JP2928199B2 - 金属製真空二重壁容器およびその製造方法 - Google Patents
金属製真空二重壁容器およびその製造方法Info
- Publication number
- JP2928199B2 JP2928199B2 JP14055497A JP14055497A JP2928199B2 JP 2928199 B2 JP2928199 B2 JP 2928199B2 JP 14055497 A JP14055497 A JP 14055497A JP 14055497 A JP14055497 A JP 14055497A JP 2928199 B2 JP2928199 B2 JP 2928199B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- container
- copper
- polishing
- walled
- stainless steel
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Thermally Insulated Containers For Foods (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、銅含有ステンレス
鋼等からなる金属製真空二重壁容器とその製造方法に関
し、特に、銅含有ステンレス鋼からなる金属製真空二重
壁容器の抗菌性が保持された金属製真空二重壁容器とそ
の製造方法に関する。
鋼等からなる金属製真空二重壁容器とその製造方法に関
し、特に、銅含有ステンレス鋼からなる金属製真空二重
壁容器の抗菌性が保持された金属製真空二重壁容器とそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、金属製真空断熱容器は、オース
テナイト系ステンレス鋼などを用いて内容器と外容器を
成形し、これら内容器と外容器を、空隙を隔てて口部で
接合一体化して二重壁構造とし、前記空隙を真空排気し
て断熱層を形成する方法で作製されるが、通常、この真
空排気処理工程は、400〜1200℃の条件で行われ
る。一方、オーステナイト系ステンレス鋼に抗菌性を付
与する方法として、オーステナイト系ステンレス鋼に銅
を含有させる方法が知られている。これは銅イオンのも
つ抗菌作用を利用したものであり、ステンレス鋼自体の
持つ防錆効果を併せ持つので、調理・飲食・貯蔵・医療
用途に好ましく用いられる。
テナイト系ステンレス鋼などを用いて内容器と外容器を
成形し、これら内容器と外容器を、空隙を隔てて口部で
接合一体化して二重壁構造とし、前記空隙を真空排気し
て断熱層を形成する方法で作製されるが、通常、この真
空排気処理工程は、400〜1200℃の条件で行われ
る。一方、オーステナイト系ステンレス鋼に抗菌性を付
与する方法として、オーステナイト系ステンレス鋼に銅
を含有させる方法が知られている。これは銅イオンのも
つ抗菌作用を利用したものであり、ステンレス鋼自体の
持つ防錆効果を併せ持つので、調理・飲食・貯蔵・医療
用途に好ましく用いられる。
【0003】ところが、銅含有ステンレス鋼を用いて上
述の方法で真空二重壁容器を作製すると、上記加熱真空
排気処理の間に銅が材料内部に拡散、固溶し、内外容器
表面が変質して銅濃度が減少した銅欠乏層が形成される
ため、銅による抗菌作用が十分得られなくなるという問
題があった。また内外容器を成形するための曲げ加工や
絞り加工によっても表面が変化して抗菌性が低下するこ
とがあった。さらに、銅を含有したステンレス鋼に電解
研磨を施したときも、表面の銅が優先的に溶出するた
め、銅の抗菌作用が低下もしくは消失することがあっ
た。
述の方法で真空二重壁容器を作製すると、上記加熱真空
排気処理の間に銅が材料内部に拡散、固溶し、内外容器
表面が変質して銅濃度が減少した銅欠乏層が形成される
ため、銅による抗菌作用が十分得られなくなるという問
題があった。また内外容器を成形するための曲げ加工や
絞り加工によっても表面が変化して抗菌性が低下するこ
