JP2025536633A - 粒子状材料の使用及びセメント製造用材料の製造方法 - Google Patents

粒子状材料の使用及びセメント製造用材料の製造方法

Info

Publication number
JP2025536633A
JP2025536633A JP2025527731A JP2025527731A JP2025536633A JP 2025536633 A JP2025536633 A JP 2025536633A JP 2025527731 A JP2025527731 A JP 2025527731A JP 2025527731 A JP2025527731 A JP 2025527731A JP 2025536633 A JP2025536633 A JP 2025536633A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
particulate material
iron
weight
fraction
slag
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2025527731A
Other languages
English (en)
Inventor
トルンクヴィスト、ニクラス
ツェノヴァ、イヴァ
リポンコスキ、サミ
Original Assignee
マグソルト オーイー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by マグソルト オーイー filed Critical マグソルト オーイー
Publication of JP2025536633A publication Critical patent/JP2025536633A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B40/00Processes, in general, for influencing or modifying the properties of mortars, concrete or artificial stone compositions, e.g. their setting or hardening ability
    • C04B40/0028Aspects relating to the mixing step of the mortar preparation
    • C04B40/0039Premixtures of ingredients
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B28/00Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements
    • C04B28/02Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing hydraulic cements other than calcium sulfates
    • C04B28/04Portland cements
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B2111/00Mortars, concrete or artificial stone or mixtures to prepare them, characterised by specific function, property or use
    • C04B2111/10Compositions or ingredients thereof characterised by the absence or the very low content of a specific material
    • C04B2111/1075Chromium-free or very low chromium-content materials
    • C04B2111/1081Chromium VI, e.g. for avoiding chromium eczema

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Structural Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)

Abstract

本発明は、セメント、コンクリート、又はその他類似材料の製造においてクロム(VI)をクロム(III)へと還元するための活性剤としての粒子状材料の使用に関する。前記粒子状材料は、工業的高温冶金プロセスに、好ましくは製鋼プロセスに由来し、前記粒子状材料の乾燥重量に対する計算でFe2O3換算で少なくとも10重量%の鉄(II)及び/又は鉄(III)、並びに好ましくは5重量%以下、より好ましくは3重量%以下のFe(0)を含む。本発明はまた、セメント、コンクリート、又はその他類似材料の製造においてクロム(VI)をクロム(III)へと還元するための活性剤としての使用に適する粒子状材料を製造する方法にも関する。

