JP2659005B2 - 高周波増幅回路 - Google Patents

高周波増幅回路

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JP2659005B2
JP2659005B2 JP8140144A JP14014496A JP2659005B2 JP 2659005 B2 JP2659005 B2 JP 2659005B2 JP 8140144 A JP8140144 A JP 8140144A JP 14014496 A JP14014496 A JP 14014496A JP 2659005 B2 JP2659005 B2 JP 2659005B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、相補トランジスタ
回路、及びその相補トランジスタ回路を用いた増幅器
(特にビデオ信号を増幅するビデオ増幅器)並びにCR
Tディスプレイ装置に係り、特にCRTディスプレイ装
置の高精細化,低消費電力化に好適に要素回路及びシス
テムを提供するものである。
【0002】
【従来の技術】いわゆるコンピュータ用CRTディスプ
レイ装置として知られる高精細CRTディスプレイ装置
は、現在主流となっている1Mピクセル表示から2M,
4Mピクセルへと高精細化の要求があり、それに伴って
ビデオ増幅系は100MHzから150MHz,300
MHzへと益々広帯域化が必要となってきている。ま
た、出力は40〜50Vppの大振幅と100V及ぶ直流
バイアスレベルを必要とするため高精度,低消費電力化
も併せて要求されている。
【0003】本発明の主たる対象の一つであるビデオ増
幅器については、本願の発明者の一部を含む発明者らに
よる、例えば特開昭61−228778号公報「増幅回路」に記
載されており、ビデオマルチプレクサ,ゲインコントロ
ーラ,電流増幅器等の機能を含むモノリシック段により
駆動される高電圧カスコード増幅器として開示されてい
る。
【0004】また、USP4,494,075には、乗算器の負荷側
の反対極性からなるカレントミラーの一方をダーリント
ン形回路にして信号電流の変化に応じてカレントミラー
のVBEが変化して歪が生じるのを除去するものが記載さ
れている。また、USP4,293,875には、CRTのカソード
をレベルシフトを施したバイアス回路を用いた相補トラ
ンジスタプッシュプル回路で駆動する形式のビデオアン
プが記載されている。更に、USP4,051,521には低電圧の
コンプリメンタリエミッタホロワアンプで高電圧のカス
コードアンプを駆動する複合信号のビデオ増幅器が記載
されている。
【0005】更には、「新・低周波高周波回路設計マニ
ユアル」CQ出版、1988,4,30初版発行)p2
58〜259には、相補トランジスタ回路を差動アナロ
グスイッチとして用いたものが記載されている。
【0006】また、高精細CKTディスプレイ装置の広
帯域ビデオ増幅系の比較的最近の研究成果は、高精度の
高周波出力段帰還を行う型式として、1989年、アイ
・イー・イー・イー・インタナショナル・ソリッドステ
ート・サーキット・カンファレンス・ダイジェスト・オ
ブ・テクニカル・ペーパーズ,70頁から71頁(19
89 IEEE International Solid−State Circuits Conf
erence Digest ofTechnical Papers pp.70−71(Fe
b.1989))において論じられている。さらに、高周
波出力段から高周波帰還を行わないカスコード形式のも
のについてはアイ・イー・イー・イー・トランザクショ
ン・オン・コンシューマ・エレクトロニクス第34巻,
第3号1989年8月426頁から433頁(IEEE Tran
sactionson Consumer Electronics,Vol.34,No.
3,AUGUST 1988pp.426−433)に開示されて
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ここで、上記特開昭61
−228778号公報に記載された従来技術は機能面では必要
を満たしうるも、各機能回路の簡略化や増幅段数の削減
については十分な配慮がなされておらず、回路構成が複
雑化して将来の動作周波数の広帯域化に応じ難い問題が
あった。また、先に挙げたUSP3件及び差動アナログ
スイッチなどの文献は、相補トランジスタ回路などの要
素技術が個々に記載されているものの、本発明のよう
に、相補トランジスタ回路をビデオ増幅器のゲインコン
トローラや、出力段のカレントミラー回路等に全面的に
用いて簡略化することに関しては何等言及されていな
い。
【0008】更に、上記従来技術のうち、高周波負帰還
方式は回路の一巡ループの遅れのために高周波において
利得余裕,位相余裕が不足して発振等の不安定現象が顕
在化し、また高電圧出力段からの負帰還ループ自体が増
幅器の負荷となって高周波電力を消費するため、広帯域
動作を制限する要因となっている。
【0009】前述の従来技術のうちカスコード増幅方式
ではカスコード段の信号電流を精度良く維持することに
より出力段からの高周波信号負帰還路は省略することが
可能であり、高周波負帰還に伴う前述の不安定性の問題
を回避できるためより広帯域化が可能である。しかしな
がらカスコード方式も増幅器出力電圧にビデオ信号のバ
ツクポーチ点に対応して基準直流電圧を発生するための
直流再生用の負帰還路は省略し得ないから依然として高
電圧高帯域出力段に接続される帰還路は残って負荷とな
るため、広帯域化,低消費電力化の制限要因となってい
る。それは、高電圧出力段に接続される高精度の帰還用
抵抗は比較的大きな消費電力に耐えるため大形となりそ
の寄生容量による消費電力(∝ΔCV2f)が大きいため
である。またこの寄生負荷(1例として1〜2PF)は
高精細CRTのカソード負荷容量(1例として4〜6P
F)が技術進歩により年々小さくなる傾向にあってその
比率を増す結果になっている。
【0010】本発明の目的は広帯域,低消費電力の高周
波増幅回路を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明では、負荷を駆動するための複数の駆動信号を入
力し、負荷の駆動電流を発生する低電圧の駆動段と、駆
動電流を高電圧増幅し、負荷に駆動電圧を供給する高電
圧の出力段とを有し、低電圧の駆動段は、1対のnpn
トランジスタで構成され、一方のベースには制御信号
が、他方のベースには入力信号が入力される第1の差動
段と、1対のnpnトランジスタで構成され、一方のベ
ースには制御信号が、他方のベースには入力信号が入力
される第2の差動段と、エミッタ及びコレクタをそれぞ
れ接続した第1,第2のpnpトランジスタとこの第
1,第2のpnpトランジスタの共通エミッタと抵抗を
介して接続する第3のpnpトランジスタで構成された
V−I変換回路と、ベースに基準電圧が入力される第4
のnpnトランジスタと抵抗で構成されたエミッタフォ
ロワ回路とを少なくとも有し、差動回路を構成する第1
のpnpトランジスタのベースには第1の差動段のエミ
ッタ出力が、第2のpnpトランジスタのベースには第
2の差動段の出力が入力され、第3のpnpトランジス
タのベースにはエミッタフォロワ回路の出力が入力され
ることを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図1に
より説明する。
【0013】まず、全体の回路方式などについて説明
し、その後、詳細回路変形例について述べることとす
る。
【0014】図1は本発明の間接帰還型のビデオ増幅器
とそれを用いたCRTディスプレイ装置の回路ブロック
図を示している。
【0015】図1におけるビテオ増幅器は、相補形バイ
ポーラトランジスタのLSI回路で構成されている低電
圧の駆動段80と高電圧増幅の出力段70で構成され、
駆動段80と高電圧出力段70はカスコード増幅器を構
成するように接続されている。
【0016】低電圧の駆動LSI80の入力には信号源
ES から75Ωの終端抵抗RS ,大容量の結合キヤパシ
タCXiを介してアナログビデオ信号が印加されている。
高電圧出力段70の出力はブライトネス制御のバイアス
電圧源75を介してCRTのカソード電極へ接続されて
おり、駆動段LSI80の入力端子T11に印加された
ビデオ信号は増幅されてCRTのカソード電極を駆動
し、印加された信号に応じてCRTを表示する。
【0017】駆動段LSI80は相補形バイポーラトラ
ンジスタのLSIで作られており、その構成は、入力段
の2入力のバッファ付マルチプレクサ10,その出力側
に接続される変換インピーダンスZx を有する電圧/電
流(V/I)変換回路20、さらに、その次には乗算機
能を用いたゲインコントローラ31が接続されている。
ゲインコントローラ31は制御回路32,抵抗RG1を介
して抵抗RG2から制御電圧が与えられている。
【0018】ゲインコントローラ31の出力は互いに逆
相の2つの電流出力を有しており、その出力は補助カレ
ントミラーアンプ40で減算され、出力段カレントミラ
ーアンプ51〜54を駆動するよう接続されている。
【0019】帰還用カレントミラーアンプ69は外付抵
抗RF を介して5V電源VCCへ接続されると共に、その
出力はサンプリングスイッチ61,キャパシタCX2,ア
ンプ62,抵抗R80,R90を介して入力に負帰還さ
れるよう接続されている。
【0020】出力段カレントミラーアンプ51〜54の
出力はまとめられてカスコード高電圧出力段70へ接続
されている。高電圧出力段70は高電圧パワートランジ
スタ71,ダイオード72,負荷抵抗RL からなるカス
コード回路とトランジスタ73,74からなるバッファ
アンプで構成されている。
【0021】以上のように構成されているビデオ増幅器
は利得が100倍余の高電圧出力の反転形アンプで、そ
の入出力の利得は次の関係で表わせる。
【0022】
【数1】
【0023】ただし、ZX はV/I変換部の外付インピ
ーダンス、RL はカスコードの高電圧出力段の負荷抵
抗、KはビデオLSIの利得でゲインコントローラの制
御電圧によって変化する値である。
【0024】さて、図2(a),(b)で示すようにビデ
オ入力信号は最大1VPP程度の交流信号として与えられ
るのに対し、CRTのカソードを制御する出力信号は所
定の直流の高電圧が重畳された直流信号として与える必
要があるため、安定かつ正確な直流分を再生する必要が
ある。この基準直流レベルは図2(a),(b)の波形,
水平同期パルス後のバックポーチとして示されている時
点で行われる。図1の本発明の実施例における動作は次
のようにして行われる。
【0025】図1のサンプルホールドスイッチ61のサ
ンプリング制御端子T61にバックポーチ時点の周期的
なサンプリングパルスが加えられると帰還用カレントミ
ラー回路69からの帰還電圧はサンプリングスイッチ6
1を介してホールド回路のキャパシタCX2を充電し、ア
ンプ62,バイアス抵抗R89を介し入力へ帰還され
る。この帰還ループの直流一巡利得は数100倍であ
る。この帰還は、正相のカレントミラー69の外付抵抗
RF12 による電圧降下を帰還する負帰還であるから入力
段のCX1・R89の時定数よりも十分長い時間後には増
幅器は一定値に落ちつく。この時の出力段のカレントミ
ラーの電流をIO ,帰還用カレントミラーの電流をIO
/Nとすると、高電圧出力段の直流電圧をVO ,帰還用
カレントミラーからの帰還電圧をVF ,高電圧段の電源
電圧をVH ,低電圧段の電源電圧をVCCとして次の関係
がなり立つ。
【0026】
【数2】
【0027】IO を消去すると次のように表わせる。
【0028】
【数3】
【0029】すなわち、(2)式は高電圧出力段のVO
を帰還せずとも低電圧のVF を帰還することでVC を正
確に定めることを示している。具体的なVO の設定は、
所望のVO となるようにRF を変えるか、若しくはVF
を変える(アンプ62の基準端子T63の電圧で変え
る)方法の何れかで行える。この帰還は、出力電流と相
似な帰還用の電流を発生させて行う間接帰還であるが、
カレントミラー回路を利用した場合の比率Nはトランジ
スタのエミッタ寸法比に依存しているため電流IO の
大,小範囲に拘らず安定なため高精度な出力電圧の制御
が可能である。
【0030】かくして、高電圧出力段には一切の帰還用
インピーダンス素子が不要となり、その分の寄生容量に
よる消費電力(ΔCV2f)がなくなり、低消費電力で広
帯域動作が可能になる。また低電圧振幅の帰還なので帰
還の応答が高速である。さらに、小形化や信頼性の面で
も有用である。
【0031】次により詳細な実施例回路図を基に、本発
明の他の実施例を説明する。図3は既に説明した図1に
対応した詳細な実施例回路図である。同一部所若しくは
等効部所は同一符号を付してある。
【0032】高速,高精度な帰還回路にあっては、サン
プルホールドにおいても同様な工夫が必要とされる。図
3のサンプリングスイッチ61においては高精度化のア
ナログスイッチ4と高速化の低出力インピーダンス充電
スイッチを組合せて構成している。サンプリングスイッ
チ61のアナログスイッチとしてのトランジスタQ73は
そのベースがトランジスタQ70,Q71対による定電
流回路に接続されると共に、差動トランジスタ対の一方
のQ76に接続されている。トランジスタQ73のコレク
タは抵抗RF を介して電極VCCに接続されている帰還用
カレントミラートランジスタQ69のコレクタに接続さ
れている。またQ73のエミッタ側はエミッチホロワの
トランジスタQ72を介してホールドキャパシタCX2へ
接続されている。前述の定電流回路Q71の電流はスイ
ッチトランジスタQ73のオフセット電圧が最小となる
約10μA程度の電極に設定されており、別に駆動時に
はスピードアップ用のキャパシタC11が接続され、最
大300μAの微分電流を加えて最小サンプル時間(実
施例では約50ns)で整定する値に選ばれている。ト
ランジスタQ72のエミッタにはパルス電流バイアイ源
としての差動対のもう一方のトランジスタQ75が接続
されている。
【0033】以上のように接続されているサンプリング
スイッチ61の動作は次のようになる。定常状態ではト
ランジスタ対のQ76はオン、Q75はオフであり、し
たがってトランジスタQ73,Q72は共にオフしてい
る。サンプル制御端子T61に“L”レベルのサンプル
信号が加えられると差動対のトランジスタQ76はオ
フ、Q75はオンしてQ73を微分的に駆動して導通さ
せると共にQ72にパルス電流を流してQ72のエミッ
タ出力インピーダンスを下げて急速にサンプリングを行
う。サンプリング期間は後半ではQ73のベース・コレ
クタ逆方向電流はQ73が最小オフセット電圧を与える
定常値(約10μA)に達しスイッチ4の低オフセット
と高速サンプリングが両立した動作となる。
【0034】ホールドキャパシタCX2の端子電圧はトラ
ンジスタQ78,Q79,Q80からなる差動アンプを
介してビデオ増幅器の入力側へ帰還される。サンプルホ
ールド回路の精度はサンプリングスイッチ61とホール
ドアンプ62を合せたものとして管理される必要がある
ため、トランジスタQ72のVBEとトランジスタQ81の
VBEはマッチングするようQ72に流れる電流とQ81
に流れる電流は可及的に等しく設計されている。それゆ
え、このサンプルホールド回路の精度は1mVで最小サ
ンプル時間は50nsが可能である。
【0035】本発明の特徴の一つは相補形バイポーラト
ランジスタ回路による回路の簡略化と性能の向上であ
る。以下、V/I変換回路の一部を兼ねる2入力のバッ
ファ付マルチプレクサ10の実施例を説明する。図3の
2入力バッファ付マルチプクレサ10は、3つの差動対
トランジスタ回路で構成している。すなわち、トランジ
スタQ1,Q2対、トランジスタQ3,Q4対、トラン
ジスタQ5,Q6対で、このうちQ1,Q2対、Q3,
Q4対は入力スイッチでNPNトランジスタで構成して
おり、Q5,Q6対は反対極性のpnpトランジスタで
構成しておりV/I変換器の一部を兼ねている。Q1,
Q2対及びQ3,Q4対はそれぞれR1,R2のエミッ
タ抵抗でバイアスされており、V/I変換を兼ねるQ
5,Q6対はトランジスタQ12による定電流回路でバ
イアスされている。各バイアス電流は各トランジスタの
しゃ断周波数fT が高く、かつ動作点におけるnpnト
ランジスタとpnpトランジスタのベース・エミッタ間
電圧の温度変化率が等しくなるような相補性を考慮して
決定され、一例として共に約1mA程度である。入力の
トランジスタ対Q1,Q2でQ1のベースは信号入力端
子T11へ接続され、Q2のベースは抵抗R3でVCCへ
バイアスされると共に制御端子T13へ接続される。そ
して共通エミッタの出力はpnpトランジスタ対のQ5
のベースへ接続される。同様にして他方のQ3,Q4対
のベースはQ3が入力端子T12,Q4が制御端子T1
4で、共通エミッタはV/I変換のトランジスタ対のQ
6のベースへ接続されている。
【0036】次にこの回路の動作を説明する。端子T1
1からの入力を選択し、端子T12の信号を非選択にす
るには、制御入力端子T13を“L”レベル、端子T1
4を“H”レベルにする。するとトランジスタ対Q1,
Q2は、Q2がカットオフし、Q1がエミッタホロアと
してその信号がQ5に伝えられる。また、もう一方のト
ランジスタ対Q3,Q4はベース電圧のより高いQ4の
みが導通し、そのエミッタ電圧はQ6に入力される。し
たがってpnpトランジスタ対Q5,Q6はベース電圧
が相対的に低いQ5のみが導通し、結局、入力端子T1
1の信号がV/I変換信号として選択される。端子T1
2側を選択し、端子T11側を非選択にするには、上述
の動作は逆の関係になる。端子T11の入力信号をVI
1とし、V/I変換を兼ねるトランジスタ対Q5,Q6
の共通エミッタの電圧をVO として前述の回路の選択時
及び非選択時の等価回路をZX による負荷効果を除いて
示すと、それぞれ図4(a),(b)のようになる。すな
わち、2段の直並列スイッチとして表され、re はトラ
ンジスタのエミッタ抵抗(1mAで約26Ω)で極めて
小さく、Zoff は逆バイアスされたベース・エミッタ間
の寄生インピーダンスなので、2段スイッチとしてのオ
ンオフ比は極めて大きく、数100MHzに至るまで5
0dB以上である。またオン時はエミッタホロワとして
動くので信号減衰は数100MHzまで1%以下の小さ
い減衰が可能である。
【0037】さらに本発明のバッファ付マルチプレクサ
10は、僅か2段のエミッタホロワ段でV/I変換動作
も実質兼ねるため動作が極めて広帯域にできる。
【0038】図3の2入力のバッファ付マルチプレクサ
10におけるpnpトランジスタQ7,Q8とQ9,Q
10による2つのカレントミラーは2入力のバッファ付
マルチプレクサ10の入力電流補償である。これにより
マルチプレクサがエミッタホロワ入力形であることと相
まって常に高い入力インピーダンスを維持し、ビデオア
ンプの低域特性を安定なものにする。
【0039】以上述べた本発明の2入力のバッファ付マ
ルチプレクサ10は、本発明の主要な手段の一つである
相補形バイポーラトランジスタ回路方式による回路の簡
略化と高性能化を実現している具体例である。
【0040】次に図3のV/I変換回路20における実
施例を説明する。本発明によるビデオ増幅器の広帯域化
のための主要な手段の一つは回路の可及的な電流動作化
である。それゆえ、電圧のビデオ入力信号はS/Nの劣
化がない段階で速かに電流信号に変換される。V/I変
換回路20は、前述のマルチプレクサの出力段を兼ねる
pnpトランジスタQ5,Q6と新たなpnpトランジ
スタQ16による差動回路である。その各々のエミッタ
にはカレントミラーを構成するpnpトランジスタQ1
2,Q13からそれぞれバイアス電流が供給されると共
に、V/I変換の変換利得を決める変換インピーダンス
ZX が接続されている。トランジスタQ16側は動作範
囲の中心を決める基準で、そのベースにはエミッタホロ
ワQ15を介して抵抗R14,R15の分圧回路で基準電
圧が与えられている。この基準電圧はビデオアンプとし
ての信号入力が交流入力になっているため厳密さは要せ
ず回路の最大許容入力を大きくする点から電源VCCの1
/2近傍に設定される。この基準と2入力のバッファ付
マルチプレクサ10の入力端子T11,T13とはV/
I変換回路として同一のレベルシフト量で温度変化に対
してもオフセットが同一になるようにトランジスタQ1
6の動作電流はマルチプレクサの動作電流にほぼ等しく
設定される。
【0041】このV/I変換回路は2入力のバッファ付
マルチプレクサ10によって選択された入力信号が、Q
5,Q6の共通エミッタに伝えられ、その電圧とQ16
のエミッタ電圧との差動圧(ΔV)が、V/I変換イン
ピーダンスで電流(ΔI=ΔV/ZX )に変換され、ト
ランジスタQ5,Q6のコレクタ及びトランジスタQ1
5のコレクタ電流はI±ΔIの形で変化する信号とな
る。変換インピーダンスZX は通常抵抗のみでも良い
が、V/I変換の周波数特性を積極的に変化させる場合
にはキャパシタ、或いはインダクタが併用される。
【0042】このV/I変換回路は平衡回路であるが、
入力信号はシングルエンデッド入力なので、通常高周波
領域での差動出力回路の周波数レスポンスは同一にはな
らない。それゆえ、本発明の実施例では出力側に抵抗R
12,R13、キャパシタC2を挿入して周波数レスポ
ンス特性を合せている。
【0043】次に、電流出力型のビデオゲインコントロ
ーラについて説明する。図3において、ゲインコントロ
ーラ31は、npnトランジスタQ37〜Q40のコレ
クタが交叉結合された差動段からなるいわゆる可変コン
ダクタンス形乗算回路、npnトランジスタQ35,Q3
6からなるカスコード増幅回路、npnトランジスタQ
41,Q42、抵抗R39,R40からなるバイアス回
路で構成されている。また、制御回路32は、npnト
ランジスタQ26〜Q29と抵抗R27〜R29からなる
電圧電流変換回路,ベース接地のnpnトランジスタQ
24,Q25による線形化対数バイアス回路,トランジ
スタQ30〜Q34と抵抗R30〜R38からなる制御電
圧分圧回路,pnpトランジスタQ43〜Q45,抵抗
R21〜R26からなる可変バイアス電流発生回路で構
成されている。
【0044】この構成の基本原理は、例えばグレーベン
著,中沢他訳,アナログ集積回路,近代科学社(昭59
−9),234頁−242頁に四象限乗算器として詳細
に論じられている。図3に示すビデオゲインコントロー
ラはこの基本構成に対して、Q35,Q36の前記カス
コード増幅回路,前記制御電圧分圧回路,前記可変バイ
アス電流発生回路を付加している点が異なる。ここで、
前記カスコード増幅器は、前記可変コンダクタンス乗算
器の出力に接続して、本乗算回路の負荷インピーダンス
を下げることで、帯域改善を図っている。
【0045】また、前記制御電圧分圧回路は、利得制御
端子T31の電圧を抵抗R37,R38で分圧して前記
電圧電流変換回路の一つの入力であるQ26のベースに
供給するとともに、R32〜R34で発生する基準電圧
をトランジスタQ30〜Q34と抵抗R30,R31,
R35,R36で構成するバッファアンプを介して前記
電圧電流変換回路の他方の入力であるQ27のベースに
供給している。このような構成にすることで、前記電圧
電流変換回路の他方の入力であるQ27のベース点は低
インピーダンスとなり、分圧抵抗R27の電流による基
準電圧の変動を大幅に低減し、利得を精度良く制御でき
る。また、利得制御端子T31の電圧を分圧して前記電
圧電流変換回路に供給するので、前記電圧電流変換回路
に必要な電源電圧を下げることができ、駆動LSI80
を低電圧電源(例えば5V単一電源)で動作することが
可能となる。
【0046】つづいて、可変バイアス電流発生回路につ
いて説明する。本回路はコントラストゲインによって変
化するブライトネスレベルを補正する回路である。図3
において、前記ゲインコントローラ31の出力電流差I
OGは
【0047】
【数4】
【0048】となる。ここで、KG はゲインコントロー
ラ31の利得、ZX は変換インピーダンス、VR1 は電
圧電流変換回路の基準電圧である。通常、Vi はVR1±
ΔV の範囲で変化し、ブライトネスレベルはVR1−Δ
Vに設定する。このとき、IOGは−KG・ΔV/ZXとな
り、利得KG に比例して変化する。本バイアス電流発生
回路はこの電流変化と逆極性の電流を発生するよう構成
している。すなわち、トランジスタQ20,Q21、抵
抗R21,R22からなるカレントミラー回路で前記電
圧電流変換回路の電流差を検出して利得KG に比例した
電流を発生し、この電流利得をトランジスタQ22,Q
23、抵抗R25,R26からなる電流分流回路でゲイ
ンコントローラ31の出力電流変化と等しくなるよう調
整している。以上のように構成することで、本バイアス
電流発生回路の出力は利得変化に対するブライトネスレ
ベルの変化と極性が逆で等しくできるため、この出力電
流を補助カレントミラーアンプ40で加算し、ブライト
ネスレベルの変動を補正することができる。
【0049】また、R23,R24からなるオフセット
加算回路はブライトネスレベルの出力電流を制御する回
路であり、R23,R24の値、及び制御端子T32の
電圧でブライトネスレベルの出力電流値を調整する。
【0050】次に、補助カレントミラーアンプ40につ
いて説明する。図3において、本アンプ40はゲインコ
ントローラ31の差動電流出力をシングルエンド信号に
変換する差動−シングル変換回路,増幅した複数の電流
を出力するpnpカレントミラー増幅回路,pnpカレ
ントミラー増幅回路の不感帯を補正するベース電流補正
回路で構成している。
【0051】ここで、差動−シングル変換回路は、pn
pトランジスタQ43〜Q45と抵抗R41〜R43か
らなるカレントミラー回路で構成し、本カレントミラー
の入出力端子であるQ43,Q44のコレクタはそれぞ
れゲインコントローラの出力Q35,Q36のコレクタ
と接続している。この構成により、カレントミラー回路
の出力Q44のコレクタ電流はゲインコントローラ31
の一方の出力であるQ35のコレクタ電流と等しくなる
ため、差動−シングル変換回路の出力はゲインコントロ
ーラ31の出力であるQ35とQ36のコレクタ電流差
となる。このため、電源ノイズ等によって生ずるコモン
モードノイズは、この差動−シングル変換回路で大幅に
減衰できるので、電源ラインを介した帰還ループによる
寄生発振を防止できる効果がある。
【0052】つづいて、pnpカレントミラー増幅回路
について説明する。本回路は出力電流が最小サイズの最
大定格電流以下で動作している。ここに、通常のエミッ
タ面積比(個数比)で増幅するカレントミラーを適用す
ると出力トランジスタは電流密度に関係なくN個必要と
なる。このため、出力トランジスタの容量が多くなり、
高速動作の障害となる。
【0053】本回路は入出力トランジスタを同一サイズ
で実現するものであり、この原理を図5,図6に示す。
図5はトランジスタのベース・エミッタ電圧VBEとエミ
ッタ電流IE の関係である。本図より、同一サイズのト
ランジスタでN倍の電流利得を得るには、出力トランジ
スタのVBEを入力トランジスタのVBEよりもΔV(=V
T In N)だけ多い電圧で駆動すればよい。図6はこの
考えに基づいて立案した電流増幅回路である。ここで、
ベース共通のトランジスタQ47とQ48のエミッタ電
流比はQ471〜Q473とQ481で構成するカレン
トミラーでN:1に制御されるため、Q48のVBEはQ
