JP2026007789A - 超音波探触子、超音波プローブ、超音波診断装置及び超音波探触子の製造方法 - Google Patents
超音波探触子、超音波プローブ、超音波診断装置及び超音波探触子の製造方法Info
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Abstract
【課題】ダイシング工程を増やすことなく、短いリードタイムが実現しつつ電極間又はチャンネル間のショートを防止することができる超音波探触子等を提供する。
【解決手段】超音波探触子200は、バッキング材210と、信号線を含むフレキシブル基板230と、圧電素子層220と、グランド線を含む銅箔基板240と、第1整合層250とを備える。圧電素子層220のx軸方向の長さL1は、バッキング材210及び第1整合層250等のx軸方向の長さL2よりも短く形成される。圧電素子層220のx軸方向の両端側には、フレキシブル基板230と圧電素子層220と銅箔基板240とによって囲まれる空間部Sが設けられる。空間部Sにおける、圧電素子層220のx軸方向の側面、フレキシブル基板230の上面、銅箔基板240の下面のうち少なくとも一つの面が絶縁物Iで覆われる。
【選択図】図3
【解決手段】超音波探触子200は、バッキング材210と、信号線を含むフレキシブル基板230と、圧電素子層220と、グランド線を含む銅箔基板240と、第1整合層250とを備える。圧電素子層220のx軸方向の長さL1は、バッキング材210及び第1整合層250等のx軸方向の長さL2よりも短く形成される。圧電素子層220のx軸方向の両端側には、フレキシブル基板230と圧電素子層220と銅箔基板240とによって囲まれる空間部Sが設けられる。空間部Sにおける、圧電素子層220のx軸方向の側面、フレキシブル基板230の上面、銅箔基板240の下面のうち少なくとも一つの面が絶縁物Iで覆われる。
【選択図】図3
Description
本発明は、超音波探触子、超音波プローブ、超音波診断装置及び超音波探触子の製造方法に関する。
超音波診断では、超音波プローブを用いて被検体の内部の組織、臓器等を画像化している。超音波プローブは、超音波を被検体に送信するとともに、被検体で反射した反射波を受信するための複数の超音波探触子を有する。超音波探触子は、バッキング材、フレキシブル基板、圧電板、グランド銅箔及び整合層等を積層及び圧着することで構成されている。
特許文献1には、圧電素子と、圧電素子の上面、側面及び下面に連続する電極とを含む圧電素子層と、電極を補強する補強部材とを備える超音波振動子が記載されている。補強部材は、電極の側面と音響整合層とデマッチング層とに囲まれた領域に配置される。超音波振動子の製造では、上記領域からはみ出した補強部材を切り落とすために、積層体の幅方向の端部をダイシングする。次工程では、積層体を複数個に分割するダイシングを行うことで、複数の超音波探触子を形成する。
ところで、超音波プローブの製造では、歩留まりよく、短いリードタイムで製造することが求められている。一般に、複合材料である積層体を微細加工するダイシング工程は、不良率が高くなる傾向にある。そのため、従来の技術では、積層体を複数個に分割するダイシングの他に、領域からはみ出した補強部材を切断するダイシングが必要となり、不良率が高くなり、歩留まりが低くなる可能性がある。
特許文献1に記載の超音波プローブの製造工程から補強部材を切り落とすダイシングを実施しない場合、圧電素子の側面と音響整合層とデマッチング層とに囲まれた領域は空間部となる。この場合に、積層体を分割するダイシングを行うと、フレキシブル基板の導電層等から空間部に延びるダイシングバリが発生する。ダイシングバリは、次工程のフレキシブル基板を超音波探触子の側面に沿わせる工程、複数の超音波探触子を湾曲面状に配列させる工程において自由に動くことで互いに接触してしまう場合がある。ダイシングバリ同士が接触した場合、上下のフレキシブル基板の電極間又は隣接するチャンネル間でショートが発生するという課題がある。
そこで、本発明は、ダイシング工程を増やすことなく、短いリードタイムが実現しつつ電極間又はチャンネル間のショートを防止することができる超音波探触子、超音波プローブ、超音波診断装置及び超音波探触子の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る超音波探触子は、
