JP2025012003A - 熱伝導性シートおよび熱伝導性シートの製造方法 - Google Patents

熱伝導性シートおよび熱伝導性シートの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】膜厚が薄くても、接触熱抵抗が低減され、ひいては実使用時の熱伝導性シート全体の熱抵抗値が低減された熱伝導性シートを提供する。
【解決手段】熱伝導性シート1は、第1のバインダ樹脂3、異方性熱伝導材料4および第1の無機フィラー5を含有する第1の熱伝導層2と、第1の熱伝導層2の両面に片面に設けられ、第2のバインダ樹脂7および第2の無機フィラー8を含有し、厚みが4μmを超え20μm未満である熱伝導率0.8W/(m・K)以上の第2の熱伝導層6とを備える。熱伝導性シート1は、対物レンズを20倍とした走査型白色干渉顕微鏡によって測定される、ISO 25178に規定される第2の熱伝導層6の表面6A,6Bの少なくとも一方の展開面積比が35%以下、かつ、第2の熱伝導層6の表面6A,6Bの少なくとも一方のスキューネスが-1.0以下である。
【選択図】図1

Description

本技術は、熱伝導性シートおよび熱伝導性シートの製造方法に関する。
電子機器の更なる高性能化により、半導体素子の高密度化、高実装化が進んでいる。それと比例して、IC等からの発熱量、発熱密度も増大する傾向にあり、より効率的に熱伝導性シートを介して、放熱ファン、放熱板等のヒートシンクに熱を伝達することが求められる。また、電子機器は、小型化や薄型化が急速に進んでおり、必要とされる熱伝導性シートの厚みも薄くなる傾向にあり、より熱抵抗値が低いものが求められている。このような要求を満たすものとして、炭素繊維を用いた熱伝導性シートが挙げられる(例えば、特許文献1、3、7を参照)。炭素繊維は、繊維方向に約600~1200W/(m・K)の熱伝導率を有する異方性フィラーであり、その炭素繊維を熱の伝達方向である熱伝導性シートの厚み方向に配向させることによって、熱伝導性が飛躍的に向上することが知られている。
炭素繊維を熱伝導性シートの厚み方向に配向させた熱伝導性シートは、シート表面から炭素繊維が突出しやすく、表面が粗くなり、熱伝導性シートと被着体との間に生じる接触熱抵抗が高くなりやすい。また、熱伝導性シートの厚みが薄いと、このような接触熱抵抗の影響が大きくなりやすい傾向にあり、バルクとして高い熱伝導率を有する素材を使用しても、特に低荷重領域では、熱伝導性シート全体の熱抵抗値を低減させることが困難な場合がある。
熱伝導性シートの接触熱抵抗を低減させる方法として、熱伝導性シートをプレスする工程や、熱伝導性シートの表面を研磨する工程を含む製造方法を用いることで、熱伝導性シートの表面をより平滑にする方法が挙げられる(例えば、特許文献6,7を参照)。
このように、厚みが薄い熱伝導性シートにおける平滑性を向上し、接触熱抵抗の低減を図ることは、大きな課題の1つである。そのため、例えば、熱伝導性シートをプレスする工程や、熱伝導性シートの表面を研磨する工程を用いずに、少ない工程数で、膜厚が薄くても、接触熱抵抗が低減された熱伝導性シートを提供できる方法が望まれている。
特許5752299号 特許4716102号 特開2020-116873号公報 特許6105388号 特許6846641号 特許6631735号 特許6650175号
本技術は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、膜厚が薄くても、接触熱抵抗が低減され、ひいては実使用時の熱伝導性シート全体の熱抵抗値が低減された熱伝導性シートを提供する。
本技術に係る熱伝導性シートは、第1のバインダ樹脂、異方性熱伝導材料および第1の無機フィラーを含有する第1の熱伝導層と、第1の熱伝導層の両面に設けられ、第2のバインダ樹脂および第2の無機フィラーを含有し、厚みが4μmを超え20μm未満である熱伝導率0.8W/(m・K)以上の第2の熱伝導層とを備え、対物レンズを20倍とした走査型白色干渉顕微鏡によって測定される、ISO 25178に規定される第2の熱伝導層の表面の少なくとも一方の展開面積比が35%以下、かつ、第2の熱伝導層の表面の少なくとも一方のスキューネスが-1.0以下である。
本技術に係る熱伝導性シートの製造方法は、第1のバインダ樹脂、異方性熱伝導材料および第1の無機フィラーを含有する第1の熱伝導層を形成する工程と、第1の熱伝導層の両面に、第2のバインダ樹脂および第2の無機フィラーを含有し、厚みが4μmを超え20μm未満である熱伝導率0.8W/(m・K)以上の第2の熱伝導層を形成する工程とを含み、対物レンズを20倍とした走査型白色干渉顕微鏡によって測定される、ISO 25178に規定される第2の熱伝導層の表面の少なくとも一方の展開面積比が35%以下、かつ、第2の熱伝導層の表面の少なくとも一方のスキューネスが-1.0以下である。
本技術は、膜厚が薄くても、接触熱抵抗が低減され、ひいては実使用時の熱伝導性シート全体の熱抵抗値が低減された熱伝導性シートを提供できる。
図1は、本技術に係る熱伝導性シートの一例を示す断面図である。 図2は、第2の熱伝導層の表面のスキューネスが-1.7である場合の熱伝導性シートの走査型白色干渉顕微鏡で測定したときの表面写真である。 図3は、第2の熱伝導層の表面のスキューネスが-1.7である場合の熱伝導性シートの高さヒストグラムである。 図4は、第2の熱伝導層の表面のスキューネスが-0.63である場合の熱伝導性シートの走査型白色干渉顕微鏡で測定したときの表面写真である。 図5は、第2の熱伝導層の表面のスキューネスが-0.63である場合の熱伝導性シートの高さヒストグラムである。 図6は、熱伝導性シートの一例を示す断面図である。 図7は、熱伝導性シートを適用した半導体装置の一例を示す断面図である。
本明細書において、平均粒子径(D50)とは、粒子径分布全体を100%とした場合に、粒子径分布の小粒子径側から粒子径の値の累積カーブを求めたとき、その累積値が50%となるときの粒子径をいう。なお、本明細書における粒度分布(粒子径分布)は、体積基準によって求められたものである。粒度分布の測定方法としては、例えば、レーザー回折型粒度分布測定機を用いる方法が挙げられる。
<熱伝導性シートの第1の実施形態>
図1は、本技術に係る熱伝導性シート1の一例を示す断面図である。熱伝導性シート1は、第1のバインダ樹脂3、異方性熱伝導材料4および第1の無機フィラー5を含有する第1の熱伝導層2と、第1の熱伝導層2の両面に設けられ、第2のバインダ樹脂7および第2の無機フィラー8を含有し、厚みが4μmを超え20μm未満である熱伝導率0.8W/(m・K)以上の第2の熱伝導層6とを備える。また、熱伝導性シート1は、対物レンズを20倍とした走査型白色干渉顕微鏡によって測定される、ISO 25178に規定される第2の熱伝導層6の表面6A,6Bの展開面積比が35%以下、かつ、第2の熱伝導層6の表面6A,6Bのスキューネスが-1.0以下である。
以下、図1に示す熱伝導性シート1を例に挙げて詳細に説明する。熱伝導性シート1は、第1の熱伝導層2の両面に、厚みが4μmを超え20μm未満である熱伝導率0.8W/(m・K)以上の第2の熱伝導層6を備える。また、熱伝導性シート1は、第2の熱伝導層6の表面6A,6Bの展開面積比が35%以下を満たし、かつ、第2の熱伝導層6の表面6A,6Bのスキューネスが-1.0以下である。これにより、熱伝導性シート1の表面の平滑性が改善され、熱伝導性シート1の接触熱抵抗、すなわち、熱伝導性シート1の表面と被着体との間に生じる接触熱抵抗値を低減できる。このように、熱伝導性シート1は、表面の平滑性が良好であり、膜厚が薄くても、接触熱抵抗を低減でき、例えば0.5mm以下の範囲において、熱伝導性シート1全体についての熱抵抗値(特に、低荷重領域での熱抵抗値)を低減できる。
第2の熱伝導層6は、厚みが4μmを超えることにより、熱伝導性シート1の表面の平滑性を効果的に改善して、接触熱抵抗を低減し、熱伝導性シート1全体についての熱抵抗値を効果的に低減できる。また、第2の熱伝導層6は、厚みが20μm未満であることにより、第2の熱伝導層6の厚みに由来する熱抵抗値の大きさの影響を抑制して、熱伝導性シート1全体についての熱抵抗値を効果的に低減できる。
<展開面積比(Sdr)>
熱伝導性シート1における第2の熱伝導層6の表面6A,6Bの展開面積比(Sdr)とは、対物レンズを20倍とした走査型白色干渉顕微鏡によって測定され、ISO 25178に従って測定されるものであり、定義領域の展開面積(表面積)が、定義領域の面積に対してどれだけ増大しているかを表す。例えば、第2の熱伝導層6の表面6A,6Bが完全に平坦である場合、展開面積比(Sdr)は0%となる。第2の熱伝導層6の表面6A,6Bの展開面積比(Sdr)が小さいほど、熱伝導性シート1と被着体との密着性が高くなる。
熱伝導性シート1は、第2の熱伝導層6の表面6A,6Bの展開面積比(Sdr)が35%以下であることにより、熱伝導性シート1の表面の平滑性が良好となり、接触熱抵抗を低減でき、熱伝導性シート1全体についての熱抵抗値を低減できる。
