JP2658024B2 - 免震装置 - Google Patents

免震装置

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、機器及び構造物等に地震力を伝えないよう
にするための免震装置に係り、特に免震効果とダンピン
グ効果を兼備する改良された免震装置に関する。
[従来の技術] 複数個の鋼板とゴム板とを交互に積層した構造体(免
震ゴム)が、地震時の防振性を満たす支承部材として、
最近注目をあびている。
このような免震ゴムは、コンクリートのような剛体建
築物と基礎土台との間に介在されると、横方向に柔らか
い、即ち剪断剛性率が小さいので、建築物の固有周期を
地震の周期からずらす作用を有し、地震により建物が受
ける加速度が非常に小さくなる。
このような免震ゴムにおいては、地震による変形後は
再び元の位置へ戻る弾性変形を行なうことが大きな特徴
とされており、しかも、免震ゴムのクリープ現象による
建物の沈下を極力小さくするために、免震ゴム自体のエ
ネルギー吸収能力(減衰効果)は極めて小さなものとな
っている。このため、従来、免震ゴムは、その材料特性
としてヒステリシスロスの小さいゴム材料を用いて構成
されている。
しかしながら、このような低減衰の免震ゴムのみを用
いる免震装置では、地震時の建物のゆっくりした横揺れ
は、地震が治まった後も長時間にわたって残るため、こ
の横揺れ量が大きいと、免震ゴム地震の破損はもとよ
り、建物と他の構造物との衝突や水管、ガス管、配線な
どの備品の破壊をもたらす危険性がある。
そこで、従来においては、この横揺れ変位をできるだ
け早く減少させるために、地震力が加わった際に直ちに
塑性変形をする軟質金属などでできた塑性ダンパーを併
用する方法がとられている。例えば、免震ゴムの内部を
くり抜き、この部分に鉛を埋め込み、地震時の塑性変形
を利用して、免震ゴムにダンピング効果を付与すること
によって、免震効果とダンパー(ダンピング効果)を兼
備したものとすることが提案されている。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、このような免震装置では、地震エネル
ギーの吸収機能は増大されるものの、塑性ダンパーが高
弾性であることに起因する新たな共震現象が高周波領域
に現われる。
また、鉛入り免震ゴムにおいては、大地震の際の免震
ゴムの大変形時に、鋼板の硬質板が鉛を傷つけ、更に傷
ついた鉛がゴム等の軟質板を傷つけるため、免震ゴム全
体の破断を引き起こし易い。しかも、傷ついた鉛は、繰
り返しの大変形によって容易に破断する。
[問題点を解決するための手段] 本発明は上記従来の問題点を解決し、免震効果とダン
ピング効果を兼備する改良された免震装置を提供するも
のであって、 複数個の剛性を有する硬質板と粘弾性的性質を有する
軟質板とを交互に貼り合わせてなる免震ゴムと、プラス
チックよりなるダンパーとが並列して設けられてなる免
震装置であって、該プラスチックは、下記〜を満足
し、かつ、下記の材料で構成されるものであることを
特徴とする免震装置、 を要旨とするものである。
25℃における弾性係数(縦弾性率)が1〜103kg/mm
2 25℃における破断時伸びが50%以上 25℃、50%引張変形時のヒステリシス比(h50)が
0.3以上 ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、AB
S、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル酸メチル、ポリカ
ーボネート、ポリアセタール、ナイロン、塩化ポリエー
テル、及びこれらの樹脂のゴム変性物よりなる群から選
ばれる1種又は2種以上 [作用] 本発明において、ダンパーを構成するプラスチック
は、上記〜の特性を満足すると共に、上記の特定
材料よりなるものであることから、極めて大きな減衰効
果を有する。また、硬質板と軟質板とを複数枚交互に貼
り合わせた免震ゴムは、優れた免震効果及び減衰効果を
有する。
従って、このようなプラスチックダンパーと免震ゴム
とを並列させた本発明の免震装置によれば、建物へ伝え
られる揺れが緩和され、建物を安定性良く長期間確実に
支承することが可能となる。
[実施例] 以下図面を参照して実施例について説明する。
第1図及び第2図は、各々、本発明の一実施例に係る
免震装置を示す縦断面図である。
第1図に示す如く、本発明の免震装置は、複数個の剛
性を有する硬質板11と粘弾性的性質を有する軟質板12と
を交互に貼り合わせた免震ゴム1と、プラスチックより
なるダンパー2とが並列に設けられているものである。
なお、図中、符号13〜16はフランジ、20は建物、30は基
礎である。
本発明の免震装置において、ダンパー2は、その剪断
変形又は曲げ変形時のエネルギーロスをダンピング効果
として良好に利用し得るような形状であれば良く、形状
的には何ら拘束されないが、一般的には、柱状体が適し
ている。
また、本発明において、プラスチックダンパー2は免
震ゴム1との組合わせによって使用されるが、両者の配
列は、第1図に示す如く、免震ゴム1とダンパー2とを
建物20と基礎30との間に並列に並べても良いし、第2図
に示す如く、免震ゴム1の中心部をくり抜いて、円筒状
の空間を設け、この空間内にプラスチックダンパー2を
封入したものとしても良い。(なお、第2図において、
第1図と同一の部材は同一符号をもって示し、その説明
は省略する。) なお、第1図に示す免震装置における免震ゴム1とダ
ンパー2との配置数の比や配置間隔、また、第2図に示
す免震装置における免震ゴム1とダンパー2との横断面
積比等は、免震装置の使用目的に応じて適宜選定され
る。
以下に、免震ゴム1及びダンパー2の各々の構成につ
いて説明する。
本発明のダンパーを構成するプラスチックとしては、
そのダンピング効果の面から、次の〜の物性を満足
するものを用いる。
25℃における弾性係数(縦弾性率)が1〜103kg/mm
2、より好ましくは1〜5×102kg/mm2 25℃における破断時伸びが50%以上、より好ましく
は70%以上 25℃、50%引張変形時のヒステリシス比(h50)が
