JP2026031445A - 鋳造用浸漬ノズル及びこれを用いた鋼の鋳造方法 - Google Patents
鋳造用浸漬ノズル及びこれを用いた鋼の鋳造方法Info
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Abstract
【課題】浸漬ノズル内壁への地金付着を防止することで、浸漬ノズルのアルミナによる閉塞を防止し得る鋳造用浸漬ノズル及びこれを用いた鋼の鋳造方法を提供する。
【解決手段】ノズル本体と、溶鋼流出路と、溶鋼吐出口と、スラグライン材質部と、内張り材と、ノズルフランジ部と、ノズル底部と、を備える鋳造用浸漬ノズルであって、
厚み寸法が0.1mm以上且つ該鋳造用浸漬ノズルの耐火物厚みの1/2以下である断熱層を、前記ノズル本体内で前記溶鋼流出路を囲むように設けたことを特徴とする鋳造用浸漬ノズルである。
【選択図】図1
【解決手段】ノズル本体と、溶鋼流出路と、溶鋼吐出口と、スラグライン材質部と、内張り材と、ノズルフランジ部と、ノズル底部と、を備える鋳造用浸漬ノズルであって、
厚み寸法が0.1mm以上且つ該鋳造用浸漬ノズルの耐火物厚みの1/2以下である断熱層を、前記ノズル本体内で前記溶鋼流出路を囲むように設けたことを特徴とする鋳造用浸漬ノズルである。
【選択図】図1
Description
本発明は、鋳型内の溶鋼にその下部を浸漬させた状態でタンディッシュから鋳型内に溶鋼を吐出させる鋳造用浸漬ノズル及びこれを用いた鋼の鋳造方法に関する。本明細書において、数値の範囲を表す「x~y」はx以上y以下を意味し、境界値を含む。また、1チャージとは、取鍋1基ごと(取鍋1杯分)の溶鋼を意味する。さらに、連々鋳とは、連続鋳造作業を複数のチャージに亘って連続的に行うことを意味する。
鋳造用浸漬ノズル、特に連続鋳造用浸漬ノズルでは、アルミキルド鋼の鋳造時に鋼中のアルミナが析出することで、浸漬ノズルの閉塞が発生していた。このため、鋳造した鋼片の品質に悪影響を及ぼすばかりでなく、浸漬ノズルの交換頻度も高くなり、鋼片の生産効率の低下が余儀なくされていた。
そこで、このような浸漬ノズルの閉塞を抑制するために、特許文献1乃至7に記載の技術が提供されている。特許文献1乃至4に記載の技術は、浸漬ノズルの中心部を通る溶鋼流出路に不活性ガスであるArガスの吹き込みを行い、その不活性ガスの被膜でアルミナの析出を防止するものである。
また、特許文献5及び6では、浸漬ノズルの内壁を形成する材質にCaOを添加し、浸漬ノズル内壁に付着したAl2O3と浸漬ノズル材質中のCaOとの反応により、Al2O3-CaO系の低融点化合物を生成し、同化合物を鋳型内へ流出浮上させることで浸漬ノズル閉塞を抑制する方法が開示されている。
さらに、特許文献7に開示の技術では、浸漬ノズルの耐火物内に断熱層を設けることで、浸漬ノズルにおける閉塞の防止を図ろうとしている。
しかしながら、前記特許文献1乃至4に記載の技術では、下記の理由により、浸漬ノズルへのアルミナの付着を完全に抑制することは困難である。即ち、アルミナの付着はArガスの吹き込み量に大きく依存しており、吹き込み量が多い場合には付着抑制効果が期待できる。しかし、その分、Arガスの気泡が大量に溶鋼中へ流入することとなり、湯面が暴れることでヘゲ欠陥を招いたり、気泡に起因するブロー欠陥を招いたりすることがある。このため、実操業においては、Arガスを大量に吹き込むことができない。一方、Arガスの吹き込み量が少ない場合には、不活性ガスの被膜が十分に形成されず、アルミナの付着防止効果が期待できない。このように、実操業において、鋼の品質確保とアルミナ付着の抑制とを両立させる上で、どちらか一方を犠牲にせざるを得ず、浸漬ノズルへのアルミナの付着を完全に抑制することは難しい。
また、特許文献5及び6に記載の方法では、前記低融点化合物を鋳型内に流出させるには、浸漬ノズル内での溶鋼の流速が大きいことが必須条件となる。浸漬ノズル内での溶鋼の流速が小さい場合、即ち、鋳造速度が遅い場合には、浸漬ノズル内壁への前記低融点化合物の付着が進行することになり、却って浸漬ノズルの閉塞を抑制することができなくなるという不具合がある。
さらに、特許文献7に記載の方法では、鋳造初期や鋳造末期の溶鋼温度降下を考慮しておらず、断熱層はスラグラインよりも上方に位置するため、浸漬ノズルの浸漬部における保熱効果が十分でないという欠点がある。
そこで、発明者らは、製鋼における最も重要な要件である鋼片の品質に及ぼす浸漬ノズルの影響について着目し、アルミナ閉塞の生じた浸漬ノズルを観察することで、浸漬ノズルとアルミナ付着物との境界を詳しく研究した。
その結果、アルミナは浸漬ノズルの耐火物表面に直接付着していないことが明らかとなった。具体的には、鋳造初期や鋳造速度低下時における溶鋼の温度低下を主な原因として発生した地金層がまず浸漬ノズルの耐火物表面に必ず存在し、その地金層の凹凸又は反応によりアルミナが該地金層に付着し、アルミナはこれを起点として成長することが判明した。
その結果、アルミナは浸漬ノズルの耐火物表面に直接付着していないことが明らかとなった。具体的には、鋳造初期や鋳造速度低下時における溶鋼の温度低下を主な原因として発生した地金層がまず浸漬ノズルの耐火物表面に必ず存在し、その地金層の凹凸又は反応によりアルミナが該地金層に付着し、アルミナはこれを起点として成長することが判明した。
即ち、発明者らは、溶鋼が浸漬ノズルを通過する際に、浸漬ノズルの肉厚を介して熱量が外部に逃げ、浸漬ノズル内の溶鋼の温度が低下することで、浸漬ノズル内部の溶鋼流出路に地金層が付着するようになり、これを起点としてさらにアルミナが付着した結果、溶鋼流出路の閉塞が進行するという知見を得た。そこで、発明者らは、浸漬ノズルの肉厚を介して熱量が外部へ逃げることを防止するという具体的な手段を創出し、本発明を完成させるに至った。
具体的には、本発明は、浸漬ノズル内壁への地金付着を防止することで、浸漬ノズルのアルミナによる閉塞を防止し得る鋳造用浸漬ノズル及びこれを用いた鋼の鋳造方法を提供することを目的とする。これにより、鋼の鋳造の安定性と生産性を向上させることで鋳造効率の向上を図り、併せて鋼の表面欠陥及び内部欠陥を減少させて品質向上を図ることも期待できる。
上記課題を有利に解決する本発明における第1の態様は鋳造用浸漬ノズルであり、該鋳造用浸漬ノズルは、ノズル本体と、溶鋼流出路と、溶鋼吐出口と、スラグライン材質部と、内張り材と、ノズルフランジ部と、ノズル底部と、を備え、厚み寸法が0.1mm以上且つ該鋳造用浸漬ノズルの耐火物厚みの1/2以下である断熱層を、前記ノズル本体内で前記溶鋼流出路を囲むように設けたことを特徴とする。
また、上記第1の態様に係る鋳造用浸漬ノズルにおいて、
(a)前記ノズル本体内で前記溶鋼流出路を囲むように、前記ノズルフランジ部の下端から前記スラグライン材質部の下端までの領域、又は前記ノズルフランジ部の下端から前記溶鋼吐出口の上端までの領域に前記断熱層を設けること、
(b)さらに前記ノズル底部に前記断熱層を設けること、
(c)前記断熱層として、空気層、低熱伝導気体層、及び低熱伝導材質層から選ばれる少なくとも1つを含む層が用いられること、及び
(d)前記低熱伝導気体層は、前記ノズル本体内で前記溶鋼流出路を囲むように設け、連通した空隙に不活性ガスを吹き込むことにより形成されること
などが、より好ましい解決手段になる。