47よりVT In N だけ小さくなる。この結果、出力
トランジスタQ49のVBEは入力トランジスタよりもV
T In Nだけ高い電圧で駆動することとなり、出力電流
は入力電流のN倍となる。
【0054】以上のように、図6の電流増幅回路によれ
ば、同一サイズの入出力トランジスタでN倍の利得を得
ることができるため、出力トランジスタの寄生容量の影
響が少なく高周波特性の改善が図れる。
【0055】図3においてpnpカレントミラー増幅回
路は、pnpトランジスタQ46〜Q52,抵抗R44
〜R51で構成されている。本構成で、利得設定のVT
InNの電圧は抵抗R46,R47の抵抗比を1:Nに
してベース共通トランジスタQ47,Q48のエミッタ
電流をN:1にすることで発生している。これは、R4
6,R47の端子電圧がQ46とQ49のVBEで決定さ
れ、実用的に等しいと見なせることによる。また、入力
トランジスタQ46と出力トランジスタQ49〜Q52の
エミッタに接続している抵抗R44とR48〜R51は
各トランジスタのVBEばらつきによる特性劣化を防止す
るものであり、その抵抗比はN:1に設定している。
【0056】更に、入力トランジスタQ46のベースに
接続している抵抗R45はpnpトランジスタの電流利
得hieの変動によるカレントミラーの利得変化を補正す
るものである。図3において、利得設定電圧を発生する
Q47,Q48のエミッタには入力トランジスタQ46
と出力トランジスタQ49〜Q52のベース電流が加算
される。ここで、Q49〜Q52のベース電流和は、出
力トランジスタ数をM(図3では4)とすると、Q46
に対してM・N倍となる。このため、hieが減少すると
Q48のエミッタ電流が増加し、利得が減少する。一
方、入力トランジスタQ46のベースに接続した抵抗R
45はエミッタ抵抗に換算すると等価的にR45/hie
となる。この抵抗はエミッタ抵抗R44に加算されるこ
ととなり、hfeが減少すると入力トランジスタのエミッ
タ抵抗が増加し、利得が増加する。このように、出力ト
ランジスタのベース電流と抵抗R45でhieによる利得
変化は逆極性となるので、R45でhieによる利得変化
を補正できる。hieは通常、温度で大きく変化する。こ
のため、本回路は温度による利得変化も小さくできる効
果がある。
【0057】次に、ベース電流補正回路について説明す
る。上記pnpカレントミラー増幅回路で、ベース共通
トランジスタQ47,Q48のエミッタ電流は入力電流
によらずほぼ一定電流となり、この電流の1/hieがベ
ース電流IB となる。このベース電流IB は入力電流か
らとられるため、入出力特性に不感帯を生ずる。ベース
電流補正回路はこの不感帯を補正する回路であり、トラ
ンジスタQ53〜Q55、抵抗R52,R53、コンデ
ンサC6で構成している。本回路はQ47,Q48のコ
レクタ電流和をQ53に流し、Q53のベース電流をQ
54,Q55とR52,R53で構成するカレントミラー
で折り返えし、Q47,Q48のベースに流すよう構成
している。ここで、Q47,Q48とQ53のhieはほ
ぼ等しいので、Q53のベース電流はQ47,Q48の
ベース電流和と等しい。このため、Q47,Q48のベ
ース電流はQ53のベース電流と等しい電流で供給され
ることとなり、入出力特性の不感帯を除去できる。
【0058】また、本補助カレントミラーアンプ40で
は、可変バイアス電流発生回路の出力トランジスタQ2
3のコレクタをカレントミラー入力トランジスタQ55
のコレクタと接続することで、ゲインコントローラ31
の出力電流差と可変バイアス電流発生回路の出力電流が
加算されるように構成している。
【0059】次に、npnトランジスタによるカレント
ミラー電流増幅回路について説明する。図3においてn
pnカレントミラー電流増幅回路は51〜54の4ブロ
ックに用いている。本回路の構成及び動作を51のブロ
ック回路で説明する。本回路は、ベース電流補正形のカ
レントミラー回路を基本に構成している。すなわち、ミ
ラー比を設定するトランジスタQ56,Q58、抵抗R
54,R55とベース電流を補正するトランジスタQ5
7,抵抗R58を基本とし、高周波応答の安定化のため
に、抵抗R56,R57、コンデンサC7を加えて構成
している。
【0060】ここで、Q56とQ58のエミッタ面積比
は電流増幅率と比例し、R54とR55及びR56とR
57の抵抗比は反比例するように設定する。この設定に
より、R54とR55の電圧降下が等しくなり、Q56
とQ58を等しいベース・エミッタ間電圧で駆動でき
る。この結果、入出力電流比は設定した電流増幅率と等
しくなる。
【0061】本回路で、ベース電流補正トランジスタQ
57はエミッタホロワとして動作し、出力トランジスタ
Q58を駆動している。この出力トランジスタは電流増
幅率を大きくすると、エミッタ面積を大きくするととも
に、エミッタ抵抗R55が小さくなるため、大きな容量
負荷となる。このようなエミッタホロワ回路で容量を駆
動する構成はその応答に振動が生ずることが知られてい
る。本回路のR57は負荷の高周波インピーダンス低下
を制限することで振動を防止している。
【0062】また、コンデンサC7は、Q56とQ57
の負帰還ループによるf特ピークをQ56のエミッタの
高周波インピーダンスを下げることで低減している。
【0063】以上述べた図3の動作は、本発明で採用し
ている電流動作,相補形バイポーラトランジスタ回路に
よって容易になっている。
【0064】図7に間接帰還型ビデオ増幅器の他の実施
例を示す。同図において、ビデオアンプは低電圧部の駆
動段LSI80,高電圧出力段70,サンプルホールド
回路60、などからなっており、低電圧部の入力端子T
11には入力キャパシタCX1を介して端子1に入力信号
(図示せず)が加えられる。出力段70の出力はCRTの
カソードRに接続される。図7の電圧供給電源は高電圧
電源+VH (例えば120V)と低電圧電源+VCC(例
えば10V)である。
【0065】高電圧出力段70は数100Ωの負荷抵抗
RL と高周波パワートランジスタ71で構成され、その
ベースには+VCCの固定電圧が与えられている。パワー
トランジスタ71のエミッタには低圧部の出力段カレン
トミラー51,52,53とそのエミッタ抵抗RE1から
なるエミッタホロワが直列に接続されており、いわゆる
カスコード増幅器を構成している。またカスコードのエ
ミッタホロワにはベースを共通にしたトランジスタQ6
9とエミッタ抵抗RE2からなる小容量のエミッタホロワ
が並列に接続され、それらの共通ベースは前置増幅器8
1の出力に接続される。トランジスタQ69のコレクタ
は抵抗RF を介して電源+VCCに接続されると共に、サ
ンプルホールド回路60のスイッチ61に入力される。
スイッチ61の出力側はホールドキャパシタCX2及び増
幅器62の入力側に接続される。増幅器62の他方の入
力には抵抗R601,R602からなる電源+VCCの分
圧電圧が入力され、増幅器62の出力側63は抵抗R8
9を介して前置増幅器81の入力に接続されている。こ
の閉ループの一巡利得は数100程度になっている。
【0066】図7において、高電圧出力段の所望の直流
バイアス出力をVO ,対応するトランジスタQ69より
の帰還電圧をVF 、トランジスタQ69,51,52,
53のエミッタベース間電圧をVBE,増幅器81の出力
電圧をVA とすれば、VO ,VF はそれぞれ次のような
関係で表わせる。
【0067】
【数5】
【0068】
【数6】
【0069】(5),(6)式より
【0070】
【数7】
【0071】ただし、(7)式におけるkはサンプルホ
ールド回路の増幅器62の基準入力分圧比(≡R602
/R601+R602)である。したがって、所望のV
O について(7)式を満足するように図7の可変抵抗R
F が設定される。
【0072】以上のように構成されているので、サンプ
ルホールド回路60の制御入力端子T61にさきの図2
の波形のバックポーチとして示した期間にサンプリング
パルスが印加されるとバックポーチの期間の出力電圧に
相当する電圧がサンプルホールドされ基準値と比較され
て増幅器62,抵抗R89を介して出力電圧を修正する
ように負帰還される。サンプリングパルスは水平同期
(1H期間)毎に周期的に加えられるから、ついには出
力電圧の直流電圧は設定した所望の値に等しくなり、そ
の値を保持する。上述した(7)式及び図7の構成にお
いては、出力電圧と帰還電圧の関係は温度等に依存しな
い対称な差動関係になっていることに注目されたい。そ
のため、高電圧出力部からの帰還と同様な良好な精度で
制御されるのである。
【0073】このように総て低圧部の回路のみで出力,
電圧のバイアス制御が可能になった結果、高電圧出力部
の負荷は軽減され(1〜2PF程度)、数10%の帯域
向上と、高周波電力消費の軽減が可能になるのである。
また、高電圧部の帰還抵抗の省略はコストや信頼性の点
からも望ましく、また、回路の集積もし易くなる。
【0074】図8は図1の実施例に適用した間接帰還形
ビデオ増幅器の実施例であり、図9は図3の実施例に適
用したサンプルホールド回路の実施例である。図8,図
9の構成及び動作は図1及び図3と等価であるので、こ
こでは説明を省略する。
【0075】図10は間接帰還型ビデオ増幅器の他の一
実施例であり、図8の実施例と異なる点は、図8のサン
プルホールド回路60の代わりにピークホールド回路6
5を用いたことにある。このピークホールド回路65は
ダイオード66,67、抵抗R601〜R603,コン
デンサCX ,増幅器62からなり、ダイオード66とコ
ンデンサCX により端子T85に発生する電圧のピーク
値(端子T85に発生する電圧極性は出力の極性と同じ
である)をホールドするものである。これにより、映像
信号のバックポーチレベルに相当する電圧を図8のよう
にタイミング信号を用いずとも得ることができ、図8と
同様の効果が得られる。なお、ダイオード67,抵抗R
603からなる回路は増幅器62の入力動作点を合わせ
るためのものである。
【0076】次に、間接帰還型ビデオ増幅器のもう一つ
の実施例を図11に示す。図7の実施例と異なる点は、
前置増幅器81に反転増幅器を用い、低圧部の出力段カ
レントミラーアンプ51,52,53をpnpトランジ
スタに置換し、これらのトランジスタのエミッタ側にエ
ミッタ抵抗RE を接続してエミッタホロワを構成したこ
とである。更に、サンプルホールド回路60への帰還電
圧を端子T51からとるようにしている。
【0077】図11において、出力段カレントミラーア
ンプ71,51,52,53のエミッタ・ベース電圧を
VBE,増幅器81の出力電圧をVA とすれば、高電圧出
力段の所望の直流バイアス出力VO 、及びサンプルホー
ルド回路60への帰還電圧VF はそれぞれ次のような関
係で表わせる。
【0078】
【数8】
【0079】
【数9】 VF=VA+VBE …(9) (8),(9)式より、
【0080】
【数10】
【0081】が成立し、(7)式と同様の関係が得ら
れ、総て低圧部の回路のみで出力,電圧のバイアス制御
が可能になる。
【0082】更に、間接帰還型ビデオ増幅器の他の一実
施例を図12に示す。図12は、サンプルホールド回路
60に入力する帰還電圧を前置増幅器81の出力、即
ち、低電圧回路部の中間段から得るようにした一実施例
である。この場合も(7)式と同様の関係が得られるの
で、総て低圧部の回路のみで出力、電圧のバイアス制御
が可能となる。
【0083】このように、ビデオ増幅器の出力電圧(C
RTディスプレイのカソードに印加される高電圧)より
も低電圧となる部分から間接的に入力側に負帰還すれば
よく、種々な変形が含まれる。
【0084】図13に図3の実施例に適用したマルチプ
レクサの実施例を示す。本実施例の構成及び動作は図3
で説明したとおりである。
【0085】図14にマルチプレクサの他の実施例を示
す。本実施例はマルチプレクサをトランジスタQ5,Q
6,Q201〜Q203,定電流源I3 で構成する差動
増幅回路に適用したものである。本実施例においても、
入力信号VIN1 を選択するときは、制御信号VSW1とV
SW2にそれぞれGNDとVCCを入力する。この結果、Q
3,Q6はカットオフし、Q1,Q5はエミッタホロワ
として動作する。このため、差動増幅回路の入力にはV
IN1 が選択される。このとき、差動増幅回路の一方の入
力であるQ5のベース電圧はVIN1 −VBEとなり、他方
の入力であるQ16のベース電圧はVREF −VBEとな
る。このため、本実施例においても、Q1,R1及びQ
15,R16をマッチング良く設計することでオフセッ
ト電圧を小さくできる。
【0086】次に、補助カレントミラーアンプ40に用
いる電流増幅回路の他の実施例を図15から図19を用
いて説明する。
【0087】図15において、41は入力端子、42は
出力端子、43は電源端子である。また、Q401,Q
402はエミッタが共通接続の2つのトランジスタ、Q
403,Q404はベースが共通接続の2つのトランジスタ
で、Q401〜Q404のベース・エミッタ間のダイオ
ードによるブリッジ回路を構成している。また、トラン
ジスタQ401,Q411〜Q41N,Q421はカレ
ントミラー構成であり、トランジスタQ401のコレク
タは入力端子41に、トランジスタQ411〜Q41N
のコレクタはトランジスタQ403のエミッタに、トラ
ンジスタQ421はトランジスタQ404のエミッタにそ
れぞれ接続される。また、トランジスタQ403,Q4
04のベースは入力端子41に、コレクタは電源端子4
3に接続される。また、トランジスタQ401のコレク
タは出力端子41に接続される。この図12の構成にお
いて、トランジスタQ41,Q411〜Q41Nのカレ
ントミラーはトランジスタQ403を介した帰還ループ
で閉じること、トランジスタQ411〜Q41Nはトラ
ンジスタQ401と同一のエミッタ面積のものをN個使
用することとすると、入力端子41に加えられた入力電
流Ii は、トランジスタQ401にIi,トランジスタ
Q411〜Q41NにそれぞれのIi(合計でNIi)が
流れる。一方、トランジスタQ421はトランジスタQ
401とカレントミラーの関係にあるので、トランジス
タQ421もトランジスタQ401と同一のエミッタ面
積のものを使用しているので、トランジスタQ421も
Ii が流れる。このため、エミッタが共通接続の2つの
トランジスタQ403,Q404にはそれぞれNIi ,I
i が流れることになる。
【0088】次に、トランジスタQ401,Q402,
Q404のダイオードブリッジ回路では、トランジスタ
のベース・エミッタ間電圧をそれぞれVBE1,VBE2,V
BE3,VBE4とすると、
【0089】
【数11】 VBE1+VBE3=VBE4+VBE2 …(11) が成り立つ。また、(11)式のそれぞれのベース・エ
ミッタ間電圧は次のように表わされる。
【0090】
【数12】
【0091】
【数13】
【0092】
【数14】
【0093】
【数15】
【0094】ここで、VT はサーマル電圧 AE はトランジスタのエミッタ面積 ISOは単位面積当りのコレクタ逆方向 飽和電流 IO はトランジスタQ404のコレクタ電流、即ち出力
端子42から取り出す出力電流 である。(11)式に(12)〜(15)式を代入して整
理すると、(16)式になる。
【0095】 IO=NIi …(16) 即ち、トランジスタQ411〜Q41NとQ421のカ
レントミラー比N:1が電流利得N倍になることを示し
ており、カレントミラー電流の絶対値には関係しない。
【0096】この原理は、同一エミッタ面積のトランジ
スタQ401〜Q404でダイオードブリッジ回路を組
み、ベースが共通接続の2つのトランジスタQ403,
Q404のエミッタ間に電位差ΔV(=VBE3−VBE4=
VT In N)を発生させて、このΔVをエミッタが共通
接続の2つのトランジスタQ401,Q402のベース
間に加えることにより、トランジスタQ402のベース
・エミッタ間電圧VBE2 が見掛上ΔVだけ増加したこと
による。したがって、このΔVが加算されたトランジス
タQ402のコレクタには(16)式のようにトランジス
タQ401のコレクタ電流、即ち入力電流Ii のN倍の
出力電流IO を得ることができる。以上述べたように本
実施例によれば、ダイオードブリッジ回路は高速動作
(ダイオード接続のためトランジスタのベース・エミッ
タ間電圧は変動しないためトランジスタの寄生容量の影
響が少ない)であること、出力トランジスタも最小個数
で帯域を制限する寄生容量を小さくできることにより、
高周波特性の改善が図れる。
【0097】また、入力電流Ii にリンクしてトランジ
スタQ403,Q404電流値が設定できること、ダイ
オードブリッジ回路の対向トランジスタに流れる電流を
等しくできることから、入力電流Ii が0から動作し
(図17の(a)のような特性)、かつ入出力特性の直線性
も良い。
【0098】上述した実施例においては、入力電流Ii
にリンクした電流がトランジスタQ404,Q421の
トーテムポールに流れるが、トランジスタQ404とQ
421の動作が相殺する方向に働くため、高周波での出
力電流IO が制限されることになる。高周波特性を改善
するには、トーテムポールのトランジスタQ421に定
電流を流すことにより、トランジスタQ404とQ42
1の相殺作用がなくなり、より高周波特性が良くなる。
【0099】即ち、これを実現するための本発明の他の
一実施例を図16に示す。図16において、図15の実
施例と異なる点は、トランジスタQ411〜Q41N,
Q421,Q431によりカレントミラーを構成し、定
電流をベースが共通接続の2つのトランジスタQ40
3,Q404に流したことにある。この場合もトランジ
スタQ411〜Q41NとQ421のカレントミラー比
をN:1に設定しておくと、(16)式が成立し、電流
利得はN倍が得られる。
【0100】上述図16の実施例においては、ベースが
共通接続の2つのトランジスタQ403,Q404に定
電流を流しているので、トランジスタの電流増幅率分の
1の電流だけは入力電流Ii からベース電流ΔIとして
とられ、入出力特性が図17の(b)の直線のようにな
る。このΔIは不感帯となり、入力電流Ii がΔI以上
にならないと出力電流IO が得られない。このため、図
17(a)のように入力電流Ii が0から出力電流IO
を得るための本発明の実施例を図18に示す。
【0101】即ち、図18において、トランジスタQ4
41,Q442,Q443を設けて、ベースが共通接続
の2つのトランジスタQ403,Q404に流れる和の
電流の電流増幅率分の1の電流をトランジスタQ441
(トランジスタQ403,Q404と同一エミッタ面積
のものを使用)により取り出し、次に、トランジスタQ
442,Q443のカレントミラーにより入力端子41
に加算して、ベース電流補正により不感帯ΔIをなくす
ようにしている。
【0102】以上述べた図15,図16,図18の実施
例は、1出力の電流増幅器構成で説明したが、マルチ出
力も可能である。この場合、出力トランジスタがマルチ
数だけ増えるだけで実現できるので、1出力に比べ高周
波特性はあまり損なわれない。
【0103】また、エミッタが共通接続の2つのトラン
ジスタやカレントミラー回路のトランジスタのエミッタ
側に抵抗を入れることにより、高周波特性がより向上で
きる効果がある。この場合、抵抗値の設定は、トランジ
スタに流す電流比によって抵抗にかかる電圧が一定とな
るような値に選ぶ。
【0104】また、電流利得として1/Nを得ようとす
る場合には、ベースが共通接続の2つのトランジスタに
流す電流のカレントミラー比をN:1から1:Nに変え
ることにより実現できる。
【0105】また、電流増幅器に使用するトランジスタ
はnpnで説明したが、pnpに置換してソースタイプ
の出力を得る電流増幅器も可能である。図19に、図1
8の実施例をpnpに置換した実施例を示す。この場合
も高周波特性については図18と同等の効果が得られ
る。特に、トランジスタQ441のベースと接地電位間
に挿入したコンデンサC401は高周波でのベース電流
補正帰還量を抑えて、周波数特性を平坦にする効果があ
る。また、pnpでも縦形トランジスタといえどトラン
ジション周波数fT はnpnより低いので、本発明はp
npの方が効果が大きい。
【0106】次に、相補トランジスタ回路を用いた本発
明の他の一実施例を図20から図31を用いて具体的に
説明する。
【0107】図20は本発明の他の実施例にかかるビデ
オ増幅器及びそれを用いたCRTディスプレイ装置を示
している。
【0108】尚、本実施例は、間接帰還型ではなく、直
接帰還型のビデオ増幅器及びそれを用いたCRTディス
プレイ装置である。
【0109】本実施例におけるビデオ増幅器は、バッフ
ァ付マルチプレクサ100,電流出力形のビデオゲイン
コントローラ300,複数出力のカレントミラー回路4
00,複数出力カレントミラー回路の増幅器500から
なる相補形ビデオ増幅回路であり、出力はCRT700
のカソードに印加される。
【0110】まず、図20において、バッファ付マルチ
プレクサ100の構成は、npnトランジスタ対21
1,212の差動段とその共通エミッタ側の電流バイア
ス用の定電流回路213、およびこれと対称なpnpト
ランジスタ対231,232とその共通エミッタ側の電
流バイアス用の定電流回路233からなっている。そし
てnpnトランジスタの差動段のエミッタ出力は次段の
差動段のpnpトランジスタ231のベースに配線23
4を介して接続されている。同様に他方のpnpトラン
ジスタ232のベースには別のnpnの差動段(図示省
略)の信号が接続される。この回路100の入力は端子
201で出力はpnp差動段の共通エミッタから配線2
35を介して出力されるようになっている。定電流回路
213と233の値は相補性良くほぼ同じ値、例えば共
に1mA程度に設定されている。以上のような構成にお
けるバッファ付マルチプレクサ100の動作は次のよう
になる。入力電圧信号が端子201に印加され、制御端
子204の電圧が入力端子201の電位よりも低い場
合、トランジスタ212はしゃ断となり入力信号はトラ
ンジスタ211のエミッタフォロワとして次段のトラン
ジスタ231に伝達され、トランジスタ232の入力が
しゃ断状態とすると同様に次段もエミッタホロワ動作と
なり出力は信号線235より出力される。すなわち、こ
の出力が選択状態における等価回路は図21(a)に示
すように、エミッタホロワの低出力インピーダンスZ
O(=kT/qIE で表わせIE =1mAでは〜26Ω)
と高インピーダンスZoff′(定電位回路の出力インピー
ダンスとしゃ断トランジスタのしゃ断リークインピーダ
ンス)の2段回路となり、入力信号は高入力インピーダ
ンス,低出力インピーダンスのバッファとして働き、ま
た信号は極めて減衰が少なく(例えば通常1%よりも少
ない)、また、広帯域動作する回路となる。
【0111】次いで、入力信号をしゃ断する場合には制
御入力端子204の電圧を入力より高くし、信号源側の
トランジスタ211をしゃ断状態にする。同様に次段の
pnp段もトランジスタ231をしゃ断状態にする。この
場合の等価回路は図21(b)に示すようになりトランジ
スタの入力しゃ断インピーダンスZoff はエミッタの出
力インピーダンスZonと比較すると高周波においてもZ
on≪Zoff の関係にあるためしゃ断時の減衰量は(Z
off≪Zon)2 で極めて大きくなり、具体的な1計算例を
示すと300MHzにおいても55dBと極めて優れた
ビデオマルチプレクサが実現できる。また、初段の差動
段と2段目の差動段はそれぞれnpn,pnpの相補ト
ランジスタを用いているので、入出力間のレベルシフト
が温度変化も含めて相殺し合い、ほとんどシフトしな
い。また、トランジスタは電源電圧に直列に2個直列に
なっているのみなので、低い電源電圧でも比較的大きな
信号入力範囲を許容できることになる。これらの特徴
は、従来の同一極性のトランジスタからなるカスケード
接続の差動2段スイッチにはない特徴である。
【0112】次に電流出力形のビデオゲインコントロー
ラ300について説明する。
【0113】図20におけるビデオゲインコントローラ
300は図3に示す本発明の実施例と同様にnpnのト
ランジスタ311〜314のコレクタ電極が交叉結合さ
れた差動段からなるいわゆる可変コンダクタンス形乗算
回路と、トランジスタ331,332及び電圧電流変換
回路35,抵抗333,334の分圧回路とからなる線
形化対数バイアス回路を主体にしている。トランジスタ
対311,312及び313,314の共通エミッタに
はそれぞれトランジスタ315,316及び抵抗32
3,定電流回路321,322からなる電圧電流変換回
路が接続されている。交叉接続されたトランジスタ対の
一方にはダイオード318,319(アーリ効果のバラ
ンス用ダイオード)が接続され、他方には乗算回路のト
ランジスタと相補な極性のpnpのトランジスタ31
7,401,411等からなるカレントミラー回路が接
続される。
【0114】入力信号の電圧電源変換回路のバイアス端
子303の電圧は入力信号範囲のほぼ中間的な値に固定
される。それゆえ、トランジスタ315のベースに印加
された入力信号電圧は端子303のバイアス電圧との差
分が、抵抗323によって電流信号によって変換され、
乗算回路を構成する交叉接続された差動トランジスタ3
11〜314に供給される。一方差動トランジスタ31
1〜314のベース側に接続されているトランジスタ3
31,332、電圧電流変換回路35は前述したように
線形化バイアス回路であり、制御入力端子351,35
2間の電圧に比例的に差動トランジスタ対に流れる電流
を変化させる。したがって、ゲインコントローラ300
の負荷側のトランジスタ320に流れる出力電流は、ト
ランジスタ315のベース入力電圧に比例し、かつ、利
得制御端子351,352間の制御電圧によって直線的
に変化し、ゲインコントローラとなる。
【0115】開示したゲインコントローラ300におい
て実際上重要な点の一つは、出力信号を相補対のトラン
ジスタ317を介して電流信号として利用する点にあ
る。したがって、本発明に適用できる乗算器の基本形と
してはこのトランジスタコンダクタンス形以外にも有効
に適用できる。例えば利得加算形可変利得増幅回路とし
て知られる差動段の電流振り分けを利用した乗算器でも
同様の利点を享受できる。また、実施例に開示した乗算
器は、エミッタ電流バイアス量に対するトランジスタの
トランスコンダクタンスの従属性を利用するものなの
で、精度,速度の両面から電圧出力よりも電流出力の形
で利用するのが有利である。また、電流出力の方が限ら
れた電源電圧において大きなダイナミックレンジ(S/
N比大)が得られること、さらに電流出力は出力ノード
の電圧変化による寄生容量の充放電の影響が少ないため
高速に動作しえる大きな利点がある。
【0116】さらに、出力段について相補トランジスタ
回路の利点を示す。ビデオゲインコントローラ300の
出力に挿入されたpnpトランジスタ317はpnp形
のカレントミラー回路400の基準トランジスタになっ
ている。すなわち、ベース電流補正トランジスタ401
を有するカレントミラー回路400の各出力トランジス
タ411〜41nのコレクタには、正確に基準トランジ
スタに対する設計倍率比でもってゲインコントローラ3
00の出力電流が流れる。すなわち、カレントミラー回
路400は、電流分配及び電流増幅(1倍の増幅も含
む)の機能を持つ。カレントミラー回路400からの各
電流出力は電流信号のままカレントミラー増幅器500
に入力され、増幅される。電流増幅率は基本的には、入
力側トランジスタ511〜51nと出力側トランジスタ
521〜52nのエミッタ寸法比によって決められる
が、電流比精度を向上し応答速度の線形性と高速性を良
好にするため各入出力トランジスタのエミッタにはエミ
ッタ寸法比に反比例したエミッタ抵抗541〜54n,
551〜55nを挿入すると共に、ベース電流補正用ト
ランジスタ531〜53nが使用される。カレントミラ
ー増幅器500の出力は各々端子571〜57nを介し
てトランジスタ71のエミッタ電流として供給される。
【0117】トランジスタ71のコレクタ電圧はCRT700
のカソード701にコントラスト信号として印加され、
これらの信号のRGBの合成としてCRT700は色信号とな
る。尚、761は電圧源、763は負荷抵抗である。
【0118】以上のような相補形カレントミラー回路に
よる電流増幅は、電流動作なので高速であり、低い電源
電圧下においても大きなダイナミックレンジが得られ、
また、電流信号なのでカレントミラー回路の接地インピ
ーダンスによる電位変動の影響を受けない。このことは
大電流出力段においては特に大きな利点となる。また相
補形トランジスタによるときは、回路及び接続が簡単に
できるので、本質的に高速化に適し、寸法も小形にな
る。
【0119】次に本発明の具体的なシステム応用の実施
例について、図22を用いて説明する。図22は本発明
の他の一実施例にかかる高精細CRTディスプレイ装置
のビデオ増幅系のブロック図である。図22において、
1チップ化されたビデオアンプIC80内にデュアル入
力バッファ100,ビデオゲインコントローラ300,
信号分配のカレントミラー400,複数のカレントミラ
ーアンプ501〜50nがあり、図示のように従属接続さ
れている。さらに、サンプリングスイッチ61,アンプ
62,バイアス抵抗R89,R90等を含んでいる。上
記の各機能のブロックの符号は、既に詳述した図3又は
図20と同等、若しくは等価物には同一符号を付して示
している。
【0120】複数のカレントミラーアンプ501〜50
nの各出力端子は各々のグランド端子と交互に配置され
ており、それらはチップ80の外で各々1本の出力端子
及びグランド端子にまとめられる。カレントミラーアン
プ501〜50nのまとめられた出力線は、高周波のパ
ワートランジスタ71のエミッタへ接続される。また、
パワートランジスタ71のベースには数V程度の順バイ
アス電源762が印加され、さらにコレクタには負荷抵
抗RL を介して出力用の高電圧電源761が接続され
る。すなわちIC80とパワートランジスタ71は電流
駆動電圧出力のカスケード増幅器を構成している。パワ
ートランジスタ71のコレクタ出力は、一定のカソード
バイアス電源(図示せず)を介してCRTのカソードへ
導くと共に、直流動作点を定めるための帰還抵抗77
1,772を介してビデオIC80のサンプリング入力
端子601へ供給されている。この信号はサンプリング
スイッチ61,ホールドキャパシタCX2,アンプ62,
高抵抗R89,R90を介して増幅器の入力側に入り、
ネガティブフィードバックとなるように接続されてい
る。サンプリングスイッチ61の入力端子T63には増
幅器の高電圧出力が所望の値となるような基準電圧が与
えられる。このビデオIC80の入力端子202には交
流結合用のキャパシタCX1を介して図示のようなアナロ
グビデオインタフェース信号が加えられる。この信号電
圧は通常ビデオメモリ,D/Aコンバータ(何れも図示
せず)により発生され、その振幅は1Vないしそれ以下
である。高精細CRTにおけるカソード電極駆動のコン
トラスト信号電圧は40V程度必要であるから、ビデオ
増幅器としては最大100倍程の利得を持つ反転形の電
圧増幅器を構成している。ビデオゲインコントローラの
外部端子T21,T22間に接続される抵抗と抵抗キャ
パシタからなるインピーダンスはビデオゲインコントロ
ーラの電圧電流変換インピーダンスである。したがって
このインピーダンスをZX とし、負荷抵抗RL の抵抗値
をRL とすると図22におけるビデオアンプの出力VO
は入力Vi に対して、図1で示す実施例と同様に(1)
式で示す関係となる。図23は図22の詳細回路図であ
る。
【0121】図22の実施例回路に示したように、ビデ
オIC80の電流出力端子571〜57nは、グランド
端子581〜58nとペアで出力するよう構成されてい
る。そして各グランド端子は、図23の詳細回路図に示
すように、各出力回路毎に共通グランド端子782に接
続されている。このようにすることにより出力電流は共
通線に流れず各グランド線に流れ、さきに述べた電流信
号インタフェースの効果と共に、出力電流によるインピ
ーダンス降下の影響を軽減し、広帯域かつ低ノイズ動作
に寄与する。
【0122】この観点からのIC出力段のもう一つの特
徴は図24(a)のパッケージの端子配列図に示されて
いる。図24(a)に示すように、各電流増幅器の出力
端子(Oi)とグランド端子(Gi)は隣接して交互に配
置される。各出力端子に流れる電流と各グランド端子に
流れる電流は極性が逆で、かつ大きさは等しい。そのた
め図24(a)に示すような密でほぼ等しい端子長を有
するパッケージにおいて各出力端子と各グランド端子間
相互インダクタンス効果が作用する。したがって各端子
の実効リードインダクタンスは大幅に減少する。
【0123】このため、IC内のグランド電位の変化に
起因する不安定な帰還効果を排除することができ、広帯
域信号の出力を可能にする。また出力リードに流れる電
流の誘導は打消し合うため外部リードが発生するノイズ
を大幅に低減でき、他に妨害を与えない。
【0124】本実施例においては、分割した電流出力段
を備えているため、高速動作に対応する多様な高電圧出
力段に対応できる。
【0125】図24(a)に示したような分割多出力の
ICパッケージをプリント板上に実行するのに際して
は、プリント板側の導体パターン配置についても分割多
出力によるリードインダクタンス低減に対応した工夫が
有効である。図24(b)はそのようなプリント板側の
導体パターン配置の一実施例を示す。
【0126】図24(b)において、実線はプリント板上
の導体パターンを示し、点線はリードを含むICパッケ
ージを示す。すなわち、ICパッケージの出力リード5
71〜576を集合する出力導体パターン570とグラ
ンドリード581〜586を集合するグランド導体パタ
ーンは櫛歯状に入りくんで対面している。ICパッケー
ジのリード電極は581′の如く先端が導体パターンに
対して平行になるよう予め折り曲げられており、リード
の折り曲げ部が前記導体パターンの櫛歯状の上に重ねら
れ、半田等により電気的に接合される。さらに、内側の
出力導体パターンは複数のスルーホール導体(図示せ
ず)を介して裏面に導かれ、グランド側の導体パターン
と共に平衡した低インピーダンスの配線を形成する。こ
のような、インラインの櫛歯状電極は、パッケージのリ
ード長を短く、かつ実効長を平衡させるに適した実施例
である。
【0127】図25〜図27は出力段の他の実施例を示
す。
【0128】図25は多数の電流出力増幅器500のう
ちの1個の501でトランジスタ71と抵抗RL からな
る回路との直列接続で既に説明したカスコード増幅器を
構成し、残りの502〜50nでバッファ増幅器を駆動
する。すなわち、パワートランジスタ751はエミッタ
ホロワで、パワートランジスタ752はエミッタホロワ
の定電流バイアス源となっている。このような図25の
構成においては、トータルの消費電流を増加することな
くエミッタホロワにより出力インピーダンスを下げ高速
な負荷容量駆動を可能にする。
【0129】図26は本発明を利用する出力段構成の一
実施例を示す。図26の実施例においては、電流増幅器
502〜50nとパワートランジスタ71,負荷抵抗R
L でカスケード増幅器を構成し、電流増幅器501でカ
スケード増幅器の入力側に設けたパルストランス765
を駆動する。パルストランス765は二次側に微分用の
キャパシタ767を備えており、パルストランスと併せ
て微分回路を構成する。抵抗764は回路のダンピング
抵抗である。この微分の極性は変化を加速する極性にな
っている。すなわち、各電流増幅器の電流が増加方向変
化に対してパルストランスは図示の極性の正電圧パルス
を発生し、トランジスタ71のベース電圧を正にしてト
ランジスタ71に流れる電流を加速する。電流が減少方
向に対しても同様の理由で加速される。したがって終段
増幅器の帯域はより広帯域にできる。
【0130】図27は本発明を適用した出力段構成の他
の実施例を示す。図27においては、カスケード増幅器
のパワートランジスタ71と負荷抵抗RL の間にパルス
トランス765を介し、その一次側を電流増幅器501
で駆動するものである。この場合の駆動の極性もトラン
ジスタ765のコレクタ電圧の変化を助長するように選
んでおく。そうすることにより微分利得は増加し、広帯
域化することができる。このような方法はある種のピー
キングであるからパルストランスのインダクタンスは、
帯域が減少しつつある範囲で効果をもたらすように、使
用するトランジスタや負荷の容量に依存して適切な範囲
に選定される必要がある。
【0131】以上図25から図27の実施例を通して、
本発明を利用して多様な高電圧出力段とその広帯域化に
対応しうることを示した。これらは例示であり、更に多
くの変形がありうる。これらの多様化への対応は、IC
部の出力段が、複数に分割されたオープンコレクタ形の
電流出力形として構成されている点に起因する。すなわ
ち、本発明における複数に分割された出力段は複数の負
荷を相互干渉なしに駆動しうるため、多様な出力形式が
可能になる。
【0132】本発明の他の実施例における相補対性回路
は応用上多くの好ましい特性を発揮しうる。その一つ
は、CRTビデオ増幅器の利得調整時におけるコントラ
スト信号とブライトネス信号の無干渉化である。ビデオ
増幅器のゲインコントロールに用いる四象現乗算器の入
出力特性は、中心値(平衡状態)が0なのに対し、ビデ
オアンプ出力としては片極性の出力であるからバイアス
を持つ。その結果図28(a)の入出力特性図に示すよ
うに、入力vi に対して利得1,2に対応する出力波形
はvO1,vO2のように利得を変えると出力波形の基準レ
ベルが図示のようにVb なる変動となる。このようにコ
ントラストのゲインを変えるとブライトネスレベルも変
動するので好ましくない。動作範囲を半分(図28
(a)で入力を点線の右側に限定)すれば変動は除きう
るも、ダイナミックレンジが半分になり不利である。
【0133】そのため、本発明では図29のように、利
得に比例したバイアス発生回路で対応した。図29にお
いては、ビデオゲインコントローラ300の回路中に、
可変バイアス回路308を設ける。バイアス回路308
は一定のpnpトランジスタ381,382を用いたカ
レントミラー回路であり、その入力側のトランジスタ3
81はトランジスタ332に直列に挿入され、出力側は
ゲインコントローラ出力に並列に挿入されている。こう
すると可変バイアス回路308にはゲイン可変の電流を
発生させることができ、ゲインコントローラ300の出
力は利得に応じてバイアスされることになり、その特性
は図28(b)の如きものとなる。すなわち、利得を
1,2,……の如く変化してもそれに応じてバイアス補
正分も変化するので、出力はvO1,vO2の如く基準レベ
ルの変化がなく安定でかつ広い入出力ダイナミックレン
ジで動作できる。
【0134】図30は本発明の他の一実施例を示す。図
30は、ゲインコントローラ300の電流出力をpnp
トランジスタ343,345からなる電流差動回路で差
動に変換し、差動電流をカレントミラーの基準トランジ
スタ317に流し、出力トランジスタ411からの信号
電流IO を得るものである。この差動出力特性を図31
の特性2に示す。図31は横軸を入力信号電圧ΔVi,
縦軸を出力電流IO,パラメータをゲインコントローラ
300の利得制御電圧ΔVC =0,V1,V2とした場合
のシングルエンド特性1と差動特性2を比較して示して
いる。差動特性はΔVi の動作範囲は半分になるが、利
得は2倍になりまたΔVC =0(利得が0)における出
力電流は0になるので、その状態をビデオ信号のブラツ
クレベルに対応させておけば、さきの図29に示したよ
うな目的、すなわち、利得変化時の基準動作点の変動防
止を図ることができる。
【0135】以上述べた図28,図30の動作は、本発
明で採用している電流動作,相補形トランジスタ回路に
よって容易になっている。
【0136】尚、以上本発明の種々の実施例においては
バイポーラトランジスタを用いて説明してきたが、相補
型JFETなどを用いても構成できる。更に、高周波p
npトランジスタとして縦形pnpを用いたり、ラテラ
ルpnpを用いることも適宜可能である。
【0137】更には、本発明にかかる相補トランジスタ
回路を用いる用途として、高周波を扱うレーザドライ
バ,超音波ドライバ,ラインドライバ,パルスアンプ,
カレント出力伝送器,定電流出力回路など増幅器を用い
る広範なアプリケーションが考えられる。
【0138】
【発明の効果】
(1)本発明によれば、増幅器出力側の等価負荷が軽減
でき、また大部分の回路が電流モードで動作するので高
速,広帯域動作が可能になる。具体的にはビデオ増幅器
の帯域は250MHz〜300MHzで5Mピクセル以
上の高精細CRTディスプレイ装置が実現でき、ICド
ライバのみで帯域500MHzが実現される。
【0139】(2)本発明によれば、電流信号で動作で
きるので、信号のダイナミックレンジを大きくでき、高
精度にできる。本発明により、必要な信号レンジで±
0.5%以下の精度が容易に達成できる。
【0140】(3)上述の理由で、低電圧電源で動作可
能であり、低消費電力化が図れ、集積化し易くなる。
【0141】(4)本発明によれば、回路規模が小形で
簡単になるので安価にできるとともに信頼性が向上でき
る。
【0142】(5)本発明によれば、電流信号で動作さ
せるのでグランドの電位変動等に対して強くS/N比が
向上できる。
【0143】(6)同上の理由により、信号の加減算レ
ベルシフトが容易になり、新しい機能に対応し易い。
【0144】(7)本発明の出力段分割により、端子の
実効リードインダクタンスを小さくでき、また高電圧出
力段の広帯域化が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す回路ブロック図。
【図2】ビデオ信号の入出力波形を示す図。
【図3】本発明の一実施例を示す詳細回路図。
【図4】図3のマルチプレクサの等価回路を示す図。
【図5】図3の電流増幅回路の動作原理を示す特性図。
【図6】電流増幅回路の動作原理を示す回路図。
【図7】間接帰還型ビデオ増幅器の他の実施例を示す回
路図。
【図8】図1の実施例に示した間接帰還型ビデオ増幅器
の回路図。
【図9】図3の実施例に示したサンプルホールド回路の
回路図。
【図10】間接帰還型ビデオ増幅器の他の実施例を示す
回路図。
【図11】間接帰還型ビデオ増幅器の他の実施例を示す
回路図。
【図12】間接帰還型ビデオ増幅器の他の実施例を示す
回路図。
【図13】図3の実施例に示したマルチプレクサの回路
図。
【図14】マルチプレクサの他の実施例を示す回路図。
【図15】電流増幅回路の他の実施例を説明する図。
【図16】電流増幅回路の他の実施例を説明する図。
【図17】電流増幅回路の他の実施例を説明する図。
【図18】電流増幅回路の他の実施例を説明する図。
【図19】電流増幅回路の他の実施例を説明する図。
【図20】本発明の他の実施例を示す回路図。
【図21】図20のマルチプレクサの等価回路を示す
図。
【図22】本発明の他の実施例を示す回路ブロック図。
【図23】図22のIC部の詳細回路図。
【図24】(a),(b)は本発明の一実施例を示すIC
の端子を示す図。
【図25】本発明のカスケード増幅器の構成を示す回路
図。
【図26】本発明のカスケード増幅器の構成を示す回路
図。
【図27】本発明のカスケード増幅器の構成を示す回路
図。
【図28】本発明のゲインコントローラの特性説明図。
【図29】ゲインコントローラの他の実施例を示す回路
図。
【図30】ゲインコントローラの他の実施例を示す回路
図。
【図31】図30の特性を説明する図。
【符号の説明】
10…バッファ付マルチプレクサ、20…V/I変換回
路、31…ゲインコントローラ、40…補助カレントミ
ラーアンプ、51〜54…出力段カレントミラーアン
プ、61…サンプリングスイッチ、62…アンプ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山下 賢吉 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株式会社 日立製作所 大みか工場内 (56)参考文献 特開 昭61−274410(JP,A) 実開 昭58−164339(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】負荷を駆動するための複数の駆動信号を入
    力し、上記負荷の駆動電流を発生する低電圧の駆動段
    と、上記駆動電流を高電圧増幅し、上記負荷に駆動電圧
    を供給する高電圧の出力段とを有し、 上記 低電圧の駆動段は、1対のnpnトランジスタで構
    成され、一方のベースには制御信号が、他方のベースに
    は入力信号が入力される第1の差動段と、 1対のnpnトランジスタで構成され、一方のベースに
    は制御信号が、他方のベースには入力信号が入力される
    第2の差動段と、 エミッタ及びコレクタをそれぞれ接続した第1,第2の
    pnpトランジスタと上記第1,第2のpnpトランジ
    スタの共通エミッタと抵抗を介して接続する第3のpn
    pトランジスタで構成されたV−I変換回路と、 ベースに基準電圧が入力される第4のnpnトランジス
    タと抵抗で構成されたエミッタフォロワ回路とを少なく
    とも有し、 上記差動回路を構成する上記第1のpnpトランジスタ
    のベースには上記第1の差動段のエミッタ出力が、上記
    第2のpnpトランジスタのベースには上記第2の差動
    段の出力が入力され、上記第3のpnpトランジスタの
    ベースには上記エミッタフォロワ回路の出力が入力され
    ることを特徴とする高周波増幅回路。
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