JP2616532B2 - 半導体レーザおよびその製造方法 - Google Patents
半導体レーザおよびその製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光ファイバー通信等に必
要な高性能の半導体レーザおよびその製造方法に関する
ものである。
要な高性能の半導体レーザおよびその製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体レーザの特性向上を実
現するために、半導体レーザの活性層を量子井戸構造と
した単一量子井戸(SQW)レーザや多重量子井戸(M
QW)レーザに関する研究がおこなわれている。この量
子井戸活性層を有する半導体レーザは量子サイズ効果に
より、通常のバルク型活性層にない良好な特性が期待で
きる。例えば微分ゲインの増大・TM発光の低減等によ
り低しきい値で高効率・大出力動作が可能となり、緩和
振動周波数の増大・線幅増大係数の減少により高速応答
・低チャーピング化が得られる。
現するために、半導体レーザの活性層を量子井戸構造と
した単一量子井戸(SQW)レーザや多重量子井戸(M
QW)レーザに関する研究がおこなわれている。この量
子井戸活性層を有する半導体レーザは量子サイズ効果に
より、通常のバルク型活性層にない良好な特性が期待で
きる。例えば微分ゲインの増大・TM発光の低減等によ
り低しきい値で高効率・大出力動作が可能となり、緩和
振動周波数の増大・線幅増大係数の減少により高速応答
・低チャーピング化が得られる。
【0003】しかしながら、さらに微分ゲインを増大す
る場合には歪量子井戸の適用やバリア層の薄膜化に加
え、量子井戸のバリア層にドーピングを行う変調ドープ
MQW構造の適用が検討されている[ケイ.ウオミ、ティー.ミシ
マ、エヌ.チノネ、シ゛ャハ゜ン シ゛ャーナル アフ゜ライト゛ フィシ゛ックス 、51(199
0)88(K. Uomi, T. Mishima, N. Chinone, Jpn. J. App
l.Phys. , 51(1990)88)]。
る場合には歪量子井戸の適用やバリア層の薄膜化に加
え、量子井戸のバリア層にドーピングを行う変調ドープ
MQW構造の適用が検討されている[ケイ.ウオミ、ティー.ミシ
マ、エヌ.チノネ、シ゛ャハ゜ン シ゛ャーナル アフ゜ライト゛ フィシ゛ックス 、51(199
0)88(K. Uomi, T. Mishima, N. Chinone, Jpn. J. App
l.Phys. , 51(1990)88)]。
【0004】図8に従来の半導体レーザの例を示す。3
1はn−GaAs基板、32はn−GaAsバッファ
層、33はn−In0.6Al0.4Asクラッド層、34は
アンドープAlGaAs光閉じこめ層、35はアンドー
プGaAs井戸層、36はアンドープGa0.8Al0.2A
s層、37はBeドープGa0.8Al0.2As、38は変
調ドープ量子井 戸層、39はp−AlGaAsクラッ
ド層、40はn−GaAs電流狭搾層、41はSiO2
絶縁層、42はZn拡散領域、43はAu/Crよりな
るp側電極、 44はAuGeNiよりなるn側電極で
ある。
1はn−GaAs基板、32はn−GaAsバッファ
層、33はn−In0.6Al0.4Asクラッド層、34は
アンドープAlGaAs光閉じこめ層、35はアンドー
プGaAs井戸層、36はアンドープGa0.8Al0.2A
s層、37はBeドープGa0.8Al0.2As、38は変
調ドープ量子井 戸層、39はp−AlGaAsクラッ
ド層、40はn−GaAs電流狭搾層、41はSiO2
絶縁層、42はZn拡散領域、43はAu/Crよりな
るp側電極、 44はAuGeNiよりなるn側電極で
ある。
【0005】図8の変調ドープ量子井戸層の構造は図9
(b)のように、アンドープのGaAs井戸層35と、ア
ンドープGaAlAsバリア層36と変調ドープ層37
からなるバリア層からなっている。
(b)のように、アンドープのGaAs井戸層35と、ア
ンドープGaAlAsバリア層36と変調ドープ層37
からなるバリア層からなっている。
【0006】以上のように構成された従来の変調ドープ
量子井戸半導体レーザ装置において、電流をp側電極4
3から導入し、Zn拡散領域42で挟窄したのち、変調
ドープ量子井戸層38に注入する。微分ゲインの増大に
より増加する緩和振動周波数はドーピングしていない量
子井戸構造に対してこの図8に示した変調ドープ量子井
戸構造では増加が確認された。
量子井戸半導体レーザ装置において、電流をp側電極4
3から導入し、Zn拡散領域42で挟窄したのち、変調
ドープ量子井戸層38に注入する。微分ゲインの増大に
より増加する緩和振動周波数はドーピングしていない量
子井戸構造に対してこの図8に示した変調ドープ量子井
戸構造では増加が確認された。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図8に挙げた上記のよ
うな構成の変調ドープ量子井戸構造の半導体レーザの変
調ドープ量子井戸層38は上で説明したように、アンド
ープGaAs井戸層35と、アンドープAlGaAsバ
リア層36とBeドープAlGaAs変調ドープ層37
とからなるバリア層とからできている。
うな構成の変調ドープ量子井戸構造の半導体レーザの変
調ドープ量子井戸層38は上で説明したように、アンド
ープGaAs井戸層35と、アンドープAlGaAsバ
リア層36とBeドープAlGaAs変調ドープ層37
とからなるバリア層とからできている。
【0008】この半導体レーザと、図9(d)に示すよ
うな井戸層とバリア層に均一にドーピングした均一ドー
プ量子井戸構造の半導体レーザとの緩和振動周波数を比
較しても、ともにドーピングのない量子井戸の半導体レ
ーザに比べて緩和振動周波数は等しい増加しか確認され
なかった。これは、図9(b)または(c)に示す変調
ドーピング構造がその後の熱処理工程により、ドーピン
グ元素が拡散して変調ドーピング構造が消滅して、均一
ドーピング構造となってしまったと考えられる。それを
図9(a)に示した。同図(b)の構造をもつ変調ドー
ピング量子井戸構造は、熱処理前には、Beの濃度が変
調ドープ層だけ高くなっていたが、熱処理後は、Beが
変調ドープ層から拡散してしまい、均一になっている。
その結果、均一ドーピング構造と変調ドーピング構造の
レーザとの間に違いが無いものなると考えられる。これ
は、ドーピングに用いる元素が高温下に於て拡散してし
まうためである。
うな井戸層とバリア層に均一にドーピングした均一ドー
プ量子井戸構造の半導体レーザとの緩和振動周波数を比
較しても、ともにドーピングのない量子井戸の半導体レ
ーザに比べて緩和振動周波数は等しい増加しか確認され
なかった。これは、図9(b)または(c)に示す変調
ドーピング構造がその後の熱処理工程により、ドーピン
グ元素が拡散して変調ドーピング構造が消滅して、均一
ドーピング構造となってしまったと考えられる。それを
図9(a)に示した。同図(b)の構造をもつ変調ドー
ピング量子井戸構造は、熱処理前には、Beの濃度が変
調ドープ層だけ高くなっていたが、熱処理後は、Beが
変調ドープ層から拡散してしまい、均一になっている。
その結果、均一ドーピング構造と変調ドーピング構造の
レーザとの間に違いが無いものなると考えられる。これ
は、ドーピングに用いる元素が高温下に於て拡散してし
まうためである。
【0009】本発明は上記問題点に鑑み、変調ドーピン
グして、変調ドーピング構造とした変調ドープ量子井戸
層のドーパント元素の拡散を抑制して変調ドーピング構
造の破壊を抑制するするとともに、クラッド層から変調
ドープ量子井戸層へのドーパントの拡散を抑制し、変調
ドープ量子井戸層の変調ドーピング構造の破壊を抑制す
る構造を有する半導体レーザを提供するものである。
グして、変調ドーピング構造とした変調ドープ量子井戸
層のドーパント元素の拡散を抑制して変調ドーピング構
造の破壊を抑制するするとともに、クラッド層から変調
ドープ量子井戸層へのドーパントの拡散を抑制し、変調
ドープ量子井戸層の変調ドーピング構造の破壊を抑制す
る構造を有する半導体レーザを提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の半導体レーザは、基板と、前記基板上に第1
導伝型の導波路層と、井戸層とバリア層が交互に積層さ
れ、前記バリア層に変調ドープされた変調ドープ量子井
戸層と、ドーパントの拡散をストップするストップ層
と、第2導伝型のクラッド層とが順に積層された構造で
あり、前記導波路層のエネルギーギャップは、前記基板
のエネルギーギャップ以下であり、前記井戸層は、前記
導波路層よりエネルギーギャップが小さく、前記バリア
層は、前記導波路層と前記井戸層の中間のエネルギーギ
ャップで、一部に導伝性を有する変調ドープ層を含み、
前記ストップ層のエネルギ−ギャップは、前記バリア層
のエネルギーギャップ以上であり、かつドーパントがそ
の固溶限以下に添加された結晶とする。
に本発明の半導体レーザは、基板と、前記基板上に第1
導伝型の導波路層と、井戸層とバリア層が交互に積層さ
れ、前記バリア層に変調ドープされた変調ドープ量子井
戸層と、ドーパントの拡散をストップするストップ層
と、第2導伝型のクラッド層とが順に積層された構造で
あり、前記導波路層のエネルギーギャップは、前記基板
のエネルギーギャップ以下であり、前記井戸層は、前記
導波路層よりエネルギーギャップが小さく、前記バリア
層は、前記導波路層と前記井戸層の中間のエネルギーギ
ャップで、一部に導伝性を有する変調ドープ層を含み、
前記ストップ層のエネルギ−ギャップは、前記バリア層
のエネルギーギャップ以上であり、かつドーパントがそ
の固溶限以下に添加された結晶とする。
【0011】また、基板上に、前記基板以下のエネルギ
ーギャップである第1の導伝型を有する導波路層を成長
させる工程と、前記導波路層よりエネルギーギャップが
小さい井戸層と、前記導波路層と前記井戸層との中間の
エネルギーギャップでアンドープの第1のバリア層と、
変調ドープ層と、アンドープの第2のバリア層とを交互
に積層した変調ドープ量子井戸層を成長させる工程と、
エネルギーギャップが前記バリア層以上であり、ドーパ
ントの拡散をストップするストップ層を成長させる工程
と、エネルギーギャップが前記ストップ層以上であり、
第2の導伝型を有するクラッド層を成長する工程と、前
記基板までをストライプ状にエッチングするエッチング
工程と、前記ストライプの側面を第2導伝型の結晶と第
1導伝型の結晶と第2導伝型の結晶を成長させて前記ス
トライプを埋め込む工程とを有する半導体レーザの製造
方法とする。
ーギャップである第1の導伝型を有する導波路層を成長
させる工程と、前記導波路層よりエネルギーギャップが
小さい井戸層と、前記導波路層と前記井戸層との中間の
エネルギーギャップでアンドープの第1のバリア層と、
変調ドープ層と、アンドープの第2のバリア層とを交互
に積層した変調ドープ量子井戸層を成長させる工程と、
エネルギーギャップが前記バリア層以上であり、ドーパ
ントの拡散をストップするストップ層を成長させる工程
と、エネルギーギャップが前記ストップ層以上であり、
第2の導伝型を有するクラッド層を成長する工程と、前
記基板までをストライプ状にエッチングするエッチング
工程と、前記ストライプの側面を第2導伝型の結晶と第
1導伝型の結晶と第2導伝型の結晶を成長させて前記ス
トライプを埋め込む工程とを有する半導体レーザの製造
方法とする。
【0012】
【作用】変調ドープ構造を保存するためには、第1に変
調ドープ層に添加するドーパントの濃度を結晶の組成に
依存するドーパントの飽和濃度以下にする必要がある。
しかしながら変調ドープ層のドーパントの量が飽和濃度
以下の場合においても、変調ドープ構造が消失すること
がある。これは変調ドープ層近傍に飽和濃度以上のドー
パントが添加された層が存在するときに発生する。従っ
て、飽和濃度の低い層を変調ドープ層から離して設置す
るとともにドーパントの量を飽和濃度以下とする必要が
ある。本発明では、クラッド層内のZnの濃度をZnの
飽和濃度以下にすることや、クラッド層内に飽和濃度近
くのZnをドーピングした場合においても、クラッド層
と変調ドープ層間にアンドープ層を挿入することで拡散
を防止することが出来る。しかしながら、レーザ構造を