Description

本発明は、高温冶金プロセスに由来する微粒子状材料の使用に関する。本発明は、さらに、セメント、コンクリート、又はその他類似材料の製造においてクロム(VI)をクロム(III)へと還元する方法、さらには添付の独立請求項における発明の対象(preamble)に係るセメント製造用材料の製造方法にも関する。
製鋼スラグは、鋼鉄、ステンレス鋼、及び炭素鋼の製造における主要な副産物の1つである。製鋼スラグを含め、工業プロセスの様々な副産物の全てについて用途を見出すことが不可欠である。これまで製鋼スラグは、アスファルト用粗骨材、コンクリート製造用骨材などの様々な用途における充填材料としての、及びスラグ燐酸肥料の作製における使用が見出されてきた。しかし、製鋼スラグを有価製品へと品質向上させる新たな経済的方法が、この工業的副産物の全ての可能性を活用するために必要とされている。
製鋼だけでなく、高温冶金産業一般において、カルシウム、シリカ、及び酸化アルミニウムを含有する副産物が大量に生成されている。これらの工業的副産物は、石灰石の代わりとして、セメント製造時の原材料として用いられうる。しかし、これらの副産物はしばしば酸化鉄を多量に含有しており、この酸化鉄はセメントキルン内で溶融し、キルンの運転において、そしてセメント製造におけるその後のプロセス段階において障害を引き起こす。例えば、未処理の製鋼スラグは、35%までの酸化鉄を含有しうる。高温冶金産業からの副産物は、必要とされる粒子サイズに粉砕することができない金属粒子も含有しうる。したがって、セメントクリンカの製造については、高温冶金産業からの副産物の使用は制限される。
製鋼スラグ、そして他の高温冶金プロセスからの副産物は、今日大量に生み出されている。したがって、製鋼スラグなどを、大量に生産される有価製品へと品質向上させるための、より実現性の高い方法及び使用を開発することが求められている。現在のところ、製鋼スラグの異なる成分同士の分離は、困難かつエネルギー消費性のプロセスである。製鋼スラグの鉱物組成は結晶質であり、そして様々な量の有価金属鋼及びその他の金属粒子を含有している。前記スラグ中において前記鉱物の硬い結晶マトリックスは硬い前記金属粒子と組み合わさって、前記スラグの粉砕を困難としており、したがって、成分の選択的分離が有効ではなく、このことは、製鋼スラグからの品質向上の実行可能性を制限してきた。
一般的なセメントは、セメントクリンカと補助的なセメント質材料とからなる。セメントクリンカは、石灰石(CaCO)、クレイ(SiO及びAl)、及び砂(SiO)などのCa、Si、Al、及びFeを含有する天然材料を、セメントキルン中で高温か焼することによって製造される。セメントキルン中では、石灰石のか焼(CaCO+熱→CaO+CO)によって大量のCOが放出される。このため、セメント産業は、世界における最大のCO排出者の1つとなっている。気候変動に対する意識の高まりのため、全ての産業は、自らの活動を批判的に捉え、そして二酸化炭素排出量を削減するための新しい効果的な方法を見出さなければならない。未処理の製鋼スラグなどの高温冶金副産物をクリンカ用の原材料として適用すれば、CO排出量を減らすことになるが、クロム及び鉄の含有量が高いため、このような適用はこれまで制限されてきたか、または不可能であった。セメントクリンカの原料ミックス中の酸化鉄含有量は、キルン中でのか焼プロセスの間にある特定量の液相が得られるレベルに制御及び補正される。前記クリンカ中のFeの最終的な含有量は、約5%の最大レベルである。
さらに、セメントクリンカの製造に高温冶金産業からの副産物を使用する可能性は、微量の望まれない重金属、特にクロム、の存在によって制限される。セメントキルンは、高酸化性の環境を有し、その結果、前記キルンに供給されたクロムは、溶解性であり、発がん性であり、変異原性であり、そして刺激性である六価クロムへと、少なくとも部分的に酸化する。前記六価クロムは、クリンカキルン中での三価クロムの高温酸化によって形成される。原料料に応じて、前記セメントクリンカ中の総クロム含有量は、10ppm~100ppmでありえ、その一部はCr(VI)へと酸化される。このようなセメントを水と混合すると、存在するCr(VI)は溶解し、皮膚刺激を引き起こす。
欧州議会及び欧州理事会の指令2003/53/ECは、2005年1月17日から、水和後の可溶性であるクロム(VI)の含有量がセメントの乾燥重量に対して2ppmを超える全てのセメント及びセメントを含有する製剤の使用及び販売を禁止するよう加盟国に要請した。この制限値を達成するために、Cr(VI)の還元剤をセメントに添加して、Cr(VI)を不溶性で無毒性のCr(III)へと還元することができる。これらの還元剤は、硫酸鉄、硫酸スズ、又は酸化アンチモンをベースとしており、Fe(II)、Sn(II)、又はSb(III)のイオンが、Cr(VI)を塩として沈殿させる。しかし、これらの還元剤は、多くの場合高価であり、そして広く入手可能という訳ではない。還元剤の使用を最小限に抑えるため、典型的には、クリンカ原料ミックス中の総クロムを最小限に抑え、残りの六価クロムは、利用可能な還元剤又は還元材料を用いて還元する。
したがって、セメント業界において、製造されたセメントのCOフットプリントを削減するセメント製造用の新規材料を提供する方法を見出すことが求められる。さらに、効果的なCr(VI)還元剤を提供する方法も求められる。
本発明のある目的は、先行技術に存在する欠点を最小化する、又はことによると消失させさえする、ことである。
本発明のさらなる目的は、工業的高温冶金プロセスに由来する粒子状材料のための、新しい、技術的に有利な用途を見出すことである。
本発明の他のある目的は、セメント、コンクリート、又はその他類似材料(or the like)の製造において、Cr(VI)をCr(III)へと還元するための活性剤を製造する簡便で効率的な方法を提供することである。
これらの目的は、以下に、及び独立請求項の特徴部分に示される特徴を有する本発明によって達成される。本発明のいくつかの好ましい実施形態は、従属請求項に示されている。
この文書中で言及される実施形態は、適用可能な場合、必ずしも特段に(separately)言及されていない場合であっても、本発明の全ての態様に関係する。
図1は、1つの実施形態を例示するフロー図を示す。
<詳細な説明>
本発明に係る粒子状材料の典型的な使用は、セメント、コンクリート、又はその他類似材料の製造においてクロム(VI)をクロム(III)へと還元するための活性剤としてであり、前記粒子状材料は、工業的高温冶金プロセス、好ましくは製鋼プロセスに由来し、前記粒子状材料の乾燥重量に対する計算でFe換算で(given as Fe2O3)少なくとも10重量%の鉄(II)及び/又は鉄(III)、並びに好ましくは5重量%以下、より好ましくは3重量%以下、さらにより好ましくは1重量%以下のFe(0)を含む。
セメント、コンクリート、又はその他類似材料の製造においてクロム(VI)をクロム(III)へと還元するための本発明に係る典型的な方法は、
・工業的高温冶金プロセスに、好ましくは製鋼プロセスに由来する粒子状材料であって、前記粒子状材料の乾燥重量に対する計算でFe換算で少なくとも10重量%の鉄(II)及び/又は鉄(III)、並びに好ましくは5重量%以下、より好ましくは3重量%以下、さらにより好ましくは1重量%以下のFe(0)を含む、粒子状材料を得ること、
・クロム(VI)をクロム(III)へと還元するために、セメントミックス、コンクリートミックス、又はその他類似材料に活性剤として前記粒子状材料を添加すること、
を含む。
セメント、コンクリート、又はその他類似材料の製造においてクロム(VI)をクロム(III)へと還元するための活性剤としての使用に適する粒子状材料を製造する本発明に係る典型的な方法は、
・工業的高温冶金プロセスに、好ましくは製鋼プロセスに由来し、鉄(II)及び/又は鉄(III)を含む出発粒子状材料を得ること、並びに
・前記出発粒子状材料を、少なくとも第1の画分と第2の画分とに分画すること、ここで、第1の画分及び第2の画分は、異なる鉄(II)及び鉄(III)含有量を有し、第2の画分は、粒子状材料の乾燥重量に対する計算でFe換算で少なくとも10重量%の鉄(II)及び/又は鉄(III)、並びに好ましくは5重量%以下、より好ましくは3重量%以下、さらにより好ましくは1重量%以下のFe(0)を含む粒子状材料である、
を含む。
ここで、工業的高温冶金プロセスに由来する粒子状材料は、少なくとも10重量%の鉄(II)及び/又は鉄(III)を含む場合、さらなる処理なしでも、セメント、コンクリート、モルタル、又はその他類似材料の製造において、クロム(VI)をクロム(III)へと還元するための活性剤として用いることができることが、驚くべきことに見出された。前記粒子状材料は、乾燥セメントミックス、コンクリートミックス、又はその他類似材料を提供するよう、組み込みによって、すなわち添加することによって、用いられてもよい。本発明に係る使用は、本発明によらなければ通常は廃棄物と見なされて廃棄物として堆積されるであろう副産物のための価値のある使用を提供するため、いくつかの利点を有する。さらに、本発明は、工業的高温冶金プロセスに由来する材料を、セメント、コンクリート、又はその他類似材料の製造においてクロム(VI)をクロム(III)へと還元するための活性剤として用いることができる粒子状材料へと品質向上することが容易かつ効果的である方法を提供する。工業的高温冶金プロセスに由来する粒子状材料、好ましくは製鋼スラグは、クロム(VI)をクロム(III)に効果的に還元するのに充分な鉄化合物を含む。さらに、得られる還元効果は、長期持続性で、時間経過と共に大きくは減弱しないことが示されている。粒子状材料の使用はまた、セメント、コンクリート、又はその他類似材料に対する強度向上効果などの追加の利点も提供しうる。
クロム(VI)をクロム(III)へと還元するために本発明で用いられる粒子状材料は、好ましくは、前記粒子状材料の乾燥重量に対する計算でFe換算で15重量%以上、好ましくは20重量%以上、より好ましくは30重量%以上の量の鉄(II)及び/又は鉄(III)を含む。前記粒子状材料は、例えば、前記粒子状材料の乾燥重量に対する計算でFe換算で15~90重量%又は20~85重量%、典型的には20~80重量%又は25~70重量%、より典型的には20~60重量%又は30~60重量%の鉄(II)及び/又は鉄(III)を含んでもよい。鉄(II)及び/又は鉄(III)の量が多いため、前記粒子状材料は、セメント、コンクリート、又はその他類似材料の製造においてクロム(VI)をクロム(III)へと還元するのに有効な活性剤となる。
本発明の1つの好ましい実施形態によれば、前記粒子状材料は、乾燥状態で用いられ、すなわち、それは、セメント粉砕前又は粉砕中に、乾燥体としてセメントミックス、コンクリートミックス、又はその他類似材料と混合される。あるいは、前記粒子状材料は乾燥体として、セメント粉砕後又はセメント出荷前に、完成したセメントに添加されてもよい。
1つの実施形態によれば、前記粒子状材料は、例えば、コンクリート又はモルタルの調製中にセメントに添加される場合、水性スラリーとして用いられてもよい。
1つの好ましい実施形態によれば、前記粒子状材料は、プロトン供与性化学活性化剤と組み合わせて用いられても、すなわちプロトン供与性化学活性化剤と接触させられてもよく、ここでプロトン供与性化学活性化剤は好ましくは酸の形態、より好ましくは有機酸の形態である。プロトン供与性化学活性化剤は、液体形態又は乾燥形態として用いられてもよい。プロトン供与性化学活性化剤は、鉄(II)の溶解度を高め、さらには鉄(III)を鉄(II)へと還元する。このようにして、前記粒子状材料がセメント、コンクリート、又はその他類似材料の製造における活性剤として用いられる場合、適切な量の鉄(II)が、クロム(VI)をクロム(III)へと還元するために利用可能である。1つの実施形態によれば、プロトン供与性化学活性化剤は、酸、好ましくはカルボン酸などの有機酸であってよく、これは、Fe(II)溶解性の活性化のために前記粒子状材料と組み合わせて使用、例えば前記粒子状材料と混合、される。
プロトン供与性化学活性化剤は、好ましくは有機酸(より好ましくはカルボン酸)又はその塩であり、より好ましくはシュウ酸、酢酸、ギ酸、クエン酸、酒石酸、これらの塩、又はこれらの任意の組み合わせを含む群から選択される。好ましくは前記有機酸はジカルボン酸であってもよく、これは好ましくはシュウ酸である。プロトン供与性化学活性化剤、例えば酸、は、液体又は固体の形態であってよく、好ましくは固体形態である。鉄(II)含有量の高い粒子状材料を前記有機酸で処理すると、鉄(II)の溶解速度が速くなる。
1つの実施形態によれば、前記粒子状材料は、前記粒子状材料の総重量に対する計算で0.1~50重量%、好ましくは0.1~25重量%、より好ましくは0.1~10重量%若しくは0.5~10重量%のプロトン供与性化学活性化剤と組み合わせて用いられてもよく、プロトン供与性化学活性化剤は好ましくは、上記で規定したように、カルボン酸などの有機酸、その塩、又はこれらの任意の混合物である。例えば、前記有機酸は、前記粒子状材料の総重量に対する計算で10重量%未満の量で用いられてもよい。前記有機酸、例えばカルボン酸、は、前記粒子状材料の総重量に対する計算で0.25~9重量%又は0.5~7重量%の量で用いられてもよい。
本発明の1つの実施形態によれば、プロトン供与性化学活性化剤は前記粒子状材料と接触させられるが、この接触は前記粒子状材料がセメントミックス、コンクリートミックス、又はその他類似材料中に添加される前、添加中、又は添加後のいずれでもよい。前記粒子状材料を、まずプロトン供与性化学活性化剤と混合し、それからセメントミックス、コンクリートミックス、又はその他類似材料に添加するようにしてもよい。1つの実施形態によれば、プロトン供与性化学活性化剤は、前記粒子状材料とは別々に、セメントミックス、コンクリートミックス、又はその他類似材料に添加されてもよい。例えば、前記粒子状材料及びプロトン供与性化学活性化剤は、同時であるが別々に、セメントミックス、コンクリートミックス、又はその他類似材料に添加されてもよい。前記粒子状材料及びプロトン供与性化学活性化剤は、順に(one after another)、セメントミックス、コンクリートミックス、又はその他類似材料に、順次添加されてもよい。
1つの実施形態によれば、プロトン供与性化学活性化剤は、前記粒子状材料がセメントミックス、コンクリートミックス、又はその他類似材料へと添加される前に、Fe(II)溶解性を活性化するために前記粒子状材料と混合されてもよい。前記粒子状材料がセメント又はコンクリートの製造における活性剤として用いられる前に、液体又は固体の形態のプロトン供与性化学活性化剤、例えば酸、好ましくは有機酸、で処理することは、Cr(VI)の還元及び前記セメント又はコンクリートの物性の両方のために有益である。前記粒子状材料は、有機酸などのプロトン供与性化学活性化剤と、湿気の存在下で混合されることによって、例えば自然な湿気を有する粒子状材料が固体有機酸と混合されることによって、活性化されてもよい。この場合、Fe(II)が、前記粒子状材料の粒子の少なくとも表面上に形成される。このことは有益であるが、それは、前記粒子状材料がセメントミックス又はコンクリートミックスに混合される際に既に活性化されていることとなり、Cr(VI)が溶解し、Cr(III)への還元が起こると予想されるセメント/水混合物又はコンクリート混合物のpHに依存しないこととなるためである。
プロトン供与性化学活性化剤は、乾燥状態で、セメントミックス、コンクリートミックス、又はその他類似材料に添加されてもよい。
本発明の1つの実施形態によれば、プロトン供与性化学活性化剤は前記粒子状材料と組み合わせられる、すなわち接触させられる、が、これは、セメント粉砕前、セメント粉砕中、又はセメント粉砕後のいずれで行われてもよい。プロトン供与性化学活性化剤は、液体として用いられてもよく、例えば、プロトン供与性化学活性化剤は、セメント粉砕前又はセメント粉砕中にセメントミックスに添加される。プロトン供与性化学活性化剤は、例えば、粉砕に用いられる添加剤、例えば粉砕助剤。の一部を形成してもよい。この場合、前記粒子状材料は、セメント粉砕前若しくは粉砕中のどちらであってもよいセメントミックスに、又はセメント粉砕後の完成したセメントに、前記粒子状材料を添加することによって、プロトン供与性化学活性化剤と組み合わせられてもよい。プロトン供与性化学活性化剤と前記粒子状材料との間の活性化プロセスは、前記セメントを水と接触させてモルタル又はコンクリートを形成する際に起こる。セメントを水と混合する際に、モルタル又はコンクリートの調製の間に、プロトン供与性化学活性化剤は液体の形態で、そのまま(as such)又はモルタル及びコンクリートに用いられる添加剤の一部として。添加されてもよい。
工業的高温冶金プロセスに由来する粒子状材料には、鉄(II)及び/又は鉄(III)の濃度又は量が自然に高い、すなわち10重量%以上、であるものがある。この高い濃度又は量は、そのような粒子状材料を、クロム(VI)をクロム(III)へと還元する活性剤としての使用に適したものとする。これが当てはまらない場合、本発明の1つの態様によると、工業的高温冶金プロセスに由来し、かつ鉄(II)及び/又は鉄(III)を含む出発粒子状材料を得ること、そして、クロム(VI)をクロム(III)へと還元するための活性剤としての使用のための所望の鉄(II)及び/又は鉄(III)含有量を有する粒子状材料画分を提供するために、この出発粒子状材料を分画することが可能である。
前記粒子状材料は、クロム(III)へと還元されなければならないクロム(VI)の濃度並びに前記粒子状材料の鉄(II)及び鉄(III)含有量に応じて、セメント、コンクリート、又はその他類似材料の製造において可変量で用いられてもよい。しかし、本発明の1つの利点は、製鋼スラグなどの工業的高温冶金プロセスに由来する前記粒子状材料の組成が、通常、セメント、コンクリート、又はその他類似材料での使用に一般的に適したものであり、そして、65重量%までの割合という多量の粒子状材料の添加ですら可能とするものであることである。当業者は、一般的な経験に基づいて、用いられるべき必要量を見積もり及び/又は計算することができる。前記粒子状材料は、セメントミックス、コンクリートミックス、又はその他類似材料の総重量に対する計算で、例えば0.5~65重量%、典型的には1~40重量%、多くの場合1~15重量%若しくは1.5~10重量%の量で用いられてもよい。
一般に、本発明において直接に又は出発粒子状材料として用いられる粒子状材料は、工業的高温冶金プロセスに由来し、かつ酸化鉄を含む任意の無機スラグ材料であってよい。本文脈において、「酸化鉄」及び「鉄の酸化物」なる用語は、同義的に用いられ、これらは完全に互換的である。両用語は、特に断りのない場合、高温冶金プロセスに由来する粒子状材料及び/又はスラグ材料の鉱物構造中に存在する酸化状態である鉄(II)及び鉄(III)を意味する。本件の文脈において、「酸化鉄」とは、粒子状材料の鉱物構造中に存在する場合において鉄が酸素と結びついているか、又は別の鉄化合物として存在するかにかかわらず、単に鉄の酸化状態を指す。
高温冶金プロセスに由来する前記粒子状材料又は出発粒子状材料は、鉄(ferrous)スラグ、鉄合金(ferroalloy)スラグ、卑金属スラグ、高温冶金尾鉱、又はこれらの任意の組み合わせから選択されてもよい。前記粒子状材料又は出発粒子状材料は、ステンレス鋼若しくは炭素鋼のいずれであってもよい鋼鉄、銅、ニッケル、又は亜鉛の工業的高温冶金製造プロセスに由来するものであってよい。前記粒子状材料又は出発粒子状材料は、塩基性酸素転炉スラグ、電気アーク炉スラグ、取鍋炉スラグ、リンツ-ドナウヴィッツスラグ(LDスラグ)、平炉スラグ、高炉スラグ、脱硫スラグ、又はこれらの任意の組み合わせから選択される製鋼スラグであってよく、好ましくは、塩基性酸素転炉スラグ、電気アーク炉スラグ、取鍋炉スラグ、リンツ-ドナウヴィッツスラグ(LDスラグ)、平炉スラグ、又はこれらの任意の組み合わせである。
本文脈において、「製鋼スラグ」なる用語は、特には、鋼鉄、ステンレス鋼、又は炭素鋼の製造で生じる任意の固形廃棄物又は副産物を指す。製鋼スラグとしては、限定されるものではないが、鋼鉄スラグ、ステンレス鋼スラグ、炭素鋼スラグ、塩基性酸素転炉(BOF)スラグ、電気アーク炉(EAF)スラグ、若しくは取鍋炉(LF)スラグ、又はこれらの任意の混合物であってもよい。1つの好ましい実施形態によれば、前記粒子状材料又は出発粒子状材料は、塩基性酸素転炉スラグ、電気アーク炉スラグ、誘導炉スラグ、リンツ-ドナウヴィッツスラグ、取鍋炉スラグ、又はこれらの任意の組み合わせから選択される製鋼スラグであり、特には、塩基性酸素転炉スラグ、電気アーク炉スラグ、誘導炉スラグ、又はこれらの任意の組み合わせから選択される。これらのスラグは、金属粒子及び/又はその化学組成のために、例えば重金属、特にはクロムの含有量、高い酸化鉄含有量、及び/又は酸化カルシウム含有量のために、工業的に利用するには問題であった。しかし、本発明は、クロム(IV)をクロム(III)へと還元するための活性剤としての使用に適するようにこれらのスラグを変換する効果的な方法を提供する。これらは、上記の他にも、適切な粉砕及び分画によってセメントクリンカ又はセメントの製造にさえ用いられうる。
1つの実施形態によれば、前記粒子状材料又は出発粒子状材料は、異なる工業的高温冶金プロセスに由来する材料、例えばスラグ又はスラグ材料、の混合物であってもよい。同じ製造場所で行われる異なる高温冶金プロセスからの材料は、前記粒子状材料又は出発粒子状材料を形成するために一緒に混合されてもよい。例えば、塩基性酸素転炉スラグ又は電気アーク炉スラグを高炉スラグと混合することが可能である。
本発明において用いられ、かつ工業的高温冶金プロセスに由来する粒子状材料又は出発粒子状材料は、酸化鉄、すなわち酸化状態-鉄(II)及び鉄(III)の形態の鉄、を含み、そして好ましくはカルシウムを含む、無機鉱物粒子の形態であってよい。カルシウムは、上記に示したように、酸化カルシウム、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、又はこれらの任意の組み合わせとして存在しうる。前記粒子状材料又は出発粒子状材料は、典型的には、カルシウムを含む、か焼された鉱物粒子を含む。前記粒子状材料又は出発粒子状材料は、典型的には、例えば、ブラウンミラライト(Ca(Al,Fe))、ウスタイト(FeO)、及び/又はマグネタイト(FeOFe)の粒子を含む。本発明で用いられる粒子状材料は、したがって、酸化鉄を、典型的にはFeO及びFeの両方を含み、すなわち、前記粒子状材料は、場合により行われうる分画の前に、総酸化鉄含有量として示される初期酸化鉄含有量を有する。工業的高温冶金プロセスに由来する前記粒子状材料は、少なくとも、ケイ素、マグネシウム、及び/又はアルミニウム-の酸化物をさらに含んでもよい。前記粒子状材料が、銅、ニッケル、又は亜鉛の製造プロセスに由来する場合、それは、FeSiOを含みうる。特に、製鋼スラグとも称される鋼鉄、ステンレス鋼、及び炭素鋼の製造に由来するスラグは、それ自体はCOフリーな材料で、Caシリケート、Caアルミネート、及びCaフェライトを含有し、Fe(II)イオン及びFe(III)イオンの供給源である。
本発明で用いられ、かつ工業的高温冶金プロセスに由来する粒子状材料又は出発粒子状材料、例えば製鋼スラグの鉱物画分、は、以下の主成分組成(重量%)を有しうる:
SiO 10~50%、例えば10~30%
Fe 3~35%、例えば10~30%
Cr 0.1~4%、例えば0.1~2.5%
MnO 2~5%、例えば2.5~4%
CaO 15~45%、例えば30~45%
MgO 1~15%、例えば2~10%
Al 1~8%、例えば1.5~6.5%
SO 0.2~2%、例えば0.2~1.5%。
例えば、本発明で用いられる製鋼スラグ中の鉄(II)及び鉄(III)含有量は、前記スラグの総乾燥重量に対する計算でFe換算で1~45重量%、好ましくは3~40重量%、より好ましくは15~40重量%、又は20~40重量%であってもよい。本出願において、鉄含有量がFe換算で与えられる場合、それは、鉄(II)化合物及び鉄(III)化合物の両方を含み、それらをFeの形態であるものと仮定して計算したものである。
本発明で用いられ、かつ工業的高温冶金プロセスに由来する粒子状材料又は出発粒子状材料は、前記粒子状材料又は出発粒子状材料の総乾燥重量に対する計算でCr換算で0.05~5重量%、好ましくは0.1~4重量%、より好ましくは0.1~1.5重量%の量のクロム(III)を好ましくは含んでもよい。
前記粒子状材料の鉄(II)及び鉄(III)含有量を分画によって調整することが可能である。このようなやり方で、前記粒子状材料の鉄(II)及び鉄(III)含有量を、特定のセメント、コンクリート、又はその他類似材料に適合し、クロム(VI)をクロム(III)へと還元するという特定の用途に適合するように調整することができる。分画のための前記出発粒子状材料は、可変の鉄(II)及び鉄(III)含有量を有する鉱物粒子の形態である。前記出発粒子状材料は、少なくとも第1の画分と第2の画分とに分画され、ここで第1の画分及び第2の画分は、異なる鉄(II)及び鉄(III)含有量を有する。第2の画分は、前記粒子状材料の乾燥重量に対する計算でFe換算で少なくとも10重量%の鉄(II)及び/又は鉄(III)を含む粒子状材料の形態である。このことは、鉄(II)及び/又は鉄(III)が、第2の画分中に濃縮されることを意味し、第2の画分は、クロム(VI)をクロム(III)へと還元するための活性剤として用いられるべき粒子状材料を形成することとなる。分画は、このようにして、種々の高温冶金での特定の材料又はスラグを、クロム(VI)の還元での使用に適するように品質向上(upgrade)する手段を提供する。分画後、第2の画分の鉄(II)及び鉄(III)含有量は、分画前の出発粒子状材料の初期の鉄(II)及び鉄(III)含有量よりも高い。前記出発粒子状材料が第1の画分と第2の画分とに分画される場合、第1の画分は、第2の画分よりも低い酸化鉄含有量を有し、分画後、第1の画分の酸化鉄含有量は、分画前の前記出発粒子状材料の初期の酸化鉄含有量よりも低い。第2の画分は、乾燥重量からの計算して、前記出発粒子状材料中の初期の総酸化鉄含有量よりも少なくとも5重量%多い、好ましくは少なくとも15重量%多い、より好ましくは少なくとも20重量%多い、鉄(II)及び鉄(III)の総酸化鉄含有量を有しうる。
具体的な画分の数及び様々な画分中の粒子のサイズ分布は、本発明を実施する上で重要ではない。本明細書では、例として第1及び第2の画分を挙げて論じているが、必要に応じて、前記出発粒子状材料を、第1、第2、第3、及びそれ以降の任意の画分(any successive fractions)に分画することが可能である。画分の数及び画分内の粒子のサイズ分布は、前記出発材料、例えばスラグ、の量及び選択された分離技術の能力に基づいて設計及び計画されてよい。
酸化鉄の含有量に基づいて粒子状材料が分画されることを可能とする任意の適切な分画方法を用いることが可能である。分画は、1つの分画ステップを含んでも複数の分画ステップを含んでもよく、複数の分画ステップは、以下で述べるような、同一の分離技術若しくは異なる分離技術を用いることによって行われる。1つの実施形態によれば、分離された画分に対して、分画ステップと分画ステップとの間に微細化(comminution)を行うことが可能である。前処理ステップに関連して後述される任意の微細化方法を、分画ステップ間での微細化に用いてよい。
本発明の1つの実施形態によれば、前記出発粒子状材料は、磁気分離、密度分離、サイズ分離、静電分離、浮遊分離、渦電流分離、重力分離、及び気流分離、又はこれらの任意の組み合わせを用いることによって、好ましくは磁気分離を用いることによって、第1の画分と第2の画分とに分画されてもよい。例えば、密度分離を用いることによって、第1の画分と第2の画分とを分離することが可能である。一般に、酸化鉄に富む鉱物粒子は、酸化鉄含有量の低い鉱物粒子よりも重い。このため、従来の密度及び重力分離器を用いることによって、第1の画分と第2の画分とを分離することが可能である。あるいは、第1の画分と第2の画分とは、サイズ分離を用いることによって分離されてもよい。酸化鉄に富む鉱物粒子は、酸化鉄含有量の低い鉱物粒子よりも硬い。通常、酸化鉄に富む鉱物粒子は、微細化ステップが行われた場合には微細化ステップ後におけるサイズがより大きい粒子であり、このことは、第1及び第2の画分のサイズ分離又はサイズ分級のための良好な礎を与える。
好ましくは、前記出発粒子状材料の分画は、乾式分画として行われる。1つの実施形態によれば、前記出発粒子状材料は、サイズ分離及び/又は磁気分離を用いて分画されてもよい。磁気分離には、任意の適切な磁気分離技術を適用することができる。
本発明の1つの好ましい実施形態によれば、磁気分離を用いることによって、前記出発粒子状材料を第1の画分と第2の画分とに分画することが可能である。第1の画分中及び第2の画分中の鉄(II)及び鉄(III)含有量は、用いられる磁石の強さによって調整することができる。磁界強度を適切に選択することによって、Fe(II)及びFe(III)の酸化物を別々の画分に濃縮することができる。このようにして、第1の画分の特性をセメントキルンでのセメントクリンカの製造に適するように調整し、また、第2の画分の特性を、Cr(VI)還元のための活性剤としての使用に適するように調整することが可能である。
1つの好ましい実施形態によれば、前記出発粒子状材料、例えば粉砕スラグは、磁気分離を用いることによって、例えば弱磁気分離を用いることによって、分画されてもよい。例えば、参照により本明細書に取り込まれる欧州特許第3283225号に開示される、弱磁性粒子を分離するための装置を用いることが可能である。磁気分離は、酸化鉄を含む粒子を他の粒子から分離してそれらを第2の画分に濃縮する効果的なやり方を提供する。鉱物粒子は、その酸化鉄含有量に応じて異なる磁気特性を有するため、第1の画分及び第2の画分を少なくとも部分的に分離するために磁気分離を用いることが可能である。磁気分離に用いられる磁界強度は、必要とされる分画結果及び/又は用いられる粒子状材料に応じて選択されてもよい。1つの例によれば、酸化鉄に富む粒子の分離に用いられる弱磁石は、200~3000ガウスの磁界強度を有する。
本発明の1つの実施形態によれば、磁気分離に用いられる磁界強度によって、第1の画分と第2の画分との間での酸化鉄の分布を調整することが可能である。このことは、第2の画分の鉄(II)及び鉄(III)含有量、並びに第1の画分の鉄(II)及び鉄(III)含有量を、必要に応じて調整することができることを意味する。例えば、磁気分離に用いられる磁界強度は、粒子状材料の具体的な特性並びに/又は第1の画分及び第2の画分の望まれる鉄(II)及び鉄(III)組成に応じて調整されてもよい。
磁気分離ステップは、以下で述べる任意で行われる(optional)いずれかの分級ステップの前又は後に行われてもよい。磁気分離ステップの前に分級及び分離のステップが行われる場合、前記分級及び分離のステップから得られた画分(複数形)は、それぞれ個別の画分として前記磁気分離に供される-すなわち、異なるサイズ分布を有する前記得られた画分(複数形)は、その後の磁気分離ステップの前に混合されない。
本発明の1つの実施形態では、磁気分離は、2つ以上の段階で行われる。前記磁気分離の2つの段階は、弱磁石を用いた第1の磁気分離、及びそれに続く強磁石を用いた第2の磁気分離によって行うことができる。強磁気分離は、弱磁気分離の前に行われてもよい。2つの強磁気分離の組み合わせが適用されてもよい。強磁気分離は、希土類磁石、電磁石、又は他の種類の強磁石を用いて行われてもよい。例えば、第1の磁気分離の後、回収された画分のうちの1つを任意に(optionally)さらなる磁気分離段階に供して、酸化鉄の濃度及び状態(Fe(II)又はFe(III))において異なるFe(II)担持粒子含有画分とFe(III)担持粒子含有画分とを得る。このさらなる磁気分離段階は、欧州特許第3283225(B1)号に開示されている装置及び方法に従って、弱磁性粒子を分離するための装置及び方法を用いて行われてもよい。それら2つの鉱物画分を互いに完全に分離することはできないため、前記分離は通常は部分的なものである。
1つの実施形態によれば、前記粒子状材料は、磁気分離ステップに加えて又は磁気分離ステップの代わりに、非磁気分離ステップに供されてもよい。非磁気分離は、磁気分離の前又は後に行われてもよい。前記粒子状材料、例えば破砕スラグは、非磁性金属分離ステップに供されてもよい。非磁気分離法は、非磁性の重金属及び非磁性の軽金属を分離するために、渦電流分離、重力分離、及び気流分離を含むリストから選択されてよい。非磁性金属分離ステップは、分級ステップの前又は後に行われてよいが、ただし分離破砕の後である。非磁気分離ステップの前に分級及び分離のステップが行われる場合、得られた画分(複数形)は、個別の画分として前記非磁気分離に供される-すなわち、異なる粒子サイズを有する画分(複数形)は、その後の非磁気分離ステップの前に混合されない。
分画後において、粒子状材料の形態の第2の画分中の鉄(II)及び鉄(III)の量は、前記粒子状材料の総乾燥重量に対する計算でFe換算で15重量%以上、好ましくは20重量%以上、より好ましくは30重量%以上であってもよい。総酸化鉄含有量は、例えば、前記粒子状材料の総乾燥重量に対する計算でFe換算で15~50重量%、好ましくは20~45重量%、より好ましくは30~40重量%であってもよい。前記粒子状材料中の鉄(II)及び鉄(III)含有量は、前記粒子状材料がどの高温冶金プロセスに由来するかに応じて、及び任意に(optionally)、用いられる分画方法に応じて変動する。
前記粒子状材料がクロム(VI)をクロム(III)へと還元するための活性剤として用いられる場合、高い鉄(II)含有量は前記粒子状材料にとって有益である。分画は、前記粒子状材料中の酸化鉄(II)の完全な利益を得ることを可能とする。分画は、遊離石灰及び/又はペリクレース(MgO)などの不要物質の量を減少させながら、第2の画分中の酸化鉄(II)含有量を増加させるために用いることもできる。本発明の1つの実施形態によれば、前記粒子状材料、例えば分画後の第2の画分は、鉄(II)を、前記粒子状材料の乾燥重量に対するFeO換算で少なくとも5重量%、好ましくは10重量%、より好ましくは15重量%含んでもよい。前記粒子状材料は、鉄(II)を、例えば、前記粒子状材料の乾燥重量に対するFeO換算で5~10重量%、好ましくは10~15重量%、より好ましくは15~20重量%含んでもよい。
分画の後ではあるが、場合により行われる微細化(comminuting)より前に、前記粒子状材料をプロトン供与性化学活性化剤で、例えば液体又は固体の形態の有機酸で、処理することも可能である。
前記粒子状材料は、活性剤として用いられる場合、好ましくは、200μm以下、好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下、さらにより好ましくは30μm以下の粒子サイズDv90を有する。前記粒子状材料は、3~200μm、好ましくは3~100μm又は3~50μm、より好ましくは3~30μmの範囲内の粒子サイズDv90を有しうる。粒子サイズDv90は、重量基準で前記材料の90%が所定のサイズ未満であることを表す。このようにして、前記粒子状材料の粒子サイズは、セメントの微細さに合致し、例えば、最終セメント又はコンクリートに前記粒子状材料を直接添加することを可能とする。必要に応じて、前記粒子状材料、例えば磁気分画後の第2の画分は、微粉砕粒子を得るために、さらなる微粉砕又は微細化に供されてもよい。1つの実施形態では、前記微粉砕又は微細化のステップは、カルシウム、シリケート、鉄、及びアルミナを含有する回収された微細な非磁性鉱物が互いに分離されることを確実化するように行われる。粒子性材料(particular material)を所望される粒子サイズDv90まで微粉砕及び微細化するために、以下において前処理ステップとの組み合わせで記載されている全ての粉砕及び微細化の方法が、使用可能である。
前記粒子状材料は、クロム(VI)をクロム(III)へと還元するための活性剤として、セメントミックス、コンクリートミックス、又はその他類似材料に添加される。前記粒子状材料は、好ましくはそのまま、すなわち乾燥状態で添加される。前記粒子状材料は、セメントミルの前又は後にセメントミックスに添加されてもよい。このことは、前記粒子状材料が、セメントキルン後のセメント製造プロセスに導入されることを意味する。前記粒子状材料に存在する可能性のあるクロムは、酸化環境にさらされていないことから、Cr(III)の形態である。Cr(III)は、不溶性であり、使用に安全であり、そのため、前記粒子状材料は、セメント製造の補助材料としての使用に良く適している。前記粒子状材料は、したがって、セメント、コンクリート、又はその他類似材料の製造のためのCr(VI)還元剤として用いられる。
通常、クリンカ中に過剰のCr(VI)が見られる場合、Fe(II)、Sn(II)、又はSb(III)イオンと共での沈殿を介してそれを補正するために、硫酸第一鉄、硫酸スズ、又は酸化アンチモンが用いられる。前記粒子状材料中のFe(II)の量を増加させるために、分画、例えば磁気分離、が用いられる場合、前記粒子状材料は、セメント、コンクリート、又はその他類似材料のための活性な六価クロム還元剤として用いられるのに特に適している。酸化鉄(II)を含む粒子状材料がセメントキルンに供給される場合、鉄(II)は鉄(III)に酸化され、可溶性のCr(VI)を還元する能力を失うことになる。本発明では、酸化鉄(II)を前記粒子状材料中に濃縮することによってこれを回避することができ、前記粒子状材料は、セメントキルンをバイパスし、後の段階でセメントミックス、コンクリートミックス、又はその他類似材料に供給され、そこではCr(VI)還元剤として活性である。
前記粒子状材料は、61~67重量%のCaO、19~23重量%のSiO、2.5~6重量%のAl、2~5重量%のFe、及び1.5~4.5重量%のSOの一般組成を好ましくは有するポルトランドセメントの製造において、クロム(VI)をクロム(III)へと還元するための活性剤として特に適している。前記粒子状材料の添加前に、ポルトランドセメント用のセメントミックスは、25~60重量%のケイ酸三カルシウム、20~45重量%のケイ酸二カルシウム、5~12重量%のアルミン酸三カルシウム、6~15重量%のテトラカルシウムアルミノフェライト、及び2~10重量%のセッコウを含んでもよい。前記粒子状材料は、I型、II型、III型、IV型、又はV型の汎用セメントの製造に用いられてもよい。
1つの実施形態によれば、前記粒子状材料又は出発粒子状材料は、分画ステップの前に、又は前記粒子状材料がクロム(VI)還元のための活性剤として用いられる前に、1つ又は複数の前処理ステップで前処理されてもよい。1つの前処理ステップは、鉱物マトリックスから存在する可能性のある金属粒子を遊離させるために破砕及び/又は粉砕することによる、工業的高温冶金プロセスに由来する前記粒子状材料又は出発粒子状材料の微細化(comminuting)を含んでもよい。高温冶金プロセスに由来する前記材料は、通常、金属粒子が埋め込まれている可能性のある鉱物マトリックスを含む。例えば、ステンレス鋼スラグは、典型的には最大4~5重量%の金属ステンレス鋼を含有しえ、この金属ステンレス鋼は有価製品ではあるが、破砕スラグ中に残っている場合にはまた、微粉砕ステップのエネルギー消費量を増加させる。
このため、金属粒子、すなわちFe(0)は、クロム(VI)のクロム(III)への還元を妨げるものではないが、セメント中におけるその存在は、加工上の困難性を生じる可能性があり、一般には資源の無駄遣いと見なすべきものである。本文脈において、「金属粒子」なる表現は、一般に、遊離金属の粒子、例えばFe(0)の粒子、及び合金の粒子、例えば鋼鉄の粒子、を指す。クロム(VI)還元のための活性剤として用いられる場合には、前記粒子状材料は好ましくは低量の金属粒子を含む。前記粒子状材料は、5重量%以下、好ましくは3重量%以下、より好ましくは2重量%以下、さらにより好ましくは1重量%以下、又は0.5重量%以下の金属粒子、すなわちFe(0)、を含んでもよい。前記粒子状材料は、0~5重量%、典型的には0.1~3重量%、より典型的には0.5~2重量%の金属粒子、すなわちFe(0)、を含んでもよい。時には、前記粒子状材料は、0.1~1重量%の金属粒子、すなわちFe(0)、を含んでもよい。
前処理ステップにおける微細化(comminution)は、鉱物マトリックス材料から金属粒子を遊離させるのに適する任意の方法を用いて行われてよく、該方法としては、ミリング、粉砕、垂直若しくは水平シャフトインパクトクラッシャやローター遠心クラッシャの使用、又はこれらの任意の組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない。好ましくは、微細化は、乾式微細化として行われる。例えば、微細化は、インパクトクラッシャ、高エネルギーインパクトクラッシャ、ジョークラッシャ、コーンクラッシャ、ハンマークラッシャ、ロールクラッシャ、ボールミル、ロッドミル、又はこれらの任意の組み合わせを用いて行われてもよい。1つの好ましい微細化方法は高エネルギーインパクト破砕であり、この方法においては、破砕される材料は高速に加速されて、移動するカウンター要素に対して放られ、そこで前記材料は粒子へと破壊されて、鉱物マトリックスから金属粒子を遊離する。高エネルギーインパクト破砕は、高温冶金プロセスに由来する前記材料を、鉱物粒子-すなわち前記粒子状材料-と、金属粒子とをさらに互いに分離することができる状態にする。
例えば、製鋼スラグをまず前処理ステップで分離破砕に供して、破砕製鋼スラグを得てもよいが、ここでは、金属粒子及び酸化物が硬質鉱物マトリックスから少なくとも部分的に遊離し、このプロセスはそれらの濃縮を可能とし、該濃縮は、例えば、磁気分離又は他の適切な分離を用いる。本開示において、「分離破砕」なる用語は、スラグが破砕される、すなわち固体材料のより小さい粒子サイズを与える、方法を意味し、前記破砕は、前記スラグ中の金属粒子と鉱物とを互いに分離する方法で行われる。分離された鉱物、すなわち粒子状材料又は出発粒子状材料は化合物の形態の金属、例えばケイ酸カルシウム、カルシウムフェライト、及びブラウンミラライトとしての金属、を含有しうる。クラッシャとしては、ジョークラッシャ、コーンクラッシャ、ハンマークラッシャ、インパクトクラッシャ、ロールクラッシャなどを用いることができ、ボールミル又はロッドミルなどのクラッシャが用いられてもよい。物理的には、分離破砕とは、金属鋼鉄粒子と鉱物との間での介在物(亀裂)を破壊する分離力を発生させることができる任意の方法を意味する。分離破砕法の1つの例は、公開特許の特許公開FI128329に係る高インパクト乾式破砕である。
1つの実施形態では、微細化又は分離破砕は、乾式破砕法で行われてもよい。この場合、乾式破砕とは、破砕前にスラグに水又は他の液体を本質的に添加しないことを意味する。従来、ステンレス鋼などの金属粒子は、金属粒子を破砕する前にスラグに水その他の液体を添加する必要がある湿式粉砕によってスラグから分離される。湿式粉砕の結果、残ったスラグは湿潤スラリーとなり、それはリサイクルすることができない。乾式破砕法は、湿潤スラリーの形成を防止し、セメント、コンクリート、又はその他類似材料の製造のための活性剤を提供するための粒子状材料又は出発粒子状材料としての鉱物画分の使用を可能とする。高インパクト乾式破砕などの乾式破砕法を用いることが好ましいが、スラグは、鋼鉄及び/又はステンレス鋼の製造、さらには前記スラグの前処理に応じて一定量の水分を含有することもできる。1つの実施形態では、乾式破砕に供されるスラグは、2重量%~15重量%、好ましくは3重量%~8重量%の水分含有量を有する。
微細化又は分離破砕は、1段階で又は2以上の段階で行うことができる。例えば、製鋼スラグの微細化又は分離破砕は、2段階で行われ、そのうちの第1の乾式破砕段階は、より粗大粒子を与え、該粒子は第2の乾式破砕段階に供され、第2の乾式破砕段階は、分離された、より微細な粒子サイズを与える。微細化又は分離破砕は、さらに3段階以上で行われてもよく、その場合、後続の各破砕段階は、その前の破砕段階と比較して、より微細な粒子を与える。ミリングは、2段階以上で行うことができ、その各段階は、さらに1つ又は複数の個別的な破砕サブステップを構成してもよい。
さらに、前処理ステップでは、工業的高温冶金プロセスに由来する前記粒子状材料又は出発粒子状材料は、10mm以下、好ましくは3mm以下又は2mm以下、より好ましくは1.5mm以下の粒子サイズDv50に微細化されてもよい。粒子サイズDv50は、0.1~10mm、好ましくは0.2~2mm、好ましくは0.3~1.5mm、場合によっては0.5~1mmの範囲内であってもよい。粒子サイズDv50は、重量基準で前記材料の50%が所定のサイズ未満であることを示す。粒子サイズは、本開示で用いられる場合、規格ISO 13320:2020及びISO 9276-2:2014に従って測定される。前記粒子状材料の粒子サイズは、前記材料の組成及び/又は分画に用いられる分離方法に応じて調整されてもよい。前記出発粒子状材料が規定の粒子サイズを有する場合、分画において効果的な分離を実現することができる。特に、高温冶金プロセスに由来する前記材料が、埋め込まれた又はトラップさられた金属粒子を含む可能性がある場合、それに続くプロセスステップにおいてセメントミル粉砕装置を損傷することを回避するために、前記粒子状材料は、好ましくは1.5mm以下又は1.3mm以下の粒子サイズを有してもよい。
前記粒子状材料又は出発粒子状材料を得るための工業的高温冶金プロセスに由来する材料に対するある別の前処理ステップは、サイズ分級及び/又は金属粒子の分離をさらに含んでもよい。金属粒子の分離は、好ましくは磁気分離及び/又は篩がけを用いて行われてもよい。前記分離及び/又はサイズ分級前処理ステップは、上記で述べた微細化前処理ステップの前若しくは後のいずれかで行われてもよく、又は微細化前処理ステップの前及び後の両方で行われてもよい。1つの実施形態によれば、前記微細化の後、前記前処理ステップは、好ましくは磁気分離及び/又はサイズ分級を用いて、微細化された粒子状材料から金属粒子を分離することを含む。微細化前処理の前に前記サイズ分級前処理が行われる場合、1mm未満の粒子サイズDv50を有し、また、XRFによって測定した酸化カルシウム換算の量として表した場合に50重量%までの、典型的には10~40重量%の、全カルシウムを含む微細画分を得ることが可能である。本文脈において、「カルシウム」なる表現は、他に特段の断りのない限り、酸化物、水酸化物、シリケート、フェライト、アルミネート、又は微量の炭酸塩の形態のカルシウム化合物の総含有量を指し、カルシウムの全ての化学化合物を包含する。したがって、全カルシウムは、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、酸化カルシウムなどを含め、存在する全てのカルシウム化合物を含む。
例えば、分離破砕ステップで破砕された製鋼スラグは、粒子のサイズに基づいて分級される。破砕スラグ粒子の分級は、形成された粒子を篩がけする又はスクリーニングする任意の適切な方法を用いて行われてもよい。粒子サイズに基づく分級又は分離は、粒子サイズの異なる少なくとも2つの画分を得るために行うことができる。前記2つの画分は、小画分及び中画分として特徴づけることができる。1つの実施形態では、大画分が分離され、そしてこれを乾式破砕段階に戻して再利用することができる。
前処理ステップの後、分離された金属粒子を、高温冶金プロセス、例えば鋼鉄製造、にまた戻す又は再利用してもよい。例えば、塩基性酸素転炉又は電気アーク炉に由来する材料、すなわちスラグが、2mm以下又は1.5mm以下の粒子サイズDv50となるよう微細化される場合、金属粒子の大部分は、1.5mm以上の粒子サイズを有する大きい粒子の形態であり、すなわちそれらは、1.5mmの開口を有するスクリーン又はふるいを用いてスクリーニング又は篩がけすることによって分離することができる。スクリーン又はふるいを通過した粒子サイズの小さい金属粒子、例えば粒子サイズ1.3mm以下の金属粒子は、速やかに酸化されて酸化鉄となる。これに代えて又はこれに加えて、金属粒子は、適切な磁界を有する既知の(known as such)磁気分離器を用いて分離することもできる。
任意で行われる(optional)前処理ステップの後かつ任意で行われる(optional)分画の前において、前記粒子状材料の粒子のサイズ分布は、前記粒子状材料又は出発粒子状材料中の鉱物マトリックス内に、粒子サイズ1.5mm以上を有する大きい金属粒子がトラップされない又は埋め込まれないような粒子サイズ分布であることが好ましい。
前記出発粒子状材料の分画から得られる第1の画分は、クロム(VI)をクロム(III)へ還元するために用いられる粒子状材料を形成する第2の画分と比較して、通常は低い鉄(II)及び鉄(III)の含有量を有する。第1の画分の少なくとも一部は、セメントキルン中でセメントクリンカを製造するためのフィード材料の一部を形成するために用いることができる。このことは、第1の画分が、セメントクリンカ製造のための従来のフィード材料を置き換える又は補完するために用いられることを意味する。この文脈において、「セメントクリンカを製造するためのフィード材料」なる表現は、セメントクリンカを製造するために用いられ、キルンに導入される全ての材料及び材料の組み合わせ又は混合物を包含する。本発明は、第1及び第2の画分をセメント製造プロセスの異なるステップで個別に用いることを目的として、前記出発粒子状材料から第1及び第2の画分を分離及び濃縮することを可能にする。高温冶金プロセスからの特定の材料を処理及び使用するこのやり方は、前記材料のCr(VI)還元能力に加えて、COニュートラル性から利益を得ることも可能にする。ここで驚くべきことに、工業的高温冶金プロセスに由来する出発粒子状材料を、酸化鉄含有量が相対的に低い第1の画分と酸化鉄含有量が相対的に高い第2の画分とに分画することによって、工業的高温冶金プロセスに由来する材料のより多い量を、セメントキルンのフィード材料として用いることが可能であることが見出された。こうすることで、セメントキルン内の酸化鉄によって引き起こされる問題を回避することができる。本発明は、工業的高温冶金プロセス、特に塩基性酸素転炉及び電気アーク炉から得られる材料を、セメント製造に有効に用いることを可能とする。これは、未か焼の、すなわちセメントキルン内でCOを排出する、天然源由来のバージン材料、例えば石灰石、の必要性を低減することから、有益である。同時に、CO放出による損失が低減されることから、キルンフィード材料1トン当たりの生産量を増加させることができ、そして、か焼ステップが部分的に無くされることから、クリンカ製造プロセスのエネルギー消費量を減少させることが可能である。また、セメントキルン内で必要とされる火炎温度がより低いため、より低いNOx排出量を得ることも可能である。特に、工業的高温冶金プロセスからの材料が酸化カルシウムを含む場合、セメントクリンカ製造の総CO排出量を大幅に減少させることが可能である。言い換えると、本発明の1つの実施形態によれば、第1の画分の少なくとも一部は、当該少なくとも一部がクリンカを形成する化学反応に関与するように、セメントクリンカの製造プロセスに導入される。第1の画分は、そのままで、又は他の原材料と組み合わせて、キルンに導入されてもよい。第1の画分は、フィードの唯一の原材料として用いられてよく、又はそれは、他の原材料と共にフィードの一部として用いられてもよい。石灰石、セッコウ、クレイ、頁岩、砂、鉄鉱石、ボーキサイト、フライアッシュ、高炉(BF)スラグを含むリストから選択される1つ又は複数の追加の原料を、セメントキルンフィードに添加することもできる。したがって、本発明は、セメントキルンでのセメントクリンカ製造のための材料を製造する、費用対効果が高く効率的な方法を提供することさえできる。
前記出発粒子状材料の分画は、第1の画分と第2の画分との間での酸化鉄含有量の調整を可能とする、すなわち、本方法は、前記粒子状材料を第1の画分と第2の画分とに分画すること、並びに第1の画分及び第2の画分の酸化鉄含有量を調整することを含んでもよい。好ましくは、同時に、第1の画分の、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、及び/又は酸化カルシウムの含有量などのカルシウム含有量は、分画前の前記出発粒子状材料の初期カルシウム含有量と比較して増加させられる。このようにして、所望される最終用途に適合するように、第1の画分及び第2の画分の酸化鉄及び/又はカルシウムの含有量を調整することが可能である。セメントキルンでのセメントクリンカ製造用と意図された第1の画分は、低い酸化鉄含有量及び高いカルシウム含有量を有してよく、及びセメント又はコンクリート製造における活性剤として用いられるべき第2の画分は、高い酸化鉄含有量を有してよい。本発明の1つの実施形態によれば、第1の画分は、乾燥重量に対する計算で、分画前の前記出発粒子状材料の初期酸化鉄含有量よりも、少なくとも5重量%低い、好ましくは少なくとも15重量%低い、より好ましくは少なくとも20重量%低い総酸化鉄含有量を有してもよい。加えて、第1の画分は、分画前の前記出発粒子状材料の初期カルシウム含有量よりも、少なくとも3重量%高い、好ましくは少なくとも5重量%高い、より好ましくは少なくとも7重量%高い、場合によっては少なくとも10重量%高いカルシウム含有量を有してもよい。
したがって、分画後の第1の画分は、第2の画分よりも低い酸化鉄、すなわち鉄(II)及び鉄(III)の含有量、を有する。このように、分画は、好ましくは、酸化カルシウム及び/又はケイ酸カルシウムなどのカルシウムに富むが、酸化鉄は少ない第1の画分を生み出す。第1の画分、すなわち回収された微細な非磁性粒子は、主にCaO及びSiOを含有し、これは、セメント製造のための優れた出発材料である。セメント原材料は、1500℃まで段階的に加熱される回転セメントキルンに投入される。このプロセスの過程において、前記原材料は、典型的なセメント化合物、例えば、ケイ酸二カルシウム(2CaO・SiO)及びケイ酸三カルシウム(3CaO・SiO)、アルミン酸三カルシウム(3CaO・Al)、及びテトラカルシウム-アルミノフェライト(4CaO・Al・Fe)、に変換される。前記粒子状材料は、好ましくは、酸化カルシウム及び/又はケイ酸カルシウムなどのカルシウムを含み、初期カルシウム含有量を有する。第1の画分は、例えば、エーライト(alite)、ビーライト(belite)、メルウィナイト、ゲーレナイト、ペリクレース、マイエナイト、ドロマイト、及び/又はカルサイトの粒子を含んでもよい。カルシウムの存在は、第1の画分を、セメントクリンカ製造のためのフィード材料として特に適切なものとする。高いか焼済み材料含有量は、石灰石などのバージン材料をセメントキルンのためのフィード材料として用いる必要性を低減し、クリンカ製造プロセスの総CO排出量を効果的に減少させる。さらに、第1の画分は、分画、例えば磁気分離、のために、Fe、Cr、Vなどの金属を減少した含有量で含む。このことは、微粉砕に必要なエネルギーがより小さくなることから、有益である。より重要なこととして、これらの金属、特にCr及びVが、セメントキルンで求められていないということのために、前記減少した含有量は有益である。
本発明で用いられる出発粒子状材料は、多くの場合クロムを含み、すなわち、分画前の前記出発粒子状材料は、初期クロム含有量を有する。前記粒子状材料中に存在するクロムは、通常、酸化鉄を伴っていることが観察されている。このことは、前記粒子状材料が、前記粒子の酸化鉄含有量に応じて第1の画分と第2の画分とに分画された場合、クロムの少なくとも一部は、酸化鉄と共に第2の画分に移行することを意味する。このことは、第1の画分中のクロム含有量が減少し、それによってセメントクリンカの製造プロセスにおいてより少ないクロムがセメントキルンに導入され、有害なCr(VI)の形成が大きく低減されることを意味する。本発明の1つの実施形態によれば、第1の画分は、乾燥重量に対する計算でCr換算で、分画前の前記出発粒子状材料の初期酸化クロム含有量よりも、少なくとも15重量%低い、好ましくは少なくとも20重量%低い、より好ましくは少なくとも25重量%低いクロム含有量を有してもよい。
分画後の第1の画分中の総クロム含有量は、第1の画分の乾燥重量に対する計算でCr換算で0.5重量%以下、好ましくは0.3重量%以下、より好ましくは0.1重量%以下であってもよい。総クロム含有量は、例えば、第1の画分の乾燥重量に対する計算でCr換算で0.05~0.5重量%であってもよい。Cr換算の総クロム含有量は、クロムの全ての酸化状態を包含する。クロム含有量は、用いられる出発粒子状材料に応じて様々に変動する。例えば、誘導炉及び電気アーク炉は、クロムの少なくとも一部が鋼鉄及び酸化鉄に結合しているリサイクル材料からの鋼鉄の製造にしばしば用いられる。
第1の画分は、分画ステップの後、200μm以下、好ましくは100μm以下の粒子サイズDv90に微細化されてもよい。第1の画分は、好ましくは、0.01~200μm、好ましくは0.1~100μmの範囲内の粒子サイズDv90に微細化されてもよい。このようにして、第1の画分の粒子サイズは、好ましくは、セメントキルンに供給され、セメントクリンカの製造に用いられる他のフィード材料と合致する。
上記で述べた本発明及びその様々な実施形態の一般的な有益性は以下の通りである:有価製品での製鋼スラグの使用、か焼済みスラグの使用によるキルンでのエネルギー消費の低減、天然原材料と比較してスラグ中のCOが少ないことによるスタック排出量の削減、及び六価クロムなどの有害成分の減少によるセメントの安全性の向上。したがって、本発明は、さらに、工業的高温冶金プロセスに由来する粒子状材料を、セメント製造プロセスのための新規なフィード材料として使用することさえ可能としうる。本方法は、セメントクリンカ製造において天然資源の使用を飛躍的に減少させる又は完全に無くしさえする可能性を提供しうること、及びセメントクリンカのためのCOフリーの製造プロセスを提供しうることが想定される。
本発明のいくつかの実施形態を、以下の番号付けされた段落に記載する。
1.セメント製造のための材料を製造する方法であって、前記方法は、
・ある含有量の酸化鉄を含み、そして好ましくはカルシウムを含み、かつ工業的高温冶金プロセスに由来する粒子状材料を得ること、
・前記粒子状材料を第1の画分と第2の画分とに分画することであって、前記第1の画分は前記第2の画分よりも低い酸化鉄含有量を有する、分画すること、
を含み、
前記第1の画分の少なくとも一部は、セメントキルン中でセメントクリンカを製造するためのフィード材料の一部を形成するために用いられ、及び/又は
前記第2の画分の少なくとも一部は、セメント製造のための補助材料として用いられる、方法。
2.前記粒子状材料が、磁気分離、密度分離、サイズ分離、静電分離、浮遊(flotation)、又はこれらの任意の組み合わせを用いることによって、前記第1の画分と前記第2の画分とに分画されることを特徴とする、段落1に記載の方法。
3.前記粒子状材料が、磁気分離を用いることによって分画されることを特徴とする、段落2に記載の方法。
4.前記第1の画分が、分画前の前記粒子状材料中の酸化鉄の含有量よりも、少なくとも5重量%少ない、好ましくは少なくとも15重量%少ない、より好ましくは20重量%少ない酸化鉄の含有量を有することを特徴とする、段落1、段落2、又は段落3のいずれか1つに記載の方法。
5.前記第2の画分が、分画前の前記粒子状材料中の酸化鉄の含有量よりも、少なくとも5重量%多い、好ましくは少なくとも15重量%多い、より好ましくは20重量%多い酸化鉄の含有量を有することを特徴とする、先行する段落1~段落4のいずれか1つに記載の方法。
6.前記第2の画分が、酸化鉄(II)を含むことを特徴とする、先行する段落1~段落5のいずれか1つに記載の方法。
7.前記粒子状材料が、10mm未満、好ましくは2mm未満、より好ましくは1.5mm未満の粒子サイズDv50を有することを特徴とする、先行する段落1~段落6のいずれか1つに記載の方法。
8.分画の前に、前記工業的高温冶金プロセスからの材料を10mm以下、好ましくは2mm未満、より好ましくは1.5mm未満の粒子サイズDv50を有する前記粒子状材料に微細化する前処理ステップを含むことを特徴とする、先行する段落1~段落7のいずれか1つに記載の方法。
9.前記微細化は、インパクトクラッシャ、高エネルギーインパクトクラッシャ、ジョークラッシャ、コーンクラッシャ、ハンマークラッシャ、ロールクラッシャ、ボールミル、ロッドミル、又はこれらの任意の組み合わせを用いて行われることを特徴とする、段落8に記載の方法。
10.前記前処理ステップが、前記微細化粒子状材料から金属粒子を分離することを含む、好ましくは磁気分離及び/又はサイズ分級を用いて前記微細化された粒子状材料から金属粒子を分離することを含む、ことを特徴とする、段落8又は段落9に記載の方法。
11.前記工業的高温冶金プロセスに由来する粒子状材料が、鉄(ferrous)スラグ、鉄(ferrous)合金スラグ、卑金属スラグ、高温冶金尾鉱、又はこれらの任意の組み合わせから選択されることを特徴とする、先行する段落1~段落10のいずれか1つに記載の方法。
12.前記粒子状材料が、塩基性酸素転炉スラグ、電気アーク炉スラグ、取鍋炉スラグ、リンツ-ドナウヴィッツスラグ(LDスラグ)、平炉スラグ、高炉スラグ、脱硫スラグ、又はこれらの任意の組み合わせから選択されることを特徴とする、段落11に記載の方法。
13.酸、好ましくは有機酸が、前記第2の画分と混合されることを特徴とする、先行する段落1~段落11のいずれか1つに記載の方法。
14.前記有機酸が、シュウ酸、酢酸、ギ酸、クエン酸、酒石酸、又はこれらの任意の組み合わせから選択されること、好ましくはシュウ酸であることを特徴とする、段落12に記載の方法。
15.前記第1の画分が、前記分画ステップ後に、200μm以下の、好ましくは0.01~200μmの範囲内の粒子サイズDv90に微細化され、及び/又は前記第2の画分が、前記分画ステップ後に、30μm以下の、好ましくは3~30μmの範囲内の粒子サイズDv90に微細化されることを特徴とする、先行する段落1~段落12のいずれか1つに記載の方法。
本発明のある実施形態は、
・高温冶金プロセスに由来する粒子状材料を含む第1の画分を得ること、
・高温冶金プロセスに由来する粒子状材料を含む第2の画分を得ること、
を含み、前記第1の画分は、前記第2の画分よりも低い酸化鉄含有量を有し、そして、前記第1の画分は、セメントクリンカの製造においてセメントキルンに供給されるフィード材料の一部を形成し、
前記第2の画分は、前記セメントキルン後のセメントミックスに補助材料として添加される、
セメントを製造する方法に関する。
本発明のさらなる実施形態を、以下の段落で記載する:
実施形態1は、
(a)製鋼スラグを提供すること、
(b)前記製鋼スラグを分離破砕に供して、破砕された製鋼スラグを得ること、
(c)前記破砕された製鋼スラグを、少なくとも1つの磁気分離ステップに供して磁性粒子を非磁性粒子から分離し、そして前記磁性粒子及び非磁性粒子を回収すること、
(d)前記回収された非磁性粒子を、Fe2+担持粒子を、Fe3+含有粒子から少なくとも部分的に分離して、それぞれFe2+含有粒子画分及びFe3+含有粒子画分とする、少なくとも1つの分離ステップに供すること、
(e)任意に(optionally)、前記Fe2+担持画分及び/又は前記Fe3+担持鉱物画分粒子を、それぞれ微粉砕に供して、それぞれ前記Fe2+担持画分及び/又は前記Fe3+担持鉱物画分の微粉砕粒子を得ること、
を含む、製鋼スラグを品質向上(upgrade)する方法に関する。
実施形態2は、ステップ(d)の前に、0~3mmの、好ましくは1.5~2.5mmのサイズの粒子を含む少なくとも1つの微粒子画分を得るために、1つ又は複数の分級ステップ、及びそれに続いての1つ又は複数の分離ステップをさらに含む、実施形態1に記載の方法に関する。
実施形態3は、前記分離破砕方法が、高インパクト乾式破砕である、実施形態1又は実施形態2に記載の方法に関する。
実施形態4は、前記微粉砕粒子が、3μm~200μmの粒子サイズを有する、実施形態1~実施形態3のいずれか1つに記載の方法に関する。
実施形態5は、ステップ(c)における少なくとも1つの磁気分離ステップにおいて、強磁石が用いられる、実施形態1~実施形態4のいずれか1つに記載の方法に関する。
実施形態6は、ステップ(c)における少なくとも1つの磁気分離ステップにおいて、弱磁石が用いられる、実施形態1~実施形態5のいずれか1つに記載の方法に関する。
実施形態7は、前記2つの異なるグレードを濃縮するために、ステップ(d)における少なくとも1つの磁気分離ステップにおいて特定の磁石が用いられる、実施形態1~実施形態6のいずれか1つに記載の方法に関する。
実施形態8は、前記製鋼スラグが、ステンレス鋼スラグ、炭素鋼スラグ、塩基性酸素転炉(BOF)スラグ、電気アーク炉(EAF)スラグ、取鍋炉(LF)スラグ、脱硫スラグ、又はこれらの任意の組み合わせである、実施形態1~実施形態7のいずれか1つに記載の方法に関する。
実施形態9は、重い非磁性体と軽い非磁性体とを分離するための1つ又は複数の追加の非磁性金属分離ステップを含み、前記非磁気分離方法は、渦電流分離、重力分離、及び気流分離から選択される、実施形態1~実施形態8のいずれか1つに記載の方法に関する。
実施形態10は、磁気分離直後又はさらなる微粉砕ステップ(d)後の前記回収された非磁性粒子を、セメントキルンにおけるセメントクリンカを製造するためのフィード又はフィードの一部として、直接キルンに又はクリンカ製造の後段階で用いることをさらに含む、実施形態1~実施形態9のいずれか1つに記載の方法に関する。
実施形態11は、石灰石、セッコウ、クレイ、頁岩、鉄鉱石、ボーキサイト、フライアッシュ、BFスラグを含むリストから1つ又は複数の追加の原料が選択される、実施形態10に記載の方法に関する。
実施形態12は、前記フィードの鉄含有量が、前記フィードに製鋼スラグを添加することによって調整される、実施形態9又は実施形態10に記載の方法に関する。
実施形態13は、さらに、特定の濃縮(d)の直後の又はさらなる微粉砕ステップ(e)の後の前記回収された非磁性粒子を、セメント用六価クロム還元剤として用いることを含む、実施形態1~実施形態12のいずれか1つに記載の方法に関する。
実施形態14は、実施形態1~実施形態13のいずれか1つに記載の方法によって得ることができる、セメント中の六価クロム還元のための剤に関する。
実施形態15は、実施形態14に記載の六価クロム還元のための剤を含む、コンクリートを作製するための乾燥コンクリートプレミックスに関する。
実施形態16は、実施形態14に記載の六価クロム還元のための剤を含むセメントに関する。
実施形態は、以下の模式的図面に示される。
図1は、本発明の1つの実施形態を示す。工業的高温冶金プロセス1に、例えば製鉄所の塩基性酸素転炉に由来する材料は、微細化ステップ2及び分離ステップ3を含む前処理に供される。微細化された材料は、微細化ステップ2から分離ステップ3へと移送される。分離ステップ3において、分離は、粒子サイズに基づいていてもよく、例えば、篩がけ又はスクリーニングによって実施することができる。分離ステップ3では、鉄の酸化物を含み、2mm未満、好ましくは1.5mm未満の粒子サイズDv50を有する粒子状材料4から、粗大粒子が分離される。粗大粒子、例えば2.5mm超又は3mm超の粒子サイズDv50を有する粗大粒子は、分配(partitioning)ステップ9に移送され、そこで、金属粒子10が凝集材料11から分離される。金属粒子10は、高温冶金プロセス1に戻すこともでき、凝集材料11は、微細化ステップ2に戻すこともできる。
鉄の酸化物を含み、2mm未満の粒子サイズDv50を有する粒子状材料4は、分画ステップ5に移送され、そこで、前記粒子状材料は、第1の画分と第2の画分とに分割される。第1の画分は、第2の画分よりも低い酸化鉄含有量を有する。第1の画分の少なくとも一部は、セメントキルン6中でセメントクリンカ8を製造するためのフィード材料の一部を形成するために用いられる。第2の画分の少なくとも一部は、セメントを製造するための補助材料として用いることができ、セメントキルン6の後にセメントクリンカ8に添加することができる。第2の画分が補助材料として用いられる前に、ステップ7において、第2の画分に有機酸を添加することも可能である。
本開示に記載した方法、特に図1に5、6、7、及び8として示される特徴は、第1の画分中において、酸化鉄の含有量を著しく減少させ、かつCaO含有量を増加させ、それによって、セメントクリンカの製造におけるその使用可能性を向上させることが示された。
<実験>
本発明の実施形態を、以下の非限定的な例において記載する。
実施例1:画分を分離することの効果
欧州の製鉄所に由来する製鋼スラグを、前記製鋼スラグを破砕する前処理に供した。金属粒子及び凝集体を、1mm未満の粒子サイズDv50を有する粒子状材料から分離し、これをここでは脱金属スラグと称する。前記脱金属スラグを、第1の画分及び第2の画分へと磁気的に分画した。表1は、蛍光X線(XRF)分析機を用いて分析した、分画前の前記粒子状材料の内容物及び第1の画分の内容物を示す。全ての値は重量%として表される。
表1から分かるように、第1の画分中の酸化鉄含有量は、分画前の前記粒子状材料と比較して20%減少している。さらに、第1の画分中のカルシウム含有量は、11.5%増加し、そしてクロム含有量の29%減少も生じていることも分かる。この実施例は、第1の画分の内容物を、セメントキルン中でセメントクリンカを製造するためのフィード材料の一部を形成するために改変可能であることを示す。

表1

強熱減量
**全ての鉄をFeとして表す。
実施例2
クロム(VI)をクロム(III)へと還元する製鋼スラグの能力を試験した。
3つの異なる製鋼スラグを、クリンカとセッコウを含むポルトランドセメントと混合した。蛍光X線(XRF)分析機を用いて分析したスラグの組成を表2に示す。全ての値は重量%として表される。
いくつかのサンプルでは、プロトン供与性化学活性化剤としてシュウ酸を用い、これを、製鋼スラグと一緒にセメントサンプルに添加した。クロム(VI)の量は、混合後(初期量)、さらには3か月後及び6か月後に測定した。クロム(VI)は、試験法DIN EN 196-10:2016を用いて測定した。サンプルの組成及び結果を表3に示す。

表2 実施例2及び実施例3で用いた製鋼スラグの組成

強熱減量
**全ての鉄をFeとして表す。

表3 実施例2のサンプルの組成及び結果
表3の結果から、製鋼スラグの使用は、クロム(VI)のクロム(III)への還元によってセメントサンプルにおけるクロム(VI)含有量の初期低下を与えることができることが分かる。前記製鋼スラグがプロトン供与性化学活性化剤と組み合わせて用いられる場合に、得られる効果が強化されることが分かる。得られる効果は、6か月間の保存中に大きく減弱することはない。
実施例3
クロム(VI)をクロム(III)へと還元する製鋼スラグの能力を試験した。
表2に示す組成の製鋼スラグ4を、クリンカとセッコウを含むポルトランドセメントと混合した。シュウ酸及びクエン酸という2種類のプロトン供与性化学活性化剤を試験した。プロトン供与性化学活性化剤を、製鋼スラグと一緒にポルトランドセメントに添加した。
製鋼スラグ及びプロトン供与性化学活性化剤を添加した後、セメントサンプルのクロム(VI)の量を測定した。クロム(VI)は、試験法DIN EN 196-10:2016を用いて測定した。
サンプルの組成及び結果を表4に示す。

表4 実施例3のサンプルの組成及び結果

セメント総量に対する値
表4から、前記製鋼スラグがプロトン供与性化学活性化剤と組み合わせて用いられた場合に、前記製鋼スラグの還元効果が増大したことが分かる。
現時点において最も実用的かつ好ましい実施形態であると思われるものを参照して本発明を記載したとはいえ、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明は、添付の請求項の範囲内で、様々な改変及び等価な技術解決法も包含することを意図していることが理解される。

Claims (16)

  1. セメント、コンクリート、又はその他類似材料の製造においてクロム(VI)をクロム(III)へと還元するための活性剤としての粒子状材料の使用であって、前記粒子状材料は、工業的高温冶金プロセスに、好ましくは製鋼プロセスに、由来し、前記粒子状材料の乾燥重量に対する計算でFe換算で少なくとも10重量%の鉄(II)及び/又は鉄(III)、並びに好ましくは5重量%以下、より好ましくは3重量%以下、のFe(0)を含む、前記使用。
  2. 前記粒子状材料が、好ましくは酸の形態であるプロトン供与性化学活性化剤と組み合わせて用いられることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
  3. 前記プロトン供与性化学活性化剤が、有機酸又はその塩であり、好ましくは、シュウ酸、酢酸、ギ酸、クエン酸、酒石酸、これらの塩、又はこれらの任意の組み合わせを含む群から選択されることを特徴とする、請求項2に記載の使用。
  4. 前記粒子状材料が、前記粒子状材料の総重量に対する計算で0.1~50重量%の前記化学活性化剤と組み合わせて用いられることを特徴とする、請求項2又は請求項3に記載の使用。
  5. 前記粒子状材料が、前記粒子状材料の乾燥重量に対する計算でFe換算で15重量%以上、好ましくは20重量%以上、より好ましくは30重量%以上の量の鉄(II)及び/又は鉄(III)を含むことを特徴とする、先行する請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の使用。
  6. 前記粒子状材料が、前記粒子状材料の乾燥重量からFeOとして計算される、少なくとも5重量%、好ましくは10重量%、より好ましくは15重量%の鉄(II)を含むことを特徴とする、先行する請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の使用。
  7. 前記粒子状材料が、3~200μm、好ましくは3~100μm、より好ましくは3~30μmの範囲内の粒子サイズDv90を有することを特徴とする、先行する請求項1~請求項6のいずれか一項に記載の使用。
  8. 前記工業的高温冶金プロセスに由来する粒子状材料が、鉄(ferrous)スラグ、鉄合金(ferroalloy)スラグ、卑金属スラグ、高温冶金尾鉱、又はこれらの任意の組み合わせから選択されることを特徴とする、先行する請求項1~請求項7のいずれか一項に記載の使用。
  9. 前記粒子状材料が、塩基性酸素転炉スラグ、電気アーク炉スラグ、取鍋炉スラグ、リンツ-ドナウヴィッツスラグ(LDスラグ)、平炉スラグ、高炉スラグ、脱硫スラグ、又はこれらの任意の組み合わせから選択される製鋼スラグであることを特徴とする、先行する請求項1~請求項8のいずれか一項に記載の使用。
  10. セメント、コンクリート、又はその他類似材料の製造においてクロム(VI)をクロム(III)へと還元する方法であって、
    ・工業的高温冶金プロセスに、好ましくは製鋼プロセスに、由来する粒子状材料を得ること、ここで、前記粒子状材料は、前記粒子状材料の乾燥重量に対する計算でFe換算で少なくとも10重量%の鉄(II)及び/又は鉄(III)、並びに好ましくは5重量%以下、より好ましくは3重量%以下のFe(0)を含む、並びに
    ・クロム(VI)をクロム(III)へと還元するために、セメントミックス、コンクリートミックス、又はその他類似材料に活性剤として前記粒子状材料を添加すること、
    を含む、方法。
  11. プロトン供与性化学活性化剤が、前記粒子状材料と接触させられることを特徴とする、請求項13に記載の方法。
  12. 前記プロトン供与性化学活性化剤が、前記セメントミックス、コンクリートミックス、又はその他類似材料への前記粒子状材料の添加前に、前記粒子状材料と混合されることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
  13. 前記プロトン供与性化学活性化剤が、前記粒子状材料とは別々に、前記セメントミックス、コンクリートミックス、又はその他類似材料に添加されることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
  14. セメント、コンクリート、又はその他類似材料の製造においてクロム(VI)をクロム(III)へと還元するための活性剤としての使用に適する粒子状材料を製造する方法であって、
    ・工業的高温冶金プロセスに、好ましくは製鋼プロセスに、由来する出発粒子状材料を得ること、ここで前記出発粒子状材料は、鉄(II)及び/又は鉄(III)を含む、並びに
    ・前記出発粒子状材料を、少なくとも第1の画分と第2の画分とに分画すること、ここで、前記第1の画分及び前記第2の画分は、鉄(II)及び鉄(III)の異なる含有量を有し、前記第2の画分は、前記粒子状材料の乾燥重量に対する計算でFe換算で少なくとも10重量%の鉄(II)及び/又は鉄(III)、並びに好ましくは5重量%以下、より好ましくは3重量%以下のFe(0)を含む、粒子状材料である、
    を含む、方法。
  15. 前記出発粒子状材料が、磁気分離、密度分離、サイズ分離、静電分離、浮遊分離、渦電流分離、重力分離、及び気流分離、又はこれらの任意の組み合わせを用いることによって、好ましくは磁気分離を用いることによって、前記第1の画分と前記第2の画分とに分画されることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
  16. 前記第2の画分が、微粉砕粒子を得るために微細化に供され、前記微粉砕粒子は、好ましくは、3~200μm、好ましくは3~100μm、より好ましくは3~30μmの範囲内の粒子サイズDv90を有する、ことを特徴とする、請求項14又は請求項15に記載の方法。
JP2025527731A 2022-11-10 2023-11-09 粒子状材料の使用及びセメント製造用材料の製造方法 Pending JP2025536633A (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
FI20226012 2022-11-10
FI20226012 2022-11-10
FI20235315 2023-03-17
FI20235315 2023-03-17
PCT/FI2023/050620 WO2024100321A1 (en) 2022-11-10 2023-11-09 Use of a particulate material and method for manufacturing materials for cement production

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2025536633A true JP2025536633A (ja) 2025-11-07

Family

ID=88833625

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2025527731A Pending JP2025536633A (ja) 2022-11-10 2023-11-09 粒子状材料の使用及びセメント製造用材料の製造方法

Country Status (3)

Country Link
EP (1) EP4615813A1 (ja)
JP (1) JP2025536633A (ja)
WO (1) WO2024100321A1 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10427167B2 (en) 2015-04-14 2019-10-01 Magsort Oy Device and method for separating weakly magnetic particles
KR102511432B1 (ko) * 2016-10-25 2023-03-16 공주대학교 산학협력단 영가철을 이용하는 6가 크롬제거 방법
FI128329B (fi) 2019-03-12 2020-03-31 Moviator Oy Mylly

Also Published As

Publication number Publication date
EP4615813A1 (en) 2025-09-17
WO2024100321A1 (en) 2024-05-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11396478B2 (en) Method and system for producing low-alkalinity sulphoaluminate cement with new mineral system using steel slag
Jiang et al. Characteristics of steel slags and their use in cement and concrete—A review
Kawatra et al. Pelletizing steel mill desulfurization slag
JP5610572B2 (ja) 製鋼スラグの処理方法
KR101167134B1 (ko) 전기로 산화 슬래그를 이용한 비정질 잠재수경성 시멘트를 제조하는 방법
TW202031903A (zh) 製造用於鋼脫硫之爐渣調整劑的方法
CN114163148A (zh) 一种含铁水脱硫尾渣的固废基胶凝材料及其制备方法
Lian et al. Industrial research on the high-temperature modification of Basic Oxygen Furnace slag with solid waste compound
Chen et al. Reusing pretreated desulfurization slag to improve clinkerization and clinker grindability for energy conservation in cement manufacture
JP2011236115A (ja) 製鋼スラグの処理方法
CN103917668A (zh) 还原铁和熔渣的混合物的制造方法
JP2025536633A (ja) 粒子状材料の使用及びセメント製造用材料の製造方法
JP3645818B2 (ja) 耐火物のリサイクル方法
CN105219972A (zh) 一种利用高碳含量粉煤灰回收钢渣中铁的方法
Radosavljevic et al. Mineral processing of a converter slag and its use in iron ore sintering
US20250376741A1 (en) Method of upgrading industrial furnace by-products
CN114163157B (zh) 一种炉渣贫化生产矿渣微粉掺合料的工艺及应用
KR20250074300A (ko) 재활용 제강 슬래그의 제조방법 및 이의 용도
JPH08198647A (ja) セメントクリンカーの製造方法
US20250250197A1 (en) Method for manufacturing cement clinker using stainless steel slag
KR100508511B1 (ko) 토페도 레들카 폐내화물의 재활용 방법
FI20225555A1 (en) Method for refining by-products of industrial furnaces (into cement)
JPS61235519A (ja) フエロニツケルスラグから焼結原料を製造する方法
JPS5846461B2 (ja) 転炉スラグを原料とするセメントクリンカ−の製造法
JP3225160U (ja) 機能性セメント原料製造システム