とがあった。さらに、銅を含有したステンレス鋼に電解
研磨を施したときも、表面の銅が優先的に溶出するた
め、銅の抗菌作用が低下もしくは消失することがあっ
た。
【0004】銅含有ステンレス鋼における低下した抗菌
作用を回復させるための方法としては、銅含有ステンレ
ス鋼を酸性溶液に浸漬して表面変質層を破壊しCuリッ
チの表層部を露出される方法がある(特開平8−229
107号公報)。この方法は、硫酸、フッ硝酸、蓚酸な
どの非酸化性または還元性の酸を含み、好ましくはpH
2.5以下の酸性溶液に、銅含有ステンレス鋼を浸漬し
て、表層部を0.10原子%以上のCu濃度とするもの
である。ところが、銅含有ステンレス鋼からなる真空二
重壁容器の場合は、この抗菌作用回復処理を施しても、
抗菌性が十分回復しないという問題があった。これは、
上述のごとく、上記加熱真空排気処理の間に形成された
表面変質層(銅欠乏層)が、上記回復処理だけでは十分
破壊されないためであると考えられる。
作用を回復させるための方法としては、銅含有ステンレ
ス鋼を酸性溶液に浸漬して表面変質層を破壊しCuリッ
チの表層部を露出される方法がある(特開平8−229
107号公報)。この方法は、硫酸、フッ硝酸、蓚酸な
どの非酸化性または還元性の酸を含み、好ましくはpH
2.5以下の酸性溶液に、銅含有ステンレス鋼を浸漬し
て、表層部を0.10原子%以上のCu濃度とするもの
である。ところが、銅含有ステンレス鋼からなる真空二
重壁容器の場合は、この抗菌作用回復処理を施しても、
抗菌性が十分回復しないという問題があった。これは、
上述のごとく、上記加熱真空排気処理の間に形成された
表面変質層(銅欠乏層)が、上記回復処理だけでは十分
破壊されないためであると考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記事情に鑑
みてなされたもので、銅含有ステンレス鋼からなる金属
製真空二重壁容器の抗菌性を確実に保持した金属製真空
二重壁容器とその製造方法を提供するものである。
みてなされたもので、銅含有ステンレス鋼からなる金属
製真空二重壁容器の抗菌性を確実に保持した金属製真空
二重壁容器とその製造方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の金属製真空二重
壁容器は、内容器と外容器を備え、該内容器と外容器と
の間に形成された密閉空間を真空断熱層とした金属製真
空二重壁容器において、前記内容器と外容器の少なくと
も一方が、銅を1.5〜5%を含むステンレス鋼から成
形され、かつ内容器内面と外容器外面の少なくとも一方
の銅含有面が研磨材によって表面研磨されたことを特徴
としている。前記表面研磨をブラスト研磨により行なう
ことが望ましい。また本発明の金属製真空二重壁容器の
製造方法は、内容器と外容器とをその少なくとも一方に
銅を1.5〜5%を含むステンレス鋼を用いて成形し、
これら内容器と外容器を空隙を隔てて接合一体化して二
重壁構造とし、前記空隙を真空排気して断熱層を形成
し、ついで内容器内面と外容器外面のうち少なくとも一
方の銅含有面に対して研磨材を用いた表面研磨を施すこ
とを特徴としている。この表面研磨の後、表面研磨を施
した表面を酸性溶液に浸漬する抗菌性回復処理を行うこ
ともできる。前記表面研磨をブラスト研磨により行なう
ことが望ましい。
壁容器は、内容器と外容器を備え、該内容器と外容器と
の間に形成された密閉空間を真空断熱層とした金属製真
空二重壁容器において、前記内容器と外容器の少なくと
も一方が、銅を1.5〜5%を含むステンレス鋼から成
形され、かつ内容器内面と外容器外面の少なくとも一方
の銅含有面が研磨材によって表面研磨されたことを特徴
としている。前記表面研磨をブラスト研磨により行なう
ことが望ましい。また本発明の金属製真空二重壁容器の
製造方法は、内容器と外容器とをその少なくとも一方に
銅を1.5〜5%を含むステンレス鋼を用いて成形し、
これら内容器と外容器を空隙を隔てて接合一体化して二
重壁構造とし、前記空隙を真空排気して断熱層を形成
し、ついで内容器内面と外容器外面のうち少なくとも一
方の銅含有面に対して研磨材を用いた表面研磨を施すこ
とを特徴としている。この表面研磨の後、表面研磨を施
した表面を酸性溶液に浸漬する抗菌性回復処理を行うこ
ともできる。前記表面研磨をブラスト研磨により行なう
ことが望ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明は、内容器と外容器の少な
くとも一方が、銅を1.5〜5%を含むオーステナイト
系ステンレス鋼から成形され、かつ内容器内面(内容物
に接する側)と外容器外面(外部に面する側)の少なく
とも一方の銅含有面が研磨材によって表面研磨されたこ
とを特徴とする真空二重壁容器であって、銅含有ステン
レス鋼を材料とする真空二重壁容器の製造工程において
表面に生じた銅欠乏層を研磨材を用いて機械的に破壊
し、銅含有ステンレス層を露出させるものである。本発
明において研磨材とは、通常のステンレス鋼などの研磨
に用いられるものを用いることができ、例えば、コラン
ダム、炭化ケイ素、アルミナ、ジルコニア−アルミナ、
ガラスビーズなどを挙げることができる。研磨材の粒径
は50〜200μm程度を用いることが好ましい。研磨
材を用いた研磨方法としてはブラスト研磨、バフ研磨、
スコッチ研磨などが挙げられるが、なかでもブラスト研
磨は、研磨材が表面に付着して残留することがなく、容
易に回収でき、容器の内部に細かい凹凸が形成されてい
ても、確実に研磨することができるので好ましい。
くとも一方が、銅を1.5〜5%を含むオーステナイト
系ステンレス鋼から成形され、かつ内容器内面(内容物
に接する側)と外容器外面(外部に面する側)の少なく
とも一方の銅含有面が研磨材によって表面研磨されたこ
とを特徴とする真空二重壁容器であって、銅含有ステン
レス鋼を材料とする真空二重壁容器の製造工程において
表面に生じた銅欠乏層を研磨材を用いて機械的に破壊
し、銅含有ステンレス層を露出させるものである。本発
明において研磨材とは、通常のステンレス鋼などの研磨
に用いられるものを用いることができ、例えば、コラン
ダム、炭化ケイ素、アルミナ、ジルコニア−アルミナ、
ガラスビーズなどを挙げることができる。研磨材の粒径
は50〜200μm程度を用いることが好ましい。研磨
材を用いた研磨方法としてはブラスト研磨、バフ研磨、
スコッチ研磨などが挙げられるが、なかでもブラスト研
磨は、研磨材が表面に付着して残留することがなく、容
易に回収でき、容器の内部に細かい凹凸が形成されてい
ても、確実に研磨することができるので好ましい。
【0008】以下研磨工程にブラスト研磨を用いて、図
1に示す構成の金属製真空二重壁容器を作製する方法に
ついて説明する。まず、内容器1と外容器2とをその少
なくとも一方、好ましくは両方に銅を1.5〜5%含む
オーステナイト系ステンレス鋼(以下単に銅含有ステン
レス鋼という)、好ましくは1.5〜3%含む銅含有ス
テンレス鋼を用いて成形する。ここで内容器1または外
容器2を構成するステンレス中の銅の含有量が1.5%
を下回ると、抗菌性が十分発揮されないばかりでなく、
加工性が不十分で深絞りなどの加工をすることができな
い。逆に銅の含有量が5%を越えると、高温で粒界ぜい
化を促進し、熱間加工性が阻害され、高温われに敏感に
なる傾向がある。さらに銅含有量3%以下のステンレス
鋼は、ステンレス鋼母材に対する銅の固溶の均一性が高
いので、特に好ましく用いられる。本発明において、内
容器1および外容器2の成形方法は限定されず、丸め加
工、絞り加工、張り出し加工、溶接加工などの加工法を
用いることができるが、銅含有ステンレス鋼の場合は、
一枚の鋼板からの深しぼり成形が可能であり、胴部と底
部を分けて成形した場合に必要であった溶接工程を省略
することができる。さらに、マルテンサイト変態が抑え
られているので、成形において表面の成形歪やわれが防
止でき、成形後の焼鈍の工程を省略することができる。
1に示す構成の金属製真空二重壁容器を作製する方法に
