JP2527872B2 - 糖タンパク質、gD、gIおよびgEをコ―ドするマレック病ヘルペスウイルスDNAセグメント - Google Patents

糖タンパク質、gD、gIおよびgEをコ―ドするマレック病ヘルペスウイルスDNAセグメント

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JP2527872B2 JP3514685A JP51468591A JP2527872B2 JP 2527872 B2 JP2527872 B2 JP 2527872B2 JP 3514685 A JP3514685 A JP 3514685A JP 51468591 A JP51468591 A JP 51468591A JP 2527872 B2 JP2527872 B2 JP 2527872B2
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Description

【発明の詳細な説明】 関連出願の引照 この出願は、1990年8月24日出願の米国特許出願連続
番号第07/572,711号の一部継続出願である。
発明の背景 (1)発明の分野 本発明は、マレック病ヘルペスウイルスゲノムの、糖
タンパク質gD、gIおよびgEをコードするその短いユニー
ク(US)領域からのセグメントならびにそれらから産生
される新規な糖タンパク質に関する。とくに本発明は、
これらの糖タンパク質抗原をコードする遺伝子、および
各遺伝子の400ヌクレオチド5′までのプロモーターの
可能性がある配列を含有するDNAセグメントに関し、こ
れらのセグメントは、マレック病ヘルペスウイルスのプ
ロービングに、マレック病ウイルス(MDV)プロモータ
ーの可能性のあるソースとして、ついでこの3種の糖タ
ンパク質抗原を認識する抗体の製造に使用できる糖タン
パク質を産生させるための遺伝子発現に、ならびに後二
者の遺伝子の場合には、ワクチン製造の目的での、外来
遺伝子の挿入可能な部位としてまたMDVフィールド単離
体の弱毒化のための遺伝子不活化の可能な部位として有
用である。
(2)先行技術 MDVは、T細胞リンパ種および末梢神経脱髄を生じる
ことが知られているニワトリの腫瘍ヘルペスウイルスで
ある。発症する疾患、マレック病(MD)は、抗原的には
類似するが非病原性の七面鳥のヘルペスウイルス(HV
T)、またはMDVの弱毒化フィールド単離体を用いたワク
チン接種によって効果的に制御された最初の自然発症リ
ンパ腫疾患であった。
類似の生物学的性質、とくにそのリンパ球向性によ
り、MDVはガマヘルペスウイルス亜科の一員として分類
されてきた(Boizman,Bら,Intervirology 16:201−217,
1981)。3つのヘルペスウイルス亜科の中で、ガンマヘ
ルペスウイルスは、ゲノムの組成および編成に関してと
くに著しい差を示す。たとえば、ヒトのBリンパ球向性
エプスタイン・バールウイルス(EBV)は、G+C含量6
0%の172.3kbpゲノムを有し、末端0.5kbp直接反復配列
に結合し、特徴的な一群の内部3.07kbp縦列反復配列を
含有する〔Baer,R.ら,Nature(London)310:207−211,1
984〕。ヘルペスウイルスサイミリ(HVS)、すなわちニ
ューワールドモンキーおよびより低級な脊椎動物のTリ
ンパ球向性ヘルペスウイルスは大規模な内部重剰性はな
い、A+T富んだコード配列(112kbp;36%G+C;すな
わちL−DNA)をもつが、その代わりゲノムの末端に71
%G+Cの1.44kbp配列の30を越える反復(H−DNA)を
含有する(Banker,A.T.ら,J.Virol.55:133−139,198
5)。EBVをHVSの間の構造的な差にもかかわらず、これ
らの2つのウイルスのゲノムは血清学的に類似のタンパ
ク質をコードし、たとえば単純ヘルペスウイルス(HS
V)および帯状疱疹ウイルス(VZV)のような神経向性ア
ルファヘルペスウイルスの場合とは異なる共通のコード
配列編成を有する(Camerion,K.R.ら,J.Virol.61:2063
−2070,1987;Davison,A.J.ら,J.Gen.Virol.68:1067−10
79,1987;Davison,A.J.ら,J.Gen.Virol.67:597−611,198
6;Davison,A.J.ら,J.Gen.Virol.76:1759−1816,1986;Da
vison,A.J.ら,J.Gen.Virol.64:1927−1942,1983;Gompel
s,U.A.,J.Virol.62:757−767,1988;およびNichols,J.
ら,J.Virol.62:3250−3257,1988)。
他のガンマヘルペスウイルスとは異なり、MDVはアル
ファヘルペスウイルスの場合に極めて類似したゲノム構
造を有する(Cebrian,J.ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 7
9:555−558,1982;およびFukuchi,K.ら,J.Virol.51:102
−109,1984)。後者の亜科のメンバーは、共有結合で連
結した長い(L)セグメントと短い(S)セグメントか
ら構成される類似のゲノム構造を有する。各セグメント
は、ユニークな(U)セグメント(UL,LS)からなり、
これらは一対の(末端および内部)を逆方向反復領域
(それぞれTRL,IRL;TRS)に隣接している。アルファヘ
ルペスウイルスには、ヒトHSVおよびVZV、ブタ仮性狂犬
病ウイルス(PRV)、ウシヘルペスウイルス(BHV)、な
らびにウマヘルペスウイルス(EHV)が包含される。MDV
はそのUL領域に隣接した広範囲の反復配列を含有するの
で、そのゲノム構造はHSVのそれにとくによく似ている
(Cebrian,J.ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 79:555−55
8,1982;およびFukuchi,K.ら,J.Virol.51:102−109,198
4)。
最近の研究(Buckmaster,A.E.ら,J.Gen.Virol.69:203
3−2042,1988)では、この2種のガンマヘルペスウイル
スMDVおよびHVTは、ガンマヘルペスウイルスのEBVより
も、アルファヘルペスウイルスVZVおよびHSVに高い類似
性をもつと思われることが示されている。これは、無作
為に単離された多数のMDVとHVTクローンについての予測
されるアミノ酸レベルでの比較に基づいたものである
が、単に個別の配列がガンマヘルペスウイルス遺伝子よ
りもアルファヘルペスウイルス遺伝子に対して高い関連
性を示したというのみではなく、この2種のウイルスゲ
ノムは少なくともその長いユニーク(UL)領域に関し
て、VZVと一般的に共直線性であることが見出された。U
L遺伝子のこのような共直線性は、他のアルファヘルペ
スウイルス、HSV−1、HSV−2、EHV−1、およびPRVに
も及ぶことが、配列分析(McGeoch,D.J.ら,J.Gen,Viro
l.69:1531−1574,1988)およびDNAハイブリダイゼーシ
ョン実験(Davison,A.J.ら,J.Gen.Virol.64:1927−194
2,1983)の両者によって証明された。これらのUL遺伝子
の多くは、ベータおよびガンマヘルペスウイルスを含む
他のヘルペスウイルスにも共通している(Davison,A.J.
ら,J.Gen.Virol.68:1067−1079,1987)。このような遺
伝子の編成と類似から、共通の祖先からのヘルペスウイ
ルスの分岐進化を説明する大規模な再配列が過去に起こ
ったことが示唆される。しかし残念ながらこのような仮
説では、アルファヘルペスウイルス亜科のメンバーに特
有に認められるアルファヘルペスウイルスのS成分(短
いユニーク領域、US、および関連の短い逆方向/末端反
復領域、IRS、TRS)遺伝子の存在を説明することはでき
ない(Davison,A.J.ら,J.Gen.Virol.68:1067−1079,198
7;Davison,A.J.ら,J.Gen.Virol.67:597−611,1986;およ
びMcGeoch,D.J.ら,J.Mol.Biol.181:1−13,1985)。
MDV株RBIBのUS領域に存在する5.5kbpEcoR Iフラグメ
ントにおけるの遺伝子のDNA配列および編成が、Ross.Bi
nnsおよびPastoreck(Ross,L.J.N.ら,J.Gen,Virol.72:9
49−954,1991)によって報告された。予測された4つの
ポリペプチドの性質および進化的関係についても記載さ
れている(Ross,L.J.N.& Binns,M.M.,J.Gen.Virol.72:
939−947,1991)。そのフラグメント中に、彼らは、HSV
のUS2,US3,US6(gD)およびUS7(gI)のホモローグ、な
らびにMDV特異的遺伝子を見出した。後者については、
遺伝子の部分しか存在しなかった。これらの報告は、MD
Vにおける4つのUS遺伝子の存在と、上述の進化的関係
を確認するものである。US8(gE)、またはUS2の左側の
遺伝子についての証明は記載されていないことに注目す
ることが重要である。
ベータおよびガンマヘルペスウイルスと比較したその
独特性に加えて、アルファヘルペスウイルスUS領域は、
その亜科内でのその含量および遺伝子編成における著し
い差異により、とくに興味がある(たとえば、HSV−1
のUS=13.0kbp、12遺伝子、McGeoch,D.J.ら,J.Mol.Bio
l.181:1−13,1985;VZVのUS=5.2kbp、4遺伝子、Daviso
n,A.J.ら,J.Gen.Virol.76:1759−1816,1986)。HSV−1
の場合、12のUS遺伝子中11が、細胞培養において複製に
はなくてもよいことが明らかにされている(Longnecke
r,R.ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:4303−4307,198
7)。これはこれらの遺伝子の病原性および/または潜
伏性における関与の可能性を示唆している(Longnecke
r,R.ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:4303−4307,1987:
Meignier,B.ら,Virology 162:251−254,1988;およびWe
ber,P.C.ら,Science 236:576−579,1987)。Buckmaste
rらの報告(Buckmaster,A.E.ら,J.Gen.Virol.69:2033−
2042,1988)では、HSVの即時初期タンパク質α22(US
1)およびセリン−スレオニンプロテインキナーゼ(US
3)に相同の部分MDV配列の同定を除いて、MDVのS成分
のホモローグの含量、局在および編成については決定さ
れていない。しかも、少なくとも4つのHSVのUS糖タン
パク質遺伝子の存在にもかかわらず(VZVでは2つ)、
このようなホモローグは同定されなかった。
本発明者らの一人、Leland F.Velicerが関与した1988
年8月5日出願の出願連続番号07/229,011号では、糖タ
ンパク質B抗原複合体(gp100,gp60,gp49)をコードす
る遺伝子を含有すると考えられるマレック病ヘルペスウ
イルスDNAセグメントが同定されているが、配列は決定
されていない。抗原Bは、少なくとも部分保護免疫を誘
発できるので重要な糖タンパク質複合体であり、したが
ってMDVのDNAセグメントは、プローブに、その遺伝子の
5′調整領域におけるプロモーターの可能性あるソース
として、ついで糖タンパク質抗原を認識する抗体の製造
に使用できる糖タンパク質を産生させるための遺伝子の
発現に使用できる。しかしながら、本発明の糖タンパク
質については何の考察もなかった。これらのB抗原糖タ
ンパク質はUS領域によってはコードされていない。すな
わちMDVゲノムの異なる領域からのものである。
Leland F.Velicerによる1987年5月17日出願の出願連
続番号07/526,790号には、糖タンパク質A抗原(gp57〜
65)をコードする遺伝子を含有するMDVヘルペスウイル
スDNAセグメントが記載されているが、配列は決定され
ていない。このMDVのDNAセグメントは、プローブとし
て、その遺伝子の5′調整領域におけるプロモーターの
可能性あるソースとして、また上述の場合の配列による
抗体の製造に有用である。このDNAはまた、抗原Aが現
在は、細胞培養における複製に必須ではない遺伝子、HS
VgCのホモローグであることが知られているので、重要
である。その性質がMDVホモローグにも適用される可能
性が極めて高いので、それは外来遺伝子の挿入の部位と
して有用と考えられる。しかしながら、本発明の糖タン
パク質については何の考察もなかった。この糖タンパク
質もUS領域によってはコードされていない。すなわちMD
Vゲノムの異なる領域からのものである。
他の糖タンパク質はマレック病ヘルペスウイルスゲノ
ムによってコードされる。Leland F.Velicerらによる19
90年8月24日出願の出願連続番号07/572,711号には、MD
VのgD、gIおよび部分gEの糖タンパク質をコードする遺
伝子を含有するDNAが、MDVの完全gDおよびgI遺伝子なら
びに部分gE(それぞれ、HSV遺伝子のUS6,US7,US8のMDV
ホモローグ)のヌクレオチド配列とともに記載されてい
る。このMDVのDNAセグメントは、プローブとして、その
遺伝子の5′調整領域におけるプロモーターの可能性あ
るソースとして、また上述の場合の配列による抗体の製
造に有用である。本発明はとくに、糖タンパク質gEをコ
ードする完全遺伝子(US8)を目指すものである。
目的 本発明の目的は、糖タンパク質gD、gIおよびgEを一緒
にまたは個別にコードする配列決定DNAを提供すること
にある。さらに、本発明の目的は、これらの糖タンパク
質抗原をコードし、各遺伝子の400ヌクレオチド5′ま
でのプロモーターの可能性がある配列を含むDNAセグメ
ントを提供することにある。これらのセグメントは、DN
Aプローブとして、MDVプロモーターの可能性あるソース
として、これらの抗原を認識する抗体の製造に、ならび
に後二者の糖タンパク質の場合には、ワクチン製造での
目的のMDVフィールド単離体の弱毒化のための、外来遺
伝子の挿入部位としてまた遺伝子不活化の可能な部位と
して、有用である。これらの目的および他の目的は、以
下の説明および図面を参照すれば、さらに明白になろ
う。
図面の説明 図1A〜Cは、遺伝子地図ロケーション、配列決定方法
およびMDVオープンリーディングフレーム読取り枠(OR
F)の編成を示す。
図1Aは、配列が決定された領域の概略を示すMDVゲノ
ム構造および制限酵素地図を包含する。
図1Bは、遺伝子地図ロケーションと配列決定方法を包
含する。ボックスは、DNA配列決定のM13mp18および19鋳
型を発生させるために用いられたBamHI、EcoR IまたはS
al I結合挿入体でのプラスミドクローンを示す。右方向
および左方向の矢印は、それぞれ上部および下部の鎖か
ら誘導される配列を示す。制限酵素部位は、B=BamH
I、E=EcoR I、Nc=Nco I、Ns=Nsi I、S=Sal I、お
よび=PstIで示す。ランダムライブラリー(Sau3A、Taq
I、Rsa I)、特異的クローン化制限フラグメント、Bal
31−消化ライブラリーからまたは合成的に誘導された
ヌクレオチドを用いて誘導された配列は、それぞれa、
b、c、およびdで示す。
図1Cには、MDVのUSのORFの編成を包含する。番号はHS
V−1USのORFの命名(McGeoch,D.J.ら,J.Mol.Biol.181:1
−13,1985)との関連に基づくホモローグを指示する。
ボックスは、MDVのORFのロケーションを示す。矢印は転
写/翻訳の方向を示す。ORFの名称は上記ボックスの上
に表示する。上部および下部鎖上のポリアデニル化シグ
ナルの可能性はそれぞれAATAAAおよびAAATAAで強調す
る。SORF1およびSORF2はMDV特異的S成分ORFに任意の名
称を付したものである。
図2には、ヌクレオチド配列および予測されるアミノ
酸配列を示す。ヌクレオチド配列は右方向に5′から
3′への鎖としてのみ示す(番号1〜10350)。右およ
び左方向への予測されるアミノ酸配列は、それぞれ相当
するヌクレオチド配列の上部および下部に一文字コード
で示す。各ORFの名称は、そのアミノ酸配列の第1行の
左側に示す。アミノ酸配列には、N末端の最初のM(三
文字コード)(DNAではATG)から、終結コドン(*で表
示)に先立つC末端の最後のアミノ酸まで番号を示す。
ATGの400ヌクレオチド内に位置する、可能性のあるTATA
コンセンサス部位には下線を付し、Cordenら(Corden,
B.ら,Science 209:1406−1414,1980)によって定義され
たTATA(AT)A(AT)コンセンサス配列に7個中少なく
とも6個のマッチを含有する部位と定義される。7ヌク
レオチドを越える下線は、重複TATAコンセンサス部位を
含む領域を示す。
図3Aは、最大のアミノ酸保存性を示す選ばれた領域に
ついてのS成分ホモローグのアラインメントを示す。ギ
ャップは方法の項に記載するように、同一のアミノ酸の
アラインメントが最大になるように導入した。コンセン
サス配列(cons)は、1種を除くすべてのウイルスで少
なくとも共有される残基を指し、大文字で示される。3
以上の配列間のアラインメントにおいては、星印(*)
はすべてのウイルスで保存されている残基を指す。相当
するアラインメント領域のアミノ酸番号(5′−ATGに
関して)は各配列の前後に掲げる。
図3Bは、選ばれたMDV−アルファヘルペスウイルスS
セグメント類似体間の全体的ホモロジーを指示するドッ
トマトリックス分析を示す。スライドさせる窓の長さ30
の中で少なくとも15のアミノ酸が同一または類似の場合
に点を発生させた。生じた斜線は保存性の大きい領域を
例示する。相当する配列のアミノ酸番号(5′−ATGに
関して)は各プロットの上部および右部に表示する。
図4は、得られたS成分ORFの全ゲノム編成の比較で
ある(Audonnet.J.−C.ら,J.Gen.Virol.71:2969−2978,
1990;McGeoch,D.J.ら,J.Gen.Virol.68:19−38,1987:Tik
oo,S.K.ら,J.Virol.64:5132−5142,1990;Van Ziji,M.
ら,J.Gen.Virol.71:1747−1755,1990;Zhang,G.ら,J.Ge
n.Virol.71:2433−2441,1990;Culli−nane,A.A.ら,J.Ge
n.Virol.69:1575−1590,1988;Davison,A.J.ら,J.Gen.Vi
rol.76:1759−1816,1986;McGeoch.D.J.ら,J.Mol.Biol.1
81:1−13,1985;Petrovskis,E.A.ら,Virilogy159:193−1
95,1987;Petrovskis,E.A.ら,J.Virol.60:185−193,198
6;およびPetrovskis,E.A.ら,J.Virol.59:216−223,1986
参照)。各ORF上の番号はHSV−1USのORFの命名(McGeoc
h,D.J.ら,J.Mol.Biol.181:1−13,1985)との関連に基づ
くホモローグを指示する。各システムに共通な別のポリ
ペプチドの名称を、該当する場合は、ORFの下部に掲げ
る。大なりおよび小なりの記号はそれぞれ、右方向およ
び左方向のORFを示す。矢印は、同定されたIRS−USおよ
び/またはUS−TRS接合部位を示す。
図5は、1990年8月24日提出の出願に包含される、糖
タンパク質gI、およびgEの部分をコードするマレック病
ヘルペスウイルスDNAの完全なセグメントの製造に必要
な工程の順序を示す。
一般的説明 本発明は、多重糖タンパク質をコードし、各遺伝子の
400ヌクレオチド5′までのプロモーターの可能性があ
る、図2に示す1〜10350の間の配列(SEQ NO.:1の部分
として同定)を含有する、マレック病ヘルペスウイルス
ゲノムのDNAのセグメントに関する。
さらに、本発明は、糖タンパク質Dプレカーサーをコ
ードするマレック病ヘルペスウイルスゲノムのEcoR Iセ
グメント、およびそのDNAを認識するサブセグメントに
関する。
さらにまた本発明は、マレック病ヘルペスウイルスDN
Aの5964および7172ヌクレオチドの間の糖タンパク質gD
プレカーサーをコードし、各遺伝子の400ヌクレオチド
5′までのプロモーターの可能性がある、図2に示す配
列(SEQ NO.:1の部分として同定)を含有するDNAのセグ
メント、およびそのDNAを認識するDNAのセグメントのサ
ブセグメントに関する。
本発明はまた、マレック病ヘルペスウイルスDNAの728
2および8346ヌクレオチドの間の糖タンパク質gIプレカ
ーサーをコードし、各遺伝子の400ヌクレオチド5′ま
でのプロモーターの可能性がある、図2に示す配列(SE
Q NO.:1の部分として同定)を含有するDNAのセグメン
ト、およびそのDNAを認識するセグメントのサブセグメ
ントに関する。
本発明はまた、マレック病ヘルペスウイルスDNAの848
8および9978ヌクレオチドの間の糖タンパク質gEプレカ
ーサーをコードし、各遺伝子の400ヌクレオチド5′ま
でのプロモーターの可能性がある。図2に示す配列(SE
Q NO.:1の部分として同定)を含有するDNAのセグメン
ト、ならびにそのDNAを認識するDNAのサブセグメントに
関する。
さらに本発明は、それらのMDVセグメントにおける遺
伝子の発現によって産生される新規な糖タンパク質のプ
レーカーサーに関する。
さらに本発明は、MDV遺伝子の各コード配列の400ヌク
レオチド5′までに位置する、MDV遺伝子の可能性まる
プロモーターに関する。
特定の説明 本発明は、MDVのUS領域の大部分を包含する10.35kbp
範囲の配列分析を示すものである。3つの糖タンパク質
遺伝子およびさらに2つのMDV特異的オープンリーディ
ングフレームを含む全部で7つのMDVのUSホモローグが
同定された。
例1 材料および方法 組換えプラスミド、M13のサブクローニングおよびDNA配
列決定 病原性GA株の、MDVのEcoR1−OおよびEcoR1−Iは以
前にpBR 328にクローン化され(Gibbs,G.P.ら,Proc.Nat
l.Acad.Sci.USA 81:3365−3369,1984;Silva,R.F.ら,J.
Virol.54:690−696,1985)、これらのクローンが維持さ
れているUSDA Avian Disease and Oncology Lab.East L
ansing,MIのR.F.Silvaから入手した。GA株BamH I−Aお
よびBamH I−P1は以前にそれぞれpACYC 184およびpBR 3
22にクローン化され(Fukuchi,K.ら,J.Virol.51:102−1
09,1984),Showa University Research Institute,St.P
etersburg.FLのM.Nonoyamaによって恵与された。上記Ec
oR1およびBamHIフラグメントの右方に分析を広げるため
には、BamH I−A、P1、ならびにさらに5′および3′
隣接配列を含む、GA株クローンGA−02、部分消化MDVのS
al I挿入体含有EMBL−3クローン(Intervet Intl.B.
V.,Boxmeer.The NetherlandsのP.Sondermeierにより恵
与された)を使用した。このファージクローンを用い
て、3′BamH I−P1隣接領域を含む小さなSal I−結合
挿入体(pSP18−A,pSP 18−B,およびpSP 18−C)をも
つpUC 18サブクローンを発生させた。これらのクローン
(図1B)を用いて、ヌクレオチド配列決定のための鋳型
として使用するM13mp18および−19を発生させた。小規
模および大規模なプラスミドの製造はアルカリ分解法を
用いて行った(Maniatis,T.ら,Molecular cloning:a la
boratory manual.Cold Spring Harbor Laboratory,Cold
Spring Harbor,New York,1982)。
配列決定のための鋳型として使用するM13mp18およびM
13mp19ファージサブクローンは、制限酵素地図作成によ
って決定された特異的制限サブフラグメントの使用によ
り、またはM13RFのDNAの唯一のBamH I、Acc IまたはSma
I部位にそれぞれリゲートしたSAU 3A、Taq IまたはR
sa I消化ウイルスDNAプールの使用により発生させた。
場合によっては、EcoR1−O中Acc I、Nae IまたはNsi I
制限部位から、段階的Bal31消化により、重複M13欠失ク
ローンがPonczらの方法(Poncz.M.ら,Proc.Natl.Acad.S
ci.USA 79:4298−4302,1982)で得られた。制限酵素消
化、ゲル電気泳動、アガロースゲルからのDNAフラグメ
ントの精製、リゲーション、およびクレノーフラグメン
トによる5′オーバーハングの充填には、標準方法(Ma
niatis,T.ら,Molecular cloning:a laboatory manual.C
old Spring Harbor Laboratiory,Cold Spring Harbor,N
ew York,1982)を使用した。
リゲートしたM13生成物をCaCl2コンビーテントJM107
宿主細胞にトランスホームし、10リットルの100mM IPT
G.50リットルの2% X−galおよび200リットルの新鮮
な一夜JM101培養体を含む溶融8トップアガールに加え
た。これらの内容物をついで、Bアガールプレート上に
プレーティングし、37℃で一夜インキュベートした。つ
いで、組換え(透明)プラークを用いて、一夜JM101培
養体で1:50に希釈したYTメジウム5mlに感染させ、37℃
で6時間回転培養した。生成した細胞を室温で5時間遠
心分離してペレット化し、上澄液を除去し、4℃で保存
して、各組換えクローンのウイルス株が維持された。
回収された上澄液を使用して、ジデオキシ−連鎖伸長
停止法によるDNA配列決定用の鋳型として使用する一本
鎖M13ファージDNAを、Bethesda Research Laboratories
によって提供されたM13クローニング/ジデオキシ配列
決定指導マニュアルの指示に従って単離した。組換えM1
3ファージはさらに、電気泳動精製一本鎖ウイルスDNAに
より、1%アガロースミニゲル上でスクリーニングし、
一本鎖M13mp18対照DNAと比較して移動性の低下を示す鋳
型を選択した。
一本鎖M13鋳型でのDNA配列決定は、ジデオキシー連鎖
伸長停止法(Sanger,F.S.ら,Proc、Natl、Acad.Sci.USA
74:5463−5467,1977)により、改良T7DNAポリメラー
ゼ、SequenaseTM(United States Biochemical Corp.,C
leveland,Ohio)を用いて実施された。配列決定方法の
要約は図1Bに包含されている。DNA配列決定反応には、S
equenaseTM配列決定キットに示された特定の逐次指示方
法が使用された。略述すれば、一本鎖M13鋳型をまず万
能M13合成オリゴヌクレオチドプライマーと65℃で2分
間インキュベートし、ついでインキュベーション温度が
30℃以下になるまで徐々に冷却して、アニーリングし
た。デオキシおよびジオキシヌクレオチド三リン酸(そ
れぞれdNTPおよびddNTP)の適当な混合物、放射標識デ
オキシアデノシン5′−(α−チオ)三リン酸(35S−d
ATP,1000〜1500Ci/mmol;NEN−DuPont)およびSequenase
TM酵素の添加後、アニーリングされたプライマーから放
射標識相補性鎖の合成を開始させた。4つの別個の合成
反応は、それぞれ各試験管ごとに使用した特定のddNTP
(ddATP,ddGTP,ddTTPまたはddCTP)の導入によって停止
された。反応生成物を、7%ポリアクリルアミドゲル/5
0%尿素/トリス−ホウ酸塩−EDTAゲルに通して電気泳
動に付し、標識鎖をオートラジオグラフィーによって可
視化した。両鎖について少なくとも1回の配列決定を行
った。これは、以前に決定した配列に基づき万能プライ
マーに置換して発生させた16の合成17−マーオリゴヌク
レオチドを上記と同じ反応条件下、Straussによって記
載された一般的アプローチ(Strauss,E.C.ら,Anal.Bioc
hem.154:353−360,1986)に従って使用することで促進
された。
配列データの解析 配列は、IBI/Pustell(Pustell,J.ら,Nucl.Acids Re
s.14:479−488,1986)およびGenepro(バージョン4.10;
Riverside Scientific Enterprises,Seattle,WA)配列
解析ソフトウエアパッケージを用いてIBMパーソナルシ
ステム2/モデル50マイクロコンピューターで、またはWi
sconsin大学遺伝学コンピューターグループから入手し
たプログラム(GCG;Devereaux,J.ら,Nucl.Acids Res.1
2:387−395,1984)をVAX 8650ミニコンピューターで走
らせて、集合させ解析した。National Biochemical Res
earch Foundation−Protein(NBRF−Protein,公開21.0,
6/89のデータベースの検索はGCGプログラムFASTA(Pear
son,W.R.ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA85:2444−2448;198
8)によって行った。これは、アラインメントと、その
結果得られる至適化スコアを導くために、(1)類似性
の領域を捜し出すための、WilburとLipmanのアルゴリズ
ムの改変(Wilbur,W.J.ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 80:
726−730,1983)、(2)PAM 250ベーススコアリングシ
ステム(Dayhoff,M.O.ら,345−352頁,Atlas of Protein
Sequence and Struc−ture,第5巻,補遺3,Dayhoff,M.
O.編,National Biochemical Research Foundation,Wash
ington,D.C.,1978)および(3)SmithとWatermanのア
ラインメント操作(Smith,T.F.ら,Adv.Appl.Mathematic
s2:482−489,1981)を、可能な場合には結合して、使用
するものである。ドットマトリックスホモロジープロッ
トは、GCGプログラムDOTPLOTとGCGのCOMPAREからの出力
ファイルを用いて発生させた。後者は、窓長30、基準15
(この場合、保存アミノ酸置換はプラスに評価した)
で、2つの予測アミノ酸配列の類似性の点数のファイル
を作成する。GCGプログラムGAPにより、特定のアミノ酸
配列のアラインメントを、NeedlemanとWunsch(Needlem
an,S.B.ら,J.Mol.Biol.48:443−453,1970)のアルゴリ
ズムを用いて行い、マッチ数を最大にするようにギャッ
プを挿入したのちに、同一および類似アミノ酸残基のパ
ーセントを求めた。GAPを用いて多数のアラインメント
を作成するためには、ギャップを設けたMDV配列の出力
ファイルを、MDV配列とその相同性配列の間の連続的なG
AP比較後に作成した(ホモロジーの高い順に)。これら
の出力ファイルを、次のGAP試行の入力配列とし、これ
らのギャップを挿入した配列のアラインメントが新しい
ギャップの添加によってもはや拡大しなくなるまで、使
用した。アラインメント後に、ギャップを加えた出力フ
ァイルを表示させ、GCGプログラムPRETTYを用いてコン
センサス配列を計算した。至適な結果を達成するために
は、場合によっては、マニュアル編集を使用した(GCG
のLINEUPを使用)。
結果 呈示した10,350ヌクレオチドDNA配列(図2)は、MDV
(GA)ゲノムの短いユニーク(US)領域の大部分を包含
するものと思われる。配列決定方法の要約は、材料およ
び方法の項に包含させ、図1Bに描写されている。この配
列は、USフラグメント、EcoR1−O、EcoR1−Iにまたが
り、BamH I−P1の3′末端の1.55kbp下流のSal I部位に
まで及んでいる(図示1Aおよび1B)。Fukuchiら(Fukuc
hi,K.ら,J.Virol.51:102−109,1984)は以前に、BamH I
−Aの5つのEcoR1サブフラグメントの第二番目に位置
する1.4kb Bgl IフラグメントにIRS−US接合部を認め
た(図1B)。したがって、上記IRS−US接合部の局在が
独立に確認できるとすれば、ここに呈示された配列は、
5′近位US領域の2.6〜4.0kbの間を欠いているはずであ
る。配列決定された領域は、BamH I−P1の下流に十分な
距離及んでいないので、MDVのUS−TRS接合部はまだ正確
に決定されていない(Davison,A.J.ら,J.Gen.Virol.76:
1759−1816,1986)。VZV、EHV−4およびHSV−1につい
ては、この境界はそれぞれ各US8ホモローグの終結コド
ンの約100bp上流、または1.1および2.7kb下流に位置す
る(Cullinane,A.A.ら,J.Gen.Virol.69:1575−1590,198
8;Davison,A.J.ら,J.Gen.Virol.76:1759−1816,1986お
よびMcGeoch,D.J.ら,J.Gen.Virol.69:1531−1574,198
8)。配列決定された領域の総G+C含量は41%である
ことが明らかにされ、ゲノムMDVのG+C値の46%より
も幾分低値であった(Lee,L.F.ら,J.Virol.7:289,197
1)。全配列、またはコード領域のみにおける、CpGジヌ
クレオチドの観察される頻度は、それらのモノヌクレオ
チド組成から期待される頻度と有為な差は示さなかった
(データは示していない)。この結果は、アルファヘル
ペスウイルスから得られた結果に一致するが、A+Tに
富んだHVSおよびG+Cに富んだEBVのような、いずれも
CpGジヌクレオチド欠損ガンマヘルペスウイルスとは異
なっている(Honess,R.W.ら,J.Gen.Virol.70:837−855,
1989)。
配列決定された領域は、タンパク質をコードしている
と思われる9つの完全なORFを含有する(図1C、名称の
基礎は以下に示す)。この予測は、(1)他のアルファ
ヘルペスウイルス遺伝子とのホモロジーおよび配置編成
の比較、(2)可能性のあるTATAおよびポリアデニル化
コンセンサス配列の存在(Birnstiel,M.L.ら,Cell 41:
349−359,1985;およびCoden,B.ら,Science209:1406−14
14,1980)ならびに(3)翻訳開始に好ましい状況の所
持(Kozak,M.,J.Cell Biol.108:229−241,1989)を基盤
とした。この固定にはさらに、HSVおよびVZVのようなア
ルファヘルペスウイルスが比較的密に充填され、継ぎ目
のない、一般に重複のないコード領域を含む傾向をもつ
との観察を基準にした(Davison,A.J.ら,J.Gen.Virol.7
6:1759−1816,1986;Davison,A.J.ら,J.Gen.Virol.76:17
59−1816,1986;McGeoch,D.J.ら,J.Gen.Virol.69:1531−
1574,1988;McGeoch,D.J.ら,J.Mol.Biol.181:1−13,198
5;およびMcGeoch,D.J.ら,J.Gen.Virol.68:19−38,198
7)。このような遺伝子とくにUS領域の遺伝子は、ポリ
アデニル化シグナルを共有することが多く、そのため
3′−共終結mRNAファミリーを生じる(Rixon,F.J.ら,N
ucl.Acids Res.13:953−973,1985)。MDV由来のコドン
頻度表の使用(これらのおよび以前に公表されたMDV配
列を使用、Binns,M.M.ら,Virus Res.12:371−382,1989;
(Ross,L.J.N.ら,J.Gen.Virol.70:1789−1804,1989;お
よびScott,S.D.ら,J.Gen.Virol.70:3055−3065,1989)
または構成の偏りの解析の使用(GCGプログラムCODON−
PREFERENCEおよびTESTCODEを使用)に基づくタンパク質
コード領域の検出方法は大部分決定的ではなく、MDV
は、そのモノヌクレオチド組成に基づく予測に比較し
て、比較的に低いコドンおよび組成の偏りしかもたない
ことが示唆された。しかしながら、GCGプログラムFRAME
Sを上記MDV由来のコドン頻度表とともに使用すると、9
つの同定されたORFは明らかに、希なコドン利用の有意
に低いパターンを示し、これは他のすべての可能性ある
翻訳可能領域に認められるパターンと著しく対照的であ
る(データは示していない)。
予測されたORFの予測されるアミノ酸配列(最初のATG
コドンに始まる)をそのヌクレオチドと対比して図2に
示す。開始コドンから400ヌクレオチドの範囲内の、可
能性あるTATA部位には下線を付してある。提案されたOR
Fおよび可能性のあるポリアデニル化シグナル位置、−
3、+4ATG関連ヌクレオチド(Kozak,M.,J.Cell Biol.1
08:229−241,1989)、ならびに予測される生成物の長
さ、相対分子量および予測される等電点を表1に示す。
MDVデータの要約を、ORFの配置、予測される使用ポリ
アデニル化シグナル、翻訳関連ヌクレオチド、予測され
る翻訳生成物の長さ、相対分子量および予測される等電
点とともに表1に示す。
これらのMDVのORFに関する前の情報がない状況で、確
認を簡単にするために、それらはUSORFをコードするHSV
−1に対する相同性の関係に基づいて命名された(図1
C,表1)(McGeoch,D.J.ら,J.Mol.Biol.181:1−13,198
5)。必要な場合は、MDVの語をホモローグの名称の前に
つけてORFのオリジンを示すことにする。2つのMDV特異
的ORFは、そのS成分の位置に基づいて、SORF1およびSO
RF2と命名した。
転写の走査モデルによれば、40Sリボソームサブユニ
ットは、最初mRNAの5′未満に結合し、ついで移動して
転写開始に好都合な関係でのAUG(ATG)コドンで停止す
る(Kozak,M.,J.Cell Biol.108:229−241,1989)。しか
しながら、S1ヌクレアーゼの不存在下および/またはプ
ライマー伸長分析においては、転写の明確な開始部位を
正確に予測することはできない。それでも、開始部位と
思われる部位を表1に掲げる。これらは主要オープンリ
ーディングフレームに認められる最初のインフレームAT
Gコドンの位置を示す。Kozakによれば(Kozak,M.,J.Cel
l Biol.108:229−241,1989)、−3の位置にプリンが存
在する限り、そのコンセンサスの残部からの逸脱は開始
をわずかしか障害しない。このようなプリンの不存在下
には、しかしながら、効率的な翻訳のためには、位置+
4のグアニンが必須である。表1は、SORF2を除き、す
べてのORFが−3の位置に重要なプリン残基を含むこと
を示している。しかし一方、SORF2の場合には位置+4
に補償的なグアニンが存在する。
MDVのUS1の場合、2つの転写cap部位が5′S1ヌクレ
アーゼ保護分析によって仮に同定されている(データは
示されていない)。これらの部位は、それぞれ、位置20
0〜207におけるTATATAA配列の18および25ヌクレオチド
下流に存在するものと思われる(図2)。3′S1データ
に基づき、この転写はUS10コード領域のすぐ下流に存在
するポリアデニル化シグナルを利用する(表1、データ
は示されていない)。US領域の比較ノーザンブロット解
析により、MDVのUS1の転写体は、広範囲の細胞変性効果
が観察される、感染後の遅い時期(72時間)に発現され
るもっとも顕著な転写体である(データは示されていな
い)。ホスホノ酢酸阻害実験により、MDVのUS1は、その
即時HSV1のUS1の同等体と異なり、遅発クラスの遺伝子
として調節される(データは示されていない)。
コンピュータープログラムFASTA(Pearson,W.R.ら,Pr
oc.Natl.Acad.Sci.USA 85:2444−2448,1988)と1のK
−集合値を用い、9つの予測されたアミノ酸配列のそれ
ぞれをNBRF−タンパク質データベース(公開21.0,6/8
9)、および最近公表されたEHV−4Sセグメント遺伝子配
列(11)に対してスクリーニングした。至適化FASTAス
コアが100を越えた場合、一般に有意なアミノ酸類似性
を指示するものと判定した。この分析の結果は表2に示
す。
SORF1とSORF2は、データベース中のいずれの配列とも
有意なホモロジーを示さないようであるが(データは示
していない)、MDVのなとUS3は別として他の6つのORF
(MDVのUS1,10,2,6,7および8;表1,2)にはもっぱらアル
ファヘルペスウイルスSセグメン遺伝子に相同性が認め
られた(表2)。US3のORFはセリン−スレオニンタンパ
ク質キナーゼス−パーファミリーの一員であるので(Ha
nks,S.K.ら、Science 241:42,1988),150を越える比較
的大きい数のスコアが得られた。しかしながら、これら
のスコアはHSV、PRVおよびVZVのUS3ホモローグと比較し
て得られたスコアの3〜4分の1と低かった。以前に確
立されたアルファヘルペルウイルスSセグメントのホモ
ロジーとの比較には、7群のアルファヘルペスウイルス
関連配列との間のすべての可能なFASTA比較が包含され
る。2つの配列が共有する同一および類似アミノ酸の総
百分率を決定するための至適アラインメントの発生に
は、類似ペア間の比較にプログラムGAPを使用した。表
2に示すようにMDVのSセグメントORFとそれらのアルフ
ァヘルペスウイルス対応部の間のホモロジーは、他のア
ルファヘルペスウイルスSセグメントホモローグ自体の
間に以前観察されたホモロジーに匹敵するものであっ
た。場合によっては、MDVのORFはアルファヘルペルウイ
ルスホモローグに、それらの同じホモローグが他のアル
ファヘルペスウイルス対応部に対するよりもよく相関し
ていた(MDV/EHV−4対HSV−1/EHV−4US1およびMDV/EHV
−4対HSV−1/EHV−4US10ホモローグの比較)。さら
に、VZVはUS2およびUS6ホモローグを欠くにもかかわら
ず、形式的にはガンマヘルペスウイルスと考えられてい
るMDVは、明らかに、US2およびUS6ホモローグをもって
いる。7つの各ホモローグの限られた多重アラインメン
トで、最高の保存性を示した領域における結果を図3Aに
示す。
選ばれたMDV−アルファヘルペスウイルスSセグメン
トホモローグ間の総ホモロジー比較を示すドットマトリ
ックスホモロジープロットは図3Bに包含される(長さ30
アミノ酸の窓をスライドさせ、少なくとも15のアミノ酸
が同一または類似の場合に点を与える)。生じた斜線は
大きな保存性を示す領域を例示するものである。この領
域は図3Aに描かれた領域に重なり、ある場合にはそれら
の領域を越えるものであった。
FASTAでは検出されない他の類似タンパク質を同定す
るさらに高感度な方法として、GCGプログラムPROFILEお
よびPROFILESERCHを使用した。これらのプログラムの使
用は、構造研究から得られた情報、この場合は関連S成
分ORFのアラインメントに含まれる情報(GAPを用いるMD
V配列を含む)によるデータベース比較を可能にする(G
ribskov,M.ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:4355−4358,
1987)。しかしながら、このような解析でも、ここに記
載された関連タンパク質群は拡大されなかった。
ヘルペスウイルス糖タンパク質ホモローグは、一般
に、類似パターンの保存的システイン残基を含有するこ
とが見出された。アルファ、ベータおよびガンマヘルペ
スウイルスサブクラスに包含される7つの異なるヘルペ
スウイルスのgBホモローグの比較では、10個のシステイ
ン残基の完全な保存がある(Ross,L.J.N.ら,J.Gen.Viro
l.70:1789−1804,1989)。HSV−1のUS6は7個のシステ
イン残基を含有し、6個は、正しいフォールデイング、
抗原性構造おびオリゴ糖プロセッシングの程度に必須と
思われる(Wilcox,V.C.ら,J.Virol.62:1941−1947,198
8)。システインのこの同じ一般的パターンはHSV−2の
gDホモローグ(McGeoch,D.J.ら,J.Gen.Virol.68:19−3
8,1987)やPRV(Petrovskis,E.A.ら,J.Virol.59:261−2
23,1986)に保存されているのみでなく、MDVのgDホモロ
ーグにも同様に保存されている(全アラインメントは示
されていない)。図3Aには、US6(gD)、US7(gI)およ
びUS8(gE)間に観察されたシステイン保存パターンの
一部が示されている(この場合、それぞれ4、3および
6個の保存システイン残基が示されている)。MDV、VZ
V、PREVおよびEHV−1のUS8ホモローグはすべてそれら
のアミノ末端付近に4個の保存システイン残基の類似パ
ターンをもつが(Audonnet,J.−C.ら、J.Gen.Virol.71:
2969−2978,1990;Davison,A.J.ら、J.Gen.Virol.76:175
9−1816,1986およびPetrovskis,E.A.ら、J.Virol.60:18
5−193,1986)、HSV−1および−2の対応部はこれらの
2個しかもっていない(McGeoch,D.J.ら、J.Gen.Virol.
71:2361−2367,1990;データは示していない)。4個の
保存システインのユニークなパターンが重要な機能的結
果を付与すると思われる異なる二次および三次構造の形
成を容易にすることであろうことは十分に考えられる。
HSV−1gEがFc受容体活性を有し(Johnson,D.C.ら、J.Vi
rol.62:1347−1354,1988)、一方そのPRVおよびVZV対応
部がその活性をもたないこと(Edson,C.M.ら、Virology
161:599−602,1987;およびZuckerman,F.A.ら、J.Virol.
62:4622−4626,1988)を示す所見はこれらを反映するも
のと思われる。
MDVのgD、gIおよびgEホモローグのN末端領域を注意
深く検討した結果、それらはシグナルペプチド配列の3
つの基礎的な構成ブロック、すなわち、塩基性の陽性に
荷電したN−末端領域(n−領域)、中央の疎水性領域
(h−領域)、および、切断部位を決定すると思われる
さらに極性の末端領域(c−領域)を含有することが明
らかにされた(von Heijne,G.,J.Mol.Biol.184:99−10
5,1685)。シグナル配列切断部位を予測するための最近
改良された方法(von Heijne.G.,Nucl.Acids Res.14:46
83−4690,1986)を用いて、これらの部位と思われる位
置、C−末端付近の疎水性膜透過および荷電細胞質ドメ
インの局在、ならびに可能性のあるN−グリコシレーシ
ョン部位の局在を表3に示す。
表3は、MDVのUs糖タンパク質の、予測されたシグナ
ルペプチド切断部位ならびに膜透過および荷電細胞質ド
メインと可能性のあるN−グリコシレーション部位の局
在を示す(ATG開始コドンに関して)。
他のgIホモローグと同様に、MDVの対応部は比較的長
い細胞質ドメインを含有する。しかしながら、他のgDホ
モローグとは対照的に、MDVのgDのシグナルペプチド
は、一般的に長さによって変動せず、真核生物間では全
体的平均値が+1.7であることを考慮すれば、異常に高
い電荷(+4、図2)を有する比較的長いn−領域(18
残基)を含有する(Von Heijne,G.,J.Mol.Biol.184:99
−105,1985)。開始コドンの直接前にさらに遠位メチオ
ニンコドンが存在するにもかかわらず(PRVのgDホモロ
ーグの場合と同様、Petrovskis,E.A.ら,J.Virol.59:216
−223,1986)、翻訳の走査モデルではより5′近位の開
始コドン(位置5964、図2)の利用が好まれる。さらに
これを支持としては、全体的翻訳状況が、下流ATGに相
当する場合に比べて、より良好ではないにしても、少な
くとも同等であると思われることに基づくものがある。
このような予測にもかかわらず、2つのATG部位の間に
この予測を排除することになる。mRNAcap部位の局在の
可能性も、現時点では除外できない。
MDVgDに関しては、最後に触れなければならない点が
ある。10,350ヌクレオチドDNA配列をプローブとして用
い、コンピュータープログラムFASTA(K−S集合=
6)で、GenBank(62.0,12/89)およびEMBL(19.0,5/8
9)核酸データベースをスクリーニングしたところ、MDV
gDコード配列(6479〜6814;aa#173〜aa#284;図2)と
以前報告された467bpMDVのDNAセグメント(Wen,L.−T.
ら,J.Virol.62:3764−3771,1988)の間には342bpのオー
バーラップ中91.5%ヌクレオチド同一性に相当する、至
適化スコア1027が得られた。後者の配列は、潜伏感染MD
V−トランスフォームリンパ芽球細胞にのみ発現される2
8kD MDV核抗原(MDNA)の結合によってDNアーゼの消化
から保護される60bpセグメントを含むことが報告されて
いる。MDVとVZVの間の類似性に照らして、これらの研究
者は、MDNAは不死化霊長類細胞におけるEBNA−1の場合
と類似の様式で機能する可能性を示唆した。Wenら(We
n.L.−T.ら,J.Wirol.62:3764−3771,1988)は彼らの報
告中では、MDVgDが位置するBamH I−Aの同じEcoR Iサ
ブフラグメント(EcoR I−I、図1)にMDNAの結合部位
を認めた。この領域をカバーするわれわれの配列は、糖
タンパク質のすべての特徴的性質を含む完全な、連続し
たORFに一致して、HSVgDと有意なホモロジーを示すが、
彼らの配列は、われわれの5.3kbp EcoR1−Iフラグメン
ト、またはその隣接3.5kb配列から決定されるいずれの
配列とも無関係な約140塩基の5′近位配列を含有す
る。残りの327bp配列(核抗原結合部位候補を含む)
は、明らかにわれわれのgDコード配列と類似している
が、コンピューター翻訳では30aaを越えるORFを発生さ
せることはできない。
考察 MDVのガンマヘルペスウイルスとしての分類はこの亜
科のメンバーと共通のリンパ向性に基づくものである
が、最近のデータは、そのゲノム構造(Cebrian,J.ら,P
roc.Natl.Acad.Sci.USA79:555−558,1982;およびFukuch
i,K.ら,J.Virol.51:102−109,1984)、および主として
そのUL領域の遺伝子編成(Buckmaster,A.E.ら,J.Gen,Vi
rol.69:2033−2042,1988)は、神経向性のアルファヘル
ペルウイルスにより密接に類似することを示している。
しかも、3種のペルペスウイルス亜科内でポリペプチド
配列が保存されていることが見出された場合には(たと
えば、UL遺伝子)、ベータおよびガンマヘルペスウイル
スの対応部よりも、各アルファ対応部に対して常に有意
に高いホモロジースコアが認められた(Davison,A.J.
ら,J.Gen.Virol.67:597−611,1986;Buckmaster,A.E.ら,
J.Gen.Virol.69:2033−2042,1988:Ross,L.J.N.ら,J.Ge
n.Virol.70:1789−1804,1989;およびScott.S.D.ら,J.Ge
n.Virol.70:3055−3065,1989)。アルファヘルペルウイ
ルスSセグメント遺伝子は以前に、この分類学的亜科の
メンバーに独特であることが見出されたものである(Da
vison,A.J.ら,J.Gen.Virol.68:1067−1079,1987;および
Davison,A.J.ら,J.Gen.Virol.67:597−611,1986)。こ
の研究におけるアルファヘルペルウイルスSセグメント
遺伝子の7つのMDVホモローグの同定は、MDVがガンマヘ
ルペスウイルスよりもアルファヘルペスウイルスと密接
な進化的関係を共有するとの考え方に一致する。これは
さらに、ジヌクレオチド頻度解析によっても支持されて
いる。これまでに研究されたすべてのガンマヘルペスウ
イルス中で観察されているCpG抑制の欠如(Efstathiou,
S.ら,J.Gen.Virol.71:1365−1372,1990;およびHoness,
R.W.ら,J.Gen.Virol.70:837−855,1989)を示すことは
できていない。上述の状況は、そのリンパ向性からガン
マヘルペスウイルスとしての仮の分類が示唆されたヒト
ヘルペスウイルス−6(HHV−6)の場合に類似してい
る(Lopez,C.ら,J.Infect.DiS.157:1271−1273,198
8)。しかしながら、その後の遺伝子解析により、HHV−
6とベータヘルペスウイルス、ヒトメガロウイルスの間
により大きな類似性が示された(HCMV;Lawrence,G.L.
ら,J.Virol.64:287−299,1990)。
アルファヘルペスウイルスSセグメント遺伝子の遺伝
子編成の比較は図4に掲げる。これらの遺伝子の編成
は、場合により、全体の長さ、編成およびホモロジーの
程度に著しい変動を示す。しかしながら、提示された全
遺伝子のレイアウトは、逆行反復配列の拡大または収縮
およびUS遺伝子の同時喪失または獲得を生じる多数の相
同性組換え事象を経て、共通の祖先からのアルファヘル
ペスウイルスの分化を説明する、モデルと一致する。VZ
Vの場合は、HSV−1に比較して6個のセグメントを欠い
ている(US2、US4、US5、US6、US11、US12)。一部の遺
伝子、たとえばUS1ホモローグは、特別の配列と長さの
分化を示している。HSV−1に比べてMDV、VZVおよびEHV
−4のUS1は、HSV−1のUS1の5′近位部分に相当する
約120aaの配列(アルファ22)を欠く。ノーザンブロッ
ト解析、S1ヌクレアーゼ解析およびホスホノ酢酸阻害試
験に基づいて、その比較的特徴のない即時初期HSV−1
対応部とは異なり、MDVのUS1遺伝子は豊富に発現される
遅いクラスの遺伝子として調節されているように思われ
る(データは示していない)。他のアルファヘルペスウ
イルスとは異なり、MDVは2つの明らかにMDV特異的なOR
Fを有する。しかも、MDVのUS領域は、さらに約2.6〜4.0
kbの5′近位配列を含有する。図4の比較および拡大−
収縮組換えスキームを考慮すると、さらにMDV特異的なU
S領域の存在が考えられる。
MDVは長い間ガンマヘルペスウイルスと見做されてき
たので、その性質を解明するための以前の研究は、EBV
とB細胞と間の関連と同様に進められてきた(Nonoyam
a,M.P.,333−341,B.Roizman編,The herpesviruses,1巻,
Plenum Press,1982;およびWilbur,W.J.ら,Proc.Natl.Ac
ad.Sci.USA 80:726−730,1983)。アルファヘルペスウ
イルスとの密接な遺伝学的関係から、また上述のHHV−
6の解析を念頭に置いて、われわれは、MDVとHVTのリン
パ向性をもってEBVに対して相同な分子とするには適当
ではなく、MDVと神経向性アルファヘルペスウイルスの
間の分子的差異の記述は、EBVおよびHVSのようなガンマ
ヘルペスウイルスの性質に基づく類比を採用するより
も、観察された生物学的差異を説明する方が実りを期待
できるとするLawrenceら(Lawrence,G.L.ら,J.Virol.6
4:287−299,1990)に同意する。
このような差異を説明するには、MDVのUS領域がとく
に重要である。わずかな例外を除いて、各HSV−1のL
成分遺伝子はVZV中に均等部をもっていて(McGeoch,D.
J.ら,J.Gen.Virol.69:1531−1574,1988)、これらのか
なりの数はベータおよびガンマヘルペスウイルスにも同
様に類似している(VZVのUL遺伝子に対するEBV対応部67
中29;Davison,A.J.ら,J.Gen.Virol.68:1067−1079,198
7)。これに対し、HSV−1とVZVのSセグメントはサイ
ズが有意に異なり、2つのゲノムの間で最も関連のない
部分の一つと思われ(Davison,A.J.ら,J.Gen.Virol.67:
597−611,1986;Davison,A.J.ら,J.Gen.Virol.64:1927−
1942,1983)。最近の研究により、HSV−1のS成分に含
まれる12のオープンリーディングフレーム中11が細胞培
養液中での成育には必須ではないことが明らかにされて
いる)Longnecker,Rら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:430
3−4307,1987;およびWeber.P.C.ら,Science 236:576−5
79,1987)。このような必須でない遺伝子の維持および
進化は、複製に必要な機能の存在よりもむしろ、天然ま
たは実験宿主動物におけるその特異的な生態的地位での
ウイルスの生存に関連する機能の存在を示唆する(Long
necker,R.らProc.Natl.Acad.Sci.USA84:4303−4307,198
7;およびWeber,P.C.らScience236:576−579,1987)。S
成分遺伝子特異的な欠失をもつHSV変異体の病原性が有
意に弱く、マウスにおいて潜伏性確立の能力に低下がみ
られるとの所見(Meignier,B.ら,Virology162:251−25
4,1988)は、上述の仮説を支持するものである。後者に
関しては、ヒト胎児肺線維芽細胞を用いてHSVのUS領域
から転写されたRNAが、in vitro潜伏系の確立および維
持に関与することを示唆した証拠がある(Scheck,A.C.
ら,Interirology30:121−136,1989)。これらを考え合
わせると、上述の証拠は、組織向性、潜伏および/また
は細胞形質転換におけるMDVのUS遺伝子の重要な役割を
示唆する可能性がある。
本発明で固定された3つのgD、gIおよびgEホモローグ
を考慮すると、将来のワクチンの開発に関連して他の2
つの疑問がある。上述の、組織培養における成育に必須
でない11のHSV−1のUS領域遺伝子には、HSV−1のUS7
(gI)およびUS8(gE)が包含される(Longnecker,R.
ら,Proc.Natl,Acad.Sci,USA 84:4303−4307,1987;およ
びWeber,P.C.ら,Science 236:576−579,1987)。MDVの
ホモローグが同じ性質をもつと仮定すると、これらの遺
伝子は外来遺伝子の挿入部位として有用な可能性があ
る。さらに同じ2つのMDVホモローグ、とくにUS8(gE)
は、上に紹介した病原性に関連する性質の発現に関与す
る可能性が極めて高い。とくに、HSVのgEは、マウスに
おいて致死的感染および潜伏を確立するHSV−1の能力
に役割を果たすものと思われる(Meignier,B.ら,Virolo
gy 162:251−254,1988)。さらに、ブタのPRVのgIおよ
びgEホモローグは、1日齢のヒナおよび幼若ブタに対す
るPRVの毒性に明らかな役割を果たしている(Mettenlei
ter,Thomas C.ら,Journal of Virology,p4030−4032,De
c.1987)。同じことがMDVのUS7(gI)およびUS8(gE)
ホモローグについても真実であるとすると、現在のワク
チンでは防止できない爆発を生じる極めて毒性の強いMD
V単離体からのこれらの遺伝子の一方または両者を不活
性化し、疾患の流行を起こすフィールドウイルスにより
密接に関連する弱毒化ウイルスを作成できる可能性があ
る。
本発明で同定された3つの(gD、gIおよびgE)ホモロ
ーグについてさらに考慮すると、他の興味ある問題が提
起される。完全なエンベロープを有する感染症MDVウイ
ルス粒子は羽毛嚢上皮細胞中で産生されることしか知ら
れていない(Payne,L.N.p347−431,B.Roizman編,The he
rpesviruses,1巻,Plenum Press,1982)。このため、MDV
の研究は、in vitroでの細胞関連感染の蔓延の促進する
だけの限られた線維芽細胞培養に頼らざるを得なかっ
た。過去20年間にわたり、免疫原性表面抗原の同定を目
的とした研究は、このin vitrvo培養系に依存し、総じ
て2種の糖タンパク質抗原(A抗原/gCホモローグ;B抗
原)のみが定常的に同定され、特性づけられてきた(Bi
nns,M.M.ら,Virus Res.12:371−382,1989;Coussens,P.
M.ら,J.Virol.62:2373−2379,1988;Isfort.R.J.ら,J.Vi
rol.59:411−419,1986;Isfort,R.J.ら,J.Virol.57:464
−474,1986;およびSithole,I.ら,J.Virol.62:4270−427
9,1988)。それにもかかわらず、これは本発明の3つの
MDVgD、gIおよびgEホモローグ、およびさらに2つの糖
タンパク質ホモローグ(gBおよびgH、Buckmaster,A.E.
ら,J.Gen.Virol.69:2033−2042,1988;およびRoss,L.J.
N.らJ.Gen.Virol.70:1789−1804,1989)の所見である。
自然感染トリからの免疫ヒナ血清(ICS)は、すべてで
はないにしても、多くMDVにコードされた表面抗原と反
応するらしいが、この複雑なポリクローナル血清は、半
増殖性細胞培養における抗原の発現/プロセッシングが
羽毛嚢上皮細胞中でのそれに類似するという限りにおい
てのみ有用であろう。MDVgD特異的プローブを用いたノ
ーザンブロック解析により、MDVgDのmRNAは、広範な細
胞変性効果が認められている時点ではDEF細胞中で全く
またはわずかしか発現しないことが示唆される(データ
は示していない)。VZVがgDホモローグを欠き、強度に
細胞関連性であることを考慮すると、一次トリ線繊芽細
胞におけるMDVウイルス粒子の形成の遮断が、糖タンパ
ク質たとえばgD、および/またはある種の他のS成分遺
伝子の発現(この細胞内での)の欠如と相関するかをみ
ることは興味がもたれる。
弱毒化MDV株(血清型2)、またはHVT(血清型3)に
よって付与されるMDに対する保護は免疫学的基盤をもつ
と思われるので、共通の抗原を確認することにはかなり
の興味がある。HSVのUS遺伝子(これは明らかにHVTより
もMDVに対する類似性が低い)に対する7つのMDVのUSホ
モローグを同定した本発明を見れば、MDV−HVTのUS領域
間でのホモロジーの欠如を示した以前の報告(Igarash
i,T.ら,Viology 157:351−358,1987)が正しいとしたら
驚くべきであろう。このような否定的な結果は、配列解
析研究ではなく、ハイブリダイゼーションに基づくホモ
ロジー評価の限界を反映するものかもしれない。
例2は、完全なMDVのUS7(gI)遺伝子もよびMDVのUS8
(gE)遺伝子の部分をコードするDNAを含む構築体の分
子クローニングを示す。明らかなように、これはgI、お
よびgEの部分をコードする領域にまたがるDNAのセグメ
ントを用いて達成される。
例2 MDVの完全US7(gI)およびMDVのUS8(gE)の部分をコー
ドするDNAを構築体の部分クローニング MDVの完全US7(gI)のコード配列およびMDVのUS8(g
E)の部分のコード配列を含む組換えクローン(pKS−MD
gI 1.59)構築には、2つの既存のMDVクローン、pKS−M
DgD 1.75とp19P1が必要である(図5)。pKS−MDgD 1.7
5はクローニングベクター、pBluescript KS−のSma I−
Sst II部位にリゲートされたMDVのEcoR1−Iの1.75kbp
Nco I−Sst IIサブフラグメントを含有する組換えプラ
スミドである。このクローンは.MDVの完全なUS6(gD)
コード配列とさらにMDVのgIの最初の39のアミノ酸(a
a)をコードする3′末端における配列を含有する。p19
P1は、pUC19の唯一のBamH I部位にクローン化されたMDV
の1.5Kbp BamH I−P1サブフラグメントを含有する組換
えプラスミドである。このクローンは、そのシグナル配
列の最初の9aaを除く、全MDVg1のコード配列を含有す
る。さらにp19P1は3′未満にMDVのUS8(gE)コード領
域の最初の104aaを含有する。
pKS−MDg1 1.59を発生させるためには、pKS−MDgD1.7
5をまずHinc IIで切断する。これは、pBluescriptベク
ターの多重クローニング部位を1カ所および挿入体のSs
t II末端の約18bp上流を一カ所切断する。これにより、
2つのフラグメント1つは主としてMDVのUS6(gD)をコ
ードする挿入配列からなるフラグメント(1.6kbp)、pB
iuescriptベクター配列からなる大フラグメント(3.1kb
p)と、さらにMDVgIのN−末端をコードする約180bpフ
ラグメントを生じる。3.1kbpフラグメントをゲル精製
し、2つのHinc II末端で自己リゲートさせる。得られ
た組換えプラスミド、pKS−NDgI 0.18を次に、Sst I切
断する(Sst II部位のすぐ下流の多重クローニング部位
で)。粘着Sst I端をT4DNAポリメラーゼでブラント端と
したのち、続いてSst IIで消化する。得られたpKS−NDg
I 0.18の3.1Kbp Sst II−Sst I(ブラント)フラグメ
ントをゲル精製し、これを最終リゲーション工程に使用
して、pKS−MDg I 1.59を生成させる。pKS−MDgD 1.75
およびpKS−NDg I 0.18の酵素操作を行う間にp19P1はHi
nd IIIで切断する。これは、部分MDVUS8(gE)コード配
列のすぐ下流をp19P1の多重クローニング部位で切断す
る。粘着Hind III端をクレノーフラグメントでプラント
端としたのち、続いてSst II dで消化する。小さなSst
II−Hind III(ブラント)フラグメント(1.4kbp)はMD
VUS7(gI)コード配列の大部分と、さらにMDVgEの5′
末端をコードする312ヌクレオチドをその3′末端に含
有する。この1.4kbp Sst II−Hind III(ブラント)フ
ラグメントをゲル精製し、pKS−NDgI 0.18の3.1kbp Sst
II−Sst I(ブラント)フラグメントにリゲートする。
得られた組換え体、pKS−MDgI 1.59は、MDVのgIの完全
なコード配列と、N末端gEコード配列の部分を含有す
る。pKS−MDgI 1.59をKpn Iで消化すると、2つのフラ
グメントが得られ、小さな1.15kbpフラグメントはMDVの
gIの完全なコード配列を含有する。
例3は、MDVの完全なUS8(gE)遺伝子を含有する構築
体の分子サブクローニングを示す。
例3 MDVの完全なUS8(gE)をコードする構築体の分子クロー
ニング MDVの完全なUS8(gE)コード配列を含有する組換えク
ローン(p18−MD−gE 2.53)の構築には、前に使用した
BamH IまたはEcoR1以外のクローンが必要である。GA株
クローンGA−02、BamH I−A、−P1ならびにさらに5′
および3′隣接配列を含む部分消化MDVのSal I挿入体を
含有するEMBL−3クローン(Intervet Intl.B.V.,Boxme
er,The NetherlandsのP.Sondermeierによって恵与され
た)をEcoR1−IおよびBamH I−P1フラグメントの3′
分析の拡張に使用した。これらのファージクローンMDV
挿入体の3′末端に位置する小さなSal Iサブフラグメ
ントをゲル精製し、Sal Iで線状化したpUC18にリゲート
した(pSP18−A,pSP18−B,pSP18−C,図1B)。pUC18サブ
クローン、pSP18−Aは、全MDVUS8(gE)コード配列を
含有し、ATCC寄託のために、p18−MDgE 2.53と命名す
る。
図2中の記号の定義 表4には、アミノ酸の1文字および3文字記号の両者
を示す。
表4 A Alaアラニン M Metメチオニン C Cysシステイン N Asnアスパラギン D Aspアスパラギン酸 P Proプロリン E Gluグルタミン酸 Q Glnグルタミン F Pheフエニルアラニン R Argアルギニン G Glyグリシン S Serセリン H Hisヒスチジン T Thrスレオニン I Ileイソロイシン V Valバリン K Lysリジン W Trpトリプトファン L Leuロイシン Y Tyrチロシン 糖タンパク質gIおよびgEをコードするDNAセグメント
が、挿入、部位特定または欠失突然変異によって改変さ
れる場合には、MDVの病原性は低下する可能性がある。
また、非必須gIおよびgEをコードするDNAセグメント
は、組換えワクチンの製造の目的で、抗原的に活性なタ
ンパク質をコードする外来性DNAのセグメントの挿入部
位として使用できる。
ATCC寄託 MDVのUS6(MDVgD)の遺伝子は、プラスミド(ファー
ジミド)pKS−MDgD 1.75中、The American Type Cultur
e Collection,Rockville,MD 20852,USAにATCC40855とし
て寄託された。
MDVのUS7(MDVgI)の遺伝子は、プラスミド(ファー
ジミド)pKS−MDgD 1.59中、The American Type Cultur
e Collection,Rockville,MD 20852,USAにATCC75040とし
て寄託された。
MDVのUS8(MDVgE)の遺伝子は、プラスミド(ファー
ジミド)pKS−MDg 2.53中、The American Type Culture
Collection,Rockville,MD 20852,USAにATCC75039とし
て寄託された。
出願中に前述した配列番号1、2および3についての
配列表を添付する。
付 録 1 (1)一般的情報 (i) 出願人:レランドエフ.ベリサー、ピーターブ
ルノブスキスおよびポールコウセンズ (ii) 発明の名称:糖タンパク質、gD、gIおよびgEを
コードするマレック病ヘルペスウイルスDNAセグメント (iii) 配列の数:3 (iv) 連絡住所: (A)受信人:イアン シー.マクレオド (B)街:2190 コモンズ パークウエイ (C)市:オケモス (D)州:ミシガン (E)国:Ingham (F)郵便番号:48864 (v) コンピューター読出し形式: (A)媒体:1.44Mb3 1/2″フロッピーデイスク (B)コンピューター:IBM PS2、Mode50 (C)オペレーションシステム:MS−DOS 5.0 (D)ソフトウエア:PC−Write 3.02 (viii) 弁護士/代理人 情報: (A)名前:イアン シー.マクレオド (B)登録番号:20,931 (C)参照/摘要番号:MSU4.1−132 (ix) 電話回線情報 (A)電話:(517)347−4100 (B)テレファクス:(517)347−4103 配列ID番号:1の情報 (i) 配列の特徴 (A)長さ:10,350塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:二本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii) 配列の種類:Genomic DNA (iii) ハイポセティカル:Yes (v) アンチセンス:No (vi) 起源: (A)生物名:MDA、GA株 (vii) 直接の起源: (A)ライブラリー:Genomic 配列ID番号:2の情報 (i) 配列の特徴: (A)長さ:10,350塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:二本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii) 配列の種類: (A)配列:Genomic DNA (iii) ハイポセテイカル:Yes (iv) アンチセンス:Yes (vi) 起源: (A)生物名:MDA,GA株 (vii) 直接の起源: (A)ライブラリー:Genomic 配列ID番号:3の情報 (i) 配列の特徴: (A)長さ:497 (B)型:アミノ酸ペプチド (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii) 配列の種類: (A)配列:ポリペプチド (vi) 起源: (A)生物名:MDA,GA株 (vii) 直接の起源: (A) ライブラリー:Genomic
フロントページの続き (72)発明者 コウセンズ,ポール エム. アメリカ合衆国48820 ミシガン州デウ イット,カットラー ロード 7180 (56)参考文献 国際公開90/2802(WO,A) Journal of Genera l Virology,69(1988)p. 2033−2042

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マレック病ヘルペスウイルス(MDV)ゲノ
    ムのUs領域に存在する遺伝子であって、 配列番号1により表される8488〜9978bp配列の間の、MD
    V糖タンパク質E(gE)前駆体をコードする遺伝子(以
    下遺伝子1という)、 配列番号1により表される、1〜8799ヌクレオチド配列
    の多重糖タンパク質をコードする遺伝子(以下遺伝子2
    という)、 配列番号1により表される5964〜7175bp配列の間の、MD
    V糖タンパク質D(gD)前駆体をコードする遺伝子(以
    下遺伝子3という)、 配列番号1により表される7282〜8349bp配列の間の、MD
    V糖タンパク質I(gI)前駆体をコードする遺伝子(以
    下遺伝子4という)、及び 配列番号により表される8488〜8799bp配列の間の、MDV
    糖タンパク質E(gE)前駆体の一部をコードする遺伝子
    (以下遺伝子5という) からなる群より選ばれる上記遺伝子を有することを特徴
    とする、MDVゲノムのDNAセグメント。
  2. 【請求項2】該遺伝子が前記遺伝子1であり、さらに該
    遺伝子の5′端側に400ヌクレオチド以下のプロモータ
    ー活性を有する遺伝子を含む、請求項1記載のDNAセグ
    メント。
  3. 【請求項3】2.53kbの大きさを有する請求項2記載のDN
    Aセグメント。
  4. 【請求項4】コードされる糖タンパク質前駆体は497の
    アミノ酸を含有する請求項3記載のDNAセグメント。
  5. 【請求項5】該遺伝子が前記遺伝子2であり、さらに遺
    伝子の5′端側に400ヌクレオチド以下のプロモーター
    活性を有する遺伝子を含む、請求項1記載のDNAセグメ
    ント。
  6. 【請求項6】該遺伝子が前記遺伝子3であり、さらに遺
    伝子の5′端側に400ヌクレオチド以下のプロモーター
    活性を有する遺伝子を含む、請求項1記載のDNAセグメ
    ント。
  7. 【請求項7】該遺伝子が前記遺伝子3であり、コードさ
    れる糖タンパク質前駆体は403のアミノ酸を含有する、
    請求項1又は6記載のDNAセグメント。
  8. 【請求項8】以下の配列 からなる糖タンパク質D(gD)前駆体をコードする、MD
    VゲノムのUs領域に存在する遺伝子及びブロモーター活
    性を有する遺伝子を含む、GA株由来のMDVゲノムの5.3kp
    EcoR1−EcoR Iセグメント。
  9. 【請求項9】以下の配列 からなる糖タンパク質D前駆体をコードする、MDVゲノ
    ムのUs領域に存在する遺伝子、及び該遺伝子の5′端側
    にプロモーター活性を有する遺伝子を含む、GA株由来の
    MDVゲノムの1.75kbpNco I−Sst IIセグメント。
  10. 【請求項10】該遺伝子が前記遺伝子4であり、さらに
    遺伝子の5′端側に400ヌクレオチド以下のプロモータ
    ー活性を有する遺伝子を含む、請求項1記載のDNAセグ
    メント。
  11. 【請求項11】該遺伝子が前記遺伝子4であり、コード
    される糖タンパク質前駆体は355のアミノ酸を含有する
    請求項1又は10記載のDNAセグメント。
  12. 【請求項12】該遺伝子が前記遺伝子5であり、さらに
    遺伝子の5′端側に400ヌクレオチド以下のプロモータ
    ー活性を有する遺伝子を含む、請求項1記載のDNAセグ
    メント。
  13. 【請求項13】該遺伝子が前記遺伝子5であり、コード
    される糖タンパク質前駆体は104のアミノ酸を含有する
    請求項1又は12記載のDNAセグメント。
  14. 【請求項14】MDVゲノムのUs領域にコードされている
    糖タンパク質前駆体であって、 以下の配列 からなる糖タンパク質E(gE)前駆体, 以下の配列 からなる糖タンパク質I(gI)前駆体, 以下の配列 からなる糖タンパク質D(gD)前駆体,及び 以下の配列 からなる糖タンパク質E(gE)前駆体 からなる群より選ばれる上記糖タンパク質前駆体。
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