JP2646061B2 - 高マンガン非磁性鋳造体 - Google Patents

高マンガン非磁性鋳造体

Info

Publication number
JP2646061B2
JP2646061B2 JP15438093A JP15438093A JP2646061B2 JP 2646061 B2 JP2646061 B2 JP 2646061B2 JP 15438093 A JP15438093 A JP 15438093A JP 15438093 A JP15438093 A JP 15438093A JP 2646061 B2 JP2646061 B2 JP 2646061B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thermal expansion
magnetic
high manganese
less
average
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP15438093A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06336651A (ja
Inventor
良明 新宮
泰 上田
宏人 松尾
岩次 川本
五夫 山森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kurimoto Iron Works Ltd
NTT Inc
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Kurimoto Iron Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp, Kurimoto Iron Works Ltd filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP15438093A priority Critical patent/JP2646061B2/ja
Publication of JPH06336651A publication Critical patent/JPH06336651A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2646061B2 publication Critical patent/JP2646061B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Soft Magnetic Materials (AREA)
  • Heat Treatment Of Articles (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は平均熱膨張係数αの小さ
い非磁性材、特に高マンガン非磁性鋳造体に係る。
【0002】
【従来の技術】最近の技術において、強磁場の環境下に
おいて使用される部材が多く開発され、特に磁場の影響
を受けない非磁性体の開発が盛んである。たとえば核融
合炉の諸施設、磁気浮上式鉄道用の諸部材、モータ、ト
ランス用の部品などで使用される分野が拡張し、成分や
熱処理などの冶金的な研究開発が広く行なわれ、数多く
の発表が見られる。これらの従来技術を見ると、従来、
最も非磁性材として普遍的に使用されてきたオーステナ
イト系のステンレス鋼が、高価なNiを大量に必要とす
ることや、冷間加工することによって変態を誘起してマ
ルテンサイトを析出し非磁性を劣化するおそれが高いこ
とが難点として取り上げられ、これに代って高マンガン
非磁性材が新しく着目を集め、開発のかなりのウエイト
がこの材質に係っているように解される。
【0003】高マンガン非磁性材は安価なマンガンを多
量配合することによってステンレス鋼と同様なオーステ
ナイト相が得られ、経済的に有利であるだけでなく、ス
テンレス鋼にあるような冷間加工に伴う変態誘起が見ら
れず安定したオーステナイト相であるから非磁性の劣化
するおそれが小さいことが大きな利点として脚光を浴び
ている。ただ高マンガン非磁性材はステンレス鋼と同
様、普通炭素鋼に比べると平均熱膨張係数αが大きく、
普通鋼のそれが12×10-6/℃程度であるのに対し高
マンガン非磁性材は14〜18×10-6/℃のレベルに
あり、常温以上の環境となる使用条件や、非磁性とは言
え磁気によって多少の渦流電流が生じて発熱するような
場合においては、使用中の膨張によるトラブルが予想さ
れるので大きな制約を設けざるを得ない。これを解決す
るために従来技術の多くが改善を提供して種々の用途に
おける適応性を向上させている。
【0004】高マンガン非磁性材の改善は欠点である高
い平均熱膨張係数αを低下させることと、低温下におけ
る材力の向上がその目的である。これは当該材料が使用
される先が前記のリニアモータカーや核融合炉などの構
造材として振り向けられているから、必然的に低温下の
材力が主要な課題の一つとなるのである。たとえば特公
昭59−31569号公報では、C:0.5%以下、S
i:2%以下、Mn:20〜30%、N:0.005
0.04%、残部が不可避的不純物からなり、前記Cと
Mnとの間に特定の不等式が成立するとともに、この成
分の鋼を1220℃以下に加熱して熱間圧延を行ない、
仕上温度を800℃+400℃×C(%)以下とするこ
とを特徴とする低熱膨張高降伏点非磁性鋼の製造方法を
開示している。すなわち、オーステナイト相の安定化を
高めるためにNの一定量含有を必須とし、かつ圧延条件
(温度)を特定することによって、材料を塑性変形して
もそのために透磁率が劣化しない製造方法を提案したも
のである。
【0005】特公昭57−55784号公報において
は、Mn:20〜35%、Cr:1.0〜8.0%を基
本成分とし、これにV:0.1〜1.0%、N:0.2
〜0.4%を含み平均熱膨張係数αが0〜100℃で1
2.5×10-6/℃以下、0.2%耐力が固溶化熱処理
状態で35Kgf/mm2を有している高マンガン非磁性材を
提案している。すなわち、この発明の高マンガン非磁性
材はV、Nの特別添加の成分とその成分の熱処理におけ
る特別な挙動を利用して透磁率μが1.1以下、平均熱
膨張係数αが12.5×10-6/℃以下、耐力が35Kg
f/mm2以上をすべて満足するとしている。その他Al、
Caを含み溶体化処理後水靱処理を施した高マンガン非
磁性材で、−196℃における材力を向上させた特公昭
59−11661号公報、Ni、Nの他に強化成分を少
なくとも1種以上配合して−196℃における靱性を向
上した特公昭49−10892号公報などきわめて多岐
に亘る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ここに述べた高マンガ
ン非磁性材はいずれも強度、特に低温下における靱性や
延性の向上を目的としている点は、その用途がリニアモ
ータ駆動による磁気浮上方式の鉄道用のガイドウェイ、
核融合炉を収容する鉄筋コンクリート建物、または液体
窒素などの極低温物質の貯溜用の設備部材として適用さ
れるからであることは前に述べたとおりである。この場
合は極低温に遭遇する機会が避けられないことが予想さ
れる上、設備に組み込まれたときには構造材として大き
な負荷に耐えなければならないという条件にあるから、
課題も当然この点に絞られることは理解できる。しか
も、構造材として使用される以上、塑性変形による成形
が通常の条件であり、そのときの誘起変態をどのように
防止するか、そのための熱的な条件、成分的な制約な
ど、数多くの条件を組み合わせた複雑な関係を解決しな
ければならないという困難性が大きい。
【0007】しかし、実際には非磁性材の使用される領
域はここに例示したような極低温に限られる訳ではな
い。むしろ逆に使用される温度は常温またはその前後で
あるが、使用の態様によって別の課題が重要となる場合
もあり、今後技術的な革新で進むにつれて新たな問題の
解決を迫られることも頻発すると予想される。
【0008】すなわち、強力な磁場環境下の部材として
組み込まれる場合には、当然渦電流の発生による発熱を
最小限に抑制するために非磁性材であること、すなわち
透磁率μが少なくとも1.05以下であることが必要で
あることは変らないとしても、これに加えて部材の容量
や肉厚が大きいときには、少量の発熱があっても絶対的
な総熱膨張が無視できないほどの量に達するおそれがあ
ること、そのためには平均熱膨張係数αが通常の鉄系の
何れよりも高いことは許容できず、少なくとも12.0
×10-6/℃以下であるべきこと、部材が大型化、また
は複雑化してもどの部分においても前記の諸性質が等し
く維持されていること、さらにその部材の形状が相当に
複雑であり成形後の手入れや加工仕上の困難な部分が含
まれていること、などの使用条件が付加されると、その
解決すべき課題も従来技術とは相当大きな相違点として
現われてくることは否定できない。
【0009】たとえば、変電用碍子は従来から磁場にお
ける渦電流による金具発熱を防ぐために非磁性金属、た
とえばアルミ鋳物,青銅鋳物などを適用してきたが、電
圧が1000KVを超えると、碍子金具自体の形状も大型化
するため、従来の非鉄金属材料ではブッシング内発熱、
直射日光による金具と磁器との熱膨張量の絶対値の差が
大きくなり、もはや無視できない要素となる。碍子(陶
器)自体の平均熱膨張係数αは8〜9×10-6/℃であ
るから、これを抱持している取り付け金具の平均熱膨張
係数αもまたできるだけこれに近い低い値が望ましいこ
とは当然であるから、金具は非磁性材であり、かつ平均
熱膨張係数αが通常の鋼材以下であることが求められ
る。特に形状が大型であるときには同じ温度に昇温して
も膨張量の絶対値は予想以上に大きくなるから平均熱膨
張係数の重要性はますます増大する。精密に研削仕上し
たセラミックス材を装置へ取り付ける金具などについて
もほぼ同じ状況にある。さらにこれらの部材の形状が大
型である上に相当に複雑であれば、高マンガン非磁性材
特有の溶体化処理と水靱処理を加えると表面に必ず脱炭
層が生成し、その結果避けることのできない透磁率の劣
化が生じる。通常はこの脱炭層は熱処理後に取り除くの
であるが、部材の形状によってはその脱炭層を研削する
ことも機械加工で削除することもできない場合があると
いう問題が現われる。
【0010】本発明は以上に述べた課題を解決するため
に、標準以上に優れた低い透磁率のレベルにありながら
平均熱膨張係数が通常の鋼材以下の低いレベルにあり、
溶解条件や熱処理条件によって製品の物性値に大きな変
動が起こり易い特別な添加成分や熱処理に依存すること
なく、大形で複雑な部材であっても容易に適用できる高
マンガン非磁性材の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係る高マンガン
非磁性鋳造体は、C:0.2%以下、Si:1.0%以
下、Mn:15〜35%、P:0.1%以下、S:0.
05%以下、Cr:3.0〜9.0%を含有し、残部が
鉄および不可避的不純物からなり、25〜100℃の温
度範囲における平均熱膨張係数αが12×10-6/℃以
下であり鋳放しでの使用を条件とすることによって前記
の課題を解決した。また、この場合に鋳放し状態の顕微
鏡組織がεマルテンサイト相を少なくとも10%析出し
ていることを特徴とし、鋳造肉厚が少なくとも120mm
までは前記諸条件が成立することが最も望ましい実施の
態様である。
【0012】
【作用】本発明に係る高マンガン非磁性材はその成形手
段を鋳造法によったから、他の成形手段、たとえば引き
抜き、圧延、押し出し、鍛造などの塑性変形を強制する
方法と異なりかなり複雑な形状でも容易に成形できる。
また、塑性変形が伴わないため高マンガン非磁性材独特
の加工硬化が発生しないから、その後の機械加工性が良
好に保たれる。次にこの高マンガン非磁性鋳造体は熱処
理を伴わないから表面鋳肌に脱炭層の発生が少なく、脱
炭層を削り取るための工程も軽減される。部材が大型と
なると、従来の高マンガン非磁性材では溶体化処理の時
間が長くなり脱炭層の厚さも肥大するのが普通である
が、鋳放しでの使用を前提とする本発明ではそのおそれ
が少なくなり、また複雑な形状であっても水靱時の不均
等な急冷による割れの発生と無縁となる。また、溶体化
水靱処理は言うまでもなく組織的に完全なオーステナイ
ト相にすることが目的であるが、これは透磁率と靱性に
重点を置いた思考であり、平均熱膨張係数の立場から見
れば、却って平均熱膨張係数αが増大するので改悪であ
るという逆説も成立する。
【0013】成分的にみれば、Mn、Cr以外は特定の
添加成分を必要としないから、溶解条件が単純で成分調
整のミスが少なくて済む。たとえば最初に引用した従来
技術で挙げたNは、通常の高マンガン鋳鋼品の溶製に当
って原料である鋼屑、フェロマンガン、フェロシリコン
などの合金鉄内にもそれぞれ相当量含まれているし、そ
れらがどの程度の割合で凝固後に歩留るかは、精練時の
炉況によって大きく作用され、これを狭い範囲内へ意図
的に収めることは、相当に高度な精練技術を前提とす
る。すなわち、少なくともこの下限付近において他の公
知材料に比べて該発明材が格段に差別化できる作用、効
果をもたらしていると判断することは、かなり微妙であ
ると言わざるを得ない。これに反して本発明では、従来
技術のような特別な添加成分に依存しなくても、十分に
目的とする諸数値を保つことができるという作用を大き
な特徴とするのである。
【0014】次に各成分的な限定理由を成分別に説明す
る。Cはオーステナイト相の安定化元素であり高マンガ
ン非磁性材には不可欠の成分である。ただ本発明の目的
の一つである厚肉の鋳造品であっても所定の平均熱膨張
係数αを維持するには、0.2%以下でなければならな
い。その理由としてCが0.2%を超えるとεマルテン
サイト相が減少し、平均熱膨張係数の点で不利となるこ
とによる。後に実施例で具体的に述べるように、従来、
オーステナイト相の一部が加工誘起変態などによってα
マルテンサイト相に変ると、平均熱膨張係数αが低下す
るという利点がある一方、透磁率μが増大するという不
利点が伴っていた。しかし、εマルテンサイト相が析出
すれば平均熱膨張係数αの低下という利点がそのまま残
される上、透磁率μについては悪影響を及ぼさないとい
うことが実験によって実証された。すなわち、通常のα
マルテンサイト相は体心立方格子であり磁性体であるの
に対し、εマルテンサイト相は非磁性の六方稠密格子で
ある点が透磁率に及ぼす影響に大きな違いを生む原因と
考えられる。εマルテンサイト相が少なくとも10%含
まれる組織が平均熱膨張係数αの下限を維持する要件で
あり、この組織はC:0.20%以下においてだけ得ら
れるという限定下にあるのである。Mnはオーステナイ
ト相の安定化元素であり非磁性体とし、かつ低平均熱膨
張係数とするためには不可欠の元素であるが、過剰な配
分は鋳造性を低下させ、また添加量の増加に伴うだけの
効果が発現しなくなるので下限は15%、上限は前記の
理由で35%としている。Siは脱酸材として、また溶
湯の流動性を保持して鋳造性を高めるために必要である
が、過剰に配分するときは靱性を低下させる性質がある
ので1.0%以下に制限する。Crは強度、耐食性を向
上させる有効元素であるが、過剰に配分するとフェライ
ト相を形成して透磁率を高くするので、上限を9.0%
に制限した。しかしC、Mnとの相乗作用によって平均
熱膨張係数αを制限値以下に抑制するために少なくとも
3.0%の含有が必須である。Pは0.1%を超えると
溶接部の靱性が甚だしく低下するので、この数値が上限
である。SはMnが脱硫材として作用するとMnSとな
るが、余りに大量に含有するとこのMnSが介在物とし
て多くなり過ぎて、延性の低下を誘発し材質的な劣化を
起こすので、0.05%を上限とする。
【0015】
【実施例】図1はいわゆるシェフラー(Schaeff
ler)による溶着ステンレス鋼の組織状態図であり、
横軸にCr当量、縦軸にNi当量を目盛っている。本発
明における成分範囲の限定は、安定したオーステナイト
相の維持から出発したのではなくて、逆に大きな平均熱
膨張係数を持つオーステナイト相の一部を他の組織に置
換して平均熱膨張係数を低下させるという着想から出発
している。すなわち既存のステンレス鋼の状態図からテ
ストを繰り返し、チャンピオンデータとして図中のB点
を探り当てた。最良であるB点をベースとしてCr当量
とNi当量とを図2のように増減して透磁率μと平均熱
膨張係数α、および機械的な諸性質を実験して表1、表
2、図3、図4をそれぞれ得た。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】この場合、もちろんNi当量といってもN
i自体は含まれず当量の変数として一番大きな影響を与
えるのはC%である。Crの上昇とともに平均熱膨張係
数αも透磁率μも上昇するので、Cr量を最適の5.5
%と一定に揃え、続いてNi当量、すなわちC%を変え
て平均熱膨張係数αと透磁率μを測定していき、得られ
た数値を纏めたのが各表、各図である。平均熱膨張係数
αはC%の増加とともに上昇しB点(C:0.14%)
における平均熱膨張係数αが10.71×10-6/℃、
K点(C:0.26%)における平均熱膨張係数αが1
1.12×10-6/℃を記録した。他の成分との相関が
あるにしてもC量に関してはK点においてもなお十分に
目的とする平均熱膨張係数αが12×10-6/℃以下の
要求を満足するが、顕微鏡組織の観察からC:0.2%
以下に制限した。すなわち、図5はB点、図6はK点、
図7はM点のそれぞれの顕微鏡写真である。倍率はすべ
て100倍の撮影であり、腐食液はチオ硫酸ソーダ飽和
溶液と異性重亜硫酸カリの混合液である。白地がオース
テナイト相であって図5(B点)についてだけεマルテ
ンサイト相の析出が認められ、その面積の割合は約15
〜20%程度に上っている。しかし、K点においてはこ
のεマルテンサイト相は視野から全く消失しているの
で、他の成分をほぼ揃えている以上、この差は明らかに
C%の差によってのみ生じたものと解釈するのが妥当で
ある。よってC%限定の有力な根拠となった。
【0019】図8はチャンピオンデータであったB点の
製品肉厚に関する変動を測定し図表に纏めたものであ
る。図によれば鋳放し品の鋳肌表面から製品内部へ進行
するにつれて、結晶粒度の粗大化は避けられないから
張力や伸びなどの機械的な材力の低下は否定できない
が、耐力はほぼ一定値を保持できる上、平均熱膨張係数
αについてもほぼ同一のレベルに位置しているので、少
なくともこの実験で確認したように、肉厚120mm以
内の大型製品に適用しても十分信頼して使用に供するこ
とができることを示している。因みに一般の高マンガン
非磁性材は水靱処理を必ず施すが、肉厚が大きくなるに
つれて完全に内部までの水靭効果が届かなくって組織の
不均一や歪曲、割れの原因となり易いので、一般的にそ
の肉厚は50mm以下とすることが望ましいとされてい
る。
【0020】
【発明の効果】本発明は以上に述べたとおり、高マンガ
ン系の非磁性材であるが、Mn、Cr以外の特殊な添加
成分がなく、微妙な低含有成分の調整という技術的な難
しさが不要であり溶解条件による影響が少なくて済む。
成形は鋳造法によるから鋳造方案さえ適切であれば、か
なり複雑な形状であっても、或いはかなり大型の部材で
あっても正確な寸法で欠陥のない部材を経済的に製造す
ることができる。塑性変形を伴う成形ではないから結晶
粒の方向性が少なく材力の方向による大きな偏差も現わ
れない。塑性変形時の透磁率の低下という課題とも無縁
であり,それだけ成分的な細かい調整から免れる。ま
た、熱処理を不要とするので脱炭層の形成が少なく、そ
の除去のための煩瑣な手仕上や機械加工が最小限に抑え
られる。組織的に見ても平均熱膨張係数の低レベルの維
持に関して明らかに有利である。その割りに透磁率に関
しては従来の非磁性材に比べても優秀であって、たとえ
ば前記のB点で1.005であるから従来標準とされて
いる1.1乃至1.05に対しても桁違いの低い数値を
記録している。一方、鋳造体であり、熱処理不要である
ことから製品肉厚についても他の非磁性材よりも制約が
少なく、少なくとも120mmの製品肉厚を適用しても
信頼できる平均熱膨張係数、透磁率 、耐力を具えてい
る。このような性質は従来技術の高マンガン系の非磁性
材では到底達し得ない限度を超えたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】シェフラーの組織状態図上へ本発明実施例をプ
ロットした図表である。
【図2】実験の経過を説明するフロー図である。
【図3】C%と諸性質の変動を示す図表である。
【図4】Cr%と諸性質の変動を示す図表である。
【図5】B点における金属組織の顕微鏡写真である。
【図6】K点における金属組織の顕微鏡写真である。
【図7】M点における金属組織の顕微鏡写真である。
【図8】大肉厚品の鋳肌面から内部へ進行した深さと諸
性質の変動の関連を示す図表である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松尾 宏人 愛知県名古屋市瑞穂区川澄町4丁目9番 地 (72)発明者 川本 岩次 愛知県名古屋市港区新川町2丁目1番の 1 (72)発明者 山森 五夫 愛知県豊田市若林東町宮間15番地4 (56)参考文献 特開 昭63−192847(JP,A) 特開 昭56−102557(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C:0.2%以下、Si:1.0%以
    下、Mn:15〜35%、P:0.1%以下、S:0.
    05%以下、Cr:3.0〜9.0%を含有し、残部が
    鉄および不可避的不純物からなり、25〜100℃の温
    度範囲における平均熱膨張係数αが12×10-6/℃以
    下であり鋳放し状態で使用することを特徴とする高マン
    ガン非磁性鋳造体。
  2. 【請求項2】 請求項1において、鋳放し状態の顕微鏡
    組織がεマルテンサイト相を少なくとも10%析出して
    いることを特徴とする高マンガン非磁性鋳造体。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、鋳造肉厚が
    少なくとも120mmまでは前記諸条件が成立することを
    特徴とする高マンガン非磁性鋳造体。
JP15438093A 1993-05-31 1993-05-31 高マンガン非磁性鋳造体 Expired - Fee Related JP2646061B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15438093A JP2646061B2 (ja) 1993-05-31 1993-05-31 高マンガン非磁性鋳造体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15438093A JP2646061B2 (ja) 1993-05-31 1993-05-31 高マンガン非磁性鋳造体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06336651A JPH06336651A (ja) 1994-12-06
JP2646061B2 true JP2646061B2 (ja) 1997-08-25

Family

ID=15582885

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15438093A Expired - Fee Related JP2646061B2 (ja) 1993-05-31 1993-05-31 高マンガン非磁性鋳造体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2646061B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5480326B2 (ja) * 2012-03-29 2014-04-23 株式会社日本製鋼所 モータ回転子支持体およびその製造方法
JP5480325B2 (ja) * 2012-03-29 2014-04-23 株式会社日本製鋼所 モータ回転子支持体およびその製造方法
AR108268A1 (es) * 2016-05-02 2018-08-01 Exxonmobil Res & Eng Co Tecnología de soldadura de metales distintos en campo para acero con alto contenido de manganeso resistente al desgaste mejorado

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06336651A (ja) 1994-12-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5142101B2 (ja) 非常に高い強度と伸び特性および優れた均質性を有するオーステナイト系鉄/カーボン/マンガン鋼シートの製造方法
EP1627086B1 (en) Improved method for production of non-oriented electrical steel strip
EP3421629B1 (en) High strength high ductility steel with superior formability
EP3821041B1 (en) Process for producing a high strength cold-rolled and heat-treated steel strip and product produced thereby
WO1996000306A1 (fr) Procede de fabrication de tole d'acier electromagnetiquement non orientee presentant une densite elevee de flux magnetique pour un niveau faible de perte dans le noyau
JPS6130017B2 (ja)
KR20190078408A (ko) 자기적 특성 및 형상이 우수한 박물 무방향성 전기강판 및 그 제조방법
JP2646061B2 (ja) 高マンガン非磁性鋳造体
CN120006168B (zh) 一种软磁不锈钢和由其制备的软磁不锈钢型材及制品
JP6816516B2 (ja) 無方向性電磁鋼板
JPH1143744A (ja) ガラス成形のための工具及びその製造方法
JPH06322440A (ja) 高マンガン非磁性鋼片の圧延方法
JP2011111666A (ja) 非磁性鋼
JP2748843B2 (ja) 高マンガン非磁性鋳造体
JP6453683B2 (ja) 軟磁性用線材、棒鋼及び軟磁性鋼部品
KR910002941B1 (ko) 고장력, 고인성 유정용 열연강판의 제조법
CN120082814B (zh) 一种高抗磁不锈钢及其制备方法
KR20000031083A (ko) 스케일특성이 우수한 저탄소 냉간압조용 선재의 제조방법
CN121428430B (zh) 一种Ta、Cu协同强化的细晶高强韧软磁不锈钢和包含其的型材及所述型材的制备方法
JP4223727B2 (ja) 冷間鍛造性と磁気特性に優れた軟磁性鋼材および磁気特性に優れた軟磁性鋼部品並びにその製造方法
JPH0313544A (ja) 高Mn非磁性鉄筋棒鋼の製造方法
JPS6364516B2 (ja)
JP2650506B2 (ja) 直流磁気シールド用電磁厚鋼板とその製造法
KR950010892B1 (ko) 냉간압조가공성 및 전자기특성이 우수한 극저탄소 연강선재의 제조방법
CN121428430A (zh) 一种Ta、Cu协同强化的细晶高强韧软磁不锈钢和包含其的型材及所述型材的制备方法

Legal Events

Date Code Title Description
S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees