JP2803874B2 - 水溶性ビニルアルコール系重合体の溶融成形方法 - Google Patents

水溶性ビニルアルコール系重合体の溶融成形方法

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、ビニルアルコール単位(A)、ビニルエス
テル単位(B)およびオキシアルキレンアリルエーテル
単位(C)を含む水溶性ビニルアルコール共重合体を溶
融成形する方法に関するものである。
従来の技術 ポリビニルアルコールの成形物、たとえばフィルム
は、保香性、透明性、耐油性、帯電防止性、酸素遮断
性、保温性などの性質がすぐれており、また親水性、水
溶解性ないしは水分散性を有するので、通常の疎水性重
合体のフィルムには適さない用途にも用いることができ
る。
ポリビニルアルコールからフィルムを得る方法として
は、通常、該重合体を水に溶解して流延する方法が採用
される。この場合、得られたフィルムは高湿条件下では
柔軟であるが、低湿条件下では柔軟性が損なわれるとい
う性質を有するので、低湿条件下でも柔軟性を保つため
に流延成形時にグリセリン等の可塑剤を配合することが
行われる。
ポリビニルアルコールからフィルム、その他の成形物
を得る方法として、該重合体を含水状態で溶融押出しす
る方法も知られている。この場合も、得られる成形物の
柔軟性を保つためには、可塑剤を併用することが行われ
る。
ポリビニルアルコールを実質的に無水の条件下で溶融
押出しすることも試みられているが、ポリビニルアルコ
ールは軟化点が高い上、その軟化点が熱分解温度に近い
ため、ポリビニルアルコール単独での溶融押出しは困難
である。そこで、ポリビニルアルコールを溶融成形する
際には、グリセリン等の可塑剤を多量に配合して押出成
形に供することが行われる。
なお、ポリビニルアルコールの射出成形は一般には行
われていない。
ポリビニルアルコールは、酢酸ビニルを重合した後、
ケン化することにより製造されるが、重合に際しコモノ
マーを併用することによって「共重合変性」ポリビニル
アルコールを得ることができる。また、ポリビニルアル
コールのOH基に他の化合物を反応させることにより、ポ
リビニルアルコールを「後変性」することもできる。こ
れらの変性ポリビニルアルコールは、上述の如きポリビ
ニルアルコールの性質を本質的には有しながらも、導入
した変性基に基く性質が付加される。
このような変性ポリビニルアルコールの一つとして、
オキシアルキレン単位を導入したビニルアルコール系重
合体が知られており、たとえば次のような種々の内外国
出願がなされている。
たとえば、米国特許第1971662号明細書、同2844570号
明細書、同2990398号明細書には、ポリビニルアルコー
ルにエチレンオキサイドを付加反応させたオキシエチレ
ン基含有ポリビニルアルコールが示されている。
米国特許第3033841号明細書、同4369281号明細書に
は、ポリアルキレングリコール共存下に酢酸ビニルをグ
ラフト重合させた重合物をケン化したオキシアルキレン
基含有ポリビニルアルコールが示されている。
米国特許第4618648号明細書、同第4675360号明細書に
は、ビニルアルコールとポリ(アルキレンオキシ)アク
リレートとの共重合体が示されており、この共重合体は
射出成形、押出成形が可能で、得られた成形物は水溶性
と柔軟性を有することも示されている。
特開昭59−155408号公報には、オキシアルキレン基を
含有する不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重合体をケン
化した変性ポリビニルアルコールが示されている。該公
報には、用途として多種のものが列挙されており、用途
の一例として成形物もあげられているが、その成形方法
については開示がない。
特開平1−158016号公報には、オキシアルキレン基含
有ビニルアルコール系重合体フィルムからなる耐水性柔
軟フィルムが示されている。該公報には、「製膜は、該
重合体の水溶液を流延する方法、含水条件下に加熱押出
する方法、溶融押出する方法などが採用される。」とし
てあるが、実施例は全て流延法にかかるものであり、溶
融押出する方法については(含水条件下に加熱押出する
方法についても)、この一言の記載があるのみである。
発明が解決しようとする課題 ポリビニルアルコールを流延法により成形する方法
は、水溶液の調整が必要であること、製膜速度が遅いこ
と、製膜後の乾燥に長時間を要することなど、溶融押出
法に比し種々の不利がある。成形物に柔軟性を付与すべ
く可塑剤を併用する場合も同様の不利がある上、配合し
た可塑剤に起因するブリーディングの問題を新たに生ず
る。
ポリビニルアルコールを含水状態で溶融押出しする方
法も、成形後の乾燥に長時間を要するという不利があ
る。成形物に柔軟性を付与すべく可塑剤を併用する場合
も前記と同様の不利がある上、配合した可塑剤に起因す
るブリーディングの問題を新たに生ずる。
ポリビニルアルコールに多量の可塑剤を配合して溶融
押出しする方法は、配合した可塑剤が成形物表面にブリ
ーディングしてべたつきを生じたり、他の基材とラミネ
ートするときに接着不良の原因となることがある。
この点、オキシアルキレン単位を導入したビニルアル
コール系重合体は、それ自体が柔軟性を有するので、可
塑剤の配合を省略することができるという利点がある。
しかしながら、上記米国特許第1971662号明細書、同2
844570号明細書、同2990398号明細書に記載のオキシエ
チレン基含有ポリビニルアルコールは、側鎖であるオキ
シエチレン基の長さを調節することが難しい上、二次加
工となるので生産性が劣るという不利がある。
米国特許第3033841号明細書、同4369281号明細書に記
載のオキシアルキレン基含有ポリビニルアルコールは、
その製造に際しアルキレングリコールへのグラフト重合
時の反応性が低く、実用的であるとは言い難い。
米国特許第4618648号明細書、同第4675360号明細書に
記載のビニルアルコール/ポリ(アルキレンオキシ)ア
クリレート共重合体は、酢酸ビニルとポリ(アルキレン
オキシ)アクリレートとを共重合した後、ケン化するこ
とにより製造されるが、そのケン化反応中にオキシアル
キレン基が脱離しやすいため、ケン化後の生成物は、実
際は脱離したアルキレングリコールまたはポリアルキレ
ングリコールとの混合物となる。
特開昭59−155408号公報には、オキシアルキレン基含
有ビニルアルコール系重合体の製造および期待される用
途につき開示があるだけで、溶融成形についてはもとよ
り、他の成形方法についても一切開示がない。
特開平1−158016号公報には、オキシアルキレン基含
有ビニルアルコール系重合体の溶融成形につき示唆はな
されているものの、実際に溶融成形を試みると、円滑な
溶融成形は容易ではない。
本発明は、このような背景下において、オキシアルキ
レン基含有ビニルアルコール共重合体を実質的に無水の
条件下で溶融成形する工業的に採用可能な方法を提供す
ることを目的になされたものである。
課題を解決するための手段 本発明の水溶性ビニルアルコール系重合体の溶融成形
方法は、 下記の式 で示されるビニルアルコール単位(A)、ビニルエステ
ル単位(B)およびオキシアルキレンアリルエーテル単
位(C)をそれぞれaモル%、bモル%、cモル%含
み、 (B)におけるR1がアルキル基、(C)におけるR2
よびR3がHまたはアルキル基、(C)におけるR4がH、
アルキル基、フェニル基または置換フェニル基で、nが
1〜300であり、 次の関係 0.1≦c≦20、 50≦100a/(a+b)≦100 をいずれも満足し、 かつ、温度210℃、荷重2160gにおけるメルトインデッ
クスが5g/10min以上である、 オキシアルキレン基含有ビニルアルコール共重合体
を、実質的に無水の条件下で溶融成形することを特徴と