超音波を送受信する超音波探触子であって、
バッキング材と、前記バッキング材上に設けられる信号線を含むフレキシブル基板と、前記フレキシブル基板上に設けられる圧電素子層と、前記圧電素子層上に設けられるグランド線を含む銅箔基板と、前記銅箔基板上に設けられる整合層と、を備え、
前記圧電素子層の幅方向の長さは、前記バッキング材及び前記整合層の幅方向の長さよりも短く形成され、
前記圧電素子層の前記幅方向の両端側には、前記フレキシブル基板と前記圧電素子層と前記銅箔基板とによって囲まれる空間部が設けられ、
前記空間部における、前記圧電素子層の幅方向の面、前記フレキシブル基板の前記銅箔基板に対向する面、前記銅箔基板の前記フレキシブル基板に対向する面のうち少なくとも一つの面が絶縁物で覆われる。
超音波を送受信する超音波探触子であって、
バッキング材と、前記バッキング材上に設けられる信号線を含むフレキシブル基板と、前記フレキシブル基板上に設けられる圧電素子層と、前記圧電素子層上に設けられるグランド線を含む銅箔基板と、前記銅箔基板上に設けられる整合層と、を備え、
前記圧電素子層の幅方向の長さは、前記バッキング材及び前記整合層の幅方向の長さよりも短く形成され、
前記圧電素子層の前記幅方向の両端側には、前記フレキシブル基板と前記圧電素子層と前記銅箔基板とによって囲まれる空間部が設けられ、
前記空間部における、前記圧電素子層の幅方向の面、前記フレキシブル基板の前記銅箔基板に対向する面、前記銅箔基板の前記フレキシブル基板に対向する面のうち少なくとも一つの面が絶縁物で覆われる。
本発明に係る超音波プローブは、
上記超音波探触子を複数備える。
上記超音波探触子を複数備える。
本発明に係る超音波診断装置は、
上記超音波プローブと、
前記超音波プローブが接続される装置本体と、
を備える。
上記超音波プローブと、
前記超音波プローブが接続される装置本体と、
を備える。
本発明に係る超音波探触子の製造方法は、
バッキング材、信号線を含むフレキシブル基板と、圧電素子層と、グランド線を含む銅箔基板と、整合層とを少なくとも備え、
前記圧電素子層の幅方向の長さが、前記バッキング材及び前記整合層の幅方向の長さよりも短く形成され、
前記圧電素子層の前記幅方向の両端側には、前記フレキシブル基板と前記圧電素子層と前記銅箔基板とによって囲まれる空間部が設けられる超音波探触子の製造方法であって、
前記バッキング材、前記フレキシブル基板、前記圧電素子層、前記銅箔基板及び前記整合層をこの順に積層することで積層体を形成する工程と、
前記積層体を前記幅方向に直交する分割方向にダイシングする工程と、
前記空間部における、前記圧電素子層の幅方向の側面、前記フレキシブル基板の前記銅箔基板に対向する面、前記銅箔基板の前記フレキシブル基板に対向する面のうち少なくとも一つの面を絶縁物で覆う工程と、
を有する。
バッキング材、信号線を含むフレキシブル基板と、圧電素子層と、グランド線を含む銅箔基板と、整合層とを少なくとも備え、
前記圧電素子層の幅方向の長さが、前記バッキング材及び前記整合層の幅方向の長さよりも短く形成され、
前記圧電素子層の前記幅方向の両端側には、前記フレキシブル基板と前記圧電素子層と前記銅箔基板とによって囲まれる空間部が設けられる超音波探触子の製造方法であって、
前記バッキング材、前記フレキシブル基板、前記圧電素子層、前記銅箔基板及び前記整合層をこの順に積層することで積層体を形成する工程と、
前記積層体を前記幅方向に直交する分割方向にダイシングする工程と、
前記空間部における、前記圧電素子層の幅方向の側面、前記フレキシブル基板の前記銅箔基板に対向する面、前記銅箔基板の前記フレキシブル基板に対向する面のうち少なくとも一つの面を絶縁物で覆う工程と、
を有する。
本発明によれば、空間部における圧電素子層の幅方向の面等を絶縁物で覆うので、ダイシング工程を増やすことなく、空間部に発生したバリがフレキシブル基板等との間でショートすることを防止できる。
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施形態に係る超音波探触子、超音波プローブ及び超音波診断装置について詳細に説明する。なお、以下に示す図面は模式的な構成等を含み、図面相互間において互いの寸法の関係及び比率が異なる部分が含まれる場合がある。
