JP2778097B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、磁気テープ等の磁気記録媒体に関するもの
であり、特に表面性,耐久性に優れる磁気記録媒体に関
するものである。
〔発明の概要〕
本発明は、非磁性支持体上に結合剤を含む塗布層を有
する磁気記録媒体において、上記塗布層に水分の3重量
%以上含むカーボンを添加することにより、短時間分散
で良好な表面性と耐久性を得ようとするものである。
〔従来の技術〕
一般に磁気記録媒体は、ポリエステルフィルム等の非
磁性支持体上に強磁性粉末や結合剤,分散剤,潤滑剤等
を有機溶剤に分散混練してなる磁性塗料を塗布すること
によりその磁性層が形成されている。さらに、磁気記録
媒体の巻き乱れ防止や表面性,走行性,耐久性等の向上
のために、上記非磁性支持体の前記磁性層を設けていな
い側にバックコート塗料を塗布することにより形成され
るバックコート層を設けることも広く行われている。
ところで、これら磁性層やバックコート層等の塗布層
には、表面性をコントロールする等の目的でカーボンが
添加されるのが一般的である。かかるカーボンとして
は、例えばアセチレンブラック,副生ブラック,カーボ
ンブラック等の種々の材料が使用されている。
ところが、上記カーボンの分散は一般的に困難であ
り、通常は各種分散機を用いて長時間に亘ってその分散
を行っているのが現状である。すなわち、短時間分散で
は分散が不足し表面性が劣化してしまうため磁性層への
転写等が問題となり、スペーシングロスが発生してしま
うからである。したがって、従来は良好な表面性を確保
するためにその分散に長時間を要している。しかし、こ
のように長時間分散を行っていたのでは、生産性の向上
が図れず量産することが難しく、また経済的にもコトス
高となり望ましくない。したがって、量産,経済性を考
慮した場合には、できる限り短時間で分散されることが
望ましい。
〔発明が解決しようとする課題〕
そこで本発明は、かかる従来の実情に鑑みて提案され
たものであって、短時間分散で良好な表面性と耐久性を
得ることを目的とし、これによって生産性,表面性,耐
久性に優れた磁気記録媒体を提供することを目的とする
ものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、上記の目的を達成するために提案されたも
のであって、非磁性支持体上に結合剤を含む塗布層を有
する磁気記録媒体において、上記塗布層が水分を3重量
%以上含むカーボンを含有していることを特徴とするも
のである。
本発明で使用されるカーボンとしては、例えばアセチ
レンブラック,副生ブラック,カーボンブラック等が使
用可能である。また、そのカーボンには水分量が3重量
%以上のものが選ばれる。これは、水分量が3重量%未
満であると、通常の分散時間では分散が困難となって分
散に長時間を要し、表面粗度や耐久性が劣化するからで
ある。一方、水分量の上限に関しては塗料を調製する上
で問題がない限り特に限定されるものではなく、カーボ
ンが吸収し得る水分量が上限ということになるが、乾燥
時間を考慮した場合には20重量%程度が実用的である。
上記カーボンに水分を含有させる手法としては、当該
カーボン全体に水分が均一にいきわたるようにすればよ
いのでその手法は何ら限定されるものではない。例え
ば、所定の湿度を有する恒温槽内に常温で数時間放置す
るようにしてもよいし、あるいは強制的に水蒸気をカー
ボン全体に吹き付けるようにしてもよい。
また、水分量を3重量%以上とするには、比表面積が
40m2/g以上のカーボンを使用することが望ましい。これ
は比表面積40m2/g未満のカーボンでは水分量を3重量%
以上とすることが難しいためである。なお、ここに言う
比表面積(BET値)は、ASTM D−3037−78に準じて測定
される値である。
さらに、上記カーボンの添加量に関しては、特に限定
されるものではないが、塗膜物性や分散性の劣化を生じ
させることのない程度に添加すればよい。
また、本発明が適用される塗布層としては、例えばバ
ックコート層であり磁性層である。
バックコート層としては、従来この種の媒体で使用さ
れるバックコート塗料、すなわち結合剤,および必要に
応じて使用される分散剤,帯電防止剤,防錆剤等、ある
いは溶媒等はいずれも従来公知のものが使用可能であ
り、何ら限定されるものはない。例えば、溶剤として
は、アセトン,メチルエチルケトン,メチルイソブチル
ケトン,シクロヘキサン等のケトン系溶剤、酢酸メチ
ル,酢酸エチル,酢酸ブチル,乳酸エチル,酢酸グリコ
ールモノエチルエステル等のエステル系溶剤、グリコー
ルジメチルエーテル,グリコールモノエチルエーテル,
ジオキサン等のグリコールエーテル系溶剤、ベンゼン,
トルエン,キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、メチレ
ンクロライド,エチレンクロライド,四塩化炭素,クロ
ロホルム,エチレンクロルヒドリン,ジクロロベンゼン
等の有機塩素化合物系溶剤が挙げられる。
また、必要に応じて従来一般に使用されている非磁性
粉末も前記カーボンと併用して使用することが可能であ
る。この非磁性粉末としては、ヘマタイト、雲母、シリ
カゲル、酸化マグネシウム、硫化亜鉛、炭化タングステ
ン、窒化ホウ素、デンプン、酸化亜鉛、カオリン、タル
ク、粘土、硫酸鉛、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭
酸マグネシウム、、ベーム石(γ−Al2O3・H2O)、アル
ミナ、硫化タングステン、酸化チタン、ポリテトラフル
オロエチレン粉末、ポリエチレン粉末、ポリ塩化ビニル
粉末、金属粉等である。
他方、磁性層は、塗布型の磁気記録媒体で使用される
磁性塗料、すなわち磁性粉末,結合剤,分散剤等はいず
れも従来公知の材料が使用可能である。
また、非磁性支持体としては、やはりこの種の媒体で
使用される従来公知のものがいずれも使用可能である。
例えば、非磁性支持体の素材としては、ポリエチレンテ
レフタレート等のポリエステル類、ポリエチレン,ポリ
プロピレン等のポリオレフィン類、セルローストリアセ
テート、セルロースダイアセテート,セルロースアセテ
ートブチレート等のセルロース誘導体、ポリ塩化ビニ
ル,ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、ポリカーボ
ネート,ポリイミド,ポリアミド,ポリアミドイミド等
のプラスチック、紙、アルミニウム,銅等の金属、アル
ミニウム合金,チタン合金等の軽合金、セラミックス、
単結晶シリコン等である。
結合剤としては、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、
塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、
塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、塩化ビ
ニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロ
ニトリル共重合体、アクリル酸エステル−アクリロニト
リル共重合体、アクリル酸エステル−塩化ビニリデン共
重合体、メタクリル酸−塩化ビニリデン共重合体、メタ
クリル酸エステル−スチレン共重合体、熱可塑性ポリウ
レタン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリ弗化ビニル、塩化ビ
ニリデン−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−ア
クリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエ
ン−メタクリル酸共重合体、ポリビニルブチラール、セ
ルロース誘導体、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリ
エステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、熱硬化
性ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキ
ド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂又はこれらの混合
物等が挙げられる。中でも、柔軟性を付与するとされて
いるポリウレタン樹脂,ポリエステル樹脂,アクリロニ
トリル−ブタジエン共重合体等が好ましい。これらは、
イソシアネート化合物を架橋剤としてより耐久性を向上
させたり、あるいは適当な極性基を導入したものであっ
てもよい。
なお、上記非磁性支持体の形態としては、フィルム,
テープ,シート,ディスク,カード,ドラム等のいずれ
でもよい。
〔作用〕
水分を3重量%以上含むカーボンは、水分含有量の少
ないカーボンに比べて塗料中での分散性が著しく高く、
短時間で高度に分散される。したがって、この水分含有
量3重量%以上のカーボンを例えば磁性層やバックコー
ト層に添加することで、短時間分散で良好な表面性が確
保される。
〔実施例〕
以下、本発明を適用した具体的な実施例について説明
するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
実施例1〜実施例3 先ず、以下の組成にしたがってバックコート層を形成
するためのバックコート塗料組成物を調製した。
塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体 (U.C.C.社製,商品名ビニライトVAGH) 30重量部 ポリウレタン樹脂 (日本ポリウレタン社製,商品名N−2304) 30重量部 酸化チタン(石原産業社製,商品名CR−93) 5重量部 メチルエチルケトン 120重量部 メチルイソブチルケトン 120重量部 トルエン 120重量部 上記のバックコート塗料組成物に後述の第1表に示す
各カーボンブラックを95重量部添加し、ボールミルで混
合した。そして、これを14μm厚のPET(ポリエチレン
テレフタレート)フィルム上に乾燥後の膜厚が3μmと
なるように塗布し、1/2インチ幅に裁断してサンプルテ
ープを作製した。
なお、カーボンブラックに水分を含有させるには、湿
度80%,25℃の恒温槽内に24時間放置することにより行
い、その水分量の測定はカールフィッシャー法により測
定した。
比較例1〜比較例7 比較例は、水分量と比表面積のいずれかが本発明で規
定される条件を満足していないカーボンブラックを使用
してサンプルテープを作製した例である。
なお、第1表中DBP吸油量とは、カーボン材100gが吸
収することのできるジブチルフタレート(DBP)の重量
(g)を意味し、カーボン材の表面状態等の指標となる
ものである。また、pHはASTM D 1512に準じて測定され
る値である。
次に、これらの実施例及び比較例で作製された各サン
プルテープについて、表面粗度、粉落ちを測定した。各
測定方法は、以下の通りである。
表面粗度は平均線中心粗さRaとして表した。
表面粗度は表面性を示すバロメータであり、その数値
が小さいほど表面が平滑である。したがって、良好は走
行性と、磁気記録媒体が巻き取られた際のバックコート
層から磁性層への転写を防止する観点から0.02μm以下
を良好な値とする。
粗落ちについては、60分シャトル100回走行後のヘッ
ドドラム,ガイド等への粉落ち量を目視して観察し、減
点法(絶対値が小さいほど粉落ちは少なく耐久性がよ
い。)で評価した。実用範囲として2.0以下を良好な値
とする。
その結果を第2表に示す。
第2表より、各実施例で得られたサンプルテープはい
ずれも良好な表面粗度を有しており、また粉落ちも少な
いことから分散時間が短くとも十分な耐久性が達成され
ていることがわかる。分散時間が長くなるほど表面粗度
の低下といった表面性の向上がみられるが、粉落ちが増
大していないことから走行性の低下はきたしていない。
一方、各比較例で得られたサンプルテープでは概して
表面粗度及び粉落ちがいずれも増大しており、表面性及
び耐久性が低下していることがわかる。特に、カーボン
ブラックの含有する水分量が少なく、比表面積が小さい
ものにあっては、表面粗度及び粉落ちの増大が著しい。
中には粉落ちの低いものもあるが、表面粗度0.02μm以
下を達成するのに一番少ないもの(比較例1)であって
もその分散時間に48時間を要しており、実施例1の36時
間に比べかなりの時間を要する。したがって、生産性向
上の観点からは比較例のサンプルテープは不利である。
以上、カーボンをバックコート層に添加した例につい
て説明したが、これに限られるものではなく、例えば上
述のカーボンを磁性層を形成する磁性塗料に添加するよ
うにしてもよい。
以下、前記カーボンを磁性層に添加した場合の実施例
について説明する。
実施例4 先ず、以下の組成にしたがって磁性層を形成するため
の磁性塗料組成物を調製した。
Co被着γ−Fe2O3(比表面積35m2/g) 100重量部 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体
(U.C.C.社製,商品名ビニライトVAGH) 10重量部 ポリウレタン樹脂(日本ポリウレタン社製,商品名N−
2304) 10重量部 ブチルステアート 1重量部 Al2O3(住友化学社製,商品名AKP−30) 2重量部 メチルエチルケトン 76重量部 メチルイソブチルケトン 76重量部 トルエン 76重量部 次に、上記の磁性塗料組成物に水分を3重量%含有さ
せたカーボンブラックを6重量部添加し、ボールミルで
48時間混合した。そして、これを14μm厚のPETフィル
ム上に乾燥後の膜厚が5μmとなるように塗布し、1/2
インチ幅に裁断してサンプルテープを作製した。
なお、カーボンブラックに水分を含有させるには、湿
度80%,25℃の恒温槽内に24時間放置することにより行
い、その水分量の測定はカールフィッシャー法により測
定した。
比較例8及び比較例9 比較例では、上述の磁性塗料に水分をそれぞれ1重量
%,0.3重量%含んだカーボンブラックを6重量部添加す
ることにより、先の実施例4に準じてサンプルテープを
作製した。
次に、これらの実施例4及び比較例8,比較例9におい
て作製された各サンプルテープについて、表面光沢を測
定した。表面光沢の測定方法は、光沢計を使用して入射
角75゜又は入射角45゜におけるそれぞれの反射光の強度
を測定し、これを基準値に対する百分率(%)として表
した。
その結果を第3表に示す。
第3表より、実施例4のサンプルテープでは、グロス
(75゜),グロス(45゜)のいずれにおいても適度な表
面光沢を有していることがわかる。これに対して、比較
例8及び比較例9のサンプルテープでは、グロス(75
゜)においては実施例4に比べて多少劣る程度であるも
のの、グロス(45゜)ではその表面光沢が極めて低下し
てしまっている。
したがって、水分を3重量%以上含んだカーボンブラ
ックを磁性塗料に添加すれば、表面性の大幅な向上が期
待できる。
〔発明の効果〕
以上の説明からも明らかなように、本発明を適用すれ
ば、磁性塗料やバックコート塗料を調製する際の分散時
間が短時間で行え、しかも磁性層,バックコート層の表
面性,耐久性が良好なものとなる。したがって、得られ
る磁気記録媒体の走行性,耐久性の大幅な向上が期待で
き、高品質の記録・再生を可能とする磁気記録媒体を生
産性よく提供することができる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性支持体上に結合剤を含む塗布層を有
    する磁気記録媒体において、 上記塗布層が水分を3重量%以上含むカーボンを含有し
    ていることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】カーボンの比表面積が40m2/g以上であるこ
    とを特徴とする請求項(1)記載の磁気記録媒体。
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