作製時には、導波路層内にドーピングする必要も生ずる
為に、ドーパントであるZn飽和濃度の低いInP等に
替えて、例えばInGaAsP等の層を挿入すること
で、変調ドープ構造の保存を実現している。
調ドープ層に添加するドーパントの濃度を結晶の組成に
依存するドーパントの飽和濃度以下にする必要がある。
しかしながら変調ドープ層のドーパントの量が飽和濃度
以下の場合においても、変調ドープ構造が消失すること
がある。これは変調ドープ層近傍に飽和濃度以上のドー
パントが添加された層が存在するときに発生する。従っ
て、飽和濃度の低い層を変調ドープ層から離して設置す
るとともにドーパントの量を飽和濃度以下とする必要が
ある。本発明では、クラッド層内のZnの濃度をZnの
飽和濃度以下にすることや、クラッド層内に飽和濃度近
くのZnをドーピングした場合においても、クラッド層
と変調ドープ層間にアンドープ層を挿入することで拡散
を防止することが出来る。しかしながら、レーザ構造を
作製時には、導波路層内にドーピングする必要も生ずる
為に、ドーパントであるZn飽和濃度の低いInP等に
替えて、例えばInGaAsP等の層を挿入すること
で、変調ドープ構造の保存を実現している。
【0013】
【実施例】以下に示す実施例を実現するために次のよう
な予備実験を試みた。
な予備実験を試みた。
【0014】図14に示すように井戸層の厚みが5n
m、バリア層の厚みが10nmで中央の3nmの領域に
Znを1×1018cm-3ドーピングした10ペアーの変
調ドープMQW構造に於て、変調ドーピング構造を成長
した後に通常クラッド層としてp−InP層を300n
m成長する。成長温度は620度で、成長時間は90分
であった。成長後変調ドーピング構造をSIMSで測定
した結果、変調ドープ構造は保存されていることを確認
した。
m、バリア層の厚みが10nmで中央の3nmの領域に
Znを1×1018cm-3ドーピングした10ペアーの変
調ドープMQW構造に於て、変調ドーピング構造を成長
した後に通常クラッド層としてp−InP層を300n
m成長する。成長温度は620度で、成長時間は90分
であった。成長後変調ドーピング構造をSIMSで測定
した結果、変調ドープ構造は保存されていることを確認
した。
【0015】しかしながら、PBH構造(レーザの埋め
込み構造)とするために液層成長法(Liquid Phase
Epitaxy)にてp−n−p−InP層で電流狭搾層を埋
め込み成長した後、変調ドープ構造を再びSIMSで測
定した結果変調ドープ構造は消滅していた。
込み構造)とするために液層成長法(Liquid Phase
Epitaxy)にてp−n−p−InP層で電流狭搾層を埋
め込み成長した後、変調ドープ構造を再びSIMSで測
定した結果変調ドープ構造は消滅していた。
【0016】一方、変調ドーピング構造を成長した後に
図10(a)に示すように、p−InP層にかえてアン
ドープ−InP層を300nm成長し、その後p−In
P層を成長して変調ドープ構造をSIMSにより測定し
た結果変調ドープ構造は保存されていることを確認し
た。
図10(a)に示すように、p−InP層にかえてアン
ドープ−InP層を300nm成長し、その後p−In
P層を成長して変調ドープ構造をSIMSにより測定し
た結果変調ドープ構造は保存されていることを確認し
た。
【0017】図10の結果から、変調ドーピング構造を
成長した後に成長するInP層の濃度が0の場合(bの
場合)には、(a)の結果から変調ドープ構造が保存さ
れていることがわかるが、InPの濃度が1×1018c
m-3の場合(cの場合)には変調ドープ構造が消滅して
いる。従って、変調ドープ層に隣接してアンドープIn
Pは成長できても、ドーピングしたp−InP結晶を成
長できないことが分かる。
成長した後に成長するInP層の濃度が0の場合(bの
場合)には、(a)の結果から変調ドープ構造が保存さ
れていることがわかるが、InPの濃度が1×1018c
m-3の場合(cの場合)には変調ドープ構造が消滅して
いる。従って、変調ドープ層に隣接してアンドープIn
Pは成長できても、ドーピングしたp−InP結晶を成
長できないことが分かる。
【0018】上記の実験結果より、変調ドーピング層近
傍にドーピングしたp−InP層がある場合には変調ド
ープ構造が消滅してしまうが、p−InP層にドーピン
グしていない場合は変調ドープ構造はまったく変化して
いない。変調ドープ構造の消滅はp−InP層にドーピ
ングしたZnが格子間原子Zniとして変調ドープ層内
に拡散しいき、変調ドープ構造を破壊するものと考え
る。従って、変調ドープ構造を保存するためには2つの
方法が考えられる。
傍にドーピングしたp−InP層がある場合には変調ド
ープ構造が消滅してしまうが、p−InP層にドーピン
グしていない場合は変調ドープ構造はまったく変化して
いない。変調ドープ構造の消滅はp−InP層にドーピ
ングしたZnが格子間原子Zniとして変調ドープ層内
に拡散しいき、変調ドープ構造を破壊するものと考え
る。従って、変調ドープ構造を保存するためには2つの
方法が考えられる。
【0019】1.図3(a)に示すように、ドーピング
したp−InP層9を変調ドープ量子井戸層7より離れ
た位置におき、p−InP層9から拡散してくるZnの
格子間原子Zniの数を低下させる。図3(a)に示す
ようにp−InPクラッド層9の下にZnの拡散をスト
ップするp−InGaAsP層8を設置した。この、p
−InGaAsP層8は第2の導波路としても作用す
る。InGaAsP層8はZnの固溶限が高いために、
たとえZnがクラッド層9から拡散してきてもこのIn
GaAsP層8でZnはストップする。したがって、I
nGaAsP層8は、Znの格子間原子Zniを発生す
ることなくp−InPクラッド層9と変調ドープ層7の
間で低抵抗層として作用する。
したp−InP層9を変調ドープ量子井戸層7より離れ
た位置におき、p−InP層9から拡散してくるZnの
格子間原子Zniの数を低下させる。図3(a)に示す
ようにp−InPクラッド層9の下にZnの拡散をスト
ップするp−InGaAsP層8を設置した。この、p
−InGaAsP層8は第2の導波路としても作用す