熱伝導性シート1は、第2の熱伝導層6の表面6A,6Bの展開面積比(Sdr)が30%以下であってもよく、29%以下であってもよく、25%以下であってもよく、20%以下であってもよく、18%以下であってもよい。第2の熱伝導層6の表面6A,6Bの展開面積比(Sdr)の下限値は、特に限定されず、例えば、0%以上であってもよいし、2%以上であってもよいし、5%以上であってもよいし、10%以上であってもよいし、15%以上であってもよい。第2の熱伝導層6の表面6A,6Bの展開面積比(Sdr)は、例えば、0~35%の範囲であってもよいし、16.54~32.18%の範囲であってもよいし、16.54~29.90%の範囲であってもよいし、16.54~28.12%の範囲であってもよいし、16.54~27.48%の範囲であってもよい。熱伝導性シート1は、第2の熱伝導層6の表面6A,6Bの展開面積比(Sdr)がともに上述した範囲を満たしていることが最も好ましいが、第2の熱伝導層6の表面6A,6Bの一方の展開面積比(Sdr)が上述した範囲を満たしていてもよい。熱伝導性シート1における第2の熱伝導層6の表面6A,6Bの展開面積比(Sdr)は、後述する実施例に記載の方法で測定できる。
<スキューネス(Ssk)>
第2の熱伝導層6の表面6A,6Bのスキューネス(Ssk)は、対物レンズを20倍とした走査型白色干渉顕微鏡によって測定され、ISO 25178に従って測定されるものであり、平均面からの高さ分布の偏りの度合い、換言すると、熱伝導性シート1の表面の平均面を基準にした山(凸部)と谷(凹部)との対称性を示す指標である。熱伝導性シート1の表面のスキューネス(Ssk)が0である場合、高さ分布が上下に対称である、換言すると、表面形状が平均面に対して対称(正規分布)であることを表す。また、熱伝導性シート1の表面のスキューネス(Ssk)が0を超えた場合、細かい山が多い表面であることを表し、表面形状が平均面に対して下側(高さが低い側)に偏りがある。さらに、熱伝導性シート1の表面のスキューネス(Ssk)が0未満の場合、細かい谷が多い表面であることを表し、平均面に対して表面形状が上側(高さが高い側)に偏りがある。
熱伝導性シート1の表面のスキューネス(Ssk)は、0であるのが理想的であるとも思われる。しかし、熱伝導性シート1は、第1の熱伝導層2の両面に、厚みが4μmを超え20μm未満である熱伝導率0.8W/(m・K)以上の第2の熱伝導層6を備えるため、表面のスキューネス(Ssk)は通常0とはならない。また、熱伝導性シート1と被着体との接触は、熱伝導性シート1の表面で行われるため、熱伝導性シート1の表面のスキューネス(Ssk)が負であるとき、すなわち、熱伝導性シート1の表面のスキューネス(Ssk)が0未満(特に-1.0以下)の場合、熱伝導性シート1の表面のスキューネス(Ssk)が0付近の場合と比べて、被着体との有効密着面積が広くなると考えられる。なお、熱伝導性シート1の表面の谷の個数は、熱伝導性シート1の表面のスキューネス(Ssk)の増減に依存しないと考えられる。
図2は、第2の熱伝導層6の表面6A,6Bのスキューネスが-1.7である場合の熱伝導性シートの対物レンズを20倍とした走査型白色干渉顕微鏡で測定したときの表面写真である。図3は、第2の熱伝導層6の表面6A,6Bのスキューネスが-1.7である場合の熱伝導性シート1の高さヒストグラムである。図4は、第2の熱伝導層の表面のスキューネスが-0.63である場合の熱伝導性シートの対物レンズを20倍とした走査型白色干渉顕微鏡で測定したときの表面写真である。図5は、第2の熱伝導層の表面のスキューネスが-0.63である場合の熱伝導性シートの高さヒストグラムである。図2~5は、それぞれ熱伝導性シートの表面の1mm×1mmの領域についての結果である。本技術に係る熱伝導性シート1は、第2の熱伝導層6の表面6A,6Bの展開面積比(Sdr)が35%以下と小さく、かつ、第2の熱伝導層6の表面6A,6Bのスキューネス(Ssk)が-1.0以下であることにより、例えば図2,3に示すような表面状態、すなわち、熱伝導性シート1の表面の平滑性が改善され、熱伝導性シート1の接触熱抵抗を低減できる。
熱伝導性シート1は、第2の熱伝導層6の表面6A,6Bのスキューネス(Ssk)が-1.0以下であることにより、熱伝導性シート1の表面の平滑性が良好となり、接触熱抵抗が低減でき、熱伝導性シート1全体についての熱抵抗値を低減できる。
熱伝導性シート1は、第2の熱伝導層6の表面6A,6Bのスキューネス(Ssk)が-1.1以下であってもよく、-1.2以下であってもよく、-1.3以下であってもよく、-1.4以下であってもよく、-1.5以下であってもよく、-1.6以下であってもよく、-1.7以下であってもよく、-1.8以下であってもよく、-1.9以下であってもよく、-2.0以下であってもよい。第2の熱伝導層6の表面6A,6Bのスキューネス(Ssk)の下限値は、特に限定されず、例えば、-2.5以上であってもよいし、-2.0以上であってもよい。熱伝導性シート1の表面のスキューネス(Ssk)は、例えば、-1.00~-1.91の範囲であってもよいし、-1.00~-1.69の範囲であってもよいし、-1.00~-1.51の範囲であってもよいし、-1.00~-1.45の範囲であってもよいし、-1.00~-1.23の範囲であってもよいし、-1.23~-1.91の範囲であってもよい。熱伝導性シート1は、第2の熱伝導層6の表面6A,6Bのスキューネス(Ssk)がともに上述した範囲を満たしていることが最も好ましいが、第2の熱伝導層6の表面6A,6Bの一方のスキューネス(Ssk)が上述した範囲を満たしていてもよい。熱伝導性シート1の表面のスキューネス(Ssk)は、後述する実施例に記載の方法で測定できる。
このように、熱伝導性シート1は、第2の熱伝導層6の厚みが4μmを超え20μm未満であり熱伝導率0.8W/(m・K)以上であるとともに、対物レンズを20倍とした走査型白色干渉顕微鏡によって測定される、ISO 25178に規定される第2の熱伝導層6の表面6A,6Bの展開面積比が35%以下、かつ、第2の熱伝導層6の表面6A,6Bのスキューネスが-1.0以下であることにより、熱伝導性シート1の表面から20μm程度までの面積がより広くなり、被着体との接触効率が良好となる。その結果、熱伝導性シート1は、膜厚が薄くても、接触熱抵抗を低減でき、熱伝導性シート1全体についての熱抵抗値を低減できる。
<算術平均高さ(Sa)>
熱伝導性シート1の表面(第2の熱伝導層6の表面6A,6B)の算術平均高さ(Sa)は、対物レンズを20倍とした走査型白色干渉顕微鏡によって測定され、ISO 25178に従って測定されるものであり、表面の平均面に対して、各点の高さの差の絶対値の平均を表す。第2の熱伝導層6の表面6A,6Bの算術平均高さ(Sa)が7.0μm以下であり、6.0μm以下であってもよい。第2の熱伝導層6の表面6A,6Bの算術平均高さ(Sa)の下限値は、特に限定されず、例えば、1.0μm以上であってもよいし、2.0μm以上であってもよい。第2の熱伝導層6の表面6A,6Bの算術平均高さ(Sa)は、例えば、3.56~5.46μmの範囲であってもよいし、3.56~4.92μmの範囲であってもよい。熱伝導性シート1は、第2の熱伝導層6の表面6A,6Bの算術平均高さ(Sa)がともに上述した範囲を満たしていることが最も好ましいが、第2の熱伝導層6の表面6A,6Bの一方の算術平均高さ(Sa)が上述した範囲を満たしていてもよい。熱伝導性シート1の表面の算術平均高さ(Sa)は、後述する実施例に記載の方法で測定できる。
<熱抵抗値>
熱伝導性シート1は、ASTM-D5470に準拠した方法で測定される0.3kgf/cm加圧時の熱抵抗値が低いほど好ましい。本明細書において、単に熱抵抗値と記載した場合には、上述の熱伝導性シート1全体についての熱抵抗と同義であり、接触熱抵抗と熱伝導性シート1自体の熱抵抗とを合わせたものを意味する。熱伝導性シート1は、例えば、厚みを0.3mmとしたときに、0.3kgf/cm加圧時の熱抵抗値が0.31℃・cm/W未満であることが好ましく、0.30℃・cm/W以下であってもよく、0.29℃・cm/W以下であってもよく、0.28℃・cm/W以下であってもよく、0.27℃・cm/W以下であってもよい。熱伝導性シート1の0.3kgf/cm加圧時の熱抵抗値の下限値は、特に限定されず、より低い値であることが好ましく、0℃・cm/Wを超え、例えば0.05℃・cm/W以上となり得る。熱伝導性シート1は、厚みを0.3mmとしたときに、0.3kgf/cm加圧時の熱抵抗値が、0.25~0.30℃・cm/Wの範囲であってもよく、0.25~0.27℃・cm/Wの範囲であってもよい。
また、熱伝導性シート1は、ASTM-D5470に準拠した方法で測定される0.5kgf/cm加圧時の熱抵抗値が低いほど好ましい。熱伝導性シート1は、例えば、厚みを0.3mmとしたときに、0.5kgf/cm加圧時の熱抵抗値が0.31℃・cm/W未満であることが好ましく、0.30℃・cm/W以下であってもよく、0.29℃・cm/W以下であってもよく、0.28℃・cm/W以下であってもよく、0.27℃・cm/W以下であってもよく、0.26℃・cm/W以下であってもよく、0.25℃・cm/W以下であってもよく、0.24℃・cm/W以下であってもよく、0.23℃・cm/W以下であってもよい。熱伝導性シート1の0.5kgf/cm加圧時の熱抵抗値の下限値は、特に限定されず、より低い値であることが好ましく、0℃・cm/Wを超え、例えば0.05℃・cm/W以上となり得る。熱伝導性シート1は、厚みを0.3mmとしたときに、0.5kgf/cm加圧時の熱抵抗値が、0.22~0.30℃・cm/Wの範囲であってもよく、0.22~0.23℃・cm/Wの範囲であってもよい。
