JP2852096B2 - 被検体通過中の散乱光成分抑制方法およびその装置 - Google Patents
被検体通過中の散乱光成分抑制方法およびその装置Info
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、光による生体の透視等、光を用いて被検体
内部の情報を可視化するのに適した、被検体通過光中の
散乱光成分抑制方法およびその装置に関する。
内部の情報を可視化するのに適した、被検体通過光中の
散乱光成分抑制方法およびその装置に関する。
[従来の技術] 近年、心循環器系,脳血管系疾患の増加、及び診療に
おける画像利用の普及に伴い、血管造影の重要性がます
ます高まってきている。しかし、血管造影は、デジタル
ラジオグラフィの進歩により比較的容易になったとは言
え、人体に適用する場合の危険性や被験者の苦痛は無視
し得ないものがある。
おける画像利用の普及に伴い、血管造影の重要性がます
ます高まってきている。しかし、血管造影は、デジタル
ラジオグラフィの進歩により比較的容易になったとは言
え、人体に適用する場合の危険性や被験者の苦痛は無視
し得ないものがある。
また、従来、生体等の被検体内部の情報の無侵襲的,
非接触的計測は、主としてX線によって行われていた。
しかしながら、X線の使用は、放射線被爆の問題や生体
機能の画像化が困難という問題点が知られている。ま
た、NMR−CT手法は装置が大がかりであり高価という問
題点があり、超音波による透視は空間分解能が悪いとい
う問題点がある。
非接触的計測は、主としてX線によって行われていた。
しかしながら、X線の使用は、放射線被爆の問題や生体
機能の画像化が困難という問題点が知られている。ま
た、NMR−CT手法は装置が大がかりであり高価という問
題点があり、超音波による透視は空間分解能が悪いとい
う問題点がある。
ところで、近赤外領域の光に対し、血中ヘモグロビン
(Hb)は酸素化の度合に応じて特有のスペクトル変化を
示すことが知られている。この特徴を利用し、例えば
「O plus E」誌の1987年5月ないし1988年3月に記載さ
れた「光を使った生体計測」に示されるように、血液の
酸素飽和度計測等、生体内部情報の無侵襲計測に関する
研究が活発に行われている。また、血中ヘモグロビン
(Hb)は、生体組織に比べ、赤外領域における吸光度が
大きいことから、光を用いて組織中の血管を画像として
検出できる可能性が考えられる。
(Hb)は酸素化の度合に応じて特有のスペクトル変化を
示すことが知られている。この特徴を利用し、例えば
「O plus E」誌の1987年5月ないし1988年3月に記載さ
れた「光を使った生体計測」に示されるように、血液の
酸素飽和度計測等、生体内部情報の無侵襲計測に関する
研究が活発に行われている。また、血中ヘモグロビン
(Hb)は、生体組織に比べ、赤外領域における吸光度が
大きいことから、光を用いて組織中の血管を画像として
検出できる可能性が考えられる。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、光を用いて生体内部を体外から観測し
た場合、体内または体表組織の強い光散乱により、コン
トラストが低下する等して、生体内部情報を可視化する
ことは難しい。もし、この光散乱の問題を解決できれ
ば、造影剤等を使用せずに、体内血管の形状及びその変
化を実時間で可視化,計測できるものと考えられる。こ
のようにして得られた体内情報からは、分光学の豊富な
知識体系を基に、形状だけではなく生体の代謝機能等の
情報も得られるものと思われる。
た場合、体内または体表組織の強い光散乱により、コン
トラストが低下する等して、生体内部情報を可視化する
ことは難しい。もし、この光散乱の問題を解決できれ
ば、造影剤等を使用せずに、体内血管の形状及びその変
化を実時間で可視化,計測できるものと考えられる。こ
のようにして得られた体内情報からは、分光学の豊富な
知識体系を基に、形状だけではなく生体の代謝機能等の
情報も得られるものと思われる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、被
検体の散乱による影響を抑制して高分解能で光を用いた
被検体内部の情報の可視化を可能とするための被検体通
過光中の散乱光成分抑制方法およびその装置を提供する
ことを目的としている。
検体の散乱による影響を抑制して高分解能で光を用いた
被検体内部の情報の可視化を可能とするための被検体通
過光中の散乱光成分抑制方法およびその装置を提供する
ことを目的としている。
[課題を解決するための手段および作用] 第1の発明による被検体通過光中の散乱光成分抑制方
法は、光源から被検体にビーム光を照射する光照射手順
と、前記光源から照射される前記ビーム光の光軸上に配
置した第1のコリメータに、前記被検体を透過した前記
ビーム光を入射する第1の光入射手順と、前記第1のコ
リメータを介して出力される前記ビーム光の強度を第1
の光検出手段で検出する第1の光検出手順と、前記光源
から出射されるビーム光の光軸に対して所定の角度を有
して配置した第2のコリメータに、前記被検体を透過し
たビーム光を入射する第2の光入射手順と、前記第2の
コリメータを介して出力される前記ビーム光の強度を第
2の光検出手段で検出する第2の光検出手段と、前記第
1の光検出手段から出力される第1の検出信号と前記第
2の光検出手段から出力される第2の検出信号とに基づ
き、前記被検体を透過する前記ビーム光から散乱光成分
情報を抑制した光成分情報を演算手段で演算する演算手
段とを備えたことを特徴とし、また、 第2の発明による散乱光成分抑制装置は、被検体にビ
ーム光を照射する光源と、前記光源から照射される前記
ビーム光の光軸上に配置され、前記被検体を透過した前
記ビーム光が入射される第1のコリメータと、前記第1
のコリメータを介して出力される前記ビーム光の強度を
検出する第1の光検出手順と、前記光源から照射される
ビーム光の光軸に対して所定の角度を有して配置され、
前記被検体を透過したビーム光が入射される第2のコリ
メータと、前記第2のコリメータを介して出力される前
記ビーム光の強度を検出する第2の光検出手段と、前記
第1の光検出手段から出力される第1の検出信号と前記
第2の光検出手段から出力される第2の検出信号とに基
づき、前記被検体を透過する前記ビーム光から散乱光成
分を抑制した光成分を演算する演算手段とを備えたこと
を特徴とする。
法は、光源から被検体にビーム光を照射する光照射手順
と、前記光源から照射される前記ビーム光の光軸上に配
置した第1のコリメータに、前記被検体を透過した前記
ビーム光を入射する第1の光入射手順と、前記第1のコ
リメータを介して出力される前記ビーム光の強度を第1
の光検出手段で検出する第1の光検出手順と、前記光源
から出射されるビーム光の光軸に対して所定の角度を有
して配置した第2のコリメータに、前記被検体を透過し
たビーム光を入射する第2の光入射手順と、前記第2の
コリメータを介して出力される前記ビーム光の強度を第
2の光検出手段で検出する第2の光検出手段と、前記第
1の光検出手段から出力される第1の検出信号と前記第
2の光検出手段から出力される第2の検出信号とに基づ
き、前記被検体を透過する前記ビーム光から散乱光成分
情報を抑制した光成分情報を演算手段で演算する演算手
段とを備えたことを特徴とし、また、 第2の発明による散乱光成分抑制装置は、被検体にビ
ーム光を照射する光源と、前記光源から照射される前記
ビーム光の光軸上に配置され、前記被検体を透過した前
記ビーム光が入射される第1のコリメータと、前記第1
のコリメータを介して出力される前記ビーム光の強度を
検出する第1の光検出手順と、前記光源から照射される
ビーム光の光軸に対して所定の角度を有して配置され、
前記被検体を透過したビーム光が入射される第2のコリ
メータと、前記第2のコリメータを介して出力される前
記ビーム光の強度を検出する第2の光検出手段と、前記
第1の光検出手段から出力される第1の検出信号と前記
第2の光検出手段から出力される第2の検出信号とに基
づき、前記被検体を透過する前記ビーム光から散乱光成
分を抑制した光成分を演算する演算手段とを備えたこと
を特徴とする。
更に、第3の発明による被検体通過光中の散乱光成分
抑制方法は、光源から被検体にパルス状のビーム光を照
射する光照射手順と、前記光源から照射される前記ビー
ム光の光軸上に配置されたコリメータに、前記被検体を
透過した前記ビーム光を入射する光入射手順と、前記パ
ルス状のビーム光の照射と同期する信号に基づき、前記
コリメータを介して出力される前記ビーム光の強度を時
間分解波形が検出可能な光検出手段で検出する光検出手
順と、前記光検出手段で検出された前記ビーム光の時間
分解波形のうち所望の部分を分離し、該分離された部分
の光強度情報に基づき、前記被検体を透過する前記ビー
ム光から散乱光成分を抑制した光成分情報を演算手段で
演算する演算手順とを備えたことを特徴とし、また、 第4の発明による散乱光成分抑制装置は、被検体にパ
ルス状のビーム光を照射する光源と、前記光源から照射
される前記ビーム光の光軸上に配置され、前記被検体を
透過した前記ビーム光が入射されるコリメータと、前記
パルス状のビーム光の照射と同期する信号が入力され、
前記コリメータを介して出力される前記ビーム光の強度
を時間分解波形として検出可能な光検出手段と、前記光
検出手段で検出された前記ビーム光の時間分解波形のう
ち所望の部分を分離し、該分離された部分の光強度情報
に基づき、前記被検体を透過する前記ビーム光から散乱
光成分を抑制した光成分情報を演算する演算手段とを備
えたことを特徴とする。
抑制方法は、光源から被検体にパルス状のビーム光を照
射する光照射手順と、前記光源から照射される前記ビー
ム光の光軸上に配置されたコリメータに、前記被検体を
透過した前記ビーム光を入射する光入射手順と、前記パ
ルス状のビーム光の照射と同期する信号に基づき、前記
コリメータを介して出力される前記ビーム光の強度を時
間分解波形が検出可能な光検出手段で検出する光検出手
順と、前記光検出手段で検出された前記ビーム光の時間
分解波形のうち所望の部分を分離し、該分離された部分
の光強度情報に基づき、前記被検体を透過する前記ビー
ム光から散乱光成分を抑制した光成分情報を演算手段で
演算する演算手順とを備えたことを特徴とし、また、 第4の発明による散乱光成分抑制装置は、被検体にパ
ルス状のビーム光を照射する光源と、前記光源から照射
される前記ビーム光の光軸上に配置され、前記被検体を
透過した前記ビーム光が入射されるコリメータと、前記
パルス状のビーム光の照射と同期する信号が入力され、
前記コリメータを介して出力される前記ビーム光の強度
を時間分解波形として検出可能な光検出手段と、前記光
検出手段で検出された前記ビーム光の時間分解波形のう
ち所望の部分を分離し、該分離された部分の光強度情報
に基づき、前記被検体を透過する前記ビーム光から散乱
光成分を抑制した光成分情報を演算する演算手段とを備
えたことを特徴とする。
[実施例] 以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
第1図及び第2図は本発明の第1実施例に係り、第1
図は散乱成分抑制方法を実現するための装置の構成を示
す説明図、第2図は第1図の装置を用いたエッジ近傍の
透過光量の計測結果を示す特性図である。
図は散乱成分抑制方法を実現するための装置の構成を示
す説明図、第2図は第1図の装置を用いたエッジ近傍の
透過光量の計測結果を示す特性図である。
第1図に示すように、本実施例の散乱成分抑制方法を
実現するための散乱成分抑制装置1は、光照射手段とし
ての光源2と、試料3を挟んで前記光源2に対向する光
検出器(1)5及び光検出器(2)7とを備えている。
前記光検出器(1)5の受光側には、前記光源2からの
ビーム光の光軸上に正しく軸合わせされたコリメータ
(1)4が接続されており、この光検出器(1)5によ
って、前記光源2から出射された試料3を通過した直進
光成分と散乱光成分の和が検出されるようになってい
る。一方、前記光検出器(2)7には、前記ビーム光と
一定の角度θを持って配置されたコリメータ(2)6が
接続されてる。そして、この光検出器(2)7によっ
て、前記光源2から出射され試料3を通過した散乱光成
分のみが検出されるようになっている。前記光検出器
(1)5と光検出器(2)7の各出力は差動増幅器8に
入力される。そして、この差動増幅器8によって、光検
出器(1)5の出力からθの重み付けをされた光検出器
(2)7の出力を差し引くことにより、散乱光成分を大
幅に除去することが可能となる。これを、仮に差動原理
と呼ぶ。
実現するための散乱成分抑制装置1は、光照射手段とし
ての光源2と、試料3を挟んで前記光源2に対向する光
検出器(1)5及び光検出器(2)7とを備えている。
前記光検出器(1)5の受光側には、前記光源2からの
ビーム光の光軸上に正しく軸合わせされたコリメータ
(1)4が接続されており、この光検出器(1)5によ
って、前記光源2から出射された試料3を通過した直進
光成分と散乱光成分の和が検出されるようになってい
る。一方、前記光検出器(2)7には、前記ビーム光と
一定の角度θを持って配置されたコリメータ(2)6が
接続されてる。そして、この光検出器(2)7によっ
て、前記光源2から出射され試料3を通過した散乱光成
分のみが検出されるようになっている。前記光検出器
(1)5と光検出器(2)7の各出力は差動増幅器8に
入力される。そして、この差動増幅器8によって、光検
出器(1)5の出力からθの重み付けをされた光検出器
(2)7の出力を差し引くことにより、散乱光成分を大
幅に除去することが可能となる。これを、仮に差動原理
と呼ぶ。
次に、第2図を参照して、本実施例の効果を示すため
の実験について説明する。
の実験について説明する。
この実験では、光源2にはHe−Neレーザ(波長632.8n
m,出力2mW)を用い、コリメータ(1)4には対物レン
ズ(焦点距離10mm)とピンホール(直径30μm)の組み
合わせを用い、コリメータ(2)6にはビームエクスパ
ンダー(×10)を用いた。また、試料3には、散乱物質
として内壁厚20mmのアクリル製容器に乳球懸濁液を入れ
たものを用いた。この試料溶液内の中央部にナイフエッ
ジを配置し、エッジ近傍の透過光量の計測を行った。
m,出力2mW)を用い、コリメータ(1)4には対物レン
ズ(焦点距離10mm)とピンホール(直径30μm)の組み
合わせを用い、コリメータ(2)6にはビームエクスパ
ンダー(×10)を用いた。また、試料3には、散乱物質
として内壁厚20mmのアクリル製容器に乳球懸濁液を入れ
たものを用いた。この試料溶液内の中央部にナイフエッ
ジを配置し、エッジ近傍の透過光量の計測を行った。
その結果を第2図に示す。第2図において、横軸はナ
イフエッジに対するビーム中心の位置、縦軸は規格化さ
れた光強度を示す。また、Aはコリメータ(1)4を用
いない光検出器(1)5の出力の場合、Bはコリメータ
(1)4を用いた光検出器(1)5の出力の場合、Cは
差動原理による場合、すなわちコリメータ(1)4を用
いた光検出器(1)5の出力からθの重み付けをされた
光検出器(2)7の出力を差し引いた差動増幅器8の出
力の場合、Dは散乱のない水のみの場合を示している。
イフエッジに対するビーム中心の位置、縦軸は規格化さ
れた光強度を示す。また、Aはコリメータ(1)4を用
いない光検出器(1)5の出力の場合、Bはコリメータ
(1)4を用いた光検出器(1)5の出力の場合、Cは
差動原理による場合、すなわちコリメータ(1)4を用
いた光検出器(1)5の出力からθの重み付けをされた
光検出器(2)7の出力を差し引いた差動増幅器8の出
力の場合、Dは散乱のない水のみの場合を示している。
この第2図から分かるように、コリメータを用いない
場合(A)では、散乱光の強い影響を受け、水のみの場
合(D)に比べ信号の平滑化が著しい。これに対し、コ
リメータのみの使用(B)によっても散乱成分がある程
度抑制され、更に差動原理による場合(C)では、散乱
のない水の状態(D)に極めて近い結果が得られた。
場合(A)では、散乱光の強い影響を受け、水のみの場
合(D)に比べ信号の平滑化が著しい。これに対し、コ
リメータのみの使用(B)によっても散乱成分がある程
度抑制され、更に差動原理による場合(C)では、散乱
のない水の状態(D)に極めて近い結果が得られた。
このように、本実施例によれば、散乱成分を抑制して
直進光成分を抽出することができ、これにより、これま
で透視が不可能と考えられてきた強い散乱性の物質であ
っても、空間分解能の高い透過像計測が可能となる。
直進光成分を抽出することができ、これにより、これま
で透視が不可能と考えられてきた強い散乱性の物質であ
っても、空間分解能の高い透過像計測が可能となる。
第3図ないし第15図は本発明の第2実施例に係り、第
3図は近赤外光による手掌の透過像を示す説明図、第4
図は血管像解析システムの構成を示すブロック図、第5
図は血管像のコントラストの計測のための設定を示す説
明図、第6図は第5図のように設定された領域中の輝度
の分布を示すヒストグラム、第7図は血管像のコントラ
ストの計測結果を示す特性図、第8図は指の透過光強度
の波長特性を示す特性図、第9図は血管の可視深さの求
めるための測定の結果を示す特性図、第10図は試料溶液
中の脱脂粉乳とヘモグロビンの濃度とコントラストとの
関係を示す特性図、第11図は本実施例の散乱成分抑制方
法を実現するための装置の構成を示す説明図、第12図は
第11図の装置において空間的に散乱成分を抑制しない場
合のパルス波形の変化を示す特性図、第13図は第11図の
装置において空間的に散乱成分を抑制した場合のパルス
波形の変化を示す特性図、第14図はナイフエッジの空間
分解波形を示す説明図、第15図は第11図の装置を用いた
エッジ近傍の透過光量の計測結果を示す特性図である。
3図は近赤外光による手掌の透過像を示す説明図、第4
図は血管像解析システムの構成を示すブロック図、第5
図は血管像のコントラストの計測のための設定を示す説
明図、第6図は第5図のように設定された領域中の輝度
の分布を示すヒストグラム、第7図は血管像のコントラ
ストの計測結果を示す特性図、第8図は指の透過光強度
の波長特性を示す特性図、第9図は血管の可視深さの求
めるための測定の結果を示す特性図、第10図は試料溶液
中の脱脂粉乳とヘモグロビンの濃度とコントラストとの
関係を示す特性図、第11図は本実施例の散乱成分抑制方
法を実現するための装置の構成を示す説明図、第12図は
第11図の装置において空間的に散乱成分を抑制しない場
合のパルス波形の変化を示す特性図、第13図は第11図の
装置において空間的に散乱成分を抑制した場合のパルス
波形の変化を示す特性図、第14図はナイフエッジの空間
分解波形を示す説明図、第15図は第11図の装置を用いた
エッジ近傍の透過光量の計測結果を示す特性図である。
本実施例の方法は、時間的に散乱光を抑制する方法で
あるが、その方法を説明する前に、近赤外光の生体透過
性,血管像の波長特性,血管の可視深さについて説明す
る。
あるが、その方法を説明する前に、近赤外光の生体透過
性,血管像の波長特性,血管の可視深さについて説明す
る。
まず、第3図を参照して近赤外光の生体透過性につい
て説明する。
て説明する。
初めに、光の生体透過特性について調べた。生体組織
は、近赤外の波長領域において吸収が少なくなることが
知られている。そこでまず、光が生体を透過する際、ど
の程度の光量が得られるかを調べる実験を行った。その
結果を第3図に示す。光源として、近赤外発行ダイオー
ド(波長880nm,光出力30mW/個)を縦横10個づつ計100
個、80×80mmの平面上に配列した。第3図はこの光源を
手掌に当て、透過してきた光をその甲側からイメージ・
インテンシファイア(image intensifier)により撮影
したものである。この図において符号10で示す部分が透
過像であり、ハッチングを付して示す部分は背景の暗部
である。この程度の光量でも、画像蓄積等の必要なしに
透過像が観察されること、また、この波長領域における
Hbの吸光性及びその濃度の高さから、血管中の血液が明
暗画像として可視化されることが分かった。しかし、こ
のようにして得られた血管像は生体中の光散乱の影響を
強く受けており、その血管の実際の太さや深さ等につい
ては未知の点が多い。そこで、生体における光の散乱,
吸収現像を明らかにし、体内血管の実際の姿の可視化を
実現するため、以下のような基礎的研究を行った。
は、近赤外の波長領域において吸収が少なくなることが
知られている。そこでまず、光が生体を透過する際、ど
の程度の光量が得られるかを調べる実験を行った。その
結果を第3図に示す。光源として、近赤外発行ダイオー
ド(波長880nm,光出力30mW/個)を縦横10個づつ計100
個、80×80mmの平面上に配列した。第3図はこの光源を
手掌に当て、透過してきた光をその甲側からイメージ・
インテンシファイア(image intensifier)により撮影
したものである。この図において符号10で示す部分が透
過像であり、ハッチングを付して示す部分は背景の暗部
である。この程度の光量でも、画像蓄積等の必要なしに
透過像が観察されること、また、この波長領域における
Hbの吸光性及びその濃度の高さから、血管中の血液が明
暗画像として可視化されることが分かった。しかし、こ
のようにして得られた血管像は生体中の光散乱の影響を
強く受けており、その血管の実際の太さや深さ等につい
ては未知の点が多い。そこで、生体における光の散乱,
吸収現像を明らかにし、体内血管の実際の姿の可視化を
実現するため、以下のような基礎的研究を行った。
次に、第4図ないし第8図を参照して、血管像の波長
特性について説明する。
特性について説明する。
すなわち、血管像可視化に有効な最適波長を求めるた
め、得られる血管像の波長特性を調べた。そのための血
管像解析システム11の概略を第4図に示す。このシステ
ム11は、光源12,CCDテレビカメラ15,画像処理装置16,
(パーソナル)コンピュータ17,VTR19及びモニタ(表示
装置)18から構成されている。まず、レーザやLED等の
光源12から可視から近赤外領域の光を発生させ、開口13
を介して測定対象物体14に照射する。測定対象物体14を
透過,散乱した光を入射方向の反対方向からCCDテレビ
カメラ15により検出し、透過像をテレビ信号として得
る。このとき、血液は他の組織に比べ光の吸収が大きい
ことから、血管が明暗画像として検出される。このよう
にして得られた血管像を画像処理装置16及びコンピュー
タ17に取り込み、処理解析を行う。
め、得られる血管像の波長特性を調べた。そのための血
管像解析システム11の概略を第4図に示す。このシステ
ム11は、光源12,CCDテレビカメラ15,画像処理装置16,
(パーソナル)コンピュータ17,VTR19及びモニタ(表示
装置)18から構成されている。まず、レーザやLED等の
光源12から可視から近赤外領域の光を発生させ、開口13
を介して測定対象物体14に照射する。測定対象物体14を
透過,散乱した光を入射方向の反対方向からCCDテレビ
カメラ15により検出し、透過像をテレビ信号として得
る。このとき、血液は他の組織に比べ光の吸収が大きい
ことから、血管が明暗画像として検出される。このよう
にして得られた血管像を画像処理装置16及びコンピュー
タ17に取り込み、処理解析を行う。
ここで、得られる血管像を定量的に解析する際の評価
パラメータとしてコントラストを選び、背景(組織)像
に対する血管像のコントラストを次のように求めた。
パラメータとしてコントラストを選び、背景(組織)像
に対する血管像のコントラストを次のように求めた。
第5図に示すように、まず、得られた指21等の画像中
で、対象とする血管22を含む領域23を設定する。次に、
この領域中の輝度(強度)のヒストグラム分布を求める
と、第6図に示すような二峰性のピークが得られる。こ
こで、血管部分の輝度の分布は一方のピーク(I b)に
集中し、血管周辺の背景の分布はもう一方のピーク(I
t)に集中する。これらのピーク位置を、それぞれ血管
部分の輝度、背景部分の輝度と決め、血管像のコントラ
ストMを次式のように定義した。
で、対象とする血管22を含む領域23を設定する。次に、
この領域中の輝度(強度)のヒストグラム分布を求める
と、第6図に示すような二峰性のピークが得られる。こ
こで、血管部分の輝度の分布は一方のピーク(I b)に
集中し、血管周辺の背景の分布はもう一方のピーク(I
t)に集中する。これらのピーク位置を、それぞれ血管
部分の輝度、背景部分の輝度と決め、血管像のコントラ
ストMを次式のように定義した。
M=(I t−I b)/(I t+I b) 次に、血管像のコントラスト及び指の透過光強度の波
長特性を測定した。光源には色素レーザ(アルゴンレー
ザ励起,出力200mW,色素Rhodamine6G)を用い、波長を5
70〜620nmの間で変化させた。測定対象としては、成人
男性の人指し指21を使用した。ビーム径5mmのレーザ光
を、人指し指21の腹側の第一関節と第二関節の間に照射
し、背方向に置かれたテレビカメラにより透過像を検出
した、透過光強度は、指の背側直後に光センサ(受光面
4mmφ,PINフォトダイオード)を装着し、測定した。
長特性を測定した。光源には色素レーザ(アルゴンレー
ザ励起,出力200mW,色素Rhodamine6G)を用い、波長を5
70〜620nmの間で変化させた。測定対象としては、成人
男性の人指し指21を使用した。ビーム径5mmのレーザ光
を、人指し指21の腹側の第一関節と第二関節の間に照射
し、背方向に置かれたテレビカメラにより透過像を検出
した、透過光強度は、指の背側直後に光センサ(受光面
4mmφ,PINフォトダイオード)を装着し、測定した。
第7図及び第8図に、測定結果である血管像のコント
ラスト及び指の透過光強度の波長特性を示す。尚、第8
図に示す測定には、3つの試料A,B,Cを用いた。第7図
に見られるように、コントラストは短波長側において上
昇する。これは、短波長領域でヘモグロビンによる吸収
が、他の組織に比べて大きく上昇するためと思われる。
これに対し、第8図に見られるように、透過光強度は長
波長側で上昇する。これは、波長が長くなるにつれ、組
織による吸収及び血液による吸収が共に減少するためと
考えられる。
ラスト及び指の透過光強度の波長特性を示す。尚、第8
図に示す測定には、3つの試料A,B,Cを用いた。第7図
に見られるように、コントラストは短波長側において上
昇する。これは、短波長領域でヘモグロビンによる吸収
が、他の組織に比べて大きく上昇するためと思われる。
これに対し、第8図に見られるように、透過光強度は長
波長側で上昇する。これは、波長が長くなるにつれ、組
織による吸収及び血液による吸収が共に減少するためと
考えられる。
これらの結果より、体内血管を可視化するためには目
的や条件に応じた波長の選択が必要なことが明らかにな
った。
的や条件に応じた波長の選択が必要なことが明らかにな
った。
次に、第9図及び第10図を参照して、血管の可視深さ
について説明する。
について説明する。
これまでの結果により、適当な波長を選択することで
体内血管を可視化する可能性が示された。しかし、この
ようなトランス・イルミネーション法では、観測側体表
から見て深部にある血管は、組織の強い拡散性散乱によ
り、画像中に明確に現れてこない。そこで、画像中に検
出できる血管の深さに対する検討を行った。
体内血管を可視化する可能性が示された。しかし、この
ようなトランス・イルミネーション法では、観測側体表
から見て深部にある血管は、組織の強い拡散性散乱によ
り、画像中に明確に現れてこない。そこで、画像中に検
出できる血管の深さに対する検討を行った。
実験システムは、光源12と測定対象物体14の他は第4
図と同様である。光源12には、第3図の画像を得るのに
使用した発行ダイオードを配列した面状の光源を用い
た。測定対象物体14には、透明アクリル製容器に試料を
満たしたものを用いた。試料溶液として、生体組織と同
じ散乱,吸収特性を持つように配合した乳球懸濁液とヘ
モグロビン溶液の混合液を使用した。ただし、組織の散
乱,吸収の値は、Wrayらの報告(Biochimica et Biophy
sica Acta 993,184−192(1988))に基づいた。この溶
液中に全血を入れたガラス細管(内径1mm)を配置し、
生体内の血管を光学的に模擬するモデルとした。また、
血管モデルとの比較のため、黒色に塗装した針金(外径
1mm)を完全吸収体として用いた。
図と同様である。光源12には、第3図の画像を得るのに
使用した発行ダイオードを配列した面状の光源を用い
た。測定対象物体14には、透明アクリル製容器に試料を
満たしたものを用いた。試料溶液として、生体組織と同
じ散乱,吸収特性を持つように配合した乳球懸濁液とヘ
モグロビン溶液の混合液を使用した。ただし、組織の散
乱,吸収の値は、Wrayらの報告(Biochimica et Biophy
sica Acta 993,184−192(1988))に基づいた。この溶
液中に全血を入れたガラス細管(内径1mm)を配置し、
生体内の血管を光学的に模擬するモデルとした。また、
血管モデルとの比較のため、黒色に塗装した針金(外径
1mm)を完全吸収体として用いた。
この実験システムにより、初めに血管の可視深さの測
定を行った。内壁間隔10mmのアクリル製容器内に壁面か
らの距離を可変としたガラス細管または針金を立て、そ
れらの深さとコントラストとの関係を求めた。次に、組
織の散乱,吸収特性が血管像のコントラストにどのよう
な影響を及ぼすのかを調べた。実験は、内壁間隔20mmの
容器中央(深さ10mm)に針金を配置し、試料溶液中の脱
脂粉乳(散乱体)とヘモグロビン(吸収体)の濃度を変
化させ、このときのコントラストを測定した。
定を行った。内壁間隔10mmのアクリル製容器内に壁面か
らの距離を可変としたガラス細管または針金を立て、そ
れらの深さとコントラストとの関係を求めた。次に、組
織の散乱,吸収特性が血管像のコントラストにどのよう
な影響を及ぼすのかを調べた。実験は、内壁間隔20mmの
容器中央(深さ10mm)に針金を配置し、試料溶液中の脱
脂粉乳(散乱体)とヘモグロビン(吸収体)の濃度を変
化させ、このときのコントラストを測定した。
第9図に実験結果を示す。この図において、横軸は試
料を満たしたアクリル製容器の観測側内壁面からガラス
管(全血)または針金までの距離(深さ)である。観測
系のS/N比等によって制限される可視限界に対し、全血
で約3mm、針金で約8mmまでの可視深さが得られた。
料を満たしたアクリル製容器の観測側内壁面からガラス
管(全血)または針金までの距離(深さ)である。観測
系のS/N比等によって制限される可視限界に対し、全血
で約3mm、針金で約8mmまでの可視深さが得られた。
次に、対象とする物質(ここでは針金)と背景となる
物質(ここでは試料溶液)の散乱,吸収特性を変化させ
た場合の結果を第10図に示す。背景物質の散乱の程度
(脱脂粉乳濃度)を一定に保ち、吸収度(Hb濃度)を増
加させることにより、コントラストが上昇することが分
かった。特に、散乱が強い場合、吸収度が小さいところ
では見えなかった対象物が、吸収体の増加に伴って見え
てくるという興味深い結果が得られた。これは、吸収体
の存在により散乱が抑制され、全体としての透過光量は
減るものの、透過像のコントラストが上昇するためと思
われる。
物質(ここでは試料溶液)の散乱,吸収特性を変化させ
た場合の結果を第10図に示す。背景物質の散乱の程度
(脱脂粉乳濃度)を一定に保ち、吸収度(Hb濃度)を増
加させることにより、コントラストが上昇することが分
かった。特に、散乱が強い場合、吸収度が小さいところ
では見えなかった対象物が、吸収体の増加に伴って見え
てくるという興味深い結果が得られた。これは、吸収体
の存在により散乱が抑制され、全体としての透過光量は
減るものの、透過像のコントラストが上昇するためと思
われる。
この結果から考えて、第7図に示した短波長側でのコ
ントラストの上昇は、単にヘモグロビンの吸収度の上昇
によるだけではなく、背景組織における吸収増加に伴う
散乱抑制現象との相乗効果とも考えられる。これらのこ
とは、生体組織において、強い散乱にもかかわらずある
程度の透過像が得られる一因とも考えられる。
ントラストの上昇は、単にヘモグロビンの吸収度の上昇
によるだけではなく、背景組織における吸収増加に伴う
散乱抑制現象との相乗効果とも考えられる。これらのこ
とは、生体組織において、強い散乱にもかかわらずある
程度の透過像が得られる一因とも考えられる。
これまでの結果により、体内血管の可視化実現のため
には、生体組織による強い拡散性の散乱を抑制する必要
があることが明らかとなった。そこで、時間的及び空間
的に散乱成分を抑制する方法を考案した。
には、生体組織による強い拡散性の散乱を抑制する必要
があることが明らかとなった。そこで、時間的及び空間
的に散乱成分を抑制する方法を考案した。
その方法について、以下で説明する。ランダムに分布
する多数の粒子状散乱体にビーム状の光が一方向から入
射した場合、光は粒子間で散乱を繰り返し、散乱による
時間遅れの後、広い方向に出射する。従って、時間的に
短いパルス光を対象物に入射した場合、出射パルス光は
散乱によってパルス幅が拡がると共に、散乱成分の長い
尾を引いた形となる。ゆえに、このパルス光を時間分解
波形としてとらえ、パルスの立上り部分を分離すれば、
散乱成分の抑制ができると考えられる。また、散乱の影
響を受けていない粒子は光軸が曲げられず、光軸上を直
進する。従って、入射光と正対した微小受光角の受光系
を用い、直進光を選択的に取り出すことにより、空間的
にも散乱成分を抑制することができると考えられる。こ
こでは、これらの2つの方法について実験的に有効性を
検討した。
する多数の粒子状散乱体にビーム状の光が一方向から入
射した場合、光は粒子間で散乱を繰り返し、散乱による
時間遅れの後、広い方向に出射する。従って、時間的に
短いパルス光を対象物に入射した場合、出射パルス光は
散乱によってパルス幅が拡がると共に、散乱成分の長い
尾を引いた形となる。ゆえに、このパルス光を時間分解
波形としてとらえ、パルスの立上り部分を分離すれば、
散乱成分の抑制ができると考えられる。また、散乱の影
響を受けていない粒子は光軸が曲げられず、光軸上を直
進する。従って、入射光と正対した微小受光角の受光系
を用い、直進光を選択的に取り出すことにより、空間的
にも散乱成分を抑制することができると考えられる。こ
こでは、これらの2つの方法について実験的に有効性を
検討した。
第11図は、トランス・イルミネーション法における出
射光中の散乱成分の抑制効果を評価するためのシステム
であると共に、本実施例の散乱成分抑制方法を実現する
ための散乱成分抑制装置31の構成でもある。
射光中の散乱成分の抑制効果を評価するためのシステム
であると共に、本実施例の散乱成分抑制方法を実現する
ための散乱成分抑制装置31の構成でもある。
このシステムは、光照射手段として、Nd:YAGレーザ32
を備え、試料34を挟んで前記レーザ32に対向するよう
に、入射ビームの光軸と光軸を正しく合わせたコリメー
タ36が設けられている。このコリメータ36は、焦点距離
10mmのレンズ37と直径50μmのピンホール38とから構成
されている。前記コリメータ36を経た光は、光ファイバ
束39(内径3mm,長さ600mm)を介してストリークカメラ4
0に導かれるようになっている。このストリークカメラ4
0の出力は信号処理装置42及び(パーソナル)コンピュ
ータ43により処理され、出射パルスの時間分解波形が観
測されるようになっている。尚、レーザ32と試料34との
間には、ハーフミラー33が設けられ、このハーフミラー
33で反射された光をフォトダイオード41で受光し、周知
のように、ストリークカメラ40のトリガー信号としてい
る。
を備え、試料34を挟んで前記レーザ32に対向するよう
に、入射ビームの光軸と光軸を正しく合わせたコリメー
タ36が設けられている。このコリメータ36は、焦点距離
10mmのレンズ37と直径50μmのピンホール38とから構成
されている。前記コリメータ36を経た光は、光ファイバ
束39(内径3mm,長さ600mm)を介してストリークカメラ4
0に導かれるようになっている。このストリークカメラ4
0の出力は信号処理装置42及び(パーソナル)コンピュ
ータ43により処理され、出射パルスの時間分解波形が観
測されるようになっている。尚、レーザ32と試料34との
間には、ハーフミラー33が設けられ、このハーフミラー
33で反射された光をフォトダイオード41で受光し、周知
のように、ストリークカメラ40のトリガー信号としてい
る。
次に、第12図ないし第14図を参照して、本実施例の効
果を示すため、空間分解能の変化を測定した実験につい
て説明する。
果を示すため、空間分解能の変化を測定した実験につい
て説明する。
この実験では、YAGレーザ32からの光パルス(出力8m
J,波長532nm,ビーム径1mm,ファイバ出射端で測定したパ
ルス半値幅55ps)を30Hzの間隔で、試料34に照射する。
試料34には、内壁間隔20mmのアクリル製容器に乳球懸濁
液(脱脂粉乳1.5g/100ml)を満たしたものを用いた。こ
の試料34内の中央部(内壁面からの距離10mm)にナイフ
エッジ35を配置し、透過像のエッジ近傍における空間分
解能を測定した。試料34から出射した光は光ファイバ束
39を介してストリークカメラ40に導かれる。そして、こ
のストリークカメラ40の出力を信号処理装置42及びコン
ピュータ43により処理し、出射パルスの時間分解波形を
観測する。また、前記コリメータ36により入射角を小さ
く制限し、空間的な散乱抑制の効果を調べた。
J,波長532nm,ビーム径1mm,ファイバ出射端で測定したパ
ルス半値幅55ps)を30Hzの間隔で、試料34に照射する。
試料34には、内壁間隔20mmのアクリル製容器に乳球懸濁
液(脱脂粉乳1.5g/100ml)を満たしたものを用いた。こ
の試料34内の中央部(内壁面からの距離10mm)にナイフ
エッジ35を配置し、透過像のエッジ近傍における空間分
解能を測定した。試料34から出射した光は光ファイバ束
39を介してストリークカメラ40に導かれる。そして、こ
のストリークカメラ40の出力を信号処理装置42及びコン
ピュータ43により処理し、出射パルスの時間分解波形を
観測する。また、前記コリメータ36により入射角を小さ
く制限し、空間的な散乱抑制の効果を調べた。
その結果を以下に示す。測定システム中のピンホール
38を除き、空間的に散乱成分を抑制しない場合のパルス
波形の変化を第12図に示す。尚、第12図及び第13図にお
いて、横軸は時間、縦軸は光強度、奥行き方向はビーム
中心からナイフエッジまでの距離(ナイフエッジに対す
るビーム中心の位置)である。この場合、第12図左上に
示す入射光波形に比べ、出射光波形が時間的にも空間的
にも散乱の影響を大きく受けていることが分かる。それ
に対し、コリメータ36により空間的に散乱成分を抑制し
た場合は、第13図に示すように、散乱による影響が極め
て小さくなり、出射光の波形が入射光の近づくととも
に、エッジ位置の検出が容易になっていることが分か
る。
38を除き、空間的に散乱成分を抑制しない場合のパルス
波形の変化を第12図に示す。尚、第12図及び第13図にお
いて、横軸は時間、縦軸は光強度、奥行き方向はビーム
中心からナイフエッジまでの距離(ナイフエッジに対す
るビーム中心の位置)である。この場合、第12図左上に
示す入射光波形に比べ、出射光波形が時間的にも空間的
にも散乱の影響を大きく受けていることが分かる。それ
に対し、コリメータ36により空間的に散乱成分を抑制し
た場合は、第13図に示すように、散乱による影響が極め
て小さくなり、出射光の波形が入射光の近づくととも
に、エッジ位置の検出が容易になっていることが分か
る。
第15図に、これらの方法によるナイフエッジの空間分
解像を示す。図中、A〜Cの曲線は、コリメータ36を使
用しない場合の時間分解波形中、第14図に示した点A〜
Cにおける光強度をもとに空間分解像を示したものであ
る。尚、時間分解波形中の任意の点の光強度は、前記信
号処理装置42及びコンピュータ43により抽出される。
解像を示す。図中、A〜Cの曲線は、コリメータ36を使
用しない場合の時間分解波形中、第14図に示した点A〜
Cにおける光強度をもとに空間分解像を示したものであ
る。尚、時間分解波形中の任意の点の光強度は、前記信
号処理装置42及びコンピュータ43により抽出される。
第15図から、出射光パルスの立上り部分(A)の空間
分解能が最良であり、遅い時刻ほど散乱の影響を強く受
けていることが分かる。ここで、Aの場合でも散乱光の
影響がかなり見られるのは、入射パルス光の有限な幅及
び受光角の有限な広がり等により、散乱成分抑制が制限
されているためと思われる。第15図においてDで示す曲
線は、コリメータ36を使用した場合の時間分解波形の光
強度ピーク値により得られた空間分解像である。このよ
うに、空間的な散乱抑制を加えることにより、空間分解
能が大きく向上することが分かる。
分解能が最良であり、遅い時刻ほど散乱の影響を強く受
けていることが分かる。ここで、Aの場合でも散乱光の
影響がかなり見られるのは、入射パルス光の有限な幅及
び受光角の有限な広がり等により、散乱成分抑制が制限
されているためと思われる。第15図においてDで示す曲
線は、コリメータ36を使用した場合の時間分解波形の光
強度ピーク値により得られた空間分解像である。このよ
うに、空間的な散乱抑制を加えることにより、空間分解
能が大きく向上することが分かる。
以上の結果に基づいて、本実施例の散乱成分抑制装置
31では、ストリークカメラ40,信号処理装置42及びコン
ピュータ43によって試料34から出射光の時間分解波形中
の直進光成分に対応する部分を分離し、更に好ましく
は、コリメータ36により空間的に直進光成分を抽出す
る。
31では、ストリークカメラ40,信号処理装置42及びコン
ピュータ43によって試料34から出射光の時間分解波形中
の直進光成分に対応する部分を分離し、更に好ましく
は、コリメータ36により空間的に直進光成分を抽出す
る。
このように、本実施例によれば、時間的,空間的に散
乱成分を抑制することができ、これにより、強い拡散性
散乱を抑制して、空間分解能の高い被検体内部の情報の
可視化が可能となる。
乱成分を抑制することができ、これにより、強い拡散性
散乱を抑制して、空間分解能の高い被検体内部の情報の
可視化が可能となる。
[発明の効果] 以上説明したように本発明によれば、被検体の散乱に
よる影響を抑制できるので、高分解能で光を用いた被検
体内部の情報の可視化が可能となるという効果がある。
よる影響を抑制できるので、高分解能で光を用いた被検
体内部の情報の可視化が可能となるという効果がある。
第1図及び第2図は本発明の第1実施例に係り、第1図
は散乱成分抑制方法を実現するための装置の構成を示す
説明図、第2図は第1図の装置を用いたエッジ近傍の透
過光量の計測結果を示す特性図、第3図ないし第15図は
本発明の第2実施例に係り、第3図は近赤外光による手
掌の透過像を示す説明図、第4図は血管像解析システム
の構成を示すブロック図、第5図は血管像のコントラス
トの計測のための設計を示す説明図、第6図は第5図の
ように設定された領域中の輝度の分布を示すヒストグラ
ム、第7図は血管像のコントラストの計測結果を示す特
性図、第8図は指の透過光強度の波長特性を示す特性
図、第9図は血管の可視深さの求めるための測定の結果
を示す特性図、第10図は試料溶液中の脱脂粉乳とヘモグ
ロビンの濃度とコントラストとの関係を示す特性図、第
11図は本実施例の散乱成分抑制方法を実現するための装
置の構成を示す説明図、第12図は第11図の装置において
空間的に散乱成分を抑制しない場合のパルス波形の変化
を示す特性図、第13図は第11図の装置において空間的に
散乱成分を抑制した場合のパルス波形の変化を示す特性
図、第14図はナイフエッジの空間分解波形を示す説明
図、第15図は第11図の装置を用いたエッジ近傍の透過光
量の計測結果を示す特性図である。 1……散乱成分抑制装置 2……光源 4,6……コリメータ 5,7……光検出器 8……差動増幅器
は散乱成分抑制方法を実現するための装置の構成を示す
説明図、第2図は第1図の装置を用いたエッジ近傍の透
過光量の計測結果を示す特性図、第3図ないし第15図は
本発明の第2実施例に係り、第3図は近赤外光による手
掌の透過像を示す説明図、第4図は血管像解析システム
の構成を示すブロック図、第5図は血管像のコントラス
トの計測のための設計を示す説明図、第6図は第5図の
ように設定された領域中の輝度の分布を示すヒストグラ
ム、第7図は血管像のコントラストの計測結果を示す特
性図、第8図は指の透過光強度の波長特性を示す特性
図、第9図は血管の可視深さの求めるための測定の結果
を示す特性図、第10図は試料溶液中の脱脂粉乳とヘモグ
ロビンの濃度とコントラストとの関係を示す特性図、第
11図は本実施例の散乱成分抑制方法を実現するための装
置の構成を示す説明図、第12図は第11図の装置において
空間的に散乱成分を抑制しない場合のパルス波形の変化
を示す特性図、第13図は第11図の装置において空間的に
散乱成分を抑制した場合のパルス波形の変化を示す特性
図、第14図はナイフエッジの空間分解波形を示す説明
図、第15図は第11図の装置を用いたエッジ近傍の透過光
量の計測結果を示す特性図である。 1……散乱成分抑制装置 2……光源 4,6……コリメータ 5,7……光検出器 8……差動増幅器
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−72542(JP,A) 特開 平1−209342(JP,A) 特開 昭52−49077(JP,A) 特開 平1−196538(JP,A) 特開 平2−277538(JP,A) 特開 昭62−124443(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 21/00 - 21/01,21/17 - 21/6 1
Claims (4)
- 【請求項1】光源から被検体にビーム光を照射する光照
射手順と、 前記光源から照射される前記ビーム光の光軸上に配置し
た第1のコリメータに、前記被検体を透過した前記ビー
ム光を入射する第1の光入射手順と、 前記第1のコリメータを介して出力される前記ビーム光
の強度を第1の光検出手段で検出する第1の光検出手順
と、 前記光源から出射されるビーム光の光軸に対して所定の
角度を有して配置した第2のコリメータに、前記被検体
を透過したビーム光を入射する第2の光入射手順と、 前記第2のコリメータを介して出力される前記ビーム光
の強度を第2の光検出手段で検出する第2の光検出手順
と、 前記第1の光検出手段から出力される第1の検出信号と
前記第2の光検出手段から出力される第2の検出信号と
に基づき、前記被検体を透過する前記ビーム光から散乱
光成分を抑制した光成分情報を演算手段で演算する演算
手順と、 を備えたことを特徴とする被検体通過光中の散乱光成分
抑制方法。 - 【請求項2】被検体にビーム光を照射する光源と、 前記光源から照射される前記ビーム光の光軸上に配置さ
れ、前記被検体を透過した前記ビーム光が入射される第
1のコリメータと、 前記第1のコリメータを介して出力される前記ビーム光
の強度を検出する第1の光検出手順と、 前記光源から照射されるビーム光の光軸に対して所定の
角度を有して配置され、前記被検体を透過したビーム光
が入射される第2のコリメータと、 前記第2のコリメータを介して出力される前記ビーム光
の強度を検出する第2の光検出手段と、 前記第1の光検出手段から出力される第1の検出信号と
前記第2の光検出手段から出力される第2の検出信号と
に基づき、前記被検体を透過する前記ビーム光から散乱
光成分を抑制した光成分情報を演算する演算手段と、 を備えたことを特徴とする散乱光成分抑制装置。 - 【請求項3】光源から被検体にパルス状のビーム光を照
射する光照射手順と、 前記光源から照射される前記ビーム光の光軸上に配置さ
れたコリメータに、前記被検体を透過した前記ビーム光
を入射する光入射手順と、 前記パルス状のビーム光の照射と同期する信号に基づ
き、前記コリメータを介して出力される前記ビーム光の
強度を時間分解波形が検出可能な光検出手段で検出する
光検出手順と、 前記光検出手段で検出された前記ビーム光の時間分解波
形のうち所望の部分を分離し、該分離された部分の光強
度情報に基づき、前記被検体を透過する前記ビーム光か
ら散乱光成分を抑制した光成分情報を演算手段で演算す
る演算手順と、 を備えたことを特徴とする被検体通過光中の散乱光成分
抑制方法。 - 【請求項4】被検体にパルス状のビーム光を照射する光
源と、 前記光源から照射される前記ビーム光の光軸上に配置さ
れ、前記被検体を透過した前記ビーム光が入射されるコ
リメータと、 前記パルス状のビーム光の照射と同期する信号が入力さ
れ、前記コリメータを介して出力される前記ビーム光の
強度を時間分解波形として検出可能な光検出手段と、 前記光検出手段で検出された前記ビーム光の時間分解波
形のうち所望の部分を分離し、該分離された部分の光強
度情報に基づき、前記被検体を透過する前記ビーム光か
ら散乱光成分を抑制した光成分情報を演算する演算手段
と、 を備えたことを特徴とする散乱光成分抑制装置。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8155290A JP2852096B2 (ja) | 1990-03-29 | 1990-03-29 | 被検体通過中の散乱光成分抑制方法およびその装置 |
| US08/046,929 US5386819A (en) | 1990-03-29 | 1993-04-14 | Method and apparatus for inhibiting a scattered component in a light having passed through an examined object |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8155290A JP2852096B2 (ja) | 1990-03-29 | 1990-03-29 | 被検体通過中の散乱光成分抑制方法およびその装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH03279843A JPH03279843A (ja) | 1991-12-11 |
| JP2852096B2 true JP2852096B2 (ja) | 1999-01-27 |
Family
ID=13749455
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8155290A Expired - Fee Related JP2852096B2 (ja) | 1990-03-29 | 1990-03-29 | 被検体通過中の散乱光成分抑制方法およびその装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2852096B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2022107723A1 (ja) * | 2020-11-18 | 2022-05-27 | 国立大学法人千葉大学 | 近赤外光を利用した撮像システム及び撮像方法 |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7219016B2 (en) * | 2001-04-20 | 2007-05-15 | Yale University | Systems and methods for automated analysis of cells and tissues |
| JP6019052B2 (ja) * | 2014-03-13 | 2016-11-02 | 富士フイルム株式会社 | 撮影システム及び撮影方法 |
| CN109247945A (zh) | 2017-07-12 | 2019-01-22 | 松下知识产权经营株式会社 | 计测装置 |
-
1990
- 1990-03-29 JP JP8155290A patent/JP2852096B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2022107723A1 (ja) * | 2020-11-18 | 2022-05-27 | 国立大学法人千葉大学 | 近赤外光を利用した撮像システム及び撮像方法 |
| JPWO2022107723A1 (ja) * | 2020-11-18 | 2022-05-27 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH03279843A (ja) | 1991-12-11 |
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