するものである。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明で用いるオキシアルキレン基含有ビニルアルコ
ール共重合体は、ビニルアルコール単位(A)、ビニル
エステル単位(B)およびオキシアルキレンアリルエー
テル単位(C)をそれぞれaモル%、bモル%、cモル
%含む。ここで(B)におけるR1はアルキル基(殊にメ
チル基)、(C)におけるR2およびR3はHまたはアルキ
ル基(殊にR2、R3の双方がHであるか、いずれか一方が
Hで他方がメチル基)、(C)におけるR4がH、アルキ
ル基、フェニル基または置換フェニル基で、nが1〜30
0(殊に3〜50)である。ビニルエステル単位(B)の
代表例は酢酸ビニルであり、オキシアルキレンアリルエ
ーテル単位(C)の代表例は、ポリオキシエチレンアリ
ルエーテル、ポリオキシエチレンメタアリルエーテル、
ポリオキシプロピレンアリルエーテル、ポリオキシプロ
ピレンメタアリルエーテルである。
上記共重合体は、まず、次の関係 0.1≦c≦20、 50≦100a/(a+b)≦100 を満足することが要求される。
第1番目の式は、共重合体に占めるオキシアルキレン
アリルエーテル単位(C)の割合が0.1〜20モル%であ
ることを示す。この単位(C)の割合が0.1モル%未満
では改質効果が不足し、20モル%を越えるときはビニル
アルコール共重合体としての本来の性質が損なわれる。
特に好ましい範囲は0.1〜5モル%である。
第2番目の式は、ケン化前のビニルエステル成分のケ
ン化度が50〜100モル%であることを意味している。ケ
ン化度が50モル%未満では、ビニルアルコール基の有す
る新水性、保香性、耐油性、帯電防止性、酸素遮断性、
保温性等の性質が充分には得られない。特に好ましい範
囲は80〜100モル%である。
なお、必要に応じて(A),(B)および(C)以外
のモノマー単位を30モル%程度以下含んでいても差支え
なく、このような単位としては、たとえば、α−オレフ
ィン(エチレン、プロピレン、長鎖α−オレフィン
等)、エチレン性不飽和カルボン酸系モノマー(アクリ
レート、メタクリレート、アクリロニトリル、メタクリ
ロニトリル、塩化ビニル、ビニルエーテル等)が例示で
きる。
上記共重合体は、単位(B)として酢酸ビニルを用い
るのが有用である。しかもこの場合、単位(C)中のオ
キシアルキレン単位 CHR2−CHR3−O の樹脂全体に占める割合が3〜40重量%であると、一段
と効果が顕著となる。すなわち、オキシアルキレン単位
に注目すると、共重合体に占める(C)のモル割合が0.
1〜20モル%(好ましくは0.1〜5モル%)であるだけで
なく、(C)におけるオキシアルキレン単位の重量割合
が樹脂全体の3〜40重量%(好ましくは5〜40重量%)
を占めることが要求される。このことは、無水条件下で
の円滑な溶融成形を行うためには、共重合体におけるオ
キシアルキレン単位の局在−非局在の程度およびオキシ
アルキレン単位の長さに制約があることを示す。またn
の数も3〜50、ケン化度も80〜100モル%が実用性の高
い範囲である。
さらに本発明で用いるオキシアルキレン基含有ビニル
アルコール共重合体は、温度210℃、荷重2160gにおける
メルトインデックスが5g/10min以上であることが要求さ
れる。この値が5g/10min未満である場合には、他の条件
を満足していても円滑な溶融成形を行い難い。ここでメ
ルトインデックスは、東洋精機製造所製のメルトインデ
クサーを用い、ノズルが1mmφ×10mmで測定される。
このように本発明においては、上記各条件を満たすオ
キシアルキレン基含有ビニルアルコール共重合体を用い
た場合にはじめて、実質的に無水の条件下での溶融成形
が工業的になしうるようになる。
上記オキシアルキレン基含有ビニルアルコール共重合
体は、ビニルエステル単位(B)およびオキシアルキレ
