JP2026044155A - 転がり軸受 - Google Patents

転がり軸受

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Abstract

【課題】シール性が安定する転がり軸受を提供する。【解決手段】転がり軸受は、内輪2と、外輪3と、内輪2と外輪3の間に介在する複数の転動体と、内輪2および外輪3間の軸受空間を塞ぐシール部材6とを備える。シール部材6の外周側部分8が外輪3のシール溝9に固定され、シール部材6の内周側部分13に、内輪2のシール溝7における外側面7cに接触するリップ15が設けられている。シール部材6は、内周側部分13が軸方向内方に倒れることを抑制するシール倒れ抑制手段Stを備えた。シール倒れ抑制手段Stは、シール部材6の外周側部分8のうち、外輪3のシール溝9と接触する内側面8aが、軸方向内側に向かうに従って内径側に傾斜する傾斜面8aaを有する。【選択図】図3

Description

本発明は、転がり軸受に関し、シール性が安定する技術に関する。
図12に示すサーボモータ用の転がり軸受50において、モータ51の近傍にエンコーダ52が配置される機種がある。このような機種については、軸受内部からの発塵およびシール摩耗粉がエンコーダ52に付着することによるエンコーダ52の誤動作防止のため、接触シールにて転がり軸受50としての低発塵が求められる。
先行技術として、特許文献1,2がある。どちらの先行文献も、転がり軸受の回転時に軸受内圧が上昇した場合においても、軸受内部からの発塵量を低減することができる転がり軸受に関して提案している。具体的には、芯金と副リップの相対位置またはシール溝と接する接触シールリップ先端形状ならびにシール溝斜面に関して規定している。
特開2022-72083号公報 特開2022-102580号公報
上述した2種の先行文献は、軸受内部からの発塵に関する改良案であり、発塵性に関しての形状案として問題はない。どちらの先行文献も、内輪シール溝の軸方向外側面で接触する構造(以下、内輪接触部)をしており、内圧の上昇による軸受内部からの発塵に関しては効果的であり、内輪接触部が接触している状態でシール性が担保される。
一方で本シールの軸受挿入後の軸方向位置は、外輪シール溝とシール外径リップの軸受側が軸方向で接触する場所(以下、外輪接触部)によって決定される。外輪シール溝には、シール溝を切削する際に切削性等を考慮して外輪シール溝の軸方向端面は角度が設けられている場合がある。この場合、シールを軸受に挿入した際、外輪接触部において外径リップがこの角度に沿ってしまうと、シールが傾いた状態で位置決めされる。
シールが傾いた状態で位置決めされると、内輪接触部はシール溝との間にすきまができる方向に離れる。内輪接触部ですきまが生じてしまうとシール性を十分に発揮できない状態となる。特に、従来例のようにシール溝外側と接触する形式では、内輪接触部は締め代をもって挿入される。このため、シールは、締め代の反力により外輪接触面に沿って倒れる力が発生しやすく、シール性が安定しにくい。先行文献では、この事象に対しての記載はない。
先に述べたように、軸受に挿入されるシールと軸受の軸方向相対位置は、外輪シール溝との接触状態によって決められる。図13に示すように、外輪接触面30は傾斜がついている場合があり、シール部材31がこの外輪接触面30の傾斜に沿うように挿入されると、シール部材31全体が倒れる。
特に、内輪シール溝32の軸方向外側で接触するシール部材31では、内輪シール溝32と内径リップ33は締め代をもって挿入される。そのため、その反力によりシール部材31には、外輪接触面30に沿って倒れる力F1が発生しやすく、倒れることで締め代は少なくなり、シール性が安定せず、倒れた状態で軸受に予圧を付加することで、軸受内部すきま分、外輪34と内輪35の相対位置が変化し、場合によってはすきまを生じる。このため、基油漏れ等が発生し、ロバスト性に欠ける。
本発明の目的は、シール性が安定する転がり軸受を提供することである。
本発明の転がり軸受は、内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪の間に介在する複数の転動体と、前記内輪および外輪間の軸受空間を塞ぐシール部材とを備え、前記シール部材の外周側部分が前記外輪のシール溝に固定され、前記シール部材の内周側部分に、前記内輪のシール溝における外側面に接触するリップが設けられた転がり軸受であって、
前記シール部材は、前記内周側部分が軸方向内方に倒れることを抑制するシール倒れ抑制手段を備えた。
この構成によると、シール倒れ抑制手段は、シール部材の内周側部分が軸方向内方つまり軸受内部に向かう方向に倒れることを抑制する。このシール倒れ抑制手段により、シール部材の回転移動範囲が従来構造よりも小さくなる。よって、シール部材の軸受挿入後のシール位置が安定し、また内輪のシール溝における外側面と、リップの接触による反力を受けても、シール部材の位置がずれにくい。このように転がり軸受のシール性を安定にすることができる。
前記シール倒れ抑制手段は、前記シール部材の外周側部分のうち、前記外輪のシール溝と接触する内側面が、軸方向内側に向かうに従って内径側に傾斜する傾斜面を有してもよい。この場合、軸受に挿入されたシール部材の位置が安定しやすいため、シール性がより確実に安定する。また軸受による締め代の変化が少なくなるため、ロバスト性が向上する。
前記傾斜面の角度は、軸方向に垂直な平面に対して以下の関係に設定されていてもよい。
0°<前記傾斜面の角度≦外輪のシール溝における内側面の傾斜角度
この場合、外輪のシール溝における内側面に、シール部材の傾斜面が略沿って配置されることから、軸受に挿入されたシール部材の位置がより安定化しやすい。
前記シール部材の外周側部分に、この転がり軸受の内圧を逃がす空気孔が設けられていてもよい。この場合、転がり軸受の回転時に軸受内圧を空気孔から逃がすことで、シール部材の締め代の過度な変化、および軸受内圧の上昇に起因するグリースの流出を抑制し得る。
前記シール部材を、転がり軸受における軸方向一方側のみまたは軸方向両側に備えてもよい。シール部材が軸方向一方側のみに設けられている場合、部品点数の低減およびシール溝等の加工工数の低減を図りコスト低減を図れる。シール部材が軸方向両側に設けられている場合、軸受内部からのグリースの流出および大気側からの異物の侵入を抑制し得る。
本発明の転がり軸受は、内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪の間に介在する複数の転動体と、前記内輪および外輪間の軸受空間を塞ぐシール部材とを備え、前記シール部材の外周側部分が前記外輪のシール溝に固定され、前記シール部材の内周側部分に、前記内輪のシール溝における外側面に接触するリップが設けられた転がり軸受であって、前記シール部材は、前記内周側部分が軸方向内方に倒れることを抑制するシール倒れ抑制手段を備えた。このため、転がり軸受のシール性が安定する。
本発明の第1の実施形態に係る転がり軸受の縦断面図である。 同転がり軸受の保持器の斜視図である。 同転がり軸受のシール部材を拡大して示す拡大断面図である。 同シール部材のリップ等の拡大断面図である。 同シール部材と従来例のシール部材の外周側部分を比較して示す拡大断面図である。 同シール部材と従来例のシール部材の外周側部分を、外輪のシール溝と共に示す拡大断面図である。 同転がり軸受のシール部材の斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係る転がり軸受におけるシール部材の外周側部分を示す拡大断面図である。 同シール部材の変形例を示す拡大断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る転がり軸受の縦断面図である。 本発明の第4の実施形態に係る転がり軸受の縦断面図である。 本発明の第5の実施形態に係る転がり軸受の縦断面図である。 サーボモータ用の転がり軸受等を概略示す図である。 従来例の転がり軸受の課題を説明するための図である。
[第1の実施形態]
本発明の実施形態に係る転がり軸受を図1ないし図7と共に説明する。この転がり軸受は、例えば、サーボモータ等の産業機械、車両等に適用される。但し、転がり軸受は、これらの用途に限定されるものではなく、各種の機械、装置等に適用可能である。
<転がり軸受の概略構成>
図1は、転がり軸受1を軸方向を含む平面で切断して見た断面(縦断面)である。他の実施形態における断面図についても同様である。
転がり軸受1は、内輪2と、外輪3と、玉(転動体)4と、保持器5と、シール部材6とを備える深溝玉軸受である。内外輪2,3の軌道面間2a,3aに介在する複数の玉4が、保持器5により周方向一定間隔おきに保持される。シール部材6は、外輪3に取付られ、内輪2および外輪3間の環状空間である軸受空間を塞ぐ。この例では、外輪内周面における軸方向両側にシール部材6,6が取付られている。内外輪2,3間の軸受空間には、グリース等の潤滑剤が封入される。
本明細書において、転がり軸受を、単に、「軸受」という場合がある。以下の説明において、軸受軸心である軸受中心軸AXの方向を「軸方向」といい、軸受中心軸AXに直交する方向を「径方向」といい、軸受中心軸AX回りの方向を「円周方向または周方向」という。また、軸受中心軸AXに向かう側を「内径側」といい、軸受中心軸AXから離れる側を「外径側」という。
<保持器>
図2のように、この例の保持器5は、合成樹脂製であり、二枚の同形状の環状体5a,5aを係合させた二枚合わせ保持器である。この保持器5は、軸方向のポケット形状が円筒形状となるポケットPtに玉4(図1)を保持する。各環状体5aは、複数の半円筒形状のポケット壁部5cと、複数の連結板部5bとを有する。二つのポケット壁部5c,5cが軸方向に互いに組み合わされることで、ポケットPtが形成される。前記ポケットPtは円周等配に設けられている。保持器5は、ポケットPt間の連結板部5bに互いに係合する係合孔Kaと係合爪Kbとを有する。係合孔Kaに係合爪Kbを係合し二枚の同形状の環状体5a,5aが係合されることにより保持器5が組立てられる。なお保持器5のポケット形状は球面形状であってもよい。
<シール構造等について>
図1のように、各シール部材6は、内輪2のシール溝7にリップ15が接触する接触シールである。内輪2の外周面にシール溝7が周方向に形成され、各シール溝7に対向する外輪3の内周面に、シール部材固定用のシール溝9が設けられる。図3のように、シール部材6は、芯金10にゴム材11をモールドしたものであり、シール部材6の外周側部分8が、外輪3のシール溝9に嵌め込まれて固定される。
<外輪シール溝>
外輪3のシール溝9は、軸方向外側に向かって順次、内側面9a、溝底面9cおよび外側面9bを有する。図1のように、内側面9aは、軌道面3aの軸方向両側に設けられた外輪肩部に繋がる。内側面9aは、シール溝9を切削する際に切削性等を考慮して、軸方向外側に向かうに従って外径側に傾斜する傾斜面に形成されている。図3のように、内側面9aに滑らかに繋がる溝底面9cは、径方向外径側に凹む形状である。外側面9bは、溝底面9cに滑らかに繋がり、軸方向外側に向かうに従って内径側に傾斜する傾斜面に形成されている。シール部材6の外周側部分8は、図示外の締め代を有し、弾性変形された状態でシール溝9に嵌め込まれて固定される。
シール部材6の内周側部分13に、内輪2のシール溝7における外側面7cに接触するリップ15が設けられている。
図1および図3では、シール部材6のリップ15の一部分が、内輪2のシール溝7に埋め込まれているように示されているが、この一部分は締め代であり、実際には弾性変形された状態でシール溝7に接触している。後述する図9~図11のシール構造についても同様である。
<空気孔>
図7のように、シール部材6の外周側部分8(図3)には、この転がり軸受の内圧を逃がす空気孔12が複数設けられている。これら空気孔12は、径方向に沿って形成される径方向の空気孔12a,12aと、軸方向に沿って形成される軸方向の空気孔12bとを有する。空気孔12a,12bは、それぞれシール部材6の外周側部分に設けられた溝から成る。これら径方向の空気孔12a,12aと軸方向の空気孔12bとが異なる円周方向位置に設けられている。空気孔12a,12bの個数および円周方向位置は、図7に限定されるものではない。
図3および図7のように、径方向の空気孔12a,12aと、軸方向の空気孔12bは、シール溝9の溝底面9cを介して連通する。よって、転がり軸受1(図1)の回転時に軸受内圧を、二つの径方向の空気孔12a,12aから軸方向の空気孔12bを経由して外部に逃がし得る。
<内輪シール溝>
図1のように、内輪2のシール溝7は、軸方向外側に向かって順次、内側面7a、溝底面7bおよび外側面7cを有する。ここで、シール溝7において、軸受内部方向の側面を内側面7a、軸受外部方向の側面を外側面7cという。
内側面7aは、軌道面2aの軸方向両側に設けられた内輪肩部に繋がり、軸方向外側に向かうに従って内径側に傾斜する傾斜面に形成されている。この内側面7aに滑らかに繋がる溝底面7bは、内径側に凹む形状である。外側面7cは、溝底面7bに滑らかに繋がり、軸方向外側に向かうに従って外径側に傾斜する傾斜面に形成されている。
図3のように、シール部材6におけるゴム材11の材質は、ニトリルゴムを標準的に使用するが、使用温度に応じてアクリルゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム等の他の材質を適用してもよい。
<リップ>
図4のように、シール部材6のうち、芯金10の内径よりも径方向内方に延びる内周側部分13は、前記ゴム材11から成る。内周側部分13は、内径側に向かうに従って肉厚が小さくなるくびれ部14と、このくびれ部14にそれぞれ繋がる主リップ(リップ)15と、副リップ16とを有する。これらくびれ部14、主リップ15および副リップ16は一体成形されている。前記一体成形とは、くびれ部14、主リップ15および副リップ16が、複数の要素を結合したものではなく単一の材料から例えば射出成形等により単独の物の一部または全体として成形されたことを意味する。
くびれ部14の内径側端部に主リップ15が繋がり、この主リップ15の基端部15aの内側面部分から副リップ16が軸方向内側に突出する。図1に示すように、副リップ16の先端部とシール溝7の内側面7aとの間でラビリンスシールRsが形成されている。
図4のように、主リップ15は、軸方向外側に向かう従って内径側に傾斜する基端部15aと、この基端部15aから内径方向に延びるリップ本体部15bと、このリップ本体部15bにおける先端側の外側面部分に設けられる先端部15cとを有する。この主リップ15の先端部15cが、シール溝7の外側面7cに法線方向に当たるR形状に形成されている。主リップ15の先端部15cの外径面15caは、軸方向外側に向かうに従って内径側に傾斜し且つ前記R形状に滑らかに繋がる。
<シール倒れ抑制手段>
図3のように、シール部材6は、内周側部分13が軸方向内方に倒れることを抑制するシール倒れ抑制手段Stを備える。具体的には、シール倒れ抑制手段Stは、シール部材6の外周側部分8のうち、外輪3のシール溝9と接触する内側面8aが、軸方向内側に向かうに従って内径側に傾斜する傾斜面8aaを有するものである。ここで、シール部材6の外周側部分8において、軸受内部方向の側面を内側面8aという。軸方向内側とは、軸受内部の方向をいう。
図5は、本実施形態のシール部材6(図5(b))と、従来例のシール部材60(図5(a))の外周側部分8,80を比較して示す拡大断面図である。
図5(a)の従来例では、シール部材60における外周側部分80の内側面80aが、軸方向に垂直な平面に設けられている。この場合、図6(a)のように、シール部材60が内側面9aの傾斜に沿うように挿入されると、シール部材60全体の回転移動範囲が大きくシール部材60全体が軸方向内方に倒れる。
これに対して、図5(b)に示す本シール部材6は、外周側部分8の内側面8aが前述の傾斜面8aaを有する。この傾斜面8aaの角度αは、図6(b)のように、軸方向に垂直な平面に対して以下の関係に設定されている。
0°<傾斜面の角度α≦外輪3のシール溝9における内側面9aの傾斜角度
傾斜面の角度αは、軸方向に垂直な平面に対して以下の関係に設定されていることがより好ましい。
外輪3のシール溝9における内側面9aの傾斜角度-1°≦傾斜面の角度α≦外輪3のシール溝9における内側面9aの傾斜角度
<作用効果>
以上説明した図1の転がり軸受1によると、シール倒れ抑制手段Stは、内周側部分13(図3)を含むシール部材6全体が軸方向内方に倒れることを抑制する。図6(b)のように、シール倒れ抑制手段Stは、シール部材6の外周側部分8のうち、外輪3のシール溝9と接触する内側面8aが、軸方向内側に向かうに従って内径側に傾斜する傾斜面8aaを有する。この傾斜面8aaにより、シール部材6の回転移動範囲が従来構造よりも小さくなる。
よって、シール部材6の軸受挿入時のシール位置が安定し、また図3に示す内輪2のシール溝7における外側面7cと、リップ15の接触による反力を受けても、シール部材6の位置がずれにくい。このように転がり軸受のシール性を安定にすることができる。また軸受による締め代の変化が少なくなるため、ロバスト性が向上する。
図7のように、シール部材6の外周側部分に、転がり軸受1(図1)の内圧を逃がす空気孔12が設けられている。このため、転がり軸受1(図1)の回転時に軸受内圧を空気孔12から逃がすことで、シール部材6の締め代の過度な変化、および軸受内圧の上昇に起因するグリースの流出を抑制し得る。
<他の実施形態について>
以下の説明においては、各実施形態で先行して説明している事項に対応している部分には同一の参照符号を付し、重複する説明を略する。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、特に記載のない限り先行して説明している実施形態と同様とする。同一の構成は同一の作用効果を奏する。各実施形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施形態同士を部分的に組合せることも可能である。
[第2の実施形態:図8A、傾斜面+平担面]
図8Aのように、シール部材6の外周側部分8における内側面8aが、傾斜面8aaと、この傾斜面8aaの内径縁部に繋がる平坦面8abとを有するものであってもよい。平坦面8abは、例えば、軸方向に垂直な平面に平行に設けられる。この場合、平坦面8abを、傾斜面8aaの角度αを規定する際の基準面として使用し得る。これにより、傾斜面8aaの角度αをより高精度化することができ、シール部材6の軸受挿入時のシール位置がより安定しやすい。その他、前述の実施形態と同様の作用効果を奏する。
[変形例:図8B、傾斜面+平担面+凸部]
図8Bのように、平担面8abに、複数の凸部17が円周方向および径方向に設けられてもよい。このシール部材6の軸受挿入時において、各凸部17の突出方向先端部分は、外輪のシール溝における内側面に弾性変形した状態で接触する。この場合、各凸部17の押圧力により、図8Aのシール構造よりも、シール部材6の軸受挿入時のシール位置がより安定しやすい。
[第3の実施形態:図9、片側シール]
図9のように、シール部材6を、転がり軸受1における軸方向一方側のみに備えてもよい。この場合、軸方向両側にシール部材を備えた転がり軸受よりも、部品点数の低減およびシール溝等の加工工数の低減を図りコスト低減を図れる。
[第4の実施形態:図10、冠形保持器]
図10のように、保持器5は、ポケットPtの軸方向一方側を開口した形状のいわゆる冠形保持器であってもよい。この場合、前述の二枚合わせ保持器よりも、保持器5の部品点数を低減し、組立工数の低減を図れる。
[第5の実施形態:図11、片側シール]
図11のように、冠形の保持器5を備えた転がり軸受1において、シール部材6を、転がり軸受1における軸方向一方側のみに備えてもよい。
各実施形態において、シール部材の外周側部分における空気孔を省略ないし増やすことも可能である。つまりシール部材に、空気孔が設けられていない構成としてもよいし、複数の空気孔が設けられる構成でもよい。
深溝玉軸受において、鉄板波形保持器を用いてもよい。
シール倒れ抑制手段を備えた転がり軸受は、深溝玉軸受に限定されるものではなく、アンギュラ玉軸受、円すいころ軸受、円筒ころ軸受等各種軸受に適用可能である。
以上、実施形態に基づいて本発明を実施するための形態を説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1…転がり軸受、2…内輪、3…外輪、4…玉(転動体)、6…シール部材、8…外周側部分、8a…内側面、8aa…傾斜面、9…シール溝、9b…外側面、12a,12b…空気孔、13…内周側部分、15…リップ、St…シール倒れ抑制手段

Claims (5)

  1. 内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪の間に介在する複数の転動体と、前記内輪および外輪間の軸受空間を塞ぐシール部材とを備え、前記シール部材の外周側部分が前記外輪のシール溝に固定され、前記シール部材の内周側部分に、前記内輪のシール溝における外側面に接触するリップが設けられた転がり軸受であって、
    前記シール部材は、前記内周側部分が軸方向内方に倒れることを抑制するシール倒れ抑制手段を備えた転がり軸受。
  2. 請求項1に記載の転がり軸受において、前記シール倒れ抑制手段は、前記シール部材の外周側部分のうち、前記外輪のシール溝と接触する内側面が、軸方向内側に向かうに従って内径側に傾斜する傾斜面を有する転がり軸受。
  3. 請求項2に記載の転がり軸受において、前記傾斜面の角度は、軸方向に垂直な平面に対して以下の関係に設定されている転がり軸受。
    0°<前記傾斜面の角度≦外輪のシール溝における内側面の傾斜角度
  4. 請求項2または請求項3に記載の転がり軸受において、前記シール部材の外周側部分に、この転がり軸受の内圧を逃がす空気孔が設けられている転がり軸受。
  5. 請求項2または請求項3に記載の転がり軸受において、前記シール部材を、転がり軸受における軸方向一方側のみまたは軸方向両側に備えた転がり軸受。
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