<タック力>
熱伝導性シート1は、接触熱抵抗を低減できるとともに、粘着性やタック力も良好である。タック力に関して、熱伝導性シート1は、例えば、直径5.1mmのプローブを2mm/秒で50μm押し込み、10mm/秒で引き抜いた時のタック力(以下、単に「タック力」ともいう。)が21gf以上であってもよく、50gf以上であってもよく、52gf以上であってもよく、67gf以上であってもよく、69gf以上であってもよく、84gf以上であってもよい。熱伝導性シート1のタック力の上限値は、特に限定されないが、接触熱抵抗の低減と良好なタック力とを両立させる観点では、例えば、100gf以下とすることができ、84gf以下であってもよい。熱伝導性シート1は、タック力が、50~84gfの範囲であってもよい。熱伝導性シート1のタック力は、後述する実施例に記載の方法で測定できる。
熱伝導性シート1の厚み、すなわち、第1の熱伝導層2の厚みと第2の熱伝導層6の厚みの合計は、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.05mm以上とすることができ、0.1mm以上であってもよく、0.2mm以上であってもよく、0.3mm以上であってもよい。また、熱伝導性シート1の厚みの上限値は、例えば、5mm以下とすることができ、4mm以下であってもよく、3mm以下であってもよく、2mm以下であってもよく、1mm以下であってもよく、0.5mm以下であってもよい。本技術に係る熱伝導性シート1は、上述のように、例えば0.5mm以下の範囲のように膜厚が薄くても、接触熱抵抗を低減でき、熱伝導性シート1全体についての熱抵抗値(特に、低荷重領域での熱抵抗値)を低減できる。熱伝導性シート1の厚みは、例えば、熱伝導性シート1の厚みBを任意の5箇所で測定し、その算術平均値から求めることができる。
<第1の熱伝導層>
次に、熱伝導性シート1を構成する第1の熱伝導層2について説明する。第1の熱伝導層2は、第1のバインダ樹脂3、異方性熱伝導材料4および第1の無機フィラー5を含有する。
<第1のバインダ樹脂>
第1のバインダ樹脂3は、異方性熱伝導材料4と、第1の無機フィラー5とを第1の熱伝導層2内に保持するためのものである。第1のバインダ樹脂3は、第1の熱伝導層2に要求される機械的強度、耐熱性、電気的性質等の特性に応じて選択される。第1のバインダ樹脂3としては、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、熱硬化性樹脂の中から選択することができる。
熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体等のエチレン-αオレフィン共重合体、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリフッ化ビニリデン及びポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、スチレン-アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS)樹脂、ポリフェニレン-エーテル共重合体(PPE)樹脂、変性PPE樹脂、脂肪族ポリアミド類、芳香族ポリアミド類、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸メチルエステル等のポリメタクリル酸エステル類、ポリアクリル酸類、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルケトン、ポリケトン、液晶ポリマー、アイオノマー等が挙げられる。
熱可塑性エラストマーとしては、スチレン-ブタジエンブロック共重合体又はその水添化物、スチレン-イソプレンブロック共重合体又はその水添化物、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、架橋ゴム、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、付加反応型シリコーン樹脂や縮合反応型シリコーン樹脂等が挙げられる。架橋ゴムの具体例としては、天然ゴム、アクリルゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、スチレン-ブタジエン共重合ゴム、ニトリルゴム、水添ニトリルゴム、クロロプレンゴム、エチレン-プロピレン共重合ゴム、塩素化ポリエチレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、及びシリコーンゴムが挙げられる。
第1のバインダ樹脂3としては、例えば、発熱体(例えば電子部品)の発熱面とヒートシンク面との密着性の観点や、第2の熱伝導層6との密着性の観点では、シリコーン樹脂が好ましい。シリコーン樹脂としては、例えば、アルケニル基を有するシリコーン(ポリオルガノシロキサン)を主成分とし、硬化触媒を含有する主剤と、ヒドロシリル基(Si-H基)を有する硬化剤とからなる、2液型の付加反応型シリコーン樹脂を用いることができる。アルケニル基を有するシリコーンとしては、1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するポリオルガノシロキサンを用いることができる。一例として、ビニル基を有するポリオルガノシロキサンを用いることができる。硬化触媒は、アルケニル基を有するシリコーン中のアルケニル基と、ヒドロシリル基を有する硬化剤中のヒドロシリル基との付加反応を促進するための触媒である。硬化触媒としては、ヒドロシリル化反応に用いられる触媒として周知の触媒が挙げられ、例えば、白金族系硬化触媒、例えば白金、ロジウム、パラジウムなどの白金族金属単体や塩化白金、白金と有機化合物の錯体などを用いることができる。ヒドロシリル基を有する硬化剤としては、例えば、ヒドロシリル基を有するポリオルガノシロキサン(ケイ素原子に直接結合した水素原子を1分子中に少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン)を用いることができる。
第1のバインダ樹脂3として、例えば、上述した2液型の付加反応型シリコーン樹脂を用いる場合、主剤となる成分(シリコーン主剤)と硬化剤となる成分との割合、すなわち、ビニル基を有するポリオルガノシロキサンと、ヒドロシリル基を有するポリオルガノシロキサンの混合比率は、特に限定されず、ビニル基1molに対してヒドロシリル基が0.3~0.9molの範囲となるような混合比率とすることができる。
第1の熱伝導層2中の第1のバインダ樹脂3の含有量は、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、第1の熱伝導層2中の第1のバインダ樹脂3の含有量は、20体積%以上とすることができ、24体積%以上であってもよく、28体積%以上であってもよく、30体積%以上であってもよく、32体積%以上であってもよい。また、第1の熱伝導層2中の第1のバインダ樹脂3の含有量の上限値は、60体積%以下とすることができ、50体積%以下であってもよく、45体積%以下であってもよい。第1の熱伝導層2中、第1のバインダ樹脂3の含有量は、例えば、20~40体積%の範囲とすることができる。第1のバインダ樹脂3は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上の第1のバインダ樹脂3を併用する場合、その合計量が上述した含有量を満たすことが好ましい。
<異方性熱伝導材料>
異方性熱伝導材料4は、形状に異方性を有する熱伝導性材料である。例えば、異方性熱伝導材料4の一例として、長軸と短軸とを有する熱伝導性フィラーが挙げられ、具体例として繊維状フィラーが挙げられる。異方性熱伝導材料4の一例である繊維状フィラーは、繊維状であって必要な熱伝導性を有するものであれば特に限定されず、例えば、炭素繊維、窒化アルミニウムウィスカーなどが挙げられる。以下では、異方性熱伝導材料4として、炭素繊維を用いた場合を例に挙げて詳述する。異方性熱伝導材料4とは、長軸と短軸とを有し、長軸と短軸の長さが異なりアスペクト比(平均長軸長さ/平均短軸長さ)が1を超える形状であるものを含む。異方性熱伝導材料4は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
炭素繊維は、例えば、ピッチ系炭素繊維、PAN系炭素繊維、PBO繊維を黒鉛化した炭素繊維、アーク放電法、レーザー蒸発法、CVD法(化学気相成長法)、CCVD法(触媒化学気相成長法)等で合成された炭素繊維を用いることができる。これらの中でも、熱伝導性の観点では、ピッチ系炭素繊維が好ましい。
異方性熱伝導材料4の平均繊維長(平均長軸長さ)は、例えば、50~250μmとすることができ、75~220μmであってもよい。また、異方性熱伝導材料4の平均繊維径(平均短軸長さ)は、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、4~20μmとすることができる。異方性熱伝導材料4のアスペクト比は、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、熱伝導性の観点では、8以上とすることができ、9~30の範囲であってもよい。異方性熱伝導材料4の平均長軸長さ及び平均短軸長さは、例えば、マイクロスコープや走査型電子顕微鏡(SEM)で測定できる。
異方性熱伝導材料4は、第1の熱伝導層2中で厚み方向に配向していることが好ましい。ここで、第1の熱伝導層2中で厚み方向に異方性熱伝導材料4が配向しているとは、例えば、第1の熱伝導層2中の全ての異方性熱伝導材料4のうち、第1の熱伝導層2の厚み方向(図1に示す熱伝導性シート1の厚み方向B)に長軸が配向している異方性熱伝導材料4の割合が50%以上であり、55%以上であってもよく、60%以上であってもよく、65%以上であってもよく、70%以上であってもよく、80%以上であってもよく、90%以上であってもよく、95%以上であってもよく、99%以上であってもよい。異方性熱伝導材料4の長軸が第1の熱伝導層2の厚み方向に配向しているとは、例えば、異方性熱伝導材料4の長軸が、第1の熱伝導層2の面方向(図1に示す熱伝導性シート1の面方向A)に対して60~120度の範囲であってもよく、70~100度の範囲であってもよく、90度(略垂直)であってもよい。
第1の熱伝導層2中の異方性熱伝導材料4の含有量は、熱伝導性シート1の熱伝導性の観点では、例えば、5体積%以上とすることができ、10体積%以上であってもよく、14体積%以上であってもよく、20体積%以上であってもよく、22体積%以上であってもよく、24体積%以上であってもよく、26体積%以上であってもよい。また、第1の熱伝導層2中の異方性熱伝導材料4の含有量は、第1の熱伝導層2の成形性の観点では、例えば、30体積%以下とすることができ、28体積%以下であってもよい。第1の熱伝導層2中の異方性熱伝導材料4の含有量は、例えば、26~30体積%の範囲とすることができ、27~29体積%の範囲とすることもできる。2種以上の異方性熱伝導材料4を併用する場合、その合計量が上述した含有量を満たすことが好ましい。
<第1の無機フィラー>
第1の無機フィラー5は、異方性熱伝導材料4以外の無機フィラーである。第1の無機フィラー5には、例えば、球状、粉末状、顆粒状などの熱伝導性フィラーが含まれる。第1の無機フィラー5の材質は、熱伝導性シート1の熱伝導性の観点では、例えば、セラミックフィラーが好ましく、具体例としては、酸化アルミニウム(アルミナ、サファイア)、窒化アルミニウム、アルミニウム、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素などが挙げられる。第1の無機フィラー5は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。例えば、第1の無機フィラー5として、平均粒子径が異なる2種以上の熱伝導性フィラーを併用してもよい。
特に、第1の無機フィラー5としては、熱伝導性シート1の熱伝導率や、熱伝導性シート1の比重の観点などを考慮して、酸化アルミニウム及び窒化アルミニウムの少なくとも1種を含むことが好ましく、酸化アルミニウムと窒化アルミニウムとを併用することがより好ましい。
酸化アルミニウムの平均粒子径は、例えば、熱伝導性シート1の比重の観点では、0.1~10μmの範囲とすることができ、0.1~8μmの範囲であってもよく、0.1~7μmの範囲であってもよく、0.1~3μmの範囲であってもよい。窒化アルミニウムの平均粒子径は、例えば、熱伝導性シート1の比重の観点では、0.1~10μmの範囲であってもよく、0.5~5μmの範囲であってもよく、0.5~3μmの範囲であってもよく、0.5~2μmの範囲であってもよい。
第1の熱伝導層2中の第1の無機フィラー5の含有量は、目的に応じて適宜選択することができる。第1の熱伝導層2中における第1の無機フィラー5の含有量は、例えば、10体積%以上とすることができ、15体積%以上であってもよく、20体積%以上であってもよく、25体積%以上であってもよく、30体積%以上であってもよく、35体積%以上であってもよく、39体積%以上であってもよい。また、第1の熱伝導層2中の第1の無機フィラー5の含有量の上限値は、例えば、55体積%以下とすることができ、50体積%以下であってもよく、49体積%以下であってもよく、45体積%以下であってもよく、40体積%以下であってもよい。第1の熱伝導層2中における第1の無機フィラー5の含有量は、例えば、35~45体積%の範囲とすることができ、37~43体積%の範囲であってもよい。2種以上の第1の無機フィラー5を併用する場合、その合計量が上述した含有量を満たすことが好ましい。
第1の無機フィラー5として、例えば、酸化アルミニウムと窒化アルミニウムとを併用する場合、第1の熱伝導層2中、窒化アルミニウムの含有量を10~35体積%の範囲とし、酸化アルミニウムの含有量を5~25体積%の範囲とすることができ、窒化アルミニウムの含有量を20~30体積%の範囲とし、酸化アルミニウムの含有量を10~20体積%の範囲とすることもできる。
第1の熱伝導層2の具体例として、例えば、第1の熱伝導層2中の第1のバインダ樹脂3の含有量が20~40体積%であり、かつ、異方性熱伝導材料4と第1の無機フィラー5の含有量の合計が60~80体積%であることが好ましい。
第1の熱伝導層2は、本技術の効果を損なわない範囲で、第1のバインダ樹脂3、異方性熱伝導材料4および第1の無機フィラー5以外の他の成分をさらに含んでもよい。他の成分としては、例えば、カップリング剤、分散剤、硬化促進剤、遅延剤、粘着付与剤、可塑剤、難燃剤、酸化防止剤、安定剤、着色剤、溶剤などが挙げられる。例えば、第1の熱伝導層2は、異方性熱伝導材料4及び第1の無機フィラー5の分散性をより向上させるために、カップリング剤で処理した異方性熱伝導材料4及び/又はカップリング剤で処理した第1の無機フィラー5を用いてもよい。
第1の熱伝導層2の硬度は、例えば、ショアタイプOOにおける硬度が20~90の範囲であることが好ましく、30~80の範囲であってもよく、50~75の範囲であってもよく、55~75の範囲であってもよく、65~75の範囲であってもよく、60~75の範囲であってもよい。第1の熱伝導層2の硬度がこのような範囲であることにより、熱伝導性シート1の被着体に対する追従性がより良好となり、被着体と熱伝導性シート1とがより面接触しやすくなることで、より効果的に熱伝導性を発揮させることができる。第1の熱伝導層2の硬度は、後述する実施例に記載の方法で測定することができる。
第1の熱伝導層2の厚みは、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.05mm以上とすることができ、0.1mm以上であってもよく、0.2mm以上であってもよく、0.3mm以上であってもよい。また、第1の熱伝導層2の厚みの上限値は、例えば、5mm以下とすることができ、4mm以下であってもよく、3mm以下であってもよく、2mm以下であってもよく、1mm以下であってもよく、0.5mm以下であってもよい。第1の熱伝導層2の厚みは、例えば、第1の熱伝導層2の厚みを任意の5箇所で測定し、その算術平均値から求めることができる。
<第2の熱伝導層>
次に、熱伝導性シート1を構成する第2の熱伝導層6について説明する。第2の熱伝導層6は、上述のように、厚みが4μmを超え20μm未満である。また、第2の熱伝導層6は、第1の熱伝導層2の両面のほぼ全面に設けられていることが好ましく、第1の熱伝導層2の両面の全面に設けられていることがより好ましい。第2の熱伝導層6は、第2のバインダ樹脂7と、第2の無機フィラー8とを含有する。熱伝導性シート1において、2つの第2の熱伝導層6は、同一の構成であってもよいし、異なる構成であってもよい。
<第2のバインダ樹脂>
第2のバインダ樹脂7は、上述した第1の熱伝導層2における第1のバインダ樹脂3と同義である。第2のバインダ樹脂7として、例えば、2液型の付加反応型シリコーン樹脂を用いる場合、主剤となる成分(シリコーン主剤)と硬化剤となる成分との割合、すなわち、ビニル基を有するポリオルガノシロキサンと、ヒドロシリル基を有するポリオルガノシロキサンの混合比率について、熱伝導性シート1のタック力をより良好にする観点では、ビニル基1molに対してヒドロシリル基が0.54~0.84molの範囲となるような混合比率であることが好ましく、0.54~0.70molの範囲となるような混合比率であってもよい。
また、第2のバインダ樹脂7は、熱伝導性シート1のタック力をより良好にする観点では、付加硬化型シリコーン樹脂である場合、付加硬化型シリコーン樹脂単体で測定したJIS K 2220に準拠した針入度が6~85であることが好ましく、30~85であってもよく、40~80であってもよい。