ンアリルエーテル単位(C)を構成するモノマーを、必
要に応じ他の共重合可能なモノマーと共に重合し、つい
でケン化することにより製造される。ケン化によりビニ
ルエステル単位(B)の大部分または全部がビニルアル
コール単位に変換されるわけである。
重合方法としては通常溶液重合法が採用され、場合に
より懸濁重合法、エマルジョン重合法などを採用するこ
ともできる。
ケン化反応としては、アルカリケン化法、酸ケン化法
などが採用される。
上記オキシアルキレン基含有ビニルアルコール共重合
体の溶融成形は、実質的に無水の条件下で行われる。実
質的に無水とは、5重量%程度以下の水分が残存してい
ても差支えないが、望ましくは含水率が1重量%以下、
殊に0.5重量%以下であることを言う。
溶融成形に際しては多価アルコール等の可塑剤を配合
することもできるが、可塑剤を使用しなくても柔軟性が
得られる上、可塑剤の使用は成形物の性質を悪化させる
こともあるので、むしろ使用しない方がよい。
溶融成形に際しては、充填剤、着色剤、安定剤をはじ
め、種々の添加剤を配合することができる。本発明の趣
旨を損なわない範囲で、他のポリマーを配合することも
でき、あるいは逆に他のポリマーに上記のオキシアルキ
レン基含有ビニルアルコール共重合体を配合することも
できる。
溶融成形法としては、射出成形法、押出成形法、トラ
ンスファー成形法をはじめ、任意の溶融成形法が採用さ
れる。
溶融成形法のうち特に重要なものは射出成形法であ
り、水溶性を有するビニルアルコール系の重合体を無水
または無可塑状態で射出成形できることは特異とも言う
べきである。なお、米国特許第4618648号明細書、同第4
675360号明細書にはビニルアルコールとポリ(アルキレ
ンオキシ)アクリレートとの共重合体を射出成形、押出
成形することが示されているが、ケン化反応中に脱離生
成したアルキレングリコールまたはポリアルキレングリ
コールが可塑剤として働くため、実際は可塑剤入りで射
出成形していることになる。
射出条件としては、シリンダー温度150〜250℃、金型
温度30〜100℃、射出圧力500〜2000kg/cm2の条件が好適
に採用される。上記で規定するオキシアルキレン基含有
ビニルアルコール共重合体は射出成形が可能であるとは
言っても、他の汎用の成形用樹脂に比すれば成形が難し
いので、厳密な条件設定が必要である。
溶融成形のうち押出成形も重要である。押出成形に
は、ブロー成形、インフレーション成形、共押出成形、
エクストルージョンコーティングなども含まれる。
押出成形に際しては、ダイ温度を150〜300℃に設定
し、スクリュー圧縮部温度を吐出部温度より5〜30℃高
い温度に設定して行うことが望ましい。押出成形に際し
ても厳密な条件設定が必要である。
作用および発明の効果 ビニルエステル単位(B)およびオキシアルキレンア
リルエーテル単位(C)を構成するモノマーを共重合し
て得られた共重合体は、該共重合体をケン化反応に供し
ても、オキシアルキレンアリルエーテル単位(C)のオ
キシアルキレン基が脱離することがない。
本発明におけるオキシアルキレン基含有ビニルアルコ
ール共重合体は、ビニルアルコール単位(A)とオキシ
アルキレンアリルエーテル単位(C)とが適度の割合で
分布しており、かつ単位(C)におけるオキシアルキレ
ン単位の重量割合が特定範囲に設定されているので、オ
キシアルキレン単位の局在−非局在の程度およびオキシ
アルキレン単位の長さが溶融成形に適するようにバラン
スされている。加えて共重合体全体のメルトインデック
スも溶融成形に適するように規定されている。
従って、特定の成形条件を選べば、射出成形の如き溶
融成形であっても、実質的に無水でも(かつ可塑剤不使
用でも)、工業的に採用しうる円滑な溶融成形が可能に
なる。
そして得られた成形物は、水溶性および柔軟性を有す
る上、ビニルアルコール単位(A)に基く保香性、耐油
性、帯電防止性、酸素遮断性、保温性などの性質も保有
している。
なお、成形時に架橋剤を配合したり、得られた成形物
を熱処理や架橋剤処理に供すれば、成形物を耐水化する
こともできる。
実 施 例 次に実施例をあげて本発明をさらに説明する。
〈共重合体の製造〉 実施例1 オキシエチレンの付加モル数が平均25のポリオキシエ
チレンモノアリルエーテルと酢酸ビニルとをメタノール
中でアゾビスイソブチロニトリルの存在下に共重合し、
ついで残存モノマーを追い出した後、水酸化ナトリウム
のメタノール溶液を加えてケン化した。ケン化反応によ
り生じたスラリーから共重合体をろ別し、洗浄、乾燥し
て目的物であるオキシアルキレン基含有ビニルアルコー
ル共重合体を得た。
この共重合体のビニルアルコール単位(A)の割合a
は93モル%、酢酸ビニル単位(B)の割合bは6モル
%、オキシエチレンアリルエーテル単位(C)の割合c
は1モル%であった。
このことから、 a+b+c=100モル% c=1モル% 100a/(a+b)=94 であることがわかる。
また、(A),(B)および(C)の合計重量に対す
るオキシエチレン単位の重量割合は19重量%であること
がわかる。
この共重合体の温度210℃、荷重2160gにおけるメルト
インデックスは15g/10minであった。
なおこの共重合体の4重量%濃度の水溶液の粘度は、
3.6cps/20℃であった。
上記共重合体の特性値を後の第1表に示す。
実施例2〜6 実施例1に準じて第1表に示す如き種々の特性値を有
する共重合体を製造した。
比較例1〜4 実施例1に準じて第2表に示す如き種々の特性値を有
する共重合体を製造した。これらの比較例の共重合体
は、本願規定の特性値を完全には備えていないものであ
る。
〈成形用材料〉 実施例1〜6、比較例1〜4のオキシアルキレン基含
有ビニルアルコール共重合体を含水率0.1重量%以下に
まで乾燥し、ついで押出機に供給して線状に押出した
後、カッティングしてペレット化した、このペレットを
用いて、以下に述べる溶融成形に供した。
〈射出成形〉 次の射出成形条件を採用した。
射出成形機 日本製鋼所N100型スクリュー式 自動射出成形機 スクリュー混練温度 200℃ 吐出部温度 210℃ 金型温度 50℃ 射出圧力 700kg/cm2 成形サイクル 20秒 〈押出成形〉 次の押出成形条件を採用した。
押出機 二軸押出機 スクリュー L 1150mm、D40mmφ L/D=28.75 回転数 50rpm シリンダー温度 圧縮部 200℃ Tダイ温度 190℃ 〈結果〉 射出成形および押出成形の結果およびこれらの成形に
より得られた成形物の性質を後の第3表および第4表に
示す。
なお、射出・押出成形性、水溶性、柔軟性、ブロッキ
ングの有無、ブリーディングの有無は、次のようにして
判定した。
射出成形性、押出成形性は、成形品の表面の肌荒れの
有無で判定し、肌荒れ等のない場合を○とした。
水溶性は、5℃、100gの水中に無撹拌下、試験片(10
mm×50mm×1mm)を浸漬して10分後の溶解性能を観察
し、次の3段階で判定した。また、試験後の水の濁りに
ついてその有無を観察した。
○:溶解残分が30重量%未満 △:溶解残分が30重量%以上、70重量%未満 ×:溶解残分が70%以上 柔軟性は、JIS K 7203に準じ、20℃、60%RHにて30日
調湿した試験片について状態を観察し、柔軟性のある場
合を○と判定した。さらに曲げ弾性率を測定した。
ブロッキングは、試験片(10mm×50mm×1mm)を2枚
重ね、5g/cm2の荷重下、20℃、72%RHに16時間放置した
後の状態を観察し、2枚の試験片が全く付着していない
場合を○、わずかに付着している場合を△、付着してい
る場合を×とした。
ブリーディングは、成形物を〈20℃、65%RH、16時
間〉と〈40℃、80%RH、8時間〉との環境下に交互に各
30回もたらし、成形物表面の状態を観察して、ブリーデ
ィングのない場合を○と判定した。
上記の結果からも、実施例の共重合体は実用的な射出
成形性および押出成形性を有しており、しかも成形物は
すぐれた水溶性および柔軟性を有し、かつブロッキン
グ、ブリーディングを生じないことがわかる。
〈ポリビニルアルコールの溶融成形性〉 参考のため、ポリビニルアルコールの溶融成形につい
ても試みた。
溶融成形に供するポリビニルアルコールとしては、下
記のものを用いた。
は重合度、はケン化度(モル%)、は4重量%
濃度の水溶液の粘度(cps/20℃)、は温度210℃、荷
重2160gにおけるメルトインデックス、はポリビニル
アルコール100重量部に対する可塑剤(グリセリン)の
配合量(重量部)である。
PVA−1 200 93 3.2 24 0 PVA−2 300 88 3.3 28 0 PVA−3 300 80 3.4 34 0 PVA−4 200 93 3.2 29 7 上記のPVA−1,PVA−2,PVA−3,PVA−4を用いて実施例
1の場合と同様の押出成形条件で押出成形を行ったとき
の結果を次に示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08F 218/04 C08F 218/04 // B29K 29:00 C08L 29:00 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08J 5/00 C08F 216/04 C08F 216/16 C08F 218/04 B29C 45/00 B29C 47/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の式 で示されるビニルアルコール単位(A)、ビニルエステ
    ル単位(B)およびオキシアルキレンアリルエーテル単
    位(C)をそれぞれaモル%、bモル%、cモル%含
    み、 (B)におけるR1がアルキル基、(C)におけるR2およ
    びR3がHまたはアルキル基、(C)におけるR4がH、ア
    ルキル基、フェニル基または置換フェニル基で、nが1
    〜300であり、 次の関係 0.1≦c≦20、 50≦100a/(a+b)≦100 をいずれも満足し、 かつ、温度210℃、荷重2160gにおけるメルトインデック
    スが5g/10min以上である、 オキシアルキレン基含有ビニルアルコール共重合体を、
    実質的に無水の条件下で溶融成形することを特徴とする
    水溶性ビニルアルコール系重合体の溶融成形方法。
  2. 【請求項2】(B)が酢酸ビニル単位であり、かつ
    (C)中のオキシアルキレン単位CHR2−CHR3−O
    の樹脂全体に占める割合が3〜40重量%である請求項1
    記載の溶融成形方法。
  3. 【請求項3】次の関係 3≦n≦50、 0.1≦c≦5、 80≦100a/(a+b)≦100 をいずれも満足し、かつ(C)のうちオキシアルキレン
    単位CHR2−CHR3−Oの樹脂全体に占める割合が5
    〜30重量%である請求項1記載の溶融成形方法。
  4. 【請求項4】溶融成形を、実質的に可塑剤を用いること
    なく行うことを特徴とする請求項1記載の溶融成形方
    法。
  5. 【請求項5】溶融成形が射出成形であり、該射出成形
    を、シリンダー温度150〜250℃、金型温度30〜100℃、
    射出圧力500〜2000kg/cm2の条件下に行うことを特徴と
    する請求項1ないし4記載の溶融成形方法。
  6. 【請求項6】溶融成形が押出成形であり、該押出成形
    を、ダイ温度を150〜300℃に設定し、スクリュー圧縮部
    温度を吐出部温度より5〜30℃高い温度に設定して行う
    ことを特徴とする請求項1ないし4記載の溶融成形方
    法。
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