JP2643699B2 - ファジィセンサ装置 - Google Patents

ファジィセンサ装置

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JP2643699B2 JP30767191A JP30767191A JP2643699B2 JP 2643699 B2 JP2643699 B2 JP 2643699B2 JP 30767191 A JP30767191 A JP 30767191A JP 30767191 A JP30767191 A JP 30767191A JP 2643699 B2 JP2643699 B2 JP 2643699B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、室内環境などのあいま
いな感覚を検出するファジィセンサ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば「暑い」とか「寒い」という室内
環境に対する感覚のように、人間のあいまいな感覚を検
出する、いわゆるインタンジブル(intangible)センサ
を実現する場合、そのような感覚を評価する方法とし
て、ファジィ推論或いはニューラルネットワークのよう
な多入力系の情報処理技術を利用することが提案されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ファジ
ィ推論を用いて上記のセンサを実現するならば、多数の
データに基づいてファジィルールやメンバシップ関数を
作成するために手間と時間がかかると共に、ファジィ推
論のアルゴリズムを記憶するために大容量のメモリが必
要となるという問題点がある。一方、ニューラルネット
ワークを用いて上記のセンサを実現する場合には、評価
アルゴリズムが完全にブラックボックスになるので、使
用環境や使用条件に応じて特性を調整することができな
いという問題点がある。
【0004】本発明はこれらの問題点に鑑み、大容量の
メモリを必要としないコンパクトなインタンジブル・セ
ンシング・アルゴリズムを用いることができると共に、
このアルゴリズムを状況に応じて調整できるファジィセ
ンサ装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、インタンジブル・センシング・アルゴリ
ズムに「ファジィ数量化II類」の手法を採用したことを
特徴とする。すなわち、本発明のファジィセンサ装置
は、感覚的なあいまい量を検出する検出部と、前記あい
まい量を数量化するために収集したデータからファジィ
数量化II類の手法でカテゴリーウェイトを算出し、得ら
れたカテゴリーウェイトと該検出部からの入力信号とを
用いてサンプルスコアを算出することにより、該サンプ
ルスコアに対する出力の関係を表す特性分布を得、該特
性分布を近似する関数を求めるアルゴリズムを実行する
アルゴリズム実行手段とを備えたことを特徴とする
【0006】本発明の実施の態様では、前記アルゴリズ
ムを実行する手段は、前記アルゴリズムを格納する記憶
部と、前記検出部からの入力に応じて、該記憶部に格納
されたアルゴリズムを実行して得られた関数により前記
感覚的なあいまい量を数値化して出力する演算部とで構
成される。更に、このアルゴリズムは、使用環境や使用
条件に応じて上記関数により調整可能である。
【0007】ここで、ファジィ数量化II類について説明
すると、これはファジィ多変量解析手法の一種である。
ファジィ多変量解析は、通常の多変量解析をファジィ数
あるいはファジィ群まで扱うことができるように拡張さ
れたものであり、現在提案されている主なファジィ多変
量解析技術は、次のとおりである。
【0008】ファジィ回帰分析 回帰分析の係数をファジィ数として扱うことにより可能
性線形回帰モデルを得る手法。
【0009】ファジィ時系列分析 時系列に与えられたファジィ数データを解析して時系列
モデルに可能性分布を反映する手法。
【0010】ファジィ数量化I類 与えられた標本のファジィ群の中で、実数値をとる目的
関数と[0,1]の範囲内の値で示される質的な説明変
数との関係を求める手法。
【0011】ファジィ数量化II類 [0,1]の範囲内の値で示される質的な目的変数と
[0,1]の範囲内の値で示される質的な説明変数のデ
ータから、ファジィ群を表現する線形(一次)式を求め
