JP2822906B2 - ラクチドの製造法及び装置 - Google Patents
ラクチドの製造法及び装置Info
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- JP2822906B2 JP2822906B2 JP1774295A JP1774295A JP2822906B2 JP 2822906 B2 JP2822906 B2 JP 2822906B2 JP 1774295 A JP1774295 A JP 1774295A JP 1774295 A JP1774295 A JP 1774295A JP 2822906 B2 JP2822906 B2 JP 2822906B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はラクチドの製造法及びそ
の装置、特に詳しくはラクチドの精製を行いながら製造
を行う方法及びその装置に関する。本発明により製造さ
れたラクチドはポリ乳酸製造の原料となる。
の装置、特に詳しくはラクチドの精製を行いながら製造
を行う方法及びその装置に関する。本発明により製造さ
れたラクチドはポリ乳酸製造の原料となる。
【0002】
【従来の技術】ポリ乳酸は生体安全性が高く、しかも分
解物である乳酸は生体内で吸収される。このようにポリ
乳酸は生体安全性の高い高分子化合物であり、手術用縫
合糸、ドラッグデリバリー(徐放性カプセル)、骨折時
の補強材など医療用にも用いられ、自然環境下で分解す
るため分解性プラスチックとしても注目されている。ま
た、一軸、二軸延伸フィルムや繊維、射出成形品などと
して種々の用途にも用いられている。
解物である乳酸は生体内で吸収される。このようにポリ
乳酸は生体安全性の高い高分子化合物であり、手術用縫
合糸、ドラッグデリバリー(徐放性カプセル)、骨折時
の補強材など医療用にも用いられ、自然環境下で分解す
るため分解性プラスチックとしても注目されている。ま
た、一軸、二軸延伸フィルムや繊維、射出成形品などと
して種々の用途にも用いられている。
【0003】このようなポリ乳酸の製造法として、乳酸
から一旦環状ラクチド(二量体)を合成・精製を行い、
ついで開環重合を行う方法が知られている。この合成方
法は、要約すると、相当する乳酸を比較的低分子量(オ
リゴマー)のポリ乳酸に重合させ、これにこの分野で良
く知られた触媒(3酸化アンチモン等)の存在下で加熱
し、蒸気生成物の流れの成分としてラクチドを得るもの
である。
から一旦環状ラクチド(二量体)を合成・精製を行い、
ついで開環重合を行う方法が知られている。この合成方
法は、要約すると、相当する乳酸を比較的低分子量(オ
リゴマー)のポリ乳酸に重合させ、これにこの分野で良
く知られた触媒(3酸化アンチモン等)の存在下で加熱
し、蒸気生成物の流れの成分としてラクチドを得るもの
である。
【0004】しかしながら、この蒸気生成物中にはラク
チド以外の不純物として水、乳酸の1量体、2量体、3
量体などが含まれる。これらの不純物はラクチドを重合
する際の阻害物として働くため、高純度のラクチドを用
いなければ高分子量のポリ乳酸が得られない。このため
不純物を含んだラクチドを精製する必要があるが、従来
のラクチドの精製法としては溶媒を用いた精製法が挙げ
られる。例えば、特開昭 63-101378号には炭素数1〜6
個のアルコール、好ましくはイソプロピルアルコールか
らの再結晶、あるいは溶液から非溶媒を用いて沈殿させ
ることが記載されている。
チド以外の不純物として水、乳酸の1量体、2量体、3
量体などが含まれる。これらの不純物はラクチドを重合
する際の阻害物として働くため、高純度のラクチドを用
いなければ高分子量のポリ乳酸が得られない。このため
不純物を含んだラクチドを精製する必要があるが、従来
のラクチドの精製法としては溶媒を用いた精製法が挙げ
られる。例えば、特開昭 63-101378号には炭素数1〜6
個のアルコール、好ましくはイソプロピルアルコールか
らの再結晶、あるいは溶液から非溶媒を用いて沈殿させ
ることが記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
精製法では、精製の段階で水、乳酸及び乳酸オリゴマー
がラクチドの開環を起こす能力があり、その結果ラクチ
ドの収率が低下した。また、溶媒を用いるということ
は、貯蔵および回収の設備を必要とすることになり、設
備投資にかなりの費用を要することになる。
精製法では、精製の段階で水、乳酸及び乳酸オリゴマー
がラクチドの開環を起こす能力があり、その結果ラクチ
ドの収率が低下した。また、溶媒を用いるということ
は、貯蔵および回収の設備を必要とすることになり、設
備投資にかなりの費用を要することになる。
【0006】この課題を解決するため、溶媒を使わない
精製法の提案もある(特開平6-256340号)。これは、い
わゆるメルト晶析と言われているもので、液相から固相
への選択的相変換の繰り返しにより行われる。しかし、
この方法ではオリゴマー、乳酸、水などヒドロキシ不純
物を溶融状態(メルト)にして供給せねばならず、溶媒
を使う方法と同様にラクチドは開環し収率の低下をまね
く。しかも、メルト晶析により精製し、収率を上げるた
め、不純物として回収されたオリゴマーおよび乳酸を反
応器に戻す操作はプロセスを複雑化するのみならず、熱
的にもロスが大きい。
精製法の提案もある(特開平6-256340号)。これは、い
わゆるメルト晶析と言われているもので、液相から固相
への選択的相変換の繰り返しにより行われる。しかし、
この方法ではオリゴマー、乳酸、水などヒドロキシ不純
物を溶融状態(メルト)にして供給せねばならず、溶媒
を使う方法と同様にラクチドは開環し収率の低下をまね
く。しかも、メルト晶析により精製し、収率を上げるた
め、不純物として回収されたオリゴマーおよび乳酸を反
応器に戻す操作はプロセスを複雑化するのみならず、熱
的にもロスが大きい。
【0007】そこで、本発明は、溶媒を使用することな
く、しかも従来のメルト晶析の欠点をも解決した新規な
ラクチドの製造法およびその装置を提供することを目的
とする。
く、しかも従来のメルト晶析の欠点をも解決した新規な
ラクチドの製造法およびその装置を提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するため、乳酸を出発原料としてラクチドを合成する
工程と、そのラクチド及びその合成の際の不純物をガス
状で取り出す工程と、該ガス状のラクチド及び不純物の
うちラクチドのみ凝固させ、ラクチドと不純物を分離さ
せる工程と、分離した不純物を前記合成工程に還流させ
る工程とからなるラクチドの製造法を提供する。
決するため、乳酸を出発原料としてラクチドを合成する
工程と、そのラクチド及びその合成の際の不純物をガス
状で取り出す工程と、該ガス状のラクチド及び不純物の
うちラクチドのみ凝固させ、ラクチドと不純物を分離さ
せる工程と、分離した不純物を前記合成工程に還流させ
る工程とからなるラクチドの製造法を提供する。
【0009】また、本発明は上記製造法を実施する装
置、すなわち、ラクチドの合成を行う反応器と、合成し
たラクチド及び合成の際の不純物をガス化して追い出す
ガス化部と、該ガスを冷却させてガス成分中のラクチド
のみ凝固させる冷却部と、該冷却部で凝固されなかった
成分を反応器に戻す還流流路とからなるラクチドの製造
装置を提供する。
置、すなわち、ラクチドの合成を行う反応器と、合成し
たラクチド及び合成の際の不純物をガス化して追い出す
ガス化部と、該ガスを冷却させてガス成分中のラクチド
のみ凝固させる冷却部と、該冷却部で凝固されなかった
成分を反応器に戻す還流流路とからなるラクチドの製造
装置を提供する。
【0010】ここで、出発原料としての乳酸はL−乳
酸、D−乳酸のいずれであってもよい。このような乳酸
は従来公知の方法により製造されたものがいずれも用い
られるが、特に発酵法により製造した純度80%以上、
光学純度99%以上のものであるのが好ましい。このよ
うな乳酸は脱水、濃縮して中間体である乳酸オリゴマー
を生成する。脱水は、一般には10〜100Torrの減圧
下、温度130〜170℃にて行われる。生成される乳
酸オリゴマーの分子量は約400〜2000、好ましく
は1000〜2000である。得られた乳酸オリゴマー
を環状二量化する。すなわち、環状二量化(エステル交
換反応)触媒を加え、減圧下に加熱してラクチドを留去
する。ここで用いる触媒としては、従来公知のものをい
ずれも用いることができ、例えばオクチル酸スズ、三酸
化アンチモン、酸化亜鉛、ステアリン酸鉛などが用いら
れる。加熱は10〜50Torrの減圧下、好ましくは19
0〜210℃にて行う。
