JP2715540B2 - 含フッ素樹脂の水性分散体、複合粉末およびオルガノゾル組成物 - Google Patents

含フッ素樹脂の水性分散体、複合粉末およびオルガノゾル組成物

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JP2715540B2 JP1096033A JP9603389A JP2715540B2 JP 2715540 B2 JP2715540 B2 JP 2715540B2 JP 1096033 A JP1096033 A JP 1096033A JP 9603389 A JP9603389 A JP 9603389A JP 2715540 B2 JP2715540 B2 JP 2715540B2
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    • C—CHEMISTRY; METALLURGY
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、新規な含フッ素樹脂の水性分散体、複合粒
子粉末およびオルガノゾル組成物に関する。
[従来の技術] オルガノゾル: すべり性、耐汚染性、耐腐食性等に優れた塗膜を与え
る被覆材料として使用されるポリテトラフルオロエチレ
ン(PTFE)のオルガノゾルは、従来、乳化重合で得られ
るPTFEのコロイド状粒子を含む水性分散体に、沸点が10
0℃以上の有機媒体を加え、次いで水分を加熱して除去
することによって製造されている(共沸法、特公昭49−
18775号公報)。しかし、乳化重合で得られるPTFEのコ
ロイド状粒子は一旦凝集すると再分散しにくいため、凝
集しないよう水性分散体に多量の界面活性剤が添加され
る。また、比較的凝集しにくい低分子量のPTFEの使用が
特公昭47−31096号公報に開示されており、テトラフル
オロエチレン(TFE)/ヘキサルフオロプロピレン(HF
P)共重合体(FEP)等も同じ目的のために使用されてい
る(米国特許第2937156号明細書、英国特許第1094349号
明細書および特公昭48−17548号公報参照)。一方、PTF
E重合体を水に可溶な有機液体または電解質水溶液であ
る転層剤を加えて撹拌して水に不溶または難浴な有機液
体である転層液に転層させる転層法が特公層49−17016
号公報に開示されているが、この場合もPTFEコロイド状
粒子が凝集しないようにFEP重合体を混合する必要があ
る。
しかし、多量の界面活性剤を添加した水性分散体から
得られる塗膜は、ブリスターや変色が生じ易く、またFE
Pを添加した水性分散体から得られる塗膜は、耐摩耗性
が劣り、使用中に摺動性が著しく低下してしまうという
問題を有している。一般に、ある程度の分子量(約100
万)以上の高分子量PTFEのコロイド状粒子はわずかな剪
断力で容易にフイブリル化し互いに絡まりあって凝集す
るという性質を有する。従って、高分子量PTFEのコロイ
ド状粒子水性分散体のオルガノゾル化は、転層法によっ
ても、水性分散体を粉末化したもの(通常ファインパウ
ダーと呼ばれる)の有機媒体中へ再分散によっても不可
能であった。TFEの重合で多量の連鎖移動剤を用いる
が、ファインパウダーへの放射線照射のような処理によ
って低分子量化(分子量:数千〜数十万)すればオルガ
ノゾル化はある程度まで改善されるが、潤滑用途に使用
される場合、分子量が低いと摩耗が増大するという欠点
を伴う。
熱可塑性・熱硬化性樹脂またはエラストマーへのブレン
ド: PTFEの耐熱性、難燃性、非粘着性、低摩擦特性、耐薬
品性、低誘電特性などの種々の優れた機能を利用して、
ブレンドによって他の熱可塑性・熱硬化性樹脂またはエ
ラストマーを改質することはしばしば行なわれるが、PT
FEの相溶性に乏しいため、モールドデポジットしやす
く、ブレンド成形品中のPTFEの分散状態も十分ではな
い。PTFEの機能を損なわずブレンド性を高めることは永
年にわたり大きな課題となっている。
ブレンド用に最も多用されているPTFEは、低分子量の
「ワックス」と呼ばれるものであるが、ブレンドがある
程度可能な半面、低分子量のため力学的性質が十分では
ない。高分子量PTFEの水性分散体や粉末もブレンドに用
いられるが、この場合は上記のとおり分散性が劣り、サ
ブミクロン単位までの分散はほとんど期待できない。
また、従来熱可塑性・熱硬化性樹脂またはエラストマ
ーの乳白色の成形品を得るため、ベースとなる樹脂に石
英微粉末、アルミナ水和物、水酸化アルミニウム、炭酸
カルシウムなどの無機物白色顔料が添加・混合されてい
るが、無機質顔料は、ベース樹脂に比べて硬く、単純に
混合するだけでは成形物の表面にこれらの無機質顔料が
現れ、表面の平滑性が損なわれる。表面平滑性を確保す
るためには、特別の技術が必要とされている。さらに、
これらの無機質顔料の配合量が増加する場合、成形品そ
のものが硬くなり、耐衝撃性が低下する。PTFEは白色か
つ耐熱性があるため、無機物白色顔料に替わる有機系白
色顔料として好適な材料であると考えられてきたが、前
記理由から添加・混合が難しかった。
PTFE系コロイド状複合粒子として、特開昭59−232109
号公報には芯部がPTFEで、殻部が含フッ素エラストマー
である粒子が、特開昭62−109846号公報には芯部がPTFE
で、殻部がTFEとクロロトリフルオロエチレン(CTFE)
の共重合体の場合が開示されているが、殻部が含フッ素
エラストマーの場合は水性媒体、有機媒体への再分散性
やオルガノゾル形成性は劣り、特に樹脂へのブレンドで
は成形品の摺動性を損なう。一方、殻部がTFE/CTFE共重
合体の場合は、それほど良好な芯と殻の二層構造になり
にくく、樹脂ブレンドした成形品の摺動時の耐摩耗性も
劣る。また、殻部の重合の際、耐圧容器を必要とするの
で装置的、経済的に不利である。
特公昭51−2099号公報ではフッ素樹脂水性ディスパー
ジョン中でメタクリル酸メチル(MMA)等の炭化水素系
のビニル系モノマーのシード重合を行い、フッ素樹脂の
粒子にビニル系樹脂を被覆することによって、その電気
泳動を容易にし、平滑かつ良好な電着塗装を可能にして
いる。しかし、炭化水素系のビニル系モノマーをPTFEの
コロイド状粒子を含む水性分散体中で重合させる場合、
PTFEと炭化水素系モノマーの親和性が乏しいためPTFE粒
子の表面が被覆されず炭化水素系ビニルモノマーの重合
体のみからなる新粒子が生成し易いという問題点を有す
る。また、炭化水素系ビニルモノマーの重合体は熱分解
開始温度が低いため、焼成する前に電着塗装された塗装
体を親水性有機溶剤中に浸漬処理し、この重合体を除去
する必要があり、これを行わないと皮膜に亀裂を生じ、
良好な連続皮膜は得られない。
特開昭63−284201号公報にはフッ素系重合体の水系分
散液中でフロロ(メタ)アクリレートを重合させ、フッ
素系重合の表面をフロロ(メタ)アクリレート重合体で
改質してオルガノゾルの調製を可能にする製造方法の開
示がある。しかし、ここで例示されているフロロ(メ
タ)アクリレート重合体のガラス転移温度は低く、耐溶
剤性に劣るため、オルガノゾルにした場合粒子同士の凝
集・融着が生起しやすい。従って、多官能性内部架橋剤
を共重合する必要がある。また、この水性分散体を凝析
して粉体を調製した場合にも粒子の分散性は劣り、サブ
ミクロン単位までの分散はほとんど期待できない。さら
に、フロロ(メタ)アクリレート重合体の熱分解開始温
度は通常200〜250℃程度であるので、これ以上の温度で
塗膜を焼成した場合、皮膜に亀裂を生じやすいという問
題点を有する。
[発明の目的] 本発明者らは乳化重合でTFEを主成分とする種々の複
合コロイド状粒子を検討した結果、最終成形加工物品に
PTFEの機能を与えることができ、界面活性剤等の添加剤
を使わなくても水性分散体から容易にオルガノゾルを製
造することができ、また、該コロイド状複合粒子水性分
散体を凝固して得られる粉末も界面活性剤水溶液や有機
媒体へ容易に再分散できるものが、コロイド状PTFE粒子
と特定の単量体組成とからなるポリマーとを複合化させ
ることによって実現できることを見出し本発明に到達し
た。
本発明の第1の目的は、オルガノゾルの製造に適した
PTFEを主成分とするコロイド状複合粒子水性分散体を提
供することである。
本発明の第2の目的は、熱可塑性・熱硬化性樹脂また
はエラストマーの難燃性、非粘着性、摺動性、溌水溌油
性、電気特性、耐汚染性、耐蝕性、耐候性などの改質剤
または白色顔料として、分散性の良い新規含フッ素樹脂
複合粉末を提供することである。
本発明の第3の目的は、非粘着性、摺動性、溌水溌油
性、耐汚染性、耐蝕性、耐候性等を要求される物品を被
覆するのに好適な新規含フッ素樹脂オルガノゾル組成物
を提供することである。
[発明の構成] 本発明の要旨は、テトラフルオロエチレンから誘導さ
れる繰り返し単位99〜100重量%およびテトラフルオロ
エチレンと共重合しうる含フッ素オレフィンから誘導さ
れる繰り返し単位0〜1重量%から成る重合体を芯部と
し、 (a)一般式: CH2=CXCOORf [式中、Xはメチル基、フッ素原子またはトリフルオロ
メチル基、Rfはフルオロアルキル基またはフルオロ(ア
ルコキシアルキル)基を表す。] で示される少なくとも1種のα−置換アクリル酸エステ
ル60〜100モル%および (b)該α−置換アクリル酸エステル(a)と共重合し
うる単量体から誘導される繰り返し単位0〜40モル%か
らなり、ガラス転移温度が50℃以上である重合体を殻部
とする 平均粒径0.05〜1.0μmの複合コロイド状粒子を含む含
フッ素樹脂水性分散体。
該コロイド状含フッ素樹脂粒子の水性分散体を凝析、
乾燥して得られる含フッ素樹脂複合粒子粉末、および 該コロイド状含フッ素樹脂粒子の水性分散体の水を実
質的に有機媒体で置換するか、凝析粉末を有機溶剤中に
分散させて得られる含フッ素樹脂オルガノゾル組成物に
存する。
本発明のコロイド状含フッ素樹脂水性分散体は、水性
媒体中、実質適にテローゲン活性のない陰イオン性界面
活性剤(乳化剤)の存在下、TFE99〜100重量%および他
のフルオロオレフィン0〜1重量%を単独または共重合
させる段階I、 (a)一般式: CH2=CXCOORf [式中、XおよびRfは前記と同意義。] で示される少なくとも1種のα−置換アクリル酸エステ
ル60〜100モル%および (b)該α−置換アクリル酸エステル(a)と共重合し
うる単量体0〜40モル%からなるガラス転移温度が50℃
以上の樹脂を段階Iで製造した水性分散体粒子を芯粒子
としていわゆる種重合によって該単量体を共重合させて
製造する段階IIからなる方法により調製できる。
段階Iは、反応圧力6〜40kg/cm2、かつ約10〜120℃
の温度において、一般式: CaF2a+1COOZ または C3F7O[CF(CF3)CF2O]bCF(CF3)COOZ (式中、aは6〜9、bは1〜2の整数を表す。ZはNH
4またはアルカリ金属を表す。) で示される水溶性含フッ素分散剤を0.03〜1重量%含む
水性媒体中で、過酸化二コハク酸(DSAP)や過硫酸塩の
ような水溶性有機または無機過酸化物を単独でもしくは
還元剤と組み合わせ開始剤として使用し、TFEの単独も
しくは一般式: A(CF2)cOdCF=CF2 (式中、Aは水素、塩素またはフッ素、cは1〜6の整
数、dは0または1を示す。) で表わされる化合物、式: C3F7O(CF(CF3)CF2O)p−CF=CF2 (式中、pは1または2を示す。) で表わされる化合物、式: A(CF2)eCA′=CH2 (式中、Aは水素、塩素またはフッ素、A′は水素、ま
たはフッ素、eは1〜6の整数を示す。) で表わされる化合物、CTFE、VdF、トリフルオロエチレ
ン(TrFE)等の化合物から選ばれた少なくとも1種のオ
レフィンと共重合をさせることからなる一般的なTFE乳
化重合である。
この段階で生成するPTFEは、分子量が少なくとも100
万であることが好ましく、低分子量になると塗膜の耐摩
耗性が低下する。分子量は適正な開始剤量によって制御
できるが、いわゆる低分子量PTFE(ワックス)では分子
量が数千〜数十万程度である。特殊な目的のために、CH
4、CH3Cl、CH2CClなどの(ハロゲン)炭化水素を連鎖移
動剤として使用し、低分子量化することも本発明に含ま
れる。
段階Iで微量の共重合を行うと、最終生成コロイド状
粒子の粒子径が比較的小さくなり、反応中の分散安定性
が良くなる。
なお、反応中に水不溶性で反応不活性な、反応温度の
液状の炭化水素やハロゲン化炭化水素をコロイド状粒子
の分散安定化剤として加えることも推奨される。
段階IIで用いるα−置換アクリル酸エステル(a)に
含まれるRf基としては、例えば−(CH2)qCrF2rE(qは
1〜2の整数、rは1〜8の整数、Eは水素原子または
フッ素原子を示す)、−CH2CF2CFHCF3、−CH2CH(CF3)
2、−CH2CF(CF3)2、−C(CH3)2CF2CF2H、−CH(C
H3)CF3、−CH2CF(CF3)OC3F7、−CG(CF3)2 [式中、Gは水素原子、フッ素原子またはトリフルオロ
メチル基を表す。] [式中、Lはメチル基、トリフルオロメチル基またはフ
ッ素原子、sは1または2を表す。] 等を挙げることができる。
Rfとしては特に [式中、LおよびSは前記と同意義。] が好ましい。
段階IIで形成される殻部の樹脂は室温で凝析して樹脂
粉末を製造する場合、ガラス転移温度が5℃以上である
ことが必要であり、オルガノゾルを製造する場合にも耐
溶剤性と分散安定性を向上させるため、ガラス転移温度
が50℃以上であることが好ましい。また、オルガノゾル
を製造する場合の殻部の樹脂は熱分解開始温度の高いα
−Fアクリル酸エステル重合体であることがさらに好ま
しい。なお、前期のRf基は炭素原子数が10以下のものが
特に好ましい。
段階IIで形成される殻部は、α−置換アクリル酸エス
テル(a)を少なくとも1種重合したものであってよ
い。また、α−置換アクリル酸エステル(a)と共重合
しうる単量体は、特に必要されるものではないが、オル
ガノゾルを製造する場合の耐溶剤性と分散安定性を高め
るため多官能性内部架橋用単量体を用いてもよい。
かかる多官能性内部架橋用単量体としては、限定され
るものではないが、例えば、脂肪族多価アルコールのポ
リ(メタ)アクリレートが好ましく用いられる。具体例
として例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプ
ロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロ
ールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロ
ールメタンテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられ
る。また、ジビニルベンゼンやN,N′−メチレンビスア
クリルアミド等も多官能性内部架橋用単量体として用い
ることができる。
本発明のコロイド状含フッ素樹脂粒子水性分散体は、
前記の各単量体を水性媒体中にて水溶性のラジカル開始
剤を使用して、段階Iで製造した水性分散体粒子を芯粒
子としたいわゆる種重合によって共重合させることによ
って得られる。
重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリ
ウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩や、これらの過
硫酸塩とチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム、チオ
硫酸水素ナトリウム等のようなチオ硫酸塩との、または
亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸水素ナトリ
ウム等のような亜硫酸塩とのレドックス系重合開始剤が
好ましく用いられる。重合開始温度は通常0〜100℃の
範囲で上記重合開始剤の分解温度との関係で決められる
が、多くの場合10〜80℃の範囲が好ましく採用される。
重合に際しては、段階Iで使用した乳化剤を追加した
方が重合系の安定性が向上し、凝集ポリマーの量が減少
するので好ましいが、追加しなくてもよい。追加する乳
化剤は段階Iで使用したものと必ずしも同一である必要
はなく、慣用の炭化水素系非イオン性またはイオン性界
面活性剤も使用可能である。
得られたコロイド状含フッ素樹脂粒子は、芯と殻の二
層構造を有すると考えられる。芯部と殻部の重量比は、
通常97:3〜30:70、好ましくは85:15〜40:60である。白
色顔料として利用する場合は芯部の割合をかなり小さく
することが可能であり、水性媒体や有機媒体への再分散
性やオルガノゾル形成性は殻部が少なくとも全重量に対
して3%以上必要である。芯部の割合が小さすぎると本
発明のオルガノゾル組成物から得られる塗膜の耐摩耗
性、摺動性等が悪くなり、熱可塑性・熱硬化性樹脂また
はエラストマーとのブレンドでもPTFEの滑り性が揮発さ
れなくなる。芯部と殻部の重量比97:3〜30:70は明確な
二層を仮定した数値であるが、芯と殻は必ずしも明確な
二層の構造に限定されるものではない。
該コロイド状含フッ素樹脂複合粒子の平均粒子径は、
通常0.05〜1μm、好ましくは0.1〜0.5μmであり、TF
Eの乳化重合で一般的に用いられる粒子径の制御法が本
発明にも適用可能である。粒子径は調製された水性また
は有機性分散体組成物の粘度に大きく影響する。最終的
に得られる含フッ素樹脂粒子水性分散体の固形分濃度
は、通常水性媒体に対して10〜50重量%、好ましくは20
〜40重量%である。
本発明のオルガノゾル組成物は含フッ素共重合体を含
有する本発明の水性分散体から次の一連の手順で調製す
ることができる。
転層法によるオルガノゾルの調製 (I)該水性分散体に含まれる含フッ素共重合体100重
量部に対し、水に不溶または難浴の室温付近で液状の有
機化合物(転層液)を50〜500重量部、好ましくは100〜
200重量部添加し、混合物をおだやかに撹拌する。
(II)この混合物に電解質の水溶液あるいは水に任意の
割合で溶解させることができる有機物(転層剤)を含フ
ッ素共重合体100重量部に対し50〜2000重量部、好まし
くは250〜1000重量部添加し、おだやかに撹拌した後静
置する。
(III)含フッ素共重合体は、前記(I)で使用した転
層液とともに沈殿するので、水を主成分とする上澄み液
を除き、若干の水を含有する変性ポリテトラフルオロエ
チレンを主成分とする沈殿物に有機媒体を加える。
(IV)上記(III)で得られた混合物を撹拌しながら100
℃前後に加熱して水を蒸発させて除去し、混合物に含ま
れる水を基準値以下(後述の調製例では5000ppm以下)
にする。
(V)必要に応じ後記のフィルム形成性物質を加える。
前記転層液としては、例えばヘキサン、ヘプタン、オ
クタン、ベンゼン、トルエン、メチルイソブチルケトン
等が用いられる。
前記転層剤中の電解質は、例えば硫酸ナトリウム、塩
化マグネシウム、硝酸ナトリウム、酢酸カリウム等のア
ルカリ金属またはアルカリ土金属の塩で、通常濃度0.01
〜50重量%、好ましくは0.1〜10重量%の水溶液にして
使用する。前記転層剤中の有機物は、例えばアセトン、
メタノール等の室温で液体で沸点が200℃以下のもので
ある。
(III)において用いる有機媒体とは、水に不溶ある
いは難溶でかつ水と共沸する有機液体を意味し、例えば
ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、メ
チルブチルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン類等
が挙げられる。トルエンやメチルイソブチルケトンが経
済的に有利である。
もちろん、上記の方法のみならず、他の従来より公知
の方法、例えば、重合の終了したフッ素系重合体の水性
分散体に水と共沸し得る有機溶剤を加熱しながら滴下し
て水を有機液体との共沸混合物として除去する共沸法、
重合の終了したフッ素系重合体の水性分散液に、そのま
まあるいは有機液体を添加したのち、濾過して得られる
フッ素系重合体の濾過ケーキを有機液体に再分散させる
濾過法によっても製造は可能である。
粉末からのオルガノゾル組成物の調製 本発明のオルガノゾル組成物は、本発明の水性分散体
から常法(例えば、米国特許第2593583号明細書参照)
によりコロイド状含フッ素樹脂複合粒子を無機の酸また
はアルカリ、水溶性の無機塩、有機溶剤などで凝析し、
殻部の共重合体の融点より低い温度で乾燥させて粉末を
作り、これを有機媒体に機械的撹拌、超音波等で分散さ
せても得られる。この場合、粉末を濡らし得る有機媒体
であれば基本的にすべてオルガノゾル化が可能である。
本発明のオルガノゾル組成物には、該組成物を塗布し
て得られる塗膜を強度を与えるため、熱可塑性または熱
硬化性の樹脂からなるフィルム形成性物質を加えること
が望ましい。フィルム形成性物質の例としては、ニトロ
セルロース、セルロースアセテートブチレート、アルキ
ッド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、フェ
ノール/ホルムアルデヒド樹脂、尿素/ホルムアルデヒ
ド樹脂、メラニン/ホルムアルデヒド樹脂、エポキシ樹
脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミ
ド樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、シリコーン樹脂等
が挙げられる。また、容易に反応して、ポリイミド樹脂
になるカルボン酸二無水物とジアニリン類とを組み合わ
せて使用することもできる。酸無水物の例としては、ピ
ロメリット酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン
酸二無水物等、ジアニリン類の例としては、オキシジア
ニリン、メチレンジアニリン等が挙げられる。このう
ち、得られる塗膜の強度の点から、ポリイミド樹脂、ポ
リアミド樹脂およびポリアミドイミド樹脂が特に好まし
い。
本発明のオルガノゾル組成物において、複合含フッ素
樹脂と有機媒体の使用量比は、通常重量で5/95〜50/5
0、好ましくは20/80〜40/60である。フィルム形成性物
質を使用する場合、複合含フッ素樹脂フィルム形成性物
質の使用量比は、通常重量で5/95〜90/10、好ましくは3
0/70〜70/30である。
本発明のオルガノゾル組成物自体あるいは前記フィル
ム形成性物質などの添加剤を加えた組成物は非水性分散
体として、および本発明の水性分散体あるいは水性分散
体にノニオン界面活性剤のような安定化剤を加えたその
濃縮液、場合によっては有機または無機の充填剤を添加
したり他の含フッ素樹脂水性分散体と混合した水性分散
体は水性塗料として、各々用いることができる。有機・
無機の織布または不織布への含浸、アルミニウム、鉄等
の金属またはセラミックスへのスプレー、ハケ、浸漬等
による塗液が可能であり、料理器具、ボイラー、鋳型、
テント材、ロール、ピストン、軸受け等、家庭用または
工業用の用途に好適に利用することができる。スプレー
塗装の場合、本発明の水性分散体は、分散安定性に優れ
ているので、ノズルの詰まりを起こしにくく、作業性が
向上する。
コロイド状含フッ素樹脂複合粒子が本発明のオルガノ
ゾル組成物に含有されることによって、該組成物を塗装
して得られる塗膜の摺動性は飛躍的に良くなるが、被覆
された塗膜を表面研磨した時、本発明の効果はさらに大
きくなる。表面研磨によって芯部のPTFEが表面に現れ、
その本来的な低摩擦特性が発揮されるからである。こう
した効果は、殻部の共重合体と同成分のコロイド状含フ
ッ素樹脂単独粒子では発揮されず、本発明の芯・殻二層
構造を有する複合コロイド状粒子によって初めて実現さ
れる。特開昭62−109846号公報には、芯部がPTFEから成
り、殻部がTFEとCTFEとの共重合体から成る粒子が開示
されているが、芯・殻二層構造が十分に形成されにく
く、オルガノゾル組成物を塗装した塗膜の耐摩耗性が本
発明の場合よりも劣る。また、殻部の重合の際、耐圧容
器を必要とするので装置的経済的に不利である。FEPを
主成分とするオルガノゾル組成物の塗装塗膜も同様の理
由から耐摩耗性は本発明の場合よりも劣る。
特公昭51−2099号公報には、芯部がPTFE、殻部がPMMA
からなる粒子の水性分散体を用いた電着塗装方法の開示
があるが、PMMAは熱分解開始温度が低いため焼成する前
に電着塗装された塗装体を親水性有機溶剤中に浸漬処理
し、PMMAを除去する必要があり、これを行わないと皮膜
に亀裂が生じ、良好な連続皮膜は得られない。
特開昭73−274201号公報には、フッ素系重合体の水系
分散液中でフロロ(メタ)アクリレートを重合させ、フ
ッ素系重合体の表面をフロロ(メタ)アクリレート重合
体で改質してオルガノゾルの調製を可能とする製造方法
の開示がある。しかし、ここで例示されているフロロ
(メタ)アクリレート重合体のガラス転移温度は低く、
耐溶剤性に劣るため、オルガノゾルにした場合粒子同士
の凝集・融着が生起しやすい。従って、多官能性内部架
橋剤を共重合する必要がある。また、この水性分散体を
凝析した場合にも粒子同士の凝集・融着が起き、サブミ
クロン単位までの分散はほどんど期待できない。さら
に、フロロ(メタ)アクリレート重合体の熱分解開始温
度は通常200〜250℃程度であるので、これ以上の温度で
塗膜を焼成した場合、皮膜に亀裂を生じやすいという問
題点を有する。
本発明における殻部の重合体はガラス転移温度が高
く、耐溶剤性に優れているため、オルガノゾルにした場
合、特に多官能性内部架橋剤を共重合しなくても粒子同
士の凝集・融着が生起し難く、分散安定性が良好であ
る。従って、この水性分散体を凝析して粉体を調製製し
た場合にも粒子の分散性は良く、サブミクロン単位まで
の分散が可能である。また、殻部の重合の際、耐圧容器
が不要であるので装置的経済的に有利である。さらに、
本発明における殻部の重合体が熱分解開始温度の高いα
−フロロアクリル酸エステル重合体である場合には200
℃以上で焼成しても良好な連続被膜が得られる。
他方、本発明の粉末はオルガノゾルとしての利用の
他、熱可塑性・熱硬化性樹脂またはエラストマーとのブ
レンドすることによって難燃性、非粘着性、摺動性、溌
水溌油性、電気特性、耐汚染性、耐蝕性、耐候性などを
向上させる改質剤、あるいは白色顔料としても使用でき
る。
例えば、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステ
ル、スチレン等またはこれらと共重合可能な単量体との
共重合体のような無色できわめて透明性が優れている樹
脂への白色顔料としてのブレンドや、ポリアセタール、
ポリカーボネート、ポリエーテルケトン、全芳香族ポリ
エステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレ
ンスルフィド、ナイロン、ポリフェニレンオキシド、ポ
リブチレンテレフタレート、ポリスルホン、ポリイミド
等のエンジニアリングプラスチックの改質剤として、従
来のPTFE粉末よりも優れたブレンド性を発揮する。優れ
たブレンド性は本発明のコロイド状含フッ素樹脂複合粒
子ないし粉末の表面がPTFEよりもやや高い表面エネルギ
ーを持つこと、粉末の場合通常のPTFEより微粉になりや
すいからと考えられる。従来のPTFE粉末では低分子量の
ものしか微粉にならず、分子量100万以上では10μm以
下の粉末は得られにくい。コロイド状高分子量PTFE粒子
に本質的なフィブリル化特性が共重合体によって抑制さ
れるため、本発明の粉末は殻部の共重合体の単独コロイ
ド状含フッ素樹脂粒子と同様な微粉末になり、再分散条
件によってはもとのサブミクロンの大きさにまで分散す
るものと予想される。その他、各種検査用の標準試料、
インキ、化粧品用ピグメント、塗料用添加剤、静電現像
用トナー、マイクロカプセル保護用スヘーサー材料、液
晶セル用スペーサー材料、セラミックス成形用バインダ
ー、イオンクロマトグラフィー用カラム充填剤、粉体塗
料用粉末等としても利用することができる。
次に実施例、調製剤、試験例などを示し、本発明をさ
らに具体的に説明する。
[実施例] 調製例1 水性分散体の製造: アンカー型撹拌機、じゃま板および温度計を備えた容
量6のステンレス製オートクレーブに、脱酸素した脱
イオン水3.00、固形パラフィン120gおよびパーフルオ
ロオクタン酸アンモニウム3.00gを仕込み、混合物を70
℃に保ちながら、窒素ガスで3回、TFEで2回系内の気
体を置換した。
オートクレーブ内をTFEで10Kgf/cm2まで昇圧し、混合
液を撹拌しながら、過硫酸アンモニウム(APS)63mgを
溶解した200ccの水溶液を添加し、重合を開始した。重
合中は撹拌速度250回転/分、反応温度70℃を保ち、オ
ートクレーブ内の圧力が常に10Kgf/cm2になるようにTFE
を連続的に系内に供給した。TFEが1050g消費されたとこ
ろ(約5.6時間)で重合を停止した。
得られた水性分散体[I]中の共重合体コロイド状粒
子をレーザー光散乱粒径解析システムLPA−3000(大塚
電子株式会社製)によって解析したところ、数平均粒径
は0.28μmであった。蒸発乾固によって求めた水性分散
体中の固体分濃度は26.8重量%であった。
得られた水性分散体[I]448gを、撹拌機および還流
器を備えた容量1のガラス製四つ口フラスコに移し、
イオン交換水37gを加え、窒素雰囲気下で60℃に温調し
た。撹拌速度200回転/分で撹拌しつつ、CH2=CFCOOCH2
−CF(CF3)OC3F7(11FFA)24.0gを加えた後、過硫酸ア
ンモニウム24mgを含む水溶液10cc、さらに亜硫酸水素ナ
トリウム8mgを含む水溶液10ccを添加して反応を開始し
た。約1.6時間後に還流が止まったので撹拌を止め、冷
却して水性分散体を取り出した。得られた水性分散体の
濃度は21.9重量%、レーザー光散乱粒径解析システムに
よって測定された数平均粒径は0.30μmであり、粒径分
布は単分散であった。また、蒸発乾固によって得た固形
分について、示差熱・熱重量同時測定装置(株式会社島
津製作所製DTG−30型)を用い、昇温速度10℃/分での
熱重量分析を行ったところ、約295℃(殻部の11FFA重合
体に関すると考えられる)と約473℃(芯部のPTFEに関
すると考えられる)に熱分解開始点が観察され、重量比
は約16対84であり、モノマー消費量から見た重量比と概
ね一致した。
粉末の再分散性: 蒸発乾固によって得た粉末を、トルエン、メチルイソ
ブチルケトン、エタールまたはトリクロロトリフルオロ
エタンの各有機媒体、および市販のノニオン界面活性剤
〔トリトン(Triton)X−100〕の5%水溶液に超音波
で分散させたところ、いずれにも容易に再分散した。
転層法によるオルガノゾルの製造: 得られた水性分散体それぞれ385重量部にn−ヘキサ
ン(転層液)125重量部を加え、混合物に撹拌しながら
アセトン(転層剤)275重量部を加えた。5分間撹拌し
た後、混合物を静置し、上澄み液を除去した。残った沈
殿物にメチルイソブチルケトン300重量部を加え、撹拌
しながら100℃前後に加熱して沈殿物中に残存する水分
を除去した。固形分30重量%のオルガノゾル333重量部
(カールフィッシャー分析でオルガノゾル全量に対し約
0.2重量%の水分を含む)を得た。
なお、11FFAのみを乳化重合し、得られたラテックス
を室温(25℃)で蒸発乾固したところ、重合体の微粉末
が得られた。この重合体のガラス転移温度は、示差走査
熱量計(デュポン社製1090型)により昇温速度20℃/分
で測定したところ、72〜85℃であった。また、熱分解開
始温度は、295℃であった。
調製例2 水性分散体の製造: 水性分散体[I]の代わりにノニオン性界面活性剤を
樹脂固形分に対して約6重量%含むPTFE水性分散体[II
I](ダイキン工業(株)製、樹脂固形分60重量%)を
用いた以外は調製例1と同様に反応を行った。約1時間
で反応は終了した。
レーザー光散乱回析システムによって測定された水性
分散体中の共重合体コロイド状粒子の数平均粒径は0.21
μmであり、粒径分布は単分散であった。水性分散体中
の固体分濃度は25.5重量%であった。
粉末の再分散性と転層法によるオルガノゾルの製造:
調製剤1と同様に行ったが何ら支障はなかった。
比較調製例1 11FFAモノマーの代わりにメチルメタクリレート(MM
A)28.5gとトリエチレングリコールジメタクリレート
(3DMA)1.5gの混合物を用い、乳化剤としてのパーフル
オロオクタン酸アンモニウム2.40gを追加した以外は調
製例1と同様に反応を行った。約4.0時間で反応は終了
した。
得られた水性分散体中の共重合体コロイド状粒子のレ
ーザー光散乱粒径解析システムによって測定された数平
均粒径は0.28μmであり、粒径分布は単分散であった。
水性分散体の固体分濃度は28.1重量%であった。また、
蒸発乾固によって得られた固形分について熱重量分析を
行ったところ、約180℃(殻部のMMA/3DMA共重合体に関
すると考えられる)と約475℃(芯部のPTFEに関すると
考えられる)に熱分解開始点が観察され、重量比は約17
対83であり、モノマー消費量から見た重量比と概ね一致
した。この後、調製例1と同じ手順で粉末の再分散性と
転層法によるオルガノゾルの製造を行ったが、調製例1
と同様、何ら支障はなかった。
比較調製例2 11FFAモノマーの代わりにメチルメタクリレート(MM
A)28.5gとトリエチレングリコールジメタクリレート
(3DMA)1.5gの混合物を用いた以外は調製例2と同様に
反応を行った。約1時間で反応終了した。得られた水性
分散中の共重合体コロイド状粒子のレーザー光散乱解析
システムによって測定された数平均粒径は0.21μmであ
ったが、粒径分布はバイモーダルで、電子顕微鏡写真か
ら新粒子の生成が認められた。水性分散体中の固体分濃
度は25.6重量%であった。
得られた水性分散体を凝析し乾燥して得た粉末の再分
散性は不十分なものであり、また、オルガノゾルの製造
の際、加熱によりメチルイソブチルケトンと水分を共沸
除去する濃縮段階で重合体は凝集したため、固形分30重
量%のオルガノゾルは得られなかった。
比較調製例3 11FFAモノマーの代わりに CH2=C(CH3)COOCH2CF(CF3)O−C3F7(11FMA)を用
い、乳化剤としてのパーフルオロオクタン酸アンモニウ
ム2.40gを追加した以外は調製例1と同様に反応を行っ
た。約4.5時間で反応は終了した。
得られた水性分散中の共重合体コロイド状粒子のレー
ザー光散乱粒径解析システムによって測定された数平均
粒径は0.30μmであり、粒径分布は単分散であった。水
性分散体中の固体分濃度は27.1重量%であった。また、
蒸発乾固によって得られた固形分について熱重量分析を
行うと、約233℃(殻部の11FMA重合体に関すると考えら
れる)と約475℃(芯部のPTFEに関すると考えられる)
に熱分解開始点が観察され重量比は約17対83であり、モ
ノマー消費量からみた重量比と概ね一致した。
調製例1と同じ手順で粉末の再分散テストと転層法に
よるオルガノゾルの製造を行ったが、得られた水性分散
体を凝析し乾燥して得た粉末の再分散性は不十分なもの
であり、また、オルガノゾルの製造の際、加熱によりメ
チルイソブチルケトンと水分を共沸除去する濃縮段階で
重合体は凝集したため、固形分30重量%のオルガノゾル
は得られなかった。
なお、11FMAのみを乳化重合し、得られたラテックス
を室温(25℃)で蒸発乾固したころ、造膜し、重合体微
粉末は得られなかった。この重合体のガラス転移温度は
25〜38℃で、熱分解開始温度は233℃であった。
比較調製例4 特公昭63−63584号公報に記載された調製例1と同様
に反応を行い、固形分濃度は26.1重量%の水性分散体を
得た。得られた芯がHFP変性のPTFEで、殻がCTFE/TFE共
重合体であるポリマー粒子全体についてのCTFE含量は4.
0重量%であった。殻部に対するCTFE含量は8.8重量%で
あり、殻対芯の重量比は45/55であった。数平均粒径0.2
1μmであった。
調製例1と同じ手順で粉末の再分散テストと転層法に
よるオルガノゾルの製造を行ったが、粉末の再分散に実
施例1よりかなり時間を要し、再分散性を劣ったもの
の、オルガノゾルの製造は可能であった。
比較調製例5 調製例1における水性分散体[I]の凝析・乾燥粉末
の再分散テストと転層法によるオルガノゾルの製造を行
ったが、再分散性は全くなく、転層法でもポリマー全体
が凝析しオルガノゾル状態を呈さなかった。
比較調製例6 撹拌機、還流冷却器および滴下ロートを備えた300ml
反応器内にPTFE水性分散体(粒径0.1〜0.30μm、重合
体含量60重量%)200g、過硫酸アンモニウム1.0gを仕込
み、室温で撹拌しながら滴下ロートよりCF3(CF2)
3(CH2)2OCOCH=CH23.6gを約5分要して滴下し、滴下
後さらに室温で5分間撹拌した。続いて系内の温度60℃
に昇温して8時間反応させた。
実施例1と同じ手順で粉末の再分散テストと転層法に
よるオルガノゾルの製造を行ったが、得られた水性分散
体を凝析し乾燥して得た重合体は水や有機液体にほとん
ど再分散せず、また、オルガノゾルの製造の際、加熱に
よりメチルイソブチルケトンと水分を共沸除去する濃縮
段階で重合体は凝集したため、固形分30重量%のオルガ
ノゾルは得られなかった。
比較調製例7 CF2(CF2)3(CH2)2OCOCH=CH2の代わりにCH2=CHC
OOCH2C7F15(15FMA)を用いた以外は比較調製例6と同
様に重合を行った。
実施例1と同じ手順で粉末の再分散テストと転層法に
よるオルガノゾルの製造を行ったが、得られた水性分散
体を凝析し乾燥した重合体は水や有機液体にほとんど再
分散せず、また、オルガノゾルの製造の際、加熱してメ
チルイソブチルケトンと水分を共沸除去する濃縮段階で
重合体は凝集したため固形分30重量%のオルガノゾルは
得られなかった。
なお、15FMAのみを乳化重合し、得られたラテックス
を室温(25℃)で蒸発乾固したところ、造膜し、重合体
微粉末は得られなかった。この重合体のガラス転移温度
は−17℃であった。
試験例1 前記オルガノゾルの調製例1で得た転層法によるオル
ガノゾルそれぞれ333重量部にポリアミドイミド樹脂
(日立化成株式会社製HI−610)370重量部、カーボン
(コロンビアカーボン株式会社製カーボンネオスペクト
ラマークIV)6重量部およびN−メチル−2−ピロリド
ン272重量部を加え、20℃で48時間毎分80回転で回転す
るボールミルで混合した。
得られた混合物を150メッシュの金網で濾過し、フォ
ードカップ#4で粘度を測定したところ、27秒であっ
た。
この混合物を、ノズル径0.8mmのスプレーガンを使用
し、3kg/cm2の吹き付け圧で脱脂したアルミニウム板の
上に吹き付けた。次いで、該アルミニウム板を80℃の赤
外線乾燥炉で30分乾燥後、200℃の電気炉で30分焼成
し、試験用塗膜を有する試料を作った。
得られた塗膜について、下記の方法で膜厚の測定、テ
ーパー摩耗試験を行った。テーパー摩耗試験を行う際、
該試験前後の塗膜のすべり性(摩耗係数)も調べた。結
果を後記の表に示す。
膜厚は高周波厚み計(ケット科学研究所TYPE ES8e3K
B4)を使用して求めた。テーパー摩耗試験は、テーパー
式摩耗試験機(摩耗論CS17番、荷重1kg、1000回転)を
使用し、1000回後の塗膜の減少重量(単位:mg)を求め
た。
比較試験例1〜2 前記各比較調製例1または4で調製したオルガノゾル
をオルガノゾルの調製例1で得られたオルガノゾルに代
えて使用した他は、試験例1と同じ手順で比較試験用塗
膜を有する試料を作った。これら試料について上記と同
じ試験を行った。比較試験例1で調製したオルガノゾル
から調製した塗料より得られた試験用塗膜はクラックが
入り表面凹凸が激しいため膜厚、テーパー摩耗試験、す
べり性(摩耗係数)の測定はできなかった。比較調製例
のオルガノゾルを用いた比較試験例2の結果は後記の表
に示す。
[発明の効果] 本発明の含フッ素樹脂水性分散体に含有される複合コ
ロイド状含フッ素樹脂粒子は、水や有機媒体中の分散安
定性が良く、転層法によるオルガノゾル化が容易であ
り、凝析・乾燥した粉末も再分散性に優れる。
また、本発明の含フッ素共重合体オルガノゾル組成物
から得られる塗膜はブリスターが生じにくく、摺動性・
耐摩耗性・耐汚染性に優れる等、従来の被膜用組成物か
ら得られる塗膜にない特長を有している。
さらに他樹脂・エラストマーとのブレンド性も従来の
PTFE粉末より優れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 179/08 C09D 179/08 B //(C08F 259/08 220:22)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】テトラフルオロエチレンから誘導される繰
    り返し単位99〜100重量%およびテトラフルオロエチレ
    ンと共重合しうる含フッ素オレフィンから誘導される繰
    り返し単位0〜1重量%から成る重合体を芯部とし、 (a)一般式: CH2=CXCOORf [式中、Xはメチル基、フッ素原子またはトリフルオロ
    メチル基、Rfはフルオロアルキル基またはフルオロ(ア
    ルコキシアルキル)基を表す。] で示される少なくとも1種のα−置換アクリル酸エステ
    ル60〜100モル%および (b)該α−置換アクリル酸エステル(a)と共重合し
    うる単量体から誘導される繰り返し単位0〜40モル%か
    らなり、ガラス転移温度が50℃以上である重合体を殻部
    とする 平均粒径0.05〜1.0μmの複合コロイド状粒子を含む含
    フッ素樹脂水性分散体。
  2. 【請求項2】該α−置換アクリル酸エステル(a)中の
    Xがフッ素原子またはトリフルオロメチル基であり、Rf
    が炭素数10以下のフルオロアルキル基またはフルオロ
    (アルコキシアルキル)基である請求項1記載の含フッ
    素樹脂水性分散体。
  3. 【請求項3】殻部における該α−置換アクリル酸エステ
    ル(a)が一般式: [式中、Yはメチル基、トリフルオロメチル基、または
    フッ素原子、nは1または2を表す。] である請求項1記載の含フッ素樹脂水性分散体。
  4. 【請求項4】該含フッ素樹脂粒子の芯部と殻部の重量比
    が97:3〜30:70である請求項1〜3のいずれかに記載の
    含フッ素樹脂水性分散体。
  5. 【請求項5】芯部におけるテトラフルオロエチレンと共
    重合しうる含フッ素オレフィンが式: A(CF2)cOdCF=CF2 (式中、Aは水素、塩素またはフッ素、cは1〜6の整
    数、dは0または1を示す。) で表わされる化合物、および式: C3F7O(CF(CF3)CF2O)p−CF=CF2 (式中、pは1〜4を示す。) で表わされる化合物、式: A(CF2)eCA′=CH2 (式中、Aは水素、塩素またはフッ素、A′は水素、ま
    たはフッ素、eは1〜6の整数を示す。) で表わされる化合物、クロロトリフルオロエチレン、ビ
    ニリデンフルオライドおよびトリフルオロエチレンから
    なる群から選ばれた少なくとも1種の含フッ素オレフィ
    ンである請求項1ないし3のいずれかに記載の含フッ素
    樹脂水性分散体。
  6. 【請求項6】芯部におけるテトラフルオロエチレンと共
    重合しうる含フッ素オレフィンがCF2=CFCl、CF2=CFCF
    3またはC3F7OCF=CF2である請求項1〜3のいずれかに
    記載の含フッ素樹脂水性分散体。
  7. 【請求項7】殻部における単量体(b)が多官能性内部
    架橋用単量体である請求項1〜3のいずれかに記載の含
    フッ素樹脂水性分散体。
  8. 【請求項8】請求項1〜7のいずれかに記載の水性分散
    体を凝析・乾燥して得られる含フッ素樹脂複合粒子粉
    末。
  9. 【請求項9】請求項1〜7のいずれかに記載の水性分散
    体に含まれる含フッ素樹脂複合粒子を含む含フッ素樹脂
    オルガノゾル組成物。
  10. 【請求項10】ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂または
    ポリアミドイミド樹脂をフィルム形成性物質として含む
    請求項9記載の含フッ素樹脂オルガノゾル組成物。
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