JP2026036725A - 作業機械の制御システム、作業機械、作業機械の遠隔操作システム、及び作業機械の制御方法 - Google Patents

作業機械の制御システム、作業機械、作業機械の遠隔操作システム、及び作業機械の制御方法

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Abstract

【課題】作業機に保持された積荷の崩れを抑制すること。
【解決手段】作業機械の制御システムは、プロセッサを備える。プロセッサは、作業機及び走行装置を有する作業機械を動作させるために操作された操作装置からの操作信号を受信し、作業機械の動作状態を示す車両状態パラメータに基づいて、作業機に保持された積荷が崩れない制約条件を算出し、制約条件に基づいて、操作信号を修正する。
【選択図】図7

Description

本開示は、作業機械の制御システム、作業機械、作業機械の遠隔操作システム、及び作業機械の制御方法に関する。
作業機械に係る技術分野において、特許文献1に開示されているような、ホイールローダの遠隔操作システムが知られている。特許文献1において、ホイールローダは、カメラ及びアンテナを有する。ホイールローダのオンボードコントローラは、アンテナを介してオフボードコントローラからのリモート信号を受信する。オフボードコントローラは、カメラからのカメラ画像を受信してディスプレイに表示させる。
欧州特許出願公開第3926107号明細書
作業機械は、オペレータにより操作される操作装置からの操作信号に基づいて動作する。操作装置が急激に操作されると、作業機械の状態が急激に変化する。作業機械の状態が急激に変化すると、作業機械の作業機に保持された積荷が崩れる可能性がある。
本開示は、作業機に保持された積荷の崩れを抑制することを目的とする。
本開示に従えば、プロセッサを備える作業機械の制御システムが提供される。プロセッサは、プロセッサは、作業機及び走行装置を有する作業機械を動作させるために操作された操作装置からの操作信号を受信し、作業機械の動作状態を示す車両状態パラメータに基づいて、作業機に保持された積荷が崩れない制約条件を算出し、制約条件に基づいて、操作信号を修正する。
本開示によれば、作業機に保持された積荷の崩れが抑制される。
図1は、第1実施形態に係る作業機械の遠隔操作システムを示す図である。 図2は、第1実施形態に係る作業機械及び操作装置を示す構成図である。 図3は、第1実施形態に係る車載コントローラを示すハードウエア構成図である。 図4は、第1実施形態に係る作業機械の制御システムを示すブロック図である。 図5は、第1実施形態に係る作業機のバケットに保持された積荷が崩れない制約条件を説明する図である。 図6は、第1実施形態に係る作業機のバケットに保持された積荷が崩れない制約条件を説明する図である。 図7は、第1実施形態に係る車載コントローラの処理を説明する図である。 図8は、第1実施形態に係る作業機械の動作を説明する図である。 図9は、第1実施形態に係る作業機械の制御方法を示すフローチャートである。 図10は、第2実施形態に係る作業機械の制御方法を示すフローチャートである。 図11は、第3実施形態に係る作業機械を上方から見た模式図である。 図12は、第3実施形態に係る作業機械を上方から見た模式図である。
以下、本開示に係る本実施形態について図面を参照しながら説明するが、本開示は実施形態に限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
[第1実施形態]
第1実施形態について説明する。
<遠隔操作システム>
図1は、本実施形態に係る作業機械1の遠隔操作システム200を示す図である。遠隔操作システム200は、作業現場201に存在する作業機械1を遠隔操作する。遠隔操作システム200の少なくとも一部は、作業機械1の外部に設けられた遠隔操作室202に配置される。遠隔操作システム200は、操作装置70と、表示装置80と、入力装置81と、遠隔コントローラ82とを備える。
操作装置70は、作業機械1の外部の遠隔操作室202に配置される。操作装置70は、遠隔操作室202においてオペレータにより操作される。オペレータは、操縦シート83に着座した状態で、操作装置70を操作することができる。なお、オペレータは、可搬式の操作装置700を操作してもよい。操作装置700は、遠隔操作室202の外部で操作されてもよい。
表示装置80は、作業機械1の外部の遠隔操作室202に配置される。表示装置80として、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのようなフラットパネルディスプレイが例示される。表示装置80は、少なくとも作業現場201の画像を表示する。表示装置80は、作業現場201の音声を出力してもよい。
オペレータは、表示装置80に表示される作業現場201の画像を確認しながら、操作装置70を操作する。作業機械1は、操作装置70によって遠隔操作される。
入力装置81は、作業機械1の外部の遠隔操作室202に配置される。入力装置81は、遠隔操作室202においてオペレータにより操作される。入力装置81として、コンピュータ用キーボード、タッチパネル、マウス、及び音声入力装置が例示される。
遠隔コントローラ82は、作業機械1の外部の遠隔操作室202に配置される。遠隔コントローラ82と作業機械1とは、通信システム203を介して通信する。通信システム203として、インターネット(internet)、ローカルエリアネットワーク(LAN:Local Area Network)、携帯電話通信網、及び衛星通信網が例示される。
<作業機械>
本実施形態において、作業機械1は、ホイールローダである。図1に示すように、作業機械1は、車体2と、アーティキュレートシリンダ7及び車輪4を含む走行装置5と、作業機6とを備える。作業機械1は、走行装置5により作業現場201を走行する。作業機械1は、作業現場201において作業機6を用いる作業を実施する。作業機械1が実施する作業として、掘削作業、積込作業、及び運搬作業が例示される。
車体2は、作業機6を支持する。車体2は、フロントフレーム2Fと、リヤフレーム2Rとを含む。フロントフレーム2Fは、リヤフレーム2Rよりも前方に配置される。フロントフレーム2Fとリヤフレーム2Rとは、アーティキュレート機構3を介して連結される。
走行装置5は、車体2を支持する。走行装置5は、車輪4及びアーティキュレートシリンダ7を含む。車輪4は、フロントフレーム2Fに装着される前輪4Fと、リヤフレーム2Rに装着される後輪4Rとを含む。車輪4は、タイヤを含む。アーティキュレートシリンダ7は、フロントフレーム2Fとリヤフレーム2Rとを連結する。アーティキュレートシリンダ7は、油圧シリンダである。アーティキュレートシリンダ7が伸縮することにより、フロントフレーム2Fは、リヤフレーム2Rに対して左右方向に屈曲する。フロントフレーム2Fがリヤフレーム2Rに対して屈曲することにより、作業機械1の走行方向が調整される。アーティキュレートシリンダ7は、作業機械1のステアリング装置の一例である。
作業機6は、車体2に支持される。作業機6は、フロントフレーム2Fに連結される。作業機6は、ブーム8と、バケット9と、ベルクランク10と、バケットリンク11と、ブームシリンダ12と、バケットシリンダ13とを有する。
ブーム8の基端部は、フロントフレーム2Fに回動可能に連結される。バケット9の基端部は、ブーム8の先端部に回動可能に連結される。ベルクランク10の中間部は、ブーム8のブラケット14に回動可能に連結される。ベルクランク10の下端部は、バケットリンク11の基端部に回動可能に連結される。バケットリンク11の先端部は、バケット9のブラケット15に回動可能に連結される。ベルクランク10は、バケットリンク11を介してバケット9に連結される。
バケット9は、掘削対象を掘削する作業部材である。バケット9は、他の作業部材と交換可能である。他の作業部材として、運搬対象を運搬するフォークが例示される。
ブーム8は、ブームシリンダ12により動作する。ブームシリンダ12は、油圧シリンダである。ブームシリンダ12の基端部は、フロントフレーム2Fに連結される。ブームシリンダ12の先端部は、ブーム8に連結される。バケット9は、バケットシリンダ13により動作する。バケットシリンダ13は、油圧シリンダである。バケットシリンダ13の基端部は、フロントフレーム2Fに連結される。バケットシリンダ13の先端部は、ベルクランク10の上端部に連結される。
本実施形態において、作業機6は、掘削作業においてバケット9の開口部が前方を向くフロントローディング方式の作業機である。ブームシリンダ12が伸縮することによって、ブーム8が上げ動作又は下げ動作する。バケットシリンダ13が伸縮することによって、バケット9がチルト動作又はダンプ動作する。
<作業機械及び操作装置の構成>
図2は、本実施形態に係る作業機械1及び操作装置70を示す構成図である。図2に示すように、作業機械1は、駆動機16と、パワーテイクオフ(PTO:Power Take Off)17と、動力伝達装置18と、車輪4と、ブレーキ装置19と、ステアリングポンプ20と、ステアリング制御弁21と、アーティキュレートシリンダ7と、作業機ポンプ22と、作業機制御弁23と、ブームシリンダ12と、バケットシリンダ13と、位置センサ24と、方位センサ25と、速度センサ26と、ステアリングセンサ27と、作業機姿勢センサ28と、外界センサ29と、積荷センサ30と、カメラ31と、車載コントローラ32と、を備える。走行装置5は、動力伝達装置18と、ブレーキ装置19と、車輪4と、アーティキュレートシリンダ7とを含む。
駆動機16は、作業機械1の駆動源である。駆動機16は、車体2に支持される。駆動機16として、ディーゼルエンジン及び電気モータが例示される。パワーテイクオフ17は、駆動機16の駆動力を動力伝達装置18とステアリングポンプ20及び作業機ポンプ22とに分配する。
動力伝達装置18は、駆動機16の駆動力を車輪4に伝達する。動力伝達装置18は、作業機械1の走行速度及び進行方向を制御する。作業機械1の進行方向は、前進及び後進を含む。動力伝達装置18は、トルクコンバータを有するトランスミッションでもよいし、複数の変速ギアを有するトランスミッションでもよい。ブレーキ装置19は、走行する作業機械1を減速又は停止させる。
ステアリングポンプ20は、駆動機16が発生する駆動力によって動作する油圧ポンプである。ステアリングポンプ20から吐出された作動油は、ステアリング制御弁21を介して、アーティキュレートシリンダ7に供給される。ステアリング制御弁21は、ステアリングポンプ20からアーティキュレートシリンダ7に供給される作動油の流量及び方向を制御する。アーティキュレートシリンダ7は、ステアリングポンプ20からの作動油により動作する。
作業機ポンプ22は、駆動機16が発生する駆動力によって動作する油圧ポンプである。作業機ポンプ22から吐出された作動油は、作業機制御弁23を介して、ブームシリンダ12及びバケットシリンダ13のそれぞれに供給される。作業機制御弁23は、作業機ポンプ22からブームシリンダ12及びバケットシリンダ13のそれぞれに供給される作動油の流量及び方向を制御する。作業機6は、作業機ポンプ22からの作動油により動作する。作業機6は、作業機ポンプ22からの作動油により動作する。
位置センサ24は、作業機械1の位置を検出する。作業機械1の位置は、全地球航法衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)を利用して検出される。全地球航法衛星システムは、全地球測位システム(GPS:Global Positioning System)を含む。全地球航法衛星システムは、緯度、経度、及び高度の座標データで規定されるグローバル座標系の位置を検出する。グローバル座標系とは、地球に固定された座標系をいう。位置センサ24は、GNSS受信機を含み、グローバル座標系における作業機械1の位置を示す作業機械1の絶対位置を検出する。
方位センサ25は、作業機械1の方位を検出する。作業機械1の方位は、基準方位に対する方位角度を含む。方位センサ25として、慣性センサ(IMU:Inertial Measurement Unit)が例示される。なお、方位センサ25は、作業機械1に設けられた2本のGNSSアンテナにより検出される位置データから方位を算出する演算器を含んでもよい。演算器は、2本のGNSSアンテナを結ぶベクトルから方位を算出することができる。
速度センサ26は、作業機械1の走行速度を検出する。速度センサ26として、車輪4に連結されるドライブシャフトの回転速度を検出する磁気センサが例示される。
ステアリングセンサ27は、作業機械1のステアリング角度及びステアリング角速度の一方又は両方を検出する。ステアリングセンサ27として、アーティキュレートシリンダ7のストローク長を検出するシリンダストロークセンサ、及びリヤフレーム2Rに対するフロントフレーム2Fの角度を検出する角度センサが例示される。
作業機姿勢センサ28は、作業機6の姿勢を検出する。作業機6の姿勢は、作業機6の角度及び高さを含む。作業機姿勢センサ28は、ブーム8の姿勢を検出するブーム角度センサ28Aと、バケット9の姿勢を検出するバケット角度センサ28Bとを含む。
ブーム8の姿勢は、ブーム8の角度及び高さを含む。ブーム角度センサ28Aは、ブーム8の角度を示すブーム角を検出する。ブーム角とは、作業機械1に規定されたローカル座標系における車体2に対するブーム8の角度をいう。ブーム8の長さは、既知である。ブーム角が検出されることにより、ブーム8の先端部の高さが算出される。ブーム角度センサ28Aとして、フロントフレーム2Fとブーム8との連結部に配置される角度センサが例示される。
バケット9の姿勢は、バケット9の角度及び高さを含む。バケット角度センサ28Bは、バケット9の角度を示すバケット角を検出する。バケット角とは、作業機械1に規定されたローカル座標系におけるブーム8に対するバケット9の角度をいう。本実施形態において、バケット角度センサ28Bは、ローカル座標系におけるブーム8に対するベルクランク10の角度を示すベルクランク角を検出する。バケット角度センサ28Bとして、ブーム8とベルクランク10との連結部に配置される角度センサが例示される。バケット角とベルクランク角とは、1対1で対応する。バケット角度センサ28Bは、ベルクランク角を検出する。ベルクランク角の検出データとブーム角の検出データとに基づいて、バケット角が算出される。バケット9の寸法は、既知である。バケット角が検出されることにより、バケット9の先端部の高さが算出される。バケット9の先端部は、バケット9の刃先を含む。
なお、作業機姿勢センサ28は、角度センサに限定されない。作業機姿勢センサ28は、シリンダストロークセンサでもよいし、慣性センサ(IMU)のような傾斜センサでもよい。ブーム角度センサ28Aは、ブームシリンダ12のストローク長を検出するシリンダストロークセンサでもよいし、ブーム8に取り付けられた傾斜センサでもよい。バケット角度センサ28Bは、バケットシリンダ13のストローク長を検出するシリンダストロークセンサでもよいし、バケット9に取り付けられた傾斜センサでもよい。
外界センサ29は、作業機械1の周辺の物体を検出する。本実施形態において、外界センサ29は、作業機械1の周辺の物体の3次元形状を検出する。外界センサ29は、車体2の少なくとも一部に配置される。外界センサ29として、レーザ光を射出することにより物体を検出するレーザセンサ(LiDAR:Light Detection and Ranging)が例示される。なお、外界センサ29は、電波を射出することにより物体を検出するレーダセンサ(RADAR:Radio Detection and Ranging)でもよいし、ステレオカメラでもよい。本実施形態において、外界センサ29は、バケット9に保持された積荷の3次元形状を検出する。外界センサ29は、作業機械1の周辺の障害物を検出する。
積荷センサ30は、作業機6の積荷状態を検出する。積荷センサ30は、バケット9が積荷を保持する積荷状態であるか又は積荷を保持しない空荷状態であるかを検出する。本実施形態において、積荷センサ30は、作業機6の重量を検出する重量センサを含む。バケット9が積荷を保持する積荷状態と保持しない空荷状態とでは、作業機6の重量が異なる。積荷センサ30は、作業機6の重量を検出することにより、作業機6が積荷状態であるか空荷状態であるかを検出することができる。積荷センサ30として、ブームシリンダ12のボトム圧を検出するボトム圧センサが例示される。
なお、外界センサ29がレーザスキャナ又はステレオカメラのような3次元センサである場合、外界センサ29の検出データに基づいて、バケット9に保持された積荷の重量が算出されてもよい。外界センサ29が3次元センサを含む場合、バケット9に保持された積荷の3次元形状を検出することができる。車載コントローラ32は、外界センサ29により検出された積荷の3次元形状に基づいて、バケット9に保持された積荷の体積を推定することができる。積荷の密度が既知である場合、車載コントローラ32は、推定した積荷の体積と積荷の密度とに基づいて、バケット9に保持された積荷の重量を算出することができる。なお、外界センサ29は、カメラを含んでもよい。外界センサ29がカメラを含む場合、バケット9に保持された積荷を撮像することができる。車載コントローラ32は、積荷の画像データに基づいて、バケット9に保持された積荷の体積を推定することができる。
カメラ31は、作業現場201を撮像する。カメラ31は、少なくとも作業機械1の前方の作業現場201を撮像する。カメラ31は、作業機6の少なくとも一部を撮像する。カメラ31は、例えばリヤフレーム2Rに設けられたキャブに配置される。カメラ31により撮像された画像データは、車載コントローラ32及び通信システム203を介して、遠隔コントローラ82に送信される。遠隔コントローラ82は、カメラ31により撮像された画像データを表示装置80に表示させる。
操作装置70は、オペレータにより操作される。操作装置70は、オペレータにより操作されることにより、作業機械1を動作させるための操作信号を生成する。操作装置70において生成された操作信号は、遠隔コントローラ82及び通信システム203を介して、車載コントローラ32に送信される。車載コントローラ32は、遠隔コントローラ82から送信された操作信号に基づいて、作業機械1を動作させるための制御指令を出力する。操作装置70は、走行系操作装置70Aと、作業機操作装置70Bとを含む。
走行系操作装置70Aは、駆動機16、動力伝達装置18、及びブレーキ装置19の少なくとも一つを動作させるためにオペレータにより操作される。走行系操作装置70Aは、駆動機16、動力伝達装置18、及びブレーキ装置19の少なくとも一つを動作させるための操作信号を生成する。走行系操作装置70Aは、アクセルペダル71と、ブレーキペダル72と、ステアリングホイール73と、前後進切換レバー74とを含む。
アクセルペダル71が操作されると、作業機械1(走行装置5)が加速する。ブレーキペダル72が操作されると、作業機械1(走行装置5)が減速する。ステアリングホイール73が操作されると、作業機械1(走行装置5)が旋回する。前後進切換レバー74が操作されると、作業機械1(走行装置5)の前後進が切り換えられる。
作業機操作装置70Bは、作業機6を動作させるためにオペレータにより操作される。作業機操作装置70Bは、作業機6を動作させるための操作信号を生成する。作業機操作装置70Bは、ブームレバー75と、バケットレバー76とを含む。ブームレバー75は、ブーム8を動作させるために操作される。バケットレバー76は、バケット9を動作させるために操作される。
ブームレバー75が操作されると、作業機制御弁23のブーム用スプールが移動する。ブームレバー75がブームレバー75の中立位置から一方側に操作されて、ブーム用スプールがボトム位置に配置されると、ブームシリンダ12が伸びる。ブームレバー75がブームレバー75の中立位置から他方側に操作されて、ブーム用スプールがロッド位置に配置されると、ブームシリンダ12が縮む。ブーム用スプールが中立位置に配置されると、ブームシリンダ12の伸縮が停止される。
バケットレバー76が操作されると、作業機制御弁23のバケット用スプールが移動する。バケット用スプールがボトム位置に配置されると、バケットシリンダ13が伸びる。バケット用スプールがロッド位置に配置されると、バケットシリンダ13が縮む。バケット用スプールが中立位置に配置されると、バケットシリンダ13の伸縮が停止する。
入力装置81は、オペレータにより操作される。入力装置81は、オペレータにより操作されることにより、入力データを生成する。入力装置81において生成された入力データは、遠隔コントローラ82及び通信システム203を介して、車載コントローラ32に送信される。
<車載コントローラ>
図3は、本実施形態に係る車載コントローラ32を示すハードウエア構成図である。車載コントローラ32は、コンピュータ33を含む。コンピュータ33は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサ34と、ROM(Read Only Memory)のような不揮発性メモリ及びRAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリを含むメインメモリ35と、ストレージ36と、入出力回路を含む入出力インターフェース37と、通信回路を含む通信インターフェース38とを有する。車載コントローラ32の機能は、コンピュータプログラム39としてストレージ36に記憶されている。プロセッサ34は、コンピュータプログラム39をストレージ36から読み出してメインメモリ35に展開し、コンピュータプログラム39に従って処理を実行する。なお、コンピュータプログラム39は、ネットワークを介してコンピュータ33に配信されてもよい。
遠隔コントローラ82も、コンピュータを含む。車載コントローラ32と同様、遠隔コントローラ82は、プロセッサと、メインメモリと、ストレージと、入出力インターフェースと、通信インターフェースとを有する。
<制御システム>
図4は、本実施形態に係る作業機械1の制御システム100を示すブロック図である。制御システム100は、遠隔コントローラ82と、車載コントローラ32を含む。位置センサ24、方位センサ25、速度センサ26、ステアリングセンサ27、作業機姿勢センサ28、外界センサ29、及び積荷センサ30のそれぞれの検出データは、車載コントローラ32に送信される。操作装置70からの操作指令は、通信システム203を介して、車載コントローラ32に送信される。入力装置81からの入力データは、通信システム203を介して、車載コントローラ32に送信される。車載コントローラ32は、走行装置5及び作業機6のそれぞれに制御指令を送信する。
図4に示すように、車載コントローラ32は、操作信号受信部40と、制約条件算出部41と、制御指令部42とを有する。操作信号受信部40、制約条件算出部41、及び制御指令部42のそれぞれは、上述のプロセッサ34を含むコンピュータ33により実現される。
操作信号受信部40は、作業機械1を動作させるために操作された操作装置70からの操作信号を受信する。操作信号受信部40は、通信システム203を介して、操作装置70からの操作信号を受信する。
制約条件算出部41は、作業機械1の安定性を維持するための制約条件を算出する。本実施形態において、作業機械1の安定性を維持するための制約条件は、走行装置5の走行において作業機6のバケット9に保持された積荷が崩れない制約条件を含む。本実施形態において、バケット9に保持される積荷は、土砂を含む。バケット9に保持された積荷(土砂)が崩れないことは、積荷がバケット9からこぼれないこと、又は積荷がバケット9から落下しないことを意味する。
制約条件算出部41は、位置センサ24の検出データ、方位センサ25の検出データ、速度センサ26の検出データ、ステアリングセンサ27の検出データ、作業機姿勢センサ28の検出データ、外界センサ29の検出データ、及び積荷センサ30の検出データのそれぞれを取得する。また、制約条件算出部41は、通信システム203を介して、入力装置81からの入力データを取得する。
制約条件算出部41は、少なくとも車両状態パラメータに基づいて、作業機6のバケット9に保持された積荷が崩れない制約条件を算出する。実施形態において、制約条件算出部41は、車両状態パラメータと積荷パラメータとに基づいて、作業機6のバケット9に保持された積荷が崩れない制約条件を算出する。制約条件算出部41は、検出データ及び入力データの一方又は両方を取得することにより、車両状態パラメータ及び積荷パラメータを取得することができる。
車両状態パラメータは、作業機械1の動作状態を示す。車両状態パラメータは、作業機械1の位置、作業機械1の姿勢(傾斜角度)、作業機械1の前進加速度、作業機械1の横加速度、作業機6の位置(高さ)、作業機6の姿勢(角度)、作業機6の動作速度、及び作業機6の動作加速度を含む。制約条件算出部41は、位置センサ24の検出データを取得することにより、作業機械1の位置を取得することができる。方位センサ25が慣性センサ(IMU)である場合、制約条件算出部41は、方位センサ25の検出データを取得することにより、作業機械1の姿勢及び前進加速度を取得することができる。制約条件算出部41は、速度センサ26の検出データとステアリングセンサ27の検出データとに基づいて、作業機械1の横加速度を推定することができる。制約条件算出部41は、作業機姿勢センサ28の検出データに基づいて、作業機6の位置、作業機6の姿勢、作業機6の動作速度、及び作業機6の動作加速度のそれぞれを算出することができる。
積荷パラメータは、作業機6のバケット9に保持された積荷の状態を示す。積荷の状態は、バケット9に保持された積荷の質量、積荷の慣性テンソル、及び積荷の重心位置を含む。制約条件算出部41は、積荷センサ30の検出データを取得することにより、積荷の質量を取得することができる。制約条件算出部41は、外界センサ29の検出データに基づいて、積荷の慣性テンソル及び重心位置を算出することができる。外界センサ29は、バケット9に保持された積荷の3次元形状を検出することができる。積荷の密度が一定であると仮定した場合、制約条件算出部41は、外界センサ29により検出された積荷の3次元形状に基づいて、積荷の慣性テンソル及び重心位置を算出することができる。なお、積荷パラメータは、入力装置81から制約条件算出部41に入力されてもよい。
制御指令部42は、作業機械1を動作させるための制御指令を出力する。制御指令部42は、制約条件算出部41により算出された制約条件を満足するように、作業機械1を動作させるための制御指令を出力する。走行装置5及び作業機6のそれぞれは、制御指令部42から出力された制御指令に基づいて動作する。
<制約条件>
図5及び図6のそれぞれは、本実施形態に係る作業機6のバケット9に保持された積荷が崩れない制約条件を説明する図である。制約条件算出部41は、作業機械1の走行において作業機6のバケット9に保持された積荷が崩れない制約条件を算出する。
本実施形態において、制約条件を算出するための積荷パラメータは、積荷である土砂の性状を示す土質パラメータを含む。制約条件算出部41は、バケット9に保持された積荷に作用する慣性力と、バケット9に保持された積荷の形状と、バケット9に保持された積荷の性状を示す土質パラメータとに基づいて、制約条件を算出する。本実施形態において、制約条件算出部41は、モールの破壊基準に基づいて、バケット9に保持された積荷が崩れない制約条件を算出する。
図5に示すように、作業機械1の走行において作業機械1が加減速することにより、バケット9に保持された積荷に前後方向の慣性力Faが作用する。作業機械1の走行において作業機械1が旋回することにより、バケット9に保持された積荷に左右方向の慣性力Fb(遠心力)が作用する。バケット9に保持された積荷に作用する慣性力Fは、慣性力Faと慣性力Fbとの合力である。
本実施形態において、土質パラメータは、土砂の粘着力c[N/m]、土砂の内部摩擦角φ[°]、及び土砂の密度ρ[kg/m]を含む。なお、土質パラメータは、入力装置81から入力されてもよい。
なお、制約条件算出部41は、バケット9に保持された土砂の3次元形状(体積)と、バケット9に保持された土砂の重量とに基づいて、土砂の密度ρを算出してもよい。外界センサ29は、バケット9に保持された土砂の3次元形状(体積)を検出可能である。積荷センサ30は、バケット9に保持された土砂の重量を検出可能である。
図6に示すように、モールの破壊基準においては、バケット9に保持された土砂にすべり面が設定される。すべり面と最小主応力(水平面)とがなす角度θは、任意に設定される。慣性力Fは、角度θと、作業機械1の走行速度v[m/sec]と、作業機械1の加速度a[m/sec]と、ステアリング角度δ[rad]との関数である。慣性力F[θ,v,a,δ]は、すべり面上部の土砂に作用する慣性力である。
バケット9に保持された積荷の形状は、バケット9の開口と、バケット9の開口よりも外側に配置される土砂とバケット9の開口との接点を通りバケット9の開口よりも外側に配置された土砂の表面の接線とがなす角度θmaxを含む。角度θmaxは、外界センサ29により検出される。
すべり面上部の土砂に作用する重力Wは、角度θの関数である。制約条件算出部41は、外界センサ29により検出された土砂の3次元形状(すべり面上部の土砂の体積)と、土砂の密度ρとに基づいて、重力W(θ)を算出することができる。
すべり面の面積Aは、角度θの関数である。制約条件算出部41は、外界センサ29により検出された土砂の3次元形状に基づいて、面積A(θ)を算出することができる。
すべり面に垂直応力σ及びせん断応力τが作用する。すべり面に作用する垂直応力σは、以下の(1)式に示すつり合い式により表される。
本実施形態において、バケット9に保持された積荷が崩れない制約条件は、すべり面において土砂のすべりが発生しない条件である。すべり面において土砂のすべりが発生しない条件は、以下の(2)式により表される。
制御指令部42は、[0<θ<θmax]の範囲において、上述の(2)式の条件を満足するように、制御指令を算出する。
なお、制約条件算出部41は、作業現場201の地形を考慮して、バケット9に保持された積荷が崩れない制約条件を算出してもよい。すなわち、制約条件算出部41は、作業現場201の地面の傾斜角度を考慮して、制約条件を決定してもよい。作業現場201の地面が斜面を含む場合、作業機械1が斜面を走行すると、バケット9に保持された積荷が崩れ易い可能性がある。そのため、制約条件算出部41は、作業現場201の地面の傾斜角度を考慮して、制約条件を決定してもよい。
<介入制御>
図7は、本実施形態に係る車載コントローラ32の処理を説明する図である。制御指令部42は、制約条件に基づいて、操作装置70からの操作信号を修正する。本実施形態において、制御指令部42は、作業機械1の介入制御を実施する。操作信号を修正することは、介入制御を実施することを含む。
介入制御とは、操作装置70が操作されている状態で、作業機械1が予め定められた規定動作条件で動作しない場合、作業機械1が規定動作条件で動作するように、作業機械1を制御することをいう。本実施形態において、規定動作条件は、積荷が崩れない制約条件を満足する動作条件である。すなわち、本実施形態において、介入制御とは、操作信号受信部40が操作装置70からの操作信号を受信している状態で、作業機械1が制約条件を満足していない場合、操作装置70からの操作信号に関わらずに、作業機械1が制約条件を満足するように、制御指令部42が制御指令を出力することをいう。
制御指令部42は、操作装置70からの操作信号に基づいて作業機械1が動作している状態で、作業機械1が制約条件を満足すると判定した場合、介入制御しない。すなわち、制御指令部42は、操作信号受信部40が操作装置70からの操作信号を受信している状態で、作業機械1が制約条件を満足すると判定した場合、操作装置70からの操作信号に基づいて、作業機械1を動作させるための制御指令を出力する。
制御指令部42は、操作装置70からの操作信号に基づいて作業機械1が動作している状態で、作業機械1が制約条件を満足しないと判定した場合、介入制御する。すなわち、制御指令部42は、操作信号受信部40が操作装置70からの操作信号を受信している状態で、作業機械1が制約条件を満足しないと判定した場合、操作装置70からの操作信号に関わらずに、作業機械1が制約条件を満足するように、作業機械1を動作させるための制御指令を出力する。
以下の説明において、操作装置70からの操作信号が受信されている状態で作業機械1が制約条件を満足すると判定された場合、操作装置70からの操作信号に基づいて制御指令部42から出力される制御指令を適宜、手動操作指令、と称する。操作装置70からの操作信号が受信されている状態で作業機械1が制約条件を満足しないと判定された場合、操作装置70からの操作信号に関わらずに制御指令部42から出力される制御指令を適宜、介入制御指令、と称する。
走行系操作装置70Aが急激に操作されると、作業機械1の状態が急激に変化する。作業機械1の状態は、作業機械1(走行装置5)の走行状態を含む。走行状態の急激な変化は、作業機械1の急加速、急減速、及び急旋回の少なくとも一つを含む。アクセルペダル71が急激に操作された場合、作業機械1が急加速する。ブレーキペダル72が急激に操作された場合、作業機械1が急減速する。ステアリングホイール73が急激に操作された場合、作業機械1が急旋回する。バケット9に積荷が保持されている状態で、走行系操作装置70Aが急激に操作され、作業機械1の状態が急激に変化した場合、作業機械1は制約条件を満足しない可能性が高い。作業機械1が急加速したり急減速したり急旋回したりするように走行系操作装置70Aが操作された場合、バケット9に保持された積荷が崩れる可能性が高い。
本実施形態において、制御指令部42は、バケット9に積荷が保持され且つ操作信号受信部40が操作装置70からの操作信号を受信している状態で、作業機械1が制約条件を満足しないと判定した場合、作業機械1が制約条件を満足するように、走行装置5を介入制御する。制御指令部42は、バケット9に保持された積荷が崩れるように走行系操作装置70A及び作業機操作装置70Bの少なくとも一方が操作された場合、積荷が崩れないように、走行装置5に介入制御指令を出力する。本実施形態において、制御指令部42は、[0<θ<θmax]の範囲において、上述の(2)式の条件を満足するように、介入制御指令を出力する。
走行系操作装置70Aの操作量に基づいて、走行系操作装置70Aからの操作信号の値が変化する。制御指令部42は、走行系操作装置70Aからの操作信号の値を示す操作信号値に基づいて、手動操作指令の値を示す手動操作指令値を算出する。操作信号値と手動操作指令値とは、1対1で対応する。走行系操作装置70Aの操作量が大きく、操作信号値が大きいほど、手動操作指令値が大きくなる。走行系操作装置70Aが急激に操作され、操作信号値の変化率が大きいほど、手動操作指令値の変化率が大きくなる。
アクセルペダル71からの操作信号値が大きいほど、作業機械1を加速させるための手動操作指令値が大きくなり、作業機械1の走行速度が高くなる。アクセルペダル71が急激に操作され、アクセルペダル71からの操作信号値の変化率が大きいほど、作業機械1を加速させるための手動操作指令値の変化率が大きくなり、作業機械1が急加速する。
ブレーキペダル72からの操作信号値が大きいほど、作業機械1を減速させるための手動操作指令値が大きくなり、作業機械1の走行速度が低くなる。ブレーキペダル72が急激に操作され、ブレーキペダル72からの操作信号値の変化率が大きいほど、作業機械1を減速させるための手動操作指令値の変化率が大きくなり、作業機械1が急減速する。
ステアリングホイール73からの操作信号値が大きいほど、作業機械1を旋回させるための手動操作指令値が大きくなり、作業機械1の旋回半径が小さくなる。ステアリングホイール73からの操作信号値の変化率が大きいほど、作業機械1を旋回させるための手動操作指令値の変化率が大きくなり、作業機械1が急旋回する。
制御指令部42は、作業機械1が制約条件を満足しないと判定した場合、制約条件を満足する制御指令値の範囲において、操作信号値に基づいて算出される手動制御指令の値に最も近い値の介入制御指令を出力する。すなわち、制御指令部42は、作業機械1が制約条件を満足しないと判定した場合、制約条件を満足する制御指令値の範囲において、手動制御指令の値を示す手動制御指令値と介入制御指令の値である介入制御指令値との差が最も小さくなるように、介入制御指令を出力する。制御指令部42は、制約条件を満足する制御指令値の範囲において、介入制御指令値が最も高い制御指令値になるように、介入制御指令を出力する。
例えばアクセルペダル71が急激に操作され、バケット9に保持された積荷が崩れると判定した場合、制御指令部42は、アクセルペダル71からの操作信号に関わらずに、作業機械1の急加速が緩和されるように、介入制御指令を出力する。制御指令部42は、アクセルペダル71からの操作信号に基づいて算出した加速度よりも小さく、且つ、制約条件を満足する加速度の範囲において最も大きい加速度で作業機械1が加速するように、走行装置5に介入制御指令を出力する。一方、アクセルペダル71からの操作信号に基づいて算出した加速度で作業機械1が加速したときにバケット9に保持された積荷が崩れないと判定した場合、制御指令部42は、アクセルペダル71からの操作信号に基づいて、作業機械1を加速させるための手動制御指令を出力する。
例えばブレーキペダル72が急激に操作され、バケット9に保持された積荷が崩れると判定した場合、制御指令部42は、ブレーキペダル72からの操作信号に関わらずに、作業機械1の急減速が緩和されるように、介入制御指令を出力する。制御指令部42は、ブレーキペダル72からの操作信号に基づいて算出した減速度よりも小さく、且つ、制約条件を満足する減速度の範囲において最も大きい減速度で作業機械1が減速するように、走行装置5に介入制御指令を出力する。一方、ブレーキペダル72からの操作信号に基づいて算出した減速度で作業機械1が減速したときにバケット9に保持された積荷が崩れないと判定した場合、制御指令部42は、ブレーキペダル72からの操作信号に基づいて、作業機械1を減速させるための手動制御指令を出力する。
例えばステアリングホイール73が急激に操作され、バケット9に保持された積荷が崩れると判定した場合、制御指令部42は、ステアリングホイール73からの操作信号に関わらずに、作業機械1の急旋回が緩和されるように、介入制御指令を出力する。制御指令部42は、ステアリングホイール73の操作信号に基づいて算出した旋回半径の変化率よりも小さく、且つ、制約条件を満足する旋回半径の変化率の範囲において最も大きい旋回半径の変化率で作業機械1が旋回するように、走行装置5に介入制御指令を出力する。一方、ステアリングホイール73からの操作信号に基づいて算出した旋回半径の変化率で作業機械1が旋回したときにバケット9に保持された積荷が崩れないと判定した場合、制御指令部42は、ステアリングホイール73からの操作信号に基づいて、作業機械1を旋回させるための手動制御指令を出力する。
例えば作業機操作装置70Bが急激に操作され、バケット9に保持された積荷が崩れると判定した場合、制御指令部42は、走行系操作装置70Aからの操作信号に関わらずに、作業機械1が制約条件を満足するように、走行装置5に介入制御指令を出力する。制御指令部42は、制約条件を満足する制御指令値の範囲において、走行系操作装置70Aからの操作信号に基づいて算出された手動制御指令値と走行装置5を介入制御するための介入制御指令値との差が最も小さくなるように、走行装置5に介入制御指令を出力する。一方、走行系操作装置70A及び作業機操作装置70Bからの操作信号に基づいて算出した動作条件で作業機械1が動作したときにバケット9に保持された積荷が崩れないと判定した場合、制御指令部42は、走行系操作装置70A及び作業機操作装置70Bからの操作信号に基づいて、作業機械1を動作させるための手動制御指令を出力する。
なお、制御指令部42は、作業機械1が制約条件を満足しないと判定した場合、制約条件を満足するように、作業機6を介入制御してもよい。例えば作業機操作装置70Bが急激に操作され、バケット9に保持された積荷が崩れると判定した場合、制御指令部42は、作業機操作装置70Bからの操作信号に基づいて算出した作業機6の動作加速度よりも小さく、且つ、制約条件を満足する作業機6の動作加速度の範囲において最も大きい動作加速度で作業機6が動作するように、作業機6に介入制御指令を出力する。走行装置5が急加速したり急減速したり急旋回したりしても、作業機6の位置又は姿勢が介入制御指令により調整されることにより、バケット9に保持された積荷が崩れることが抑制される。
すなわち、制御指令部42は、作業機械1が制約条件を満足しないと判定した場合、制約条件を満足するように、走行装置5のみを介入制御してもよいし、作業機6のみを介入制御してもよいし、走行装置5及び作業機6の両方を介入制御してもよい。
なお、介入制御指令が出力されている場合、介入制御指令が出力されていることがオペレータに通知されてもよい。例えば遠隔操作室202に発光装置及び音声出力装置のような通知装置が配置されてもよい。制御指令部42から介入制御指令が出力されている場合、通知装置は、制御指令部42から出力される介入制御指令に基づいて、光又は音を出力して、介入制御指令が出力されていることをオペレータに通知してもよい。オペレータは、通知装置からの通知データに基づいて、作業機械1が介入制御されていることを認識することができる。
<障害物が検出された場合の処理>
図8は、本実施形態に係る作業機械1の動作を説明する図である。作業機械1は、外界センサ29を備える。外界センサ29は、作業機械1の周辺の障害物を検出する。外界センサ29は、例えばリヤフレーム2Rに配置される。外界センサ29は、作業機械1の進行方向の障害物を検出する。図8に示す例において、外界センサ29は、前進する作業機械1の前方の障害物を検出する。なお、作業機械1が後進する場合、作業機械1の後方の障害物を検出する外界センサ29が作業機械1に設けられてもよい。
制御指令部42は、外界センサ29の検出データに基づいて、作業機械1が障害物に接触する可能性があると判定した場合、操作装置70からの操作信号に基づいて、手動制御指令を出力する。制御指令部42は、作業機械1が制約条件を満足しないと判定しても、作業機械1が障害物に接触する可能性があると判定した場合、介入制御指令を出力せずに、操作装置70からの操作信号に基づいて、手動制御指令を出力する。
オペレータが作業機械1と障害物との接触を抑制するためにブレーキペダル72を急激に操作した場合、制約条件を満足させるための介入制御指令が出力され、走行装置5の急減速が緩和されると、作業機械1が障害物に接触する可能性がある。オペレータが作業機械1と障害物との接触を抑制するためにステアリングホイール73を急激に操作した場合、制約条件を満足させるための介入制御指令が出力され、走行装置5の急旋回が緩和されてしまうと、作業機械1が障害物に接触する可能性がある。制御指令部42は、外界センサ29の検出データに基づいて、作業機械1が障害物に接触する可能性があると判定した場合、介入制御指令を出力せず、操作装置70からの操作信号に基づいて、手動制御指令を出力する。操作装置70からの操作信号に基づいて手動制御指令が出力されることにより、作業機械1と障害物との接触が回避される。
なお、作業機械1は、障害物との接触を防止する衝突防止機能を有してもよい。制御指令部42は、外界センサ29の検出データに基づいて、作業機械1が障害物に接触する可能性があると判定した場合、作業機械1と障害物との接触が回避されるように、すなわち、衝突防止機能が発揮されるように、走行装置5を制御してもよい。制御指令部42は、作業機械1と障害物との接触が回避されるように、走行装置5を減速させたり、走行装置5の走行を停止させたり、走行装置5を旋回させたりしてもよい。作業機械1が、積荷の崩れを防止する荷崩れ防止機能と、作業機械1と障害物との接触を防止する衝突防止機能とを有する場合、衝突防止機能と荷崩れ防止機能が干渉しないように、荷崩れ防止機能がオフされてもよい。作業機械1が荷崩れ防止機能と衝突防止機能とが存在する場合、衝突防止機能が優先されてもよい。作業機械1が荷崩れ防止機能を有し、衝突防止機能を有しない場合、制御指令部42は、荷崩れ防止機能が発揮されるように、操作信号に基づいて、手動制御指令を出力してもよい。
<制御方法>
図9は、本実施形態に係る作業機械1の制御方法を示すフローチャートである。操作信号受信部40は、通信システム203を介して、作業機械1を動作させるために操作された操作装置70からの操作信号を受信する(ステップSA1)。
制約条件算出部41は、積荷センサ30の検出データに基づいて、バケット9に積荷が保持されているか否かを判定する(ステップSA2)。
ステップSA2において、バケット9に積荷が保持されていると判定した場合(ステップSA2:Yes)、制約条件算出部41は、作業機械1の動作状態を示す車両状態パラメータとバケット9に保持された積荷の性状を示す積荷パラメータとに基づいて、バケット9に保持された積荷が崩れない制約条件を算出する(ステップSA3)。
制御指令部42は、作業機械1がステップSA3において算出された制約条件を満足するか否かを判定する(ステップSA4)。
ステップSA4において、作業機械1が制約条件を満足しないと判定した場合(ステップSA4:No)、制御指令部42は、外界センサ29の検出データに基づいて、作業機械1の進行方向に障害物が存在するか否かを判定する(ステップSA5)。
ステップSA5において、作業機械1の進行方向に障害物が存在しないと判定した場合(ステップSA5:No)、制御指令部42は、ステップSA1において受信された操作信号に関わらずに、作業機械1が制約条件を満足するように、介入制御指令を出力する(ステップSA6)。
ステップSA2において、バケット9に積荷が保持されていないと判定された場合(ステップSA2:No)、制御指令部42は、ステップSA1において受信された操作信号に基づいて、手動制御指令を出力する(ステップSA7)。
ステップSA4において、作業機械1が制約条件を満足すると判定した場合(ステップSA4:Yes)、制御指令部42は、ステップSA1において受信された操作信号に基づいて、手動制御指令を出力する(ステップSA7)。
ステップSA5において、作業機械1の進行方向に障害物が存在し、作業機械1が障害物に接触する可能性があると判定した場合(ステップSA5:Yes)、制御指令部42は、ステップSA1において受信された操作信号に基づいて、手動制御指令を出力する(ステップSA7)。
<効果>
以上説明したように、本実施形態によれば、作業機械1の動作状態を示す車両状態パラメータと作業機6に保持された積荷の性状を示す積荷パラメータとに基づいて、作業機6に保持された積荷が崩れない制約条件が算出される。操作装置70からの操作信号に基づいて作業機械1が動作した場合において、作業機械1が制約条件を満足しない場合、制約条件を満足するように介入制御が実施される。オペレータにより操作装置70が急激に操作された場合、作業機械1の状態が急激に変化して、作業機6に保持された積荷が崩れる可能性がある。本実施形態によれば、オペレータにより操作装置70が急激に操作されても、介入制御が実施されることにより、作業機6に保持された積荷が崩れることが抑制される。
本実施形態において、作業機6に保持された積荷が崩れない制約条件が、土砂の粘着力c[N/m]、土砂の内部摩擦角φ[°]、及び土砂の密度ρ[kg/m]を含む土質パラメータに基づいて算出される。これにより、作業機6に保持されている積荷が土砂である場合、作業機6に保持された土砂が崩れない制約条件が適正に算出される。
本実施形態において、制御指令部42は、制約条件を満足する範囲において、手動制御指令値と介入制御指令値との差が小さくなるように、介入制御指令を出力する。手動制御指令値と介入制御指令値との差が小さくなるように介入制御指令を出力されることにより、作業機械1の動作が過度に遅くなることが抑制される。作業機械1の動作が過度に遅くなることが抑制されるので、作業機械1の作業効率の低下が抑制される。
本実施形態において、制御指令部42は、外界センサ29の検出データに基づいて、作業機械1が障害物に接触する可能性があると判定した場合、介入制御指令を出力せず、操作装置70からの操作信号に基づいて、手動制御指令を出力する。オペレータが作業機械1と障害物との接触を回避するために操作装置70を操作した場合、操作装置70からの操作信号に基づいて手動制御指令が出力されることにより、作業機械1と障害物との接触が回避される。
本実施形態において、作業機械1は遠隔操作される。作業機械1が遠隔操作される場合、遠隔操作室202のオペレータは、操作装置70を急激に操作しても、作業機械1の状態が急激に変化することを体感し難い。遠隔操作室202のオペレータは、走行系操作装置70Aを急激に操作しても、作業機械1が急加速したり急減速したり急旋回したりすることを体感し難い。遠隔操作室202のオペレータは、作業機操作装置70Bを急激に操作しても、作業機6が急激に動作することを体感し難い。そのため、遠隔操作室202のオペレータは、操作装置70を無意識に急激に操作してしまう可能性がある。操作装置70が急激に操作され、作業機械1の状態が急激に変化すると、バケット9に保持された積荷が崩れる可能性が高くなる。本実施形態によれば、操作装置70が急激に操作された場合、作業機械1の状態が急激に変化しないように、すなわち、作業機械1が制約条件を満足するように、介入制御指令が出力される。そのため、バケット9に保持された積荷が崩れることが抑制される。
[第2実施形態]
第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その構成要素の説明を簡略又は省略する。
上述の第1実施形態においては、制約条件が車両状態パラメータと積荷の性状を示す積荷パラメータとに基づいて算出されることとした。本実施形態においては、車両状態パラメータが作業機械1の加速度を含み、積荷パラメータがバケット9における積荷の有無を含み、制約条件がバケット9に保持された積荷の加速度が閾値未満である条件である例について説明する。
バケット9に積荷が保持された状態で、作業機械1(走行装置5)が走行した場合、積荷が加速する。積荷の加速度が大きい場合、積荷が崩れる可能性が高い。積荷の加速度は、正の加速度と、負の加速度である減速度とを含む。
作業機械1の加速度と積荷の加速度とは、実質的に同一であるとみなすことができる。作業機械1の加速度が算出されることにより、バケット9に保持された積荷の加速度が算出される。
本実施形態において、制御指令部42は、積荷の加速度が予め定められている閾値未満であると判定した場合、作業機械1は制約条件を満足すると判定し、手動制御指令を出力する。制御指令部42は、積荷の加速度が閾値以上であると判定した場合、作業機械1は制約条件を満足しないと判定し、積荷の加速度が閾値未満になるように、介入制御指令を出力する。
制約条件算出部41は、速度センサ26の検出データに基づいて、作業機械1の進行方向の積荷の加速度(前進加速度)を算出することができる。制約条件算出部41は、速度センサ26の検出データを微分処理することにより、積荷の前進加速度を算出することができる。制約条件算出部41は、速度センサ26の検出データとステアリングセンサ27の検出データとに基づいて、作業機械1の旋回方向の積荷の加速度(横加速度)を算出することができる。制約条件算出部41は、ステアリングセンサ27の検出データに基づいて、作業機械1の旋回半径を算出することができる。制約条件算出部41は、速度センサ26の検出データと作業機械1の旋回半径とに基づいて、積荷の横加速度を算出することができる。
なお、車体2又はバケット9に加速度センサが設けられる場合、制約条件算出部41は、加速度センサの検出データを取得することにより、積荷の加速度を取得してもよい。
なお、制約条件算出部41は、駆動機16の回転数に基づいて、積荷の正の加速度を算出することができる。駆動機16がエンジンである場合、駆動機16の回転数はエンジン回転数であり、駆動機16がモータである場合、駆動機16の回転数はモータ回転数である。制約条件算出部41は、駆動機16の回転数に基づいて、動力伝達装置18から動力が伝達される車輪4のトルクを示すタイヤトルクを算出する。制約条件算出部41は、タイヤトルクに基づいて、作業機械1の加速度及び積荷の加速度を算出することができる。
なお、制約条件算出部41は、ブレーキ装置19の圧力であるブレーキ圧力に基づいて、積荷の負の加速度(減速度)を算出することができる。制約条件算出部41は、ブレーキ圧力に基づいて、動力伝達装置18から動力が伝達される車輪4のトルクを示すタイヤトルクを算出する。制約条件算出部41は、タイヤトルクに基づいて、作業機械1の減速度及び積荷の減速度を算出することができる。
積荷の正の加速度を閾値未満するための介入制御指令は、作業機械1を加速させるアクセル指令の値を小さくすること、及び作業機械1を減速させるブレーキ指令の値を大きくすることの一方又は両方を含む。
積荷の負の加速度(減速度)を閾値未満するための介入制御指令は、作業機械1を減速させるブレーキ指令の値を小さくすること、及び作業機械1を加速させるアクセル指令の値を大きくすることの一方又は両方を含む。
図10は、本実施形態に係る作業機械1の制御方法を示すフローチャートである。操作信号受信部40は、通信システム203を介して、作業機械1を動作させるために操作された操作装置70からの操作信号を受信する(ステップSB1)。
制約条件算出部41は、積荷センサ30の検出データに基づいて、バケット9に積荷が保持されているか否かを判定する(ステップSB2)。
ステップSB2において、バケット9に積荷が保持されていると判定した場合(ステップSB2:Yes)、制約条件算出部41は、作業機械1の走行において、例えば速度センサ26の検出データとステアリングセンサ27の検出データとに基づいて、バケット9に保持された積荷の加速度を算出する。制御指令部42は、制約条件算出部41により算出された積荷の加速度が予め定められている閾値以上であるか否かを判定する(ステップSB3)。
ステップSB3において、積荷の加速度が閾値以上であると判定した場合(ステップSB3:Yes)、制御指令部42は、ステップSB1において受信された操作信号に関わらずに、積荷の加速度が閾値未満になるように、走行装置5に介入制御指令を出力する(ステップSB4)。
ステップSB2において、バケット9に積荷が保持されていないと判定された場合(ステップSB2:No)、制御指令部42は、ステップSB1において受信された操作信号に基づいて、手動制御指令を出力する(ステップSB5)。
ステップSB3において、積荷の加速度が閾値未満であると判定した場合(ステップSB3:No)、制御指令部42は、ステップSB1において受信された操作信号に基づいて、手動制御指令を出力する(ステップSB5)。
以上説明したように、本実施形態によれば、オペレータにより走行系操作装置70Aが急激に操作され、積荷の加速度が大きくなっても、介入制御が実施されることにより、作業機6に保持された積荷が崩れることが抑制される。
本実施形態において、制御指令部42は、上述の第1実施形態において説明した制約条件(第1制約条件)と、第2実施形態において説明した制約条件(第2制約条件)とのいずれか一方の制約条件を満足しないと判定した場合、介入制御指令を出力してもよい。制御指令部42は、上述の第1実施形態において説明した制約条件(第1制約条件)と、第2実施形態において説明した制約条件(第2制約条件)との両方の制約条件を満足しないと判定した場合、介入制御指令を出力してもよい。
[第3実施形態]
第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その構成要素の説明を簡略又は省略する。
上述の第1実施形態及び第2実施形態においては、作業機械1がホイールローダであることとした。作業機械1は、積荷を保持する作業機を有する作業機械であればよい。作業機械は、例えばフォークリフトでもよい。
図11は、本実施形態に係る作業機械301を上方から見た模式図である。作業機械301は、フォークリフトである。作業機械301は、車体302と、車体302の前部に配置される作業機306とを有する。
作業機306は、マスト307と、ブラケット308と、フォーク309とを有する。マスト307は、車体302の前部に傾動可能に支持される。マスト307は、上下方向に長い。ブラケット308は、フォーク309を支持する。ブラケット308は、マスト307に支持される。ブラケット308は、マスト307に沿って上下方向に移動可能である。フォーク309は、積荷400を支持する。フォーク309は、積荷400を支持する支持面(上面)を有する。積荷400は、フォーク309の支持面に載せられる。
フォーク309は、ブラケット308を介してマスト307に支持される。フォーク309は、一対設けられる。フォーク309は、第1のフォーク309Lと、第1のフォーク309Lよりも右側に配置される第2のフォーク309Rとを含む。ブラケット308は、第1のフォーク309Lと第2のフォーク309Rとを支持する。
制約条件算出部41は、作業機械301の走行において、フォーク309に支持された積荷400が崩れない制約条件を算出する。フォーク309に支持される積荷400は、コンテナを含む。フォーク309に支持された積荷400(コンテナ)が崩れないことは、積荷400がフォーク309から落下しないことを意味する。
制約条件算出部41は、積荷パラメータに基づいて、フォーク309に支持された積荷400が崩れない制約条件を算出する。制約条件は、フォーク309の形状に基づいて設定された設定範囲APから積荷400のゼロモーメントポイントZ0が逸脱しない条件を含む。ゼロモーメントポイント(ZMP:Zero Moment Point)とは、慣性力(遠心力)の影響を考慮した作業機械1の動的な重心位置をいう。ゼロモーメントポイントZ0は、重力と慣性力との合力が地面と交わる点である。
設定範囲APは、フォーク309に載っている積荷400の支持多角形に相当する。設定範囲APは、第1のフォーク309Lの支持面の左端部の前端部と、第1のフォーク309Lの支持面の左端部の後端部と、第2のフォーク309Rの支持面の右端部の前端部と、第2のフォーク309Rの支持面の右端部の後端部とを結ぶ四角形状の範囲である。
制約条件算出部41は、フォーク309に支持された積荷400に係る積荷パラメータに基づいて、ゼロモーメントポイントZ0を算出する。ゼロモーメントポイントZ0を算出するための積荷パラメータは、フォーク309に支持された積荷400の質量、積荷400の慣性テンソル、及び積荷400の重心位置を含む。
作業機械301は、積荷400の重量を検出する積荷センサと、積荷400の3次元形状を検出する外界センサとを有する。制約条件算出部41は、積荷センサの検出データを取得することにより、積荷400の質量を取得することができる。制約条件算出部41は、外界センサの検出データに基づいて、積荷400の慣性テンソル及び重心位置を算出することができる。積荷400の密度が一定であると仮定した場合、制約条件算出部41は、外界センサにより検出された積荷の3次元形状に基づいて、積荷400の慣性テンソル及び重心位置を算出することができる。
図12は、本実施形態に係る作業機械301を上方から見た模式図である。フォーク309は、パレット410を介して積荷400を支持する場合がある。すなわち、フォーク309の支持面にパレット410が載せられ、パレット410の上に積荷400が載せられた状態で、作業機械301が走行する場合がある。フォーク309がパレット410を介して積荷400を支持する場合、制約条件は、設定範囲APからパレットの上に載せられている積荷400のゼロモーメントポイントが逸脱しない条件を含む。
フォーク309がパレット410を介して積荷400を保持する場合、制約条件は、積荷400がパレット410の上で滑らない条件を含んでもよい。すなわち、制約条件は、積荷400にかかる力のすべり面成分SLが静止摩擦力より大きくならない条件を含んでもよい。この制約条件は、積荷400にかかる力のパレット面上のすべり面成分SLが積荷400とパレット410との間の静止摩擦力より小さくなる条件として算出される。この制約条件は、慣性力が図12に示す摩擦円CLの外に出ない条件として算出される。静止摩擦力は、静止摩擦係数μと積荷400にかかる垂直抗力Nとから算出される。垂直抗力Nは、作業機306の角度と積荷400の質量とから算出される。静止摩擦係数μは、入力装置81から制約条件算出部41に入力されてもよい。制約条件算出部41は、積荷400の質量及び静止摩擦係数に基づいて、制約条件を算出することができる。
制御指令部42は、作業機械301を動作させるための操作信号が受信されている状態で、制約条件を満足しないと判定した場合、操作信号に関わらずに、制約条件を満足するように介入制御指令を出力する。制御指令部42は、作業機械301の走行装置に介入制御指令を出力してもよいし、作業機306に介入制御指令を出力してもよい。
以上説明したように、本実施形態においても、介入制御が実施されることにより、フォーク309に支持された積荷が落下することが抑制される。
本実施形態において、制約条件算出部41は、上述の第2実施形態と同様、フォーク309に支持された積荷の加速度を取得してもよい。制御指令部42は、上述の第2実施形態において説明した制約条件(第2制約条件)と、第3実施形態において説明した制約条件(第3制約条件)とのいずれか一方の制約条件を満足しないと判定した場合、介入制御指令を出力してもよい。制御指令部42は、上述の第2実施形態において説明した制約条件(第2制約条件)と、第3実施形態において説明した制約条件(第3制約条件)との両方の制約条件を満足しないと判定した場合、介入制御指令を出力してもよい。
[その他の実施形態]
上述の第1実施形態及び第2実施形態において、アーティキュレートシリンダ7、ブームシリンダ12、及びバケットシリンダ13のそれぞれが油圧シリンダであることとした。アーティキュレートシリンダ7、ブームシリンダ12、及びバケットシリンダ13の少なくとも一つが、電力で作動する電動シリンダでもよい。
上述の実施形態に基づいて、制約条件算出部41は、車両状態パラメータと積荷パラメータとに基づいて、作業機6のバケット9に保持された積荷が崩れない制約条件を算出することとした。制約条件算出部41は、積荷パラメータを考慮せずに、車両状態パラメータに基づいて、制約条件を算出してもよい。プロセッサ34は、積荷の性状等を考慮せずに,作業機械1の加速度が予め定められた閾値を超えた時点で積荷が崩れると判定して、介入制御を実施してもよい。
上述の実施形態において、制御指令部42は、制約条件に基づいて、操作装置70からの操作信号を修正することとした。操作信号を修正することは、介入制御を実施することを含む。介入制御とは、操作信号受信部40が操作装置70からの操作信号を受信している状態で、操作装置70からの操作信号に関わらずに、制御指令部42が制御指令を出力することとした。介入制御は、操作装置70からの操作信号の全部を制限又は修正する概念でもよい、操作信号の一部を制限又は修正する概念でもよい。すなわち、介入制御において、操作信号の少なくとも一部が制御指令部42から出力される介入制御指令に反映されてもよい。
上述の実施形態において、車載コントローラ32の機能の少なくとも一部が、遠隔コントローラ82に設けられてもよい。制約条件算出部41及び制御指令部42の少なくとも一方が遠隔コントローラ82に設けられてもよい。
上述の実施形態においては、作業機械1が遠隔操作されることとした。作業機械1のキャブに搭乗したオペレータが作業機械1を操作してもよい。操作装置70が作業機械1のキャブに配置されてもよい。
[付記]
本開示は以下の構成も採り得る。
(付記1)
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
作業機及び走行装置を有する作業機械を動作させるために操作された操作装置からの操作信号を受信し、
前記作業機械の動作状態を示す車両状態パラメータに基づいて、前記作業機に保持された積荷が崩れない制約条件を算出し、
前記制約条件に基づいて、前記操作信号を修正する、
作業機械の制御システム。
(付記2)
前記プロセッサは、前記車両状態パラメータと前記作業機に保持された積荷の性状を示す積荷パラメータとに基づいて、前記制約条件を算出する、
付記1に記載の作業機械の制御システム。
(付記3)
前記プロセッサは、
前記操作信号を受信している状態で、前記制約条件を満足しないと判定した場合、前記制約条件を満足するように介入制御指令を出力する、
付記1又は付記2に記載の作業機械の制御システム。
(付記4)
前記プロセッサは、
前記積荷に作用する慣性力と、前記積荷の形状と、前記積荷パラメータとに基づいて、前記制約条件を算出する、
付記2に記載の作業機械の制御システム。
(付記5)
前記積荷は、土砂を含み、
前記積荷パラメータは、前記土砂の粘着力、前記土砂の内部摩擦角、及び前記土砂の密度を含む、
付記2に記載の作業機械の制御システム。
(付記6)
前記プロセッサは、
前記積荷の質量、前記積荷の慣性テンソル、及び前記積荷の重心位置を含む積荷パラメータに基づいて、前記制約条件を算出し、
前記制約条件は、前記作業機の形状に基づいて設定された設定範囲から前記積荷のゼロモーメントポイントが逸脱しない条件を含む、
付記1から付記5のいずれか一つに記載の作業機械の制御システム。
(付記7)
前記プロセッサは、
前記積荷の質量及び静止摩擦係数に基づいて、前記制約条件を算出し、
前記制約条件は、積荷にかかる力のすべり面成分が静止摩擦力より大きくならない条件を含む、
付記1から付記6のいずれか一つに記載の作業機械の制御システム。
(付記8)
前記プロセッサは、
前記作業機械の走行において前記積荷の加速度を算出し、
前記制約条件は、前記加速度が予め定められている閾値未満である条件を含む、
付記1から付記7のいずれか一つに記載の作業機械の制御システム。
(付記9)
前記プロセッサは、
前記制約条件を満足すると判定した場合、前記操作信号に基づいて、手動制御指令を出力し、
前記制約条件を満足しないと判定した場合、前記制約条件を満足する範囲において、前記手動制御指令の値と前記介入制御指令の値との差が小さくなるように、前記介入制御指令を出力する、
付記1から付記8のいずれか一つに記載の作業機械の制御システム。
(付記10)
前記プロセッサは、前記走行装置に前記介入制御指令を出力する、
付記1から付記9のいずれか一つに記載の作業機械の制御システム。
(付記11)
前記作業機械の周辺の障害物を検出する外界センサを備え、
前記プロセッサは、
前記外界センサの検出データに基づいて、前記作業機械が障害物に接触する可能性があると判定した場合、前記操作信号に基づいて、手動制御指令を出力する、
付記1から付記10のいずれか一つに記載の作業機械の制御システム。
(付記12)
前記作業機械の周辺の障害物を検出する外界センサを備え、
前記プロセッサは、
前記外界センサの検出データに基づいて、前記作業機械が障害物に接触する可能性があると判定した場合、前記作業機械と障害物との接触が回避されるように、前記走行装置を制御する、
付記11に記載の作業機械の制御システム。
(付記13)
車体と、
前記車体に支持される作業機と、
前記車体に配置される外界センサと、
付記1から付記12のいずれか一つに記載の作業機械の制御システムと、を備える、
作業機械。
(付記14)
車体と、
前記車体に支持される作業機と、
前記車体に配置される外界センサと、
前記車体に搭載され、前記車体の外部に配置された操作装置からの操作信号を受信する車載コントローラと、
付記1から付記13のいずれか一つに記載の作業機械の制御システムと、を備える、
作業機械の遠隔操作システム。
(付記15)
プロセッサが、
作業機及び走行装置を有する作業機械を動作させるために操作された操作装置からの操作信号を受信し、
前記作業機械の動作状態を示す車両状態パラメータに基づいて、前記作業機に保持された積荷が崩れない制約条件を算出し、
前記制約条件に基づいて、前記操作信号を修正する、
作業機械の制御方法。
1…作業機械、2…車体、2F…フロントフレーム、2R…リヤフレーム、3…アーティキュレート機構、4…車輪、4F…前輪、4R…後輪、5…走行装置、6…作業機、7…アーティキュレートシリンダ、8…ブーム、9…バケット、10…ベルクランク、11…バケットリンク、12…ブームシリンダ、13…バケットシリンダ、14…ブラケット、15…ブラケット、16…駆動機、17…パワーテイクオフ、18…動力伝達装置、19…ブレーキ装置、20…ステアリングポンプ、21…ステアリング制御弁、22…作業機ポンプ、23…作業機制御弁、24…位置センサ、25…方位センサ、26…速度センサ、27…ステアリングセンサ、28…作業機姿勢センサ、28A…ブーム角度センサ、28B…バケット角度センサ、29…外界センサ、30…積荷センサ、31…カメラ、32…車載コントローラ、33…コンピュータ、34…プロセッサ、35…メインメモリ、36…ストレージ、37…入出力インターフェース、38…通信インターフェース、39…コンピュータプログラム、40…操作信号受信部、41…制約条件算出部、42…制御指令部、70…操作装置、70A…走行系操作装置、70B…作業機操作装置、71…アクセルペダル、72…ブレーキペダル、73…ステアリングホイール、74…前後進切換レバー、75…ブームレバー、76…バケットレバー、80…表示装置、81…入力装置、82…遠隔コントローラ、83…操縦シート、100…制御システム、200…遠隔操作システム、201…作業現場、202…遠隔操作室、203…通信システム、301…作業機械、302…車体、306…作業機、307…マスト、308…ブラケット、309…フォーク、309L…フォーク、309R…フォーク、700…操作装置、AP…設定範囲、Z0…ゼロモーメントポイント。

Claims (15)

  1. プロセッサを備え、
    前記プロセッサは、
    作業機及び走行装置を有する作業機械を動作させるために操作された操作装置からの操作信号を受信し、
    前記作業機械の動作状態を示す車両状態パラメータに基づいて、前記作業機に保持された積荷が崩れない制約条件を算出し、
    前記制約条件に基づいて、前記操作信号を修正する、
    作業機械の制御システム。
  2. 前記プロセッサは、前記車両状態パラメータと前記作業機に保持された積荷の性状を示す積荷パラメータとに基づいて、前記制約条件を算出する、
    請求項1に記載の作業機械の制御システム。
  3. 前記プロセッサは、
    前記操作信号を受信している状態で、前記制約条件を満足しないと判定した場合、前記制約条件を満足するように介入制御指令を出力する、
    請求項1に記載の作業機械の制御システム。
  4. 前記プロセッサは、
    前記積荷に作用する慣性力と、前記積荷の形状と、前記積荷パラメータとに基づいて、前記制約条件を算出する、
    請求項2に記載の作業機械の制御システム。
  5. 前記積荷は、土砂を含み、
    前記積荷パラメータは、前記土砂の粘着力、前記土砂の内部摩擦角、及び前記土砂の密度を含む、
    請求項2に記載の作業機械の制御システム。
  6. 前記プロセッサは、
    前記積荷の質量、前記積荷の慣性テンソル、及び前記積荷の重心位置を含む積荷パラメータに基づいて、前記制約条件を算出し、
    前記制約条件は、前記作業機の形状に基づいて設定された設定範囲から前記積荷のゼロモーメントポイントが逸脱しない条件を含む、
    請求項1に記載の作業機械の制御システム。
  7. 前記プロセッサは、
    前記積荷の質量及び静止摩擦係数に基づいて、前記制約条件を算出し、
    前記制約条件は、積荷にかかる力のすべり面成分が静止摩擦力より大きくならない条件を含む、
    請求項1に記載の作業機械の制御システム。
  8. 前記プロセッサは、
    前記作業機械の走行において前記積荷の加速度を算出し、
    前記制約条件は、前記加速度が予め定められている閾値未満である条件を含む、
    請求項1に記載の作業機械の制御システム。
  9. 前記プロセッサは、
    前記制約条件を満足すると判定した場合、前記操作信号に基づいて、手動制御指令を出力し、
    前記制約条件を満足しないと判定した場合、前記制約条件を満足する範囲において、前記手動制御指令の値と前記介入制御指令の値との差が小さくなるように、前記介入制御指令を出力する、
    請求項3に記載の作業機械の制御システム。
  10. 前記プロセッサは、前記走行装置に前記介入制御指令を出力する、
    請求項3に記載の作業機械の制御システム。
  11. 前記作業機械の周辺の障害物を検出する外界センサを備え、
    前記プロセッサは、
    前記外界センサの検出データに基づいて、前記作業機械が障害物に接触する可能性があると判定した場合、前記操作信号に基づいて、手動制御指令を出力する、
    請求項1に記載の作業機械の制御システム。
  12. 前記作業機械の周辺の障害物を検出する外界センサを備え、
    前記プロセッサは、
    前記外界センサの検出データに基づいて、前記作業機械が障害物に接触する可能性があると判定した場合、前記作業機械と障害物との接触が回避されるように、前記走行装置を制御する、
    請求項11に記載の作業機械の制御システム。
  13. 車体と、
    前記車体に支持される作業機と、
    前記車体に配置される外界センサと、
    請求項1に記載の作業機械の制御システムと、を備える、
    作業機械。
  14. 車体と、
    前記車体に支持される作業機と、
    前記車体に配置される外界センサと、
    前記車体に搭載され、前記車体の外部に配置された操作装置からの操作信号を受信する車載コントローラと、
    請求項1に記載の作業機械の制御システムと、を備える、
    作業機械の遠隔操作システム。
  15. プロセッサが、
    作業機及び走行装置を有する作業機械を動作させるために操作された操作装置からの操作信号を受信し、
    前記作業機械の動作状態を示す車両状態パラメータに基づいて、前記作業機に保持された積荷が崩れない制約条件を算出し、
    前記制約条件に基づいて、前記操作信号を修正する、
    作業機械の制御方法。
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