JP2025106931A - 発光装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】蛍光体の温度消光を抑制した発光装置を提供する。【解決手段】発光素子と、波長変換部品と、を備え、前記波長変換部品が、単結晶からなる基体と、単結晶を含む波長変換部材とを含み、前記波長変換部材が、蛍光体を含む第一部分と第二部分と第三部分を有し、前記第一部分と前記第二部分とが膜をなし、当該膜と第三部分とが対の層をなしている、発光装置。【選択図】図6
Description
本開示は、発光装置に関する。
従来、発光ダイオードや半導体レーザー素子から放射される励起光を蛍光体材料からなる粒子を含有する発光体に向けて照射し、可視光を出力することが可能な発光装置が、例えば、特許文献1や特許文献2において示されている。
蛍光体材料は、励起光の出力を高くしていくと、それに伴いストークスシフト(光子1個当たりのエネルギーの高い波長の短い光を光子1個当たりのエネルギーの低い波長の長い光に変換することによるエネルギーロス)に起因する蛍光体材料の発熱量が増加する。熱が蛍光体材料の内部に蓄積され蛍光体材料の温度が上昇すると、励起光を波長変換する効率が低下する温度消光という現象を起こす。この現象は、蛍光体材料が特に多数の蛍光体結晶粒子が透明な樹脂接合剤により一体化された蛍光体材料において、蛍光体結晶粒子間の熱伝導が蛍光体結晶粒子より熱伝導率の低い樹脂接合剤が蛍光体結晶粒子間に存在することにより邪魔されるので、顕著となる。
また、蛍光体材料が多数の蛍光体結晶粒子の集合体である場合において、粒子間の空隙や粒界の存在は熱伝導を邪魔することとなる。さらに、蛍光体材料が透光性の基体に貼り合わされている場合において、透光性の基体が多数の粒子の集合体であると、蛍光体材料で発生した熱が基体に伝わりその内部を伝導する際に粒子間の空隙や粒界の存在は熱伝導を邪魔することとなる。
本開示の目的は、蛍光体の温度消光を抑制する発光装置を提供することである。
本開示の実施形態に係る発光装置は、発光素子と、波長変換部品と、を備え、前記波長変換部品が、単結晶からなる基体と、単結晶を含む波長変換部材とを含み、前記波長変換部材が、蛍光体を含む第一部分と第二部分を有し、前記第一部分と前記第二部分とが膜をなしている。
蛍光体から発生する熱を蛍光体に接する基体を介した熱伝導による放熱性能を向上して、蛍光体の温度消光を抑制する発光装置を提供することができる。
以下、発明の実施の形態について適宜図面を参照して説明する。ただし、以下に説明する実施の形態は、本開示の技術思想を具体化するためのものであって、特定的な記載がない限り、本開示を以下のものに限定しない。また、一の実施の形態において説明する内容は、他の実施の形態にも適用可能である。各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を容易にするため、誇張していることがある。
(第一の実施形態)
本開示の第一の実施形態における発光装置100は、図1に示されるように、発光素子10、発光素子駆動用電源80、支持台40上の蛍光体を含む板状の波長変換部品20、光遮蔽部材50、光学素子60、放熱器70、および筐体90を備える。光線が破線で表されている。発光装置100は、発光素子から放射された光が波長変換部品で反射された光と発光素子から放射された光の波長と異なる波長の波長変換部品20から出る光、とが混合された光を放出する。
本開示の第一の実施形態における発光装置100は、図1に示されるように、発光素子10、発光素子駆動用電源80、支持台40上の蛍光体を含む板状の波長変換部品20、光遮蔽部材50、光学素子60、放熱器70、および筐体90を備える。光線が破線で表されている。発光装置100は、発光素子から放射された光が波長変換部品で反射された光と発光素子から放射された光の波長と異なる波長の波長変換部品20から出る光、とが混合された光を放出する。
(発光素子)
発光素子10は、例えば、電極を底面と天面に備えている端面発光型AlInGaN系レーザーダイオードで、通電により青色レーザー光(波長440nm)を放射できる。発光素子10は支持台40から離れて配置され、その出射光は支持台40上に載置された波長変換部品20の励起光として使用される。なお、発光素子10は、レーザーダイオード(半導体レーザー)に限られず、発光ダイオード、スーパールミネッセントダイオード、等の固体発光素子が好適に発光素子10として用いられうる。発光素子10の数は、一個に限られず、複数であってよい。図1では、発光素子10は支持台40から離れて配置されるが、発光素子10から放射される光が波長変換部品20に照射できるように、支持台40上に発光素子10が配置されてもよい。
発光素子10は、例えば、電極を底面と天面に備えている端面発光型AlInGaN系レーザーダイオードで、通電により青色レーザー光(波長440nm)を放射できる。発光素子10は支持台40から離れて配置され、その出射光は支持台40上に載置された波長変換部品20の励起光として使用される。なお、発光素子10は、レーザーダイオード(半導体レーザー)に限られず、発光ダイオード、スーパールミネッセントダイオード、等の固体発光素子が好適に発光素子10として用いられうる。発光素子10の数は、一個に限られず、複数であってよい。図1では、発光素子10は支持台40から離れて配置されるが、発光素子10から放射される光が波長変換部品20に照射できるように、支持台40上に発光素子10が配置されてもよい。
(支持台)
支持台40の材料は、例えば、銅(熱伝導率398W/(m・K))である。支持台40の材料は、銅に限られず、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金のような金属材料、あるいは、SiC、SiN、AlNのようなセラミックを主とする材料でもよい。波長変換部品20の熱伝導率より大きな熱伝導率を有する材料であることが好ましい。波長変換部品20からの熱を効率よく外部へ熱を放出するためである。支持台40は、配線や、冷却水路またはヒートパイプを内部に有してよいし、また、放熱フィン等の放熱器70に取り付けられてもよい。
