JP2686841B2 - 情報記録媒体及び光情報記録方法 - Google Patents

情報記録媒体及び光情報記録方法

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JP2686841B2
JP2686841B2 JP2080937A JP8093790A JP2686841B2 JP 2686841 B2 JP2686841 B2 JP 2686841B2 JP 2080937 A JP2080937 A JP 2080937A JP 8093790 A JP8093790 A JP 8093790A JP 2686841 B2 JP2686841 B2 JP 2686841B2
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孝史 小林
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の分野] 本発明は、高エネルギー密度のレーザビームを用いて
情報の記録(書き込み)が可能な情報記録媒体、特に高
い反射率を有し耐久性の優れた情報記録媒体に関するも
のである。
[発明の技術的背景] 近年において、レーザ光等の高エネルギー密度のビー
ムを用いる情報記録媒体が開発され、実用化されてい
る。この情報記録媒体は光ディスクと称され、ビデオ・
ディスク、オーディオ・ディスク、さらには大容量静止
画像ファイルおよび大容量コンピュータ用ディスク・メ
モリなどとして使用されている。
DRAW(Direct Read After Write)型の光ディスクは
基本構造として、ガラス、合成樹脂などからなる円盤状
の基板と、この上に設けられたBi、Sn、In、Te等の金属
または半金属;またはシアニン系、金属錯体系、キノン
系等の色素からなる記録層とを有する。なお、記録層が
設けられる側の基板表面には通常、基板の平面性の改
善、記録層との接着力の向上あるいは光ディスクの感度
の向上などの点から、高分子物質からなる中間層が設け
られることが多い。
そして、光ディスクへの情報の記録および光ディスク
からの情報の再生(読み取り)は通常下記の方法により
行なわれる。
情報の記録はレーザビームをこの光ディスクに照射す
ることにより行なわれ、記録層の照射部分がその光を吸
収して局所的に温度上昇し、物理的あるいは化学的な変
化(たとえば、ビットの生成)が生じてその光学的特性
を変えることにより情報が記録される。情報の再生もま
た、レーザビームを光ディスクに照射することにより行
なわれ、記録層の光学的特性の変化に応じた反射光また
は透過光を検出することにより情報が再生される。
このような情報記録媒体の記録層を形成する記録材料
として上述のように金属類や色素等が知られている。色
素を用いた情報記録媒体は、金属等の記録材料に比べて
高感度であるなど記録媒体自体の特性において長所を有
する他に、記録層を塗布法により簡単に形成することが
できるという製造上の大きな利点を有している。しかし
ながら、色素からなる記録層は、一般に反射率が低い、
再生信号のC/Nが低い等の特性上の問題、および色素記
録層が光の照射により経時的に劣化し易いなどの欠点を
有している。
特開昭64-27995号公報には、単一のピックアップを用
いて高感度記録及び高コントラスト再生の可能な有機色
素記録層を有する光情報記録媒体として、主体シアニン
色素と補助シアニン色素とからなり、補助シアニン色素
の反射極大波長域が主体シアニン色素の吸収極大波長域
とほぼ一致し、かつ補助シアニン色素のメチン基の数は
主体シアニン色素のメチン基の数より少ない混合シアニ
ン色素を含有する記録層が設けられた光情報記録媒体が
記載されている。
しかしながら、このような情報記録媒体は、主体シア
ニン色素の吸収極大波長域が、記録再生用に用いられる
レーザ光の波長とほぼ一致する[レーザ光の波長をλと
したとき、吸収極大波長域が(λ−20)〜(λ+20)の
範囲になる]ように選択されているために、反射率が低
いという問題点を有する。
また、特開昭64-40387号公報には、ベンゾインドレニ
ン骨格(インドレニン骨格にベンゼン環が縮合した構
造)を有するジカルボシアニン系色素(メチン鎖が5
個)とインドレニン骨格を有するトリカルボシアニン色
素(メチン鎖が7個)とからなる記録層が設けられた光
ディスクが開示されている。これは、ベンゾインドレニ
ン骨格を有するジカルボシアニン系色素の高反射率を維
持しながら、インドレニン骨格を有するトリカルボシア
ニン系色素を併用することによりC/Nの向上を図ったも
のである。
しかしながら、このような色素記録層を有する情報記
録媒体は、C/Nについては比較的良好なものであるが、
反射率、さらに耐光性については満足できるものではな
い。
更に、本発明者らの研究によれば、上記のような情報
記録媒体に使用されたシアニン色素は、情報記録媒体を
長期間保存又は使用している間に、記録層中で結晶化す
る傾向にあり、そのために情報記録媒体が劣化し耐久性
が低下することが分った。
反射率を高くするため、色素記録層の上にさらに反射
層を設けることが一般的に行なわれている。このような
例が、日経エレクトロニクス(107頁、1989年1月23日
発行)に記載されており、これによると上記記録媒体の
記録層に用いられている色素は不明であるが、その記録
方法が、色素記録層のレーザ光の吸収により色素が融解
され、これに伴なってプラスチック基板が加熱されて該
基板が記録層側に盛り上ってピットが形成されることに
よって行なわれるとの開示がなされている。この反射層
は金の蒸着膜である。そして本発明者等の検討によれ
ば、この色素記録層に、上記ベンゾインドレニン骨格を
有するシアニン色素を用いると、比較的C/Nも高く、向
上した反射率を有する光ディスクを得ることができる。
DRAW型光ディスクでも、CDフォーマット信号の高密度
記録では(CD-DRAW)、定線速度1.2〜1.4m/秒という遅
い速度で上記信号の記録を行なう必要があり、その際記
録した信号を市販のCDプレーヤーで再生することが要求
されている。CDプレーヤーで再生するには光ディスクの
反射率が少なくとも70%以上あることが望ましい。しか
しながら、上記光ディスクにCDフォーマット信号を記録
しても、CDプレーヤーによっては再生が出来ないものが
あった。また、上記のようなシアニン色素は耐光性が充
分とはいえず、耐光性を向上させるために一重項酸素ク
エンチャーを添加することが一般に行なわれている。し
かし、このようなクエンチャーの添加は反射率を著しく
低下させるため、耐光性の向上と共に反射率が低下する
との問題がある。
[発明の目的] 本発明は、反射率が高く、耐久性の優れた情報記録媒
体及びこの情報記録媒体を使用する光情報記録方法を提
供することを目的とする。
[発明の要旨] 本発明は、波長780nmに吸収曲線の長波長側端部を有
し、波長780nmでの虚部の絶対値が0.2以下である複素屈
折率を有する色素Aと、該色素Aの吸収極大波長よりも
短波長側の吸収極大波長を有するトリメチンシアニン色
素(色素B)との混合物を含む、レーザ光により情報の
記録が可能な記録層が、基板上に設けられたことを特徴
とする情報記録媒体である。
他の本発明は、記録光として750〜810nmの範囲にある
発振波長を有するレーザ光を用いて、波長780nmに吸収
曲線の長波長側端部を有し、波長780nmでの虚部の絶対
値が0.2以下である複素屈折率を有する色素Aと、該色
素Aの吸収極大波長よりも短波長側の吸収極大波長を有
するトリメチンシアニン色素(色素B)との混合物を含
む、レーザ光により情報の記録が可能な記録層が、基板
上に設けられてなる情報記録媒体を回転させながら、該
記録層上に該基板側から該レーザ光を照射して情報を記
録することを特徴とする光情報記録方法である。
上記本発明の情報記録媒体の好ましい態様は下記のと
おりである。
1) 上記色素Aが、下記の一般式(I); [但し、R1、R2およびR3は、それぞれ独立に炭素
原子数が1〜8の範囲にある置換基を有していても良い
アルキル基を表わし、X-は、陰イオンを表わし、そし
てpは1または2を表わす] で表わされるベンゾインドレニン骨格を有するシアニン
系色素であることを特徴とする上記情報記録媒体。
2) 上記色素Bが、下記の一般式(II); [但し、R11、R12、R13、R14、R15およびR
16は、それぞれ独立に炭素原子数が1〜8の範囲にある
置換基を有していても良いアルキル基を表わし、X
q-は、陰イオンを表わし、qは1または2を表わし、そ
してA1およびA2は、それぞれ独立に置換基を有してい
てもよいナフタレン環又はベンゼン環を形成するための
原子団を表わす] で表わされるインドレニン骨格を有するトリメチンシア
ニン系色素であることを特徴とする上記情報記録媒体。
3) 上記記録層に含まれるいずれの色素の吸収極大波
長よりも長波長側に吸収極大を有するクエンチャーが該
記録層に含まれていることを特徴とする上記情報記録媒
体。
4) 上記色素Bの吸収極大が、上記一般式(I)で表
わされるシアニン色素の吸収極大より20nm以上低いこと
を特徴とする上記情報記録媒体。
5) 上記色素Aと上記色素Bとの混合比が、色素A:色
素B=20:80〜95:5の範囲にあることを特徴とする上記
情報記録媒体。
6) 上記基板の材料がプラスチックであることを特徴
とする上記情報記録媒体。
7) 上記記録層の上に、更に金属からなる反射層が設
けられてなることを特徴とする上記情報記録媒体。
8) 上記金属がCr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Alおよびス
テンレス鋼からなる群より選ばれる少なくとも一種であ
ることを特徴とする上記情報記録媒体。
上記本発明の光情報記録方法の好ましい態様は下記の
とおりである。
1) 上記記録される情報がCDファーマット信号である
ことを特徴とする上記光情報記録方法。
2) 上記情報記録媒体を回転が、1.2〜2.8m/秒の定線
速度にて行なわれることを特徴とする光情報記録方法。
尚、本発明の色素の吸収極大とは、基板に形成した色
素層の吸収極大を言う。
[発明の効果] 本発明の情報記録媒体は、上記のように基板上に、上
記のような特定の吸収曲線及び複素屈折率を有する色素
Aと、色素Aの吸収極大波長よりも短波長側の吸収極大
波長を有するトリメチンシアニン色素である色素Bとの
混合物を含む記録層が設けられた情報記録媒体である。
上記の色素A及び上記の色素Bは、単独で使用する
と、情報記録媒体を長期間保存又は使用している間に記
録層中で結晶化する傾向にあるが、上記の色素Aと上記
の色素Bとの混合物を使用することにより、情報記録媒
体を長期間保存又は使用しても記録層中で結晶化するこ
とがなく、そのために情報記録媒体の耐久性が著しく向
上する。
また、上記の色素A及び上記の色素Bが、上記のよう
に特定された吸収特性及び吸収特性関係を有しているた
めに、本発明の情報記録媒体は、C/N、変調度等の記録
再生特性が殆ど低下することなく、反射率が大幅に向上
した情報記録媒体である。
さらに、得られる光ディスクは反射率が顕著に高いの
で、CDフォーマット信号を記録して市販のCDプレーヤー
にて再生が可能であるため、CD-DRAWとして有用であ
る。
[発明の詳細な記述] 本発明の情報記録媒体は、基板上に、上記のような特
定の吸収曲線及び複素屈折率を有する色素Aと、色素A
の吸収極大波長よりも短波長側の吸収極大波長を有する
トリメチンシアニン色素である色素Bとの混合物を含む
記録層が設けられた基本構成を有する。
上記の基板は、従来の情報記録媒体の基板として用い
られている各種の材料から任意に選択することができ
る。基板材料としては、例えばガラス;ポリカーボネー
ト;ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ
塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹
脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリオレフィンおよび
ポリエステルなどを挙げることができ、所望により併用
してもよい。なお、これらの材料はフィルム状としてま
たは剛性のある基板として使うことができる。上記材料
の中で、耐湿性、寸法安定性および価格などの点からポ
リカーボネートが好ましい。
記録層が設けられる側の基板表面には、平面性の改
善、接着力の向上および記録層の変質の防止の目的で、
下塗層が設けられてもよい。下塗層の材料としてはたと
えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸・メタク
リル酸共重合体、スチレン・無水マレイナト共重合体、
ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリルアミ
ド、スチレン・スルホナト共重合体、スチレン・ビニル
トルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、ニ
トロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィ
ン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビニ
ル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチ
レン・ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高分子物
質;およびシランカップリング剤などの有機物質を挙げ
ることができる。
下塗層は、たとえば上記物質を適当な溶剤に溶解また
は分散して塗布液を調製したのち、この塗布液をスピン
コート、ディップコート、エクストルージョンコートな
どの塗布法により基板表面に塗布することにより形成す
ることができる。下塗層の層厚は一般に0.005〜20μm
の範囲にあり、好ましくは0.01〜10μmの範囲である。
また、基板(または下塗層)上には、トラッキング用
溝またはアドレス信号等の情報を表わす凹凸が形成され
ていることが好ましい。上記ポリカーボネートなどの樹
脂材料を使用する場合は、樹脂材料を射出成形あるいは
押出成形などにより直接基板にグルーブが設けられるこ
とが好ましい。
またグルーブ形成を、プレグルーブ層が設けることに
より行なってもよい。プレグルーブ層の材料としては、
アクリル酸のモノエステル、ジエステル、トリエステル
およびテトラエステルのうちの少なくとも一種のモノマ
ー(またはオリゴマー)と光重合開始剤との混合物を用
いることができる。
プレグルーブ層の形成は、まず精密に作られた母型
(スタンパー)上に上記のアクリル酸エステルおよび重
合開始剤からなる混合液を塗布し、さらにこの塗布液層
上に基板を載せたのち、基板または母型を介して紫外線
の照射により液層を硬化させて基板と液相とを固着させ
る。次いで、基板を母型から剥離することによりプレグ
ルーブ層の設けられた基板が得られる。
プレグルーブ層の層厚は一般に0.05〜100μmの範囲
にあり、好ましくは0.1〜50μmの範囲である。
基板上には、レーザ光により情報の記録又は再生が可
能な色素を含む記録層が設けられる。本発明において
は、記録層の色素が特定の色素、即ち、前記色素Aと前
記色素Bとの混合物であることに特に特徴と有する。
前記色素Aは、波長780nmに吸収曲線の長波長側端部
を有し、波長780nmでの虚部の絶対値が0.2以下である複
素屈折率を有する色素Aである。従って、色素Aは780n
mよりもかなり短い波長、一般に710±30nmの波長域に吸
収極大を有する。780nmの波長は、情報記録媒体の記録
再生用に一般的に使用されているレーザ光の波長であ
り、色素Aの吸収極大波長は記録再生用に使用されるレ
ーザ光の波長よりも短波長側にずれている。この点にお
いて、本発明における色素Aは、前記特開昭64-27995号
公報に記載された光情報記録媒体における主体シアニン
色素(吸収極大波長域が、記録再生用に用いられるレー
ザ光の波長とほぼ一致するように選択される)とは全く
異なるものである。従って、記録層用の色素の選択にお
いて、本発明と特開昭64-27995号公報に記載された発明
とは発明思想を異にするものである。
本発明における色素Aとしては、上記のような性質を
有するものであれば任意の色素を使用することができる
が、上記色素Aとして好ましい色素は、下記の一般式
(I)で表わされる構造を有するベンゾインドレニン骨
格を有するシアニン系色素である。
一般式(I); [但し、R1、R2およびR3は、それぞれ独立に炭素
原子数が1〜8の範囲にある置換基を有していても良い
アルキル基を表わし、X-は、陰イオンを表わし、そし
てpは1または2を表わす] 一般式(I)において、R1で表わされるアルキル基
は、炭素原子数が1〜8の範囲にある置換基を有してい
ても良いアルキル基として、メチル、エチル、n−プロ
ピル、n−ブチル、イソブチルおよび2−エチルヘキシ
ルなどの基を挙げることができ、好ましくは炭素原子数
が1〜6のアルキル基(例えば、メチル、エチル、n−
プロピル、n−ブチル、イソブチル)であり、その置換
されていてもよい置換基としては、弗素原子、アルコキ
シ基を挙げることができる。特に好ましくは置換基を有
しないアルキル基である。
2およびR3で表わされるアルキル基としては、炭素
原子数1〜8の無置換のアルキル基(具体例、メチル、
エチル、プロピル)が好ましく、特に好ましくはメチル
基またはエチル基である。
また、Xで表わされる陰イオンとして好ましいものと
しては、 ハライドイオン(例えば、Cl-、Br-、I-)、スルホネ
ートイオン(例えば、CH3SO3 -、CF3SO3 -、CH3OSO3 -ナフタレン−1、5−ジスルホネートイオン)、Cl
O4 -、BF4 -、金属錯体イオン(例えば、 並びにリン酸イオン(例えば、PF6 -を挙げることができる。
これらのうちで特に好ましい陰イオンは、ClO4 -、PF6
-および であるが、合成の中間段階で使用されるI-が微量混入していても良い。
上記一般式(I)で表わされるベンゾインドレニン骨
格を有するシアニン色素は、色素の中でも反射率が高
く、且つ記録感度、C/N等の記録再生特性においても優
れたものである。上記一般式(I)で表わされるベンゾ
インドレニン骨格を有するシアニン色素は、一般に吸収
極大波長を71±30nmに有し、記録再生に用いられるレー
ザ光の発振波長である780nm前後の波長帯域に吸収曲線
の長波長側端部(波長780nmでの複素屈折率は、その虚
部の絶対値が0.2以下であるものである)を有していて
光吸収が比較的小さく反射率が高いという特性を有す
る。
上記一般式で表わされる具体的な化合物の例としては
以下のI−1〜I−16を挙げることができる。
上記具体的に示すような上記一般式(I)で表わされ
るインドレニン骨格を有するシアニン色素は、前記特開
昭64-40387号公報に記載の光ディスクの記録層に用いら
れる色素の一般式に含まれるものである。
前記色素Bは、色素Aの吸収極大波長よりも短波長側
の吸収極大に有するトリメチンシアニン色素である。特
開昭64-40387号公報に記載の光ディスクの記録層に用い
られる色素は、インドレニン系ジカルボシアニン色素
(メチン鎖が5個)とインドレニン系トリカルボシアニ
ン色素(メチン鎖が7個)との混合物である。このイン
ドレニン系ジカルボシアニン色素には、本発明における
色素Aと同じものもあるが、上記インドレニン系トリカ
ルボシアニン色素は上記インドレニン系ジカルボシアニ
ン色素の吸収極大よりも長波長側に吸収極大を有する色
素である。従って、本発明の情報記録媒体の特開昭64-4
0387号公報に記載の情報記録媒体とを比較すると、本発
明においては色素Aと色素Aの吸収極大よりも短波長側
に吸収極大を有する色素B(メチン鎖が3個)との混合
物であるのに対して、特開昭64-40387号公報に記載の情
報記録媒体においては、インドレニン系ジカルボシアニ
ン色素(色素Aに相当)と、この色素の吸収極大よりも
長波長側に吸収極大を有するインドレニン系トリカルボ
シアニン色素との混合物であるので、両者の色素の組合
せ形式が全く逆であり、記録層用の色素の選択におい
て、本発明と特開昭64-40387号公報に記載された発明と
は発明思想を異にするものである。因に、特開昭64-403
87号公報に記載のような組合せにすると、情報記録媒体
の反射率が低下する。
色素Bの吸収極大波長は、組み合わせる色素Aの吸収
極大波長よりも20nm以上短いことが高い反射率を得る上
で好ましい。
上記のような吸収特性を有するトリメチンシアニン系
色素Bとしては、上記条件を満足する限り特に限定され
ないが、特に下記の一般式(II)で表わされるインドレ
ニン骨格又はベンゾインドレニン骨格を有するトリメチ
ンシアニン色素であることが好ましい。
[但し、R11、R12、R13、R14、R15およびR
16は、それぞれ独立に炭素原子数が1〜8の範囲にある
置換基を有していても良いアルキル基を表わし、X
q-は、陰イオンを表わし、qは1または2を表わし、そ
してA1およびA2は、それぞれ独立に置換基を有してい
てもよいナフタレン環又はベンゼン環を形成するための
原子団を表わす] 一般式(II)において、R11およびR12で表わされる
アルキル基は、炭素原子数が1〜8の範囲にある置換基
を有していても良いアルキル基として、メチル、エチ
ル、n−プロピル、n−ブチル、イソブチルおよび2−
エチルヘキシル等の基を挙げることができ、好ましくは
炭素原子数が1〜6のアルキル基(例えば、メチル、エ
チル、n−プロピル、n−ブチル、イソブチル)であ
り、その置換されていてもよい置換基としては、弗素原
子、アルコキシ基を挙げることができる。特に好ましく
は置換基を有しないアルキル基である。
13、R14、R15又はR16で表わされるアルキル基と
しては、それぞれ独立に、炭素原子数1〜6の無置換の
アルキル基(具体例、メチル、エチル)が好ましく、特
に好ましくはメチル基またはエチル基である。
1およびA2は、好ましくはそれぞれ独立に無置換の
ベンゼン環を形成するための原子団、またはメチル基、
塩素原子、弗素原子、メトキシ基、またはエトキシ基か
ら選ばれる1または2個の基で置換されたベンゼン環又
はナフタレン環を形成するための原子団を表わす。
また、Yで表わされる陰イオンとして好ましいものと
しては、上記一般式(I)のXで示された好ましい陰イ
オンを挙げることができる。
上記一般式で表わされる具体的な化合物の例としては
以下のII−1〜II−20を挙げることができる。
上記一般式(II)で表わされる特定のシアニン色素
は、例えば特開昭59-55795号公報の光ディスクの記録層
に用いられる色素の一般式に一部含まれるものである。
そして、該シアニン色素は、色素としては複素環化合物
の化学(The Chemistry of Heterocyclic Compound)シ
リーズのシアニン色素とその関連化合物(Cyanine Dyes
and Related Compounds,John Wiley & Sons,New Yor
k,London,1964年発行)に記載されている。
また、色素Aと色素Bとの混合比は、良好に記録感度
を得る上で、重量比で20:80〜95:5の範囲にあることが
好ましく、さらに40:60〜90:10の範囲にあることが好ま
しい。色素Aの割合が上記範囲よりも大きいと、情報記
録媒体の反射率が向上せず、耐久性が悪化する。一方、
色素Bの割合が上記範囲よりも大きいと、情報記録媒体
の感度が低下し、耐久性が悪化する。
また、耐光性を向上させるためにいわゆる一重項酸素
クエンチャーとして知られている種々の色素、例えば下
記の一般式(III)もしくは(IV)で表わされる化合物
を併用することが好ましい。
(ただし、[Cat]+はテトラアルキルアンモニウムな
どの非金属陽イオンを表わし、MはNiなどの遷移金属原
子を表わし、ZおよびZ′は置換されていても良いベン
ゼン環、2−チオクソ−1,3−ジチオール環などの5又
は6員の芳香環又はヘテロ環を完成するための原子団を
表わす) [式中Rは、置換基を有していてもよいアルキル基を表
わし、Qは一般式(I)のXで示したものと同じ陰イオ
ンを表わす] 上記一般式(III)または(IV)で表わされるクエン
チャーの具体例としては、PA-1006(三井東圧ファイン
(株))、IRG-023(日本化薬(株))などを挙げるこ
とができる。
記録層の形成は、上記色素、さらに所望により上記ク
エンチャー、結合剤などを溶剤に溶解して塗布液を調製
し、次いでこの塗布液を基板表面に塗布して塗膜を形成
したのち乾燥することにより行なうことができる。
本発明の色素層塗布液調製用の溶剤としては、酢酸エ
チル、酢酸ブチル、セロソルブアセテートなどのエステ
ル;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイ
ソブチルケトンなどのケトン;ジクロルメタン、1,2−
ジクロルエラン、クロロホルムなどの塩素化炭化水素;
ジメチルホルムアミドなどのアミド;シクロヘキサンな
どの炭化水素;テトラヒドロフラン、エチルエーテル、
ジオキサンなどのエーテル;エタノール、n−プロパノ
ール、イソプロパノール、n−ブタノールなどのアルコ
ール;2,2,3,3−テトラフロロプロパノールなどのフッ素
系溶剤などを挙げることができる。
塗布液中にはさらに酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、
滑剤など各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。
結合剤を使用する場合に結合剤としては、たとえばゼ
ラチン、セルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴ
ムなどの天然有機高分子物質;およびポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン等の炭
化水素系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、
ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系
樹脂、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル
等のアクリル樹脂、ポリビニルアルコール、塩素化ポリ
エチレン、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導
体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹
脂の初期縮合物などの合成有機高分子物質を挙げること
ができる。
記録層の材料として結合剤を併用する場合に、結合剤
に対する色素の比率は一般に0.01〜99%(重量比)の範
囲にあり、好ましくは1.0〜95%(重量比)の範囲にあ
る。このようにして調製される塗布液の濃度は一般に0.
01〜10%(重量比)の範囲にあり、好ましくは0.1〜5
%(重量比)の範囲にある。
記録層は単層でも重層でもよいが、その層厚は一般に
200〜3000Åの範囲にあり、好ましくは500〜2500Åの範
囲にある。また、記録層は基板の片面のみならず両面に
設けられていてもよい。
塗布方法としては、スプレー法、スピンコート法、デ
ィップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクタ
ーロール法、スクリーン印刷法などを挙げることができ
る。
さらに、本発明の情報記録媒体は、上記記録層の上
に、情報の再生時におけるC/Nの向上および反射率の向
上の目的で、反射層を設けたものであってもよい。
反射層の材料である光反射性物質はレーザ光に対する
反射率が高い物質であり、その例としては、Mg、Se、
Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、F
e、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、C
d、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Biなどの金
属および半金属あるいはステンレス鋼を挙げることがで
きる。これらのうちで好ましいものは、Cr、Ni、Pt、C
u、Ag、Au、Alおよびステンレス鋼である。これらの物
質は単独で用いてもよいし、あるいは二種以上の組合せ
でまたは合金として用いてもよい。
反射層は、たとえば上記光反射性物質を蒸着、スパッ
タリングまたはイオンプレーティングすることにより記
録層の上に形成することができる。反射層の層厚は一般
には100〜3000Åの範囲にある。
また、反射層の上には、記録層などを物理的および化
学的に保護する目的で保護層が設けられてもよい。この
保護層は、基板の記録層が設けられていない側にも耐傷
性、耐湿性を高める目的で設けられてもよい。
保護層に用いられる材料の例としては、SiO、SiO2、M
gF2、SnO2、Si3N4等の無機物質;熱可塑性樹脂、熱硬化
性樹脂、UV硬化性樹脂等の有機物質を挙げることができ
る。
保護層は、たとえばプラスチックの押出加工で得られ
たフィルムを接着層を介して記録層(または銀塩層ある
いは反射層)上および/または基板上にラミネートする
ことにより形成することができる。あるいは真空蒸着、
スパッタリング、塗布等の方法により設けられてもよ
い。また、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の場合には、こ
れらを適当な溶剤に溶解して塗布液を調製したのち、こ
の塗布液を塗布し、乾燥することによっても形成するこ
とができる。UV硬化性樹脂の場合には、そのままもしく
は適当な溶剤に溶解して塗布液を調製したのちこの塗布
液を塗布し、UV光を照射して硬化させることによっても
形成することができる。これらの塗布液中には、更に帯
電防止剤、酸化防止剤、UV吸収剤等の各種添加剤を目的
に応じて添加してもよい。
保護層の層厚は一般には0.1〜100μmの範囲にある。
本発明において、情報記録媒体は上述した構成からな
る単板であってもよいが、あるいは更に上記構成を有す
る二枚の基板を記録層が内側となるように向い合わせ、
接着剤等を用いて接合することにより、貼合せタイプの
記録媒体を製造することもできる。あるいはまた、二枚
の円盤状基板のうちの少なくとも一方に上記構成を有す
る基板を用いて、リング状内側スペーサとリング状外側
スペーサとを介して接合することにより、エアーサンド
イッチタイプの記録媒体を製造することもできる。
上記情報記録媒体を用いて情報を記録および再生する
方法は、例えば次のように行なわれる。
まず、情報記録媒体を定線速度(CDフォーマットの場
合は1.2〜1.4m/秒)または定角速度にて回転させなが
ら、基板側から半導体レーザ光などの780nmの記録用の
光を照射する。この光の照射により、本発明では記録層
と反射層との界面に空洞を形成(空洞の形成は、記録層
または反射層の変形、あるいは両層の変形を伴なって形
成される)されるか、基板が肉盛り変形する、あるいは
記録層に変色、会合状態の変化等により屈折率が変化す
ることにより情報が記録されると考えられる。
情報の再生は、情報記録媒体を上記と同一の定線速度
で回転させながら半導体レーザ光を基板側から照射し
て、その反射光を検出することにより行なうことができ
る。
以下に、本発明の実施例を記載する。ただし、これら
の各例は本発明を制限するものではない。
[実施例1] 色素Aとして前記色素I−1のベンゾインドレニン系
シアニン色素1.0gと、色素Bとして前記色素II−1のベ
ンゾインドレニン系トリメチンシアニン色素1.0gとを、
2,2,3,3−テトラフロロプロパノール100ccに溶解して記
録層塗布液を調製した。
トラッキングガイドが設けられた円盤状のポリカーボ
ネート基板(外径:120mm、内径:15mm、厚さ:1.2mm、ト
ラックピッチ:1.6μm、グルーブの幅:0.5μm、グルー
ブの深さ:900Å)上に、記録層塗布液をスピンコート法
により回転数1000rpmの速度で塗布した後30秒間乾燥し
て層厚が1300Åの記録層を形成した。
上記記録層上にさらにAuをDCスパッタリングして層厚
1300Åの反射層を形成した。
上記反射層上に、保護層としてUV硬化性樹脂(商品
名:3070、スリーボンド社製)をスピンコート法により
回転数1500rpmの速度で塗布した後、高圧水銀灯にて紫
外線を照射して硬化させ層厚3μmの保護層を形成し
た。
このようにして、基板、記録層、反射層および保護層
からなる情報記録媒体を製造した。
[実施例2] 実施例1において、色素Aを前記色素I−6のベンゾ
インドレニン系シアニン色素に変えた他は、実施例1に
おけると同様にして情報記録媒体を製造した。
[比較例1] 実施例1において、色素Aとして前記色素I−1を2.
0g使用し、色素Bを使用しなかった他は、実施例1にお
けると同様にして情報記録媒体を製造した。
上記実施例および比較例で用いられた色素について、
2,2,3,3−テトラフロロプロパノールに溶解して塗布液
を調製し、これをガラス板に塗布して約1300Åの層厚の
色素層を形成し、吸収極大波長を求めた。その結果は下
記の通りであった。
I −1:710nm I −6:715nm II−1:619nm [情報記録媒体の評価] 1) 反射率 得られた情報記録媒体について分光光度計((株)日
立製作所製)を用いて、基板側より780nmの波長の光を
照射して未記録部の反射率を測定した。
2) C/N 上記で得られた情報記録媒体を、波長780nmの半導体
レーザー光を使用して、定線速度1.3m/秒、記録パワー
7.0mWにて、変調周波数720kHz(デューティー33%)の
信号を記録した。そして記録された信号を0.5mWの再生
パワーにて再生し、再生時のC/Nを、スペクトルアナラ
イザー(TR4135:アドバンテスト社製)を用いて測定し
た。
3) 耐久性 上記で得られた情報記録媒体を、温度80℃、湿度80%
RHの恒温恒湿槽中に96時間放置した後、光学顕微鏡で基
板側から記録層を観察して、結晶の有無を判定した。記
録層に結晶が存在する情報記録媒体は、情報の記録再生
の際にエラーが多くなることが別途確認されているの
で、結晶が存在しないものを耐久性「不良」とし、結晶
が存在するものを耐久性「不良」とした。
上記測定結果を第1表に示す。
第1表より明らかなように、実施例の特定の二種のシ
アニン色素からなる記録層を有する情報記録媒体は、極
めて高い反射率を有し且つC/Nについても高い水準を維
持しており、耐久性も優れているのに対して、比較例の
情報記録媒体は、実施例に比較して反射率が低く、耐久
性も劣っている。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】波長780nmに吸収曲線の長波長側端部を有
    し、波長780nmでの虚部の絶対値が0.2以下である複素屈
    折率を有する色素Aと、該色素Aの吸収極大波長よりも
    短波長側の吸収極大波長を有するトリメチンシアニン色
    素(色素B)との混合物を含む、レーザ光により情報の
    記録が可能な記録層が、基板上に設けられたことを特徴
    とする情報記録媒体。
  2. 【請求項2】色素Aがベンゾインドレニン骨格を有する
    シアニン系色素であり、色素Bがインドレニン骨格を有
    するトリメチンシアニン色素であることを特徴とする請
    求項1記載の情報記録媒体。
  3. 【請求項3】該記録層の上に、更に金属からなる反射層
    が設けられてなる請求項1及び2の何れか一項記載の情
    報記録媒体。
  4. 【請求項4】記録光として750〜810nmの範囲にある発振
    波長を有するレーザ光を用いて、波長780nmに吸収曲線
    の長波長側端部を有し、波長780nmでの虚部の絶対値が
    0.2以下である複素屈折率を有する色素Aと、該色素A
    の吸収極大波長よりも短波長側の吸収極大波長を有する
    トリメチンシアニン色素(色素B)との混合物を含む、
    レーザ光により情報の記録が可能な記録層が、基板上に
    設けられてなる情報記録媒体を回転させながら、該記録
    層上に該基板側から該レーザ光を照射して情報を記録す
    ることを特徴とする光情報記録方法。
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