第2の熱伝導層6中の第2のバインダ樹脂7の含有量は、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、第2の熱伝導層6中の第2のバインダ樹脂7の含有量は、35体積%以上とすることができ、40体積%以上であってもよく、42体積%以上であってもよい。また、第2の熱伝導層6中の第2のバインダ樹脂7の含有量の上限値は、55体積%以下とすることができ、50体積%以下であってもよく、48体積%以下であってもよい。第2の熱伝導層6中、第2のバインダ樹脂7の含有量は、例えば、35~50体積%の範囲とすることができる。第2のバインダ樹脂7は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上の第2のバインダ樹脂7を併用する場合、その合計量が上述した含有量を満たすことが好ましい。
その他、第2のバインダ樹脂7の好ましい条件や範囲は、上述した第1の熱伝導層2における第1のバインダ樹脂3と同様である。
<第2の無機フィラー>
第2の無機フィラー8は、無機フィラーであり、例えば、球状、粉末状、顆粒状などの熱伝導性フィラーが含まれる。また、第2の無機フィラー8は、上述した異方性熱伝導材料4のように、形状に異方性を有する熱伝導性フィラーを含んでいても良い。
第2の熱伝導層6中の第2の無機フィラー8の含有量は、目的に応じて適宜選択することができる。第2の熱伝導層6中における第2の無機フィラー8の含有量は、例えば、10体積%以上とすることができ、15体積%以上であってもよく、20体積%以上であってもよく、25体積%以上であってもよく、30体積%以上であってもよく、35体積%以上であってもよく、40体積%以上であってもよく、45体積%以上であってもよい。また、第2の熱伝導層6中の第2の無機フィラー8の含有量の上限値は、例えば、65体積%以下とすることができ、60体積%以下であってもよく、55体積%以下であってもよく、53体積%以下であってもよい。第2の熱伝導層6中の第2の無機フィラー8の含有量は、例えば、35~65体積%の範囲とすることができ、40~60体積%の範囲であってもよく、50~65体積%の範囲であってもよい。2種以上の第2の無機フィラー8を併用する場合、その合計量が上述した含有量を満たすことが好ましい。
第2の無機フィラー8として、例えば、酸化アルミニウムと窒化アルミニウムとを併用する場合、第2の熱伝導層6中、窒化アルミニウムの含有量を10~40体積%の範囲とし、酸化アルミニウムの含有量を5~35体積%の範囲とすることができ、窒化アルミニウムの含有量を25~35体積%の範囲とし、酸化アルミニウムの含有量を15~25体積%の範囲とすることもできる。
その他、第2の無機フィラー8は、上述した第1の熱伝導層2における第1の無機フィラー5や異方性熱伝導材料4と同様である。
第2の熱伝導層6の具体例として、例えば、第2の熱伝導層6中、第2のバインダ樹脂7の含有量が35~50体積%であり、かつ、第2の無機フィラー8の含有量が50~65体積%であることが好ましい。
第2の熱伝導層6は、本技術の効果を損なわない範囲で、第2のバインダ樹脂7および第2の無機フィラー8以外の他の成分をさらに含んでもよい。他の成分としては、例えば、カップリング剤、分散剤、硬化促進剤、遅延剤、粘着付与剤、可塑剤、難燃剤、酸化防止剤、安定剤、着色剤、溶剤などが挙げられる。例えば、第2の熱伝導層6は、第2の無機フィラー8の分散性をより向上させるために、カップリング剤で処理した第2の無機フィラー8を用いてもよい。
第2の熱伝導層6は、熱伝導率が0.8W/(m・K)以上であり、具体的には、第2の熱伝導層6の厚み方向(熱伝導性シート1の厚み方向B)熱伝導率が0.8W/(m・K)以上であることが好ましく、0.9W/(m・K)以上であってもよく、1.0W/(m・K)以上であってもよく、0.8~2.0W/(m・K)の範囲であってもよい。第2の熱伝導層6の熱伝導率は、後述する実施例に記載の方法で測定することができる。
以上のように、熱伝導性シート1は、第1のバインダ樹脂3、異方性熱伝導材料4および第1の無機フィラー5を含有する第1の熱伝導層2と、第1の熱伝導層2の両面に設けられ、第2のバインダ樹脂7および第2の無機フィラー8を含有し、厚みが4μmを超え20μm未満である熱伝導率0.8W/(m・K)以上の第2の熱伝導層6とを備える。また、熱伝導性シート1は、対物レンズを20倍とした走査型白色干渉顕微鏡によって測定される、ISO 25178に規定される第2の熱伝導層6の表面6A,6Bの展開面積比が35%以下、かつ、第2の熱伝導層6の表面6A,6Bのスキューネスが-1.0以下である。このような構成を有する熱伝導性シート1は、表面の平滑性が良好であり、膜厚が薄くても、接触熱抵抗を低減でき、熱伝導性シート1全体についての熱抵抗値(特に、低荷重領域での熱抵抗値)を低減できる。
熱伝導性シート1は、本技術の効果を損なわない範囲で、第1の熱伝導層2と第2の熱伝導層6以外の他の層をさらに有していてもよいし、他の層を有していなくてもよい。例えば、熱伝導性シート1は、第1の熱伝導層2と第2の熱伝導層6との間に、他の層をさらに有していてもよい。
<熱伝導性シートの第2の実施形態>
図6は、熱伝導性シートの一例を示す断面図である。図6に示す熱伝導性シート10は、第1の熱伝導層2の片面に、厚みが4μmを超え20μm未満である熱伝導率0.8W/(m・K)以上の第2の熱伝導層6を備える。熱伝導性シート10は、対物レンズを20倍とした走査型白色干渉顕微鏡白色干渉計によって測定される、ISO 25178に規定される第2の熱伝導層6の表面6Aの展開面積比が35%以下、かつ、第2の熱伝導層6の表面6Aのスキューネスが-1.0以下である。
図6に示すように、例えば第1の熱伝導層2の一方の面にのみ第2の熱伝導層6を設ける場合、熱伝導性シート10の両面でタック力に差をつけることが可能である。この場合、例えば実装時に、一方の面は発熱体に固定したままとし、他方の面には放熱体を熱伝導性シート10に接触と取り外しを繰り返して位置合わせした後に固定することが可能になるなど、熱伝導性シート10の実装時の利便性がより向上する。また、第2の熱伝導層6を備えない場合と比較して、熱伝導性シート10は、熱抵抗値の低下の効果もある。
<熱伝導性シートの製造方法>
本技術に係る熱伝導性シート1は、例えば、以下の製造方法により得ることができる。すなわち、熱伝導性シート1の製造方法は、例えば、第1のバインダ樹脂3、異方性熱伝導材料4および第1の無機フィラー5を含有する第1の熱伝導層2を形成する工程(以下、工程Aともいう。)と、第1の熱伝導層2の両面に、第2のバインダ樹脂7および第2の無機フィラー8を含有し、厚みが4μmを超え20μm未満である熱伝導率0.8W/(m・K)以上の第2の熱伝導層6を形成する工程(以下、工程Bともいう。)とを含む。また、このような製造方法で得られた熱伝導性シート1は、対物レンズを20倍とした走査型白色干渉顕微鏡によって測定される、ISO 25178に規定される第2の熱伝導層6の表面6A,6Bの展開面積比が35%以下、かつ、第2の熱伝導層6の表面6A,6Bのスキューネスが-1.0以下である。以下、図1に示す熱伝導性シート1の製造方法の一例を説明する。
<工程A>
工程Aでは、第1のバインダ樹脂3、異方性熱伝導材料4および第1の無機フィラー5を含有する第1の熱伝導層2を形成する。工程Aの一例では、まず、異方性熱伝導材料4と第1の無機フィラー5を第1のバインダ樹脂3に分散させることにより、第1のバインダ樹脂3と異方性熱伝導材料4と第1の無機フィラー5とを含む第1の熱伝導性組成物を作製する。第1の熱伝導性組成物は、第1のバインダ樹脂3と異方性熱伝導材料4と第1の無機フィラー5の他に、必要に応じて上述した他の成分を公知の手法により均一に混合することで調製できる。
続いて、第1の熱伝導性組成物を押出成形した後硬化し、柱状の硬化物(第1の熱伝導性成形体)を得る。押出成形する方法は、特に制限されず、公知の各種押出成形法の中から、第1の熱伝導性組成物の粘度や熱伝導性シート1や第1の熱伝導層2に要求される特性等に応じて適宜採用できる。押出成形法において、第1の熱伝導性組成物をダイより押し出す際、第1の熱伝導性組成物中の第1のバインダ樹脂3が流動し、その流動方向に沿って異方性熱伝導材料4が配向する。柱状の硬化物の大きさ・形状は、求められる熱伝導性シート1の大きさに応じて決めることができる。例えば、断面の縦の大きさが0.5~15cmで横の大きさが0.5~15cmの直方体が挙げられる。直方体の長さは必要に応じて決定すればよい。
続いて、第1の熱伝導性成形体をシート状に切断し、第1の熱伝導層2(シート状成形体)を得る。例えば、柱状の硬化物を柱の長さ方向に対し所定の厚みに切断して第1の熱伝導層2を得る。第1の熱伝導層2の表面(切断面)には、異方性熱伝導材料4が露出する。第1の熱伝導性成形体の切断方法は、特に制限されず、第1の熱伝導性成形体の大きさや機械的強度により、公知のスライス装置の中から適宜選択できる。第1の熱伝導性成形体を得る際に押出成形法を採用する場合、押出し方向に異方性熱伝導材料4が配向しているものもあるため、第1の熱伝導性成形体の切断方向としては、押出し方向に対して60~120度であることが好ましく、70~100度の方向であることがより好ましく、90度(略垂直)の方向であることがさらに好ましい。第1の熱伝導性成形体の切断方向は、上記の他は特に制限はなく、熱伝導性シート1の使用目的等に応じて適宜選択できる。第1の熱伝導層2の硬度は、上述のように、例えばショアタイプOOにおける硬度が20~90の範囲であることが好ましい。
<工程B>
工程Bでは、第1の熱伝導層2の両面に、第2のバインダ樹脂7および第2の無機フィラー8を含有し、厚みが4μmを超え20μm未満である熱伝導率0.8W/(m・K)以上の第2の熱伝導層6を形成する。工程Bの一例では、まず、第2の無機フィラー8を第2のバインダ樹脂7に分散させることにより、第2のバインダ樹脂7と第2の無機フィラー8とを含む第2の熱伝導性組成物を作製する。第2の熱伝導性組成物は、第2のバインダ樹脂7と第2の無機フィラー8の他に、必要に応じて上述した他の成分を公知の手法により均一に混合することで調製できる。
続いて、第2の熱伝導性組成物を、第1の熱伝導層2上に厚みが4μmを超え20μm未満となるように設けて硬化させ、厚みが4μmを超え20μm未満である熱伝導率0.8W/(m・K)以上の第2の熱伝導層6を有する熱伝導性シート1を得る。
例えば、第2の熱伝導性組成物を4μmを超え20μm未満の厚みで、剥離処理を行なった基材フィルムに塗布し、この第2の熱伝導性組成物を塗布した基材フィルムを、第1の熱伝導層2の両面に転着してコーティングを行い、その後第2の熱伝導性組成物を硬化させ、基材フィルムを剥離することで、第1の熱伝導層2の両面に、第2の熱伝導層6を形成することができる。
また、この第2の熱伝導性組成物を塗布した基材フィルムを、第1の熱伝導層2の両面に転着してコーティングを行い、その後第2の熱伝導性組成物を硬化させ、基材フィルムを剥離することで、第1の熱伝導層2の両面の少なくとも一部に、第2の熱伝導層6を形成することもできる。
第2の熱伝導性組成物の硬化は、例えば、80℃、6時間の条件で行うことができる。
このように、工程Bでは、第1の熱伝導層2の両面に、第2のバインダ樹脂7および第2の無機フィラー8を含有し、厚みが4μmを超え20μm未満である熱伝導率0.8W/(m・K)以上の第2の熱伝導層6を形成できる。
以上のような製造方法によれば、上述した熱伝導性シート1、すなわち、第1の熱伝導層2の両面に、厚みが4μmを超え20μm未満である熱伝導率0.8W/(m・K)以上の第2の熱伝導層6を備え、対物レンズを20倍とした走査型白色干渉顕微鏡によって測定される、ISO 25178に規定される第2の熱伝導層6の表面6A,6Bの展開面積比が35%以下、かつ、第2の熱伝導層6の表面6A,6Bのスキューネスが-1.0以下である熱伝導性シート1が得られる。
本製造方法で得られる熱伝導性シート1は、上述のように、表面の平滑性が良好であり、膜厚が薄くても、接触熱抵抗を低減でき、熱伝導性シート1全体についての熱抵抗値(特に、低荷重領域での熱抵抗値)を低減できる。したがって、熱伝導性シート1の製造方法では、工程Aや工程B以外の工程、例えば、熱伝導性シートをプレスする工程や、熱伝導性シートの表面を研磨する工程をさらに含む必要がない。そのため、熱伝導性シート1の製造方法では、より少ない工程数で、膜厚が薄くても、接触熱抵抗が低減され、熱抵抗値も低減された熱伝導性シート1が得られる。
なお、熱伝導性シート1の製造方法において、工程Aは、工程Bよりも先に行ってもよいし、工程Bと並行して行ってもよい。また、図6に示す熱伝導性シート10を製造する場合、工程Bにおいて、第1の熱伝導層2の片面のみに第2の熱伝導層6を形成すればよい。
<電子機器>
熱伝導性シート1は、例えば、発熱体と放熱体との間に配置させることにより、発熱体で生じた熱を放熱体に逃がすためにそれらの間に配された構造の電子機器(サーマルデバイス)とすることができる。電子機器は、発熱体と放熱体と熱伝導性シート1とを少なくとも有し、必要に応じて、その他の部材をさらに有していてもよい。このように、熱伝導性シート1を適用した電子機器は、発熱体と放熱体との間に熱伝導性シート1が挟持されているため、熱伝導性シート1により高熱伝導性を実現しつつ、発熱体への熱伝導性シート1の密着性に優れ、熱伝導性シート1からのバインダ樹脂(第1のバインダ樹脂3や第2のバインダ樹脂7)の過剰なブリードを抑制できる。
特に、熱伝導性シート1を適用した電子機器は、上述のように、熱伝導性シート1の表面の平滑性が良好であり、熱伝導性シート1の膜厚が薄くても、熱伝導性シート1の接触熱抵抗を低減でき、熱伝導性シート1全体についての熱抵抗値(特に、低荷重領域での熱抵抗値)を低減できる。
発熱体としては、特に限定されず、例えば、CPU、GPU(Graphics Processing Unit)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、フラッシュメモリなどの集積回路素子、トランジスタ、抵抗器など、電気回路において発熱する電子部品等が挙げられる。また、発熱体には、通信機器における光トランシーバ等の光信号を受信する部品も含まれる。
放熱体としては、特に限定されず、例えば、ヒートシンクやヒートスプレッダなど、集積回路素子やトランジスタ、光トランシーバ筐体などと組み合わされて用いられるものが挙げられる。ヒートシンクやヒートスプレッダの材質としては、例えば、銅、アルミニウムなどが挙げられる。放熱体としては、ヒートスプレッダやヒートシンク以外にも、熱源から発生する熱を伝導して外部に放散させるものであればよく、例えば、放熱器、冷却器、ダイパッド、プリント基板、冷却ファン、ペルチェ素子、ヒートパイプ、ベーパーチャンバー、金属カバー、筐体等が挙げられる。ヒートパイプは、例えば、円筒状、略円筒状又は扁平筒状の中空構造体である。
図7は、熱伝導性シートを適用した半導体装置の一例を示す断面図である。例えば、熱伝導性シート1は、図7に示すように、各種電子機器に内蔵される半導体装置50に実装され、発熱体と放熱体との間に挟持される。図7に示す半導体装置50は、電子部品51と、ヒートスプレッダ52と、熱伝導性シート1とを備え、熱伝導性シート1がヒートスプレッダ52と電子部品51との間に挟持される。熱伝導性シート1が、ヒートスプレッダ52とヒートシンク53との間に挟持されることにより、ヒートスプレッダ52とともに、電子部品51の熱を放熱する放熱部材を構成する。熱伝導性シート1の実装場所は、ヒートスプレッダ52と電子部品51との間や、ヒートスプレッダ52とヒートシンク53との間に限らず、電子機器や半導体装置の構成に応じて、適宜選択できる。ヒートスプレッダ52は、例えば方形板状に形成され、電子部品51と対峙する主面52aと、主面52aの外周に沿って立設された側壁52bとを有する。ヒートスプレッダ52は、側壁52bに囲まれた主面52aに熱伝導性シート1が設けられ、主面52aと反対側の他面52cに熱伝導性シート1を介してヒートシンク53が設けられる。
以下、本技術の実施例について説明する。なお、本技術は、これらの実施例に限定されるものではない。
<熱伝導組成物A>
シリコーン樹脂32体積%と、酸化アルミニウム(平均粒子径:約2μm)14体積%と、窒化アルミニウム(平均粒子径:約1μm)25体積%と、炭素繊維(平均繊維長:約150μm)28体積%と、シラン系の分散剤(n-デシルトリメトキシラン)1体積%とを均一に混合することにより、熱伝導組成物Aを調製した。この熱伝導組成物Aを、押出成形法により、直方体状の内部空間を有する金型(開口部:50mm×50mm)中に流し込み、60℃のオーブンで4時間加熱して、柱状の硬化物(成形体ブロック)を形成した。なお、金型の内面には、剥離処理を行なったポリエチレンテレフタレートフィルムを、剥離処理面が内側となるように貼り付けておいた。得られた柱状の硬化物を、柱の長さ方向に対し略直交する方向に、柱状の硬化物をスライサーで0.3mm厚または1.0mm厚のシート状に切断(スライス)することにより、炭素繊維が厚み方向に配向したシート状成形体(第1の熱伝導層)を得た。第1の熱伝導層のショアタイプOOにおける硬度は70であった。なお、第1の熱伝導層の硬度は、ASTM D 2240に準拠した方法で、厚み1.0mmの第1の熱伝導層を10枚積層した厚み10mmの第1の熱伝導層に対してタイプOOデュロメータを使用して測定した。第1の熱伝導層のショアタイプOOにおける硬度は、片面5点、両面で合計10点測定した測定結果の平均値とした。
<熱伝導組成物B-1>
シリコーン樹脂45体積%と、酸化アルミニウム(平均粒子径:約2μm)20体積%と、窒化アルミニウム(平均粒子径:約1μm)30体積%と、シラン系の分散剤(n-デシルトリメトキシラン)5体積%とを均一に混合することによって熱伝導組成物B-1を得た。熱伝導組成物B-1の粘度は、20Pa・sであった。熱伝導組成物B-1を2mmの厚みで80℃6時間の条件で硬化させて測定した、熱伝導組成物B-1の熱伝導率は、1.0W/(m・K)であった。
<熱伝導組成物B-1-I~B-1-V>
熱伝導組成物B-1に関して、平均分子量15,000の両末端ビニルシリコーンと、平均分子量が15,000であり両末端および鎖上に平均1個のSi-Hを有するヒドロシリルシリコーンとの比率を調整することで、シリコーン樹脂単体での針入度を調整し、熱伝導組成物B-1-I~B-1-Vを得た。ケイ素原子に直接結合した水素原子のモル数とアルケニル基のモル数との比率と、シリコーン樹脂単体での針入度を下記表1に示す。シリコーン樹脂単体での針入度の測定方法は、後述する。
<熱伝導組成物B-2>