[超音波診断装置1の構成例]
図1は、本実施形態に係る超音波診断装置1の概略構成の一例を示す斜視図である。超音波診断装置1は、装置本体10と、超音波プローブ20と、操作部30と、表示部40とを備える。装置本体10には、図示しない送信部、受信部、画像処理部、制御部及び記憶部等が内蔵されている。装置本体10は、送信信号を生成して超音波プローブ20に供給するとともに、超音波プローブ20により受信された反射波に基づいて超音波画像データを生成する。
図1は、本実施形態に係る超音波診断装置1の概略構成の一例を示す斜視図である。超音波診断装置1は、装置本体10と、超音波プローブ20と、操作部30と、表示部40とを備える。装置本体10には、図示しない送信部、受信部、画像処理部、制御部及び記憶部等が内蔵されている。装置本体10は、送信信号を生成して超音波プローブ20に供給するとともに、超音波プローブ20により受信された反射波に基づいて超音波画像データを生成する。
超音波プローブ20は、ケーブル22を介して装置本体10に接続されるとともに、ホルダ24に着脱可能に取り付けられる。超音波プローブ20は、装置本体10から供給された送信信号に基づいて超音波を被検体に送信するとともに、被検体の組織、臓器等で反射した反射波を受信する。超音波プローブ20は、コンベックス走査方式、リニア走査方式又はセクタ走査方式のいずれの方式を採用してもよい。なお、超音波プローブ20の詳細については後述する。
操作部30は、例えば、複数のボタン、トラックボール及び表示部40に組み合わされたタッチパネル等を有する。操作部30は、ユーザーによる超音波診断に関する操作を受け付け、受け付けた入力情報を装置本体10の制御部等に供給する。表示部40は、例えば液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の表示装置である。ELは、Electro Luminescenceの略称である。表示部40は、装置本体10から供給された超音波画像データ等に基づいて、被検体の内部の組織、臓器等を画像化した超音波画像を検査画面上に表示する。
[超音波プローブ20の構成例]
図2は、本実施形態に係る超音波プローブ20の概略構成の一例を示す斜視図である。図2において、超音波プローブ20を構成する複数の超音波探触子200の配列方向、超音波探触子200の平面視における短軸方向をy軸方向とする。y軸方向に直交する方向であって、複数の超音波探触子200を形成する際のダイシング方向、超音波探触子200の幅方向又は平面視における長軸方向をx軸方向とする。x軸方向及びy軸方向に直交する方向をz軸方向とする。z軸方向において、超音波探触子200を構成する各部材、層における超音波の放射方向の面を前面とし、その反対方向の面を後面とする。また、便宜上、銅箔基板240を二点鎖線で示す。
図2は、本実施形態に係る超音波プローブ20の概略構成の一例を示す斜視図である。図2において、超音波プローブ20を構成する複数の超音波探触子200の配列方向、超音波探触子200の平面視における短軸方向をy軸方向とする。y軸方向に直交する方向であって、複数の超音波探触子200を形成する際のダイシング方向、超音波探触子200の幅方向又は平面視における長軸方向をx軸方向とする。x軸方向及びy軸方向に直交する方向をz軸方向とする。z軸方向において、超音波探触子200を構成する各部材、層における超音波の放射方向の面を前面とし、その反対方向の面を後面とする。また、便宜上、銅箔基板240を二点鎖線で示す。
超音波プローブ20は、複数の超音波探触子200を備える。複数の超音波探触子200は、y軸方向に沿って一次元アレイ状に配列されている。複数の超音波探触子200は、後述するダイシングにより形成された所定幅のダイシング溝280によって、例えば短冊状に形成されている。なお、複数の超音波探触子200は、一次元アレイ状の配列に限定されることはなく、二次元アレイ状等に配列されていてもよい。超音波探触子200は、バッキング材210、フレキシブル基板230、圧電素子層220、銅箔基板240、第1整合層250、第2整合層260及び保護層270を積層することで構成されるが、本発明の詳細の構成は図3において説明する。