(a)前記ノズル本体内で前記溶鋼流出路を囲むように、前記ノズルフランジ部の下端から前記スラグライン材質部の下端までの領域、又は前記ノズルフランジ部の下端から前記溶鋼吐出口の上端までの領域に前記断熱層を設けること、
(b)さらに前記ノズル底部に前記断熱層を設けること、
(c)前記断熱層として、空気層、低熱伝導気体層、及び低熱伝導材質層から選ばれる少なくとも1つを含む層が用いられること、及び
(d)前記低熱伝導気体層は、前記ノズル本体内で前記溶鋼流出路を囲むように設け、連通した空隙に不活性ガスを吹き込むことにより形成されること
などが、より好ましい解決手段になる。
上記課題を有利に解決する本発明における第2の態様は、上記第1の態様に係る鋳造用浸漬ノズルを用いて行う鋼の鋳造方法であり、溶鋼の温度低下を抑制することで、前記ノズル本体の内管への地金付着を防止し、アルミナ付着を防止することを特徴とする。
本発明によれば、少なくとも、ノズル本体の耐火物内において溶鋼流出路を囲むように断熱層が形成されているため、ノズル本体の肉厚を伝わって外部に逃げる熱量が減少する。これにより、溶鋼流出路の壁面温度が上昇し、ノズル本体の内管への地金付着が抑制される。これに伴い、地金を起点としたアルミナの成長も抑制され、鋳造用浸漬ノズルのノズル閉塞が防止される。このような理由から、鋼の鋳造の安定性と生産性を向上させることができ、併せて鋼の表面欠陥及び内部欠陥を減少させて品質向上を図ることも期待できる。
以下、本発明の実施形態について具体的に説明する。以下の実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構造や方法を例示するものであり、構成を下記のものに特定するものではない。即ち、本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
[第1実施形態]
<鋳造用浸漬ノズル>
本発明における第1実施形態は鋳造用浸漬ノズルである。
図1は、本実施形態に係る鋳造用浸漬ノズルを示す模式縦断面図である。図1中の鋳造用浸漬ノズル1は連続鋳造用のものであり、図示しないタンディッシュの底部に連結される。この鋳造用浸漬ノズル1は、ノズル本体2と、溶鋼流出路3と、溶鋼吐出口4と、スラグライン材質部5と、内張り材6と、ノズルフランジ部7と、ノズル底部8と、を備える。前記ノズル本体2は本実施形態に係る鋳造用浸漬ノズルの直胴部である。ノズル本体2は、円筒状に形成されており、その中心部に中空の前記溶鋼流出路3が設けられている。前記溶鋼吐出口4はノズル本体2の下部に形成されている。ここで、溶鋼吐出口4は、ノズル本体2の内面で溶鋼流出路3側の面に張られた管状の前記内張り材6もろともノズル本体2を貫通しており、ノズル本体2の軸線と交差する方向に向くように配置されている。内張り材6としては、耐火材等が用いられる。
<鋳造用浸漬ノズル>
本発明における第1実施形態は鋳造用浸漬ノズルである。
図1は、本実施形態に係る鋳造用浸漬ノズルを示す模式縦断面図である。図1中の鋳造用浸漬ノズル1は連続鋳造用のものであり、図示しないタンディッシュの底部に連結される。この鋳造用浸漬ノズル1は、ノズル本体2と、溶鋼流出路3と、溶鋼吐出口4と、スラグライン材質部5と、内張り材6と、ノズルフランジ部7と、ノズル底部8と、を備える。前記ノズル本体2は本実施形態に係る鋳造用浸漬ノズルの直胴部である。ノズル本体2は、円筒状に形成されており、その中心部に中空の前記溶鋼流出路3が設けられている。前記溶鋼吐出口4はノズル本体2の下部に形成されている。ここで、溶鋼吐出口4は、ノズル本体2の内面で溶鋼流出路3側の面に張られた管状の前記内張り材6もろともノズル本体2を貫通しており、ノズル本体2の軸線と交差する方向に向くように配置されている。内張り材6としては、耐火材等が用いられる。
使用時において、上記鋳造用浸漬ノズル1は連続鋳造設備の図示しない鋳型内に挿入される。図1中、符号11は鋳型内の溶鋼を示し、符号12はスラグ層9の下面であるとともに該溶鋼11の上面位置である溶鋼上面を示す。該溶鋼上面12上には上記スラグ層9が浮上しており、スラグ層上面10がスラグ層9の上面位置となる。即ち、使用時において、鋳造用浸漬ノズル1はその下部が溶鋼とスラグ層の中に浸漬されている。
前記スラグライン材質部5は、ノズル本体2において、溶鋼吐出口4よりも上方の部位に設けられており、鋳型内溶鋼表面に形成され、上下するスラグ層9の範囲に対応したノズル長手方向の寸法を有する。具体的には、スラグ層9の表面であるスラグ層上面10は、スラグライン材質部5の上端まで移動することがあり、また、スラグ層9と溶鋼11との界面であるスラグ層下面(溶鋼上面)12は、スラグライン材質部5の下端まで移動することがある。即ち、スラグライン材質部5の下端より上の部分が溶鋼面から露出し得る。前記ノズルフランジ部7は、ノズル本体2の上端に設けられており、図示しないタンディッシュに連結される。前記ノズル底部8はノズル本体2の下端に設けられており、溶鋼吐出口4よりも下方に位置する。
本実施形態に係る鋳造用浸漬ノズルはさらに断熱層13を有する。断熱層を設けることで、地金層付着ひいてはアルミナ付着の原因となる、溶鋼やノズル耐火物の温度低下を抑制することが可能となる。
ここで、地金層は例えば、溶鋼が鋳造用浸漬ノズルを通過し始める際に温度低下により付着するものと考えられる。具体的には、鋳造開始までは、ノズル温度への影響は断熱層の有無によって左右されないとも考えられるが、ノズルの昇温停止から溶鋼が通過するまでの間に温度が低下することを考慮にいれるべきである。即ち、鋳造開始時付近において、鋳造用浸漬ノズルの温度は、昇温による温度上昇と、昇温停止による温度低下と、溶鋼の流入による温度上昇との3段階を経る。昇温停止により温度が低下した段階における温度は最低点であり、地金層の付着が発生しやすいタイミングでもある。その際、断熱層があることで耐火物に流れる熱量を低減でき、地金層の付着を抑制することができる。とりわけ、後述するノズル底部に設けられた断熱層が有効である。また、連続鋳造の終盤においても、ノズル温度が低下するため、地金層付着の可能性が高まる。即ち、連続鋳造では、その開始時と終了時において地金層が付着する確率が高まる。なお、連続鋳造(連々鋳)の途中においては、鋳造速度こそ変化しないものの、例えば、取鍋の交換時に溶鋼の温度低下が生じるため、地金層付着の原因となる。
本実施形態における断熱層13は、例えば、ノズルフランジ部7の下端からスラグライン材質部5の下端にかけて、又は、ノズルフランジ部7の下端から溶鋼吐出口4の上端にかけて、ノズル本体2の肉厚内で溶鋼流出路3を囲むようにして形成されている。この場合、断熱層13は溶鋼流出路3と同心の円筒状に形成されている。断熱層13は、ノズルの内管から外側に向かって形成されていてもよく、即ち、上記内張り材6と接するように形成されていてもよい。しかしながら、ノズル本体2の強度確保の観点から、ノズル本体2の耐火物厚みの概ね中央部に該断熱層13を設けることが好ましい。これにより、スポーリングに起因する折損等を回避することができる。以下において、ノズルフランジ部7の下端からスラグライン材質部5の下端までの領域を第1領域とし、ノズルフランジ部7の下端から溶鋼吐出口4の上端までの領域を第2領域とする。ここで、浸漬ノズルの構造上、吐出孔からの熱負荷によりスポーリングが発生した場合、割れの伝播が発生する可能性もあるため、第2領域に断熱層13を配置する場合は第1領域に配置する場合と比較して容易ではない。しかし、第2領域に断熱層13を配置する場合でも、例えば、格子状に配置することで強度を保つことが可能となる。第2領域に断熱層13を設けることで、後述のように、浸漬ノズルのスラグ層や溶鋼に覆われている部分においても断熱効果が得られる。
また、断熱層13は、上記ノズル本体2に設けたものに加え、ノズル底部8に設けられていてもよい。ノズル底部8にも断熱層13を設ける場合、該断熱層は、ノズル底部8の強度確保を条件として、円盤状、プレート状等の様々な形状とすることができる。断熱層13をノズル底部8にも設けることで、後述するノズル外部への熱伝導抑制効果がさらに向上することが期待できる。また、断熱層13をノズル底部8に設けることで、ノズル本体2の内管で該ノズル底部8の直上に位置する部位やその近辺における地金付着防止効果が得られ、溶鋼吐出口4から吐出される溶鋼の流量を安定させることも可能となる。
また、断熱層13は、上記ノズル本体2に設けたものに加え、ノズル底部8に設けられていてもよい。ノズル底部8にも断熱層13を設ける場合、該断熱層は、ノズル底部8の強度確保を条件として、円盤状、プレート状等の様々な形状とすることができる。断熱層13をノズル底部8にも設けることで、後述するノズル外部への熱伝導抑制効果がさらに向上することが期待できる。また、断熱層13をノズル底部8に設けることで、ノズル本体2の内管で該ノズル底部8の直上に位置する部位やその近辺における地金付着防止効果が得られ、溶鋼吐出口4から吐出される溶鋼の流量を安定させることも可能となる。
ここで、図1に示す形態の鋳造用浸漬ノズル1では、ノズルフランジ部7の下端から溶鋼吐出口4の上端にかけての領域(第2領域)とノズル底部8とに断熱層13が設けられている。図1に示す形態以外に、本発明の鋳造用浸漬ノズルは、例えば、前記第1領域とノズル底部8とに断熱層13を設けていてもよく、第1領域にのみ断熱層13を設けてもよい。
断熱層13をノズル本体2に設ける場合、その厚み寸法(ノズル本体の径方向の寸法)を0.1mm以上とする。厚み寸法の上限としては、ノズル本体2の強度を確保できる範囲のものを採用することができる。具体的には、厚み寸法が0.1mm以上且つ鋳造用浸漬ノズル1の耐火物厚みの1/2以下である断熱層が好ましい。
ここで、例えば、粉体焼結で成型したノズル本体における粉体粒子の接触熱伝導による影響を考慮した場合、下限の0.1mmはノズル耐火物に施工できる最小厚み寸法でもある。しかしながら、後述する低熱伝導材質層を断熱層として用いることを前提とした際、該低熱伝導材質の低熱伝導性が顕著である場合は、0.1mm未満の寸法も採用し得る。ここで、鋳造用浸漬ノズル1の耐火物厚みとは、ノズル本体2においては、スラグライン材質部5を除いた部分の耐火物の厚みをいい、ノズル底部8においては、該ノズル底部をなす耐火物の厚みをいう。厚み寸法が0.1mm未満である場合は、所望の熱伝導抑制効果が得られないおそれがあり、鋳造用浸漬ノズル1の耐火物厚みの1/2を超える場合は、ノズル本体2の強度を確保できなくなるおそれがある。また、断熱層13をノズル底部8に設ける場合の上限及び下限も上記と同様とする。この場合、断熱層13の厚み寸法はノズル底部8における垂直方向(直胴部の軸方向に一致する)の寸法である。
ここで、例えば、粉体焼結で成型したノズル本体における粉体粒子の接触熱伝導による影響を考慮した場合、下限の0.1mmはノズル耐火物に施工できる最小厚み寸法でもある。しかしながら、後述する低熱伝導材質層を断熱層として用いることを前提とした際、該低熱伝導材質の低熱伝導性が顕著である場合は、0.1mm未満の寸法も採用し得る。ここで、鋳造用浸漬ノズル1の耐火物厚みとは、ノズル本体2においては、スラグライン材質部5を除いた部分の耐火物の厚みをいい、ノズル底部8においては、該ノズル底部をなす耐火物の厚みをいう。厚み寸法が0.1mm未満である場合は、所望の熱伝導抑制効果が得られないおそれがあり、鋳造用浸漬ノズル1の耐火物厚みの1/2を超える場合は、ノズル本体2の強度を確保できなくなるおそれがある。また、断熱層13をノズル底部8に設ける場合の上限及び下限も上記と同様とする。この場合、断熱層13の厚み寸法はノズル底部8における垂直方向(直胴部の軸方向に一致する)の寸法である。
ここで、断熱層13としては、空気層、低熱伝導気体層、及び低熱伝導材質層等が挙げられる。以下において、これら各種断熱層について詳述する。
<空気層>
第1領域又は第2領域に断熱層としての空気層を形成する場合、鋳造用浸漬ノズル1の焼成時に焼失する材料からなる部材であって、所望する断熱層と同一形状又はこれに近い形状の円筒状の部材をまずノズル本体2をなす耐火材(耐火物)の内部に埋設しておく。さらに、ノズル本体2の内側には内張り材をなす耐火材を内張りしておく。この状態で鋳造用浸漬ノズル1の全体を焼成すれば、前記円筒状の部材は焼失して円筒状の空気層が形成される。ここで、第1領域において断熱層13を形成する場合、ノズル長手方向における該空気層の両端は、自ずとノズルフランジ部7の下端及びスラグライン材質部5の下端によって閉じられる。また、第2領域において断熱層13を形成する場合、ノズル長手方向における該空気層の両端は、自ずとノズルフランジ部7の下端及び溶鋼吐出口4の上端によって閉じられる。このようにして、空気層である断熱層13が形成される。
第1領域又は第2領域に断熱層としての空気層を形成する場合、鋳造用浸漬ノズル1の焼成時に焼失する材料からなる部材であって、所望する断熱層と同一形状又はこれに近い形状の円筒状の部材をまずノズル本体2をなす耐火材(耐火物)の内部に埋設しておく。さらに、ノズル本体2の内側には内張り材をなす耐火材を内張りしておく。この状態で鋳造用浸漬ノズル1の全体を焼成すれば、前記円筒状の部材は焼失して円筒状の空気層が形成される。ここで、第1領域において断熱層13を形成する場合、ノズル長手方向における該空気層の両端は、自ずとノズルフランジ部7の下端及びスラグライン材質部5の下端によって閉じられる。また、第2領域において断熱層13を形成する場合、ノズル長手方向における該空気層の両端は、自ずとノズルフランジ部7の下端及び溶鋼吐出口4の上端によって閉じられる。このようにして、空気層である断熱層13が形成される。
なお、前記焼失する材料からなる部材の形状を断熱層と同一形状又はこれに近い形状としたのは、鋳造用浸漬ノズル1の焼成により耐火材が変形することで、焼失する材料の形状と、焼失により形成される空気層の形状とが完全に一致しない場合もあるからである。また、第1領域又は第2領域のみならず、ノズル底部8にもこのような断熱層としての空気層を形成する場合も上記と同様の方法を用いることができる。さらに、ノズル耐火物自身の有する通気性(気孔率)により、熱膨張が生じた際の空気を逃がすための通路を例えば、ノズルの上部等に別途設ける必要はない。
<低熱伝導気体層>
