JP2806528B2 - 電波吸収体用マグネシウム−亜鉛系フェライト材 - Google Patents

電波吸収体用マグネシウム−亜鉛系フェライト材

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JP2806528B2 JP63131277A JP13127788A JP2806528B2 JP 2806528 B2 JP2806528 B2 JP 2806528B2 JP 63131277 A JP63131277 A JP 63131277A JP 13127788 A JP13127788 A JP 13127788A JP 2806528 B2 JP2806528 B2 JP 2806528B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、特に限定されるわけではないが、例えば電
波暗室用の電波吸収体として好適なノイズ吸収性能の高
いマグネシウム−亜鉛系フェライト材に関するものであ
る。
[従来の技術] CISPR等の放射ノイズ規制においては、現在のところ3
0MHzから1GHzまでが規制の対象となっており、各種電子
機器からの放射ノイズを上記周波数範囲内で測定する必
要性が増大している。
測定はオープンサイトで測るのが基準であるが、その
代用として30MHz〜1GHzで電磁波の反射が無い電波暗室
も広く使用されている。この種の電波暗室では、その内
壁を無反射壁とするため電波吸収体が使用される。
もし電波吸収を誘電体損失のみで実現しようとする
と、必要な誘電体の厚みは吸収したい電磁波の波長程度
となるため、例えば100MHz(波長λ=3m)以下を吸収さ
せるためは非常に厚くなり、室内有効容積が減少してし
まう。
そのため最近では誘電体とフェライトの積層構造体が
用いられており、その際、フェライトは8mm程度の厚さ
とし低周波数帯の吸収を担わされている。そこでフェラ
イト材としてはμ′が1000程度の材料特性が要求される
から、専らニッケル−亜鉛系材料が使用されていた。
[発明が解決しようとする課題] 電波吸収体としては、反射損失が20dB程度以上必要で
あるとされる。30〜40MHz付近で上記減衰を得るために
は、この帯域を中心にμ″が周波数に従って減少するこ
とが必要である。そのためにはμ′−f特性曲線がスネ
ーク(Snoek)の限界に従う限り、μ′として1000程度
が要求されることになる。
そこで従来技術では上記特性を満足するようにニッケ
ル−亜鉛系フェライト材が用いられていたのである。こ
の種の材料では整合厚5mm程度で吸収帯域が40〜500MHz
程度のものが得られているが、原料となるニッケルが高
価であるという大きな欠点があった。
本発明の目的は、上記のような従来技術の欠点を解消
し、整合厚は8mm程度であるが、吸収帯域が30〜400MHz
と特に低周波側で良好であり、しかも原料がニッケルに
比べて安価なマグネシウム−亜鉛系フェライト材を提供
することにある。
[課題を解決するための手段] 上記のような目的を達成することのできる本発明は、 酸化熱 …47〜50モル% 酸化マグネシウム…20〜23モル% 酸化亜鉛 …24〜27モル% 酸化マンガン … 3〜6モル% からなる組成であり、板状焼結体にして30MHz〜400MHz
の低周波数帯域で用いる電波吸収体用のマグネシウム−
亜鉛系フェライト材である。
またより好ましくは、上記組成に対して酸化銅を3モ
ル%以下添加する組成がある。
本発明において基本組成を上記のように限定した理由
は、各成分が相互に関連していて、前記範囲を外れた組
成領域においては低周波帯での吸収に必要とされるμ′
の絶対的なレベルが低下したり、電磁波の吸収に必要と
なるμ″のピーク幅が狭くなり吸収性能の低下を生じる
からである。
例えば酸化鉄量が前記組成範囲から外れると、μ′の
低下が見られる。また酸化亜鉛量について言えば、規定
量より少ないとμ′の低下が生じるし、規定量を越える
とキュリー温度Tcが低下し、またμ″のピーク幅が狭く
なることによる吸収特性の低下を招く。他の二成分につ
いても規定範囲から外れるとμ′,μ″の特性が最適な
ものにならず、高い吸収性能が得られない。
酸化銅の添加は焼結性を高める。但し、規定量より多
すぎると焼結性が増大し粒成長することにより強度等の
物理的特性が低下し好ましくない。
[作用] 上記のような組成範囲内ではマグネシウム−亜鉛系フ
ェライト材であってもμ′を1000程度にすることができ
る。因に従来の一般的なマグネシウム−亜鉛系フェライ
ト材料の場合は、200〜500程度である。
垂直入射平面波に対する無反射条件は、複素比誘電率
(ε′−jε″)が比較的小さい場合には次式のように
近似できる。
但し、cは光束、dは厚さである。
この(1)式を広い周波数範囲にわたって満たす磁性
材料が広帯域吸収体になると考えられる。(1)式はlo
g μ″−log fプロットをした場合、45゜右下がりの直
線である。本発明のマグネシウム−亜鉛系フェライト材
は低周波側でもlog μ″−log fが直線的にのびてお