ついて説明する。まず、内容器1と外容器2とをその少
なくとも一方、好ましくは両方に銅を1.5〜5%含む
オーステナイト系ステンレス鋼(以下単に銅含有ステン
レス鋼という)、好ましくは1.5〜3%含む銅含有ス
テンレス鋼を用いて成形する。ここで内容器1または外
容器2を構成するステンレス中の銅の含有量が1.5%
を下回ると、抗菌性が十分発揮されないばかりでなく、
加工性が不十分で深絞りなどの加工をすることができな
い。逆に銅の含有量が5%を越えると、高温で粒界ぜい
化を促進し、熱間加工性が阻害され、高温われに敏感に
なる傾向がある。さらに銅含有量3%以下のステンレス
鋼は、ステンレス鋼母材に対する銅の固溶の均一性が高
いので、特に好ましく用いられる。本発明において、内
容器1および外容器2の成形方法は限定されず、丸め加
工、絞り加工、張り出し加工、溶接加工などの加工法を
用いることができるが、銅含有ステンレス鋼の場合は、
一枚の鋼板からの深しぼり成形が可能であり、胴部と底
部を分けて成形した場合に必要であった溶接工程を省略
することができる。さらに、マルテンサイト変態が抑え
られているので、成形において表面の成形歪やわれが防
止でき、成形後の焼鈍の工程を省略することができる。
【0009】上記内容器1または外容器2の少なくとも
一方の断熱層側の面、好ましくは内容器1外面(断熱層
側となる面)の少なくとも胴部に、銅、銀、金等を用い
て金属メッキ層8を形成してもよい。特に金属メッキ層
8を設ける方の容器に銅含有ステンレス鋼を用いた場合
は、マルテンサイト変態が抑えられ、内容器の表面に成
形歪がないことからメッキ厚、メッキ光沢にむらのない
メッキ層8となり、高い断熱性が得られるので好まし
い。ついで、内容器1の口部1aと外容器2の口部2a
を合わせて接合一体化した後、真空排気炉に入れて40
0〜1200℃、好ましくは400〜600℃にて真空
排気を行ない真空断熱層3を形成する。このように本発
明の金属製真空二重壁容器において、加熱真空処理は、
焼鈍温度(870℃)以下で行うことができるのは、銅
含有ステンレス鋼を用いて成形されているので、結晶格
子のひずみが起こりにくいからである。 真空排気後の
断熱層の封止手段としては、外容器底部中央等に取り付
けたチップ管を介して所定の真空度に排気した後チップ
管を圧接して封止する方法や、固形ロウ材の溶融固化な
ど通常の方法を用いることができる。
一方の断熱層側の面、好ましくは内容器1外面(断熱層
側となる面)の少なくとも胴部に、銅、銀、金等を用い
て金属メッキ層8を形成してもよい。特に金属メッキ層
8を設ける方の容器に銅含有ステンレス鋼を用いた場合
は、マルテンサイト変態が抑えられ、内容器の表面に成
形歪がないことからメッキ厚、メッキ光沢にむらのない
メッキ層8となり、高い断熱性が得られるので好まし
い。ついで、内容器1の口部1aと外容器2の口部2a
を合わせて接合一体化した後、真空排気炉に入れて40
0〜1200℃、好ましくは400〜600℃にて真空
排気を行ない真空断熱層3を形成する。このように本発
明の金属製真空二重壁容器において、加熱真空処理は、
焼鈍温度(870℃)以下で行うことができるのは、銅
含有ステンレス鋼を用いて成形されているので、結晶格
子のひずみが起こりにくいからである。 真空排気後の
断熱層の封止手段としては、外容器底部中央等に取り付
けたチップ管を介して所定の真空度に排気した後チップ
管を圧接して封止する方法や、固形ロウ材の溶融固化な
ど通常の方法を用いることができる。
【0010】こうして得られた二重壁容器の内容器内面
と外容器外面の少なくとも一方にブラスト研磨を施す。
図2は、本発明の金属製真空二重壁容器の製造方法にお
いて用いられる、ブラスト研磨の例を示すもので、内容
器の内面を研磨している様子を示す概略図である。この
ブラスト研磨機11は、研磨材12を入れるタンク、コ
ンプレッサー(図示せず)を接続して圧縮空気が吹き込
まれるためのエアー吹込口、研磨材12と高速気流を同
伴させる送出管15、および研磨材を高速気流とともに
噴き出すノズル16、容器17を回転させる回転台(図
示せず)から概略構成されている。ノズル16は上下移
動が可能になっており、ノズル16先端には多数の噴射
孔が穿設されたチップ(図示せず)が取り付けられてい
る。チップとしては、ノズル中心軸に対する噴射孔の形
成角度が異なる複数のチップを用意し、必要に応じてチ
ップを交換して、研磨材の噴射角度を変化させるように
してもよい。研磨材12としては、コランダム、炭化ケ
イ素、アルミナ、ジルコニア−アルミナ、ガラスビーズ
などを用いることができる。
と外容器外面の少なくとも一方にブラスト研磨を施す。
図2は、本発明の金属製真空二重壁容器の製造方法にお
いて用いられる、ブラスト研磨の例を示すもので、内容
器の内面を研磨している様子を示す概略図である。この
ブラスト研磨機11は、研磨材12を入れるタンク、コ
ンプレッサー(図示せず)を接続して圧縮空気が吹き込
まれるためのエアー吹込口、研磨材12と高速気流を同
伴させる送出管15、および研磨材を高速気流とともに
噴き出すノズル16、容器17を回転させる回転台(図
示せず)から概略構成されている。ノズル16は上下移
動が可能になっており、ノズル16先端には多数の噴射
孔が穿設されたチップ(図示せず)が取り付けられてい
る。チップとしては、ノズル中心軸に対する噴射孔の形
成角度が異なる複数のチップを用意し、必要に応じてチ
ップを交換して、研磨材の噴射角度を変化させるように
してもよい。研磨材12としては、コランダム、炭化ケ
イ素、アルミナ、ジルコニア−アルミナ、ガラスビーズ
などを用いることができる。
【0011】この研磨機11を用いて内容器内面を研磨
するには、容器17を倒立させて回転台に固定し、その
容器17内部にノズル16を下から挿入する。ついで回
転台を作動させて、容器17を倒立状態で回転させつ
つ、コンプレッサーを作動させて、エアー吹込口14か
ら圧縮空気を送り込む。この圧縮空気は高速気流となっ
てタンク13から落下する研磨材12を同伴させなが
ら、送出管15を通ってノズル16先端より噴出する。
噴出圧力は2〜5kg/cm2G程度が好ましい。この
状態を保ちながらノズル16を上下移動させて、内容器
内面全体を研磨する。このとき必要に応じてノズル先端
のチップを交換して研磨材の噴射角度を変えて研磨を行
う。この間高速気流とともに噴き出された研磨材12は
内容器下方に設けられた回収手段(図示せず)により集
められ、タンク13に戻されて再使用される。
するには、容器17を倒立させて回転台に固定し、その
容器17内部にノズル16を下から挿入する。ついで回
転台を作動させて、容器17を倒立状態で回転させつ
つ、コンプレッサーを作動させて、エアー吹込口14か
ら圧縮空気を送り込む。この圧縮空気は高速気流となっ
てタンク13から落下する研磨材12を同伴させなが
ら、送出管15を通ってノズル16先端より噴出する。
噴出圧力は2〜5kg/cm2G程度が好ましい。この
状態を保ちながらノズル16を上下移動させて、内容器
内面全体を研磨する。このとき必要に応じてノズル先端
のチップを交換して研磨材の噴射角度を変えて研磨を行
う。この間高速気流とともに噴き出された研磨材12は
内容器下方に設けられた回収手段(図示せず)により集
められ、タンク13に戻されて再使用される。
【0012】さらに本発明においては、この研磨材によ
る表面研磨の後に、酸性溶液に浸漬する回復処理を重ね
て行えば、抗菌性がさらに高められるので好ましい。こ
の回復処理は、特開平8−229107号公報に記載さ
れた方法を用いることができ、好ましくは非酸化性また
は還元性の酸を含む酸性溶液、特に好ましくはpH2.
5以下、50〜80℃の希硫酸水溶液、フッ硝酸水溶
液、あるいは蓚酸水溶液の中に、目的とする表面を浸漬
する。
る表面研磨の後に、酸性溶液に浸漬する回復処理を重ね
て行えば、抗菌性がさらに高められるので好ましい。こ
の回復処理は、特開平8−229107号公報に記載さ
れた方法を用いることができ、好ましくは非酸化性また
は還元性の酸を含む酸性溶液、特に好ましくはpH2.
