JP2855867B2 - 含クロム溶鋼の精錬法 - Google Patents
含クロム溶鋼の精錬法Info
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Description
鋼を極低炭素量まで脱炭するための精錬法に関する。
この方法は、窒素含有量を所定範囲の値に調節した含ク
ロム鋼を製造するのに適する。
れているAODプロセスは、脱炭が進んで溶鋼中のC濃
度が低下してくるとCrが酸化されやすくなるから、精
錬のために吹き込むガスの中のArの比率を高くしO2
の比率を低くして、Crの損失が少なくなるようにして
いる。 溶鋼中のC濃度が所定の値まで低下したところ
で、フェロシリコンのような還元剤を投入し、Arだけ
を吹き込んで撹拌し、それまでの過程で生成した溶鋼中
のクロム酸化物を還元して回収する。 このようにし
て、C含有量が所定の値まで低下し、Cr含有量は精錬
前の水準に復した溶鋼が得られる。
て所望のC濃度に到達するまでに長時間を要する上に、
Crの酸化が進みやすい。 Crの酸化を低減するに
は、吹込ガス中のArの比率を高めなければならない
が、そうすると当然にArの消費が増えて不経済であ
る。
て、真空精錬法の利用がある。 たとえば特公昭60−
10087に記載の方法は、高クロムステンレス鋼を
0.03%以下の低炭素量に精錬するために、常圧でO
2による脱炭をC:0.2〜0.4%となるまで行な
い、その後は、非酸化性ガスによる撹拌は続けるがO2
の吹き込みは停止し、鋼浴上の圧力を約10Torr以下ま
で連続的に低下させボイリングを起こさせることによっ
て、所望の脱炭を行なうものである。 特開昭61−1
36611に記載の精錬方法も同様であって、まずAO
D装置を用いて大気圧下に脱炭を行ない、ついで真空精
錬装置を用いて、圧力20Torrの減圧下でさらに脱炭を
続ける方法である。
程度までは、大気圧下で高クロム溶鋼にアルゴンのよう
な非酸化性ガスと酸素の混合ガスを吹き込んで脱炭し、
その後は、精錬環境を約200Torr以下に減圧した状態
で、アルゴンのような非酸化性ガスのみを吹き込んでさ
らに低濃度にまで脱炭する方法、ならびに、上記真空精
錬時に、それまでの過程で酸化されたクロムの全量を還
元するために還元剤を添加することにより、脱炭と同時
にクロム酸化物の還元も行なう方法を開発し、特願平1
−98473として提案した。
性ガスとしてArガスを使用した場合、含クロム溶鋼の
N含有量を0.02%程度まで低減することが可能であ
るが、鋼種によっては、もっと高いN含有量がむしろ適
切な場合がある。N含有量を、たとえば0.03〜0.
10%の範囲内で所定の値に調整すべき場合、Arガス
のみの吹き込みでは、必要以上に低いN含有量となるた
め、後に加窒作業が必要となり、結果として高価なアル
ゴンを浪費したことになる。
わせた方法(特公昭60−10087、特開昭61−1
3661)は、比較的高C濃度のレベルからO2の供給
を止めるから、Crの酸化による損失がそれだけ少なく
て済むものの、急激な真空の適用はCOガスの大量発生
をひきおこし、爆発の危険を招く。 真空吸引をゆるや
かにすれば危険はなくなるが、経過時間が長くなって鋼
浴温度が低下すれば反応が遅くなるという、別の悩みが
出てくる。 また、圧力を10Torr以下という低圧にす
れば、溶鋼のスプラッシュが激しくなって、合金材料投
入用ホッパーが閉塞するなどの問題が生じる。 そのた
め、これらの方法においては、酸化されたCrを回収す
るための還元剤の添加を、最終的な脱炭と同時に行なう
ことが事実上不可能である。 脱炭終了後に還元剤を添
加すればCr回収はできるが、精錬時間は長くなる。
は、高価なアルゴンガスの使用量を低減して、所望の範
囲の窒素含有量の含クロム鋼を得ることができる精錬法
を提供することにある。
炭精錬において、真空の適用による脱炭の促進を、CO
ガスの大量発生がひきおこす爆発の危険を招くことな
く、かつ溶鋼のスプラッシュを実際上差し支えのない程
度に抑えて、還元剤の添加によるCr回収を最終的な脱
炭と同時に行なうことを可能にした精錬法を提供するこ
とにある。
発明の含クロム鋼の精錬法は、精錬容器内で高クロム鋼
の溶鋼中にガスを吹き込んで脱炭を行なう精錬法におい
て、溶鋼中のC濃度が0.15%(重量)以下に低下す
るまでは吹込ガスとして非酸化性ガスとO2との混合ガ
スを使用し、C濃度がこの値以下に低下した後は、容器
内を150〜20Torrに減圧するとともに、溶鋼中のク
ロム酸化物を還元するために必要な理論量以上の量の還
元剤を添加し、溶鋼中にN2またはそれ以外の非酸化性
ガスを、溶鋼トンあたり少なくとも0.2Nm3/分の流
量で吹き込むことを特徴とする。
錬のはじめの段階では非酸化性ガスとしてN2を吹き込
み、後の段階ではArのようなN2以外の非酸化性ガス
を吹き込んで真空処理を行なう。
鋼は、クロム含有量5%以上のものを意味し、その具体
例はNi−Cr系ステンレス耐熱鋼およびCr系ステン
レス耐熱鋼である。
むと加窒が行なわれると予想されるが、含クロム鋼の窒
素含有量が500ppm 以上の場合には、200Torr以下
の真空中でN2ガスを吹き込むと脱窒が行なわれる。
したがって、高価なArガスに代えてN2を使用するこ
とができる。 とはいえ、N2ガスの吹き込みによる脱
窒は、当然のことに一定の限度があるので、ある程度N
2ガスの吹き込みを行なった後は、最終的にはArガス
の吹き込みによって精錬操作を終了することが、実際上
は好ましい。 その際の、吹込ガスをN2からArへ切
り替える時期は、所定の窒素含有量の溶鋼が得られるよ
うに、適宜コントロールすればよい。
イントをC濃度が0.15%となったところに選んだひ
とつの理由は、溶鋼中のC濃度が0.2%より低くなる
と、O2による脱炭が効果的に進まなくなる一方でCr
の酸化による損失が増大し、この傾向がC:0.15%
でさらに顕著になることである。いまひとつの理由は、
操業の安全の確保である。 前記したように、C濃度
0.2〜0.4%のレベルで真空を適用すると、多量の
COガスが発生し(主としてCr2O3+C→3CO↑+
2Crの反応によると考えられる)、精錬容器の上部空
間または排ガスダクト内でO2と反応して爆発するおそ
れがある。 いうまでもなく爆発は、作業者の安全を確
保し、装置の損傷を避ける上で防がなければならない。
C濃度が0.15%またはそれ以下になれば、こうし
た爆発の危険が実質上なくなる。
では、溶鋼中のC成分によるCr酸化物の還元すなわち
脱炭およびCr回収が促進されないので、200Torr以
下とくに150Torr以下にする必要がある。 一方で、
過度な真空吸引は、前述のように急激なCOの発生によ
るスプラッシュの発生という困難を招くから、適切な減
圧度の真空吸引を実施する。 20Torrの下限は、その
圧力下でスプラッシュが実際上許容し得る限度に止まる
という理由から定めたものである。 この真空精錬の段
階で、N2またはそれ以外の非酸化性ガスを、溶鋼トン
あたり少なくとも0.2Nm3/分の流量で吹き込むの
は、吹き込みノズルの閉塞を防ぐため必要な操作であ
る。
真空吸引を可能にする真空フード(4)を設けた精錬容
器(1)を使用し、18Cr−Ni(SUS304)の
原料となる溶鋼(3)にガス(3)を吹き込んで脱炭精
錬を行なった。
比を、まず6/1、次は3/1、さらに1/1と変化さ
せながら、20分間にわたって行なった。 それによ
り、C濃度は0.15%に、Cr量は17.2%に減少
した。
は0.3Nm3/分・溶鋼トン)て撹拌を続け、容器に蓋
をして気密に保ち、真空吸引により容器内の圧力を30
Torrに低下させた。
中で吹込ガスをN2からArに切り換えた。 精錬プロ
セスの全体を図示すると、図2のようになる。 上記の
吹込ガスの切り換えの前後に、クロム酸化物を還元する
ためにフェロシリコンを添加した。 添加は、クロム酸
化物を完全に還元するのに必要な理論量を若干上回るよ
うに行なった。
られた溶鋼中のN量を測定した。その結果を図3に示
す。 図3のグラフから、Arガスの吹き込みを1分間
以内に止めた場合はN量が500ppm 以上であるが、1
分間を超えて行なえば、それ以下の400〜200ppm
のレベルに低下することがわかる。 従って、目標とす
るN含有量に応じて、吹込ガスのN2からArへの切り
換えの時期を設定すればよいことがわかる。
05%であった。
Cr−8Ni鋼(SUS304)に加えて、13Cr鋼
および24Cr−13Ni鋼の原料とする溶鋼を使用
し、実施例1と同様にして大気圧下の脱炭精錬を行なっ
た。
からArに切り換えるタイミングと真空処理中のArガ
ス使用量を、下記3種のように変えた。 切換タイミング Arガス使用量 A 真空吸引開始時 2Nm3/溶鋼トン B 真空処理中 1 C 真空処理終了後 0 上記3種の原料に対して、A〜Cの真空精錬を行なった
場合にそれぞれ得られた溶鋼について、N含有量を測定
した。 結果はつぎのとおりである(単位は重量%)。
も一部に代えてN2ガスを使用して含クロム鋼を真空処
理するから、高価なArガスの使用量を減少させること
ができ、しかも目的とする含クロム鋼のN含有量を適宜
の値に調整することが容易になる。
の容器の断面図。
れを示す説明図。
時のArガス吹込時間と溶鋼中のN含有量との関係をあ
らわしたグラフ。
Claims (2)
- 【請求項1】 精錬容器内で含クロム鋼の溶鋼中にガス
を吹き込んで脱炭を行なう精錬法において、溶鋼中のC
濃度が0.15%(重量)以下に低下するまでは、吹込
ガスとして非酸化性ガスとO2との混合ガスを使用し、
C濃度がこの値以下に低下した後は、容器内を150〜
20Torrに減圧するとともに、溶鋼中のクロム酸化物を
還元するために必要な理論量以上の量の還元剤を添加
し、溶鋼中にN2またはそれ以外の非酸化性ガスを、溶
鋼トンあたり少なくとも0.2Nm3/分の流量で吹き込
むことを特徴とする高クロム鋼の精錬法。 - 【請求項2】 真空精錬のはじめの段階では非酸化性ガ
スとしてN2を吹き込み、後の段階においてはN2以外の
非酸化性ガスを吹き込んで真空処理を行なう請求項1の
精錬法。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4499691A JP2855867B2 (ja) | 1990-10-01 | 1991-03-11 | 含クロム溶鋼の精錬法 |
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Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2-260599 | 1990-10-01 | ||
| JP26059990 | 1990-10-01 | ||
| JP4499691A JP2855867B2 (ja) | 1990-10-01 | 1991-03-11 | 含クロム溶鋼の精錬法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH04263005A JPH04263005A (ja) | 1992-09-18 |
| JP2855867B2 true JP2855867B2 (ja) | 1999-02-10 |
Family
ID=26384955
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4499691A Expired - Lifetime JP2855867B2 (ja) | 1990-10-01 | 1991-03-11 | 含クロム溶鋼の精錬法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2855867B2 (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN100439539C (zh) * | 2007-02-15 | 2008-12-03 | 刘巍 | 低微碳铬铁合金的生产工艺 |
| CN104630420A (zh) * | 2015-02-16 | 2015-05-20 | 中钢集团天澄环保科技股份有限公司 | 一种移动式aod炉烟气捕集系统 |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| BR9406712A (pt) * | 1993-06-04 | 1996-03-19 | Nippon Steel Corp | Método de produçao para aço fundido de baixo teor de carbono usando tratamento de degaseificaçao e descarburizaçao a vácuo |
Citations (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP6010087B2 (ja) | 2013-11-06 | 2016-10-19 | 株式會社 コベア | バルブ |
-
1991
- 1991-03-11 JP JP4499691A patent/JP2855867B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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Cited By (3)
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| CN104630420B (zh) * | 2015-02-16 | 2016-07-06 | 中钢集团天澄环保科技股份有限公司 | 一种移动式aod炉烟气捕集系统 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH04263005A (ja) | 1992-09-18 |
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