支持台40の材料は、例えば、銅(熱伝導率398W/(m・K))である。支持台40の材料は、銅に限られず、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金のような金属材料、あるいは、SiC、SiN、AlNのようなセラミックを主とする材料でもよい。波長変換部品20の熱伝導率より大きな熱伝導率を有する材料であることが好ましい。波長変換部品20からの熱を効率よく外部へ熱を放出するためである。支持台40は、配線や、冷却水路またはヒートパイプを内部に有してよいし、また、放熱フィン等の放熱器70に取り付けられてもよい。
(波長変換部品)
支持台40上に載置された反射型の波長変換部品20の平面図を図2に示す。図3は、図2の断面概念図である。波長変換部品20は、発光素子10から放射された光のすくなくとも一部を励起光として吸収し、励起光の波長と異なる波長の光を放出する。波長変換部品20は、接合材30を介して支持台40の上面に接合されている。図4に、波長変換部品20の断面部分拡大概念図を示す。板状の波長変換部品20は、単結晶からなる基体21と無機単結晶を含む波長変換部材22とを備える。図4で、波長変換部材22は、第一の無機蛍光体単結晶221と第二の無機蛍光体単結晶222を備える。さらに他の実施形態で示される窓材を備えてもよい。反射型の波長変換部品20において、励起光の入射面と励起光の波長と異なる波長の光を放出する面とは同じ主面となる。図1では、基体21側の主面が、励起光の入射面であり、励起光の波長と異なる波長の光を放出する面でもある。波長変換部品20の波長変換部材22側の主面には、励起光および波長変換された光の反射率を高めるため光学薄膜(図示しない)を備える。
支持台40上に載置された反射型の波長変換部品20の平面図を図2に示す。図3は、図2の断面概念図である。波長変換部品20は、発光素子10から放射された光のすくなくとも一部を励起光として吸収し、励起光の波長と異なる波長の光を放出する。波長変換部品20は、接合材30を介して支持台40の上面に接合されている。図4に、波長変換部品20の断面部分拡大概念図を示す。板状の波長変換部品20は、単結晶からなる基体21と無機単結晶を含む波長変換部材22とを備える。図4で、波長変換部材22は、第一の無機蛍光体単結晶221と第二の無機蛍光体単結晶222を備える。さらに他の実施形態で示される窓材を備えてもよい。反射型の波長変換部品20において、励起光の入射面と励起光の波長と異なる波長の光を放出する面とは同じ主面となる。図1では、基体21側の主面が、励起光の入射面であり、励起光の波長と異なる波長の光を放出する面でもある。波長変換部品20の波長変換部材22側の主面には、励起光および波長変換された光の反射率を高めるため光学薄膜(図示しない)を備える。
図1では、波長変換部品20を反射型としたが、他の実施形態で示すように透過型としてもよい。透過型の波長変換部品20において、励起光の入射面と励起光の波長と異なる波長の光を放出する面とは、対向する異なる主面となる。基体21側の主面が励起光の入射面となる場合は、波長変換部材22側の主面が励起光の波長と異なる波長の光を放出する面となり、逆に、波長変換部材22側の主面が励起光の入射面となる場合は、基体21側の主面が励起光の波長と異なる波長の光を放出する面となる。波長変換部品20の主面には、使い方により、励起光および/または波長変換された光の反射率または透過率を高めるため光学薄膜を備えることが好ましい。
波長変換部品20の側面および底面が平滑であることが光遮蔽部材50に含まれる光反射部材(図示しない)との界面での光の反射率を高めるので好ましい。波長変換部品20の側面および支持台40との接合面となる波長変換部品20の底面は、光反射部材で覆われている。支持台40との接合面と対向する波長変換部品20の天面から、波長変換された光が放出される。
図3では、基体21が窓材としても機能し、波長変換部品20の天面が基体21側の主面である場合、波長変換部品20の側面および波長変換部材22側の主面、すなわち波長変換部品20の底面は、光反射部材で覆われている。波長変換部品20は、波長変換部材22側の主面が支持台上に取り付けられて、基体21側の主面から波長変換された光が放出される。
また、基体21側の主面が支持台40との接合面となる場合、波長変換部品20の側面および基体21側の主面、すなわち波長変換部品20の底面は、光反射部材で覆われている。波長変換部品20は、基体21側の主面が支持台40上に取り付けられて、波長変換部材22側の主面、すなわち波長変換部品20の天面から波長変換された光が放出される。
(基体)
基体21は、例えば、板状の透明なイットリウムアルミニウムガーネット(Y3Al5O12(YAG))単結晶(主面の面指数(100)、板厚150μm)からなる。波長変換部品20の基体21側の主面には励起光および/または波長変換された光の透過率を高めるため光学薄膜(図示しない)を備える。図3では、透明YAG単結晶を用いるが、コランダム(サファイア、α-Al2O3)単結晶なども基体21として使用されうる。
基体21は、例えば、板状の透明なイットリウムアルミニウムガーネット(Y3Al5O12(YAG))単結晶(主面の面指数(100)、板厚150μm)からなる。波長変換部品20の基体21側の主面には励起光および/または波長変換された光の透過率を高めるため光学薄膜(図示しない)を備える。図3では、透明YAG単結晶を用いるが、コランダム(サファイア、α-Al2O3)単結晶なども基体21として使用されうる。
(波長変換部材)
図4では、波長変換部材22は、例えば、第一の無機蛍光体単結晶221であるセリウム(Ce)ドープされたルテチウムアルミニウムガーネット単結晶膜(Ce:LuAG結晶膜)(膜厚30μm)と、その上に形成された第二の無機蛍光体単結晶222であるユーロピウム(Eu)ドープされたルテチウムアルミニウムガーネット単結晶膜(Eu:LuAG結晶膜)(膜厚10μm)とを備える多層膜(膜厚40μm)を有する。なお、無機蛍光体結晶は2種に限られず、2種以上あればよい。
図4では、波長変換部材22は、例えば、第一の無機蛍光体単結晶221であるセリウム(Ce)ドープされたルテチウムアルミニウムガーネット単結晶膜(Ce:LuAG結晶膜)(膜厚30μm)と、その上に形成された第二の無機蛍光体単結晶222であるユーロピウム(Eu)ドープされたルテチウムアルミニウムガーネット単結晶膜(Eu:LuAG結晶膜)(膜厚10μm)とを備える多層膜(膜厚40μm)を有する。なお、無機蛍光体結晶は2種に限られず、2種以上あればよい。
基体21の透明YAG単結晶の熱伝導率(13.4W/(m・K))は、波長変換部材22のLuAG単結晶の熱伝導率(8.3W/(m・K))より大きい。
波長変換部材22の蛍光体として、温度上昇により劣化しにくい無機蛍光体結晶が好適に用いられる。波長変換部材22が単結晶膜からなる場合、空孔や粒界が無いため、多結晶より熱伝導率が大きく機械特性に優れる。無機蛍光体結晶として、例えば希土類アルミン酸塩の結晶があり、化学的および熱的に非常に安定である。下記式(I)で表される組成を有する。
(Ln1-nM2n)3(Al1-mM1m)5O12 (I)
(式(I)中、Lnは、Y、La、Lu、Gd及びTbからなる群から選択される少なくとも一種の希土類元素であり、M1は、Ga及びScから選択される少なくとも一種の元素であり、M2は賦活成分で、Ce、Eu、Nd、Yb、Pr、Crから選択される少なくとも一種の元素であり、m、nは、それぞれ0≦m≦0.02、0<n≦0.1を満たす数である。)
(Ln1-nM2n)3(Al1-mM1m)5O12 (I)
(式(I)中、Lnは、Y、La、Lu、Gd及びTbからなる群から選択される少なくとも一種の希土類元素であり、M1は、Ga及びScから選択される少なくとも一種の元素であり、M2は賦活成分で、Ce、Eu、Nd、Yb、Pr、Crから選択される少なくとも一種の元素であり、m、nは、それぞれ0≦m≦0.02、0<n≦0.1を満たす数である。)
(波長変換部品の作製方法)
無機単結晶の作製方法として液相成長法が知られており、液相成長した無機単結晶のインゴットから基体21となる透明な無機単結晶の板材や波長変換部材22に含まれる無機蛍光体単結晶の板材を切り出すことができる。無機単結晶の板材の作製方法は、液相成長法に限られず、気相成長法でもよい。
無機単結晶の作製方法として液相成長法が知られており、液相成長した無機単結晶のインゴットから基体21となる透明な無機単結晶の板材や波長変換部材22に含まれる無機蛍光体単結晶の板材を切り出すことができる。無機単結晶の板材の作製方法は、液相成長法に限られず、気相成長法でもよい。
基体21となる透明な単結晶の板材と、波長変換部材22に含まれる無機蛍光体単結晶の板材を直接接合により接合し、所望の厚さに研削研磨して、波長変換部品20とすることができる。波長変換部材22に含まれる複数の無機蛍光体単結晶の板材を直接接合により接合することも可能である。直接接合は、例えば、真空中で、蛍光体単結晶の接合面と透明な無機単結晶の接合面にそれぞれアルゴンビームを照射し、その後に、互いの接合面を接触させ、荷重をかけて接合する方法や、各接合面にプラズマを照射して大気中で接合した後に、加熱する方法により行うことができる。
従来の無機蛍光体結晶粒の集合体である無機蛍光体セラミック板を得る方法は、無機蛍光体の粉体原料の準備、粉体の成形、成形体の焼成、焼成体のスライス、焼成板の研磨等の多数の工程を必要とする。
一方、WO2023/017845記載の化学気相成長法であるレーザーCVD法によれば、基体21となる透明な単結晶の板材の上にエピタキシャルに波長変換部材22に含まれる無機蛍光体結晶膜、特に金属酸化物蛍光体結晶膜を形成することができる。レーザーCVD法は、成膜速度が速く、偏析係数が大きくなるため液相成長法よりドーパント、すなわちM2:Ce、Eu、などの賦活成分の濃度を上げることができる。成長時間と原料ガス供給量の制御で薄膜形成が均一に可能で、得られる形状が平板であり、板状の波長変換部品20としての量産性に優れている。
レーザーCVD法で、有機金属材料を原料の一部に用いて金属酸化物蛍光体結晶膜、例えば、LuAG結晶膜を成長する場合、Lu原料ガス(例えば、トリス(ジピバロイルメタナト)ルテチウム蒸気とキャリアガス(例えば、Arガス))とAl原料ガス(例えば、トリス(ジピバロイルメタナト)アルミニウム蒸気とキャリアガスの混合ガス)と酸素ガス(O2)の反応室への供給を行いつつ、Ce原料容器と反応室をつなぐ配管に設けたバルブを閉じてCe原料ガス(例えば、テトラキス(ジピバロイルメタナト)セリウム蒸気とキャリアガスの混合ガス)の反応室への供給を行えば、Ce:LuAG結晶膜が成長し、Ce原料ガスの供給を停止し、Eu原料容器と反応室をつなぐ配管に設けたバルブを開けてEu原料ガス(例えば、テトラキス(ジピバロイルメタナト)ユウロピウム蒸気とキャリアガスの混合ガス)の反応室への供給を開始することで、Ce:LuAG結晶膜の成長からEu:LuAG結晶膜の成長に容易に切り替えることができる。
(光遮蔽部材および光反射部材)
図3の光遮蔽部材50の一部であって波長変換部品20に隣接して配置される光反射部材は、例えば、Ag膜を含む金属多層膜である。波長変換部品20の底面の金属多層膜と支持台40とを半田を接合材30として用いて接合する場合、金属多層膜はバリア層を含み、半田との反応により波長変換部材側の底面での光反射率の低下を防ぐことが好ましい。バリア層は、例えばチタニウム(Ti)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、インジウム(In)、錫(Sn)、ニッケル(Ni)、プラチナ(Pt)などの金属又は上記材料の合金を含む。
図3の光遮蔽部材50の一部であって波長変換部品20に隣接して配置される光反射部材は、例えば、Ag膜を含む金属多層膜である。波長変換部品20の底面の金属多層膜と支持台40とを半田を接合材30として用いて接合する場合、金属多層膜はバリア層を含み、半田との反応により波長変換部材側の底面での光反射率の低下を防ぐことが好ましい。バリア層は、例えばチタニウム(Ti)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、インジウム(In)、錫(Sn)、ニッケル(Ni)、プラチナ(Pt)などの金属又は上記材料の合金を含む。
光反射部材として、AgやAlなどの金属膜、誘電体多層膜、白色セメント、白色耐熱性無機接着剤、白色樹脂などを用いることができる。光の反射率が高く、熱伝導率の大きな金属膜が好適に光反射部材として使用できる。
光遮蔽部材50は、発光面とそれ以外の領域とのコントラストを高めるため、暗色の光吸収部材を含んでもよい。
(波長変換部品と支持台との接合)
波長変換部品20と支持台40とは、接合材30を用いて接合することができる。図3において、接合材30は、20wt%SnのAu-Su半田である。
波長変換部品20と支持台40とは、接合材30を用いて接合することができる。図3において、接合材30は、20wt%SnのAu-Su半田である。
Au-Su半田は、20wt%Sn (融点 280℃) と90wt%Sn (融点 217℃) に共晶点を有しており、波長変換部品20の温度が200℃程度まで上昇しても接合を保持できるから、好適である。特に20wt%SnのAu-Su半田は熱伝導率が約57W/(m・K)あるので、波長変換部品20と支持台40との接合材30として好適に使用できる。
また、例えば、微細な金属粒子を含む金属ペーストを焼結した焼結体を接合材30として接合することができる。微細な金属粒子のサイズは、例えば、ナノサイズおよびミクロンサイズであり、金属粒子は、例えば、銀粒子または銅粒子である。焼結条件を適切にすることで、100W/(m・K)以上の熱伝導率を有する焼結体とすることができる。可視光に対して反射率が銅より銀の方が高いので、銀焼結体がより好ましく接合材として使用できる。
白色耐熱性無機接着剤や白色樹脂は、波長変換部品20と支持台40との接合の接合材30としても用いることができる。
(他の部品)
波長変換部品の主面の外側にレンズ等の光学素子60や、放熱器70や電源80等を冷却するためのファンを備えてもよい。
波長変換部品の主面の外側にレンズ等の光学素子60や、放熱器70や電源80等を冷却するためのファンを備えてもよい。
発光素子駆動用電源への電力の供給は、図示しない商用電源、発電装置、各種電池、等の外部電源から行われる。
(作用と効果)
第一の実施形態における波長変換部材22が、無機蛍光体単結晶膜を含むので、熱伝導を邪魔する粒子間の空隙や粒界が無機蛍光体単結晶膜内部に無く、無機蛍光体単結晶膜内部の熱伝導が効率よくなされて、無機蛍光体単結晶膜の温度上昇を抑え、励起光を波長変換する効率が低下する温度消光という現象を抑制でき、その結果、発光装置100の光出力の向上が実現できる。
第一の実施形態における波長変換部材22が、無機蛍光体単結晶膜を含むので、熱伝導を邪魔する粒子間の空隙や粒界が無機蛍光体単結晶膜内部に無く、無機蛍光体単結晶膜内部の熱伝導が効率よくなされて、無機蛍光体単結晶膜の温度上昇を抑え、励起光を波長変換する効率が低下する温度消光という現象を抑制でき、その結果、発光装置100の光出力の向上が実現できる。
波長変換部材22が無機単結晶の板材からなる基体21に直接接合し、基体21の熱伝導率は波長変換部材22の熱伝導率より大きいので、波長変換部材22の無機蛍光体単結晶膜で発生した熱が基体21へ移動しやすく、基体21内部に熱伝導を邪魔する粒子間の空隙や粒界が無く、基体21内部の熱伝導が波長変換部材22内部より効率よくなされて、波長変換部材22の温度上昇を抑え、温度消光現象を抑制でき、その結果、発光装置100の光出力の向上が実現できる。
波長変換部品20からの放熱経路となる支持台40および波長変換部品20と支持台40との接合材30に、波長変換部品20の熱伝導率より大きな熱伝導率を有する材料を用いることにより、波長変換部品20からの放熱性を向上し、波長変換部材22の温度上昇を抑え、温度消光現象を抑制でき、その結果、発光装置100の光出力の向上が実現できる。
従来の多数の蛍光体結晶粒子を焼結した板からの出射光は、粒子による散乱により、ランバート配光のような広い配光となりやすい。発光装置から出る光が広い配光を有すると、発光装置から出る光が発光装置から出る光として利用されない光を多く含むことになるため、発光装置から出る光の利用効率が低下する。
本開示の第一の実施形態における無機蛍光体単結晶膜を含む波長変換部材22内部および無機単結晶の板材からなる基体21内部では、粒界や空孔が非常に少なく、粒界や空孔による光の散乱を減らし、励起光の広がりが抑制され、輝度の高い発光装置を提供することができる。
波長変換部材22の単結晶膜が均一で膜厚100μm以下と薄く、波長変換部品の波長変換部材22側の底面に配置され、金属多層膜を介して支持台40と接合されているので、励起光が照射されると、励起光が照射される領域内の波長変換部材22が発熱し、照射領域外では発熱しないが、支持台40へ速やかに排熱され波長変換部材22の単結晶膜内に蓄熱されず、かつ、基体21が波長変換部品20の機械強度を補強し、支持台40と強固に接合されていることより、波長変換部材22の単結晶膜に歪みや割れが生じるという問題は生じない。また、波長変換部材22の単結晶膜が均一で薄いので、色むらが少なく、発光装置100から出る光をスクリーンに照射してもイエローリングが生じにくい。
波長変換部材22が発光波長の異なる2種以上の無機蛍光体単結晶膜、例えば、黄色発光の蛍光体単結晶膜と赤色発光の蛍光体単結晶膜を含むので、演色性の高い照明光を出すことができる。
第一の実施形態において、基体21が透明YAG単結晶、波長変換部材22がCe:LuAG単結晶膜とEu:LuAG単結晶膜を含む多層膜である場合、基体21と波長変換部材22の線膨張係数の差が小さいので、励起光の出力を高くしても波長変換部品20の発熱が生み出す基体21と波長変換部材22との熱膨張の差から生じる反りを抑制できる。
(第二の実施形態)
本開示の第二の実施形態における発光装置200の平面概念図を図5に、断面概念図を図6に示す。発光装置200は、図6に示されるように、支持台40の上面に、発光素子10と、板状の波長変換部品20と、および光反射部材を含む光遮蔽部材50とを備える。発光素子10の側面と、波長変換部品20の側面は、光反射部材(図示しない)で覆われている。
本開示の第二の実施形態における発光装置200の平面概念図を図5に、断面概念図を図6に示す。発光装置200は、図6に示されるように、支持台40の上面に、発光素子10と、板状の波長変換部品20と、および光反射部材を含む光遮蔽部材50とを備える。発光素子10の側面と、波長変換部品20の側面は、光反射部材(図示しない)で覆われている。
図6において、支持台40は、AlNセラミックを主とする材料で構成され、発光素子10の載置領域を備える。具体的には、支持台40は、AlNセラミック(熱伝導率180W/(m・K))の板材41と発光素子10に電気的に接続される配線42を有し、配線42は、上面配線421、下面配線423、および両者を電気的に接続するビア422を備える。さらに、金属部材からなるヒートシンクを有してよい。図6では、支持台40はAlNセラミックを主とする材料で構成されるが、これに限定されるものではなく、SiC、SiNのような他のセラミックを主とする材料や多結晶ダイヤモンド材で構成されてもよい。
図6において、発光素子10は、例えば、サファイア基板付のフリップチップ構造のAlInGaN系発光ダイオードで、通電により紫外光を放射できる。図6では、発光素子10は、AlInGaN半導体多層膜の成長基板のサファイア基板を含むものとしているが、これに限定されるものではなく、成長基板を除去したものでもよい。支持台40の載置領域に対面する電極配置面を発光素子10は備え、電極配置面に対向する面は、波長変換部品20の載置面となる。
支持台40と発光素子10との接合は、半田等の適当な導電性接着剤や鍍金を用いることができ、また、直接接合によることもできる。
図6では、発光素子10を1つの発光ダイオードで構成したが、複数の発光ダイオードを並設して発光素子10としてもよい。
図6の波長変換部品20の断面部分拡大概念図を図7に示す。波長変換部品20は、透明YAG単結晶の板材からなる基体21と無機単結晶を含む波長変換部材22とを備える。波長変換部材22は第一部分223と第二部分224と第三部分を有している。第二の実施形態において、第一部分223と第二部分224は、無機蛍光体単結晶膜である。無機単結晶膜の第一部分223と無機単結晶膜の第二部分224と無機単結晶膜で窓部材23となる第三部分はそれぞれ、例えば、基体21にエピタキシャルに形成されたEu:LuAG単結晶膜とCe:LuAG単結晶膜と透明YAG単結晶膜である。無機単結晶膜の第一部分223と無機単結晶膜の第二部分224は、膜厚方向に並んでおり、蛍光体膜をなしている。第二の実施形態において、第一部分223と第二部分224からなる蛍光体膜と第三部分とが1対の層を構成している。
波長変換部品20は、発光素子10の電極配置面に対向する面に基体21側の面が接合される。
第二の実施形態において、波長変換部品20の形状と大きさは、平面視で発光素子10と略同一である。
図6において、光反射部材を含む光遮蔽部材50は、誘電体多層膜と白色セメントを備える。なお、光遮蔽部材50は、他の材料、例えば、白色耐熱性無機接着剤、白色樹脂などを組み合わせて用いることもできる。光遮蔽部材50はさらに黒色などに着色したセメントや放熱フィラー含有樹脂を外側に備えてもよい。発光時の発光面とのコントラストを高めるためである。
(他の部品)
第二の実施形態において、発光装置200は、窓部材23の外側に光拡散板やレンズ等の光学素子や発光素子10の駆動電源を備えてもよい。
第二の実施形態において、発光装置200は、窓部材23の外側に光拡散板やレンズ等の光学素子や発光素子10の駆動電源を備えてもよい。
(窓部材の作製方法)
窓部材23となる透明な単結晶の板材と、無機蛍光体結晶の板材を直接接合して窓構造を有する波長変換部材22を作製することができる。
気相成長法であるレーザーCVD法によれば、基体21となる透明な単結晶の板材の上に無機蛍光体結晶膜と窓部材23となる透明な単結晶膜を順次エピタキシャルに形成し、波長変換部材22とすることができる。
窓部材23となる透明な単結晶の板材と、無機蛍光体結晶の板材を直接接合して窓構造を有する波長変換部材22を作製することができる。
気相成長法であるレーザーCVD法によれば、基体21となる透明な単結晶の板材の上に無機蛍光体結晶膜と窓部材23となる透明な単結晶膜を順次エピタキシャルに形成し、波長変換部材22とすることができる。
(波長変換部品と発光素子との接合)
良好な光透過性と屈折率整合性を有する光路結合用接着剤(図示しない)を用いて、波長変換部品20と発光素子10とを接合することができる。
また、直接接合により波長変換部品20と発光素子10とを接合することができる。
良好な光透過性と屈折率整合性を有する光路結合用接着剤(図示しない)を用いて、波長変換部品20と発光素子10とを接合することができる。
また、直接接合により波長変換部品20と発光素子10とを接合することができる。
(作用と効果)
波長変換部材22が、複数の無機単結晶膜を含むので、熱伝導を邪魔する粒子間の空隙や粒界が各無機単結晶膜内部に無く、波長変換部材22内部の熱伝導が効率よくなされて、波長変換部材22の温度上昇を抑え、励起光を波長変換する効率が低下する温度消光という現象を抑制でき、その結果、発光装置200の光出力の向上が実現できる。
波長変換部材22が、複数の無機単結晶膜を含むので、熱伝導を邪魔する粒子間の空隙や粒界が各無機単結晶膜内部に無く、波長変換部材22内部の熱伝導が効率よくなされて、波長変換部材22の温度上昇を抑え、励起光を波長変換する効率が低下する温度消光という現象を抑制でき、その結果、発光装置200の光出力の向上が実現できる。
波長変換部材22の蛍光体結晶膜が無機単結晶の板材からなる基体21および窓部材23に直接接合している。基体21および窓部材23の熱伝導率は蛍光体結晶膜の熱伝導率より大きいので、蛍光体結晶膜で発生した熱が基体21および窓部材23へ移動しやすく、基体21内部および窓部材23内部に熱伝導を邪魔する粒子間の空隙や粒界が無く、基体21内部および窓部材23内部の熱伝導が蛍光体結晶膜内部より効率よくなされて、蛍光体結晶膜の温度上昇を抑え、温度消光現象を抑制でき、その結果、発光装置200の光出力の向上が実現できる。
発光装置200駆動時に、発光素子10からの励起光照射により蛍光体結晶膜で生ずる熱は、蛍光体結晶膜の側面のみならず、基体21、窓部材23を介して支持台40を含む周囲へ放散される。蛍光体結晶膜の側面から光遮光部材50を介し支持台40および周囲の雰囲気へ、基体21から発光素子10または光遮光部材50を介し支持台40および周囲の雰囲気へ、窓部材23から周囲の雰囲気へ直接または光遮光部材50を介し支持台40および周囲の雰囲気へ放熱される。
また、基体21の線膨張係数と同じ線膨張係数を有する材料を窓部材23に用いることにより、波長変換部品20発熱時の波長変換部品20の熱膨張による反りを抑制できる。
波長変換部品20の形状と大きさは、平面視で発光素子10と略同一であるので、励起光の照射領域が波長変換部材22全体となり、励起光照射領域と非照射領域との温度差による蛍光体結晶膜に歪みや割れが生じるという問題は生じない。
(第三の実施形態)
本開示の第三の実施形態における発光装置は、波長変換部品20を除き、第一の実施形態と同様である。
本開示の第三の実施形態における発光装置は、波長変換部品20を除き、第一の実施形態と同様である。
図8は、第三の実施形態における波長変換部品20の模式図で、(a)は平面概念図、(b)は部分拡大概念図である。図9は図8の断面概念図である。
図9では、波長変換部品20は、例えば、透明サファイア単結晶の板材の基体21とCe:YAG単結晶の第一部分223およびコランダム構造のα-Al2O3単結晶の第二部分224からなる共晶体膜を含む波長変換部材22とを備える。図8では、第一部分223および第二部分224は、基体21越しに見える。基体21は、m面あるいはa面を主面とする。基体21は波長変換部材22の第一部分223の熱伝導率より大きい熱伝導率を備える。波長変換部材22の共晶体膜は、共晶体膜の膜厚に垂直なある方向で見た場合に第一部分223と第二部分224が交互に周期的に並んでいる周期構造を含む。つまり、共晶体膜は、周期的に並ぶα-Al2O3結晶からなる柱がCe:YAG結晶膜を貫通している構造を有している。共晶体膜内部の周期構造は、二次元スラブ型フォトニック結晶をなしている。波長変換部材22の第一部分223は、励起光の一部を吸収し励起光より波長の長い光を発生する蛍光体結晶を含む。第二部分224は、励起光および第一部分223で波長変換された光に対して透光性を有することが好ましい。発光装置の発光効率をよくするためである。
(波長変換部品の作製方法)
基体21となる透明な単結晶の板材の上に気相成長法であるレーザーCVD法でエピタキシャルに第一の無機蛍光体結晶薄膜221を形成する。電子線リソグラフィーとRIE等のドライエッチングにより、第一の無機蛍光体結晶薄膜221を貫通する複数の円孔を三角格子状に配置したドットパターンを形成し、ドット状に基体の透明な単結晶を露出させる。再度、レーザーCVD法で第一部分223および第二部分224からなる共晶体膜を、第一の無機蛍光体結晶薄膜221のドットパターンを形成した基体21上に形成する。第一の無機蛍光体結晶薄膜221の上に第一部分223が成長し、露出した基体21の透明な単結晶の上に第二部分224が成長し、周期的に並んだドットパターンが共晶体膜に引き継がれ二次元スラブ型フォトニック結晶をなす。
基体21となる透明な単結晶の板材の上に気相成長法であるレーザーCVD法でエピタキシャルに第一の無機蛍光体結晶薄膜221を形成する。電子線リソグラフィーとRIE等のドライエッチングにより、第一の無機蛍光体結晶薄膜221を貫通する複数の円孔を三角格子状に配置したドットパターンを形成し、ドット状に基体の透明な単結晶を露出させる。再度、レーザーCVD法で第一部分223および第二部分224からなる共晶体膜を、第一の無機蛍光体結晶薄膜221のドットパターンを形成した基体21上に形成する。第一の無機蛍光体結晶薄膜221の上に第一部分223が成長し、露出した基体21の透明な単結晶の上に第二部分224が成長し、周期的に並んだドットパターンが共晶体膜に引き継がれ二次元スラブ型フォトニック結晶をなす。
(作用と効果)
波長変換部材22の第一部分223が、無機蛍光体単結晶膜からなるので、熱伝導を邪魔する粒子間の空隙や粒界が第一部分223内部に無く、第一部分223内部の熱伝導が効率よくなされて、第一部分223の温度上昇を抑え、励起光を波長変換する効率が低下する温度消光という現象を抑制でき、その結果、発光装置の光出力の向上が実現できる。
波長変換部材22の第一部分223が、無機蛍光体単結晶膜からなるので、熱伝導を邪魔する粒子間の空隙や粒界が第一部分223内部に無く、第一部分223内部の熱伝導が効率よくなされて、第一部分223の温度上昇を抑え、励起光を波長変換する効率が低下する温度消光という現象を抑制でき、その結果、発光装置の光出力の向上が実現できる。
波長変換部材22の第二部分224が、波長変換部材22の第一部分223を貫通し基体21上に直接配置されるので、波長変換部材22の第二部分224は、第一部分223で発生する熱を伝導し、波長変換部材22から基体21を介して放熱部品等の外部へ放熱することを助ける。第一部分223の熱伝導率と第二部分224の熱伝導率とが等しくてもよいが、第一部分223の熱伝導率より第二部分224の熱伝導率が大きいことが好ましい。第一部分223で温度消光が発生することを抑制しやすいからである。
波長変換部材22の第一部分223が無機単結晶の板材からなる基体21に直接接合し、基体21の熱伝導率は第一部分223の熱伝導率より大きいので、第一部分223で発生した熱が基体21へ移動しやすく、基体21内部に熱伝導を邪魔する粒子間の空隙や粒界が無く、基体21内部の熱伝導が波長変換部材22内部より効率よくなされて、第一部分223の温度上昇を抑え、温度消光現象を抑制でき、その結果、発光装置の光出力の向上が実現できる。
具体的には、サファイア単結晶、すなわちコランダム構造のα-Al2O3単結晶の熱伝導率は約42W/(m・K)あり、YAG単結晶の熱伝導率約13.4W/(m・K)より、大きいので、Ce:YAG結晶膜が100μmを超えて厚い場合においても、Ce:YAG結晶膜を貫通しているα-Al2O3結晶からなる柱がCe:YAG結晶膜で発生する熱を基体に伝導し、YAG結晶膜の温度上昇を抑制する。α-Al2O3結晶からなる柱はサファイア単結晶の基体21とエピタキシャルに形成されているので、両者の間に粒界は無く、熱伝導が効率よくなされる。その結果、波長変換部品20の温度上昇を抑え、温度消光現象を抑制でき、その結果、発光装置の光出力の向上が実現できる。
二次元スラブ型フォトニック結晶をなしている共晶体膜内部の周期構造は、放出光の配光を狭くできるので、正面輝度が向上する。レンズなどの光学素子との光結合率が向上し、発光装置の電力から光への変換効率が向上する。
(第四の実施形態)
本開示の第四の実施形態における発光装置は、波長変換部品20を除き、第二の実施形態と同様である。
本開示の第四の実施形態における発光装置は、波長変換部品20を除き、第二の実施形態と同様である。
図10は、第四の実施形態における波長変換部品20の模式図で、(a)は平面概念図、(b)は部分拡大概念図である。図11は、図10の断面概念図である。
図10では、波長変換部品20は、例えば、透明サファイア単結晶の板材の基体21と波長変換部材22を備える。波長変換部材22は、無機蛍光体単結晶の第一部分223および無機単結晶の第二部分224の共晶体膜とα-Al2O3単結晶膜の窓部材23とを備える。例えば、第一部分223の無機蛍光体単結晶はCe:YAG単結晶で、第二部分224の無機単結晶はα-Al2O3単結晶である。図10では、波長変換部材22の第一部分223および第二部分224は、窓部材23越しに見える。波長変換部材22は、周期的に並ぶCe:YAG結晶からなる柱(第一部分223)がα-Al2O3結晶膜(第二部分224)を貫通している構造を備えている。基体21は、m面あるいはa面を主面とする。基体21は蛍光体単結晶の熱伝導率より大きい熱伝導率を備え、窓部材23も蛍光体単結晶の熱伝導率より大きい熱伝導率を備える。第一部分223と第二部分224とが膜の厚さ方向に垂直なある方向で交互にかつ周期的に並ぶ共晶体として膜をなし、その共晶体膜と第三部分23からなる1対の層が波長変換部材22に含まれている。
(波長変換部品の作製方法)
基体21となる透明な単結晶の板材の上に気相成長法であるレーザーCVD法でエピタキシャルに第一の無機蛍光体結晶薄膜221を形成する。電子線リソグラフィーとRIE等のドライエッチングにより、第一の無機蛍光体結晶薄膜221を三角格子のドットパターンを残して除去し基体21を露出させ、基体21上に複数の第一の無機蛍光体結晶薄膜221の島からなる三角格子のドットパターンを形成する。再度、レーザーCVD法で第一部分223および第二部分224からなる共晶体を、第一の無機蛍光体結晶薄膜221のドットパターンを形成した基体21上に形成する。第一の無機蛍光体結晶薄膜221の上に第一部分223が成長し、露出した基体21の透明な単結晶の上に第二部分224が成長し、周期的に並んだドットパターンが共晶体膜に引き継がれ二次元フォトニック結晶をなす。
基体21となる透明な単結晶の板材の上に気相成長法であるレーザーCVD法でエピタキシャルに第一の無機蛍光体結晶薄膜221を形成する。電子線リソグラフィーとRIE等のドライエッチングにより、第一の無機蛍光体結晶薄膜221を三角格子のドットパターンを残して除去し基体21を露出させ、基体21上に複数の第一の無機蛍光体結晶薄膜221の島からなる三角格子のドットパターンを形成する。再度、レーザーCVD法で第一部分223および第二部分224からなる共晶体を、第一の無機蛍光体結晶薄膜221のドットパターンを形成した基体21上に形成する。第一の無機蛍光体結晶薄膜221の上に第一部分223が成長し、露出した基体21の透明な単結晶の上に第二部分224が成長し、周期的に並んだドットパターンが共晶体膜に引き継がれ二次元フォトニック結晶をなす。
さらに、窓部材23となる透明な無機単結晶膜を直接接合または気相成長法であるレーザーCVD法により、共晶体膜の上に形成することができる。
(作用と効果)
柱状の第一部分223は、無機蛍光体単結晶であるので、熱伝導を邪魔する粒子間の空隙や粒界が第一部分内部に無く、第一部分223内部の熱伝導が効率よくなされる。
柱状の第一部分223は、無機蛍光体単結晶であるので、熱伝導を邪魔する粒子間の空隙や粒界が第一部分内部に無く、第一部分223内部の熱伝導が効率よくなされる。
柱状の第一部分223で発生する熱は、柱状の第一部分223を取り囲む基体21、第二部分224、および窓部材23を介して外部へ放熱される。基体21、第二部分224、および窓部材23のいずれもが第一部分223の熱伝導率より大きい熱伝導率を備え、いずれの内部に熱伝導を邪魔する粒子間の空隙や粒界が無く、基体21、第二部分224、および窓部材23の内部の熱伝導が第一部分223内部より効率よくなされて、第一部分223に蓄熱されて第一部分223の温度が過度に上昇することを防ぐことができ、第一部分223に含まれる蛍光体結晶の温度消光を抑制できる。
波長変換部材22の共晶体膜内部の周期構造は、二次元フォトニック結晶をなしている。柱状の第一部分223の側面に垂直に進む光の波数がブラッグ反射条件を満たす場合は、その光は共晶体膜内部に存在できない。つまり、波長変換部材22中に存在する光は、柱状の第一部分223の延伸する方向に平行な波数ベクトルを有する。つまり、二次元フォトニック結晶構造を有することで、波長変換部品20からの光の取出し効率が向上し、放出光の配光を狭くできる。
第一部分223の屈折率は、第二部分224の屈折率より高い。例えば、第一部分223にCe:YAG単結晶を用いる場合、その屈折率は1.82~1.86となる。例えば、第二部分224にα-Al2O3単結晶を用いる場合、第二部分224の屈折率は、1.76~1.77である。第一部分223と第二部分224の境界面で全反射して第一部分223の内部を伝搬する光は、柱状の第一部分223の端部で単結晶透明サファイアの基体21またはα-Al2O3単結晶膜の窓部材23の中へ放射される。第一部分223と第二部分224の境界面を通過して第二部分224中へ進む光は、スネルの法則に従い、境界面で屈折し窓部材23側または基体21側へ進み、波長変換部品20の側面へ向かう光を減らす。波長変換部品20の基体21側の底面で基体21側へ進む光は、光学薄膜により窓部材23側へ反射される。そうして、窓部材23側の天面から出る光の割合を増やし、発光装置の発光効率を良くすることができる。
(第五の実施形態)
本開示の第五の実施形態における発光装置は、波長変換部材22を除き、第四の実施形態と同様である。
本開示の第五の実施形態における発光装置は、波長変換部材22を除き、第四の実施形態と同様である。
図12は、第五の実施形態における波長変換部品20の模式図で、(a)は平面概念図、(b)は部分拡大概念図である。図13は図12の断面概念図である。
図11で、波長変換部材22は、例えば、Ce:YAG単結晶の第一部分223およびα-Al2O3単結晶の第二部分224からなる共晶体膜とα-Al2O3単結晶膜の第三部分225とからなる対の層を1対以上有する。つまり、波長変換部品20は、基体21/1番目の共晶体膜/1番目の第三部分225/2番目の共晶体膜/2番目の第三部分225/3番目の共晶体膜/3番目の第三部分225/・・・/n番目の共晶体膜/n番目の第三部分225(窓部材23を兼ねる)(nは自然数)の積層体である。第一部分223および第二部分224からなる共晶体膜内において、膜の厚さ方向に垂直な方向において、第一部分223と第二部分224とが交互に並んでいる。図12では、n番目の第一部分223およびn番目の第二部分224は、窓部材23越しに見える。
第四の実施形態では、単結晶透明サファイアの基体21は、m面あるいはa面を主面としたが、第五の実施形態では、単結晶透明サファイアの主面の面方位は、他の面方位でもよい。
(波長変換部品の作製方法)
レーザーCVD法で、例えば、Ce:YAG結晶とα-Al2O3結晶からなる共晶体膜を成長する場合、Y原料ガス(例えば、トリス(ジピバロイルメタナト)イットリウム蒸気とキャリアガス(例えば、Arガス))とAl原料ガス(例えば、トリス(ジピバロイルメタナト)アルミニウム蒸気とキャリアガスの混合ガス)と酸素ガス(O2)の反応室への供給を各原料ガスの供給量制御下で行いつつ、Ce原料ガス(例えば、テトラキス(ジピバロイルメタナト)セリウム蒸気とキャリアガスの混合ガス)の反応室への供給を行えば、Ce:YAG結晶とα-Al2O3結晶からなる共晶体膜が成長し、Y原料容器と反応室をつなぐ配管に設けたバルブとCe原料容器と反応室をつなぐ配管に設けたバルブを同時に閉じれば、Al原料ガスと酸素ガスの供給が続くので、α-Al2O3結晶膜が成長する。再び、Y原料容器と反応室をつなぐ配管に設けたバルブとCe原料容器と反応室をつなぐ配管に設けたバルブを同時に開ければ、共晶体膜が成長し、再び、両バルブを閉じれば、α-Al2O3結晶膜が成長する。バルブの開閉を所定の回数行うことで、上記の積層体が形成される。なお、第二部分224中の第一部分223の配置および形状は、第一部分223の成長の起点となるYAG単結晶膜が配置されていないので、自然に任せることとなる。
レーザーCVD法で、例えば、Ce:YAG結晶とα-Al2O3結晶からなる共晶体膜を成長する場合、Y原料ガス(例えば、トリス(ジピバロイルメタナト)イットリウム蒸気とキャリアガス(例えば、Arガス))とAl原料ガス(例えば、トリス(ジピバロイルメタナト)アルミニウム蒸気とキャリアガスの混合ガス)と酸素ガス(O2)の反応室への供給を各原料ガスの供給量制御下で行いつつ、Ce原料ガス(例えば、テトラキス(ジピバロイルメタナト)セリウム蒸気とキャリアガスの混合ガス)の反応室への供給を行えば、Ce:YAG結晶とα-Al2O3結晶からなる共晶体膜が成長し、Y原料容器と反応室をつなぐ配管に設けたバルブとCe原料容器と反応室をつなぐ配管に設けたバルブを同時に閉じれば、Al原料ガスと酸素ガスの供給が続くので、α-Al2O3結晶膜が成長する。再び、Y原料容器と反応室をつなぐ配管に設けたバルブとCe原料容器と反応室をつなぐ配管に設けたバルブを同時に開ければ、共晶体膜が成長し、再び、両バルブを閉じれば、α-Al2O3結晶膜が成長する。バルブの開閉を所定の回数行うことで、上記の積層体が形成される。なお、第二部分224中の第一部分223の配置および形状は、第一部分223の成長の起点となるYAG単結晶膜が配置されていないので、自然に任せることとなる。
(作用と効果)
第一部分223が三次元に分布することにより、波長変換部材22内を進む光が、第一部分223と第二部分224の境界、第一部分223と第三部分23の境界で反射、屈折が繰り返され、光を散乱する効果を波長変換部材22が備えることとなる。
第一部分223が三次元に分布することにより、波長変換部材22内を進む光が、第一部分223と第二部分224の境界、第一部分223と第三部分23の境界で反射、屈折が繰り返され、光を散乱する効果を波長変換部材22が備えることとなる。
本開示の発光装置は、照明用や投影機用の光源、自動車、船舶、飛行機等の移動体用の前照灯の光源など、種々の光源に好適に使用することができる。
10 発光素子
20 波長変換部品
21 基体
22 波長変換部材
221 第一の無機蛍光体単結晶
222 第二の無機蛍光体単結晶
223 第一部分
224 第二部分
225 第三部分
23 窓部材
30 接合材
40 支持台
41 セラミックの板材
42 配線
421 上面配線
422 ビア
423 下面配線
50 光遮蔽部材
60 光学素子
70 放熱器
80 発光素子駆動用電源
90 筐体
100、200 発光装置
20 波長変換部品
21 基体
22 波長変換部材
221 第一の無機蛍光体単結晶
222 第二の無機蛍光体単結晶
223 第一部分
224 第二部分
225 第三部分
23 窓部材
30 接合材
40 支持台
41 セラミックの板材
42 配線
421 上面配線
422 ビア
423 下面配線
50 光遮蔽部材
60 光学素子
70 放熱器
80 発光素子駆動用電源
90 筐体
100、200 発光装置
Claims (6)
- 単結晶からなる基体と、単結晶を含む波長変換部材とを備える波長変換部品であって、
前記波長変換部材が、単結晶の第一部分と単結晶の第二部分および単結晶膜の第三部分を有し、
前記第一部分と前記第二部分とが膜をなし、
前記膜と前記第三部分とからなる対の層を1対以上有する、
波長変換部品。 - 前記膜の厚さ方向に前記第一部分と前記第二部分とが並んでいる、
請求項1に記載の波長変換部品。 - 前記膜の厚さ方向に垂直な方向に交互に前記第一部分と前記第二部分とが並んでいる、
請求項1に記載の波長変換部品。 - 前記第一部分と前記第二部分とが周期的に並んでいる、
請求項3に記載の波長変換部品。 - 前記対の層を2対以上有する、
請求項3に記載の波長変換部品。 - 励起光を出射する固体発光素子と、
前記励起光を吸収する請求項1乃至5いずれか1項に記載の波長変換部品とを備える発光装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2024000548A JP2025106931A (ja) | 2024-01-05 | 2024-01-05 | 発光装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2024000548A JP2025106931A (ja) | 2024-01-05 | 2024-01-05 | 発光装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2025106931A true JP2025106931A (ja) | 2025-07-17 |
Family
ID=96396850
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2024000548A Pending JP2025106931A (ja) | 2024-01-05 | 2024-01-05 | 発光装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2025106931A (ja) |
-
2024
- 2024-01-05 JP JP2024000548A patent/JP2025106931A/ja active Pending
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