第1領域又は第2領域に断熱層としての低熱伝導気体層を形成する場合、熱伝導率の低い気体が用いられる。具体的には、アルゴン、キセノン、窒素のうちいずれか又は他の気体が挙げられる。低熱伝導気体層とする場合は、例えば、ノズル本体2の耐火物内に予め形成した、溶鋼流出路3を囲む円筒状の連通した空隙にアルゴンガス等の不活性ガスを鋳造操業中に吹き込む構成としてもよい。この場合、不活性ガスを導入する機構をノズルフランジ部7内に設けてもよい。負圧により該不活性ガスがノズル本体2の内管に引き込まれた際は、溶鋼の酸化防止に寄与することも期待できる。具体的には、例えば、溶鋼吐出口4まで不活性ガスを送り込む際は、溶鋼吐出口付近の特定部位が負圧となり、該不活性ガスが引き込まれる場合がある。このように、不活性ガスを吹き込む構成は、第2領域に断熱層を設ける場合に特に有用である。即ち、低熱伝導気体層を断熱層として用いた場合、該低熱伝導気体層は断熱層及び不活性ガス通路としての作用を果たすことができる。これにより、不活性ガスの気泡により付着アルミナを洗い流すという観点からも、同じく不活性ガスを流す図示しない上ノズルに加えて、複数箇所においてアルミナ付着対策が可能となる。また、前記連通した空隙は、第1領域に断熱層を設ける場合は、少なくともスラグライン材質部5の下端まで連通していることを要し、第2領域に断熱層を設ける場合は、少なくとも溶鋼吐出口4の上端まで連通していることを要する。
ここで、第1領域又は第2領域のみならず、ノズル底部8にもこのような断熱層としての低熱伝導気体層を形成する場合も上記と同様の方法を用いることができる。
第1領域又は第2領域に断熱層としての低熱伝導気体層を形成する場合、熱伝導率の低い気体が用いられる。具体的には、アルゴン、キセノン、窒素のうちいずれか又は他の気体が挙げられる。低熱伝導気体層とする場合は、例えば、ノズル本体2の耐火物内に予め形成した、溶鋼流出路3を囲む円筒状の連通した空隙にアルゴンガス等の不活性ガスを鋳造操業中に吹き込む構成としてもよい。この場合、不活性ガスを導入する機構をノズルフランジ部7内に設けてもよい。負圧により該不活性ガスがノズル本体2の内管に引き込まれた際は、溶鋼の酸化防止に寄与することも期待できる。具体的には、例えば、溶鋼吐出口4まで不活性ガスを送り込む際は、溶鋼吐出口付近の特定部位が負圧となり、該不活性ガスが引き込まれる場合がある。このように、不活性ガスを吹き込む構成は、第2領域に断熱層を設ける場合に特に有用である。即ち、低熱伝導気体層を断熱層として用いた場合、該低熱伝導気体層は断熱層及び不活性ガス通路としての作用を果たすことができる。これにより、不活性ガスの気泡により付着アルミナを洗い流すという観点からも、同じく不活性ガスを流す図示しない上ノズルに加えて、複数箇所においてアルミナ付着対策が可能となる。また、前記連通した空隙は、第1領域に断熱層を設ける場合は、少なくともスラグライン材質部5の下端まで連通していることを要し、第2領域に断熱層を設ける場合は、少なくとも溶鋼吐出口4の上端まで連通していることを要する。
ここで、第1領域又は第2領域のみならず、ノズル底部8にもこのような断熱層としての低熱伝導気体層を形成する場合も上記と同様の方法を用いることができる。
<低熱伝導材質層>
第1領域又は第2領域に断熱層としての低熱伝導材質層を形成する場合、ノズル本体2の材質よりも熱伝導率の低い材質が用いられる。低熱伝導材質層は、例えば、ノズル本体2の成型時において、内側から外側に向かって焼成等により積層させていく方法によってノズル本体2の耐火物内に配置することができる。さらに、固体である低熱伝導材質層を断熱層として用いた場合、ノズル耐火物自身の熱伝導率低下を図ることができる。
第1領域又は第2領域に断熱層としての低熱伝導材質層を形成する場合、ノズル本体2の材質よりも熱伝導率の低い材質が用いられる。低熱伝導材質層は、例えば、ノズル本体2の成型時において、内側から外側に向かって焼成等により積層させていく方法によってノズル本体2の耐火物内に配置することができる。さらに、固体である低熱伝導材質層を断熱層として用いた場合、ノズル耐火物自身の熱伝導率低下を図ることができる。
低熱伝導材質層の材質をシミュレーションするために以下のような伝熱計算を行った。ノズルの外側上部が大気温度であること、ノズルの内側が空気として溶鋼とほぼ同じ1500℃の温度であることとした。ノズルの内面を通常よりも30℃以上高くすることを目標に、断熱層として低熱伝導材質層を用いた場合の材質および厚み寸法を変更して伝熱計算した。例えば、鋳造用浸漬ノズルの耐火物がアルミナ・カーボン質であることを前提として、熱伝導度が1.0W/m・Kであるシリカを低熱伝導材質層に用いた場合の厚み寸法は5mm乃至10mmであることが好ましく、熱伝導度が3.0W/m・Kであるジルコニアを低熱伝導材質層に用いた場合の厚み寸法は10mm乃至15mmであることが好ましい。ノズル耐火物よりも低い熱伝導度を有する上記材質の低熱伝導材質層を上記範囲内の厚み寸法で用いることにより、前記空気層や低熱伝導気体層と同等の効果が得られる。
ここで、第1領域又は第2領域のみならず、ノズル底部8にもこのような断熱層としての低熱伝導材質層を形成する場合も上記と同様の材質や方法を用いることができる。
ここで、第1領域又は第2領域のみならず、ノズル底部8にもこのような断熱層としての低熱伝導材質層を形成する場合も上記と同様の材質や方法を用いることができる。
ここで、例えば、ノズル本体2における第1領域又は第2領域に加えて、ノズル本体2の下端に設けられたノズル底部8内にも断熱層13を設ける場合は、上記空気層、低熱伝導気体層、及び低熱伝導材質層のうちの一種又は二種以上を適宜組み合わせて配置する構成としてもよい。例えば、第1領域又は第2領域のいずれかに配置した断熱層13と、ノズル底部8に配置した断熱層13とは同一種類のものであってもよく、異なっていてもよい。
また、前記内張り材の内面であって、前記スラグ層9の上面位置であるスラグ層上面10より上の領域にさらに別の層を配置することも可能である。この別の層は、内部を流下する溶鋼の抜熱防止と、付着する地金の反応防止とのいずれか又は両方の機能が備わっていることが好ましい。
本実施形態に係る鋳造用浸漬ノズル1では、上方のタンディッシュから供給される溶鋼が溶鋼流出路3の上端からノズル本体2内に流入し、流下した溶鋼はノズル本体2の下部に設けられた溶鋼吐出口4より鋳型内に吐出される。このとき、スラグ層9の上面位置であるスラグ層上面10より上の領域、即ち、鋳造用浸漬ノズル1のスラグ層9及び溶鋼11のいずれにも浸漬していない領域では、内張り材6とノズル本体2とを伝わって溶鋼流出路3内を流下する溶鋼の熱が鋳造用浸漬ノズル1の外部に逃げようとする。
ここで、本実施形態に係る鋳造用浸漬ノズル1は、少なくともノズル本体2における第1領域に断熱層13を有する。これにより、鋳造用浸漬ノズル1の上記領域にある溶鋼流出路3内を流れる溶鋼に関しては、溶鋼熱の外部への伝導が抑制されることで、溶鋼が過度に冷却されることなく下方に移動することができる。即ち、本実施形態に係る鋳造用浸漬ノズル1において、少なくともノズル本体2内に断熱層13を設けたことで、溶鋼の熱伝導抑制効果が得られる。一方、スラグ層9の上面位置であるスラグ層上面10より下の領域、即ち、鋳造用浸漬ノズル1のスラグ層9及び溶鋼11の双方に浸漬している領域では、鋳造用浸漬ノズル1の外部をスラグ層9と溶鋼11とが覆っているため、鋳造用浸漬ノズル1の内部における溶鋼の温度低下は殆ど発生しない。ここで、上述のように、ノズル本体2における第2領域やノズル底部8に断熱層13を設けることで、上記スラグ層9の上面位置であるスラグ層上面10より下の領域においても、溶鋼の熱伝導抑制効果が期待できる。
このように、本実施形態に係る鋳造用浸漬ノズル1では、断熱層13の配置箇所を適宜調整することにより、スラグ層9の上面位置であるスラグ層上面10より上の領域及び該スラグ層上面10より下の領域の双方において、ノズル本体2内にある溶鋼の熱量が外部へ逃げるのを抑制することができ、上記双方の領域における溶鋼の温度低下を抑制することができる。具体的には、例えば、0.1mmの空気層で試算した場合、断熱層の有無でノズル内面の温度に約300℃の差が生じる。
また、例えば、鋳造開始前に鋳造用浸漬ノズルを1000℃で予熱し、溶鋼が流入したときの温度が1550℃であった場合、通常、溶鋼の温度は約200℃乃至300℃下がることもある。界面であるノズル外面の温度の低下具合を考慮した場合、断熱層の存在により、ノズル外面(ノズル外壁面)の温度は相対的により低くなる。また、ノズル耐火物から外に出ていく単位面積当たりの熱量である熱流束の観点からも、断熱層を設けたことで、ノズル内側からの抜熱が減少し、ノズル外面の温度が低下した。具体的には、熱流束を以下に示す定量的方法であるフーリエの法則により算出し、熱流束が7000W/m2以下となるような断熱層を用いることがより好ましいことが明らかとなった。図2は、本実施形態における熱流束の算出方法を説明するための模式縦断面図である。図2(a)は、浸漬ノズル耐火物の中央に断熱層としての空気層を設けた場合における熱流束の算出方法についての説明図である。一方、図2(b)は、浸漬ノズル耐火物に断熱層が設けられていない場合における熱流束の算出方法についての説明図である。図2(a)中、T∞は大気温度を表す。Tcは浸漬ノズル外壁面の温度を表す。Tbは空気層を挟んで外側よりの耐火物壁面の温度を表す。Taは空気層を挟んで内側よりの耐火物壁面の温度を表す。δ1は空気層で隔てられた内側及び外側の耐火物の厚みを表す。δ2は空気層の厚みを表す。また、図2(b)中、T∞は大気温度を表す。Tcは浸漬ノズル外壁面の温度を表す。δ3は浸漬ノズル耐火物全体の厚みを表す。ここで、図2(a)及び(b)において、δ1、δ2、及びδ3は、δ3=2δ1+δ2の関係にある。
例えば、空気層で隔てられた内側及び外側の耐火物の厚みδ1をそれぞれ0.01275m(12.75mm)とし、断熱層としての空気層の厚みδ2を0.001m(1.0mm)とし、浸漬ノズル耐火物全体の厚みδ3を0.0265m(26.5mm)とし、大気温度T∞を25℃とし、浸漬ノズル内壁面の温度を1500℃とし、浸漬ノズル耐火物の熱伝導率k1を23.6W/m・Kとし、空気層の熱伝導率k2を0.024W/m・Kとし、大気の熱伝達係数hを5W/m2・Kとした場合、熱流束Q及び浸漬ノズル外壁面の温度Tcは、断熱層(空気層)が設けられている場合と設けられていない場合とでそれぞれ下記のように求まる。
[断熱層ありの場合]
断熱層としての空気層が設けられている場合は、下記の数式1及び2を用いて熱流束Q及び浸漬ノズル外壁面の温度Tcの算出を行った。
[数1]
1500-T∞=Q*(δ1/k1+δ2/k2+δ1/k1+1/h)
[数2]
Tc-T∞=Q/h
まず、数式1に上記該当する値をそれぞれ代入したところ、熱流束はQ=6262W/m2であると算出された。そして、該熱流束値、大気温度、及び大気の熱伝達係数を数式2に代入したところ、浸漬ノズル外壁面の温度はTc=1282℃であると算出された。
断熱層としての空気層が設けられている場合は、下記の数式1及び2を用いて熱流束Q及び浸漬ノズル外壁面の温度Tcの算出を行った。
[数1]
1500-T∞=Q*(δ1/k1+δ2/k2+δ1/k1+1/h)
[数2]
Tc-T∞=Q/h
まず、数式1に上記該当する値をそれぞれ代入したところ、熱流束はQ=6262W/m2であると算出された。そして、該熱流束値、大気温度、及び大気の熱伝達係数を数式2に代入したところ、浸漬ノズル外壁面の温度はTc=1282℃であると算出された。
[断熱層なしの場合]
断熱層が設けられていない場合は、下記の数式3及び4を用いて熱流束Q及び浸漬ノズル外壁面の温度Tcの算出を行った。
[数3]
1500-Tc=Qδ3/k1
[数4]
Tc-T∞=Q/h
まず、数式3と数式4の加算により得られた式である1500-T∞=Q(δ3/k1+1/h)に上記該当する値をそれぞれ代入したところ、熱流束はQ=7557W/m2であると算出された。そして、該熱流束値、大気温度、及び大気の熱伝達係数を数式4に代入したところ、浸漬ノズル外壁面の温度はTc=1542℃であると算出された。
断熱層が設けられていない場合は、下記の数式3及び4を用いて熱流束Q及び浸漬ノズル外壁面の温度Tcの算出を行った。
[数3]
1500-Tc=Qδ3/k1
[数4]
Tc-T∞=Q/h
まず、数式3と数式4の加算により得られた式である1500-T∞=Q(δ3/k1+1/h)に上記該当する値をそれぞれ代入したところ、熱流束はQ=7557W/m2であると算出された。そして、該熱流束値、大気温度、及び大気の熱伝達係数を数式4に代入したところ、浸漬ノズル外壁面の温度はTc=1542℃であると算出された。
上記の結果から、断熱層としての空気層が設けられている場合は、断熱層が設けられていない場合と比較して、浸漬ノズル外壁面の温度Tcが260℃低く、断熱効果があることが確認された。なお、本実施形態の鋳造用浸漬ノズルは円筒状に形成されているため、熱流束の計算はその内面積と外面積との差を考慮して行われ、円筒座標系における断熱層の位置を考慮して行われた。即ち、熱流束の観点から、ノズル外壁面の温度で断熱層の効果を評価した。
ノズル本体2内にある溶鋼の温度低下を抑制することで、鋳造用浸漬ノズル1の温度を維持できるようになる。これにより、鋳造用浸漬ノズル1の内面、具体的にはノズル本体2内に配された内張り材6の表面に地金層が付着しにくくなり、地金付着防止効果が得られる。地金層の付着が抑制されることで、それを起点とするアルミナの成長も著しく減少し、アルミナによる溶鋼流出路3の閉塞や狭隘化を防止することができる。
ここで、鋳造用浸漬ノズルの内面に地金層が形成され、該地金層にアルミナが付着し、アルミナが成長していく過程としては、例えば、具体的に下記のような機序が考えられる。一般的に、連続鋳造においてスラブを鋳込む際、鋳型内の凝固遅れを防止するために、タンディッシュ内の温度を凝固温度+20℃~40℃の範囲に制御する。タンディッシュから鋳型までは鋳造用浸漬ノズルを介して溶鋼が注入されるため、浸漬ノズルでの抜熱が20~40℃と大きい場合は浸漬ノズル出口の溶鋼は凝固温度にまで低下するおそれがある。その場合、浸漬ノズル内を通過する溶鋼がノズルの内壁に付着し凝固することで、地金層が形成される。特に、鋳造用浸漬ノズルに真熱が付いていない鋳造開始時や、鋳造速度の低下時にはこのような影響が顕著となる。一旦地金が浸漬ノズル内に付着してしまうと、ノズルの内壁面に凹凸が生じ、アルミナ介在物が地金層に付着しやすい状態となる。これを起点として、アルミナが累積的に付着し成長していくことで、操業に支障をきたすようになる。
ここで、鋳造用浸漬ノズルの内面に地金層が形成され、該地金層にアルミナが付着し、アルミナが成長していく過程としては、例えば、具体的に下記のような機序が考えられる。一般的に、連続鋳造においてスラブを鋳込む際、鋳型内の凝固遅れを防止するために、タンディッシュ内の温度を凝固温度+20℃~40℃の範囲に制御する。タンディッシュから鋳型までは鋳造用浸漬ノズルを介して溶鋼が注入されるため、浸漬ノズルでの抜熱が20~40℃と大きい場合は浸漬ノズル出口の溶鋼は凝固温度にまで低下するおそれがある。その場合、浸漬ノズル内を通過する溶鋼がノズルの内壁に付着し凝固することで、地金層が形成される。特に、鋳造用浸漬ノズルに真熱が付いていない鋳造開始時や、鋳造速度の低下時にはこのような影響が顕著となる。一旦地金が浸漬ノズル内に付着してしまうと、ノズルの内壁面に凹凸が生じ、アルミナ介在物が地金層に付着しやすい状態となる。これを起点として、アルミナが累積的に付着し成長していくことで、操業に支障をきたすようになる。
この点、アルミナ付着抑制に関しては、従来、Arガス等の不活性ガスを吹き込むことで浸漬ノズル内壁のガスシールを行う方法が一般的であった。しかしながら、不活性ガスの吹き込みは溶鋼温度よりも低い温度で行われるため、溶鋼温度の低下を招き、浸漬ノズル内壁への地金付着を促進する虞があった。これに対し、本実施形態に係る鋳造用浸漬ノズルは、さらに所定の部位に設けられた断熱層によって溶鋼の温度低下の抑制を図ることを実現しており、不活性ガスの吹き込みに起因する温度低下を極力抑制することができる。即ち、本実施形態では、従来と異なる観点から鋳造用浸漬ノズル内壁への地金付着を防止することで、アルミナによる浸漬ノズルの閉塞を防止することができる。これにより、鋼の鋳造の安定性と生産性を向上させることができ、併せて鋼の表面欠陥及び内部欠陥を減少させて品質向上を図ることも期待できる。
また、本実施形態に係る鋳造用浸漬ノズルを2孔ノズルとして図1中に例示しているが、言うまでもなく、本実施形態は例えば4孔ノズル等の各種多孔ノズルにも適用され得る。当然ながら、4孔ノズル等の各種多孔ノズルの場合においても、上記効果と同様の効果が発揮され得る。
また、本実施形態に係る鋳造用浸漬ノズルを2孔ノズルとして図1中に例示しているが、言うまでもなく、本実施形態は例えば4孔ノズル等の各種多孔ノズルにも適用され得る。当然ながら、4孔ノズル等の各種多孔ノズルの場合においても、上記効果と同様の効果が発揮され得る。
[第2実施形態]
<鋼の鋳造方法>
本発明における第2実施形態は、上記第1実施形態に記載の鋳造用浸漬ノズルを用いて行う鋼の鋳造方法であり、安定して鋼を鋳造するためのものである。上記鋳造用浸漬ノズルを用いて鋳造を行うことで、ノズル本体2内やノズル底部8に設けられた断熱層13により、溶鋼の温度低下を抑制することが可能となる。これにより、ノズル本体2の内管への地金付着を防止し、これを起点としたアルミナの付着を防止することができるようになる。また、上述のように各種断熱層及びその配置位置を適宜選択し、組み合わせることで、断熱層13がもたらす熱伝導抑制効果をさらに向上させることも期待できる。
<鋼の鋳造方法>
本発明における第2実施形態は、上記第1実施形態に記載の鋳造用浸漬ノズルを用いて行う鋼の鋳造方法であり、安定して鋼を鋳造するためのものである。上記鋳造用浸漬ノズルを用いて鋳造を行うことで、ノズル本体2内やノズル底部8に設けられた断熱層13により、溶鋼の温度低下を抑制することが可能となる。これにより、ノズル本体2の内管への地金付着を防止し、これを起点としたアルミナの付着を防止することができるようになる。また、上述のように各種断熱層及びその配置位置を適宜選択し、組み合わせることで、断熱層13がもたらす熱伝導抑制効果をさらに向上させることも期待できる。
このように、本実施形態においても、鋳造用浸漬ノズル内壁への地金付着を防止することで、アルミナによる浸漬ノズルの閉塞を防止することができる。これにより、鋼の鋳造の安定性と生産性を向上させることができ、併せて鋼の表面欠陥及び内部欠陥を減少させて品質向上を図ることも期待できる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。なお、本発明は下記に示す実施例に限定されるものではない。
<実施例>
同一清浄度の溶鋼にて比較するために、2ストランド設備を用いて、同一のタンディッシュの各ストランドに従来技術に係る鋳造用浸漬ノズルと本発明に係る鋳造用浸漬ノズルとを取り付け、連々7杯以上(400分以上)の連続鋳造を実施して比較評価した。実施例のうち、本発明に係る鋳造用浸漬ノズルを用いた例を発明例とし、従来技術に係る鋳造用浸漬ノズルを用いた例を比較例とした。ここで、溶鋼の清浄度とは、溶鋼中の酸素濃度(酸素量)をいう。地金付着厚み及びアルミナ付着厚みの測定は、浸漬ノズルの内管であって、スラグ層9の上面位置であるスラグ層上面10の直上部分に相当する箇所と吐出孔4の直上部分に相当する箇所とで行い、その平均値にて評価を行った。また、地金付着厚みとアルミナ付着厚みとの合計も求めた。
各連々数における発明例と比較例との比較において、Arガスの流量をいずれも10L/minとし、溶鋼吐出口の寸法をいずれも側面視で90mm×90mmとし、内張り材としての内管材質はいずれも炭素非含有材質を用いた。また、発明例では、断熱層として、空気層又は低熱伝導材質層のいずれの層が用いられ、該断熱層の配置位置として、前記第1領域又は第2領域を採用した。一方、比較例では、断熱層を有しない鋳造用浸漬ノズルを用いた。発明例1乃至6で用いた空気層の熱伝導率は0.024W/m・Kであり、発明例7で用いた低熱伝導材質層の熱伝導率は1.00W/m・Kであった。また、比較例1乃至5において、浸漬ノズル耐火物の熱伝導率は23.6W/m・Kであった。各発明例及び比較例で得られた測定結果を表1に示す。なお、熱流束の計算は上述の通りに行った。
同一清浄度の溶鋼にて比較するために、2ストランド設備を用いて、同一のタンディッシュの各ストランドに従来技術に係る鋳造用浸漬ノズルと本発明に係る鋳造用浸漬ノズルとを取り付け、連々7杯以上(400分以上)の連続鋳造を実施して比較評価した。実施例のうち、本発明に係る鋳造用浸漬ノズルを用いた例を発明例とし、従来技術に係る鋳造用浸漬ノズルを用いた例を比較例とした。ここで、溶鋼の清浄度とは、溶鋼中の酸素濃度(酸素量)をいう。地金付着厚み及びアルミナ付着厚みの測定は、浸漬ノズルの内管であって、スラグ層9の上面位置であるスラグ層上面10の直上部分に相当する箇所と吐出孔4の直上部分に相当する箇所とで行い、その平均値にて評価を行った。また、地金付着厚みとアルミナ付着厚みとの合計も求めた。
各連々数における発明例と比較例との比較において、Arガスの流量をいずれも10L/minとし、溶鋼吐出口の寸法をいずれも側面視で90mm×90mmとし、内張り材としての内管材質はいずれも炭素非含有材質を用いた。また、発明例では、断熱層として、空気層又は低熱伝導材質層のいずれの層が用いられ、該断熱層の配置位置として、前記第1領域又は第2領域を採用した。一方、比較例では、断熱層を有しない鋳造用浸漬ノズルを用いた。発明例1乃至6で用いた空気層の熱伝導率は0.024W/m・Kであり、発明例7で用いた低熱伝導材質層の熱伝導率は1.00W/m・Kであった。また、比較例1乃至5において、浸漬ノズル耐火物の熱伝導率は23.6W/m・Kであった。各発明例及び比較例で得られた測定結果を表1に示す。なお、熱流束の計算は上述の通りに行った。
図3は、本発明に係る鋳造用浸漬ノズル(発明例)の効果と、従来技術に係る鋳造用浸漬ノズル(比較例)の効果とを比較した一例を示すグラフである。これは、各鋳造用浸漬ノズルの溶鋼流出路の壁面(内張り材の表面)に付着した地金とアルミナの厚み寸法を測定した結果であり、指標値として示している。なお、図3に示す結果は、いずれも連々数10杯、Arガス流量10L/min、溶鋼吐出口寸法90mm×90mm、及び内管材質アルミナグラファイトという条件の下で得られたものである。図3における比較において、発明例に係る鋳造用浸漬ノズルでは、空気層を断熱層として用い、その厚み寸法を1.0mmとし、及びその配置位置を第2領域とした。一方、比較例に係る鋳造用浸漬ノズルとしては、上記のように断熱層を有しないものを用いた。
(発明例1)
発明例1では、断熱層を第1領域に配置し、連々7杯で連続鋳造を行った。また、断熱層として、空気層を用い、該断熱層の厚み寸法を0.1mmとした。測定された地金付着厚みは8.0mmで、アルミナ付着厚みは12.6mmであった。さらに、計算した熱流束値は7405W/m2であった。
発明例1では、断熱層を第1領域に配置し、連々7杯で連続鋳造を行った。また、断熱層として、空気層を用い、該断熱層の厚み寸法を0.1mmとした。測定された地金付着厚みは8.0mmで、アルミナ付着厚みは12.6mmであった。さらに、計算した熱流束値は7405W/m2であった。
(発明例2)
発明例2では、断熱層を第1領域に配置し、連々9杯で連続鋳造を行った。また、断熱層として、空気層を用い、該断熱層の厚み寸法を0.5mmとした。測定された地金付着厚みは5.2mmで、アルミナ付着厚みは9.8mmであった。さらに、計算した熱流束値は6849W/m2であった。
発明例2では、断熱層を第1領域に配置し、連々9杯で連続鋳造を行った。また、断熱層として、空気層を用い、該断熱層の厚み寸法を0.5mmとした。測定された地金付着厚みは5.2mmで、アルミナ付着厚みは9.8mmであった。さらに、計算した熱流束値は6849W/m2であった。
(発明例3)
発明例3では、断熱層を第1領域に配置し、連々8杯で連続鋳造を行った。また、断熱層として、空気層を用い、該断熱層の厚み寸法を1.0mmとした。測定された地金付着厚みは2.8mmで、アルミナ付着厚みは5.2mmであった。さらに、計算した熱流束値は6262W/m2であった。
発明例3では、断熱層を第1領域に配置し、連々8杯で連続鋳造を行った。また、断熱層として、空気層を用い、該断熱層の厚み寸法を1.0mmとした。測定された地金付着厚みは2.8mmで、アルミナ付着厚みは5.2mmであった。さらに、計算した熱流束値は6262W/m2であった。
(発明例4)
発明例4では、断熱層を第2領域に配置し、連々8杯で連続鋳造を行った。また、断熱層として、空気層を用い、該断熱層の厚み寸法を0.1mmとした。測定された地金付着厚みは6.2mmで、アルミナ付着厚みは10.3mmであった。さらに、計算した熱流束値は7405W/m2であった。
発明例4では、断熱層を第2領域に配置し、連々8杯で連続鋳造を行った。また、断熱層として、空気層を用い、該断熱層の厚み寸法を0.1mmとした。測定された地金付着厚みは6.2mmで、アルミナ付着厚みは10.3mmであった。さらに、計算した熱流束値は7405W/m2であった。
(発明例5)
発明例5では、断熱層を第2領域に配置し、連々9杯で連続鋳造を行った。また、断熱層として、空気層を用い、該断熱層の厚み寸法を0.5mmとした。測定された地金付着厚みは4.4mmで、アルミナ付着厚みは8.5mmであった。さらに、計算した熱流束値は6849W/m2であった。
発明例5では、断熱層を第2領域に配置し、連々9杯で連続鋳造を行った。また、断熱層として、空気層を用い、該断熱層の厚み寸法を0.5mmとした。測定された地金付着厚みは4.4mmで、アルミナ付着厚みは8.5mmであった。さらに、計算した熱流束値は6849W/m2であった。
(発明例6)
発明例6では、断熱層を第2領域に配置し、連々8杯で連続鋳造を行った。また、断熱層として、空気層を用い、該断熱層の厚み寸法を1.0mmとした。測定された地金付着厚みは1.5mmで、アルミナ付着厚みは5.2mmであった。さらに、計算した熱流束値は6262W/m2であった。
発明例6では、断熱層を第2領域に配置し、連々8杯で連続鋳造を行った。また、断熱層として、空気層を用い、該断熱層の厚み寸法を1.0mmとした。測定された地金付着厚みは1.5mmで、アルミナ付着厚みは5.2mmであった。さらに、計算した熱流束値は6262W/m2であった。
(発明例7)
発明例7では、断熱層を第2領域に配置し、連々7杯で連続鋳造を行った。また、断熱層として、低熱伝導材質層であるシリカ層を用い、該断熱層の厚み寸法を1.0mmとした。測定された地金付着厚みは7.2mmで、アルミナ付着厚みは13.8mmであった。さらに、計算した熱流束値は7521W/m2であった。
発明例7では、断熱層を第2領域に配置し、連々7杯で連続鋳造を行った。また、断熱層として、低熱伝導材質層であるシリカ層を用い、該断熱層の厚み寸法を1.0mmとした。測定された地金付着厚みは7.2mmで、アルミナ付着厚みは13.8mmであった。さらに、計算した熱流束値は7521W/m2であった。
(比較例1)
比較例1では、断熱層を有しない鋳造用浸漬ノズルを用いて、連々7杯で連続鋳造を行った。測定された地金付着厚みは7.3mmで、アルミナ付着厚みは15.3mmであった。また、計算した熱流束値は7557W/m2であった。
比較例1では、断熱層を有しない鋳造用浸漬ノズルを用いて、連々7杯で連続鋳造を行った。測定された地金付着厚みは7.3mmで、アルミナ付着厚みは15.3mmであった。また、計算した熱流束値は7557W/m2であった。
(比較例2)
比較例2では、断熱層を有しない鋳造用浸漬ノズルを用いて、連々9杯で連続鋳造を行った。測定された地金付着厚みは8.0mmで、アルミナ付着厚みは、16.8mmであった。また、計算した熱流束値は7557W/m2であった。
比較例2では、断熱層を有しない鋳造用浸漬ノズルを用いて、連々9杯で連続鋳造を行った。測定された地金付着厚みは8.0mmで、アルミナ付着厚みは、16.8mmであった。また、計算した熱流束値は7557W/m2であった。
(比較例3)
比較例3では、断熱層を有しない鋳造用浸漬ノズルを用いて、連々8杯で連続鋳造を行った。測定された地金付着厚みは8.7mmで、アルミナ付着厚みは15.5mmであった。また、計算した熱流束値は7557W/m2であった。
比較例3では、断熱層を有しない鋳造用浸漬ノズルを用いて、連々8杯で連続鋳造を行った。測定された地金付着厚みは8.7mmで、アルミナ付着厚みは15.5mmであった。また、計算した熱流束値は7557W/m2であった。
(比較例4)
比較例4では、断熱層を有しない鋳造用浸漬ノズルを用いて、連々8杯で連続鋳造を行った。測定された地金付着厚みは8.7mmで、アルミナ付着厚みは15.2mmであった。また、計算した熱流束値は7557W/m2であった。
比較例4では、断熱層を有しない鋳造用浸漬ノズルを用いて、連々8杯で連続鋳造を行った。測定された地金付着厚みは8.7mmで、アルミナ付着厚みは15.2mmであった。また、計算した熱流束値は7557W/m2であった。
(比較例5)
比較例5では、断熱層を有しない鋳造用浸漬ノズルを用いて、連々9杯で連続鋳造を行った。測定された地金付着厚みは8.6mmで、アルミナ付着厚みは16.6mmであった。また、計算した熱流束値は7557W/m2であった。
比較例5では、断熱層を有しない鋳造用浸漬ノズルを用いて、連々9杯で連続鋳造を行った。測定された地金付着厚みは8.6mmで、アルミナ付着厚みは16.6mmであった。また、計算した熱流束値は7557W/m2であった。
表1に示す結果から明らかなように、比較例1乃至5では、地金付着厚みが10.2mm乃至12.6mmであり、その上のアルミナ付着厚みが21.3mm乃至24.5mmであったのに対して、発明例1乃至7では、地金層及びその上のアルミナ層が20%以上低減する結果となった。
また、上述のように、本発明における実施例では、2ストランド設備を用いて、同一のタンディッシュの各ストランドに発明例に係る鋳造用浸漬ノズルと比較例に係る鋳造用浸漬ノズルとを取り付けて、連続鋳造を実施している。従って、第1領域に断熱層を設けた鋳造用浸漬ノズルを用いた発明例1、2、及び3はそれぞれ、比較例1、2、及び3と対応しており、第2領域に断熱層を設けた鋳造用浸漬ノズルを用いた発明例4、5、6、及び7はそれぞれ、比較例4、5、4、及び1と対応している。
また、ノズル外上部の大気温度を30℃とし、ノズル内の温度を1550℃とし、ノズル外面(外壁表面)の温度を700℃乃至800℃とした場合、断熱層を設けることで、該ノズル外面の温度は600℃乃至700℃にまで低下した。
ここで、図4は、各発明例及び比較例における、地金付着厚みとアルミナ付着厚みの合計と、熱流束との相関関係を示した散布図である。図4から明らかなように、発明例において、熱流束が7000W/m2以下となるような断熱層を用いた場合、該断熱層による地金付着抑制効果及びアルミナ付着抑制効果が著しく、より好ましいことが明らかとなった。
また、ノズル外上部の大気温度を30℃とし、ノズル内の温度を1550℃とし、ノズル外面(外壁表面)の温度を700℃乃至800℃とした場合、断熱層を設けることで、該ノズル外面の温度は600℃乃至700℃にまで低下した。
ここで、図4は、各発明例及び比較例における、地金付着厚みとアルミナ付着厚みの合計と、熱流束との相関関係を示した散布図である。図4から明らかなように、発明例において、熱流束が7000W/m2以下となるような断熱層を用いた場合、該断熱層による地金付着抑制効果及びアルミナ付着抑制効果が著しく、より好ましいことが明らかとなった。
このように、発明例では、鋳造用浸漬ノズル内における地金層の付着量が減少した結果、これを起点として成長するアルミナ層の付着量も激減した。これにより、鋼の鋳造の安定性と生産性を向上させることができる。また、アルミナ層の生成に起因する鋼の品質低下を防止することができる。さらに、鋳造用浸漬ノズルの交換頻度が下がることで、鋼の生産効率向上が期待できる。
なお、本発明における実施形態では、鋳造用浸漬ノズルをノズル本体と内張り材とから構成される2層としており、先述のように、内張り材の内面に別の層を形成することも可能である。内張り材の内面に形成される層とは別に、ノズル本体の外面に別の層を形成してもよい。ノズル本体の外面に形成される層としては、例えば、鋳型内のスラグ層や溶鋼の位置と温度に対応した耐熱層等が挙げられる。
本発明に係る鋳造用浸漬ノズル及びこれを用いた鋼の鋳造方法は、連続鋳造を行う上で、地金層付着に起因するアルミナ付着を抑制することにより、ノズル閉塞等の不具合を防止するのに特に有用である。これにより、鋼の鋳造の安定性と生産性を向上させることができ、併せて鋼の表面欠陥や内部欠陥を減少させて品質向上を図ることも期待できる。
1 鋳造用浸漬ノズル
2 ノズル本体
3 溶鋼流出路
4 溶鋼吐出口
5 スラグライン材質部
6 内張り材
7 ノズルフランジ部
8 ノズル底部
9 スラグ層
10 スラグ層上面
11 溶鋼
12 溶鋼上面
13 断熱層
2 ノズル本体
3 溶鋼流出路
4 溶鋼吐出口
5 スラグライン材質部
6 内張り材
7 ノズルフランジ部
8 ノズル底部
9 スラグ層
10 スラグ層上面
11 溶鋼
12 溶鋼上面
13 断熱層
Claims (6)
- ノズル本体と、溶鋼流出路と、溶鋼吐出口と、スラグライン材質部と、内張り材と、ノズルフランジ部と、ノズル底部と、を備える鋳造用浸漬ノズルであって、
厚み寸法が0.1mm以上且つ該鋳造用浸漬ノズルの耐火物厚みの1/2以下である断熱層を、前記ノズル本体内で前記溶鋼流出路を囲むように設けたことを特徴とする鋳造用浸漬ノズル。 - 前記ノズル本体内で前記溶鋼流出路を囲むように、前記ノズルフランジ部の下端から前記スラグライン材質部の下端までの領域、又は前記ノズルフランジ部の下端から前記溶鋼吐出口の上端までの領域に前記断熱層を設けたことを特徴とする請求項1に記載の鋳造用浸漬ノズル。
- さらに前記ノズル底部に前記断熱層を設けたことを特徴とする請求項1に記載の鋳造用浸漬ノズル。
- 前記断熱層として、空気層、低熱伝導気体層、及び低熱伝導材質層から選ばれる少なくとも1つを含む層が用いられることを特徴とする請求項1に記載の鋳造用浸漬ノズル。
- 前記低熱伝導気体層は、前記ノズル本体内で前記溶鋼流出路を囲むように設け、連通した空隙に不活性ガスを吹き込むことにより形成されることを特徴とする請求項4に記載の鋳造用浸漬ノズル。
- 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の鋳造用浸漬ノズルを用いて行う鋼の鋳造方法であって、溶鋼の温度低下を抑制することで、前記ノズル本体の内管への地金付着を防止し、アルミナ付着を防止することを特徴とする鋼の鋳造方法。
Applications Claiming Priority (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2024133312 | 2024-08-08 | ||
| JP2024133312 | 2024-08-08 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2026031445A true JP2026031445A (ja) | 2026-02-24 |
Family
ID=98862919
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2025121031A Pending JP2026031445A (ja) | 2024-08-08 | 2025-07-18 | 鋳造用浸漬ノズル及びこれを用いた鋼の鋳造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2026031445A (ja) |
-
2025
- 2025-07-18 JP JP2025121031A patent/JP2026031445A/ja active Pending
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