5以下、50〜80℃の希硫酸水溶液、フッ硝酸水溶
液、あるいは蓚酸水溶液の中に、目的とする表面を浸漬
する。
【0013】以上、金属製の内容器と外容器とが空隙を
隔てて口部で接合一体化して二重壁構造とされ、前記空
隙を真空断熱層とした真空二重壁容器の例に基づいて、
本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるもので
はなく、真空断熱層を備えた二重壁容器であればよい。
特に本発明の金属製真空二重壁容器は、成形性の高い銅
含有ステンレス鋼が用いられているので、銅を含まない
オーステナイト系ステンレス鋼を用いた場合に比べて、
成形部材の形状を自由に設計できる。したがって例え
ば、内容器と外容器筒状部までを平板から深しぼり成形
並びに逆再しぼり成形などの方法で1点部材とし、この
部材と外容器底面部材とを接合し一体化して二重壁構造
とすることもできる。また本発明は、図示したような魔
法瓶の他、断熱調理鍋、マグカップ、食缶、ランチジャ
ーなどに適用することができる。
隔てて口部で接合一体化して二重壁構造とされ、前記空
隙を真空断熱層とした真空二重壁容器の例に基づいて、
本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるもので
はなく、真空断熱層を備えた二重壁容器であればよい。
特に本発明の金属製真空二重壁容器は、成形性の高い銅
含有ステンレス鋼が用いられているので、銅を含まない
オーステナイト系ステンレス鋼を用いた場合に比べて、
成形部材の形状を自由に設計できる。したがって例え
ば、内容器と外容器筒状部までを平板から深しぼり成形
並びに逆再しぼり成形などの方法で1点部材とし、この
部材と外容器底面部材とを接合し一体化して二重壁構造
とすることもできる。また本発明は、図示したような魔
法瓶の他、断熱調理鍋、マグカップ、食缶、ランチジャ
ーなどに適用することができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき詳しく説明す
る。 [試験例1]図1に示した構造の真空断熱魔法瓶を製造
した。内容器と外容器の両方を、銅含有量が3〜4%で
ある日新製鋼(株)製オーステナイト系ステンレス鋼S
USXM7を用いて絞り加工で成形した。つぎに内容器
と外容器の口元部を合わせて溶接して二重壁容器とした
後、約1000℃の真空排気処理を施した。得られた二
重壁容器の内容器内面および外容器外面を、研磨材を用
いてブラスト研磨(ガラスビーズを5kg/cm2Gに
て吹き付け)したもの、スコッチ研磨したもの、電解研
磨したものに加えて、表面処理を行わないものも用意し
た。これらについて下記の方法で抗菌性試験を行った。
その結果を表1に示す。 (抗菌性試験)普通ブイヨン培地で培養した大腸菌をリ
ン酸緩衝液で1ml当たり生菌数1.4×105の菌液
を調製した。この液1mlをブラスト研磨、スコッチ研
磨、電解研磨、表面処理を行わないものの4種類の表面
に滴下し、25℃、24時間静置した後、生菌数を調べ
た。その結果、表1に示すように、ブラスト研磨、スコ
ッチ研磨では抗菌性の顕著な回復がみられ、本発明の効
果が確認された。一方、電解研磨を施したものは抗菌性
作用が失われ、電解研磨処理にて銅成分が選択的に溶出
してしまうためであると推察された。
る。 [試験例1]図1に示した構造の真空断熱魔法瓶を製造
した。内容器と外容器の両方を、銅含有量が3〜4%で
ある日新製鋼(株)製オーステナイト系ステンレス鋼S
USXM7を用いて絞り加工で成形した。つぎに内容器
と外容器の口元部を合わせて溶接して二重壁容器とした
後、約1000℃の真空排気処理を施した。得られた二
重壁容器の内容器内面および外容器外面を、研磨材を用
いてブラスト研磨(ガラスビーズを5kg/cm2Gに
て吹き付け)したもの、スコッチ研磨したもの、電解研
磨したものに加えて、表面処理を行わないものも用意し
た。これらについて下記の方法で抗菌性試験を行った。
その結果を表1に示す。 (抗菌性試験)普通ブイヨン培地で培養した大腸菌をリ
ン酸緩衝液で1ml当たり生菌数1.4×105の菌液
を調製した。この液1mlをブラスト研磨、スコッチ研
磨、電解研磨、表面処理を行わないものの4種類の表面
に滴下し、25℃、24時間静置した後、生菌数を調べ
た。その結果、表1に示すように、ブラスト研磨、スコ
ッチ研磨では抗菌性の顕著な回復がみられ、本発明の効
果が確認された。一方、電解研磨を施したものは抗菌性
作用が失われ、電解研磨処理にて銅成分が選択的に溶出
してしまうためであると推察された。
【0015】
【表1】
【0016】[試験例2]試験例1で3種類の研磨を施
した魔法瓶をpH0.2、70℃の硫酸水溶液に60秒
浸漬し、純水で洗浄する回復処理を行った後、同様に抗
菌性試験を行った。さらに比較のために表面研磨を施さ
ない魔法瓶についても同様に回復処理を行い、抗菌性試
験に供した。これらの結果を表2に示す。
した魔法瓶をpH0.2、70℃の硫酸水溶液に60秒
浸漬し、純水で洗浄する回復処理を行った後、同様に抗
菌性試験を行った。さらに比較のために表面研磨を施さ
ない魔法瓶についても同様に回復処理を行い、抗菌性試