る手法。
【0012】ファジィ数量化III 類 [0,1]の範囲内の値で示される質的なデータを基
に、ファジィ群のメンバシップ関数値を考慮して各標本
およびカテゴリーを数量的に分類する手法。
【0013】ファジィ数量化IV類 ファジィ群に属する個体のメンバシップ関数値を考慮し
て、個体間の距離と親近性が単調な関係になるような数
値を与える手法。
【0014】これらのうち、ファジィ数量化I類は、質
的な要因(説明変数)に基づいて、量的に与えられた外
的基準(目的変数)を説明するための手法である。
【0015】一方、ファジィ数量化II類は、質的な要因
(説明変数)に基づいて、質的に与えられた外的基準
(ファジィ群)を説明するための手法である。このファ
ジィ数量化II類で扱われるデータを図9に示す。ファジ
ィ数量化I類と異なる点は、外的基準がファジィ群B
1 ,B2 ,‥‥,BM で与えられることである。ファジ
ィ数量化II類の目的は、各カテゴリーAi(i=1,2,
‥‥,K) のカテゴリーウェイトai を係数とする線形
【0016】
【数1】
【0017】によって外的基準の構造を実軸上に最もよ
く表わすように、換言すれば、実軸上で外的基準のファ
ジィ群B1 ,‥‥,BM が最もよく分離されるように、
カテゴリーウェイトai を決めることである。これは、
ファジィ群B r (r=1,…,M)の分離の程度を示す
ファジィ分散比η 2 を最大にする線形式(1) のa i を求
めることである。その求め方は公知であるので、詳細な
説明は省略するが、要約すると、「ファジィ数量化II類
による分析」とは、質的な要因(説明変数)に基づい
て、質的に与えられた外的基準(ファジィ群)を説明す
るため、[0,1]の範囲内の値で示される質的なデー
タから、ファジィ群を特徴づける線形式のカテゴリーウ
ェイトa i を決定し、それらの決定したカテゴリーウェ
イトを係数とする線形式により、各標本(図9の各番号
ωに対応した説明変数と外的基準のデータの組)の値
(サンプルスコア)を算出し、これらのサンプルスコア
に対する外的基準の関係を解析することにより、対象の
特徴等を見出す手法である。
【0018】こうしてカテゴリーウェイトai が決定さ
れると、それらを係数とする線形式によりサンプルスコ
が求められる。そして、各サンプルスコアに対する外
的基準(ファジィ群)のメンバシップ値をプロットする
ことにより、ファジィ数量化II類によるデータ分析結果
としての特性分布を示すグラフが得られる。その具体例
については、後述する。
【0019】
【作用】本発明では、インタンジブル・センシング・ア
ルゴリズムに上記のようなファジィ数量化II類の手法が
採用され、これによって検出部からの検出信号が分析さ
れる。そのため、感覚的なあいまい量を数量化するため
のデータが収集され、それらのデータからファジィ数量
化II類の手法でカテゴリーウェイトが算出され、得られ
たカテゴリーウェイトと上記検出部からの検出信号とを
用いてサンプルスコアが算出される。そして、これらの
サンプルスコアに対するデータをプロットすることによ
り、サンプルスコアに対する出力の関係を表す特性分布
が得られ、その特性分布を近似する関数が、感覚的なあ
いまい量を数量化する関数となる。この関数に基づいて
感覚的なあいまい量を定量化するアルゴリズムが構成さ
れる。この関数は、検出部からの入力に対する出力を演
算するために用いられる。
【0020】このように、ファジィ数量化II類により得
られる感覚的なあいまい量を定量化するアルゴリズムを
導入することで、メモリにはファジィ数量化II類による
サンプルスコアの計算式と関数を格納すればよく、アル
ゴリズムは調整可能である。
【0021】
【実施例】図1は、本発明のファジィセンサ装置の構成
を示す。この装置は、それぞれ環境状態を表わすデータ
信号を発生する各種の検出器から成る1又は複数の信号
検出部11〜1nを備えている。各信号検出部11,
…,1nで検出された信号は、対応する入力信号変換部
21〜2nによりA/D変換等を受けて、アルゴリズム
実行手段30に取り込まれる。アルゴリズム実行手段
0はCPU31とアルゴリズム記憶部32とを含み、C
PU31は、アルゴリズム記憶部32に格納されたアル
ゴリズムに従って後述の演算を実行する演算部として機
能する
【0022】上記アルゴリズムは、ファジィ数量化II類