図3は、本実施形態に係る超音波探触子200の構成の一例を示す断面図である。なお、図3は、図2に示す超音波探触子200をx軸方向に沿ってダイシングした場合の断面図である。
超音波探触子200は、バッキング材210、フレキシブル基板230、圧電素子層220、銅箔基板240、第1整合層250、第2整合層260及び保護層270を、この順に積層されることで構成される。
バッキング材210は、圧電素子層220の動作によって後方側に生じる不要な超音波を吸収、減衰することで、超音波探触子200における余分な振動を抑制する。バッキング材210には、減衰率の大きい材料が用いられる。例えば、バッキング材210には、アルミナ、ジルコニア等のフィラーを分散させたエポキシ樹脂又はアルミナ等のフィラーを分散したゴムが用いられる。
圧電素子層220は、フレキブル基板230を介してバッキング材210上に積層されている。圧電素子層220は、圧電板222と、第1電極224と、第2電極226とを備える。圧電板222は、第1電極224と第2電極226とによって挟持された構成となっている。
圧電板222は、印加される電圧に基づいて超音波を発生する。圧電板222には、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛系の圧電セラミック、マグネシウム酸ニオブ酸鉛-チタン酸鉛固溶体又は亜鉛酸ニオブ酸鉛-チタン酸鉛固溶体等の圧電単結晶が用いられる。圧電板222には、上述したチタン酸ジルコン酸鉛系の圧電セラミック等の材料と高分子材料とを複合した複合圧電体を用いてもよい。
第1電極224は、例えば接着剤A1によりフレキシブル基板230の前面側に固着されている。第2電極226は、圧電板222の前面側に形成されている。第2電極226は、例えば接着剤A2により銅箔基板240の後面側に固着されている。第1電極224及び第2電極226は、例えばAu、Cr、Cu、Ni等の導電材料からなり、めっき処理又はスパッタリング処理等により形成される。
フレキシブル基板230は、バッキング材210と圧電素子層220との間に配置されている。フレキシブル基板230は、接着剤A3によりバッキング材210の前面側に固着されている。フレキシブル基板230の端部側は、装置本体10内に実装された制御基板等に電気的に接続されている。フレキシブル基板230は、絶縁層230aと、絶縁層230a上に形成された導電層230bと、導電層230bを被覆する絶縁層230cとを有する。導電層230bは、Cu箔等からなる信号線の配線パターンを含む。導電層230bの第1電極224に対向する部分は絶縁層230cが露出しており、導電層230bと圧電素子層220の第1電極224とが電気的に接続される。
銅箔基板240は、圧電素子層220と第1整合層250との間に配置されている。銅箔基板240は、レジスト又はポリイミド等からなる絶縁層240aと、絶縁層240a上に形成された導電層240bとを有する。導電層240bは、Cu箔等からなるグランド線の配線パターンを含む。導電層240bの第2電極226に対向する部分は絶縁層240aが露出しており、導電層240bと圧電素子層220の第2電極226とが電気的に接続される。絶縁層240aから露出した部分の導電層240bには、酸化を防止するため、メッキ又はスパッタリングにより金が被覆される。
第1整合層250は、銅箔基板240上に積層されている。第1整合層250は、銅箔基板240の前面側に接着剤A4により固着されている。第2整合層260は、第1整合層250上に積層されている。第1整合層250及び第2整合層260は、圧電板222より音響インピーダンスが小さい材料からなり、圧電素子層220により生成された超音波を前方側に透過させる。第1整合層250及び第2整合層260は、圧電板222と被検体との間で超音波を効率よく透過させるために、圧電素子層220と被検体との間の音響インピーダンスをマッチングさせる。
保護層270は、第2整合層260上に積層されている。保護層270は、圧電素子層220等を機械的に保護する。保護層270は、被検体に接触させる際に不快感を与えることがなく、かつ、音響インピーダンスが比較的人体に近い材料により形成される。例えば、保護層270には、シリコーンゴム等が用いられる。