酸、D−乳酸のいずれであってもよい。このような乳酸
は従来公知の方法により製造されたものがいずれも用い
られるが、特に発酵法により製造した純度80%以上、
光学純度99%以上のものであるのが好ましい。このよ
うな乳酸は脱水、濃縮して中間体である乳酸オリゴマー
を生成する。脱水は、一般には10〜100Torrの減圧
下、温度130〜170℃にて行われる。生成される乳
酸オリゴマーの分子量は約400〜2000、好ましく
は1000〜2000である。得られた乳酸オリゴマー
を環状二量化する。すなわち、環状二量化(エステル交
換反応)触媒を加え、減圧下に加熱してラクチドを留去
する。ここで用いる触媒としては、従来公知のものをい
ずれも用いることができ、例えばオクチル酸スズ、三酸
化アンチモン、酸化亜鉛、ステアリン酸鉛などが用いら
れる。加熱は10〜50Torrの減圧下、好ましくは19
0〜210℃にて行う。
【0011】かかるラクチドの合成に用いる反応器は、
縦型反応器でも横型反応器でもよい。縦型反応器を用い
る場合には、攪拌翼としてはパドル翼、タービン翼、ア
ンカー翼、ダブルモーション翼、ヘリカルリボン翼など
が使用可能であるが、高粘度となるときはヘリカルリボ
ン翼を用いる。また、横型反応器を用いる場合は、攪拌
翼は1軸、2軸エクストルーダーを用いることができ
る。
縦型反応器でも横型反応器でもよい。縦型反応器を用い
る場合には、攪拌翼としてはパドル翼、タービン翼、ア
ンカー翼、ダブルモーション翼、ヘリカルリボン翼など
が使用可能であるが、高粘度となるときはヘリカルリボ
ン翼を用いる。また、横型反応器を用いる場合は、攪拌
翼は1軸、2軸エクストルーダーを用いることができ
る。
【0012】合成したラクチドおよび合成の際の不純物
(水、乳酸の1量体、乳酸オリゴマー)の蒸気圧が6〜
20mmHgであるので、上記ラクチドの合成条件によ
りガス状になってラクチドおよび不純物を取り出せる。
従って、ガス化して追い出すガス化部は、反応器にて兼
用することができる。なお、上記温度への加熱は、公知
の加熱機構(ヒータ等)を用いることができ、減圧は、
真空ポンプで行う。
(水、乳酸の1量体、乳酸オリゴマー)の蒸気圧が6〜
20mmHgであるので、上記ラクチドの合成条件によ
りガス状になってラクチドおよび不純物を取り出せる。
従って、ガス化して追い出すガス化部は、反応器にて兼
用することができる。なお、上記温度への加熱は、公知
の加熱機構(ヒータ等)を用いることができ、減圧は、
真空ポンプで行う。
【0013】ガス化したラクチド及び不純物は、ラクチ
ドの凝固点またはその温度よりもわずかに低い温度、例
えば80〜95℃に冷却し、ラクチドのみを凝固させ
て、不純物を液化させる。冷却は、例えば、熱交換器に
冷媒を流したりして行うことができるが、これらに限定
されない。冷媒としては、公知のエチレングリコールな
どの冷媒、冷却水や温水などを用いることができる。冷
却部の個数は特に制限なく、温度の異なる複数個の冷却
部を直列に設け、順に通しても良い。
ドの凝固点またはその温度よりもわずかに低い温度、例
えば80〜95℃に冷却し、ラクチドのみを凝固させ
て、不純物を液化させる。冷却は、例えば、熱交換器に
冷媒を流したりして行うことができるが、これらに限定
されない。冷媒としては、公知のエチレングリコールな
どの冷媒、冷却水や温水などを用いることができる。冷
却部の個数は特に制限なく、温度の異なる複数個の冷却
部を直列に設け、順に通しても良い。
【0014】また、一個の冷却部の温度は一定にしてお
く必要はなく、凝固したラクチドが溶けない程度に徐々
に温度を上げ、凝固物の表面に付着した不純物をしみ出
させる様にするのが好ましい。このしみ出しは発汗と呼
ばれ、主にラクチドの表面に付着した微量のオリゴマー
を取り除くことができる。発汗を行う場合の温度制御
は、例えば、冷却部にヒータを設け、その通電量を可変
にしたり、冷却に冷却水を用いる場合は冷却水の温度を
変えて行うことができるが、これらに限定されない。
く必要はなく、凝固したラクチドが溶けない程度に徐々
に温度を上げ、凝固物の表面に付着した不純物をしみ出
させる様にするのが好ましい。このしみ出しは発汗と呼
ばれ、主にラクチドの表面に付着した微量のオリゴマー
を取り除くことができる。発汗を行う場合の温度制御
は、例えば、冷却部にヒータを設け、その通電量を可変
にしたり、冷却に冷却水を用いる場合は冷却水の温度を
変えて行うことができるが、これらに限定されない。
【0015】ラクチドと不純物の分離は、冷却部でラク
チドは凝固、不純物は液化した2相状態となっているの
で、特別な分離手段を設ける必要はない。例えば、冷却
部を重力方向に設置することにより重力作用で分離され
る。冷却部で凝固したラクチドは加熱溶融により取り出
すことができ、取り出したラクチドは再度冷却部で凝固
させてもよい。なお、ラクチドの加熱溶融は、生成物の
分解を避けるため、融点を大きく越えない範囲で行う。
チドは凝固、不純物は液化した2相状態となっているの
で、特別な分離手段を設ける必要はない。例えば、冷却
部を重力方向に設置することにより重力作用で分離され
る。冷却部で凝固したラクチドは加熱溶融により取り出
すことができ、取り出したラクチドは再度冷却部で凝固
させてもよい。なお、ラクチドの加熱溶融は、生成物の
分解を避けるため、融点を大きく越えない範囲で行う。
【0016】分離した不純物の還流は、前記反応器を冷
却部の下段に設置することにより、重力作用で反応器に
戻すことができるが、これに限定されず、送液ポンプを
用いても還流できる。不純物は主に乳酸オリゴマーであ
るので、再びラクチドを作る反応に用いることができ
る。
却部の下段に設置することにより、重力作用で反応器に
戻すことができるが、これに限定されず、送液ポンプを
用いても還流できる。不純物は主に乳酸オリゴマーであ
るので、再びラクチドを作る反応に用いることができ
る。
【0017】
【作用】本発明では、ガス状で取り出されたラクチド及
び不純物のうち、ラクチドのみ凝固させ、不純物を反応
器に戻すことにより再び反応させ収率を向上させる。
び不純物のうち、ラクチドのみ凝固させ、不純物を反応
器に戻すことにより再び反応させ収率を向上させる。
【0018】また、メルト晶析の様にラクチドと不純物
を溶融状態にして供給しないので、ラクチドの開環は起
きない。
を溶融状態にして供給しないので、ラクチドの開環は起
きない。
【0019】
【実施例】本発明に係る装置の実施例を図面に基づいて
説明する。図1が本発明に係る装置の概略図で、図中R
-1が中空円筒体の反応器で、その上部にはラクチド製造
のための原料である乳酸オリゴマー、触媒等を入れる原
料供給口及び排出口用の開口が設けられ、排出口用の開
口には取り出し配管11が接続されている。また、反応
器R-1内にはタービン翼14が収容されており、その駆
動源(モータ)Mは、反応器R-1のもう一つの開口側に
設置される。更に反応器R-1内を減圧する真空ライン1
3と接続する接続口及び後述する還流配管12と接続す
る接続口がある。反応器R-1の周囲には図示しないが、
反応器R-1を加熱する加熱機構(ヒータ)が設けられて
おり、また、反応器R-1内の温度は温度センサ(図示せ
ず)によりモニタされている。
説明する。図1が本発明に係る装置の概略図で、図中R
-1が中空円筒体の反応器で、その上部にはラクチド製造
のための原料である乳酸オリゴマー、触媒等を入れる原
料供給口及び排出口用の開口が設けられ、排出口用の開
口には取り出し配管11が接続されている。また、反応
器R-1内にはタービン翼14が収容されており、その駆
動源(モータ)Mは、反応器R-1のもう一つの開口側に
設置される。更に反応器R-1内を減圧する真空ライン1
3と接続する接続口及び後述する還流配管12と接続す
る接続口がある。反応器R-1の周囲には図示しないが、
反応器R-1を加熱する加熱機構(ヒータ)が設けられて
おり、また、反応器R-1内の温度は温度センサ(図示せ
ず)によりモニタされている。
【0020】C1 、C2 、C3 、C4 、C5 ・・・Cn
は、二重筒からなる熱交換器で、内筒には合成したラク
チド等が流入し、外筒にはエチレングリコールなどの冷
媒が流入する。従って、内筒と外筒の間で熱交換が行わ
れ、冷却部となる。また、これら熱交換器C1 〜Cn に
は、凝固物(ラクチド)を融解させる場合は冷媒の温度
を上げる。なお、熱交換器C1 〜Cn の入口は上下いず
れでも良いが、好ましくは入口が上部で、出口が下部で
ある(本実施例では全て、入口側は図の上部で出口側は
図の下部である)。熱交換器C1 の入口側は前述した取
り出し配管11が接続し、出口側には熱交換器C2 、C
3 への接続配管15が接続される。接続配管15には熱
交換器C4の出口配管18と接続する接続配管17が接
続され、熱交換器C4 から熱交換器C2 、C3 へ生成物
を戻すことが可能となる。また、熱交換器C2 、C3 の
出口配管16、16´は途中で反応器R-1への還流配管
12に接続されるとともに、合流部には熱交換器C4 へ
の供給配管19に接続される。なお、供給配管19は接
続配管12´を介し還流配管12に接続されるととも
に、前述の熱交換器C4の出口配管18も接続配管1
2”を介し還流配管12に接続される。
は、二重筒からなる熱交換器で、内筒には合成したラク
チド等が流入し、外筒にはエチレングリコールなどの冷
媒が流入する。従って、内筒と外筒の間で熱交換が行わ
れ、冷却部となる。また、これら熱交換器C1 〜Cn に
は、凝固物(ラクチド)を融解させる場合は冷媒の温度
を上げる。なお、熱交換器C1 〜Cn の入口は上下いず
れでも良いが、好ましくは入口が上部で、出口が下部で
ある(本実施例では全て、入口側は図の上部で出口側は
図の下部である)。熱交換器C1 の入口側は前述した取
り出し配管11が接続し、出口側には熱交換器C2 、C
3 への接続配管15が接続される。接続配管15には熱
交換器C4の出口配管18と接続する接続配管17が接
続され、熱交換器C4 から熱交換器C2 、C3 へ生成物
を戻すことが可能となる。また、熱交換器C2 、C3 の
出口配管16、16´は途中で反応器R-1への還流配管
12に接続されるとともに、合流部には熱交換器C4 へ
の供給配管19に接続される。なお、供給配管19は接
続配管12´を介し還流配管12に接続されるととも
に、前述の熱交換器C4の出口配管18も接続配管1
2”を介し還流配管12に接続される。
【0021】また、20は熱交換器C5 からC4 へ生成
物を戻す接続配管で、熱交換器C5の出口側の出口配管
22と接続され、配管21は熱交換器C4 の出口配管1
8と接続される供給配管で、熱交換器C5 の入口側に接
続される。以下同様の接続が熱交換器C5 〜Cn までさ
れている。なお、V1 〜V16は、バルブ(ON-OFFのみ)
を示す。
物を戻す接続配管で、熱交換器C5の出口側の出口配管
22と接続され、配管21は熱交換器C4 の出口配管1
8と接続される供給配管で、熱交換器C5 の入口側に接
続される。以下同様の接続が熱交換器C5 〜Cn までさ
れている。なお、V1 〜V16は、バルブ(ON-OFFのみ)
を示す。
【0022】以上の構成で、ラクチドの製造を行うのは
次のように行う。反応器R-1に原料である乳酸あるいは
オリゴマーを先ず仕込む。触媒投入後、真空ライン13
にて減圧を行うとともに、図示しない加熱機構を作動さ
せて加熱し、ラクチドの合成を行う。発生したラクチド
及びオリゴマー等の不純物(これらを粗ラクチドと言
う)はガス状になっており、取り出し配管11を通って
熱交換器C1 に入る。
次のように行う。反応器R-1に原料である乳酸あるいは
オリゴマーを先ず仕込む。触媒投入後、真空ライン13
にて減圧を行うとともに、図示しない加熱機構を作動さ
せて加熱し、ラクチドの合成を行う。発生したラクチド
及びオリゴマー等の不純物(これらを粗ラクチドと言
う)はガス状になっており、取り出し配管11を通って
熱交換器C1 に入る。
【0023】熱交換器C1 は、粗ラクチドが液化する温
度の冷媒が流れており、ここで粗ラクチドが液化する。
このときバルブV1 のみ開で,V2 、V3 、V4 ,V16
等は閉になっている。液化した粗ラクチドはV1 を経て
熱交換器C2 へと導入される。この熱交換器C2 はあら
かじめ冷媒によりラクチドに凝固点温度にまで冷却され
ており、ラクチドが凝固(結晶化)する。しかし、オリ
ゴマー等の不純物は凝固せず液状なので、バルブV3 を
開にして、還流配管12より反応器R-1へ還流させる。
次に熱交換器C2 の温度を図示しない加熱機構により僅
かに上げ発汗を行う。発汗成分は、同様に反応器R-1へ
還流させる。発汗を行い出すと、バルブV1 を閉、V2
を開にして熱交換器C1 からの流出物を熱交換器C3 へ
入れる。
度の冷媒が流れており、ここで粗ラクチドが液化する。
このときバルブV1 のみ開で,V2 、V3 、V4 ,V16
等は閉になっている。液化した粗ラクチドはV1 を経て
熱交換器C2 へと導入される。この熱交換器C2 はあら
かじめ冷媒によりラクチドに凝固点温度にまで冷却され
ており、ラクチドが凝固(結晶化)する。しかし、オリ
ゴマー等の不純物は凝固せず液状なので、バルブV3 を
開にして、還流配管12より反応器R-1へ還流させる。
次に熱交換器C2 の温度を図示しない加熱機構により僅
かに上げ発汗を行う。発汗成分は、同様に反応器R-1へ
還流させる。発汗を行い出すと、バルブV1 を閉、V2
を開にして熱交換器C1 からの流出物を熱交換器C3 へ
入れる。
【0024】発汗が終わるとさらに熱交換器C2 の温度
をL−ラクチドが融解する温度まで上げ、バルブV3 を
閉、バルブV5 、V8 を開にして、出口配管16、供給
配管19を介し熱交換器C4 に送液する。熱交換器C4
はあらかじめ冷却されており、送液されてきた液は再び
ここで凝固する。熱交換器C4 で再び発汗、溶解を行
う。ここでの発汗成分にラクチドが多く含まれていると
きは、バルブV16を開にして、出口配管18、接続配管
17によりて再び熱交換器C2 (またはC3 )へと戻
し、凝固、発汗、溶解を行う。以下同様に所望する純度
になるまでこの操作を繰り返す。発汗成分はラクチド含
量に応じ、一つ以上前の工程(例えば、C2→R1,C
5 →C4 )に戻す。すなわち、Cn で発汗させた場合ラ
クチド量が少なければ反応器R-1へ、ラクチド量が多け
ればCn-1 で再び凝固、発汗により不純物を除いた後、
溶解させCn に送る。
をL−ラクチドが融解する温度まで上げ、バルブV3 を
閉、バルブV5 、V8 を開にして、出口配管16、供給
配管19を介し熱交換器C4 に送液する。熱交換器C4
はあらかじめ冷却されており、送液されてきた液は再び
ここで凝固する。熱交換器C4 で再び発汗、溶解を行
う。ここでの発汗成分にラクチドが多く含まれていると
きは、バルブV16を開にして、出口配管18、接続配管
17によりて再び熱交換器C2 (またはC3 )へと戻
し、凝固、発汗、溶解を行う。以下同様に所望する純度
になるまでこの操作を繰り返す。発汗成分はラクチド含
量に応じ、一つ以上前の工程(例えば、C2→R1,C
5 →C4 )に戻す。すなわち、Cn で発汗させた場合ラ
クチド量が少なければ反応器R-1へ、ラクチド量が多け
ればCn-1 で再び凝固、発汗により不純物を除いた後、
溶解させCn に送る。
【0025】なお、L−またはD−ラクチドの融点は9
8℃であるのに対し、DL−ラクチドは127℃であ
る。従って、発汗させる場合、L−またはD−ラクチド
がDL−ラクチドより先に溶解する。L−ラクチドの溶
解後、さらに温度を上げDL−ラクチドを溶解させる
が、この成分は反応器R-1に戻してもよいし、別のタン
ク(図示せず)に受けてもよい。但し、再び反応器R-1
に戻すとD−体がL−体にラセミ化する反応も起こるの
で、L−体の収率は上がる。また、熱交換器C1 は必ず
しも必要ではない。
8℃であるのに対し、DL−ラクチドは127℃であ
る。従って、発汗させる場合、L−またはD−ラクチド
がDL−ラクチドより先に溶解する。L−ラクチドの溶
解後、さらに温度を上げDL−ラクチドを溶解させる
が、この成分は反応器R-1に戻してもよいし、別のタン
ク(図示せず)に受けてもよい。但し、再び反応器R-1
に戻すとD−体がL−体にラセミ化する反応も起こるの
で、L−体の収率は上がる。また、熱交換器C1 は必ず
しも必要ではない。
【0026】[実験例]上述の装置を用い、次の実験を
行った。90%乳酸溶液(10%は水)(L−ラクチ
ド:D−ラクチド=99:1)1000Kgを原料とし、濃縮
後さらに脱水縮合を進め水を 280Kg とった。このオリ
ゴマーの分子量はGPC測定の結果、分子量 1000 〜 2
000 であった。また、このオリゴマーを25mg取り、1
N、NaOH、2ccを加え試験管に入れ封缶後100℃で
10分加熱し、1N硫酸2ccを加え中和後、蒸留水で1
0倍に薄めた。
行った。90%乳酸溶液(10%は水)(L−ラクチ
ド:D−ラクチド=99:1)1000Kgを原料とし、濃縮
後さらに脱水縮合を進め水を 280Kg とった。このオリ
ゴマーの分子量はGPC測定の結果、分子量 1000 〜 2
000 であった。また、このオリゴマーを25mg取り、1
N、NaOH、2ccを加え試験管に入れ封缶後100℃で
10分加熱し、1N硫酸2ccを加え中和後、蒸留水で1
0倍に薄めた。
【0027】これをHPLCで測定したところ加熱によ
りL−ラクチドの含量が90%に落ちていた。これに、
オクチル酸スズ3Kgを加え、200 ℃、15mmHgで流出を行
った。発生したガスを伝熱面積3m2 のカーベイト製熱
交換器(C1 )でガス温度95℃とした。液化したラクチ
ドおよびオリゴマーなどの不純物を伝熱面積10m2の
カーベイト製熱交換器(C2 )の温度を93℃とし内面に
結晶を付着させた。この時のオリゴマーは固化せず反応
器R-1に戻した。
りL−ラクチドの含量が90%に落ちていた。これに、
オクチル酸スズ3Kgを加え、200 ℃、15mmHgで流出を行
った。発生したガスを伝熱面積3m2 のカーベイト製熱
交換器(C1 )でガス温度95℃とした。液化したラクチ
ドおよびオリゴマーなどの不純物を伝熱面積10m2の
カーベイト製熱交換器(C2 )の温度を93℃とし内面に
結晶を付着させた。この時のオリゴマーは固化せず反応
器R-1に戻した。
【0028】熱交換器C2 の温度を96℃とし発汗させ
た。この時の成分も還流、すなわち反応器R-1に戻し
た。さらに熱交換器C2 の温度を 100℃とし、結晶を溶
解させ、伝熱面積10m2 の多管式熱交換器C4 に送液
した。熱交換器C4 の温度はあらかじめ93℃とし、上記
同様、発汗、溶解を行った。この時の発汗成分も反応器
R-1に戻した。
た。この時の成分も還流、すなわち反応器R-1に戻し
た。さらに熱交換器C2 の温度を 100℃とし、結晶を溶
解させ、伝熱面積10m2 の多管式熱交換器C4 に送液
した。熱交換器C4 の温度はあらかじめ93℃とし、上記
同様、発汗、溶解を行った。この時の発汗成分も反応器
R-1に戻した。
【0029】以上の操作により、還流を行わなかった時
のラクチドの収率が70%であったのに対し、95%の
収率が得られた。またDL−ラクチドの含量も1%以下
であった。
のラクチドの収率が70%であったのに対し、95%の
収率が得られた。またDL−ラクチドの含量も1%以下
であった。
【0030】この様にして得られたラクチドを10g試
験管に取り、オクチル酸スズ100ppmを加え140℃
で重合させたところ、分子量27万のポリマーが得られ
た。
験管に取り、オクチル酸スズ100ppmを加え140℃
で重合させたところ、分子量27万のポリマーが得られ
た。
【0031】なお、上記実験例において、GPC測定、
光学純度は次の条件で調べた。 GPC測定:検出器;RID−6A ポンプ;LC−9A カラムオーブン;CTO−6A カラム;Shim-pack GPC-801C,-804C,-806C,8025Cを直列 上記いずれも(株)島津製作所製 (分析条件) 溶媒;クロロフォルム 流速;1ml/min サンプル量; 200μl(サンプル0.5W/W%をク ロロフォルムに溶かした。) カラム温度;40℃ 光学純度(HPLC):ポンプ;LC−6A カラム;CRS10W(三菱化学) 検出器;吸光光度計(SPD−6AV) カラム温度;30℃ 流速;0.5ml/min 溶離液;2mM硫酸銅溶液
光学純度は次の条件で調べた。 GPC測定:検出器;RID−6A ポンプ;LC−9A カラムオーブン;CTO−6A カラム;Shim-pack GPC-801C,-804C,-806C,8025Cを直列 上記いずれも(株)島津製作所製 (分析条件) 溶媒;クロロフォルム 流速;1ml/min サンプル量; 200μl(サンプル0.5W/W%をク ロロフォルムに溶かした。) カラム温度;40℃ 光学純度(HPLC):ポンプ;LC−6A カラム;CRS10W(三菱化学) 検出器;吸光光度計(SPD−6AV) カラム温度;30℃ 流速;0.5ml/min 溶離液;2mM硫酸銅溶液
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、ラクチド及び不純物を
ガス状にして取りだすので、メルト晶析のように合成中
ラクチドの開環は起きない。しかも、乳酸オリゴマーな
どのラクチド合成原料を反応器に戻すので、ラクチドの
収率も上がる。
ガス状にして取りだすので、メルト晶析のように合成中
ラクチドの開環は起きない。しかも、乳酸オリゴマーな
どのラクチド合成原料を反応器に戻すので、ラクチドの
収率も上がる。
【図1】本発明の方法を実施する装置の概略図
R-1…反応器 C1 〜Cn …熱交
換器 11…取り出し配管 12…還流配管
換器 11…取り出し配管 12…還流配管
Claims (2)
- 【請求項1】 乳酸を出発原料としてラクチドを合成す
る工程と、そのラクチド及びその合成の際の不純物をガ
ス状で取り出す工程と、該ガス状のラクチド及び不純物
のうちラクチドのみ凝固させて、ラクチドと不純物を分
離させる工程と、分離した不純物を前記合成工程に還流
させる工程とからなるラクチドの製造法。 - 【請求項2】 ラクチドの合成を行う反応器と、合成し
たラクチド及び合成の際の不純物をガス化して追い出す
ガス化部と、該ガスを冷却させてガス成分中のラクチド
のみ凝固させる冷却部と、該冷却部で凝固されなかった
成分を反応器に戻す還流流路とからなるラクチドの製造
装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1774295A JP2822906B2 (ja) | 1995-02-06 | 1995-02-06 | ラクチドの製造法及び装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1774295A JP2822906B2 (ja) | 1995-02-06 | 1995-02-06 | ラクチドの製造法及び装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08208638A JPH08208638A (ja) | 1996-08-13 |
| JP2822906B2 true JP2822906B2 (ja) | 1998-11-11 |
Family
ID=11952212
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1774295A Expired - Fee Related JP2822906B2 (ja) | 1995-02-06 | 1995-02-06 | ラクチドの製造法及び装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2822906B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2012110117A1 (en) | 2011-02-18 | 2012-08-23 | Sulzer Chemtech Ag | Method for the manufacture of a polyhydroxy-carboxylic acid |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP5208697B2 (ja) * | 2008-11-28 | 2013-06-12 | 株式会社日本製鋼所 | ラクチド回収装置および回収方法 |
| JP6848362B2 (ja) * | 2016-11-09 | 2021-03-24 | 東洋製罐株式会社 | ラクチド回収方法 |
-
1995
- 1995-02-06 JP JP1774295A patent/JP2822906B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2012110117A1 (en) | 2011-02-18 | 2012-08-23 | Sulzer Chemtech Ag | Method for the manufacture of a polyhydroxy-carboxylic acid |
| WO2012110118A1 (en) | 2011-02-18 | 2012-08-23 | Sulzer Chemtech Ag | Method for the manufacture of a polyhydroxy-carboxylic acid |
| US9637587B2 (en) | 2011-02-18 | 2017-05-02 | Sulzer Chemtech Ag | Method for the manufacture of a polyhydroxy-carboxylic acid |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH08208638A (ja) | 1996-08-13 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |