JP2580906B2 - 樹脂含浸装置 - Google Patents

樹脂含浸装置

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JP2580906B2
JP2580906B2 JP3263394A JP26339491A JP2580906B2 JP 2580906 B2 JP2580906 B2 JP 2580906B2 JP 3263394 A JP3263394 A JP 3263394A JP 26339491 A JP26339491 A JP 26339491A JP 2580906 B2 JP2580906 B2 JP 2580906B2
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和夫 小林
文孝 中村
健之 外木
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、樹脂含浸装置に係り、
特に紙又はガラス繊維布などの長尺シート状の基材に、
熱硬化性樹脂液を連続的に含浸させる樹脂含浸装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】紙又はガラス繊維布などの長尺シート状
の基材への樹脂含浸装置として、樹脂液槽に基材を直接
浸漬する装置及び樹脂液を付着させたロールに基材を接
触させる装置が知られている。樹脂液は、一般に粘稠で
あり、樹脂液を含浸した基材中に気泡を残さないように
するため、あらかじめ減圧脱気した基材に樹脂を含浸す
る装置や真空含浸槽の中で樹脂を基材に含浸する装置が
提案されている(例えば、特開昭53−118470号
公報、特開昭61−51314号公報、特開昭63−1
18238号公報など参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このうち、減圧脱気し
た基材を樹脂供給用スリットを有する上型及び下型並び
に基材用通路からなる樹脂塗工部を通過させて樹脂を加
圧含浸させるようにした装置は、樹脂液と基材とが接触
する長さを充分に取れないため、基材速度を大きくでき
ない。
【0004】また、真空含浸槽の中で樹脂を基材に含浸
する装置は、樹脂液が減圧下にあるため、樹脂液中の溶
剤が大量に蒸発して真空含浸槽中に充満して危険であ
り、真空ポンプによって排出された溶剤が環境を汚染す
る。
【0005】減圧脱気槽の出口にコーティングロールを
置き、このコーティングロールに樹脂液を付着させて基
材に樹脂液を含浸させる装置は、シール性が悪い上に、
ゲル化した樹脂がロールに付着して一層シール性が悪く
なり、樹脂液が減圧脱気槽内に侵入する。ロールからの
樹脂溶液の侵入を少なくするために、このロールの基材
ニップ圧力を高めると、基材が蛇行し、基材の搬送がで
きなくなる。
【0006】本発明は、樹脂液を減圧下にさらさずかつ
減圧脱気槽に樹脂液が漏れることのない樹脂含浸装置を
提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、長尺のシート
状基材1を供給する基材供給装置11、減圧脱気槽9、
樹脂液槽6及び前記シート状基材1を減圧脱気槽9及び
樹脂液槽6を通して引き取る基材引取り装置7からな
り、減圧脱気槽9の出口に、2枚の平板3a、3bを対
向させてなるスリット17を設けて樹脂液槽6と減圧脱
気槽2とを連通してなる樹脂含浸装置である。
【0008】以下図を参照して本発明を説明する。長尺
のシート状基材1を、気密保持機構を有する減圧脱気槽
9内を連続的に通過させることにより、この基材1内部
を脱気し、減圧脱気槽9通過の直後に基材1を樹脂液槽
6内を通過させ、大気圧下にある樹脂液を含浸させる。
減圧脱気槽9の出口に、この基材1の幅より大きい幅の
平板3a、3bを対向させたスリット17を設ける。そ
して、少なくとも一方の平板を可動的に設け、このスリ
ット17の間隔を、樹脂液が侵入しようとする速度と基
材の移動速度とがバランスするように調整する。スリッ
ト間隔は、基材の厚さより0.1〜1.5mm広くす
る。
【0009】スリット17を形成する一対の平板3a、
3bの長さは、50〜1000mmとし、幅は基材1の
幅より2〜10mm広くする。
【0010】
【作用】減圧脱気槽を出た基材は、スリットケースの微
小なスリットを通って樹脂液槽に移動する。このスリッ
ト部を基材の速度、樹脂液の粘度などに対応させて適切