験に供した。これらの結果を表2に示す。
【0017】
【表2】
【0018】表2の結果より、回復処理単独に比べて、
研磨材による研磨を併用すると、回復効果が高まること
がわかった。特にブラスト研磨と回復処理を併用したも
のは、高い抗菌性を示した。
研磨材による研磨を併用すると、回復効果が高まること
がわかった。特にブラスト研磨と回復処理を併用したも
のは、高い抗菌性を示した。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、銅
含有ステンレス鋼を材料とする真空二重壁容器の製造工
程において表面に生じた銅欠乏層を研磨材を用いて機械
的に破壊するという簡便かつ安価な方法で、抗菌性の高
い金属製真空二重壁容器を得ることができる。また研磨
後の表面積が大きくなるので、銅と菌の接触面積を大き
くし、銅の抗菌作用を十分に発揮させることができる。
特に、表面研磨をブラスト研磨で行うことにより、内容
器の表面形状が複雑であっても、研磨材が表面に残留す
ることなく、細かい形状の部分まで研磨が可能である。
さらに研磨材による研磨の後、酸性溶液への浸漬を行う
ことより、抗菌性をより高めることができる。また、加
熱真空排気処理の際に銅含有ステンレス鋼の表面層に生
成する酸化生成物を、研磨材による表面研磨によって除
去することができるので、得られた容器の耐食性が高め
られるという効果も奏する。
含有ステンレス鋼を材料とする真空二重壁容器の製造工
程において表面に生じた銅欠乏層を研磨材を用いて機械
的に破壊するという簡便かつ安価な方法で、抗菌性の高
い金属製真空二重壁容器を得ることができる。また研磨
後の表面積が大きくなるので、銅と菌の接触面積を大き
くし、銅の抗菌作用を十分に発揮させることができる。
特に、表面研磨をブラスト研磨で行うことにより、内容
器の表面形状が複雑であっても、研磨材が表面に残留す
ることなく、細かい形状の部分まで研磨が可能である。
さらに研磨材による研磨の後、酸性溶液への浸漬を行う
ことより、抗菌性をより高めることができる。また、加
熱真空排気処理の際に銅含有ステンレス鋼の表面層に生
成する酸化生成物を、研磨材による表面研磨によって除
去することができるので、得られた容器の耐食性が高め
られるという効果も奏する。
【図1】 本発明の金属製二重断熱容器の一例を示す一
部断面図である。
部断面図である。
【図2】 本発明の金属製真空二重壁容器の製造方法に
おいて用いられるブラスト研磨の例を示す概略図であ
る。
おいて用いられるブラスト研磨の例を示す概略図であ
る。
1…内容器、2…外容器、3…真空断熱層、8…金属メ
ッキ層
ッキ層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 重田 賢二 東京都港区西新橋1丁目16番7号 日本 酸素株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A47J 41/02 102 WPI(DIALOG)
Claims (4)
- 【請求項1】 内容器と外容器を備え、該内容器と外容
器との間に形成された密閉空間を真空断熱層とした金属
製真空二重壁容器において、 前記内容器と外容器の少なくとも一方が、銅を1.5〜
5%を含むオーステナイト系ステンレス鋼から成形さ
れ、 かつ内容器内面と外容器外面の少なくとも一方の銅含有
面が研磨材によって表面研磨されたことを特徴とする金
属製真空二重壁容器。 - 【請求項2】 内容器と外容器とをその少なくとも一方
に、銅を1.5〜5%を含むオーステナイト系ステンレ
ス鋼を用いて成形し、これら内容器と外容器を空隙を隔
てて接合一体化して二重壁構造とし、前記空隙を真空排
気して断熱層を形成し、ついで内容器内面と外容器外面
のうち少なくとも一方の銅含有面に対して研磨材を用い
た表面研磨を施すことを特徴とする金属製真空二重壁容
器の製造方法。 - 【請求項3】 前記表面研磨の後、表面研磨を施した表
面を酸性溶液に浸漬する抗菌性回復処理を行うことを特
徴とする請求項2記載の金属製真空二重壁容器の製造方
法。 - 【請求項4】 前記表面研磨をブラスト研磨により行う
ことを特徴とする請求項2または3記載の金属製真空二
重壁容器の製造方法。
Priority Applications (6)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14055497A JP2928199B2 (ja) | 1997-05-29 | 1997-05-29 | 金属製真空二重壁容器およびその製造方法 |
| KR1019980018408A KR19980087268A (ko) | 1997-05-29 | 1998-05-21 | 단열 이중벽 용기 |
| TW087107948A TW350768B (en) | 1997-05-29 | 1998-05-22 | Insulating double-wall container |
| CA 2238779 CA2238779A1 (en) | 1997-05-29 | 1998-05-27 | Insulating double-layered container |