る。InGaAsP層8はZnの固溶限が高いために、
たとえZnがクラッド層9から拡散してきてもこのIn
GaAsP層8でZnはストップする。したがって、I
nGaAsP層8は、Znの格子間原子Zniを発生す
ることなくp−InPクラッド層9と変調ドープ層7の
間で低抵抗層として作用する。
【0020】2.図3(b)に示すように、p−InP
層9のZn濃度を低下させる。p−InP層9内に固溶
可能なZnの量は結晶成長温度と結晶成長時のトータル
ガス量にも依存するが、だいたい1×1018cm-3と考
えられる。固溶限近傍の濃度を使用した場合、大量の格
子間原子Zniが発生する。従って、p−InPクラッ
ド層9は、格子間原子Zniが殆ど発生しない5×10
17cm-3程度のドーピングを行う必要がある。
層9のZn濃度を低下させる。p−InP層9内に固溶
可能なZnの量は結晶成長温度と結晶成長時のトータル
ガス量にも依存するが、だいたい1×1018cm-3と考
えられる。固溶限近傍の濃度を使用した場合、大量の格
子間原子Zniが発生する。従って、p−InPクラッ
ド層9は、格子間原子Zniが殆ど発生しない5×10
17cm-3程度のドーピングを行う必要がある。
【0021】上記2つの手段は、変調ドープ量子井戸層
に、この層の外部からZn元素が拡散してくるのを防止
するものであった。この手段だけだと、確かに変調ドー
プ層外部から変調ドープ層に拡散してくるドーピング元
素は防止できるが、変調ドープ層自身にドープした元素
が拡散して、変調ドープ層を破壊するのを防ぐことはで
きない。したがって、これらの手段に加えて、図4
(a)のように、変調ドープ層内のドーピング元素(Z
n)が拡散して、変調ドープ層から外部へ拡散するのを
防止する必要がある。これには次の3つの方法がある。
に、この層の外部からZn元素が拡散してくるのを防止
するものであった。この手段だけだと、確かに変調ドー
プ層外部から変調ドープ層に拡散してくるドーピング元
素は防止できるが、変調ドープ層自身にドープした元素
が拡散して、変調ドープ層を破壊するのを防ぐことはで
きない。したがって、これらの手段に加えて、図4
(a)のように、変調ドープ層内のドーピング元素(Z
n)が拡散して、変調ドープ層から外部へ拡散するのを
防止する必要がある。これには次の3つの方法がある。
【0022】1.p−InGaAsP変調ドープ層5の
変調ドーピング濃度をInGaAsP結晶の固溶限以下
にする。これは先に説明したp−InPクラッド層9と
同様に、固溶限をこえるZnをドーピングした場合、変
調ドーピング層自体で発生する格子間原子Zniにより
変調ドープ層が消滅するためである。図11にp−In
GaAsP変調ドープ層のZnの濃度を1×1018cm
-3、2×1018cm-3、5×1018cmー3として変調ド
ープ構造の変化を示す。その結果、Zn濃度を2×10
18cm-3以下では変調ドープ構造が保存されており、Z
n濃度を2×1018cm-3以下にする必要があることが
分かった。
変調ドーピング濃度をInGaAsP結晶の固溶限以下
にする。これは先に説明したp−InPクラッド層9と
同様に、固溶限をこえるZnをドーピングした場合、変
調ドーピング層自体で発生する格子間原子Zniにより
変調ドープ層が消滅するためである。図11にp−In
GaAsP変調ドープ層のZnの濃度を1×1018cm
-3、2×1018cm-3、5×1018cmー3として変調ド
ープ構造の変化を示す。その結果、Zn濃度を2×10
18cm-3以下では変調ドープ構造が保存されており、Z
n濃度を2×1018cm-3以下にする必要があることが
分かった。
【0023】2.p−InGaAsP変調ドープ層5は
変調ドープしているので、Znの濃度が大きいために、
Znはこの層から外部へ拡散しようとする。このZnの
拡散を防止するには、Znの拡散によりp−InGaA
sP変調ドープ層の結晶エネルギーが上昇して、不安定
な状態になるようにすればZnの拡散は抑制できるはず
である。
変調ドープしているので、Znの濃度が大きいために、
Znはこの層から外部へ拡散しようとする。このZnの
拡散を防止するには、Znの拡散によりp−InGaA
sP変調ドープ層の結晶エネルギーが上昇して、不安定
な状態になるようにすればZnの拡散は抑制できるはず
である。
【0024】例えば、変調ドープを行なう層の結晶(変
調ドープ層)の格子定数が隣接するバリア層の格子定数
より大きい場合、変調ドープを行なう層は圧縮歪を発生
し、不安定な状態となって結晶の内部エネルギーが上昇
するが、ドーピングするZnの濃度を大きくするに従
い、変調ドープ層の格子定数が小さくなるために、Zn
をドーピングすることで圧縮歪は低減されて結晶は安定
な状態となる。
調ドープ層)の格子定数が隣接するバリア層の格子定数
より大きい場合、変調ドープを行なう層は圧縮歪を発生
し、不安定な状態となって結晶の内部エネルギーが上昇
するが、ドーピングするZnの濃度を大きくするに従
い、変調ドープ層の格子定数が小さくなるために、Zn
をドーピングすることで圧縮歪は低減されて結晶は安定
な状態となる。
【0025】すなわち、あらかじめ変調ドープ層に圧縮
歪を与えておく(変調ドープ層の格子定数を隣接するバ
リア層より大きくしておく)と、変調ドープ層からZn
の拡散によりZn濃度が低下することで結晶のエネルギ
ーの上昇が伴うために、Znの拡散は抑制される。従っ
て、変調ドープ層の格子定数を、隣接するバリア層の格
子定数より大きくすることで、アンドープ−InGaA
sP層へのZnの拡散を抑制できた。この場合、変調ド
ープ層に添加するZn濃度は5×1018cm-3まで増加
できた。
歪を与えておく(変調ドープ層の格子定数を隣接するバ
リア層より大きくしておく)と、変調ドープ層からZn
の拡散によりZn濃度が低下することで結晶のエネルギ
ーの上昇が伴うために、Znの拡散は抑制される。従っ
て、変調ドープ層の格子定数を、隣接するバリア層の格
子定数より大きくすることで、アンドープ−InGaA
sP層へのZnの拡散を抑制できた。この場合、変調ド
ープ層に添加するZn濃度は5×1018cm-3まで増加
できた。
【0026】3.変調ドープ量子井戸層の井戸層とバリ
ア層のエネルギー状態を図4(b)に示す。バリア層を構
成するInGaAsP結晶は図4(c)に示したように、
エネルギーギャップが小さくなる結晶組成にした方がZ
nの飽和濃度が上昇する。しかしながら、バリア層の結
晶のエネルギーギャップを小さくした場合には井戸層と
バリア層のエネルギーギャップ差が減少して、レーザに
供給した電子が井戸層から溢れて発光効率が低減する問
題があった。そこで、バリア層のうち変調ドープ層5の
結晶のエネルギーギャップは小さくしないで、アンドー
プ−InGaAsP層4の組成のみをエネルギーギャッ
プが小さくして、そのかわりにZnの飽和濃度の大きい
結晶とすることができるために、変調ドープ層5から拡
散してくるZn原子をアンドープ−InGaAsP層4
でストップすることができる。すなわち、アンドープ−
InGaAsP層4の組成をバリア層の変調ドープ層5
の組成と井戸層3の組成との中間とすることで、アンド
ープ−InGaAsP層4のZnの固溶限が増大し、拡
散が抑制される。この場合、図13に示したように、変
調ドープ層に添加するZn濃度は8×1018cm-3まで
増加した。
ア層のエネルギー状態を図4(b)に示す。バリア層を構
成するInGaAsP結晶は図4(c)に示したように、
エネルギーギャップが小さくなる結晶組成にした方がZ
nの飽和濃度が上昇する。しかしながら、バリア層の結
晶のエネルギーギャップを小さくした場合には井戸層と
バリア層のエネルギーギャップ差が減少して、レーザに
供給した電子が井戸層から溢れて発光効率が低減する問
題があった。そこで、バリア層のうち変調ドープ層5の
結晶のエネルギーギャップは小さくしないで、アンドー
プ−InGaAsP層4の組成のみをエネルギーギャッ
プが小さくして、そのかわりにZnの飽和濃度の大きい
結晶とすることができるために、変調ドープ層5から拡
散してくるZn原子をアンドープ−InGaAsP層4
でストップすることができる。すなわち、アンドープ−
InGaAsP層4の組成をバリア層の変調ドープ層5
の組成と井戸層3の組成との中間とすることで、アンド
ープ−InGaAsP層4のZnの固溶限が増大し、拡
散が抑制される。この場合、図13に示したように、変
調ドープ層に添加するZn濃度は8×1018cm-3まで
増加した。
【0027】また、バリア層に於て、エネルギーギャッ
プの大きいアンドープ層をエネルギーギャップの小さい
変調ドープ層で挟む構造とすることでも井戸層とバリア
層のエネルギーギャップを大きくした構造でZnのドー
ピング濃度を大きくできた。
プの大きいアンドープ層をエネルギーギャップの小さい
変調ドープ層で挟む構造とすることでも井戸層とバリア
層のエネルギーギャップを大きくした構造でZnのドー
ピング濃度を大きくできた。
【0028】さらに、変調ドープ層のエネルギーギャッ
プを小さくして、アンドープ層のエネルギーギャップを
大きくすることでも井戸層とバリア層のエネルギーギャ
ップを大きくした構造でZnのドーピング濃度を大きく
できた。
プを小さくして、アンドープ層のエネルギーギャップを
大きくすることでも井戸層とバリア層のエネルギーギャ
ップを大きくした構造でZnのドーピング濃度を大きく
できた。
【0029】(実施例1)以下本発明の一実施例の半導
体レーザについて、図面を参照しながら説明する。
体レーザについて、図面を参照しながら説明する。
【0030】図1は本発明の実施例における歪量子井戸
半導体レーザの構造図を示すものである。図1、図2に
おいて、1はSnドープInP基板、2はn−InGa
AsP導波路層、3は厚み5nmのInGaAs井戸
層、4は厚み3.5nmのアンドープ−InGaAsP
層、5は厚み3nmのp−InGaAsP変調ドープ
層、6は厚み3.5nmのアンドープ−InGaAsP
層、7は井戸数10の変調ドープ量子井戸層、8は厚み
90nmのp−InGaAsP層、9はp−InPクラ
ッド層(Zn=7×1017cm−3)、10はp−n−
p電流ブロック層、11はメサ形状の活性層領域、12
はAu/Snよりなるn側電極、13はAu/Znより
なるp側電極である。また図2に変調ドープ量子井戸層
の詳細図とそのエネルギー状態図を示している。この図
2のように、変調ドープ量子井戸層7はInGaAs井
戸層3と、アンドープInGaAsP層とp−InGa
AsP変調ドープ層とからなるバリア層からできてい
る。
半導体レーザの構造図を示すものである。図1、図2に
おいて、1はSnドープInP基板、2はn−InGa
AsP導波路層、3は厚み5nmのInGaAs井戸
層、4は厚み3.5nmのアンドープ−InGaAsP
層、5は厚み3nmのp−InGaAsP変調ドープ
層、6は厚み3.5nmのアンドープ−InGaAsP
層、7は井戸数10の変調ドープ量子井戸層、8は厚み
90nmのp−InGaAsP層、9はp−InPクラ
ッド層(Zn=7×1017cm−3)、10はp−n−
p電流ブロック層、11はメサ形状の活性層領域、12
はAu/Snよりなるn側電極、13はAu/Znより
なるp側電極である。また図2に変調ドープ量子井戸層
の詳細図とそのエネルギー状態図を示している。この図
2のように、変調ドープ量子井戸層7はInGaAs井
戸層3と、アンドープInGaAsP層とp−InGa
AsP変調ドープ層とからなるバリア層からできてい
る。
【0031】以上のように構成されたこの実施例の半導
体レーザの構造について、以下図1を用いてその動作を
説明する。p側電極13から導入された電流は、電流ブ
ロック層10で狭搾された後、変調ドープ量子井戸7に
注入される。
体レーザの構造について、以下図1を用いてその動作を
説明する。p側電極13から導入された電流は、電流ブ
ロック層10で狭搾された後、変調ドープ量子井戸7に
注入される。
【0032】変調ドープ層5にはZnが2×1018cm
-3ドーピングされている。図11に示したように、この
ドーピング量は変調ドープ層5は破壊されない濃度であ
る。
-3ドーピングされている。図11に示したように、この
ドーピング量は変調ドープ層5は破壊されない濃度であ
る。
【0033】井戸層の膜厚は井戸層の組成において1.