0.3以上、より好ましくは0.4以上 本発明において、ダンパー材料のプラスチックとして
は、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、AB
S、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル酸メチル、ポリカ
ーボネート、ポリアセタール、ナイロン、塩化ポリエー
テルといった熱可塑性樹脂、及びこれらの樹脂のゴム変
性物よりなる群からなる1種又は2種以上、更にこれら
の樹脂に可塑剤としてフタル酸、イソフタル酸、アジピ
ン酸、テトラヒドロフタル酸、セバシン酸、アゼライン
酸、マレイン酸、フマル酸、トリメリット酸、クエン
酸、イタコン酸、オレイン酸、リシノール酸、ステアリ
ン酸、リン酸、スルホン酸等の各種酸誘導体;グリコー
ル、グリセリン、パラフィン、エポキシの各種誘導体等
を添加したものを用いる。
これらのプラスチック類は、単独で用いても、2種以
上をブレンドして用いても良い。また、必要に応じて、
各種充填剤、粘着付与剤、滑剤、老化防止剤、軟化剤、
低分子量ポリマーオイル等、一般的な配合剤を混合して
もよい。
このようなプラスチックダンパーは、耐候性等を向上
させるために、その露出面に各種保護剤等の異種物質を
塗布しても良い。
一方、免震ゴム1の硬質板11の材質としては、金属、
セラミックス、プラスチックス、FRP、ポリウレタン、
木材、紙板、スレート板、化粧板などを用いることがで
きる。また軟質板12としては、各種の加硫ゴム、未加硫
ゴム、プラスチックなどの有機材料、これらの発泡体、
アスファルト、粘土等の無機材料、これらの混合材料な
ど各種のものを用いることができる。これらの硬質板11
及び軟質板12の形状は、円形、方形、その他、五角形、
六角形等の多角形としても良い。
また、免震ゴム1についても、その耐候性等の向上を
目的として、外表面部を耐候性に優れたゴム材料で被覆
するなどの改良を加えることもできる。
この場合、被覆ゴム材料としては、耐候性の優れたゴ
ム状ポリマーが望ましく、例えば、ブチルゴム、アクリ
ルゴム、ポリウレタン、シリコンゴム、フッ素ゴム、多
硫化ゴム、エチレンプロピレンゴム(ERP及びEPDM)、
ハイパロン、塩素化ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル
ゴム、エピクロルヒドリンゴム、クロロプレンゴム等が
挙げられる。これらのうち、特にブチルゴム、ポリウレ
タン、エチレンプロピレンゴム、ハイパロン、塩素化ポ
リエチレン、エチレン酢酸ビニルゴム、クロロプレンゴ
ムが耐候性の面からは効果的である。更に、軟質板を構
成するゴムとの接着性を考慮した場合には、ブチルゴ
ム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴムが望ま
しく、とりわけエチレンプロピレンゴムを用いるのが最
も好ましい。
これらのゴム材料は単独で用いても、2種以上をブレ
ンドして用いても良い。また、伸び、その他の物性を改
良するために市販ゴム、例えば、天然ゴム、イソプレン
ゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ニト
リルゴム等とブレンドしても良い。更に、これらのゴム
材料には、各種充填剤、老化防止剤、可塑剤、軟化剤、
オイル等、ゴム材料に一般的な配合剤を混合しても良
い。
このような本発明の免震装置を製造するには、まず硬
質板と軟質板とを交互に積層して接着剤あるいは共加硫
することにより接着して免震ゴムを作製する。
また、プラスチックを常法により成形しダンパー2を
作製し、免震ゴム1と共に並列させて、第1図のような
免震装置とする。
一方、第2図に示す免震装置を製造するには、加硫成
形した免震ゴム1の中心部をくり抜き、この部分に予め
成形したダンパー2を挿入するか、予め成形したダンパ
ー2に中心部をくり抜いた硬質板と軟質板材料とを交互
にはみ込みこれを共加硫する方法が採用される。
[発明の効果] このような本発明の免震装置は、免震効果と共にダン
パー効果を具備するため、地震発生時の揺れは免震構造
体に吸収され、建物に伝えられる揺れの程度が減少され
る。このため大地震の発生時においても、建物と他の構
造物とが衝突したり、水管、ガス管、配線等の備品が破
壊することが防止される。
なお、本発明の免震装置は免震効果の他に、除振(防
振、抑振)等の優れた効果も十分に期待できるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例に係る免震装置を示す縦断面
図、第2図は本発明の別の実施例に係る免震装置を示す
縦断面図である。 1……免震ゴム、2……ダンパー、 11……硬質板、12……軟質板、 13、14、15、16……フランジ。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数個の剛性を有する硬質板と粘弾性的性
    質を有する軟質板とを交互に貼り合わせてなる免震ゴム
    と、プラスチックよりなるダンパーとが並列して設けら
    れてなる免震装置であって、該プラスチックは、下記
    〜を満足し、かつ、下記の材料で構成されるもので
    あることを特徴とする免震装置。 25℃における弾性係数(縦弾性率)が1〜103kg/mm
    2 25℃における破断時伸びが50%以上 25℃、50%引張変形時のヒステリシス比(h50)が
    0.3以上 ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、AB
    S、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル酸メチル、ポリカ
    ーボネート、ポリアセタール、ナイロン、塩化ポリエー
    テル、及びこれらの樹脂のゴム変性物よりなる群から選
    ばれる1種又は2種以上
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