし、吸着操作と脱着操作の間に均圧操作を行い、中途の濃度の二酸化炭素ガスがリサイクルに回らず次回の脱着操作で製品ガスとして利用出来るようにするのが好ましい。
圧力スイング式吸着装置7で吸着されずに二酸化炭素が破過すると、これも同様に二酸化炭素の量に対する膜分離装置3の消費エネルギーを増加させてしまうので、破過しない十分な量の吸着剤を充填した吸着塔とすることが必要である。この結果、圧力スイング式吸着装置7で吸着されなかった未吸着ガスは二酸化炭素濃度が低く、膜分離装置3の入口にリサイクルする必然性がない。一方、この未吸着ガスは水分に関しては温度スイング式脱湿機5で十分に除去されているため、加熱すれば温度スイング式脱湿機5の吸着剤再生用ガスとして最適である。従って、上述したように、この未吸着ガスを廃熱回収熱交換器11に導入し、十分な温度まで加熱したうえで温度スイング式脱湿機5の再生中吸着塔に流通出来るようにしている。
<第2真空ポンプ>
第2真空ポンプ19も所用動力が小さい型式を選ぶことが好ましく、例えば3段のドライルーツ式のものが好ましい。
本実施の形態では、膜分離装置3の下流に圧力スイング式吸着装置7を設置した燃焼排ガスの二酸化炭素分離システム1において、圧力スイング式吸着装置7のオフガスの水分がほぼゼロであること、および膜分離装置3の消費エネルギーを低減する効果が大きい1段のドライスクリュー式真空ポンプの吐出温度が高いことを利用し、第1真空ポンプ9の吐出ガスと圧力スイング式吸着装置7のオフガスの熱交換が出来る廃熱回収熱交換器11を備えることによって、温度スイング式脱湿機5の吸着剤再生用の電気ヒーター21(図2参照)を省略し、トータルで著しく消費エネルギーの少ない二酸化炭素分離システム1となった。
[実施例]
本発明を実現した実施例を比較例とともに以下に説明する。
実施例の装置構成及びフローは図1に示す通りである。
二酸化炭素濃度が12%の燃焼排ガスのうち6,000Nm3/hを抜き出して本発明による二酸化炭素分離システム1で処理した。
膜分離装置3の運転温度はスクラバー13出口の40℃のままとし、二酸化炭素濃度が39%まで濃縮されたガスが1,870Nm3/h得られる。この濃縮ガスは膜分離装置3の低圧側を絶対圧が約10kPaまで第1真空ポンプ9で減圧して得られたものであり、第1真空ポンプ9は所要動力の小さい1段のドライスクリュー式を使用した。
この結果、第1真空ポンプ9の吐出側は温度が約200℃まで上昇した。このとき第1真空ポンプ9の所要動力は平均して225kW程度であった。
二酸化炭素が濃縮されたガスは圧力スイング式吸着装置7で更に濃縮するが、その前に冷却しさらに温度スイング式脱湿機5で水分を除去する必要がある。通常は真空ポンプアフタークーラーで冷却水により冷却するが、本実施例ではアフタークーラーの前に廃熱回収熱交換器11を設置して、圧力スイング式吸着装置7の未吸着残ガスの加熱に熱を利用している。未吸着残ガス温度は平均して65℃程度であり、廃熱回収熱交換器11により180℃まで加熱することが出来た。このため温度スイング式脱湿機5の吸着剤再生用の高温ガスとして使用することができ、良好に再生することが出来た。
一方、第1真空ポンプ9の吐出ガスは200℃から171℃まで冷却され、水冷のアフタークーラーで30℃まで冷却してから温度スイング式脱湿機5に入る。夏場で冷却水の温度が高い時には冷却水用のチラーに最大16kW程度の電力が必要になると考えられる。
温度スイング式脱湿機5と圧力スイング式吸着装置7を通過した未吸着残ガスは暖まり、前述の通り平均して65℃程度である。一方、圧力スイング式吸着装置7は3塔式であり、一定時間で切り替えて吸着工程と均圧および減圧再生工程と昇圧工程を繰り返す。このうち減圧再生工程では二酸化炭素を吸着済みの吸着剤が入っている吸着塔を第2真空ポンプ19で減圧にし、二酸化炭素の脱着を促すと共に脱着した二酸化炭素ガスを排出する。
排出された二酸化炭素ガスは吸着塔内のデッドスペースなどに残留していた主に窒素である他のガスを微量に含むが、平均して99.5%の高純度で430Nm3/hを安定して得ることが出来た。
この第2真空ポンプ19も所用動力が小さい型式を選ぶのが好ましく、3段のドライルーツ式のものを使用した。ただし、第2真空ポンプ19は吸入圧力が鋸歯状波の変化を繰り返し、圧縮比が変動するために吐出温度が安定せず、廃熱の利用はしなかった。
表1に本実施例における各部の温度および消費電力を示す。
Figure 2025001702000002
本実施例の結果では二酸化炭素の収量が840kg/hであり、一方で冷却水系統なども含めシステム全体で使用した動力は354kWであった。これは1.52GJ/t-CO2に相当し、化学吸収法の2.5GJ/t-CO2に較べて圧倒的な省エネルギーを実現した。
[比較例1]
比較例1の装置構成及びフローを図2に示す。
比較例1では、第1真空ポンプ9に汎用の水封式ポンプを使用した。
また、比較例1では、実施例で第1真空ポンプ9の吐出温度を利用した廃熱回収熱交換器11を、二酸化炭素分離システム1への抜出しの前の排ガスラインに設置し、燃焼排ガスの廃熱で温度スイング式脱湿機5の吸着剤再生用の熱源とした。
ただし、排ガスラインには既に廃熱回収ボイラーが設置されており、燃焼排ガス温度は平均して150℃と低めであったため廃熱回収熱交換器11だけでは再生用ガスの温度が不十分であり、さらに電気ヒーター21で180℃まで昇温した。この電気ヒーター21には平均して5kWの動力を必要とした。さらにこのケースでは廃熱回収熱交換器11の位置が二酸化炭素分離システム1から遠く、配管の圧力損失および2基の熱交換器の圧力損失を補うために再生ガス用のファン15が必要であり、このファン15は6kWの消費動力であった。
表2に比較例1における各部の温度と消費動力を示す。
Figure 2025001702000003
比較例1では第1真空ポンプ9として汎用の水封式のポンプを使用しており、所用動力は平均で490kWであり、これが膜分離の低消費エネルギーの利点を台無しにしていることが分かった。結果としてシステム全体で使用した動力は631kWであり、これは2.70GJ/t-CO2に相当し膜分離装置3と圧力スイング式吸着装置7の利点を活かせなかった。
[比較例2]
比較例2の装置構成及びフローは比較例1と同様に図2に示す通りである。
比較例2では比較例1の問題点であった第1真空ポンプ9の消費動力を改善するために第1真空ポンプの型式を実施例と同じ1段ドライスクリュー式に変更した。この結果、第1真空ポンプ9における消費電力は大幅に改善された。しかし、吐出ラインの温度が平均で200℃であったため、温度スイング式脱湿機5の入口温度を30℃に下げるためにアフタークーラーの冷却水量を倍増させる必要があった。このため水封式真空ポンプで大量に使用していた冷却水量は予想に反して減らすことが出来なかった。
またこのとき、二酸化炭素分離システム外であるが、燃焼排ガスの廃熱回収ボイラーの清掃直後であったため燃焼排ガス温度は平均130℃に低下しており、廃熱回収熱交換器11が受け取れる熱量が減っていた。このため電気ヒーター21の負荷が大きくなり、平均で8kWの消費電力であった。この状態から廃熱回収熱交換器11が煤で汚れてさらに受け取る熱量が減ると、設置した電気ヒーター21による追い加熱では必要な180℃に到達出来なくなる恐れがあり、スクラバー13を通る前の煤を含む燃焼排ガスの廃熱を利用することの危険性が明らかになった。
表3に比較例2における各部の温度と消費動力を示す。
Figure 2025001702000004
表3に示すように、比較例2での全体の所用動力は375kWであり、1.61GJ/t-CO2に相当する。
1 二酸化炭素分離システム
3 膜分離装置
5 温度スイング式脱湿機
7 圧力スイング式吸着装置
9 第1真空ポンプ
11 廃熱回収熱交換器
13 スクラバー
15 ファン
17 第2真空ポンプ
19 電気ヒーター

Claims (2)

  1. 燃焼排ガス中の二酸化炭素を、膜分離装置で一次分離し、一次分離したガスを温度スイング式脱湿機で脱湿した後、圧力スイング式吸着装置で二次分離する二酸化炭素分離システムであって、
    前記膜分離装置から二酸化炭素が濃縮されたガスを吸引する1段ドライスクリュー式の真空ポンプと、該真空ポンプで吸引されて昇温されたガスと前記温度スイング式脱湿機に再生ガスとして供給するガスとを熱交換する廃熱回収熱交換器と、を備えたことを特徴とする二酸化炭素分離システム。
  2. 燃焼排ガス中の二酸化炭素を、膜分離装置で一次分離し、一次分離したガスを温度スイング式脱湿機で脱湿した後に圧力スイング式吸着装置で二次分離する二酸化炭素分離方法であって、
    前記膜分離装置から二酸化炭素が濃縮されたガスを1段ドライスクリュー式の真空ポンプで吸引すると共に昇温し、該昇温されたガスと前記温度スイング式脱湿機に再生ガスとして供給するガスとを熱交換して加熱することを特徴とする二酸化炭素分離方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN121197986A (zh) * 2025-11-25 2025-12-26 中国科学院过程工程研究所 耦合变压吸附碳捕集和煤气燃烧余热利用的装置及工艺

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CN121197986A (zh) * 2025-11-25 2025-12-26 中国科学院过程工程研究所 耦合变压吸附碳捕集和煤气燃烧余热利用的装置及工艺

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