| EP19980401257 EP0880929A2 (en) | 1997-05-29 | 1998-05-27 | Insulating double-layered container |
| CN 98102483 CN1203058A (zh) | 1997-05-29 | 1998-05-29 | 隔热双层壁容器 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14055497A JP2928199B2 (ja) | 1997-05-29 | 1997-05-29 | 金属製真空二重壁容器およびその製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10328045A JPH10328045A (ja) | 1998-12-15 |
| JP2928199B2 true JP2928199B2 (ja) | 1999-08-03 |
Family
ID=15271385
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP14055497A Expired - Fee Related JP2928199B2 (ja) | 1997-05-29 | 1997-05-29 | 金属製真空二重壁容器およびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2928199B2 (ja) |
-
1997
- 1997-05-29 JP JP14055497A patent/JP2928199B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH10328045A (ja) | 1998-12-15 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| EP0880929A2 (en) | Insulating double-layered container | |
| CN108950560A (zh) | 一种双面耐热聚晶金刚石复合片及其制备工艺 | |
| JP2928199B2 (ja) | 金属製真空二重壁容器およびその製造方法 | |
| US6129953A (en) | Process for coating a titanium golf club head and manufacture of titanium inserts | |
| CN107937874B (zh) | 一种在铌合金表面制备Pt-Al高温防护涂层的方法 | |
| CN118810155B (zh) | 高结合强度双金属层状复合材料及其制备工艺 | |
| JPH0778273B2 (ja) | 翼部材の表面処理方法 | |
| CN112251745B (zh) | 一种具有纳米氮化钛涂层的抗菌不锈钢刀具的制备方法 | |
| CN109402475A (zh) | 一种金刚石复合材料坯料热处理方法 | |
| TWI569761B (zh) | 鈦材保溫杯及其製造方法 | |
| CN113442000A (zh) | 一种金属铋平面靶材的制备方法 | |
| CN115413918B (zh) | 一种钛金属真空保温杯及其制备方法 | |
| CN116676601B (zh) | 一种仿生切削刀具的制备方法 | |
| CN112475553A (zh) | 一种提高钛合金材料焊接性能的表面处理方法 | |
| CN110318061A (zh) | 铝合金氧化膜的去除方法 | |
| WO2020133731A1 (zh) | 一种粗化裸金刚石线锯及金刚石粗化方法 | |
| JP2002275571A (ja) | cBN基焼結体およびその被覆工具 | |
| CN1034157A (zh) | 聚晶金刚石复合片焊前处理方法 | |
| Salem et al. | An early Egyptian copper basin: characterization and case of warty corrosion | |
| JPS5950177A (ja) | 密着性に優れた金属表面処理法 | |
| Schickner et al. | Electroplating on Zirconium | |
| JP2001335344A (ja) | 磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法 | |
| CN112551870A (zh) | 一种不锈钢壳体内玻璃体烧结方法 | |
| JP7685553B2 (ja) | 殺菌性銅酸化物の形成方法及び殺菌性銅系物品 | |
| JP3225896B2 (ja) | 金属製真空二重容器の製造方法 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 19990406 |
|
| S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
| R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |