JP2026064902A - 筆記具 - Google Patents

筆記具

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Abstract

【課題】 実際に筆記等された筆記描線の色と、ペン芯に発色されている色との相違がなく、ペン芯に発色した色を見るだけで、心地よくペン芯に発色した色と一致した色の筆記描線を描画等することができる筆記具を提供する。
【解決手段】 筆記具本体1内にインク組成物3が収容されると共に、少なくとも一方の端部側に繊維材料より構成されるペン芯4、5を備えた筆記具Aであって、該ペン芯4、5とインク組成物3との屈折率の差が1.0以上であることを特徴とする筆記具。
上記ペン芯4、5の繊維間に酸化チタンが塗布されていることが好ましい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、実際に筆記等された筆記描線の色と、ペン芯に発色されている色との相違がなく、ペン芯に発色した色を見るだけで、心地よくペン芯に発色した色と一致した色の筆記描線を描画等することができる筆記具に関する。
従来より、マーキングペンやサインペンなどの筆記具において、一般的に、ユーザーが使用するインク色等を識別できるように、キャップや操作部分にインク色と同じ色等が表示されておりその色を視認したり、また、視認性を有する筆記具本体内に収容又は吸蔵されるインク色を見て判断したり、更に、ペン芯に発色した色を認識したりして、ユーザーはそれらの各表示等に基づいて、使用したいインク色が表示等された筆記具を用いてきた。
しかしながら、黄色などの淡い色の場合は、実際に筆記等された筆記描線の色と、筆記具に表示された色や、ペン芯に発色した色との相違が少ないものであるが、青色や灰色や緑色などの濃い色の場合、または、遮光性の必要なインク場合には視認性を有する筆記具本体には使用できない場合などがあり、これらの場合、実際に筆記等された筆記描線の色と、筆記具に表示などされた色やペン芯に発色した色との相違があり過ぎるなどの課題があり、使用上の不都合などがあった。
一方、従来技術において、本発明に近接する技術として、例えば、
1) ペン先となるペン体の反対側が簡単に視認でき、線引きの終点位置を容易に認識できると共に、インクの終了時期も簡単に認識することができる筆記具を提供するために、ペン本体内のインクをペン先に供給することで筆記可能となる筆記具において、ペン先が多孔体から構成されると共に、該多孔体を構成する多孔体材料とインクの屈折率差が0.1以下となるインクがペン先となる多孔体に供給されることにより、該多孔体が視認部となることを特徴とする筆記具(例えば、本出願人による特許文献1参照)、
2) 隠蔽材料を含むペン芯を備えたペン先であって、ペン芯は、L*a*b*(CIELAB)表色系での明度(L*値)が80以上であることを特徴とするペン先、並びに、このペン先を備えた筆記具であって、該筆記具には、染料インク又は染料を含む樹脂微粒子顔料インクが搭載され、該インクを含浸した状態のペン芯の明度(L*値)が30以上であることを特徴とする筆記具(例えば、本出願人による特許文献2参照)
などが知られている。
上記特許文献1は、多孔体材料とインクとの屈折率差が0.1以下となるインクをペン先となる多孔体に供給することにより、該多孔体を視認部とする筆記具であり、本発明とは、その発明の課題、技術思想(構成及びその作用効果)が相違するものである。
上記特許文献2を精査すると、視認性を有する保持体の周面にコ字型形状のペン芯を取り付け、そのペン芯の明度(L*値)を80以上とし、インクを含浸した状態のペン芯の明度(L*値)を30以上として主に保持体における視認部の視認性の向上を目的とし、副次的なものとしてペン先の着色による色相と筆記描線との色相に相違がないことを開示しているものであるが、インクとペン芯の屈折率差が小さいために、インク含浸後のペン芯の発色が不明瞭となることがあり、未だ改善の余地がある。更に、ペン芯に発色した色を見るだけで、心地よくペン芯に発色した色と一致した色の筆記描線を描画等することができる筆記具が切望されているのが現状であった。
特開2011-46008号公報(特許請求の範囲、図1~図4) 国際公開2020/032104号公報(特許請求の範囲、図1)
本発明は、上記従来技術の課題及び現状等に鑑み、これを解消しようとするものであり、実際に筆記等された筆記描線の色と、ペン芯に発色されている色との相違がなく、ペン芯に発色した色を見るだけで、心地よくペン芯に発色した色と一致した色の筆記描線を描画等することができる筆記具を提供することを目的とする。
本発明者は、上記従来の課題等に鑑み、これを解消しようとするものであり、筆記具本体内にインクが収容されると共に、少なくとも一方の端部側に繊維材料より構成されるペン芯を備えた筆記具において、該ペン芯とインク組成物との屈折率の差を所定値以上とすることにより、上記目的の筆記具が得られることを見出し、本開示を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明の筆記具は、筆記具本体内にインク組成物が収容されると共に、少なくとも一方の端部側に繊維材料より構成されるペン芯を備えた筆記具であって、該ペン芯とインク組成物との屈折率の差が1.0以上であることを特徴とする。
上記ペン芯の繊維間に酸化チタンが塗布されていることが好ましい。
また、ペン芯は、撓り作用を持つことが好ましい。
また、ペン芯は、筆記具の軸筒の両端に備えていることが好ましい。
また、ペン芯は、ボールペンチップと組み合わせることが好ましい。
本発明で規定する「屈折率」とは、直進する光が異なる物質の境界進行方向を変える角度の割合のことをいい、スネルの法則により光の角度と対応づけられている。また、「ペン芯とインク組成物との屈折率の差が1.0以上」とは、少なくとも繊維材料により構成されるペン芯の屈折率とインク組成物との屈折率の差が1.0以上となることを意味するものである。
本発明によれば、実際に筆記等された筆記描線の色と、ペン芯に発色されている色との相違がなく、ペン芯に発色した色を見るだけで、心地よくペン芯に発色した色と一致した色の筆記描線を描画等することができる筆記具が提供される。
本発明の目的及び効果は、特に請求項において指摘される構成要素及び組み合わせを用いることによって認識され且つ得られるものである。上述の一般的な説明及び後述の詳細な説明の両方は、例示的及び説明的なものであり、特許請求の範囲に記載されている本発明を制限するものではない。
第1実施形態を示す筆記具の部分縦断面図である。 (a)及び(b)は、ペン芯とインク組成物との屈折率の差から本開示の効果の概要を説明するための説明図である。 第2実施形態を示す直液式の筆記具の各図面であり、(a)は正面図、(b)は正面視縦断面図、(c)は(b)の90°展開した方向から見た縦断面図である。である。 図3の筆記具からキャップを取り外した状態の各図面であり、(a)は正面図、(b)は(a)の90°展開した方向から見た正面図、(c)は縦断面図、(d)は(c)の90°展開した方向から見た縦断面図である。 図3及び図4の筆記具の筆記状態の一例を示す各図面であり、(a)は一方向から見た使用状態斜視図、(b)は(a)の90°展開した方向から見た使用状態斜視図である。 第3実施形態を示す中綿式の筆記具であり、キャップを取り外した状態を示す各図面であり、(a)は正面図、(b)は(a)の90°展開した方向から見た正面図、(c)は縦断面図、(d)は(c)の90°展開した方向から見た縦断面図である。 第4実施形態を示す中綿式の筆記具の他例の実施形態の一例を示す各図面であり、(a)は正面図、(b)は正面視縦断面図、(c)は(b)の90°展開した方向から見た縦断面図である。 図7の筆記具のキャップを取り外した状態の筆記具の一例を示す各図面であり、(a)は正面図、(b)は縦断面図、(c)は(b)の90°展開した方向から見た縦断面図である。 図7の筆記具の部品展開図である。 (a)及び(b)は、図8の筆記具における各筆記部を示す斜視図である。 第5実施形態を示す中綿式の筆記具の変形例を示す各図面であり、(a)は正面図、(b)は縦断面図、(c)は(b)の90°展開した方向から見た縦断面図である。 第6実施形態を示す中綿式の筆記具の変形例を示す各図面であり、(a)は正面図、(b)は縦断面図、(c)は(b)の90°展開した方向から見た縦断面図である。 図12の筆記具のキャップを取り外した状態の筆記具を示す各図面であり、(a)は正面図、(b)は縦断面図、(c)は(b)の90°展開した方向から見た縦断面図である。 図12及び図13の筆記具の筆記状態の一例を示す各図面であり、(a)は一方向から見た使用状態斜視図、(b)は(a)の180°展開した方向から見た使用状態斜視図である。 図12~図14の筆記具の筆記部を示す部品図であり、(a)斜め後方から見た斜視図、(b)は後方から見た斜視図、(c)は平面図、(d)は右側面図、(e)は正面図、(f)は左側面図、(g)は縦断面図である。
以下に、本発明の筆記具の各実施形態について図面を参照しながら詳しく説明する。但し、本発明の技術的範囲は下記で詳述する実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
なお、各図において、筆記具及びその構成部品についての「前方」とは、筆記具の先端の方向を示し、「後方」とはその反対側の方向を示し、「軸方向」とは、軸筒等の前方から後方までを貫く軸の方向を示し、「横断方向」とは、軸方向に直交する方向を示すものとする。また、各図面間で共通して付されている符号は、特に各図面の説明において言及がなくとも、同じ構成又は部材を表している。
本発明の筆記具は、筆記具本体内にインク組成物が収容されると共に、少なくとも一方の端部側に繊維材料より構成されるペン芯を備えた筆記具であって、該ペン芯とインク組成物との屈折率の差が1.0以上であることを特徴とするものである。
図1は、第1実施形態を示す筆記具の部分縦断面図であり、図2(a)及び(b)は、ペン芯とインクとの屈折率の差から本発明の効果の概要を説明するための説明図である。
第1実施形態の筆記具Aは、図1に示すように、少なくとも、筒状の軸筒1と、該軸筒1内に収容されたインク吸蔵体(中綿)2とを有し、インク吸蔵体2は液状のインク組成物3を全量保持できる毛管力を備え、上記軸筒1の両端側に設けられたペン芯(チゼル芯)4、ペン芯(丸芯)5に液状のインク組成物3が供給されて筆記に供されるものである。
本第1実施形態では、軸筒1には、両端部にペン芯(チゼル芯)4、ペン芯(丸芯)5を備え、軸筒1内部に液状のインク組成物3が吸蔵されたインク吸蔵体2が収容される収容部を有するツインタイプ(両頭式)の筆記具Aである。
前記軸筒1は、略テーパー状の外形を呈し、一方の太側端部1aには先軸6が取付けられ、他方の細側端部1bにはクチプラ7が取付けられている。前記先軸6にはペン芯(チゼル芯)4が取付けられ、クチプラ7にはペン芯(丸芯)5が取付けられている。前記ペン芯(チゼル芯)4およびペン芯(丸芯)5は、前記インク吸蔵体2の両端部に各々嵌挿され、インク吸蔵体2の液状のインク組成物3が両端部のペン芯(チゼル芯)4、ペン芯(丸芯)5に毛管力により供給されてどちらのペン芯(チゼル芯)4、ペン芯(丸芯)5で筆記可能となっている。
なお、インク吸蔵体2は、液状のインク組成物3を全量保持できる毛管力を備え、上記ペン芯(チゼル芯)4、ペン芯(丸芯)5は、インク吸蔵体2よりも強い毛管力を備えてなるものである。好ましくは、毛管力の強さは、インク吸蔵体2<ペン芯5≦ペン芯4となるものが好ましい。
前記太側端部1aの外周部には、ペン芯(チゼル芯)4側を覆うように太側キャップ8が着脱自在に装着されている。図中の図示符号8aはクリップである。
前記細側端部1bは、略筒状に形成され、その先端側外周部にはペン芯(丸芯)5側を覆うように細側キャップ9が着脱自在に装着されている。
インク吸蔵体2は、後述する水性インク、油性インク、ゲルインク、熱変色性インクなどの液状のインク組成物を含浸するものであり、例えば、天然繊維、獣毛繊維、ポリアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリフェニレン系樹脂などの1種又は2種以上の組み合わせからなる繊維束、フェルト等の繊維束を加工したもの、また、スポンジ、樹脂粒子、焼結体等の多孔体を含むものである。
インク吸蔵体2の気孔率は、それぞれペン芯4、5に効率良く所定のインクを供給する点から、50~90%であるものが好ましい。
本開示の気孔率は、下記のようにして算出される。まず、既知の質量及び見掛け体積を有するインク吸蔵体を水中に浸し、十分に水を浸み込ませた後、水中から取り出した状態で質量を測定する。測定した質量から、インク吸蔵体に浸み込ませた水の体積が導出される。この水の体積をインク吸蔵体の気孔体積と同一として、下記式(A)から、気孔率が算出される。後述するペン芯の気孔率についても同様に算出される。
気孔率(単位:%)=(水の体積)/(インク吸蔵体の見掛け体積)×100 …(A)
本発明に用いる液状のインク組成物は、繊維材料より構成されるペン芯4、5との屈折率の差がそれぞれ1.0以上となるインクであれば、水性インク、油性インク、ゲルインク、熱変色性インク等、特に限定されないが、用いるインク組成物が繊維材料より構成されるペン芯4、5に供給されることにより、該ペン芯4、5を更に発色性を向上させる点から、インク全体での屈折率が1.3~1.6の範囲に調節できるものが望ましく、用いるインク成分である色材、溶媒、任意成分などを好適に組み合わせることにより調整することができる。
具体的に用いることができる各成分としては、溶媒として、例えば、水(精製水、イオン交換水、水道水、蒸留水、純水等)、エタノール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、メチルシクロヘキサン、キシレン、シリコーン等を用いることができる。
また、インクに使用する色材としては、水に溶解もしくは分散する全ての染料、従来公知の無機系および有機顔料系、顔料を含有した樹脂粒子顔料、樹脂エマルションを染料で着色した疑似顔料、白色系プラスチック顔料、シリカや雲母を基材とし表層に酸化鉄や酸化チタンなどを多層コーティングした顔料、熱変色性顔料、光変色性粒子等を制限なく使用することができる。
染料としては、例えば、エオシン、フオキシン、ウォーターイエロー#6-C、アシッドレッド、ウォーターブルー#105、ブリリアントブルーFCF、ニグロシンNB等の酸性染料;ダイレクトブラック154,ダイレクトスカイブルー5B、バイオレットBB等の直接染料;ローダミン、メチルバイオレット等の塩基性染料などが挙げられる。
無機系顔料としては、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレンおよびペリノン顔料、ニトロソ顔料などが挙げられる。より具体的には、カーボンブラック、チタンブラック、亜鉛華、べんがら、アルミニウム、酸化クロム、鉄黒、コバルトブルー、酸化鉄黄、ビリジアン、硫化亜鉛、リトポン、カドミウムエロー、朱、カドミウムレッド、黄鉛、モリブデードオレンジ、ジンククロメート、ストロンチウムクロメート、ホワイトカーボン、酸化チタン、クレー、タルク、群青、沈降性硫酸バリウム、バライト粉、炭酸カルシウム、鉛白、紺白、紺青、マンガンバイオレット、アルミニウム粉、真鍮粉等の無機顔料、C.I.ピグメントブルー17、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー17、C.I.ピグメントブルー27、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド22、C.I.ピグメントレッド38、C.I.ピグメントレッド48、C.I.ピグメントレッド49、C.I.ピグメントレッド53、C.I.ピグメントレッド57、C.I.ピグメントレッド81、C.I.ピグメントレッド104、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド245、C.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー34、C.I.ピグメントイエロー55、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー166、C.I.ピグメントイエロー167、C.I.ピグメントオレンジ5、C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントオレンジ16、C.I.ピグメントバイオレット1、C.I.ピグメントバイオレット3、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット50、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
熱変色性顔料としては、発色剤として機能するロイコ色素と、該ロイコ色素を発色させる能力を有する成分となる顕色剤及び上記ロイコ色素と顕色剤の呈色において変色温度をコントロールすることができる変色温度調整剤を少なくとも含む熱変色性組成物を、所定の平均粒子径(例えば、0.2~3μm)となるように、マイクロカプセル化することにより製造された熱変色性顔料などを挙げることができる。
光変色性粒子としては、例えば、少なくともフォトクロミック色素(化合物)、蛍光色素などから選択される1種以上と、テルペンフェノール樹脂などの樹脂とにより構成される光変色性粒子や、少なくともフォトクロミック色素(化合物)、蛍光色素などから選択される1種以上と、有機溶媒と、酸化防止剤、光安定剤、増感剤などの添加剤とを含む光変色性組成物を、所定の平均粒子径(例えば、0.2~3μm)となるように、マイクロカプセル化することにより製造された光変色性粒子などを挙げることができる。
これらの色材は、単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。これらの色材の含有量は、インクの描線濃度に応じて適宜増減することが可能であり、また、ペン芯とインク組成物との屈折率の差を1.0以上とすることに悪影響等を及ぼさない範囲で調整でき、インク組成物全量に対して、1~15質量%程度とすることができる。
なお、本発明(実施例等含む)で規定する「平均粒子径」は、粒度分析計〔マイクロトラックHRA9320-X100(日機装社製)〕にて、測定したD50の値である。
更に、本発明の効果を損なわない範囲で、通常用いられるその他の任意成分、例えば、固着剤、分散剤、界面活性剤、湿潤剤、防腐剤等を含有することができる。
筆記部となるペン芯40、45は、少なくとも繊維材料により構成されるものであり、インク吸蔵体20から供給されるインクを当該ペン芯40、45で良好な筆記ができ、前記インク組成物との屈折率との差が1.0以上となるものであれば、特に限定されないが、好ましくは、屈折率が1.4~1.6となるペン芯材料を選択することができる。この範囲の部材を選択した場合、前記インク組成物の屈折率との差を効率よく1.0以上とすることができ、インクが供給された場合、ペン芯に発色される色と、実際にペン芯で筆記等された筆記描線の色との相違がなく、ペン芯に発色した色を見るだけで、心地よくペン芯に発色した色と一致した色の筆記描線を描画等することができるものとなる。
ペン芯4、5は、良好なインク流出性、優れたインク発色性を有するものであり、例えば、天然繊維、獣毛繊維、ポリアセタール系樹脂、ポリエチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリフェニレン系樹脂などの1種又は2種以上の組み合わせからなる並行繊維束、フェルト等の繊維束を加工又はこれらの繊維束を樹脂加工した繊維芯、または、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂等の熱可塑性樹脂などのプラスチック粉末などを焼結したポーラス体(焼結芯)などから構成することができる。
ペン芯4、5の形態としては、繊維束芯、焼結芯、フェルト芯、スポンジ芯、無機多孔体芯等の種々が選ばれるが、好ましくは、筆記性の点、生産性の点から、繊維束芯、焼結芯が望ましい。
本実施形態のペン芯は、図1に示すように、ペン芯4がチゼル形状のペン芯であり、ペン芯5が所謂棒状の丸芯である。ペン芯の形状としては、その他に、筆記具種、筆記描線の大きさなどに応じて、各種形状とすることができる。
このペン芯4、5の各気孔率は、インク種、筆記具種などにより変動するが、それぞれペン芯4、5に効率良く所定のインクを供給する点、本発明の効果を更に発揮せしめる点などから、30~60%であるものが好ましい。この気孔率は、後述するように酸化チタンを塗布した後のペン芯の気孔率を含むものである。
本開示において、ペン芯4、5は、当該ペン芯4、5と前記組成のインク組成物との屈折率の差が1.0以上となるものであれば、特に限定されないが、本発明の効果を更に発揮せしめる点から、好ましくは、当該ペン芯4、5の繊維間に酸化チタンが塗布されていることが好ましい。
用いることができる酸化チタンは、高屈折材料となるものであり、その平均粒子径は、好ましくは、50~800nm、特に好ましくは、100~500nmのものが望ましい。
この酸化チタンの平均粒子径を100nm以上とすることにより、発色を向上させることができ、一方、500nm以下とすることにより、インク流出性を損なうことがない。
この酸化チタンのペン芯への塗布量は、ペン芯の繊維間に酸化チタンを固着させることにより、ペン芯での発色性を更に向上せしめ、本発明の効果を更に発揮せしめるものであれば、特に限定されないが、ペン芯におけるインク流出性、ペン芯への酸化チタンの塗布(固着や複合化)等を容易にせしめる点等から、ペン芯全量に対して、好ましくは、0.1~5質量%である。
ペン芯成形後のペン芯に酸化チタンを固着せしめる方法としては、例えば、
1)成形後のペン芯を少なくとも酸化チタンと固着樹脂を含む処理液に含浸させ、乾燥(溶媒を蒸発等)、固着させることで作製する方法、
2)ペン芯成形時に繊維を少なくとも酸化チタンと固着樹脂を含む処理液に含浸させ、乾燥(溶媒を蒸発等)ながら、固着させることで作製する方法
3)成形後のペン芯に固着樹脂を塗布し乾燥後、更に酸化チタンを塗布し乾燥して作製する方法などが挙げられる。
上記1及び3)に用いる固着樹脂としては、インク流出性、インクに影響を与えない点等から、アクリル樹脂、スチレンアクリル樹脂、ウレタン樹脂等を用いることができる。この製造法は、ペン芯を目詰まりさせることなく良好なインク流出性を確保する点などから、固形分濃度が5~25質量%の固着樹脂と、必要に応じて、メチレンクロライドなどの溶媒を含む処理液を調製し、該処理液に成形後の繊維束芯、繊維芯、焼結芯、フェルト芯、スポンジ芯、無機多孔体芯などから構成されるペン芯を含浸させ、乾燥、固着させることで、上記所定の気孔率と所定割合の酸化チタンが固着されたペン芯を作製することができる。
上記2)に用いる固着樹脂としては、インク流出性、インクに影響を与えない点等から、アクリル樹脂、スチレンアクリル樹脂、ウレタン樹脂等を用いることができる。この製造法は、ペン芯を目詰まりさせることなく良好なインク流出性を確保する点などから、固形分濃度が5~25質量%の固着樹脂と、必要に応じて、メチレンクロライドなどの溶媒を含む処理液を調製し、繊維に含浸させて撚り集め、乾燥、固着させることで、上記所定の気孔率と所定割合の酸化チタンが固着された繊維束芯、繊維芯、フェルト芯などから構成されるペン芯を作製することができる。
本実施形態のペン芯4及びペン芯5では、繊維束芯から構成される。
本開示では、上記構成のペン芯4、5と上記構成のインク組成物との屈折率の差が1.0以上とすることにより、実際に筆記等された筆記描線の色と、ペン芯に発色されている色との相違がなくなり、ペン芯に発色した色を見るだけで、心地よくペン芯に発色した色と一致した色の筆記描線を描画等することができるものとなる。
更に好ましくは、上記屈折率の差を1.05以上とすることにより、特に好ましくは1.1以上とすることが望ましい。
上記ペン芯とインク組成物の屈折率の差が1.0未満の場合は、実際に筆記等された筆記描線の色と、ペン芯に発色されている色との相違があり、本発明の効果を発揮することができないものとなる。
図2(a)及び(b)は、ペン芯とインク組成物との屈折率の差から本開示の効果の概要を説明するための説明図である。図2(a)に示すように、例えば、ペン芯(繊維芯)の屈折率が1.58であり、インク組成物の屈折率が1.33の場合、その差は0.15となり、インク組成物とペン芯との屈折率の差が小さいため、光がインクを含むペン芯の奥まで透過するため、ペン芯の色はよりどす黒くなり、実際に筆記等された筆記描線の色と、ペン芯に発色されている色との相違が著しく、本開示の効果を発揮できないものとなる。
一方、図2(b)に示すように、例えば、酸化チタンを塗布したペン芯(繊維芯)の屈折率が2.72であり、インク組成物の屈折率が1.33の場合、その差は1.39となり、インク組成物とペン芯との屈折率の差が本開示の範囲となるため、光がペン芯の表面で散乱して発色がよくなり、実際に筆記等された筆記描線の色と、ペン芯に発色されている色との相違がなく、ペン芯に発色した色を見るだけで、心地よくペン芯に発色した色と一致した色の筆記描線を描画等することができるものとなる。
このように構成される本実施形態の筆記具Aでは、図1に示すように、少なくとも、筒状の軸筒1と、該軸筒1内に収容されたインク吸蔵体(中綿)2とを有し、インク吸蔵体2は液状のインク組成物3を全量保持できる毛管力を備え、上記軸筒1の両端側に設けられたペン芯(チゼル芯)4、ペン芯(丸芯)5に液状のインク組成物3が供給されて筆記に供されるものとなり、この筆記具では、ペン芯(チゼル芯)4、ペン芯(丸芯)5の組み合わせで線引きの使い分けが容易となり、また、ペン芯4、5とインク組成物3との屈折率の差がそれぞれ1.0以上とすることにより、実際に筆記等された筆記描線の色と、ペン芯に発色されている色との相違がなく、ペン芯に発色した色を見るだけで、心地よくペン芯に発色した色と一致した色の筆記描線を描画等することができることが確認された。
本発明の筆記具は、上述の如く構成されるものであるが、上記実施形態に限定されるものではなく、ペン芯とインク組成物との屈折率の差を1.0以上とすることにより、実際に筆記等された筆記描線の色と、ペン芯に発色されている色との相違がなく、ペン芯に発色した色を見るだけで、心地よくペン芯に発色した色と一致した色の筆記描線を描画等することができる構成となるものであれば、他の筆記具用部品の構成、インク供給機構などは特に限定されず、直接筆記具本体となる軸筒(タンク)内にインクを充填したコレクター機構を備えた直液式の筆記具やバルブ式の筆記具であってもよく、更に、上記実施形態ではマーキングペンを示しているが、サインペン、ホワイトボード用マーカー等にも好適に使用することができる。
図3~図15に、別の実施形態となる各構造の筆記具D~Fを例示して更に説明する。
図3~図5の筆記具Bは、ペン芯とインク組成物との屈折率の差が1.0以上となる筆記具の第2実施形態を示すものであり、軸筒のインクタンクに上述した構成のインク組成物を直に搭載した直液式の筆記具を示す各図面であり、図3(a)~(c)はキャップを取り付けた状態の各図面、図4(a)~(d)はキャップを取り外した状態の各図面、図5(a)及び(b)は筆記状態を示す各図面である。
この第2実施形態の筆記具Bは、繊維材料より構成されるペン芯との屈折率の差がそれぞれ1.0以上となる第1実施形態で詳述した特性のインク組成物を搭載したものであり、図3(a)~(c)に示すように、軸筒10内にインクタンク11を有し、該インクタンク11内の圧力変化に応じた溢出インクを一時的に溜めるインク溜め部材(コレクター部材)12を軸筒10内に有したものである。
すなわち、この筆記具Bは、インクタンク11の前方にインク溜め部材12が設けられている。該インク溜め部材12は、中央の概略筒状の中央筒部後端に垂直に展開するように配置された円盤状の板状部13が軸筒10本体内周に嵌着して水密に形成されるものである。この後端の板状部13の前方にさらに薄い円盤状の薄板部14が複数配設した構造となって、この薄板部14、14、14…同士の間隙に毛細管力によるインク貯溜溝(横溝)を形成したインク貯溜部とするものである。
軸筒10は、例えば、ポリプロピレン等からなる樹脂を使用して筒状に成形され、筆記具本体(軸体)として機能する。軸筒10は不透明又は透明(及び半透明)に成形されるが、外観上や実用上の観点からいずれを採用しても良い。
また、複数の薄板部14には、前記中央筒部を残してインク溜め部材12の長さ方向に沿ってスリット状のインク誘導溝(縦溝)15が形成されている。このインク誘導溝15の溝幅はインク貯溜溝16のどの溝幅よりも小さくできていて常にインクが満ち、インクタンク10内の圧力上昇時の余剰インクをインク貯溜溝16内に直ちに誘導できるようになっている。インク誘導溝15は、各薄板部14間にわたって形成されると共に板状部13のインクタンク11内への開口溝20に連続している。
前記インク溜め部材12において薄板部14は中空の中央筒部12aにより連結支持した構造に一体成形されたものである。
また、この中央筒部12a内周の中空部内には、繊維芯などからなる中継芯25が収容され、この中継芯25によりインクタンク11内の本発明の筆記具用水性インク組成物を軸筒10先端部に配設され、中継芯25と一体構成のペン芯(ペン先)30に供給している。
この中継芯25と一体構成のペン芯30は、例えば、天然繊維、獣毛繊維、ポリアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリフェニレン系樹脂などの1種又は2種以上の組み合わせからなる繊維束、フェルト等の繊維束を加工したもの、また、スポンジ、樹脂粒子、焼結体等の多孔体を含むものである。
ペン芯30は、両側面が半円弧状に切り欠いた形状31、31を有し、その先端が、筆記しやすい傾きとなるように、傾斜状(ナイフカット状)となった筆記部32を有する形状となっている。上記筆記部32の傾き等は、筆記等の使い勝手に合わせて適宜設定される。また、この筆記部32は、好ましくは、描線幅は1mm以上、更に好ましくは、描線幅は2mm以上の描線幅となる筆記部が望ましい。上記中継芯25とペン芯30は一体構成でなく、二部品から構成してもよいものである。径方向に円弧状に切り欠いた形状31によって、筆記時において弾性のある撓りを得やすくなり、多様な線幅を得ることができるものである。
好ましいペン芯30としては、繊維束芯、繊維芯、焼結芯、フェルト芯、スポンジ芯、無機多孔体芯であり、特に好ましくは、変形成形性の点、生産性の点から、繊維芯が望ましい。また、用いるペン芯30の気孔率、大きさ、硬度などは、筆記具(直液式、中綿式など)の種類等により、変動するものであり、例えば、気孔率では30~70%とすることが好ましい。
このペン芯30には、上述の第1実施形態と同様に、当該ペン芯30とインク組成物との屈折率の差が1.0以上となるように、当該ペン芯30の繊維間に酸化チタンが塗布されていることが好ましい。用いることができる酸化チタンは、好ましくは、50~800nm、特に好ましくは、100~500nmのものが望ましく、また、ペン芯30への固着量は、ペン芯30全量に対して、好ましくは、0.1~5質量%である。
上記インク溜め部材12の薄板部14外周には、空気通路となる切り欠き17がインク溜め部材12の長さ方向に連なって形成されている。また、ペン先30は、インク溜め部材12先端に延びた大径筒状部12bに装着されている。そして、この大径筒状部12bを含めてインク溜め部材12前部外周と軸筒10前部内周との間に筒状のホルダー35が嵌着してインキ溜め部材12を軸筒10から抜け止めしている。
また、この大径筒状部12bの外周の溝12cとホルダー35内周との間で空気通路が形成されていて該切り欠き17の空気通路を介して前記開口溝20に連通することにより、インクタンク11の気液置換がスムーズに行われるようになっている。
筆記具不使用時に、ペン芯30を覆う有底筒状のキャップ40は、軸筒10のインク溜め部材12設置部を半ばまで覆うように着脱自在に設けられている。
キャップ40は頂部の蓋状部材41が側面筒部材42に嵌着した構造を呈し、蓋状部材41には、図示しないが先端から内部にかけては空気抜き孔が形成されている。
キャップ40内部にはペン芯30を覆いかつホルダー35先端に嵌着する椀状の内キャップ45がスプリング46により前後動可能に設けられている。キャップ40を軸筒10に着脱自在に取り付けるときには、まずこの内キャップ45がホルダー35先端に嵌まるが、この状態ではキャップ40は軸筒10に完全には嵌着しておらず、さらにキャップ40を押し込んでいくと内キャップ45をスプリング46で押圧しつつキャップ40開口端内側の係止機構が軸筒に嵌着して固定するようになっている。
ここで、軸筒10には、図3に示すように、インク溜め部材12の配設側の反対側端(後端)から中央部に寄った位置に仕切り壁18を設けて、インク溜め部材12後端の板状部19と仕切り壁18との間の軸筒10内空間をインクタンク11としている。
また、軸筒10の仕切り壁18より後方の筒状に開放した後端開口部10aは、尾栓50で封鎖する。この尾栓50は、前方の開放した概略筒状を呈し、後端が封鎖してかつフランジ51が側方に突出したものである。なお、尾栓50の側面部には、軸筒後端内との密着性を高めるために複数のリブ52,52が突出形成されている。
そして、尾栓50が嵌着して封鎖する軸筒10後端部では、内周面部に空気を抜く構造として、任意個数の縦溝53を形成したものである。尾栓50を軸筒後端開放に押し込んで嵌着しようとする際には、縦溝53がないと尾栓50の押し込み距離に応じて軸筒10内の仕切り壁18後方の内圧が高くなろうとして尾栓の進行を妨げるが、前記縦溝53から空気が抜けるので内圧が高くならず、尾栓50は無理なく進行してぴったりと嵌めることができる構造となっている。
このように構成される第2実施形態の直液式の筆記具Bでは、インクタンク11内に上記特性のインク組成物を直に搭載したものであり、図3~図5に示すように、少なくとも、筒状の軸筒10と、該軸筒10内に直に収容されたインクは中継芯25を一体に有するペン芯30にインク組成物11が毛管力により供給されて筆記に供されるものとなる。図5(a)及び(b)に示すように、ペン芯30により、マーキングペンとして筆記(マーク)等することができ、上述した第1実施形態の筆記具Aと同様に、ペン先となるペン芯30とインク組成物との屈折率の差を1.0以上とすることにより、実際に筆記等された筆記描線の色と、ペン芯に発色されている色との相違がなく、ペン芯に発色した色を見るだけで、心地よくペン芯に発色した色と一致した色の筆記描線を描画等することができることとなった。更に筆記時の撓りが容易なペン先30によって、線幅の調整が可能となり、多様な筆記描線を得ることができる。
図6は、ペン芯とインク組成物との屈折率の差が1.0以上となる筆記具の第3実施形態を示す中綿式の筆記具の他例を示す各図面であり、(a)~(d)は図3のキャップ40と同様の構造となるキャップを取り外した状態の各図面である。なお、図3及び図4の筆記具Bと同様の構成は、同じ図示符号を付けてその説明を省略する。
本第3実施形態の筆記具Cは、仕切り壁18の前方側(ペン芯30方向)の軸筒(筆記具本体)10a内に上述の構成となるインク組成物を吸蔵させたインク吸蔵体(中綿)60を収容したものである。上述した第2実施形態の筆記具Bで用いた中継芯25とペン芯30が一体となったものと同様の構造のもの、すなわち、インク吸蔵体60の挿着孔61に装着された中継芯25を介して毛管力によりインクがペン芯30に供給される構造となっている。ペン芯30は軸筒10の前方側開口部に嵌合により固着される継手部材65により嵌着されている。
インク吸蔵体60は、上記特性の筆記具用水性インク組成物を含浸したものであり、例えば、天然繊維、獣毛繊維、ポリアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリフェニレン系樹脂などの1種又は2種以上の組み合わせからなる繊維束、フェルト等の繊維束を加工したもの、また、スポンジ、樹脂粒子、焼結体等の多孔体を含むものである。
このように構成される図6の第3実施形態である中綿式の筆記具Cにおいても、図6(a)及び(b)に示すように、ペン芯30により、マーキングペンとして筆記(マーク)等することができ、上述した第1実施形態の筆記具A、第2実施形態の筆記具Bと同様に、ペン先となるペン芯30とインク組成物との屈折率の差を1.0以上とすることにより、実際に筆記等された筆記描線の色と、ペン芯に発色されている色との相違がなく、ペン芯に発色した色を見るだけで、心地よくペン芯に発色した色と一致した色の筆記描線を描画等することができることとなった。更に筆記時の撓りが容易なペン先30によって、筆記時における線幅の調整が可能となり、多様な筆記描線を得ることができる。
図7~図10は、ペン芯とインク組成物との屈折率の差が1.0以上となる第4実施形態を示す中綿式の筆記具Dの各図面であり、図7(a)は正面図、(b)は正面視縦断面図、(c)は(b)の90°展開した方向から見た縦断面図、図8(a)~(c)は、図7の筆記具のキャップを取り外した状態の筆記具の一例を示す各図面、図9は、図7の筆記具の部品展開図、図10(a)及び(b)は、図8の筆記具における各筆記部を示す斜視図である。
この中綿式の筆記具Dは、両端部にペン先75、ペン先90を備えた両頭式のマーキングペンであり、図7~図9に示すように、軸筒70と、該軸筒70内に収容される上記特性のインク組成物を吸蔵する円柱状の中綿73と、軸筒70の両端部にペン先75、ペン先90を固着したものである。95はペン先75を覆うクリップ95aを一体に有するキャップであり、96はペン先90を覆うキャップである。
ペン先75は、インク流出性を向上させるために、先端側をナイフカット状の筆記部76を有し、該筆記部76の後方側は可撓性を備えるように、スリット77、77…が所定間隔毎に形成され、後方側(中綿側)を筆記部側より太くした多孔体芯78としたものであり、多孔体芯78の後方側は中綿73の端部側の凹部73aに嵌着するように三角柱状部79となっている。スリット77によって、筆記時において弾性のある撓りを得やすくなり、多様な線幅を得ることができるものである。
このペン先75は、先軸80とリフィル尾栓85とにより軸筒70の先端側に固着される構造となっている。先軸80は、筒状となっており、後方側の外周面に通気開口部81aを有するフランジ部81を有し、軸方向に通気溝82を有する太径部83と、太径部83の前側は筆記部76を保持する細径部84とを備えている。リフィル尾栓85は、中綿73の端部側(前側)を保持して軸筒70内の前側に嵌着される先軸80の太径部83内に取り付けられて、上記構成のペン先75が軸筒70の前方側(一方の端部側)に固着される構成となっている。軸筒70の後方側(他方の端部側)は、ペン先90を固着するための保持部71が形成されている。ペン先90は、細径の筆記部91と太径部92とを有し、筆記部91と太径部92との間に、上記軸筒70の保持部71内部の嵌合部72と嵌合する環状の嵌合溝93が形成されている。多孔体芯78の後方側は中綿73の端部側の凹部73aに嵌着するように三角柱状部79となっている。ペン先90の太径部92の後方側は中綿73の端部側の凹部73bに嵌着するように三角柱状部94となっている。
このように備える各部品(軸筒70、中綿73、ペン先75、先軸80、リフィル尾栓85、ペン先90)により、中綿式の筆記具Dが組立てられることとなる。幅広のペン先70は中綿側よりキャップ95側へ挿入する形態となり、筆記圧による後方への荷重をリフィル尾栓85にて受ける構造とすることで筆記時の後方への撓みを防ぐことができる。
細径のペン先90は、細径の筆記部91と太径部92との間の嵌合溝93を軸筒70の保持部71の嵌合部72で嵌合することで筆記時の後方(中綿側)への撓みを防ぐことができる。
また、ペン先75の筆記部76の径方向にスリット77を少なくとも1箇所以上(図面では左右3箇所で計6箇所)とすることで容易に変形可能となり、過大な筆記荷重によるペン先75の損傷を防ぐとともに多様な書き味の提供をすることができる。また、リフィル尾栓85を備えることで、ペン先75を交換可能な構造とすることで、ペン先75が摩耗した場合に簡単に交換することができる。また、ペン先75を覆うキャップ95は、先軸80の太径部83の外周に着脱自在に取り付けられ、ペン先90を覆うキャップ96は、軸筒70の後方側の保持部71の外周部71aに着脱自在に取り付けられる構造となっている。
このように構成される図7~図10の第4実施形態である両端部にペン先75、ペン先90を備えた両頭式の中綿式筆記具Dにおいても、図8(a)~(c)に示すように、中綿73から毛管力により、ペン先75の筆記部76、ペン先90の筆記部91に供給されることにより、マーキングペン、筆記として筆記(マーク)等することができ、上述した第1実施形態~第3実施形態の筆記具A~Cと同様に、ペン先となるペン先75、90(少なくともペン芯となる筆記部76、91)と中綿73に吸蔵されるインク組成物との屈折率の差を1.0以上とすることにより、実際に筆記等された筆記描線の色と、ペン芯に発色されている色との相違がなく、各ペン芯に発色した色を見るだけで、心地よくペン芯に発色した色と一致した色の筆記描線を描画等することができることとなった。
図11は、第5実施形態を示す中綿式の筆記具Eである。この筆記具Eは、図7~図10の第4実施形態を示す中綿式の筆記具Dと同様の構成であり、図7~図10の形態において、細側のペン芯90をボールペンチップ91aとした両頭式の筆記具のものである。筆記具Dのペン芯90より筆記線幅の細いボールペンチップ91aの先端の筆記部(ボール部)により多様な筆記描線を得ることができる。
このように構成される図11の第5実施形態である中綿式筆記具Eにおいても、太側のペン先75をマーキングペンとして筆記(マーク)等することができ、または、細側のペン芯92をボールペンチップ91aとしているのでボールペンとして筆記することができ、上述した第1実施形態~第4実施形態の筆記具A~Dと同様に、本実施形態ではペン先75(筆記部76)と中綿73に吸蔵されるインク組成物との屈折率の差を1.0以上とすることにより、実際に筆記等された筆記描線の色と、ペン芯に発色されている色との相違がなく、ペン芯に発色した色を見るだけで、心地よくペン芯に発色した色と一致した色の筆記描線、ボールペンによる描画等することができることとなった。
図12~図15は、第6実施形態を示す中綿式の筆記具Fである。この筆記具Fは、図
7の形態を元にスリットの形成されていないペン先100にボールペンチップ110を取り付け可能とした形態の筆記具である。なお、図7のペン先75を含む筆記具Dと同じ構造は同じ図示符号を付け、相違する構造(構成)のみに相違する図示符号を付することとする。
このペン先100は、図15(a)~(g)に示すように、前側外周の軸方向に環状のボールペンチップ110を圧入嵌合等により固着する軸方向に直線状の開口部115が形成されている。この開口部115の先端側が拡大孔115aとなってボールペンチップ110の先端側を取り付ける構成となっている。
この筆記具Fは、一方の端部にペン先100を備えた単頭式のマーキングペンであり、軸筒70の他方の端部側は尾栓部74となっており、また、筆記部76の後方部側はスリットが形成されず多孔体部77aが太径の多孔体芯78に一体に連設されている。
ペン先100にボールペンチップ110を備えることで、図12のように凡そ180°軸筒の周方向への回転操作により、筆記具を反転せずに筆記幅の切り替えを容易とすることができる。ボールペンチップ110はインク誘導芯111を経由しつつペン先100の開口部115に圧入して取り付けることとなっている。
このように構成される図12~図15の第6実施形態である中綿式筆記具Fにおいても、マーキングペンとして筆記(マーク)等することができ、または、ボールペンとして筆記することができ、上述した第1実施形態~第5実施形態の筆記具A~Eと同様に、本実施形態ではペン先100(筆記部76)と中綿73に吸蔵されるインク組成物との屈折率の差を1.0以上とすることにより、実際に筆記等された筆記描線の色と、ペン芯に発色されている色との相違がなく、ペン芯に発色した色を見るだけで、心地よくペン芯に発色した色と一致した色の筆記描線を描画等することができることとなった。
本発明の筆記具は、上記各実施形態の筆記具A~Fに限定されるものではなく、ペン芯とインク組成物との屈折率の差を1.0以上とすることにより、実際に筆記等された筆記描線の色と、ペン芯に発色されている色との相違がなく、ペン芯に発色した色を見るだけで、心地よくペン芯に発色した色と一致した色の筆記描線を描画等することができる構成となるものであれば、他の筆記具用部品の構成、インク供給機構などは特に限定されず、直接筆記具本体となる軸筒(タンク)内にインクを充填したコレクター機構を備えた直液式の筆記具やバルブ式の筆記具であってもよく、更に、上記実施形態ではマーキングペンを示しているが、サインペン、ホワイトボード用マーカー等にも好適に使用することができる。
次に、実施例及び比較例等により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記実施例等に限定されるものではない。
筆記具の各構成部品は、下記のものを用いた。
また、用いたインク、ペン芯の屈折率などは下記方法により測定した。
(筆記具の構成)用いた筆記具は、図1に示す筆記具に準拠した。
軸筒:ポリプロピレン製、140mm×φ10mm
インク吸蔵体:PET繊維束中綿、気孔率85%、80mm×φ6mm
ペン芯:各実施例及び比較例
インク組成物:各実施例及び比較例
(屈折率の測定について)
屈折率はデジタルアッベ屈折率計:DR-A1(株式会社アタゴ製)を使用して測定した。
(実施例1)
ペン芯40:繊維束芯から構成し、ペン芯の繊維間に酸化チタンが介在した状態
ペン芯40の大きさ:5×3×20mm、ペン芯表面の樹脂の屈折率:1.58、ペン芯表面に付着した酸化チタンの屈折率(ペン芯全体):2.72、気孔率:60%
(実施例2)
ペン芯45:繊維束芯から構成し、ペン芯の繊維間に酸化チタンが介在した状態
ペン芯45の大きさ:φ1.5×30mm、ペン芯表面の樹脂の屈折率:1.58、ペン芯表面に付着した酸化チタンの屈折率(ペン芯全体):2.72、気孔率:60%
(実施例1及び2)
インク成分は下記配合組成を用いた。
溶媒:精製水 95質量%
色材:Water Blue 9 5質量%
インク成分の屈折率は、1.38であった。
また、ペン芯全体とインク成分との屈折率の差は1.34であった。
上記ペン芯、インクなどを用いて図1に準拠した筆記具を作製した。
(比較例1)
ペン芯40及び45:共に繊維束芯から構成されるペン芯とした。
ペン芯40の大きさ:5×3×20mm、屈折率(ペン芯全体):1.58、気孔率:60%
ペン芯45の大きさ:φ1.5×30mm、屈折率(ペン芯全体):1.58、気孔率:60%
インク成分は下記配合組成を用いた。
溶媒:精製水 95質量%
色材:Water Blue 9 5質量%
インク成分全体の屈折率は、1.38であった。
また、ペン芯全体とインク成分との屈折率の差は0.2であった。
上記ペン芯、インクなどを用いて図1に準拠した筆記具を作製した。
得られた各筆記具を用いて下記各評価方法により、実際に筆記等された筆記描線の色と、ペン芯に発色されている色との一致性、筆記性能を評価した。
これらの評価結果を下記表1に示す。
(ペン芯に発色した色と筆記描線の色との一致性評価方法)
ペン芯と描線をL*a*b*:(CIELAB) 表色系での色相を下記装置を用いて測定し、ΔEを算出して下記評価基準で評価した。
描線は、JIS S 6037に準拠し、坪量50~100g/m2,白色度75%以上の用紙に、筆記速度7cm/s筆記力0.5N、幅広面が紙面に密着する角度で筆記された筆記用紙を用いた。
(測定機器)日本電色工業社製、微小面分光色差計:VSS7700
評価基準:
A:ΔE:40未満
B:ΔE:40以上
上記表1の結果から明らかなように、本発明範囲となる実施例1~3は、本発明の範囲外となる比較例1に較べて、ΔEが低く測定機器による色相でもペン芯に発色されている色との相違がないことが判った。
これに対して、比較例1では、目視のみならずΔEが実施例と比較して高く測定機器による色相でもペン芯に発色されている色との相違があった。
実際に筆記等された筆記描線の色と、ペン芯に発色されている色との相違がなく、ペン芯に発色した色を見るだけで、心地よくペン芯に発色した色と一致した色の筆記描線を描画等することができるマーキングペン、サインペンなどに好適な筆記具が得られる。
A 筆記具
1 軸筒(ペン本体)
2 インク吸蔵体(中綿)
3 インク組成物
4 ペン芯(チゼル芯)
5 ペン芯(丸芯)

Claims (2)

  1. 筆記具本体内にインク組成物が収容されると共に、少なくとも一方の端部側に繊維材料より構成されるペン芯を備えた筆記具であって、該ペン芯とインク組成物との屈折率の差が1.0以上であることを特徴とする筆記具。
  2. ペン芯の繊維間に酸化チタンが塗布されていることを特徴とする請求項1に記載の筆記具。
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