に設け、基材の移動速度と樹脂液のスリットへの流入速
度とをバランスさせることにより、樹脂液が減圧脱気槽
に侵入することがない。この関係を図2及び図3によっ
て説明する。
【0011】まず、図2において、各記号の表すところ
を次の通りとする。 v : 基材速度 x : 樹脂液の侵入長さ y : 平板と基材との間隔 T : 基材の厚み P1 : 減圧脱気槽側圧力 P2 : 大気側圧力 L : スリットの長さ
【0012】樹脂液槽6内の樹脂液26は大気圧P2
よって減圧脱気槽9内に侵入しようとする。しかし、基
材1は、減圧脱気槽9から樹脂液槽2に向けて一定速度
で送られている。このため樹脂液は樹脂液槽2側に引き
戻される。このとき、樹脂液の侵入長さと基材速度との
関係は、図3に示すようになる。図3において、曲線A
は、y=0.1mm、P2 −P1 =101308Pa、
樹脂液粘度1.0Pa・sの場合、曲線Bは、樹脂液粘
度5.0Pa・sで、その他は曲線Aと同一条件での場
合を表している。この図3から分かるように、平板3
a、3b間の隙間に樹脂液26が侵入する長さxは、基
材1の速度と樹脂液粘度により変化する。そしてそこで
平衡してそれよりも中に入り込まない。また、樹脂液の
粘度が高いと樹脂液侵入長さも小さくなる。そこで、樹
脂液槽冷却部8は、樹脂液26の粘度を高め、スリット
の長さLを大きくすることができないとき、又は粘度の
小さい樹脂液を含浸するときに樹脂液の侵入長さを小さ
くすることができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明を図を参照してさらに詳細に説
明する。図1において、1は長尺シート状の基材、5は
スリットケース、9はスリットケース5の一端側に接続
した減圧脱気槽、2は減圧脱気槽9に接続した外気シー
ル部、6はスリットケース5の他端側に接続した樹脂液
槽、8は樹脂液槽6の基端部にスリットケース5と接し
て設けた樹脂液槽冷却部である。この樹脂液槽冷却部8
内には、図示しないチラーユニットから冷媒が供給さ
れ、樹脂液を5〜15℃に冷却する。また、基材1はガ
イドロール11を介して外気シール部2に導入されたう
え、減圧脱気槽9、スリット17、樹脂液槽6を通って
外部に導出される。7は基材1を引出すためのドローロ
ールである。
【0014】前記装置において、外気シール部2には、
複数のスリット状のシール部材12が設けられており、
このシール部材12の間に複数の減圧室13が形成され
ている。この減圧室13には、外気シール部2の壁に開
設された孔14に接続する配管15を介して真空ポンプ
4が接続されている。また、減圧脱気槽9にも配管15
を介して真空ポンプ4が接続されている。さらに、減圧
脱気槽9内には、基材1を直角方向にガイドするための
ガイドロール16が設けられている。
【0015】スリットケース5内には、スリット17を
形成する一対の平板3a、3bが収容されており、基材
1がこのスリット17を通過する。一方の平板3aは、
スリットケース5内の所定位置に固定されている。この
固定手段として、平板3aの背面から突出した支持杆1
8aを、スリットケース5の側板20aを貫通させたう
え、この側板20aの外側において固定部材21により
固定している。
【0016】他方の平板3bは、スリットケース5内に
おいて可動的に設けられている。その具体的な可動手段
として、平板3bの背面から突出した支持杆18bを、
スリットケース5の他方の側板20bを気密的、且つ可
動的に貫通させたうえ、この支持杆18bの先端部にね
じ部22を形成し、このねじ部22にシールギャップ調
整ハンドル10のねじ部を螺合させている。23はシー
ルギャップ調整ハンドル10を所定位置で回転操作させ
るため、一方の側板20bに固定したガイドケースであ
る。また、平板3a、3bの上下端面とスリットケース
5の底板24及び天板25との間は気密的に接触してい
る。
【0017】次にこの装置の動作を説明する。所定枚数
繰出された基材1は、外気シール部2を通り減圧脱気槽
9に入る。この外気シール部2と減圧脱気槽9の内部
は、真空ポンプ4により適切な真空度に保たれている。
減圧脱気槽9で基材内部が脱気されたうえ、一対の平板
3a、3b間のスリット17を通過して、樹脂液槽6内
の樹脂液26内に入り、樹脂液が含浸される。樹脂液2
6が含浸された基材1は、ドローロール7により外方に
引出される。
【0018】スリットケース5は、平板3a、3bの機
能を保持するためのケーシングであり、ギャップ調整機
構の一実施例として、前記するシールギャップ調整ハン
ドル10により一方の平板3bを移動させ、基材1の厚
みに応じたギャップに調整する。
【0019】図4に本発明の他の実施例を示す。図4は
樹脂液槽6と減圧脱気槽9とを水平に配置した例であ
る。この装置は、樹脂含浸後の乾燥炉が横型の場合に用
いる。樹脂液槽6が水平であるので、基材1はシールロ
ール27を通ってドローロール7によって引出される。
その他は図1とほぼ同じであるので説明を省略する。
【0020】使用例1 坪量210g/m2 、幅68mm、厚み0.18mmの
ガラスクロスに、粘度2.5Pa・s(10℃)のポリ
エステル樹脂液を含浸させた。平板3a、3bの幅は7
0mm、長さ150mm、平板3a、3bのギャップす
なわちスリット間隔は0.35mm、樹脂液槽6の長さ
100mm、真空ポンプ4の排気速度毎分100リット
ルとした。この結果、減圧脱気槽内の気圧をブルドン管
で測定した真空度が約0、基材速度80mm/秒のと
き、樹脂液の侵入長さは約11mmであり、樹脂液がス
リットを通り減圧脱気槽内へ流入することはなかった。
また、含浸基材も無気泡であり、良好なものが得られ
た。
【0021】使用例2 坪量135g/m2 、幅68mm、厚み0.2mmのク
ラフト紙に、粘度2.5Pa・s(10℃)のポリエス
テル樹脂液を含浸させた。その他の条件は使用例1と同
じとした。樹脂液の侵入長さは約6mmであり、使用例
1の場合と同様に樹脂液がスリットを通り減圧脱気槽内
へ流入することはなかった。また、含浸基材も無気泡で
あり、良好なものが得られた。
【0022】使用例3 坪量210g/m2 、幅68mm、厚み0.18mmの
ガラスクロスに、粘度0.5Pa・s(40℃)のポリ
エステル樹脂液を含浸させた。その他の条件は使用例1
と同じとした。この結果、減圧脱気槽内の気圧をブルド
ン管で測定した真空度が約266Pa、基材速度80m
m/秒のとき、樹脂液の侵入長さは約60mmであり、
樹脂液がスリットを通り減圧脱気槽内へ流入することは
なかった。また、含浸基材も無気泡であり、良好なもの
が得られた。
【0023】
【発明の効果】本発明の樹脂含浸装置は、スリット機構
を設けたことにより次の効果が得られた。 基材内を無気泡にするための真空吸引により、含浸
用の樹脂液が減圧脱気槽内に流入しない。 スリット部の隙間が狭いので、樹脂液揮発成分の揮
発を最小限に抑えられるので、減圧脱気槽の排気中に可
燃性の溶剤蒸気が入らず安全である。 基材は無接触で樹脂液中に送られるので、基材を損
なうことがない。 2枚以上重ねて処理することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示す断面図である。
【図2】 スリットケースのスリット幅と樹脂液の侵入
の関係を示す説明図である。
【図3】 基材速度とスリットへの樹脂液侵入長さの関
係を示すグラフである。
【図4】 本発明の他の実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 基材 2 外気シール部 3a、3b 平板 4 真空ポンプ 5 スリットケース 6 樹脂液槽 8 樹脂液冷却部 9 減圧脱気槽 10 シールギャップ調整ハンドル 17 スリット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 義則 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化 成工業株式会社下館工場内 (56)参考文献 特開 昭53−118470(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】長尺のシート状基材を供給する基材供給装
    置、減圧脱気槽、樹脂液槽及び前記シート状基材を減圧
    脱気槽及び樹脂液槽を通して引き取る基材引取り装置か
    らなり、減圧脱気槽の出口に、2枚の平板を対向させて
    なるスリットを設けて大気中に開放されている樹脂液槽
    と減圧脱気槽とを連通してなる樹脂含浸装置。
  2. 【請求項2】 スリットを構成する平板の一方又は両方
    を可動とした請求項1記載の樹脂含浸装置。
  3. 【請求項3】 樹脂液槽に、スリットと近接した部位
    に、冷却機構を設けた請求項1又は2記載の樹脂含浸装
    置。
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