JP2676193B2 - まぐろ肉の加工方法 - Google Patents
まぐろ肉の加工方法Info
- Publication number
- JP2676193B2 JP2676193B2 JP7152133A JP15213395A JP2676193B2 JP 2676193 B2 JP2676193 B2 JP 2676193B2 JP 7152133 A JP7152133 A JP 7152133A JP 15213395 A JP15213395 A JP 15213395A JP 2676193 B2 JP2676193 B2 JP 2676193B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- meat
- tuna
- shortening
- kneaded
- test example
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
- 235000013372 meat Nutrition 0.000 title claims description 61
- 238000003672 processing method Methods 0.000 title description 2
- 238000000034 method Methods 0.000 claims description 21
- 235000020989 red meat Nutrition 0.000 claims description 20
- 238000004898 kneading Methods 0.000 claims description 8
- 238000010791 quenching Methods 0.000 claims description 5
- 230000000171 quenching effect Effects 0.000 claims description 5
- 241001047603 Cybiosarda elegans Species 0.000 claims description 3
- 238000004904 shortening Methods 0.000 description 25
- 241000251468 Actinopterygii Species 0.000 description 15
- 235000019688 fish Nutrition 0.000 description 15
- 239000000796 flavoring agent Substances 0.000 description 10
- 235000019634 flavors Nutrition 0.000 description 10
- 239000003921 oil Substances 0.000 description 9
- 235000019198 oils Nutrition 0.000 description 9
- 239000003925 fat Substances 0.000 description 6
- 235000019197 fats Nutrition 0.000 description 6
- 238000002347 injection Methods 0.000 description 6
- 239000007924 injection Substances 0.000 description 6
- 239000007788 liquid Substances 0.000 description 6
- 235000019640 taste Nutrition 0.000 description 6
- 239000000835 fiber Substances 0.000 description 5
- 235000020993 ground meat Nutrition 0.000 description 4
- 239000002994 raw material Substances 0.000 description 4
- 235000021067 refined food Nutrition 0.000 description 4
- 244000291564 Allium cepa Species 0.000 description 3
- 235000002732 Allium cepa var. cepa Nutrition 0.000 description 3
- 241000269821 Scombridae Species 0.000 description 3
- 239000002285 corn oil Substances 0.000 description 3
- 235000005687 corn oil Nutrition 0.000 description 3
- 235000020997 lean meat Nutrition 0.000 description 3
- 235000020640 mackerel Nutrition 0.000 description 3
- VZSRBBMJRBPUNF-UHFFFAOYSA-N 2-(2,3-dihydro-1H-inden-2-ylamino)-N-[3-oxo-3-(2,4,6,7-tetrahydrotriazolo[4,5-c]pyridin-5-yl)propyl]pyrimidine-5-carboxamide Chemical compound C1C(CC2=CC=CC=C12)NC1=NC=C(C=N1)C(=O)NCCC(N1CC2=C(CC1)NN=N2)=O VZSRBBMJRBPUNF-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- 240000008415 Lactuca sativa Species 0.000 description 2
- 235000013305 food Nutrition 0.000 description 2
- 235000004213 low-fat Nutrition 0.000 description 2
- 239000000203 mixture Substances 0.000 description 2
- 235000020991 processed meat Nutrition 0.000 description 2
- 235000012045 salad Nutrition 0.000 description 2
- 230000001953 sensory effect Effects 0.000 description 2
- HMUNWXXNJPVALC-UHFFFAOYSA-N 1-[4-[2-(2,3-dihydro-1H-inden-2-ylamino)pyrimidin-5-yl]piperazin-1-yl]-2-(2,4,6,7-tetrahydrotriazolo[4,5-c]pyridin-5-yl)ethanone Chemical compound C1C(CC2=CC=CC=C12)NC1=NC=C(C=N1)N1CCN(CC1)C(CN1CC2=C(CC1)NN=N2)=O HMUNWXXNJPVALC-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 244000060011 Cocos nucifera Species 0.000 description 1
- 235000013162 Cocos nucifera Nutrition 0.000 description 1
- 229920000742 Cotton Polymers 0.000 description 1
- 208000006558 Dental Calculus Diseases 0.000 description 1
- 235000010469 Glycine max Nutrition 0.000 description 1
- 244000068988 Glycine max Species 0.000 description 1
- 241001465754 Metazoa Species 0.000 description 1
- 241001553014 Myrsine salicina Species 0.000 description 1
- 235000019482 Palm oil Nutrition 0.000 description 1
- 239000002253 acid Substances 0.000 description 1
- 235000008429 bread Nutrition 0.000 description 1
- 239000003240 coconut oil Substances 0.000 description 1
- 235000019864 coconut oil Nutrition 0.000 description 1
- 238000010411 cooking Methods 0.000 description 1
- 239000013078 crystal Substances 0.000 description 1
- 230000007423 decrease Effects 0.000 description 1
- 239000008157 edible vegetable oil Substances 0.000 description 1
- 239000008187 granular material Substances 0.000 description 1
- 244000144972 livestock Species 0.000 description 1
- 238000002844 melting Methods 0.000 description 1
- 230000008018 melting Effects 0.000 description 1
- 239000004570 mortar (masonry) Substances 0.000 description 1
- 235000014593 oils and fats Nutrition 0.000 description 1
- 239000002540 palm oil Substances 0.000 description 1
- 235000015277 pork Nutrition 0.000 description 1
- 239000008159 sesame oil Substances 0.000 description 1
- 235000011803 sesame oil Nutrition 0.000 description 1
- 239000007787 solid Substances 0.000 description 1
- 235000014347 soups Nutrition 0.000 description 1
- 239000003549 soybean oil Substances 0.000 description 1
- 235000012424 soybean oil Nutrition 0.000 description 1
- 239000007858 starting material Substances 0.000 description 1
- 235000012976 tarts Nutrition 0.000 description 1
- 235000019590 thick flavour Nutrition 0.000 description 1
- XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N water Substances O XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
Landscapes
- Meat, Egg Or Seafood Products (AREA)
- Fish Paste Products (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、まぐろの赤身肉の加工
方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】まぐろは我国において、古来からさしみ
用、寿司種用として極めて好まれており、現在でも旺盛
な需要に支えられている食品である。しかしながら最近
はこのまぐろに対する嗜好に微妙な変化があらわれ、そ
れがまぐろの需給にアンバランスを及ぼしていることも
見逃すことのできない事実である。周知のようにまぐろ
肉は比較的脂肪分の少ない「赤身」と比較的脂肪分の多
い「とろ」とに大別することができる。従前は赤身に
も、とろにも平均した需要があり、どちらかが大幅に残
るというようなことはあまりなかったが、最近に至っ
て、需要家の嗜好が大きくとろに傾いているため、赤身
の在庫が増え、または大幅に値下りをするという事態と
なっている。従来まぐろ肉を加工するという技術はあま
り知られておらず、また加工のための幾つかの試みもな
されているが、加工途次で肉が黒く変色する欠点があ
り、成功しなかった。また、特開昭60−41467号
公報には、油脂含有量の少ない畜肉、魚肉の肉塊に油脂
を溶解点まで加温した液状状態でインジエクションする
方法、さらに特開昭57−16678号公報には、魚の
すり身肉にゴマ油と肉エキスを加えて練り合わせて成形
し、魚肉特有の魚臭を消す調理法が記載されている。し
かし、インジエクションする方法は畜肉には有効である
が、魚肉には肉の繊維組織に油が拡散せず、また、イン
ジェクションするためには油脂を加温して液状とする必
要があるが、固型脂を加熱溶解したのちに、魚肉中にイ
ンジェクションすると魚肉中で固化する際に冷却されて
油脂が粗大結晶になるため良好な舌触りを与えないとい
う問題がある。さらに、魚のすり身肉に、油分を練り合
わせて成形した魚肉は魚肉特有の魚臭は消されるが、す
り身肉は肉の組織が完全に破壊されペースト状となって
いるので、もっぱらカマボコ、チクワなどの魚肉加工食
品や、ツミレ、吸い物の実などとして食されるものであ
り、寿司種、ネギとろに用いる粒々状まぐろ魚肉のよう
に、生食に耐える食感を有しないという問題がある。そ
のため、まぐろの赤身肉を原料としてとろ風味を有し、
寿司種、ネギとろなどとして生食することが可能な食品
を得ることができる加工方法の開発が求められていた。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、まぐろの赤
身肉を原料とし、需要者の嗜好にあったとろ風味を有
し、生食に適した食感を有する加工食品を与えるまぐろ
肉の加工方法を提供することを目的としてなされたもの
である。 【0004】本発明者は、まぐろの赤身肉をその繊維組
織を残して粉砕し、急冷練り合わせをしたショートニン
グを加えて練り合わすことにより、優れた食感ととろ風
味を有する加工食品が得られることを見いだし、この知
見に基づいて本発明を完成するに至った。すなわち、本
発明は、次のa〜cの工程手順によって行われるまぐろ
肉の加工方法である。 a まぐろの赤身肉を挽肉機によって粉砕する。 b 前記粉砕肉に、ガス量が100g中20ml以下で
ある急冷練り合わせをしたショートニングを、前記粉砕
肉100重量部当たり5〜25重量部加えて練り合せ
る。 c 前記練り合せ品を適宜成形する。 【0005】本発明を次のa〜cの工程の手順に従って
詳細に説明する。 a まぐろの赤身肉を挽肉機によって粉砕する。 挽肉機は、通常市販されているものをそのまま用いるこ
とができるが、粗挽き用挽肉機が望ましく、目皿の径は
10mm程度にして使用することができる。細挽き用挽
肉機で目皿の径4mm以下にすると、処理後の肉がすり
身状になるので適当でない。また、サイレントカッター
式挽肉機も使用できる。通常、生食して良好な食感を与
えるためには、まぐろ肉の繊維組織が残存している必要
があり、タルタルステーキ用の挽肉機などを好適に使用
することができる。 b 前記粉砕肉に、水分が0.5重量%以下であり、酸
価が0.8mgKOH/g以下であり、ガス量が100
g中20ml以下である急冷練り合わせをしたショート
ニングを、前記粉砕肉100重量部当たり5〜25重量
部加えて練り合せる。本発明方法に使用するショートニ
ングは、急冷練り合わせをしたショートニングである。
ショートニングには、日本農林規格(JAS)で定義さ
れているように、急冷練り合わせをしたものと、急冷練
り合わせをしていないものがある。急冷練り合わせやガ
ス混入は、ショートニングの可塑性を良くして、製菓、
製パン工程での練り込み作業を有利にするために行うも
のである。これに対して、ショートニングを添加すると
き融かして使用するような場合は、可塑性は必要でない
ので、急冷練り合わせやガス混入は通常は行わない。ま
ぐろの赤身肉の粉砕肉に練り合わせたとき、急冷練り合
わせをしたショートニングは可塑性を有するので良好な
食感を与えるのに対して、急冷練り合わせをしていない
ショートニングはねちゃつき感があって食感が劣る。 【0006】本発明方法に使用するショートニングは、
ガス量が100g中20ml以下のものである。ショー
トニングのガス量が100g中20mlを超えると組織
が粗くなり、トロミ風の滑らかさが減少してまぐろの赤
身肉の粉砕肉に加えて練り合わせたとき、良好な食感が
得られない。本発明方法においては、まぐろの赤身肉の
粉砕肉100重量部当たり急冷練り合わせをしたショー
トニングを5〜25重量部加えて練り合わせる。加える
ショートニングの量が、まぐろの赤身肉100重量部当
たり5重量部未満であると、とろ風味は殆ど発現しな
い。加えるショートニングの量が、まぐろの赤身肉の粉
砕肉100重量部当たり5重量部以上となると、いわゆ
る「中とろ」風の風味が現れはじめ、加えるショートニ
ングの量が増えるにつれて次第に「大とろ」風の風味と
なる。本発明方法によれば、需要者の好みと使用目的に
応じて、加えるショートニングの量を適宜選択し、中と
ろから大とろまで嗜好に合ったまぐろ肉の加工食品を得
ることができる。加えるショートニングの量が、まぐろ
の赤身肉の粉砕肉100重量部当たり25重量部を超え
ると、多くの需要者は脂っぽすぎると感じるようにな
り、嗜好に合わなくなる。本発明方法に使用するショー
トニングの原料には特に制限はなく、一般に用いられて
いる食用大豆硬化油、パーム油、豚油、大豆サラダ油、
食用魚硬化油、食用綿実硬化油、食用ヤシ硬化油、ヤシ
油などを原料とするショートニングを使用することがで
きるが、これらの中で、サラダ油又はコーン油を原料と
するショートニングを好適に使用することができる。 c 前記bの工程によってできた練り合せ品を適宜の形
状に成形する。本発明方法によって得られるまぐろ肉の
加工食品は、本質的に無定形であってその販売形態、使
用目的などにしたがって適宜の形状に成形することがで
きる。例えば、食料品売り場で販売するために、トレー
の形状の塊とすることができる。また、ネギとろ寿司の
加工用に適当な形状とすることができる。 【0007】本発明方法により加工したまぐろ肉及び本
発明方法以外の方法により加工したまぐろ肉について、
風味食感の官能試験を行った。試験に供した加工肉は、
下記の方法によって加工した。 試験例1 めばちまぐろの赤身肉1kgを、常温で挽肉機[(株)ボニ
ー製、SE100型、目皿の口径9.6ミリ]によって
粉砕した。得られた粒々状粉砕肉に、コーン油を原料と
した急冷練り合わせをしたショートニング[日本油脂
(株)製、商品名;とろみゆ、ガス量100g中10ml]
100gを加え、常温で混合機[墨水交易(株)製、ホバ
ートミキサー]を用いて練り合せた。練り合せ製品を、
寿司種としてネギとろ風に成形した。 試験例2 試験例1と同様にして、まぐろの赤身肉1kgを常温で粉
砕した。得られた粉砕肉に、試験例1で用いたものと同
じショートニング200gを加え、試験例1と同様にし
て練り合せた。練り合せ製品を、寿司種としてネギとろ
風に成形した。また練り合わせ製品を皿上に置き写真撮
影した。この写真を描写して、図1を得た。 対照試験例1 試験例1で用いたものと同じめばちまぐろの赤身肉1kg
を冷蔵庫で5℃に冷却し、すりばちで完全にすり潰し
た。試験例1で用いたものと同じショートニング200
gを、すり潰したまぐろ肉に加えて、試験例1で用いた
ものと同じ混合機を用いて練り合せた。練り合わせ製品
を写真撮影して、その表面の状態を描写して、図2を得
た。練り合わせ製品を、寿司種としてネギとろ風に成形
した。 対照試験例2 試験例1で用いたものと同じめばちまぐろの赤身肉1kg
を冷蔵庫で0℃に冷却し、試験例1で用いたものと同じ
コーン油を原料としたショートニング200gを30℃
に加温し液状にして、この肉に手動式インジエクション
機でインジエクションしたところ、針の穴の周辺には注
入されたが、まぐろの赤身肉の組織内部には入らず、無
理に注入すると、液が肉よりあふれ出してしまった。上
記インジエクションした直後の魚肉を撮影し、写真を模
写して図3を得た。 対照試験例3 冷凍馬肉1kgを解凍し3℃に保冷し、試験例1に用いた
ものと同じコーン油を原料としたショートニング200
gを30℃に加温し液状にして、この肉に手動式インジ
エクション機でインジエクションし、タンブラーで十分
タンブリングした。この馬肉を写真撮影して、この写真
を模写して図4を得た。試験例1、2及び対照試験例1
の寿司種を用いて手巻き寿司を作り、10人のパネラー
により風味食感について官能試験を行った。また、寿司
種を5℃に保った冷蔵庫内に10日間保存し、変色の状
態を観察した。結果を第1表に示す。 【0008】 【表1】 【0009】[注] ◎:風味食感に優れ、まぐろの「とろ」と区別がつかな
い。 ○:風味食感が良好で、加工品であることは分かるが、
おいしく食べることができる。 △:風味食感が劣り、おいしいとは感じない。 ×:風味食感が不良で、二度と口にする気がしない。 試験例2及び対照試験例1〜3の加工品の肉の組織の断
面の観察図を、図1〜4に示す。これらの観察図から、
まぐろの赤身肉と馬肉とでは明らかに肉の組織が相違し
ていることが分かった。したがって、まぐろの赤身肉の
繊維組織は畜肉の組織と相違してインジエクションによ
る液状の油脂は肉組織に注入しにくいことが証明され
た。 【0010】 【発明の効果】本発明方法により加工されたまぐろの赤
身肉の練り合わせ品は、とろと同様の風味食感を有し、
またショートニングの分量を加減することによって、大
とろ、中とろの風味食感を自在に作り出すことができ、
さらに、長期間できた製品の色が変わることがない。
方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】まぐろは我国において、古来からさしみ
用、寿司種用として極めて好まれており、現在でも旺盛
な需要に支えられている食品である。しかしながら最近
はこのまぐろに対する嗜好に微妙な変化があらわれ、そ
れがまぐろの需給にアンバランスを及ぼしていることも
見逃すことのできない事実である。周知のようにまぐろ
肉は比較的脂肪分の少ない「赤身」と比較的脂肪分の多
い「とろ」とに大別することができる。従前は赤身に
も、とろにも平均した需要があり、どちらかが大幅に残
るというようなことはあまりなかったが、最近に至っ
て、需要家の嗜好が大きくとろに傾いているため、赤身
の在庫が増え、または大幅に値下りをするという事態と
なっている。従来まぐろ肉を加工するという技術はあま
り知られておらず、また加工のための幾つかの試みもな
されているが、加工途次で肉が黒く変色する欠点があ
り、成功しなかった。また、特開昭60−41467号
公報には、油脂含有量の少ない畜肉、魚肉の肉塊に油脂
を溶解点まで加温した液状状態でインジエクションする
方法、さらに特開昭57−16678号公報には、魚の
すり身肉にゴマ油と肉エキスを加えて練り合わせて成形
し、魚肉特有の魚臭を消す調理法が記載されている。し
かし、インジエクションする方法は畜肉には有効である
が、魚肉には肉の繊維組織に油が拡散せず、また、イン
ジェクションするためには油脂を加温して液状とする必
要があるが、固型脂を加熱溶解したのちに、魚肉中にイ
ンジェクションすると魚肉中で固化する際に冷却されて
油脂が粗大結晶になるため良好な舌触りを与えないとい
う問題がある。さらに、魚のすり身肉に、油分を練り合
わせて成形した魚肉は魚肉特有の魚臭は消されるが、す
り身肉は肉の組織が完全に破壊されペースト状となって
いるので、もっぱらカマボコ、チクワなどの魚肉加工食
品や、ツミレ、吸い物の実などとして食されるものであ
り、寿司種、ネギとろに用いる粒々状まぐろ魚肉のよう
に、生食に耐える食感を有しないという問題がある。そ
のため、まぐろの赤身肉を原料としてとろ風味を有し、
寿司種、ネギとろなどとして生食することが可能な食品
を得ることができる加工方法の開発が求められていた。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、まぐろの赤
身肉を原料とし、需要者の嗜好にあったとろ風味を有
し、生食に適した食感を有する加工食品を与えるまぐろ
肉の加工方法を提供することを目的としてなされたもの
である。 【0004】本発明者は、まぐろの赤身肉をその繊維組
織を残して粉砕し、急冷練り合わせをしたショートニン
グを加えて練り合わすことにより、優れた食感ととろ風
味を有する加工食品が得られることを見いだし、この知
見に基づいて本発明を完成するに至った。すなわち、本
発明は、次のa〜cの工程手順によって行われるまぐろ
肉の加工方法である。 a まぐろの赤身肉を挽肉機によって粉砕する。 b 前記粉砕肉に、ガス量が100g中20ml以下で
ある急冷練り合わせをしたショートニングを、前記粉砕
肉100重量部当たり5〜25重量部加えて練り合せ
る。 c 前記練り合せ品を適宜成形する。 【0005】本発明を次のa〜cの工程の手順に従って
詳細に説明する。 a まぐろの赤身肉を挽肉機によって粉砕する。 挽肉機は、通常市販されているものをそのまま用いるこ
とができるが、粗挽き用挽肉機が望ましく、目皿の径は
10mm程度にして使用することができる。細挽き用挽
肉機で目皿の径4mm以下にすると、処理後の肉がすり
身状になるので適当でない。また、サイレントカッター
式挽肉機も使用できる。通常、生食して良好な食感を与
えるためには、まぐろ肉の繊維組織が残存している必要
があり、タルタルステーキ用の挽肉機などを好適に使用
することができる。 b 前記粉砕肉に、水分が0.5重量%以下であり、酸
価が0.8mgKOH/g以下であり、ガス量が100
g中20ml以下である急冷練り合わせをしたショート
ニングを、前記粉砕肉100重量部当たり5〜25重量
部加えて練り合せる。本発明方法に使用するショートニ
ングは、急冷練り合わせをしたショートニングである。
ショートニングには、日本農林規格(JAS)で定義さ
れているように、急冷練り合わせをしたものと、急冷練
り合わせをしていないものがある。急冷練り合わせやガ
ス混入は、ショートニングの可塑性を良くして、製菓、
製パン工程での練り込み作業を有利にするために行うも
のである。これに対して、ショートニングを添加すると
き融かして使用するような場合は、可塑性は必要でない
ので、急冷練り合わせやガス混入は通常は行わない。ま
ぐろの赤身肉の粉砕肉に練り合わせたとき、急冷練り合
わせをしたショートニングは可塑性を有するので良好な
食感を与えるのに対して、急冷練り合わせをしていない
ショートニングはねちゃつき感があって食感が劣る。 【0006】本発明方法に使用するショートニングは、
ガス量が100g中20ml以下のものである。ショー
トニングのガス量が100g中20mlを超えると組織
が粗くなり、トロミ風の滑らかさが減少してまぐろの赤
身肉の粉砕肉に加えて練り合わせたとき、良好な食感が
得られない。本発明方法においては、まぐろの赤身肉の
粉砕肉100重量部当たり急冷練り合わせをしたショー
トニングを5〜25重量部加えて練り合わせる。加える
ショートニングの量が、まぐろの赤身肉100重量部当
たり5重量部未満であると、とろ風味は殆ど発現しな
い。加えるショートニングの量が、まぐろの赤身肉の粉
砕肉100重量部当たり5重量部以上となると、いわゆ
る「中とろ」風の風味が現れはじめ、加えるショートニ
ングの量が増えるにつれて次第に「大とろ」風の風味と
なる。本発明方法によれば、需要者の好みと使用目的に
応じて、加えるショートニングの量を適宜選択し、中と
ろから大とろまで嗜好に合ったまぐろ肉の加工食品を得
ることができる。加えるショートニングの量が、まぐろ
の赤身肉の粉砕肉100重量部当たり25重量部を超え
ると、多くの需要者は脂っぽすぎると感じるようにな
り、嗜好に合わなくなる。本発明方法に使用するショー
トニングの原料には特に制限はなく、一般に用いられて
いる食用大豆硬化油、パーム油、豚油、大豆サラダ油、
食用魚硬化油、食用綿実硬化油、食用ヤシ硬化油、ヤシ
油などを原料とするショートニングを使用することがで
きるが、これらの中で、サラダ油又はコーン油を原料と
するショートニングを好適に使用することができる。 c 前記bの工程によってできた練り合せ品を適宜の形
状に成形する。本発明方法によって得られるまぐろ肉の
加工食品は、本質的に無定形であってその販売形態、使
用目的などにしたがって適宜の形状に成形することがで
きる。例えば、食料品売り場で販売するために、トレー
の形状の塊とすることができる。また、ネギとろ寿司の
加工用に適当な形状とすることができる。 【0007】本発明方法により加工したまぐろ肉及び本
発明方法以外の方法により加工したまぐろ肉について、
風味食感の官能試験を行った。試験に供した加工肉は、
下記の方法によって加工した。 試験例1 めばちまぐろの赤身肉1kgを、常温で挽肉機[(株)ボニ
ー製、SE100型、目皿の口径9.6ミリ]によって
粉砕した。得られた粒々状粉砕肉に、コーン油を原料と
した急冷練り合わせをしたショートニング[日本油脂
(株)製、商品名;とろみゆ、ガス量100g中10ml]
100gを加え、常温で混合機[墨水交易(株)製、ホバ
ートミキサー]を用いて練り合せた。練り合せ製品を、
寿司種としてネギとろ風に成形した。 試験例2 試験例1と同様にして、まぐろの赤身肉1kgを常温で粉
砕した。得られた粉砕肉に、試験例1で用いたものと同
じショートニング200gを加え、試験例1と同様にし
て練り合せた。練り合せ製品を、寿司種としてネギとろ
風に成形した。また練り合わせ製品を皿上に置き写真撮
影した。この写真を描写して、図1を得た。 対照試験例1 試験例1で用いたものと同じめばちまぐろの赤身肉1kg
を冷蔵庫で5℃に冷却し、すりばちで完全にすり潰し
た。試験例1で用いたものと同じショートニング200
gを、すり潰したまぐろ肉に加えて、試験例1で用いた
ものと同じ混合機を用いて練り合せた。練り合わせ製品
を写真撮影して、その表面の状態を描写して、図2を得
た。練り合わせ製品を、寿司種としてネギとろ風に成形
した。 対照試験例2 試験例1で用いたものと同じめばちまぐろの赤身肉1kg
を冷蔵庫で0℃に冷却し、試験例1で用いたものと同じ
コーン油を原料としたショートニング200gを30℃
に加温し液状にして、この肉に手動式インジエクション
機でインジエクションしたところ、針の穴の周辺には注
入されたが、まぐろの赤身肉の組織内部には入らず、無
理に注入すると、液が肉よりあふれ出してしまった。上
記インジエクションした直後の魚肉を撮影し、写真を模
写して図3を得た。 対照試験例3 冷凍馬肉1kgを解凍し3℃に保冷し、試験例1に用いた
ものと同じコーン油を原料としたショートニング200
gを30℃に加温し液状にして、この肉に手動式インジ
エクション機でインジエクションし、タンブラーで十分
タンブリングした。この馬肉を写真撮影して、この写真
を模写して図4を得た。試験例1、2及び対照試験例1
の寿司種を用いて手巻き寿司を作り、10人のパネラー
により風味食感について官能試験を行った。また、寿司
種を5℃に保った冷蔵庫内に10日間保存し、変色の状
態を観察した。結果を第1表に示す。 【0008】 【表1】 【0009】[注] ◎:風味食感に優れ、まぐろの「とろ」と区別がつかな
い。 ○:風味食感が良好で、加工品であることは分かるが、
おいしく食べることができる。 △:風味食感が劣り、おいしいとは感じない。 ×:風味食感が不良で、二度と口にする気がしない。 試験例2及び対照試験例1〜3の加工品の肉の組織の断
面の観察図を、図1〜4に示す。これらの観察図から、
まぐろの赤身肉と馬肉とでは明らかに肉の組織が相違し
ていることが分かった。したがって、まぐろの赤身肉の
繊維組織は畜肉の組織と相違してインジエクションによ
る液状の油脂は肉組織に注入しにくいことが証明され
た。 【0010】 【発明の効果】本発明方法により加工されたまぐろの赤
身肉の練り合わせ品は、とろと同様の風味食感を有し、
またショートニングの分量を加減することによって、大
とろ、中とろの風味食感を自在に作り出すことができ、
さらに、長期間できた製品の色が変わることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、皿上の試験例2のまぐろ肉の練り合わ
せ品の写真を描写した粒々状物が表れる観察図である。 【図2】図2は、皿上の対照試験例1のまぐろ肉の練り
合わせ品の写真を描写したペースト状の滑らかな表面の
観察図である。 【図3】図3は、対照試験例2に用いたまぐろ肉の写真
を模写したまぐろ肉表面の観察図である。 【図4】図4は、対照試験例3に用いた馬肉の写真を模
写した馬肉表面の観察図である。 【符号の説明】 1 肉組織 2 肉の繊維組織 3 食用油脂
せ品の写真を描写した粒々状物が表れる観察図である。 【図2】図2は、皿上の対照試験例1のまぐろ肉の練り
合わせ品の写真を描写したペースト状の滑らかな表面の
観察図である。 【図3】図3は、対照試験例2に用いたまぐろ肉の写真
を模写したまぐろ肉表面の観察図である。 【図4】図4は、対照試験例3に用いた馬肉の写真を模
写した馬肉表面の観察図である。 【符号の説明】 1 肉組織 2 肉の繊維組織 3 食用油脂
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.次のa〜cの工程手順によって行われるまぐろ肉の
加工方法。 a まぐろの赤身肉を挽肉機によって粉砕する。 b 前記粉砕肉に、ガス量が100g中20ml以下で
ある急冷練り合わせをしたショートニングを、前記粉砕
肉100重量部当たり5〜25重量部加えて練り合せ
る。 c 前記練り合せ品を適宜成形する。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7152133A JP2676193B2 (ja) | 1995-05-26 | 1995-05-26 | まぐろ肉の加工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7152133A JP2676193B2 (ja) | 1995-05-26 | 1995-05-26 | まぐろ肉の加工方法 |
Related Parent Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP61052953A Division JPS62210966A (ja) | 1986-03-11 | 1986-03-11 | まぐろ肉の加工品および加工方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08163968A JPH08163968A (ja) | 1996-06-25 |
| JP2676193B2 true JP2676193B2 (ja) | 1997-11-12 |
Family
ID=15533778
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7152133A Expired - Lifetime JP2676193B2 (ja) | 1995-05-26 | 1995-05-26 | まぐろ肉の加工方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2676193B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4556200B2 (ja) * | 2009-09-28 | 2010-10-06 | バイオ産業有限会社 | 油脂注入用食肉加工装置 |
| CN112544910A (zh) * | 2020-12-03 | 2021-03-26 | 广东真美食品股份有限公司 | 一种即食金枪鱼丸及其制备方法 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS62210966A (ja) * | 1986-03-11 | 1987-09-17 | Kiichi Ishiyama | まぐろ肉の加工品および加工方法 |
-
1995
- 1995-05-26 JP JP7152133A patent/JP2676193B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH08163968A (ja) | 1996-06-25 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP7336439B2 (ja) | 加工食品用油脂組成物及びそれを含有する混合種、成形物、並びに加工食品の製造方法 | |
| TW201102011A (en) | Process for producing fish jelly products | |
| IV et al. | Sensory characteristics of selected species of freshwater fish in retail distribution | |
| CN102100366A (zh) | 烧烤牛肉干及其加工方法 | |
| WO2008006562A1 (de) | Frittier- und formstabile käseprodukte | |
| DE60316452T2 (de) | Pikantes lebensmittel und prozess zu seiner herstellung | |
| JPH1128073A (ja) | 具入り固形ソース | |
| CN1605262A (zh) | 精制烹饪食用油及其制作方法 | |
| JP2676193B2 (ja) | まぐろ肉の加工方法 | |
| JP4259634B2 (ja) | 調味材およびこれを使用した加工食品 | |
| JPH0731427A (ja) | ハンバーグ・タイプの食用製品 | |
| KR101851984B1 (ko) | 치즈 스테이크의 제조방법 및 이에 의해 제조된 치즈 스테이크 | |
| JP4657230B2 (ja) | 麺皮用油脂組成物 | |
| JP3498087B2 (ja) | おから食材の製法 | |
| JP2005151945A (ja) | 餅様食品用ミックス粉、それを用いた餅様食品の製造方法及び該方法によって得られた餅様食品 | |
| CN106858368B (zh) | 一种家乡肠及其制备方法 | |
| TW202245607A (zh) | 食用油脂組成物、食品、食用油脂組成物的製造方法、食品的製造方法、食品的風味賦予劑、食品的風味賦予方法及風味油的風味維持方法 | |
| KR100884686B1 (ko) | 참치 스테이크 | |
| KR100287838B1 (ko) | 계육이 가미된 어묵 및 그 제조방법 | |
| JP2016163569A (ja) | 水産練り製品用粉末油脂組成物 | |
| JP2007267621A (ja) | 皮にイモ類を含む饅頭及びその製造方法 | |
| JP2001224339A (ja) | 生ウニをベースとした練り食品及びその製造方法 | |
| JP2005168410A (ja) | ケーシング詰めご飯およびその製造方法 | |
| JP2007068479A (ja) | 畜肉系天然調味料およびその製造法 | |
| JP2003047404A (ja) | コロッケ練り込み用油脂組成物 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| EXPY | Cancellation because of completion of term |