55μmの発光波長が得られるよう5nmに設定した。
この第1の実施例ではp−InPクラッド層9と変調ド
ープ量子井戸層7との間にp−InGaAsP層8を積
層して、p−InPクラッド層9からのZnの拡散を抑
制した結果、p−InGaAsP層8内で格子間原子Z
ni濃度が減衰して、変調ドープ量子井戸層7内の変調
ドープ層のZnのプロファイルは保存されていることを
確認した。
55μmの発光波長が得られるよう5nmに設定した。
この第1の実施例ではp−InPクラッド層9と変調ド
ープ量子井戸層7との間にp−InGaAsP層8を積
層して、p−InPクラッド層9からのZnの拡散を抑
制した結果、p−InGaAsP層8内で格子間原子Z
ni濃度が減衰して、変調ドープ量子井戸層7内の変調
ドープ層のZnのプロファイルは保存されていることを
確認した。
【0034】実際、本実施例に示したレーザを作製して
諸特性を評価した結果、緩和振動周波数は10GHz/
mWとなり同一構造で変調ドーピングしていない場合の
6GHz/mWに対して1.7倍に向上した。これは、
変調ドープ構造の適応により微分ゲインが増大しためと
考えられる。
諸特性を評価した結果、緩和振動周波数は10GHz/
mWとなり同一構造で変調ドーピングしていない場合の
6GHz/mWに対して1.7倍に向上した。これは、
変調ドープ構造の適応により微分ゲインが増大しためと
考えられる。
【0035】(実施例2)以下本発明の第2の実施例に
ついて図面を参照しながら説明する。
ついて図面を参照しながら説明する。
【0036】図5は本発明の第2の実施例の歪量子井戸
半導体レーザの構造図を示すものである。図1における
p−InGaAsP変調ドープ層5の組成を+0.5%
の圧縮歪が発生するようにIn0.76Ga0.24As0.61P
0.39歪変調ドープ層14とする。これによって歪変調ド
ープ層14は隣接するバリア層からさらに、変調ドーピ
ング濃度は5×1018cm-3とした。図11に示したよ
うに、このドーピング量では、変調ドープ層は破壊され
てしまうが、本実施例のように変調ドープ層に圧縮歪を
いれた歪変調ドープ層14とすることで、ドーピング濃
度を高めても変調ドープ層は破壊されなかった。
半導体レーザの構造図を示すものである。図1における
p−InGaAsP変調ドープ層5の組成を+0.5%
の圧縮歪が発生するようにIn0.76Ga0.24As0.61P
0.39歪変調ドープ層14とする。これによって歪変調ド
ープ層14は隣接するバリア層からさらに、変調ドーピ
ング濃度は5×1018cm-3とした。図11に示したよ
うに、このドーピング量では、変調ドープ層は破壊され
てしまうが、本実施例のように変調ドープ層に圧縮歪を
いれた歪変調ドープ層14とすることで、ドーピング濃
度を高めても変調ドープ層は破壊されなかった。
【0037】以上のように構成されたこの実施例の半導
体レーザの構造では、変調ドープ層内でのZnの拡散が
抑制されるためにZnを第1の実施例の2.5倍の濃度に
できる。その結果、緩和振動周波数frは13GHzと
さらに向上した。
体レーザの構造では、変調ドープ層内でのZnの拡散が
抑制されるためにZnを第1の実施例の2.5倍の濃度に
できる。その結果、緩和振動周波数frは13GHzと
さらに向上した。
【0038】(実施例3)以下本発明の第3の実施例に
ついて図面を参照しながら説明する。
ついて図面を参照しながら説明する。
【0039】図6本発明の第2の実施例の歪量子井戸半
導体レーザの構造図を示すものである。前記図5におけ
るp−InGaAsP歪変調ドープ層14に隣接するア
ンドープ−InGaAsP層4の組成を変調ドープ層の
組成と井戸層の組成との中間とする階段型バリア層15
にすることでアンドープ−InGaAsP層のZnの固
溶限が増大し、拡散が抑制される。変調ドーピング濃度
は8×1018cm-3とした。このドーピング量も図11
に示した変調ドープ層が破壊されない濃度よりも大きい
が、変調ドープ層5に隣接する層を階段型バリア層15
とすることで変調ドープ層にドープする量を大きくでき
た。
導体レーザの構造図を示すものである。前記図5におけ
るp−InGaAsP歪変調ドープ層14に隣接するア
ンドープ−InGaAsP層4の組成を変調ドープ層の
組成と井戸層の組成との中間とする階段型バリア層15
にすることでアンドープ−InGaAsP層のZnの固
溶限が増大し、拡散が抑制される。変調ドーピング濃度
は8×1018cm-3とした。このドーピング量も図11
に示した変調ドープ層が破壊されない濃度よりも大きい
が、変調ドープ層5に隣接する層を階段型バリア層15
とすることで変調ドープ層にドープする量を大きくでき
た。
【0040】以上のように構成されたこの実施例の半導
体レーザの構造では、変調ドープ層内でのZnの拡散が
抑制されるためにZnを第1の実施例の4倍の濃度とで
きる。その結果、緩和振動周波数frは15GHzとさ
らに向上した。
体レーザの構造では、変調ドープ層内でのZnの拡散が
抑制されるためにZnを第1の実施例の4倍の濃度とで
きる。その結果、緩和振動周波数frは15GHzとさ
らに向上した。
【0041】(実施例4)図4は本発明の実施例におけ
る半導体レーザの製造方法を示すものである。
る半導体レーザの製造方法を示すものである。
【0042】SnドープInP基板1上にMOVPE法
を用いて膜厚60nmのn−InGaAsP導波路層2
を成長する。次に、膜厚5nmのInGaAs井戸層
3、膜厚3.5nmのアンドープ−InGaAsPバリ
ア層4、膜厚3nmのp−InGaAsP変調ドープ層
5、膜厚3.5nmのアンドープ−InGaAsPバリ
ア層6を1ペアとして、井戸層3と3層よりなるバリア
層4〜6を繰り返し成長し、ペア数10の変調ドープ量
子井戸層7とする。
を用いて膜厚60nmのn−InGaAsP導波路層2
を成長する。次に、膜厚5nmのInGaAs井戸層
3、膜厚3.5nmのアンドープ−InGaAsPバリ
ア層4、膜厚3nmのp−InGaAsP変調ドープ層
5、膜厚3.5nmのアンドープ−InGaAsPバリ
ア層6を1ペアとして、井戸層3と3層よりなるバリア
層4〜6を繰り返し成長し、ペア数10の変調ドープ量
子井戸層7とする。
【0043】さらにZnストップ層としてp−InGa
AsP層8(Zn=5×1017cm -3)、p−InPク
ラッド層9(Zn=5×1017cm-3)を連続的に成長
して結晶成長工程(図7(a))とする。
AsP層8(Zn=5×1017cm -3)、p−InPク
ラッド層9(Zn=5×1017cm-3)を連続的に成長
して結晶成長工程(図7(a))とする。
【0044】つぎに、p−InPクラッド層9からn−
InGaAsP導波路層2をメサ状11にエッチングす
るメサエッチング工程(図7(b))。
InGaAsP導波路層2をメサ状11にエッチングす
るメサエッチング工程(図7(b))。
【0045】そしてp−InP,n−InP,p−In
P電流ブロ ック層10をLPE成長する埋め込み成長
工程(図7(c))。
P電流ブロ ック層10をLPE成長する埋め込み成長
工程(図7(c))。
【0046】最後に、n側電極 12とp側電極13を
蒸着により形成する電極蒸着工程(図7(d))を行いレ
ー ザ構造を得る。