上述した複数の超音波探触子200を有する超音波プローブ20には、装置本体10から駆動信号が供給される。圧電素子層220には、駆動信号に応じた電圧が印加される。圧電素子層220は、印加された電圧に基づいて超音波を発生させる。超音波は、第1整合層250、第2整合層260及び保護層270を透過して被検体に照射される。被検体内で反射した反射波は、保護層270等を通過して、圧電素子層220によって電気信号に変換される。
[ダイシング時に発生するダイシングバリB1,B2について]
図3に示すように、圧電素子層220のx軸方向、つまり長軸方向の長さL1は、他部材であるバッキング材210、第1整合層250、第2整合層260及び保護層270のx軸方向の長さL2よりも短い。この理由は、以下の通りである。超音波探触子200の製造時における積層体200aの加圧時に、第1整合層250等がx軸方向にずれることがある。この場合、第1整合層250等のx軸方向の端部が圧電素子層220と平面的に重ならなくなり、超音波を効率的に送受信できなくなるからである。そのため、積層体200aの加圧時に圧電素子層220と第1整合層250等とが確実に平面的に重なるように、圧電素子層220のx軸方向の長さL1を他部材よりも短く形成している。この構成の超音波探触子200では、圧電素子層220におけるx軸方向の両端側のそれぞれに空間部Sが形成される。具体的には、空間部Sは、フレキシブル基板230の銅箔基板240に対向する上面と、圧電素子層220の側面と、銅箔基板240のフレキシブル基板230に対向する下面とにより構成される。なお、図3では、バッキング材210、第1整合層250、第2整合層260及び保護層270のx軸方向の長さを同一で図示しているが、これに限定されることはない。バッキング材210、第1整合層250、第2整合層260及び保護層270のx軸方向の長さは、圧電素子層220のx軸方向の長さL1より短ければ、異なっていてもよい。
図3に示すように、圧電素子層220のx軸方向、つまり長軸方向の長さL1は、他部材であるバッキング材210、第1整合層250、第2整合層260及び保護層270のx軸方向の長さL2よりも短い。この理由は、以下の通りである。超音波探触子200の製造時における積層体200aの加圧時に、第1整合層250等がx軸方向にずれることがある。この場合、第1整合層250等のx軸方向の端部が圧電素子層220と平面的に重ならなくなり、超音波を効率的に送受信できなくなるからである。そのため、積層体200aの加圧時に圧電素子層220と第1整合層250等とが確実に平面的に重なるように、圧電素子層220のx軸方向の長さL1を他部材よりも短く形成している。この構成の超音波探触子200では、圧電素子層220におけるx軸方向の両端側のそれぞれに空間部Sが形成される。具体的には、空間部Sは、フレキシブル基板230の銅箔基板240に対向する上面と、圧電素子層220の側面と、銅箔基板240のフレキシブル基板230に対向する下面とにより構成される。なお、図3では、バッキング材210、第1整合層250、第2整合層260及び保護層270のx軸方向の長さを同一で図示しているが、これに限定されることはない。バッキング材210、第1整合層250、第2整合層260及び保護層270のx軸方向の長さは、圧電素子層220のx軸方向の長さL1より短ければ、異なっていてもよい。
ここで、超音波探触子200の製造工程においては、ブレードを用いて積層体をダイシングすることで、複数の超音波探触子200を形成する。しかし、本実施形態に係る超音波探触子200のように、圧電素子層220のx軸方向の両端側に空間部Sが存在する場合、ダイシングにおいて以下の問題が発生する。ブレードにより積層体200aが切断されると、ブレードの摺動によりフレキシブル基板230の導電層230b等の一部が変形する。圧電素子層220の両端側に空間部Sが存在する場合、導電層230b等の変形した一部が、空間部Sに逃げることでダイシングバリが発生する場合がある。例えば、図3に示すように、フレキシブル基板230の導電層230bからダイシングバリB1が発生し、銅箔基板240の導電層230bからダイシングバリB2が発生する。この場合、上下のダイシングバリB1,B2が接触することで、フレキシブル基板230と銅箔基板240との間で電極間ショートが発生するという問題がある。同様に、隣接する超音波探触子200間でダイシングバリB1,B2同士が接触することで、チャンネル間ショートが発生する場合もある。
そこで、本実施形態では、超音波探触子200におけるx軸方向の両端側の空間部Sに発生しているダイシングバリB1,B2を絶縁物Iによって覆う。絶縁物Iには、例えば、シリコン樹脂、ウレタン樹脂、合成ゴム、ポリエステル、イミド樹脂及びアクリル樹脂のうち少なくとも一つを含む材料を用いることができる。絶縁物Iの絶縁破壊電圧は、180V/mm以上ある。絶縁物Iの絶縁破壊電圧を180V/mm以上とすることで、患者及び操作者に対する感電を確実に防止できる。これにより、空間部SでダイシングバリB1,B2が接触した場合でも、ダイシングバリB1,B2が絶縁物Iによって覆われているので、ダイシングバリB1,B2がショートすることを回避できる。
なお、図3では、フレキシブル基板230から一本のダイシングバリB1が発生し、銅箔基板240から一本のダイシングバリB2が発生した例を説明したが、これに限定されることはない。また、図3では、圧電素子層220における一方の端部側の空間部SにダイシングバリB1,B2が発生した例を説明したが、これに限定されることはない。ダイシングバリB1,B2は、圧電素子層220における他方の端部側の空間部Sに発生する場合もあるし、圧電素子層220における両方の端部側の空間部Sに発生する場合もある。
[超音波探触子200の製造方法]
図4は、本実施形態に係る超音波探触子200の製造方法の一例を示すフローチャートである。なお、超音波探触子200の基本的な構成については図3を参照する。
図4は、本実施形態に係る超音波探触子200の製造方法の一例を示すフローチャートである。なお、超音波探触子200の基本的な構成については図3を参照する。
まず、ステップS1では、超音波探触子200を構成する各層を積層した積層体200aを形成する。具体的には、バッキング材210上に、フレキシブル基板230、圧電素子層220、銅箔基板240、第1整合層250、第2整合層260及び保護層270を、この順に積層する。各層同士は、接着剤を用いて固着する。続けて、得られた積層体200aを積層方向であるz軸方向に沿って加圧する。
次に、ステップS2では、積層体200aを所定のピッチでダイシングすることで、複数の超音波探触子200を形成する。具体的には、ブレードを用いて、保護層270からフレキシブル基板230に亘って積層体200aを切断する。図2に示すように、ブレードのダイシング方向は、x軸方向である。ダイシングは、積層体200aに対してブレードをy軸方向にずらしながら複数回行う。これにより、短冊状の複数の超音波探触子200が形成される。
次に、ステップS3では、フレキシブル基板230をバッキング材210の側面に沿うように湾曲させるサイド形成を行う。フレキシブル基板230の両端側は、装置本体10に内蔵された図示しない制御基板等に電気的に接続する。なお、超音波プローブ20がコンベックス走査方式である場合には、複数の超音波探触子200を湾曲面状に配列させる。
次に、ステップS4では、超音波探触子200の空間部Sに発生したダイシングバリB1,B2を絶縁物Iで覆う。図5は、本実施形態に係る発泡部材Iaを用いてダイシングバリを覆う場合における超音波探触子200の構成の一例を示す図である。発泡部材Iaは、絶縁物Iの一例である。具体的には、圧電素子層220のx軸方向の両端側に形成された空間部Sに発泡部材Iaを流し込む。発泡部材Iaの流し込みは、例えば、図2に示した積層体200aのy軸方向の一端側から他端側に向かって、注射器を移動しながら行うようにしてもよい。注射器による発泡部材Iaの注入作業は、産業用ロボット等により自動で行うようにしてもよいし、作業員が手動で行ってもよい。超音波探触子200の空間部Sに充填された発泡部材Iaは、時間の経過とともに発泡により膨張し、空間部S全体を埋める。そのため、例えばダイシングバリB1,B2同士が接触又は接近している場合でも、発泡部材IaによりダイシングバリB1,B2を離間させることができる。この場合、発泡部材Iaは、ダイシングバリB1,B2の全体を覆い、ダイシングバリB1,B2を離間させた状態で固まる。さらに、フレキシブル基板230の上面及び銅箔基板240の下面の一部、圧電素子層220の側面が、発泡部材Iaによって覆われる。
図6は、本実施形態に係るスプレーによる絶縁物Ibの吹き付けによりダイシングバリB1,B2を絶縁物Ibで覆う場合における超音波探触子200の構成の一例を示す図である。具体的には、圧電素子層220のx軸方向の両端側に形成された空間部Sに、スプレーを用いて絶縁物Ibを吹き付ける。スプレーにより絶縁物Ibを吹き付けることにより、スプレーの風圧で空間部Sに延びる上下のダイシングバリB1,B2が動く。そのため、例えばダイシングバリB1,B2同士が接触又は接近している場合でも、ダイシングバリB1,B2同士を所定の距離を空けて離間させることができる。ダイシングバリB1,B2の全体は、スプレーによる吹き付けにより絶縁物Ibによって覆われる。絶縁物Ibが固まることで、ダイシングバリB1,B2同士も離間した位置で固定される。さらに、フレキシブル基板230の上面及び銅箔基板240の下面、圧電素子層220の側面が、絶縁物Ibによって覆われる。
なお、図5及び図6に示すように、サイド形成する前において、銅箔基板240は、斜め上方側に向いている。フレキシブル基板230は、サイド形成により、バッキング材210の側面に沿うように、斜め下方に向いている。これらにより、超音波探触子200の上部側が銅箔基板240によってカバーされ、超音波探触子200の下部側がフレキシブル基板230によってカバーされる。そのため、発泡部材Iaの空間部Sへの充填時に発泡部材Iaが周辺に飛散した場合でも、発泡部材Iaが超音波探触子200の他部位に付着することを防止できる。同様に、スプレーによる絶縁物Ibの空間部Sへの吹き付け時に絶縁物Ibが周辺に飛散した場合でも、絶縁物Ibが超音波探触子200の他部位に付着することを防止できる。
次に、ステップS5では、銅箔基板240をバッキング材210の側面に沿うように折り曲げるサイド形成を行う。銅箔基板240の両端側は、装置本体10に内蔵された図示しない制御基板等に電気的に接続する。
本実施形態によれば、圧電素子層220の両端側に形成される空間部Sを構成するフレキシブル基板230の上面、圧電素子層220の側面及び銅箔基板240の下面のうち少なくとも一つが絶縁物Iで覆われている。これに伴い、圧電素子層220の両端側の空間部Sに発生したダイシングバリB1,B2も絶縁物Iによって覆われる。具体的には、図5に示したように、圧電素子層220の両端側の空間部Sに発泡部材Iaを充填することで、空間部Sに延びるダイシングバリB1,B2を発泡部材Iaによって覆うことができる。また、図6に示したように、圧電素子層220の両端側の空間部Sにスプレーによる絶縁物Ibの吹き付けることで、空間部Sに延びるダイシングバリB1,B2を絶縁物Ibによって覆うことができる。これらにより、圧電素子層220の両端側の空間部Sに発生したダイシングバリB1,B2を離間させた状態で固定できる。したがって、本実施形態によれば、空間部Sを含む積層体200aの端部をダイシングしない場合でも、ダイシングバリB1,B2の接触により発生する電極間ショート及びチャンネル間ショートを防止できる。つまり、積層体200aに空間部Sを残した場合でも、ダイシングバリB1,B2による電極間ショート等を回避できる。その結果、歩留まりがよく、短いリードタイムにより超音波探触子200を製造できる。
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。また、各種の変更例、改良を施したものは、当業者の特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、当然に本開示に係る技術的範囲に属する。
1 超音波診断装置
20 超音波プローブ
200 超音波探触子
210 バッキング材
220 圧電素子層
230 フレキシブル基板
240 銅箔基板
250 第1整合層(整合層)
260 第2整合層(整合層)
B1,B2 ダイシングバリ(バリ)
I,Ib 絶縁物
Ia 発泡部材(絶縁物)
S 空間部
20 超音波プローブ
200 超音波探触子
210 バッキング材
220 圧電素子層
230 フレキシブル基板
240 銅箔基板
250 第1整合層(整合層)
260 第2整合層(整合層)
B1,B2 ダイシングバリ(バリ)
I,Ib 絶縁物
Ia 発泡部材(絶縁物)
S 空間部
Claims (7)
- 超音波を送受信する超音波探触子であって、
バッキング材と、前記バッキング材上に設けられる信号線を含むフレキシブル基板と、前記フレキシブル基板上に設けられる圧電素子層と、前記圧電素子層上に設けられるグランド線を含む銅箔基板と、前記銅箔基板上に設けられる整合層と、を備え、
前記圧電素子層の幅方向の長さは、前記バッキング材及び前記整合層の幅方向の長さよりも短く形成され、
前記圧電素子層の前記幅方向の両端側には、前記フレキシブル基板と前記圧電素子層と前記銅箔基板とによって囲まれる空間部が設けられ、
前記空間部における、前記圧電素子層の幅方向の面、前記フレキシブル基板の前記銅箔基板に対向する面、前記銅箔基板の前記フレキシブル基板に対向する面のうち少なくとも一つの面が絶縁物で覆われる、
超音波探触子。 - 前記絶縁物は、シリコン樹脂、ウレタン樹脂、合成ゴム、ポリエステル、イミド樹脂及びアクリル樹脂のうち少なくとも一つを含む、
請求項1に記載の超音波探触子。 - 前記絶縁物の絶縁破壊電圧が、180V/mm以上の材料である、
請求項1に記載の超音波探触子。 - 前記絶縁物は、前記フレキシブル基板及び前記銅箔基板の少なくとも一方から前記空間部に延びるバリを覆う、
請求項1に記載の超音波探触子。 - 請求項1~4のいずれか一項に記載の超音波探触子を複数備える、
超音波プローブ。 - 請求項5に記載の超音波プローブと、
前記超音波プローブが接続される装置本体と、
を備える、超音波診断装置。 - バッキング材、信号線を含むフレキシブル基板と、圧電素子層と、グランド線を含む銅箔基板と、整合層とを少なくとも備え、前記圧電素子層の幅方向の長さが、前記バッキング材及び前記整合層の幅方向の長さよりも短く形成され、前記圧電素子層の前記幅方向の両端側には、前記フレキシブル基板と前記圧電素子層と前記銅箔基板とによって囲まれる空間部が設けられる超音波探触子の製造方法であって、
前記バッキング材、前記フレキシブル基板、前記圧電素子層、前記銅箔基板及び前記整合層をこの順に積層することで積層体を形成する工程と、
前記積層体を前記幅方向に直交する分割方向にダイシングする工程と、
前記空間部における、前記圧電素子層の幅方向の側面、前記フレキシブル基板の前記銅箔基板に対向する面、前記銅箔基板の前記フレキシブル基板に対向する面のうち少なくとも一つの面を絶縁物で覆う工程と、
を有する、超音波探触子の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2024107969A JP2026007789A (ja) | 2024-07-04 | 2024-07-04 | 超音波探触子、超音波プローブ、超音波診断装置及び超音波探触子の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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| JP2024107969A JP2026007789A (ja) | 2024-07-04 | 2024-07-04 | 超音波探触子、超音波プローブ、超音波診断装置及び超音波探触子の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2026007789A true JP2026007789A (ja) | 2026-01-19 |
Family
ID=98434778
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2024107969A Pending JP2026007789A (ja) | 2024-07-04 | 2024-07-04 | 超音波探触子、超音波プローブ、超音波診断装置及び超音波探触子の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2026007789A (ja) |
-
2024
- 2024-07-04 JP JP2024107969A patent/JP2026007789A/ja active Pending
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