によって得られる感覚的なあいまい量を定量化するもの
であり、図2に示すように構成される。すなわち、CP
U31において、各信号検出部11〜1nからの検出信
号1〜nが信号変換部21〜2nを介して入力されると
(ステップS1)、これらの入力に対応するサンプルス
コアを計算する(ステップS2)。次に、各サンプルス
コアに対する非線形関数F1 を用いて感覚的なあいまい
量を演算し(ステップS3)、数値として出力する。こ
の出力値は、出力信号変換部41によりD/A変換等を
受けて信号出力部42から出力される(ステップS
4)。この出力信号は、環境に応じた空調制御等を行う
ために使用される。
【0023】図3は、図2のアルゴリズムの構成に必要
な非線形関数を求めるための手順を示す。まず、入力デ
ータを正規化する処理を行う(ステップS11)。デー
タは、人間を被険者とする感応試験やアンケートにより
収集される。次に、正規化されたデータをファジィ数量
化II類により解析し(ステップS12)、最小二乗法等
で得られる高次の非線形関数で近似する(ステップS1
3)。
【0024】上記のアルゴリズムは、図1のファジィセ
ンサ装置に接続されるマンマシンインタフェース43に
より、使用環境や使用条件に応じて調節可能である。
【0025】図4は、図1の具体例として「暑い」、
「寒い」等の感覚的なあいまい量を検出する快適度セン
サ装置を示す。この装置においては、図1のアルゴリズ
ム記憶部32は、図2のステップS2でサンプルスコア
を計算するための手順を格納した記憶部33と、図2の
ステップS3で使用される非線形関数を格納した記憶部
34とから成る。更に、マンマシンインタフェース43
は、上記アルゴリズムを使用環境や使用条件に応じて調
節するために、オペレータの入力操作でサンプルスコア
の原点やスケーリングの値を適宜調節できるように構成
されている。
【0026】初めに問題設定として、気温や湿度によっ
て人間が感じる快適さは、あいまいな要素であり、基本
的に直接測定することができないので、この実施例で
は、気温、湿度、気候の年格差や人間の衣服の程
度を反映する量として日付と時刻、及び人間の活動状
況を反映する時刻を、快適さを決定するための測定可能
な量とし、これらは、図1の信号検出部11〜1nの具
体例であるクロック101、温度計102、湿度計10
3により検出する。そして、これらの測定量に基づいて
快適度を決定する。
【0027】次に、上記の測定可能な量と快適度を結び
付けるために、様々な被険者の感じ方をアンケート方式
で調査する。気温と湿度については、高さの程度を
[0,1]の範囲に正規化する。日付については、真夏
に近いほど“1”に近い値になるように[0,1]の範
囲に正規化し、時刻については、午後2時に近いほど
“1”に近い値になるように[0,1]の範囲に正規化
する。
【0028】図5は、このように正規化されたデータX
1(気温) 、X2(湿度) 、X3(日付)、X4(時刻) の例を
示す。図4の実施例では、これらのデータをファジィ数
量化II類により分析する。すなわち、図4の記憶部33
に格納されたサンプルスコア計算手順に従い、正規化し
たデータについて前記式(1) 中のカテゴリーウェイトa
i を決定する。その結果、次の式(2) によって得られる
サンプルスコアSに基づいてデータをプロットすると、
「暑い」、「寒い」の特徴を表現することができる。
【0029】 S=a1・X1 +a2・X2 +a3・X3 +a4・X4 …(2) a1 =0.661 ,a2 =0.360 ,a3 =−0.306 ,a4 =−0.116 上式(2) によって得られる各データのサンプルスコアS
は、図6に示すようになる。また、横軸をサンプルスコ
アS、縦軸を「暑い」という感じの程度Y1 (あるいは
「寒い」という感じの程度Y2 )としてデータをプロッ
トすると、図7に示すようになる。
【0030】次に、図7のデータ分布に基づいて「暑
い」という感じの程度Y1 を与える関数F1 と、「寒
い」という感じの程度Y2 を与える関数F2 とを求める
と、図8に示すようになり、これらの関数は次式で表わ
すことができる。
【0031】 F1 =(1/π)・tan-1{0.109(S−0.3)}+ 0.5 …(3) F2 =1−F1 =−(1/π)・tan-1{0.109(S−0.3)}+ 0.5 …(4) 従って、測定可能な気温、湿度、日付、時刻を[0,
1]の範囲に正規化し、式(1) により得られる各データ
のサンプルスコアSを求め、関数F1 又はF2 を用いる
ことにより、感覚的なあいまい量である「暑い」という
感じの程度すなわち快適度を求めることができ、関数
F1 の値が 0.5に近いほど快適な状況に近いことにな
る。
【0032】図4の実施例によれば、上記のように、人
間のあいまいな感覚を数量化したインタンジブルセンサ
を実現することができると共に、測定可能な入力数には
制限がない。また、サンプリングスコアSはスケーリン
グや原点の位置に無関係であるので、マンマシンインタ
フェース43により、スケーリングファクタと原点の位
置を、個人差等によるずれを調節するパラメータとして
利用できる。更に、ファジィ推論により同様の機能を実
現しようとすると、メンバシップ関数やファジィルール
を作成しなければならないので、アルゴリズムの作成に
手間がかかると共に必要なメモリや演算時間が増大する
が、上記実施例では、サンプルスコアの計算式(2) と関
数F1 (F2 は1−F1 として求められる。)だけで済
む。
【0033】以上、実施例として快適度センサについて
説明したが、本発明は、これに限らず、「甘さ」その他
のインタンジブル・センシングについても同様に適用す
ることができる。
【0034】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、ファジ
ィ数量化II類の手法を用いて感覚的なあいまい量を数量
するので、大容量のメモリを必要としないコンパクト
なアルゴリズムを用いることができ、それを格納するメ
モリの容量も少なくて済む。また、そのアルゴリズムを
状況に応じて調整することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るファジィセンサ装置の構成を示す
ブロック図。
【図2】本発明で使用されるアルゴリズムの構成を示す
フローチャート。
【図3】アルゴリズムの作成手順を示すフローチャー
ト。
【図4】図1のファジィセンサ装置の具体例として快適
度センサを示すブロック図。
【図5】図4の快適度センサにおける正規化データの例
を示す図。
【図6】図4の快適度センサにおけるサンプルスコアの
例を示す図。
【図7】図4の快適度センサにおける「暑い」、「寒
い」という感じの程度のデータ分布を示す図。
【図8】図4の快適度センサにおける「暑い」、「寒
い」という感じの程度を与える非線形関数を示す図。
【図9】ファジィ数量化II類で扱われるデータを示す
図。
【符号の説明】
11〜1n…信号検出部、21〜2n…入力信号変換
部、30…アルゴリズム実行手段、31…CPU、32
…アルゴリズム記憶部、33…サンプルスコア計算手順
記憶部、34…関数記憶部、41…出力信号変換部、4
2…信号出力部、43…マンマシンインタフェース、1
01…クロック、102…温度計、103…湿度計。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】感覚的なあいまい量を検出する検出部と、前記あいまい量を数量化するために収集したデータから
    ファジィ数量化II類の手法でカテゴリーウェイトを算出
    し、得られたカテゴリーウェイトと該検出部からの入力
    信号とを用いてサンプルスコアを算出することにより、
    該サンプルスコアに対する出力の関係を表す特性分布を
    得、該特性分布を近似する関数を求めるアルゴリズムを
    実行するアルゴリズム実行手段とを備えたことを特徴と
    するファジィセンサ装置。
  2. 【請求項2】前記アルゴリズム実行手段は、前記アルゴ
    リズムを格納する記憶部と、前記検出部からの入力に応
    じて、該記憶部に格納されたアルゴリズムを実行して得
    られた関数により前記感覚的なあいまい量を数値化して
    出力する演算部とで構成されている請求項1記載のファ
    ジィセンサ装置。
  3. 【請求項3】前記アルゴリズムは、使用環境又は使用条
    件に応じて前記関数により調整されることを特徴とする
    請求項2記載のファジィセンサ装置。
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