蒸着により形成する電極蒸着工程(図7(d))を行いレ
ー ザ構造を得る。
【0047】以上のように作製されたこの実施例の半導
体レーザの変調ドープ層5とp−InP層9のZn濃度
の決定を以下に説明する。
体レーザの変調ドープ層5とp−InP層9のZn濃度
の決定を以下に説明する。
【0048】DMZn(ジメチルZn)の流量とホール濃
度の関係を求めた結果、図12の結果が得られた。ここ
で、InPでは、ホール濃度が9×1017cm-3で飽和
しており、InGaAsPでは5×1018cm-3で飽和
している。従って、InPにドーピングするZnの濃度
は、飽和濃度の1/2である5×1017cm-3、InG
aAsPにドーピングするZnの濃度は、3×1018c
m-3とした。全流量は5L/min、成長温度は640
℃である。
度の関係を求めた結果、図12の結果が得られた。ここ
で、InPでは、ホール濃度が9×1017cm-3で飽和
しており、InGaAsPでは5×1018cm-3で飽和
している。従って、InPにドーピングするZnの濃度
は、飽和濃度の1/2である5×1017cm-3、InG
aAsPにドーピングするZnの濃度は、3×1018c
m-3とした。全流量は5L/min、成長温度は640
℃である。
【0049】以上に示した半導体レーザの製造方法によ
り第1の実施例の半導体レーザが実現される。
り第1の実施例の半導体レーザが実現される。
【0050】また、第2、第3の実施例に示した半導体
レーザの製造方法も、ほぼこの第1の実施例の製造方法
と同じである。異なる点は、第2の実施例では変調ドー
プ層とりて、InGaAsP歪変調ドープ層14を成長
させるところであり、第3の実施例では、アンドープバ
リア層をアンドープInGaAsP階段型バリア層とし
て成長させるところである。
レーザの製造方法も、ほぼこの第1の実施例の製造方法
と同じである。異なる点は、第2の実施例では変調ドー
プ層とりて、InGaAsP歪変調ドープ層14を成長
させるところであり、第3の実施例では、アンドープバ
リア層をアンドープInGaAsP階段型バリア層とし
て成長させるところである。
【0051】なお、以上の実施例において、InP系化
合物半導体の結晶を用いたがその他の結晶例えばSi
系、GaAS系、ZnSeS系、InAlAs系、Al
GaAs系InGaAlAsP系等の半導体材料でもよ
い。また、Znをドーパントとして使用しているが、B
e,Mg、Cd、Se,S、Te、Cでもよい。レーザ
構造をDHレーザとしたが、DFBレーザ、DBRレー
ザなど付加価値の高いレーザへの適応が可能である。ま
た、活性層の構造をPBHタイプとしたが、その他の構
造でもよい。さらに本実施例では変調ドープ構造をレー
ザに適応したが、導波路、受光素子等への適応が可能で
ある。また、Znストップ層としてp−InGaAsP
としたが、アンドープ−InP、アンドープ−InGa
AsPさらにはグレーティッドなアンドープ−InGa
AsPであってもよい。
合物半導体の結晶を用いたがその他の結晶例えばSi
系、GaAS系、ZnSeS系、InAlAs系、Al
GaAs系InGaAlAsP系等の半導体材料でもよ
い。また、Znをドーパントとして使用しているが、B
e,Mg、Cd、Se,S、Te、Cでもよい。レーザ
構造をDHレーザとしたが、DFBレーザ、DBRレー
ザなど付加価値の高いレーザへの適応が可能である。ま
た、活性層の構造をPBHタイプとしたが、その他の構
造でもよい。さらに本実施例では変調ドープ構造をレー
ザに適応したが、導波路、受光素子等への適応が可能で
ある。また、Znストップ層としてp−InGaAsP
としたが、アンドープ−InP、アンドープ−InGa
AsPさらにはグレーティッドなアンドープ−InGa
AsPであってもよい。
【0052】なお、本実施例ではデバイスはレーザとし
たが、ドーピングを用いるデバイスであれば電子デバイ
ス(例えば、HEMT,HFET,HBT等)であって
もよい。
たが、ドーピングを用いるデバイスであれば電子デバイ
ス(例えば、HEMT,HFET,HBT等)であって
もよい。
【0053】結晶成長方法はMOVPE法としたが、ガ
スソースMBE、MOMBE法のみならず、ハイドライ
ドVPE法など他の成長方法を用いてもよい。また、実
施例では半導体レーザの製造方法を示したが、同様な方
法で光導波路を作製することができる。
スソースMBE、MOMBE法のみならず、ハイドライ
ドVPE法など他の成長方法を用いてもよい。また、実
施例では半導体レーザの製造方法を示したが、同様な方
法で光導波路を作製することができる。
【0054】さらに、結晶基板の伝導性としてn型基板
を使用したが、高光出力レーザ装置とする場合にはp側
電極の金属と半導体との接触抵抗を下げるためにp型基
板が用いられるが、この場合も添加元素はp型とすれば
よい。
を使用したが、高光出力レーザ装置とする場合にはp側
電極の金属と半導体との接触抵抗を下げるためにp型基
板が用いられるが、この場合も添加元素はp型とすれば
よい。
【0055】また、変調ドープ構造を実現するために添
加するドーパントとしてはp型を示したが、n型でもよ
い。
加するドーパントとしてはp型を示したが、n型でもよ
い。
【0056】
【発明の効果】以上のように本発明は、井戸層よりエネ
ルギーギャップが大きくクラッド層よりドーパントの固
溶限の大きい結晶よりなるドーパント拡散ストップ層を
設けると共に、ドーパントの拡散が抑制される変調ドー
プ構造をとることにより、微分ゲインを増大して、低閾
値、高スロープ効率、高動作速度、低歪の半導体レーザ
を実現することができる。
ルギーギャップが大きくクラッド層よりドーパントの固
溶限の大きい結晶よりなるドーパント拡散ストップ層を
設けると共に、ドーパントの拡散が抑制される変調ドー
プ構造をとることにより、微分ゲインを増大して、低閾
値、高スロープ効率、高動作速度、低歪の半導体レーザ
を実現することができる。
【0057】さらに、導波路層が量子井戸層の両側に存
在するため、光出力が最大の部分が量子井戸層中心にき
て、光の閉じ込め係数Γが向上し、光出力が増大する。
在するため、光出力が最大の部分が量子井戸層中心にき
て、光の閉じ込め係数Γが向上し、光出力が増大する。
【図1】本発明の第1の実施例における変調ドープMQ
Wレーザの構造断面図
Wレーザの構造断面図
【図2】変調ドープ量子井戸層の構造と、エネルギー状
態を示す図
態を示す図
【図3】クラッド層とZnストップ層におけるZnの振
舞いを示す図
舞いを示す図
【図4】(a)は変調ドープ層におけるZnの振舞いを示
す図 (b)は変調ドープ層のエネルギー状態図 (c)はエネルギーギャプとZn飽和濃度との関係を示す
図
す図 (b)は変調ドープ層のエネルギー状態図 (c)はエネルギーギャプとZn飽和濃度との関係を示す
図
【図5】本発明の第2の実施例における変調ドープMQ
Wレーザの構造断面図
Wレーザの構造断面図
【図6】本発明の第3の実施例における変調ドープMQ
Wレーザの構造断面図
Wレーザの構造断面図
【図7】本発明の第4の実施例における変調ドープMQ
Wレーザの製造工程断面を示す図
Wレーザの製造工程断面を示す図
【図8】従来の変調ドープMQWレーザの概略図
【図9】(a)は従来の変調ドープ量子井戸のBe濃度分
布を示す図 (b)は従来の変調ドープ量子井戸構造図 (c)は従来の変調ドープ量子井戸構造図 (d)は従来の変調ドープ量子井戸を用いてレーザを作製
した場合の変調ドープ量子井戸構造図
布を示す図 (b)は従来の変調ドープ量子井戸構造図 (c)は従来の変調ドープ量子井戸構造図 (d)は従来の変調ドープ量子井戸を用いてレーザを作製
した場合の変調ドープ量子井戸構造図
【図10】p−InP結晶の成長時における変調ドープ
構造の保存状況を示す図
構造の保存状況を示す図
【図11】変調ドーピング濃度と変調ドープ構造の保存
状況を示す図
状況を示す図
【図12】InPとInGaAsPに対するDMZnの
流量とホール濃度の関係を示す図
流量とホール濃度の関係を示す図
【図13】変調ドーピング濃度と変調ドープ構造の保存
状況を示す図
状況を示す図
【図14】従来の変調ドープ量子井戸の断面構造とエネ
ルギー準位示す図
ルギー準位示す図
1 SnドープInP基板 2 n−InGaAsP導波路層 3 InGaAs井戸層 4 ノンドープ−InGaAsPバリア層 5 p−InGaAsP変調ドープ層 6 ノンドープ−InGaAsPバリア層 7 変調ドープ量子井戸 8 p−InGaAsPZnストップ層 9 p−InPクラッド層 10 p−n−p電流ブロック層 11 メサ形状領域 12 Au/Snよりなるn側電極 13 Au/Znよりなるp側電極 14 p−InGaAsP歪変調ドープ層 15 ノンドープ−InGaAsP階段型バリア層 16 ノンドープ−InGaAsP階段型バリア層
フロントページの続き (72)発明者 松井 康 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−154472(JP,A) 特開 平2−33990(JP,A) 特開 平3−77391(JP,A) 特開 平1−181589(JP,A) 特開 平4−162483(JP,A) IEEE PHOTON.TECH. LETT.2〜4!(1990)P.231− 233
Claims (7)
- 【請求項1】基板と、前記基板上に第1導伝型の導波路
層と、井戸層とバリア層が交互に積層され、前記バリア
層に変調ドープされた変調ドープ量子井戸層と、ドーパ
ントの拡散をストップするストップ層と、第2導伝型の
クラッド層とが順に積層された構造であり、 前記導波路層のエネルギーギャップは、前記基板のエネ
ルギーギャップ以下であり、 前記井戸層は、前記導波路層よりエネルギーギャップが
小さく、 前記バリア層は、前記導波路層と前記井戸層の中間のエ
ネルギーギャップで、一部に導伝性を有する変調ドープ
層を含み、 前記ストップ層のエネルギ−ギャップは、前記バリア層
のエネルギーギャップ以上であり、かつドーパントがそ
の固溶限以下に添加された結晶であることを特徴とする
半導体レーザ。 - 【請求項2】クラッド層のドーパントの添加量を固溶限
以下とすることを特徴とする請求項1記載の半導体レー
ザ。 - 【請求項3】バリア層のドーパントの添加量を固溶限以
下とすることを特徴とする請求項1または2記載の半導
体レーザ。 - 【請求項4】変調ドープ層は、ドーピングにより歪が低
減するような格子不整合を有することを特徴とする請求
項1、2または3記載の半導体レーザ。 - 【請求項5】変調ドープ層がバリア層と異なるエネルギ
ーギャップを有することを特徴とする請求項1、2また
は3記載の半導体レーザ。 - 【請求項6】基板の導伝型と、バリア層が有する変調ド
ープ層の導伝型が共にp型であることを特徴とする請求
項1〜5のいずれか1項記載の半導体レーザ。 - 【請求項7】基板上に、前記基板以下のエネルギーギャ
ップである第1の導伝型を有する導波路層を成長させる
工程と、 前記導波路層よりエネルギーギャップが小さい井戸層
と、前記導波路層と 前記井戸層との中間のエネルギーギャッ
プでアンドープの第1のバリア層と、変調ドープ層と、
アンドープの第2のバリア層とを交互に積層した変調ド
ープ量子井戸層を成長させる工程と、エネルギーギャップが前記バリア層以上であり、 ドーパ
ントの拡散をストップするストップ層を成長させる工程
と、エネルギーギャップが前記ストップ層以上であり、 第2
の導伝型を有するクラッド層を成長する工程と、 前記基板までをストライプ状にエッチングするエッチン
グ工程と、 前記ストライプの側面を第2導伝型の結晶と第1導伝型
の結晶と第2導伝型の結晶を成長させて前記ストライプ
を埋め込む工程とを有することを特徴とする半導体レー
ザの製造方法。
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|---|---|---|---|
| JP4265964A JP2616532B2 (ja) | 1991-10-08 | 1992-10-05 | 半導体レーザおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3-260038 | 1991-10-08 | ||
| JP26003891 | 1991-10-08 | ||
| JP4265964A JP2616532B2 (ja) | 1991-10-08 | 1992-10-05 | 半導体レーザおよびその製造方法 |
Publications (2)
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|---|---|
| JPH05198894A JPH05198894A (ja) | 1993-08-06 |
| JP2616532B2 true JP2616532B2 (ja) | 1997-06-04 |
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ID=26544414
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4265964A Expired - Fee Related JP2616532B2 (ja) | 1991-10-08 | 1992-10-05 | 半導体レーザおよびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2616532B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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-
1992
- 1992-10-05 JP JP4265964A patent/JP2616532B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (1)
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| IEEE PHOTON.TECH.LETT.2〜4!(1990)P.231−233 |
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|---|---|
| JPH05198894A (ja) | 1993-08-06 |
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