り、そのため広帯域吸収体を実現できたものと考えられ
る。
ところでパーソナルコンピュータ等のデジタル機器か
らの放射ノイズの周波数は数十〜数百MHzと言われてお
り、本発明のようなフェライト板のみを金属板に貼着し
て吸収壁を構成することによって、高周波域では劣るも
のの低周波域では良好な電波吸収特性を発現させること
ができる。
[実施例] まず酸化鉄(Fe2O3)48モル%,酸化マグネシウム(M
gO)22モル%,酸化亜鉛(ZnO)25モル%,酸化マンガ
ン(MnO)4モル%,酸化銅(CuO)1モル%の組成とな
るように原料を配合し、バインダー(1〜2重量%のポ
リビニルアルコールおよび水)と共に混練して造粒す
る。継いで所望の形に成形した後、1250〜1350℃にて1
〜3時間焼成して本発明品とした。このような製造方法
は一般的なフェライトコアの製造方法と同様である。
また比較のため本発明組成範囲外のマグネシウム−亜
鉛系フェライト材(比較例)と、従来のニッケル−亜鉛
系フェライト材(従来品)についても同様に製造して特
性の測定を行った。なお比較例は、従来の代表的なマグ
ネシウム−亜鉛系フェライト材であり、その組成はFe2O
3が47モル%,MgOが29モル%,ZnOが20モル%,MnOが4モ
ル%である。
このようにして得られたフェライト材のμ′,μ″−
f特性曲線を第1図に示す。ここで実線がμ′−f特性
曲線であり、破線がμ″−f特性曲線である。
また第2図はそれぞれの整合厚の平板状にして背面を
短絡した状態で電波吸収性能を測定した結果である。
これら第1図および第2図から、前記のように本発明
ではマグネシウム−亜鉛系フェライト材でありながら
μ′≒1000を実現でき、またμ″の20dB以上減衰する帯
域幅は従来のニッケル−亜鉛系フェライトと同等で、そ
れよりもやや低周波域側にずれる良好な性能を有するこ
とが判る。
このようなフェライト材は、例えば電波暗室用の低周
波側(30〜400MHz)の電波吸収体として、厚さ8mm程度
の板状体とし、その裏面に金属を貼り付け、また高周波
側吸収体として誘電体損失を利用した吸収体(発泡スチ
ロールにカーボンを混合したもの等)を円錐状にして貼
り合わせた構造(特開昭58−19000号公報に記載されて
いるピラミッド型電波吸収体のような構造)にして使用
できる。
その他、この板状のフェライト材単独でも金属板等に
貼り付けて使用できる。
第3図は酸化銅の添加効果を示すグラフである。同図
において本発明品Aは酸化銅を1モル%添加した組成で
あり、本発明品Bは酸化銅を添加していない組成であ
る。それぞれの組成を第1表に示す。
特性的にみれば酸化銅を添加した本発明品Aは無添加
の本発明品Bとほぼ同様である。添加の効果は焼結性を
高めることである。酸化銅が無添加の場合には良好な焼
成条件は1340℃−2時間であるが、例えば酸化銅を1モ
ル%添加すると、1300℃−2時間とやや低温で焼結で
き、μ′も若干高くなる。従って酸化銅を適量添加する
ことによって、従来の一般のフェライト焼成条件にて焼
結させることができるから、焼成炉を共通化できる利点
も生じる。
[発明の効果] 本発明は上記のような特定組成のマグネシウム−亜鉛
系フェライト材であるから、ニッケル−亜鉛系フェライ
ト材に比べて原料コストが安く、しかもそれと同等の
μ′≒1000を実現できるし、μ″が20dB以上減衰する帯
域幅は30MHz〜400MHzというようにやや低周波にずれ、
優れた電波吸収性能が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図はμ′,μ″−f特性曲線図、第2図は吸収性能
曲線図、第3図は酸化銅の添加効果を示すμ′,μ″−
f特性曲線図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 稲垣 正幸 東京都港区新橋5丁目36番11号 富士電 気化学株式会社内 (56)参考文献 特開 昭58−123550(JP,A) 特開 昭61−48430(JP,A) 特公 昭28−3234(JP,B1) 特公 昭34−9033(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C01G 49/00 - 49/08 C04B 35/26 - 35/40

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化鉄47〜50モル%、酸化マグネシウム20
    〜23モル%、酸化亜鉛24〜27モル%、酸化マンガン3〜
    6モル%よりなり、板状焼結体にして30MHz〜400MHzの
    低周波数帯域で用いる電波吸収体用マグネシウム−亜鉛
    系フェライト材。
  2. 【請求項2】請求項1記載の組成に酸化銅を3モル%以
    下添加し、板状焼結体にして30MHz〜400MHzの低周波数
    帯域で用いる電波吸収体用マグネシウム−亜鉛系フェラ
    イト材。
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