シリコーン樹脂90体積%と、酸化アルミニウム(平均粒子径:約2μm)10体積%とを均一に混合することによって熱伝導組成物B-2を得た。熱伝導組成物B-2の粘度は、1Pa・sであった。熱伝導組成物B-2を2mmの厚みで80℃6時間の条件で硬化させて測定した、熱伝導組成物B-2の熱伝導率は、0.2W/(m・K)であった。
<熱伝導組成物B-3>
シリコーン樹脂体積30%と、酸化アルミニウム(平均粒子径:約2μm)30体積%と、窒化アルミニウム(平均粒子径:約1μm)35体積%と、シラン系の分散剤(n-デシルトリメトキシラン)5体積%とを均一に混合することによって熱伝導組成物B-3を得た。熱伝導組成物B-3の粘度は、150Pa・sであった。熱伝導組成物B-3を2mmの厚みで80℃、6時間の条件で硬化させて測定した、熱伝導組成物B-3の熱伝導率は、2.0W/(m・K)であった。
<実施例1>
熱伝導組成物B-1-Iを6μmの厚みで、剥離処理を行なった38μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに塗布した。この熱伝導組成物B-1-Iを塗布したフィルムで、厚み0.3mmの第1の熱伝導層の両面を挟むことで熱伝導組成物B-1-Iを転着し、コーティングを行った。その後、80℃で6時間硬化させ、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離することで、第1の熱伝導層の両面が、熱伝導組成物B-1-Iからなる第2の熱伝導層で挟持された熱伝導性シートを得た。
<実施例2>
実施例2では、熱伝導組成物B-1-Iを熱伝導組成物B-1-IIに変更したこと以外は、実施例1と同様に熱伝導性シートを得た。すなわち、実施例2では、第1の熱伝導層の両面が、熱伝導組成物B-1-IIからなる第2の熱伝導層(厚み6μm)で挟持された熱伝導性シートを得た。
<実施例3>
実施例3では、熱伝導組成物B-1-IIからなる第2の熱伝導層の厚みを10μmに変更したこと以外は、実施例2と同様に熱伝導性シートを得た。
<実施例4>
実施例4では、熱伝導組成物B-1-Iを熱伝導組成物B-1-IIIに変更したこと以外は、実施例1と同様に熱伝導性シートを得た。すなわち、実施例4では、第1の熱伝導層の両面が、熱伝導組成物B-1-IIIからなる第2の熱伝導層(厚み6μm)で挟持された熱伝導性シートを得た。
<実施例5>
実施例5では、熱伝導組成物B-1-Iを熱伝導組成物B-1-IVに変更したこと以外は、実施例1と同様に熱伝導性シートを得た。すなわち、実施例5では、第1の熱伝導層の両面が、熱伝導組成物B-1-IVからなる第2の熱伝導層(厚み6μm)で挟持された熱伝導性シートを得た。
<参考例1>
熱伝導組成物B-1-IIを6μmの厚みで、剥離処理を行なった38μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに塗布した。この熱伝導組成物B-1-IIを塗布したフィルムで、厚み0.3mmの第1の熱伝導層の片面に押し付けることで、熱伝導組成物B-1-IIを転着し、コーティングを行った。その後、80℃で6時間硬化させ、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離することで、第1の熱伝導層の片面に、熱伝導組成物B-1-IIからなる第2の熱伝導層(厚み6μm)が設けられた熱伝導性シートを得た。
<比較例1>
比較例1では、炭素繊維が厚み方向に配向したシート状成形体(厚み0.3mmの第1の熱伝導層)に、コーティングをせずにそのまま用いた。すなわち、比較例1では、第1の熱伝導層の両面が、熱伝導組成物B-1-I~B-1-Vのいずれかからなる第2の熱伝導層で挟持されていない熱伝導性シートを得た。
<比較例2>
比較例2では、熱伝導組成物B-1-Iを熱伝導組成物B-1-Vに変更したこと以外は、実施例1と同様に熱伝導性シートを得た。すなわち、比較例2では、第1の熱伝導層の両面が、熱伝導組成物B-1-Vからなる第2の熱伝導層(厚み6μm)で挟持された熱伝導性シートを得た。
<比較例3>
比較例3では、熱伝導組成物B-1-IVの厚みを4μmに変更したこと以外は、実施例5と同様に熱伝導性シートを得た。すなわち、比較例3では、第1の熱伝導層の両面が、熱伝導組成物B-1-IVからなる第2の熱伝導層(厚み4μm)で挟持された熱伝導性シートを得た。
<比較例4>
比較例4では、熱伝導組成物B-1-IIを熱伝導組成物B-2に変更し、熱伝導組成物B-2の厚みを3μmに変更したこと以外は、実施例2と同様に熱伝導性シートを得た。すなわち、比較例4では、第1の熱伝導層の両面が、熱伝導組成物B-2からなる第2の熱伝導層(厚み3μm)で挟持された熱伝導性シートを得た。
<比較例5>
比較例5では、熱伝導組成物B-1-IIを熱伝導組成物B-3に変更したこと以外は、実施例2と同様に熱伝導性シートを得た。すなわち、比較例5では、第1の熱伝導層の両面が、熱伝導組成物B-3からなる第2の熱伝導層(厚み6μm)で挟持された熱伝導性シートを得た。
<比較例6>
比較例6では、熱伝導組成物B-1-IIの厚みを20μmに変更したこと以外は、実施例2と同様に熱伝導性シートを得た。すなわち、比較例6では、第1の熱伝導層の両面が、熱伝導組成物B-1-IIからなる第2の熱伝導層(厚み20μm)で挟持された熱伝導性シートを得た。
<針入度>
熱伝導組成物B-1-I~B-1-V、B-2、B-3に用いたシリコーン樹脂単体での針入度は、針入度試験機(製品名EX-201、第一理化社製)を用いて、JIS K 2220に準拠し、混錬後のシリコーン樹脂を、直径50mm、高さ30mmのアルミ容器に約50cc加えて、100℃で4時間硬化させたものを、貫入用円錐(1/4円すい)を使用し、測定した。結果を表3,4に示す。
<熱伝導率>
ASTM-D5470に準拠した方法で、熱伝導組成物B-1~B-3の硬化物を直径20mmの大きさに打抜き、所定の圧力(0.3kgf/cmまたは0.5kgf/cm)での加圧条件下、加圧開始後200秒間経過後から測定を開始し、一定になったことを確認して、その後50秒間の平均値を測定値とした。結果を表3,4に示す。
<粘度>
熱伝導組成物B-1-I~B-1-V、B-2、B-3の粘度は、レオメーター(製品名:RST-CPS、ブルックフィールド社製)を用いて、直径25mmのプレート(RPT-25)で、回転数10rpm、プレート間距離0.5mmで測定した。結果を表3,4に示す。
<算術平均高さ(Sa)、スキューネス(Ssk)、展開面積率(Sdr)>
第2の熱伝導層の表面の算術平均高さ(Sa)、スキューネス(Ssk)および展開面積率(Sdr)は、走査型白色干渉顕微鏡(製品名:VS-1800、日立ハイテク社製)で、測定視野500μm四方に対して、対物レンズを20倍とし、500μm四方の画像を4つ連結した後に、ISO 25178に準拠して測定した。結果を表3,4に示す。なお、表4中、「処理面」とは、例えば図6に示す熱伝導性シート10における第2の熱伝導層6の表面6Aであり、「非処理面」とは、例えば図6に示す熱伝導性シート10において第2の熱伝導層6が形成されていない側の表面である。
<熱抵抗値>
ASTM-D5470に準拠した方法で、熱伝導性シートを直径20mmの大きさに打抜き、所定の圧力(0.3kgf/cmまたは0.5kgf/cm)での加圧条件下、加圧開始後200秒間経過後から測定を開始し、一定になったことを確認して、その後50秒間の平均値を測定値とした。結果を表3,4に示す。実用上、熱伝導性シートは、荷重0.3kgf/cmまたは、0.5kgf/cmをかけたときの熱抵抗値が0.31℃・cm/W未満であることが好ましく、0.30℃・cm/W以下であることがより好ましい。
<粘着性>
熱伝導性シートの粘着性は、JIS H 4000に準拠した合金(A5052P、寸法:0.5mm×50mm×100mm)にサンプルを載せた後、表2に示す基準で評価した。すなわち、合金にサンプルを載せた後、180°に傾けてサンプルが1分間落ちなかった場合を〇(良好)と評価し、180°に傾けて1分以内にサンプルが落ち、かつ、90°に傾けて1分間サンプルが落ちなかった場合を△(普通)と評価し、90°に傾けて1分以内にサンプルが落ちた場合を×(不良)と評価した。結果を表3,4に示す。実用上、粘着性の評価が、○または△であることが好ましく、○であることがより好ましい。
<タック力>
熱伝導性シートから剥離処理したPETフィルムを剥がした直後(PETフィルムを剥がしてから3分以内)に、タックテスター(マルコム社製)を用いて、直径5.1mmのプローブにより熱伝導性シートを2mm/秒で50μm押し込み、10mm/秒で引き抜いた際の熱伝導性シートの表面のタック力(gf)を求めた。結果を表3,4に示す。
実施例1~5の結果から、第1のバインダ樹脂、異方性熱伝導材料および第1の無機フィラーを含有する第1の熱伝導層と、第1の熱伝導層の両面に設けられ、第2のバインダ樹脂および第2の無機フィラーを含有し、厚みが4μmを超え20μm未満である熱伝導率0.8W/m・K以上の第2の熱伝導層とを備える熱伝導性シートであって、対物レンズを20倍とした走査型白色干渉顕微鏡によって測定される、ISO 25178に規定される第2の熱伝導層の表面の展開面積比が35%以下、かつ、第2の熱伝導層の表面のスキューネスが-1.0以下である熱伝導性シートは、接触熱抵抗を低減でき、熱抵抗値も低減できることが分かった。実施例1~5で得られた熱伝導性シートは、第1の熱伝導層の凹部を第2の熱伝導層で埋めることによって、熱伝導性シートの表面の平滑性が改善し、結果として、低荷重領域(0.3~0.5kgf/cmの領域)での熱伝導性を改善でき、熱抵抗値を低減できることが分かった。
実施例1~4の結果から、第2の熱伝導層に用いる第2のバインダ樹脂(付加硬化型シリコーン樹脂)単体で測定したJIS K 2220に準拠した針入度が30~85であることにより、熱伝導性シートの接触熱抵抗を低減できることに加えて、熱伝導性シートのタック力も良好であることが分かった。
参考例1の結果から、実施例1~5と同様の第2の熱伝導層を備えた熱伝導性シートは、第2の熱伝導層を設けない熱伝導性シートと比較して、接触熱抵抗を低減させる効果があることが確認できた。また、参考例1の熱伝導性シートは、熱伝導性シートの両面でタック力に差があることから、例えば実装時に、一方の面は発熱体に固定したままとし、他方の面には放熱体を熱伝導性シートに接触と取り外しを繰り返して位置合わせした後に固定するなどの工程がある場合には好適である。
比較例1の結果から、第1の熱伝導層の両面に第2の熱伝導層を備えない熱伝導性シートは、接触熱抵抗を低減させるのが困難であることが分かった。比較例1で得られた熱伝導性シートは、第1の熱伝導層の表面が第2の熱伝導層でコーティングされていないため、低荷重領域(0.3~0.5kgf/cmの領域)において、接触熱抵抗の影響が非常に大きく、熱抵抗値が悪化したと考えられる。また、比較例1で得られた熱伝導性シートは、タック力も良好でないことが分かった。
比較例2の結果から、第1の熱伝導層と、第1の熱伝導層の両面に設けられた第2の熱伝導層とを備える熱伝導性シートであっても、対物レンズを20倍とした走査型白色干渉顕微鏡によって測定される、ISO 25178に規定される第2の熱伝導層の表面の展開面積比が35%以下を満たさず、かつ、第2の熱伝導層の表面のスキューネスが-1.0以下を満たさない熱伝導性シートは、接触熱抵抗を低減させるのが困難であることが分かった。
比較例2では、第2の熱伝導層に用いる第2のバインダ樹脂(付加硬化型シリコーン樹脂)の針入度が85超であったため、第2の熱伝導層の加工やハンドリングが困難な傾向にあり、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離する際に、熱伝導組成物B-1-Vの一部がポリエチレンテレフタレートフィルム側に転着してしまった。そのため、比較例2では、第2の熱伝導層の表面の展開面積とスキューネスが悪くなり、熱伝導性シートの表面の平滑性が十分に改善されず、接触熱抵抗を十分に低減できなかったと考えられる。
比較例3の結果から、第1の熱伝導層と、第1の熱伝導層の両面に設けられた第2の熱伝導層とを備える熱伝導性シートであっても、第2の熱伝導層の厚みが4μmを超えず、対物レンズを20倍とした走査型白色干渉顕微鏡によって測定される、ISO 25178に規定される第2の熱伝導層の表面の展開面積比が35%以下を満たさず、かつ、第2の熱伝導層の表面のスキューネスが-1.0以下を満たさない熱伝導性シートは、接触熱抵抗を低減させるのが困難であることが分かった。比較例3では、第2の熱伝導層の厚みが4μmであったため、厚さ10mmである第1の熱伝導層に対する量が少なすぎて、熱伝導性シートの表面の平滑性が十分に改善されず、接触熱抵抗を十分に低減できなかったと考えられる。また、比較例3で得られた熱伝導性シートは、タック力も良好でないことが分かった。
比較例4の結果から、第1の熱伝導層と、第1の熱伝導層の両面に設けられた第2の熱伝導層とを備える熱伝導性シートであって、対物レンズを20倍とした走査型白色干渉顕微鏡によって測定される、ISO 25178に規定される第2の熱伝導層の表面の展開面積比が35%以下を満たし、かつ、第2の熱伝導層の表面のスキューネスが-1.0以下を満たす熱伝導性シートであっても、第2の熱伝導層の熱伝導率が0.8W/(m・K)以上でないものは、熱抵抗値を低減させるのが困難であることが分かった。比較例4では、熱伝導率が相対的に低い熱伝導組成物B-2からなる第2の熱伝導層を用いたため、第2の熱伝導層のバルク熱伝導率が低く、接触熱抵抗が改善できていたとしても、第2の熱伝導層の熱抵抗値が高いため、熱伝導性シート全体について低熱抵抗化するのが困難だったと考えられる。
比較例5の結果から、第1の熱伝導層と、第1の熱伝導層の両面に設けられた第2の熱伝導層とを備える熱伝導性シートであって、対物レンズを20倍とした走査型白色干渉顕微鏡によって測定される、ISO 25178に規定される第2の熱伝導層の表面の展開面積比が35%以下を満たす熱伝導性シートであっても、ISO 25178に規定される第2の熱伝導層の表面のスキューネスが-1.0以下を満たさないものは、接触熱抵抗を低減させるのが困難であることが分かった。比較例5では、熱伝導率が相対的に高い熱伝導組成物B-3からなる第2の熱伝導層を用いたが、第2の熱伝導層の粘度が高く、第1の熱伝導層を第2の熱伝導層でコーティングするのが困難な傾向にあり、熱伝導性シートの表面の平滑性が十分に改善されず、接触熱抵抗を十分に低減できなかったと考えられる。
比較例6の結果から、第1の熱伝導層と、第1の熱伝導層の両面に設けられた第2の熱伝導層とを備える熱伝導性シートであって、対物レンズを20倍とした走査型白色干渉顕微鏡によって測定される、ISO 25178に規定される第2の熱伝導層の表面の展開面積比が35%以下、かつ、第2の熱伝導層の表面のスキューネスが-1.0以下である熱伝導性シートであっても、第2の熱伝導層の厚みが20μm未満を満たさないものは、接触熱抵抗を低減させるのが困難であることが分かった。比較例6では、第2の熱伝導層の厚みが20μmであるため、第2の熱伝導層の厚みに由来する熱抵抗値の大きさによって、熱伝導性シート全体について低熱抵抗化するのが困難だったと考えられる。
1 熱伝導性シート、
2 第1の熱伝導層、
3 第1のバインダ樹脂、
4 異方性熱伝導材料、
5 第1の無機フィラー、
6 第2の熱伝導層、
6A,6B 表面、
7 第2のバインダ樹脂、
8 第2の無機フィラー、
10 熱伝導性シート、
50 半導体装置、
51 電子部品、
52 ヒートスプレッダ、
52a 主面、
52b 側壁、
52c 他面、
53 ヒートシンク

Claims (8)

  1. 第1のバインダ樹脂、異方性熱伝導材料および第1の無機フィラーを含有する第1の熱伝導層と、
    上記第1の熱伝導層の両面に設けられ、第2のバインダ樹脂および第2の無機フィラーを含有し、厚みが4μmを超え20μm未満である熱伝導率0.8W/(m・K)以上の第2の熱伝導層とを備え、
    対物レンズを20倍とした走査型白色干渉顕微鏡によって測定される、ISO 25178に規定される上記第2の熱伝導層の表面の少なくとも一方の展開面積比が35%以下、かつ、上記第2の熱伝導層の表面の少なくとも一方のスキューネスが-1.0以下である、熱伝導性シート。
  2. 上記異方性熱伝導材料が、上記第1の熱伝導層中で厚み方向に配向している、請求項1に記載の熱伝導性シート。
  3. 上記第1の熱伝導層中、上記第1のバインダ樹脂の含有量が20~40体積%であり、かつ、上記異方性熱伝導材料と上記第1の無機フィラーの含有量の合計が60~80体積%であり、
    上記第2の熱伝導層中、上記第2のバインダ樹脂の含有量が35~50体積%であり、かつ、上記第2の無機フィラーの含有量が50~65体積%である、請求項1または2に記載の熱伝導性シート。
  4. 上記第2のバインダ樹脂が付加硬化型シリコーン樹脂であり、
    上記付加硬化型シリコーン樹脂単体で測定したJIS K 2220に準拠した針入度が30~85である、請求項1または2に記載の熱伝導性シート。
  5. 直径5.1mmのプローブを2mm/秒で50μm押し込み、10mm/秒で引き抜いた時のタック力が50gf以上である、請求項1または2に記載の熱伝導性シート。
  6. 上記第2の熱伝導層の表面の展開面積比がともに35%以下、かつ、上記第2の熱伝導層の表面のスキューネスがともに-1.0以下である、請求項1または2に記載の熱伝導性シート。
  7. 第1のバインダ樹脂、異方性熱伝導材料および第1の無機フィラーを含有する第1の熱伝導層を形成する工程と、
    上記第1の熱伝導層の両面に、第2のバインダ樹脂および第2の無機フィラーを含有し、厚みが4μmを超え20μm未満である熱伝導率0.8W/(m・K)以上の第2の熱伝導層を形成する工程とを含み、
    対物レンズを20倍とした走査型白色干渉顕微鏡によって測定される、ISO 25178に規定される上記第2の熱伝導層の表面の少なくとも一方の展開面積比が35%以下、かつ、上記第2の熱伝導層の表面の少なくとも一方のスキューネスが-1.0以下である、熱伝導性シートの製造方法。
  8. 上記第2の熱伝導層の表面の展開面積比がともに35%以下、かつ、上記第2の熱伝導層の表面のスキューネスがともに-1.0以下である、請求項7に記載の熱伝導性シートの製造方法。

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